JP2004140979A - 極細被覆線の被覆剥ぎ取り工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】溝状の切刃部分に極細被覆線を位置合わせするのに熟練を要さず、簡単確実に被覆を剥ぎ取ることのできる極細被覆線の被覆剥ぎ取り工具を提供する。
【解決手段】極細の芯線を被覆してなる極細被覆線の被覆を剥ぎ取るための工具であって、平滑な摺動面を有する一対の帯板状のアーム2,3を該摺動面同士を摺接させてかつ連結ピン4を中心に開閉可能に連結し、上記各アーム2,3の上記連結ピン4を中心とする円周上に溝状の切刃5,6を形成し、上記両アーム2,3を、最大開度に開いたとき上記溝状の切刃5,6の上記連結ピン4側の部分同士が該連結ピン4を通る直線A上で交差し、最小開度に閉じたとき上記溝状の切刃5,6同士が上記芯線20aの直径に対応した寸法の孔状となる。
【選択図】 図4
【解決手段】極細の芯線を被覆してなる極細被覆線の被覆を剥ぎ取るための工具であって、平滑な摺動面を有する一対の帯板状のアーム2,3を該摺動面同士を摺接させてかつ連結ピン4を中心に開閉可能に連結し、上記各アーム2,3の上記連結ピン4を中心とする円周上に溝状の切刃5,6を形成し、上記両アーム2,3を、最大開度に開いたとき上記溝状の切刃5,6の上記連結ピン4側の部分同士が該連結ピン4を通る直線A上で交差し、最小開度に閉じたとき上記溝状の切刃5,6同士が上記芯線20aの直径に対応した寸法の孔状となる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば光ファイバケーブルや極細電線等の極細被覆線の被覆を剥ぎ取るための工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
銅線等を絶縁性材料により被覆してなる電線等の被覆を剥ぎ取るための工具として、従来、一対のアームを連結ピンにより開閉自在に連結し、該両アームの先端部に剥ぎ取り対象となる電線の直径に対応した直径を有する丸溝状の切刃を形成したワイヤストリッパがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−331613号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで最近では、例えば光ファイバケーブルや極細電線等の直径1mm以下の極細被覆線の用途が増加しており、この極細被覆線の接続作業においては、まず接続部位の被覆を剥ぎ取る必要が生じる。このような極細被覆線の被覆剥ぎ取り作業を上記従来構造の工具を用いて行なうようにすると、上記極細被覆線を上下一対のアームの丸溝に位置合わせするのに熟練を要することから、極細被覆線をアームの丸溝等より奥の部分で挟んで損傷したり、あるいは切断したりし易いといった問題がある。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、溝状の切刃部分に極細被覆線を位置合わせするのに熟練を要さず、簡単確実に被覆を剥ぎ取ることのできる極細被覆線の被覆剥ぎ取り工具を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、極細の芯線を被覆してなる極細被覆線の被覆を剥ぎ取るための工具であって、平滑な摺動面を有する一対の帯板状のアームを該摺動面同士を摺接させてかつ連結ピンを中心に開閉可能に連結し、上記各アームの上記連結ピンを中心とする円周上に溝状の切刃を形成し、上記両アームを、最大開度に開いたとき上記溝状の切刃の上記連結ピン側の部分同士が該連結ピンを通る直線上で交差し、最小開度に閉じたとき上記溝状の切刃同士が上記芯線の直径に対応した寸法の孔状となることを特徴としている。
【0007】
ここで本発明における極細被覆線とは、外径0.1 〜2.0mm 程度のもので、例えば光ファイバをシリコン,樹脂等で被覆してなる光ファイバケーブルや、半導体装置内におけるチップ間導電用極細金線を絶縁材で被覆したもの等が対象となる。
【0008】
また切刃の連結ピン側部分同士の交差角度は、被覆線を交差部に当たるように位置させてアームを閉じると、これ伴って被覆線を溝状切刃の中心部(底部)側に押し出すように案内し得る角度、即ちこの交差部に被覆線が挟まることのない角度に設定する必要がある。上記交差角度は、具体的には、50°〜120°程度の範囲となるが、概ね90°が切れ味や操作性等から最良である。
【0009】
また本発明において、切刃同士が芯線の直径に対応した寸法の孔状となる、とは切刃により被覆が芯線の外周近くまで切断され、又は切刃が食い込むみ、この状態で被覆線を引っ張ると被覆が剥ぎ取られるように切刃の最小開度状態を設定するとの意味である。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1において、上記切刃はV溝状をなしており、上記両アームを、最大開度に開いたとき上記V溝状の切刃の上記連結ピン側の一辺同士が該連結ピンを通る直線上で交差し、最小開度に閉じたとき上記V溝状の切刃同士が上記芯線の直径に対応した寸法の菱形を形成することを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、上記極細皮膜線は、芯線を一次被覆で被覆し、該一次被覆を二次被覆で被覆してなり、上記両アームを最小開度に閉じたとき上記切刃は上記二次皮膜を切断し、上記一次皮膜に食い込んでいることを特徴としている。
【0012】
【発明の作用効果】
請求項1の発明に係る被覆剥ぎ取り工具を用いて極細被覆線の被覆を剥ぎ取る場合、工具使用者が一方の手で工具のアームを開き、他方の手で把持した被覆線を上下の切刃の間に進入させる。この場合、アームを最大開度に開いても溝状切刃の連結ピン側部分同士が連結ピンを通る直線上で交差しているので、被覆線を一番奥まで進入させても、この被覆線はアームを閉じるに従って溝状切刃の中心部側に案内されることとなり、従来構造の工具の場合のように、アームの切刃に続いて形成された部分に被覆線が挟まれるといったことはない。
【0013】
そしてアームを最小開度に閉じると溝状切刃同士が芯線の直径に対応した寸法の孔状となり、これにより切刃が被覆の外周側部分を切断しつつ芯線の外周付近まで被覆に食い込み、この状態で使用者が親指でアームを押しつつ被覆線を軸方向に引くことにより、被覆は剥ぎ取られ、芯線が露出する。
【0014】
また平滑な摺動面を有する一対の帯板状のアームを該摺動面同士を摺接させてかつ連結ピンを中心に開閉可能に連結し、上記各アームの上記連結ピンを中心とする円周上に溝状の切刃を形成したので、切刃同士の隙間が極小となり、切れ味が良好となる。
【0015】
請求項2の発明によれば、上記切刃を、V溝状で、両アームを最大開度に開いたとき該V溝状の切刃の上記連結ピン側の一辺同士が該連結ピンを通る直線上で交差するように構成したので、被覆線はこの交差部分に当たった場合でもアームを閉じるに従ってV溝の中心部に案内される。
【0016】
またアームを最小開度に閉じたとき上記V溝状の切刃同士が上記芯線の直径に対応した寸法の菱形を形成するので、切刃は被覆の外周を切断しつつ芯線の外周近くまで食い込み、アームを押しつつ被覆線を引くことにより、容易確実に被覆を剥ぎ取ることができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、上記両アームを最小開度に閉じたとき上記切刃は上記二次皮膜を切断し、上記一次皮膜に食い込んでいるので、アームを押しつつ被覆線を引くことにより芯線を傷つけることなく被覆を容易確実に剥ぎ取ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0019】
図1ないし図7は、本発明の一実施形態による光ファイバケーブルストリッパ(極細被覆線の被覆剥ぎ取り工具)を説明すのための図であり、図1は斜視図、図2,図3は側面図、図4,図5は要部の拡大側面図、図6は被覆剥ぎ取り動作を説明するための模式図、図7は図6のVII−VII 線断面図である。
【0020】
図において、1は光ファイバケーブル20の被覆を剥離するための光ファイバケーブルストリッパである。この光ファイバケーブル20は、光伝送用光ファイバ20aの外周を例えばシリコンからなり柔軟性を有する一次被覆20bで被覆し、さらに該一次被覆20bの外周をソリアミド樹脂からなり絶縁性を有する二次被覆20cで被覆してなるものであり、本実施形態では、二次皮膜20cの外径は0.9mmで、光ファイバ20aの外径は125μm となっている。本実施形態の光ファイバケーブルストリッパ1は上記光ファイバケーブル20の接続部分における一次,二次被覆20b,20cを剥ぎ取るために使用される。
【0021】
上記光ファイバケーブルストリッパ1は、帯板状の左,右アーム2,3を連結ピン4で開閉可能に連結した構造のものである。上記左,右アーム2,3は平滑な摺動面2b,3bを有し、該両摺動面2b,3b同士が摺接しており、これにより両アーム2,3を回動させると、後述する切刃5,6の上記摺動面2b,3b側の部分が極小の隙間でもって摺動するようになっている。上記左,右アーム2,3は図示しない付勢ばねにより切刃5,6を最大開度状態に開くように付勢されている。
【0022】
上記左,右アーム2,3の後端部は把持部2c,3cとなっており、該把持部2c,3cには弾力性を有するカバー部材7,7が被せてある。また上記把持部2c,3cの開閉方向内側縁には対向するようにストッパ部2a,3aが突設されており、このストッパ部2a,3aが対向当接することにより本光ファイバケーブルストリッパ1の最小閉じ角度が大まかに調整され、調整ネジ式のストッパ部材8の突出量を調整することにより上記最小閉じ角度が微調整される。
【0023】
また上記左,右アーム2,3の先端部には切刃5,6が形成されている。この切刃5,6は、V字状の溝形状、即ちV溝形状を成しており、このV溝形状の先端側の一辺をなす前辺5a,6aと、該V溝形状の連結ピン4側の一辺をなす後辺5b,6bとは90°をなしている。また上記切刃5,6は、図7に示すように、上記摺動面2b,3b側に向かって傾斜するように研摩加工されている。
【0024】
そして上記V溝形状の後辺5b,6bは、前辺5a,6aより長く設定されている。そのため上記左,右アーム2,3を最大開度位置に回動させた場合(図4参照)、上記左,右アーム2,3の上記前辺5a,6aから前方に延びる部分2e,3eの間隔は上記光ファイバケーブル20より大きく開き、該光ファイバケーブル20を切刃5,6間に挿入する場合の妨げとならないようになっている。一方、上記切刃5,6の連結ピン4側に位置する後辺5b,6b同士は上記連結ピン4の軸芯を通る直線A上で交差しており、光ファイバケーブル20が左,右アーム2,3の上記後辺5b,6bから後方に延びる部分2d,3d間に入り込むことのない構造となっている。なお、左,右アーム2,3の最大開度はストッパ2eにより規制される。また、上記後辺5b,6b同士の交差角度は左,右アーム2,3が閉じた時に90°となる。
【0025】
次に本実施形態の作用効果について説明する。
【0026】
本光ファイバケーブルストリッパ1により光ファイバケーブル20の一次,二次被覆20b,20cの必要部分を剥ぎ取る場合は以下の手順による。工具使用者が右手でアーム2,3の把持部2c,3cにかけている把持力を緩めると該アーム2,3は付勢ばねの付勢力により、切刃5,6が最大開度となるように開く(図2参照)。
【0027】
そして左手で把持した光ファイバケーブル20を、これの被覆を剥ぎ取る部分が上下の切刃5,6間に位置するように進入させる。この場合、切刃5,6が最大開度に開いていても溝状切刃5,6の連結ピン4側の後辺5b,6b部分同士が連結ピン4を通る直線A上で交差しているので、光ファイバケーブル20を切刃5,6間の一番奥まで進入させても(図4参照)、この光ファイバケーブル20はアーム2,3を閉じるに従ってV溝状の切刃5,6の中心部側に案内されることとなり、従来構造の工具の場合のように、アームの切刃に続いて形成された部分に挟まれるといったことはない。
【0028】
そしてアーム2,3を最小開度に閉じると、切刃5,6同士は、芯線20aの直径に対応した寸法の菱形状となる(図5参照)。これにより図6に示すように、切刃5,6は、上記光ファイバケーブル20の外周側の二次被覆20cを切断しつつ内側の一次被覆20bの芯線20aの外周付近(破線20b′参照)まで食い込む。この状態で使用者が左手の親指でアーム2,3を押しつつ光ファイバケーブル20を手前側に軸方向に引くことにより、一次,二次被覆20b,20cは剥ぎ取られ、芯線20aが露出することとなる。
【0029】
このようにアーム2,3を最小開度に閉じたとき上記V溝状の切刃5,6同士が上記芯線20aの直径に対応した寸法の菱形を形成するので、切刃5、6は外側の二次被覆20cについては完全に切断し、内側の一次被覆20bについては完全に切断するのではなく芯線20aの外周近くまで食い込むこととなる。この状態で光ファイバケーブル20を引っ張るようにしたので、容易確実に被覆20b,20cを剥ぎ取ることができ、また芯線20aを傷つけることがない。
【0030】
また平滑な摺動面2b,3bを有する一対の帯板状のアーム2,3を該摺動面2b,3b同士を極小隙間でもって摺接させてかつ連結ピン4を中心に開閉可能に連結し、上記各アーム2,3の上記連結ピン4を中心とする円周上に溝状の切刃5,6を形成したので、切刃2,3同士の隙間が極小となり(図7参照)、光ファイバケーブル20を引っ張るための力が小さくて済み、切れ味が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による光ファイバケーブルストリッパの斜視図である。
【図2】上記ストリッパの最大開度状態を示す側面図である。
【図3】上記ストリッパの最小開度状態を示す側面図である。
【図4】上記最大開度状態における切刃の拡大側面図である。
【図5】上記最小開度状態における切刃の拡大側面図である。
【図6】上記光ファイバケーブルの切断構造を説明するための模式図である。
【図7】上記切刃の摺接状態を説明するための断面模式図(図6のVII−VII 線断面図) である。
【符号の説明】
1 光ファイバケーブルストリッパ(被覆剥ぎ取り工具)
2,3 アーム
2b,3b 摺動面
4 連結ピン
5,6 切刃
5b,6b 後辺(切刃の連結ピン側の部分)
20 光ファイバケーブル(極細被覆線)
20a 芯線
20b,20c 一次,二次被覆
A 連結ピンを通る直線
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば光ファイバケーブルや極細電線等の極細被覆線の被覆を剥ぎ取るための工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
銅線等を絶縁性材料により被覆してなる電線等の被覆を剥ぎ取るための工具として、従来、一対のアームを連結ピンにより開閉自在に連結し、該両アームの先端部に剥ぎ取り対象となる電線の直径に対応した直径を有する丸溝状の切刃を形成したワイヤストリッパがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−331613号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで最近では、例えば光ファイバケーブルや極細電線等の直径1mm以下の極細被覆線の用途が増加しており、この極細被覆線の接続作業においては、まず接続部位の被覆を剥ぎ取る必要が生じる。このような極細被覆線の被覆剥ぎ取り作業を上記従来構造の工具を用いて行なうようにすると、上記極細被覆線を上下一対のアームの丸溝に位置合わせするのに熟練を要することから、極細被覆線をアームの丸溝等より奥の部分で挟んで損傷したり、あるいは切断したりし易いといった問題がある。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、溝状の切刃部分に極細被覆線を位置合わせするのに熟練を要さず、簡単確実に被覆を剥ぎ取ることのできる極細被覆線の被覆剥ぎ取り工具を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、極細の芯線を被覆してなる極細被覆線の被覆を剥ぎ取るための工具であって、平滑な摺動面を有する一対の帯板状のアームを該摺動面同士を摺接させてかつ連結ピンを中心に開閉可能に連結し、上記各アームの上記連結ピンを中心とする円周上に溝状の切刃を形成し、上記両アームを、最大開度に開いたとき上記溝状の切刃の上記連結ピン側の部分同士が該連結ピンを通る直線上で交差し、最小開度に閉じたとき上記溝状の切刃同士が上記芯線の直径に対応した寸法の孔状となることを特徴としている。
【0007】
ここで本発明における極細被覆線とは、外径0.1 〜2.0mm 程度のもので、例えば光ファイバをシリコン,樹脂等で被覆してなる光ファイバケーブルや、半導体装置内におけるチップ間導電用極細金線を絶縁材で被覆したもの等が対象となる。
【0008】
また切刃の連結ピン側部分同士の交差角度は、被覆線を交差部に当たるように位置させてアームを閉じると、これ伴って被覆線を溝状切刃の中心部(底部)側に押し出すように案内し得る角度、即ちこの交差部に被覆線が挟まることのない角度に設定する必要がある。上記交差角度は、具体的には、50°〜120°程度の範囲となるが、概ね90°が切れ味や操作性等から最良である。
【0009】
また本発明において、切刃同士が芯線の直径に対応した寸法の孔状となる、とは切刃により被覆が芯線の外周近くまで切断され、又は切刃が食い込むみ、この状態で被覆線を引っ張ると被覆が剥ぎ取られるように切刃の最小開度状態を設定するとの意味である。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1において、上記切刃はV溝状をなしており、上記両アームを、最大開度に開いたとき上記V溝状の切刃の上記連結ピン側の一辺同士が該連結ピンを通る直線上で交差し、最小開度に閉じたとき上記V溝状の切刃同士が上記芯線の直径に対応した寸法の菱形を形成することを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、上記極細皮膜線は、芯線を一次被覆で被覆し、該一次被覆を二次被覆で被覆してなり、上記両アームを最小開度に閉じたとき上記切刃は上記二次皮膜を切断し、上記一次皮膜に食い込んでいることを特徴としている。
【0012】
【発明の作用効果】
請求項1の発明に係る被覆剥ぎ取り工具を用いて極細被覆線の被覆を剥ぎ取る場合、工具使用者が一方の手で工具のアームを開き、他方の手で把持した被覆線を上下の切刃の間に進入させる。この場合、アームを最大開度に開いても溝状切刃の連結ピン側部分同士が連結ピンを通る直線上で交差しているので、被覆線を一番奥まで進入させても、この被覆線はアームを閉じるに従って溝状切刃の中心部側に案内されることとなり、従来構造の工具の場合のように、アームの切刃に続いて形成された部分に被覆線が挟まれるといったことはない。
【0013】
そしてアームを最小開度に閉じると溝状切刃同士が芯線の直径に対応した寸法の孔状となり、これにより切刃が被覆の外周側部分を切断しつつ芯線の外周付近まで被覆に食い込み、この状態で使用者が親指でアームを押しつつ被覆線を軸方向に引くことにより、被覆は剥ぎ取られ、芯線が露出する。
【0014】
また平滑な摺動面を有する一対の帯板状のアームを該摺動面同士を摺接させてかつ連結ピンを中心に開閉可能に連結し、上記各アームの上記連結ピンを中心とする円周上に溝状の切刃を形成したので、切刃同士の隙間が極小となり、切れ味が良好となる。
【0015】
請求項2の発明によれば、上記切刃を、V溝状で、両アームを最大開度に開いたとき該V溝状の切刃の上記連結ピン側の一辺同士が該連結ピンを通る直線上で交差するように構成したので、被覆線はこの交差部分に当たった場合でもアームを閉じるに従ってV溝の中心部に案内される。
【0016】
またアームを最小開度に閉じたとき上記V溝状の切刃同士が上記芯線の直径に対応した寸法の菱形を形成するので、切刃は被覆の外周を切断しつつ芯線の外周近くまで食い込み、アームを押しつつ被覆線を引くことにより、容易確実に被覆を剥ぎ取ることができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、上記両アームを最小開度に閉じたとき上記切刃は上記二次皮膜を切断し、上記一次皮膜に食い込んでいるので、アームを押しつつ被覆線を引くことにより芯線を傷つけることなく被覆を容易確実に剥ぎ取ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0019】
図1ないし図7は、本発明の一実施形態による光ファイバケーブルストリッパ(極細被覆線の被覆剥ぎ取り工具)を説明すのための図であり、図1は斜視図、図2,図3は側面図、図4,図5は要部の拡大側面図、図6は被覆剥ぎ取り動作を説明するための模式図、図7は図6のVII−VII 線断面図である。
【0020】
図において、1は光ファイバケーブル20の被覆を剥離するための光ファイバケーブルストリッパである。この光ファイバケーブル20は、光伝送用光ファイバ20aの外周を例えばシリコンからなり柔軟性を有する一次被覆20bで被覆し、さらに該一次被覆20bの外周をソリアミド樹脂からなり絶縁性を有する二次被覆20cで被覆してなるものであり、本実施形態では、二次皮膜20cの外径は0.9mmで、光ファイバ20aの外径は125μm となっている。本実施形態の光ファイバケーブルストリッパ1は上記光ファイバケーブル20の接続部分における一次,二次被覆20b,20cを剥ぎ取るために使用される。
【0021】
上記光ファイバケーブルストリッパ1は、帯板状の左,右アーム2,3を連結ピン4で開閉可能に連結した構造のものである。上記左,右アーム2,3は平滑な摺動面2b,3bを有し、該両摺動面2b,3b同士が摺接しており、これにより両アーム2,3を回動させると、後述する切刃5,6の上記摺動面2b,3b側の部分が極小の隙間でもって摺動するようになっている。上記左,右アーム2,3は図示しない付勢ばねにより切刃5,6を最大開度状態に開くように付勢されている。
【0022】
上記左,右アーム2,3の後端部は把持部2c,3cとなっており、該把持部2c,3cには弾力性を有するカバー部材7,7が被せてある。また上記把持部2c,3cの開閉方向内側縁には対向するようにストッパ部2a,3aが突設されており、このストッパ部2a,3aが対向当接することにより本光ファイバケーブルストリッパ1の最小閉じ角度が大まかに調整され、調整ネジ式のストッパ部材8の突出量を調整することにより上記最小閉じ角度が微調整される。
【0023】
また上記左,右アーム2,3の先端部には切刃5,6が形成されている。この切刃5,6は、V字状の溝形状、即ちV溝形状を成しており、このV溝形状の先端側の一辺をなす前辺5a,6aと、該V溝形状の連結ピン4側の一辺をなす後辺5b,6bとは90°をなしている。また上記切刃5,6は、図7に示すように、上記摺動面2b,3b側に向かって傾斜するように研摩加工されている。
【0024】
そして上記V溝形状の後辺5b,6bは、前辺5a,6aより長く設定されている。そのため上記左,右アーム2,3を最大開度位置に回動させた場合(図4参照)、上記左,右アーム2,3の上記前辺5a,6aから前方に延びる部分2e,3eの間隔は上記光ファイバケーブル20より大きく開き、該光ファイバケーブル20を切刃5,6間に挿入する場合の妨げとならないようになっている。一方、上記切刃5,6の連結ピン4側に位置する後辺5b,6b同士は上記連結ピン4の軸芯を通る直線A上で交差しており、光ファイバケーブル20が左,右アーム2,3の上記後辺5b,6bから後方に延びる部分2d,3d間に入り込むことのない構造となっている。なお、左,右アーム2,3の最大開度はストッパ2eにより規制される。また、上記後辺5b,6b同士の交差角度は左,右アーム2,3が閉じた時に90°となる。
【0025】
次に本実施形態の作用効果について説明する。
【0026】
本光ファイバケーブルストリッパ1により光ファイバケーブル20の一次,二次被覆20b,20cの必要部分を剥ぎ取る場合は以下の手順による。工具使用者が右手でアーム2,3の把持部2c,3cにかけている把持力を緩めると該アーム2,3は付勢ばねの付勢力により、切刃5,6が最大開度となるように開く(図2参照)。
【0027】
そして左手で把持した光ファイバケーブル20を、これの被覆を剥ぎ取る部分が上下の切刃5,6間に位置するように進入させる。この場合、切刃5,6が最大開度に開いていても溝状切刃5,6の連結ピン4側の後辺5b,6b部分同士が連結ピン4を通る直線A上で交差しているので、光ファイバケーブル20を切刃5,6間の一番奥まで進入させても(図4参照)、この光ファイバケーブル20はアーム2,3を閉じるに従ってV溝状の切刃5,6の中心部側に案内されることとなり、従来構造の工具の場合のように、アームの切刃に続いて形成された部分に挟まれるといったことはない。
【0028】
そしてアーム2,3を最小開度に閉じると、切刃5,6同士は、芯線20aの直径に対応した寸法の菱形状となる(図5参照)。これにより図6に示すように、切刃5,6は、上記光ファイバケーブル20の外周側の二次被覆20cを切断しつつ内側の一次被覆20bの芯線20aの外周付近(破線20b′参照)まで食い込む。この状態で使用者が左手の親指でアーム2,3を押しつつ光ファイバケーブル20を手前側に軸方向に引くことにより、一次,二次被覆20b,20cは剥ぎ取られ、芯線20aが露出することとなる。
【0029】
このようにアーム2,3を最小開度に閉じたとき上記V溝状の切刃5,6同士が上記芯線20aの直径に対応した寸法の菱形を形成するので、切刃5、6は外側の二次被覆20cについては完全に切断し、内側の一次被覆20bについては完全に切断するのではなく芯線20aの外周近くまで食い込むこととなる。この状態で光ファイバケーブル20を引っ張るようにしたので、容易確実に被覆20b,20cを剥ぎ取ることができ、また芯線20aを傷つけることがない。
【0030】
また平滑な摺動面2b,3bを有する一対の帯板状のアーム2,3を該摺動面2b,3b同士を極小隙間でもって摺接させてかつ連結ピン4を中心に開閉可能に連結し、上記各アーム2,3の上記連結ピン4を中心とする円周上に溝状の切刃5,6を形成したので、切刃2,3同士の隙間が極小となり(図7参照)、光ファイバケーブル20を引っ張るための力が小さくて済み、切れ味が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による光ファイバケーブルストリッパの斜視図である。
【図2】上記ストリッパの最大開度状態を示す側面図である。
【図3】上記ストリッパの最小開度状態を示す側面図である。
【図4】上記最大開度状態における切刃の拡大側面図である。
【図5】上記最小開度状態における切刃の拡大側面図である。
【図6】上記光ファイバケーブルの切断構造を説明するための模式図である。
【図7】上記切刃の摺接状態を説明するための断面模式図(図6のVII−VII 線断面図) である。
【符号の説明】
1 光ファイバケーブルストリッパ(被覆剥ぎ取り工具)
2,3 アーム
2b,3b 摺動面
4 連結ピン
5,6 切刃
5b,6b 後辺(切刃の連結ピン側の部分)
20 光ファイバケーブル(極細被覆線)
20a 芯線
20b,20c 一次,二次被覆
A 連結ピンを通る直線
Claims (3)
- 極細の芯線を被覆してなる極細被覆線の被覆を剥ぎ取るための工具であって、平滑な摺動面を有する一対の帯板状のアームを該摺動面同士を摺接させてかつ連結ピンを中心に開閉可能に連結し、上記各アームの上記連結ピンを中心とする円周上に溝状の切刃を形成し、上記両アームを、最大開度に開いたとき上記溝状の切刃の上記連結ピン側の部分同士が該連結ピンを通る直線上で交差し、最小開度に閉じたとき上記溝状の切刃同士が上記芯線の直径に対応した寸法の孔状となることを特徴とする極細被覆線の被覆剥ぎ取り工具。
- 請求項1において、上記切刃はV溝状をなしており、上記両アームを、最大開度に開いたとき上記V溝状の切刃の上記連結ピン側の一辺同士が該連結ピンを通る直線上で交差し、最小開度に閉じたとき上記V溝状の切刃同士が上記芯線の直径に対応した寸法の菱形を形成することを特徴とする極細被覆線の被覆剥ぎ取り工具。
- 請求項1又は2において、上記極細皮膜線は、芯線を一次被覆で被覆し、該一次被覆を二次被覆で被覆してなり、上記両アームを最小開度に閉じたとき上記切刃は上記二次皮膜を切断し、上記一次皮膜に食い込んでいることを特徴とする極細被覆線の被覆剥ぎ取り工具。
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---|---|---|---|
JP2002305849A JP2004140979A (ja) | 2002-10-21 | 2002-10-21 | 極細被覆線の被覆剥ぎ取り工具 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015177680A (ja) * | 2014-03-17 | 2015-10-05 | 株式会社テクマ | ワイヤ加工装置およびワイヤ加工方法 |
KR101679827B1 (ko) * | 2014-09-30 | 2016-11-25 | 전연진 | 전선 피복용 박피공구 |
JP7466895B2 (ja) | 2020-05-13 | 2024-04-15 | 株式会社マルト長谷川工作所 | 手工具 |
-
2002
- 2002-10-21 JP JP2002305849A patent/JP2004140979A/ja not_active Withdrawn
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