JP3550282B2 - 光ファイバの保護膜除去用ストリッパ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバの保護膜を被覆除去するための膜除去用ストリッパに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信に使用する光ファイバ30として、従来から図5の断面図に示すように石英製のファイバの周囲に2つの保護膜を被せてなり、まずファイバの周囲にUVアクリレートやシリコンなどの一次保護膜31を形成し、さらに、その周囲にナイロン、ハイトレル、PVCなどからなる二次保護膜32を形成したものが使用されている。
【0003】
このような光ファイバ30の複数個を部分的に融合する場合には、予め所望位置のこれら保護膜31、32を剥ぎ取っておくことが必要である。
【0004】
図6に従来用いられていた光ファイバ30の保護膜除去用ストリッパ40を示す。同図に示すように一端で蝶着されたフレーム部材21、22のそれぞれへ、これらフレーム部材21、22の閉時に光ファイバ30の保護膜31、32を挟み込み切り込むべく円形エッジ部23、23を有する金属製の切断刃24、24を向かい合わせて配設するとともに、蝶着端側にフレーム部材21、22を常に開く方向に与勢するバネ26を備えている。また、他端部の向かい合った位置に一対の弾性板25、25が張りつけてあり、この上記弾性板25、25はフレーム部材21、22の閉時に丁度面接触するよう位置調整されている。
【0005】
図7に示すように、前記切断刃により光ファイバ30の保護膜31、32に切り込みを入れ、図8に示すように、その被覆切断箇所33を弾性板25、25で押圧挟持し、次にフレーム部材21、22を閉じた後矢印の方向に保護膜除去用ストリッパ40を動かすことで被覆除去される。
【0006】
なお、光ファイバ30の上記二重の保護膜31、32を除去する場合には、2つの異なる保護膜除去用ストリッパ(以下、ストリッパと略称する)40を用いる。すなわち、2次保護膜32を被覆除去する場合には、図9に示すように2次被覆内の一次保護膜31内近傍まで切り込むことができるよう調整されたストリッパを用い、二次膜32を被覆除去した後には、図10に示すように、一次保護膜31内の光ファイバ30近傍まで切り込むことができるよう調整されたストリッパ40を別途用いる。
【0007】
【従来技術の課題】
しかしながら、従来のストリッパ40には以下のような問題点があった。
【0008】
すなわち、前記バネ26と弾性板25、25の他に前記ストリッパ40に備えた円形エッジ部23、23の内径を光ファイバの外径より若干大きくしていても、切り込みを入れる時に上記円形エッジ部23、23と光ファイバ30が偏心してしまうことがよくあり、そのような場合、切断刃24、24と光ファイバ30が接触してしまう。
【0009】
切断刃24と光ファイバ30が接触した場合、光ファイバ30に何らかのダメージが加わり、光ファイバ30の機械的強度が著しく低下してしまい、製品の信頼性上問題であった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような従来技術を課題を解決するため本発明は、光ファイバの保護膜を挟持する把持部の先端に該保護膜を押圧するための樹脂製の当接部材を備えるとともに相対向する該当接部材の押圧面の厚みを0.6〜1mmとしてなるストリッパを提供せんとするものである。
【0011】
【作用】
光ファイバの2次保護膜を予め被覆除去した後、ストリッパの上記当接部材で上記保護膜を押圧挟持した状態で光ファイバの軸方向にストリッパを動かす。この時、1次保護膜は切り込みを入れることなく、ストリッパをスライドさせる引張力により挟持位置にて破断し、その位置から被覆除去され、その結果、光ファイバを露出させることができる。
【0012】
ストリッパの先端に備えた当接部材は曲げ弾性率が金属材料よりも高い樹脂材料で構成したので光ファイバに過度の力が加わらず、かつ、その押圧面が0.6〜1mm厚み程度であって1次保護膜の挟持部分を確実に保持できるので、膜の破断、被覆除去をスムーズに行う。
【0013】
なお、2次保護膜は通常、ナイロン、ポリエステル、エラストマーなどの硬めの材料であり、従来のような金属の切断刃によらなければ被覆除去が難しいので、2次保護膜については金属の切断刃を備えたストリッパを用いるのが良い。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図によって説明する。
図1に本実施形態のストリッパ1を示し、このストリッパ1は一対の把持部2、2がそれらの中央部位にてヒンジ3により結合しており、後端側には上記把持部2、2の先端を常時閉める方向に付勢するべくバネ等の弾性体4を備え、把持部2、2の握締及び握緩により先端が開閉自在である。また、上記把持部2、2それぞれの先端には樹脂製の当接部材5、5を向かい合わせて配設し、それら当接部材5、5の押圧面6、6は把持部2、2の閉時に丁度面接触するよう位置調整されている。したがって、上記ストリッパ1は前記ヒンジ3よりも後方の把持部2、2の取っ手部分7、7を握締めることにより先端の当接部材5、5が開き、これを緩めると当接部材5、5が閉まる方向に付勢されるものである。
【0015】
図2は、上記ストリッパ1による光ファイバ30の被覆除去の態様を示す概略図であり、同図(a)に示すように、ストリッパ1の取っ手部分7、7を握り締めて、先端の当接部材5、5を開き、その間に光ファイバ30を所望位置を配置した状態で、上記握り締めを緩め、当接部材5、5の押圧面6、6を光ファイバの一次保護膜31に押圧するようにこれを保持する。このようにしてから次に、同図(b)のようにストリッパをスライドさせることにより、一次保護膜31は切り込みを入れることなく引張力により挟持位置にて破断し、その位置から被覆除去され、その結果、光ファイバ30を露出させることができる。
【0016】
図3は、図2の領域Aの拡大図であり、同図に示すように当接部材5、5に相対向する押圧面6、6を備え、且つ、その厚みwは0.6〜1mmであることが好ましい。厚みwがこの範囲内の場合、光ファイバ30に損傷をあまり与えずに且つ押圧面6、6からの押圧力を効率よく破断位置に集中させることができ、また被覆除去もスムーズに行うことができる。これに対して、上記厚みwが0.6mm未満の場合、応力が集中しすぎて光ファイバ30に損傷を与える恐れがあり、他方、1mmを越えると押圧力が分散して、一次保護膜31の破断および被覆除去のための一次保護膜31の定位置保持が難しくなる恐れがある。
【0017】
また、前記当接部材5、5を構成する樹脂材料としては、曲げ弾性率が3×103 〜3×104 Kg/cm2 の範囲にある、ポリアセタールやフッ素樹脂、ナイロンなどが好ましい。
【0018】
上記弾性率が3×103 Kg/cm2 より小さい場合、押圧時に刃の変形が大きく、一次被覆を引きちぎることができない恐れがある。他方、3×104 Kg/cm2 より大きい場合には、刃の変形がないことにより、直接の接触がなくても、ファイバに過大なストレスを与え、損傷を誘起してしまう恐れがある。
【0019】
さらに上記樹脂材料としては、ロックウエル硬度がM83〜M94の範囲にあるものが好ましい。
【0020】
上記高度がM83より小さい場合、耐久性が低くなる他、押圧時に刃の変形が大きく、一次被覆を引きちぎることができない恐れがあり、さらに、使用する毎に凹凸が出来てしまい問題である。他方、M94より大きい場合、刃の変形がないことにより、直接の接触がなくても、ファイバに過大なストレスを与え、損傷を誘起してしまう恐れがある。
【0021】
なお、本実施形態のストリッパ1の他の作用として、上記ストリッパ1は上記把持部の先端を常時閉める方向に付勢するべく弾性体4を備えており、光ファイバの把持力をこの弾性体4に依存するものである。すなわち、作業者によって把持力に変わりがないので、弾性体4の弾性力を適度に調整することにより、過度の応力で光ファイバ30に損傷を与えたりすることを防止することができる。
【0022】
実験例1
上記実施形態によるストリッパにおいて、当接部材を曲げ弾性率が10×104 Kg/cm2 で、ロックウエル硬度がM80のフッ素樹脂で構成し、また、その押圧面の厚みwを0.8mmとしたものを作製した。
【0023】
また比較例として、図7に示すような金属製の切断刃を備えた従来のストリッパを用意した。
【0024】
これらを用いて被覆除去後の引張強度を測定した。
【0025】
なお、石英製の光ファイバの径は0.125mm、1次被覆の径は0.4mm、2次被覆の径は0.9mmで、1次被覆をUVアクリレートで構成し、2次被覆をナイロンで構成し、中央をストリップした光ファイバを試験器で保持し、引張速度5mm/minでの引張強度を測定した。
【0026】
比較のため、被覆を一切施していない光ファイバについて引っ張り強度を測定したところ、引っ張り強度は6〜7kgであった。
【0027】
図4に引っ張り強度の測定結果を示す。図4に示すように、本発明のストリッパは比較例に比べて極めて高い引っ張り強度を維持していた。
【0028】
実験例2
実験例1のストリッパにおいて押圧面の厚みwの異なるものを用意し、実験例1と同様の測定を行った。
【0029】
結果は、以下のとおりであった(平均値を示す)。
【0030】
・w=0.3mm: 1kg
・w=0.6mm:2.8kg
・w=1.0mm:2.9kg
・w=1.5mm: 2kg
以上から、押圧面の厚みwとしては、0.6〜1.0が特に好ましいことが判った。
【0031】
実験例3
実験例1のストリッパにおいて当接部材の材質(曲げ弾性率及びロックウエル硬度)が異なるものを用意し、押圧面の厚みw=1.0mmとし、実験例1と同様の測定を行った。
【0032】
結果は、以下のとおりであった(平均値を示す)。
【0033】
・弾性率=3×104 Kg/cm2 、硬度=80Mの樹脂:2.9kg
・弾性率=10×104 Kg/cm2 、硬度=130 Mの樹脂: 1kg
その結果、硬度が大きい後者の例では引張強度が低い結果であった。
【0034】
【発明の効果】
叙上のように本発明によれば、光ファイバの保護膜を挟持する把持部の先端に該保護膜に押圧するための樹脂製の当接部材を備えたるとともに相対向する該当接部材の押圧面の厚みを0.6〜1mmとし、切り込みを入れることなく、ストリッパをスライドさせる引張力により一次保護膜を挟持位置にて破談する。また、光ファイバに損傷をあまり与えずに且つ押圧面からの押圧力を効率よく破断位置に集中させることができ、また被覆除去もスムーズに行うことができ、光ファイバの信頼性を高く維持ができるという極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のストリッパの斜視図である。
【図2】(a)(b)は、図1のストリッパの作用を示す概略説明図である。
【図3】図2の領域Aの拡大図である。
【図4】実験例1の引っ張り強度試験結果のグラフである。
【図5】保護膜で被覆された光ファイバの断面図である。
【図6】従来のストリッパの斜視図である。
【図7】図6のストリッパの作用を示す概略説明図である。
【図8】従来のストリッパの斜視図である。
【図9】図6のストリッパの作用を示す概略説明図である。
【図10】図6のストリッパの作用を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 ストリッパ 2 把持部
3 ヒンジ
4 弾性体
5 当接部材
6 押圧面
A 領域
w 厚み
Claims (2)
- 光ファイバの保護膜を挟持する把持部の先端に該保護膜を押圧するための樹脂製の当接部材を備えるとともに相対向する該当接部材の押圧面の厚みを0.6〜1mmとしてなるストリッパであって、上記当接部材で上記保護膜を押圧挟持した状態で光ファイバの軸方向にストリッパを動かすことにより所望位置の保護膜を破断し且つ被覆除去して光ファイバを露出させ得ることを特徴とする光ファイバの保護膜除去用ストリッパ。
- 上記把持部の先端を常時閉める方向に付勢するべく弾性体を備えてなる請求項1の光ファイバの保護膜除去用ストリッパ。
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