JP3550023B2 - 魚釣用スピニングリ−ル - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ベ−ル取付部及び釣糸案内部を有する一方の支持部材に釣糸の絡み付きを防止するように改良した魚釣用スピニングリ−ルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来ハンドルに連動回転するロ−タの先端部に、釣糸案内部を有する一方のベ−ル支持部材を釣糸の巻き取り状態と放出状態に反転自在に支持したスピニングリ−ルが例えば実開平4−65068 号公報で知られている。
この公報の釣糸案内部を有するベ−ル支持部材の構成は、一方のベ−ル支持部材の先端に釣糸案内部とベ−ル取付部が取り付けられ、ベ−ル取付部のリ−ル本体側にベ−ルの一側基部が取り付けられている。
【0003】
本来放出状態から巻き取り状態に反転される時、ベ−ルで釣糸が掬くい上げられると、図11(a)で釣糸15は1点鎖線のようにスプ−ル3から釣糸案内部7に直進する糸路を通る筈である。
しかし、釣糸15の撚れ、糸癖、張力変化等の影響により、釣糸が図11(a)の実線のように、スプ−ル3に巻回された釣糸15の引出し側aの先にル−プb′が出来て、ル−プb′が一方のベ−ル支持部材4″の先端部側からベ−ル取付部20を乗り越えると、図11(b)のように一方のベ−ル支持部材4″からベ−ル21の一側基部に巻き付いた状態となる。
【0004】
又、図12(a)のように、スプ−ル3に巻回された釣糸15の引出し側aの先にル−プbが出来て、ル−プb″がベ−ル取付部20側から一方のベ−ル支持部材4″の先端部を乗り越えると、図12(b)のようにベ−ル21の基部から一方のベ−ル支持部材4″に巻き付いた状態となる。
更にル−プb′、b″が出来る時、撚れ、糸癖、張力変化等の影響で捻りが作用した状態でル−プb′、b″が出来て一方のベ−ル支持部材4″の先端部とベ−ル取付部20を乗り越えることがある。
前記図11(b)、図12(b)のように釣糸が巻き付くと、釣糸15を巻き取ったり、繰り出す操作が出来なくなったり、糸切れが発生してしまう等の問題がある。
【0005】
そこで、このような糸絡みの不具合を解消するために糸絡み防止部材をベ−ル取付部とベ−ルとの間に設けたものが実開平3−74260 号公報で提案されているが、構造が複雑で容易に製造出来ないと共に、別部材の装着により前方に重量が偏位してしまってロ−タ回転バランスの均衡化を容易に図ることが出来ない等の課題が残されている。
又、ベ−ル取付部をロ−タの後方側に偏芯させて該ベ−ル取付部の前面を傾斜状の膨大面に形成したものが実開平3−117462号公報で提案されているが、ラインロ−ラ装着部がベ−ルより前方に突出する構成となっていると共に、傾斜状の膨大面と一方のベ−ル支持部材の腕部が平行に形成されているので、ベ−ル取付部と一方のベ−ル支持部材との前方に釣糸がル−プ状に絡み易い等の糸絡み現象が充分に解決されておらず、トラブルなく円滑な巻き取り操作を行えない等の課題が残されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、釣糸案内部を有する一方のベ−ル支持部材の、一方のベ−ル支持部材の先端部とベ−ル取付部とベ−ルに釣糸が糸絡みして、釣糸を巻き取ったり、繰り出す操作が出来なくなったり、糸切れが発生してしまうことである。
【0007】
本発明の目的は前記欠点に鑑み、一方のベ−ル支持部材の先端部とベ−ル取付部とベ−ルに釣糸が糸絡みしない魚釣用スピニングリ−ルを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明はハンドルに連動回転するロ−タの一対のベ−ル支持腕の先端部外側に一方のベ−ル支持部材と他方のベ−ル支持部材の基部を釣糸の巻き取り状態と放出状態に反転自在に軸承すると共に、前記一方のベ−ル支持部材にベ−ル取付部及び釣糸案内部が取付けられ、該釣糸案内部を介してスプ−ルに釣糸を巻き取るようにした魚釣用スピニングリ−ルにおいて、前記一方のベ−ル支持部材に取付けられたベ−ル取付部における釣糸案内部中心からスプ−ルの釣糸繰り出し側前方に偏芯した位置にベ−ルを一体的に形成し、前記ベ−ル及びベ−ル取付部の前面を突出しない形状に形成したことを要旨とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、ベ−ル取付部6、6′、4jの釣糸案内部7、4i側でかつ釣糸案内部中心βからベ−ル6e、4k、8の中心αが偏芯したスプ−ル3の釣糸繰り出し側前方位置にベ−ル6e、4k、8が一体的に形成され、かつベ−ル6e、4k、8とベ−ル取付部6、6′、4jの太径部の前面が突出しない平らな面6f、4m、8eに形成されて突出しない形状となっているので、ベ−ル取付部6、6′、4jと一方のベ−ル支持部材4、4′との前方にル−プbが出来て絡もうとしてもすぐに解けて絡み付くことが無く円滑な巻き取り操作が行える。
【0010】
【実施例】
以下、図示の実施例によって本発明を説明すると、図1から図6は第1実施例で、図1は魚釣用スピニングリ−ルの要部断面側面図、図2は釣糸のル−プが一方のベ−ル支持部材の先端部に掛かったスプ−ルとロ−タと一方のベ−ル支持部材と釣糸案内部とベ−ル取付部とベ−ルの要部平面図、図3はスプ−ルとロ−タと他方のベ−ル支持部材とベ−ルの要部平面図、図4は魚釣用スピニングリ−ルの正面図、図5は一方のベ−ル支持部材と釣糸案内部とベ−ル取付部とベ−ルの拡大要部断面平面図、図6は釣糸が釣糸案内部に移動した一方のベ−ル支持部材とスプ−ルとロ−タとベ−ル取付部とベ−ルの要部平面図である。
【0011】
魚釣用スピニングリ−ルはリ−ル本体1の前面に突出した回転筒軸10にロ−タ2が固定され、回転筒軸10の中を通してロ−タ2の前側に突出したスプ−ル軸11にスプ−ル3が取り付けられている。
ロ−タ2はハンドル12の回転で図示しない駆動機構を介して回転され、スプ−ル3はハンドル12の回転で図示しないオシレ−ト機構を介して前後に往復動される。
ロ−タ2の一対のベ−ル支持腕2a、2bの先端部外側に反転自在に一方のベ−ル支持部材4と他方のベ−ル支持部材5の基部4a、5aが螺子13、14で軸承され、図2、図3の実線の釣糸の巻き取り状態と2点鎖線の放出状態に反転される。
スプ−ル3の外側は前側の鍔部3aと釣糸巻回胴部3bと後側の大径筒部3cとで形成されている。
【0012】
図5で一方のベ−ル支持部材4の先端部4bに透孔4cと、外側の凹部4dと、内側の大小の凹部4e、4fが穿設されてベ−ル取付部6とラインロ−ラからなる釣糸案内部7が取り付けられている。
一方のベ−ル支持部材4の基部4aは円板状に形成されて中心に透孔4gが穿設されている。
ベ−ル取付部6にはラインロ−ラからなる釣糸案内部7を回転自在に軸承する軸部6aとベ−ルが一体に形成されている。
【0013】
ベ−ル取付部6は軸部6aと、軸部6aの中心の螺子穴6bと、一側太径部6c端面の凹部6dと、太径部6cに一体に形成されたベ−ル6eと、太径部6c端部からベ−ル6eに至る外側の突出しない平らな面6fと内側の傾斜面6gとで形成されている。
傾斜面6gは釣糸15がベ−ル6eからラインロ−ラからなる釣糸案内部7にスム−ズに移動出来るなだらかな形状に形成されている。
ベ−ル6eは適宜湾曲して形成されて他端は他方のベ−ル支持部材5の筒部5bに取り付けられている。
ベ−ル6eの外径の中心αは釣糸案内部7の中心βから偏芯したスプ−ル3の釣糸繰り出し側前方位置になるように太径部6cにベ−ル6eが形成されている。
【0014】
一方のベ−ル支持部材4にベ−ル取付部6とラインロ−ラからなる釣糸案内部7が取り付けられる時は、軸部6aにカラ−16とラインロ−ラからなる釣糸案内部7とカラ−17が嵌合されて軸部6aの先端が凹部4dに嵌合され、一方のベ−ル支持部材4の外側から螺子18が透孔4cに挿入されて螺子穴6bに螺合される。
【0015】
図6で一方のベ−ル支持部材4とベ−ル取付部6とラインロ−ラからなる釣糸案内部7が2点鎖線の放出状態から実線の巻き取り状態に反転されると、釣糸巻回胴部3bに巻回された釣糸15は引出し側aからベ−ル6eで掬くい上げられてラインロ−ラからなる釣糸案内部7に載せられて前方に引き出される。
釣糸15がベ−ル6eで掬くい上げられる時、撚れ、糸癖、張力変化等の影響で図2のようにル−プbが出来て一方のベ−ル支持部材4の先端に懸かることがある。
【0016】
しかし、ベ−ル取付部6のベ−ル6eは、中心αが釣糸案内部7の中心βから偏芯したスプ−ル3の釣糸繰り出し側前方位置になるように太径部6cに形成されると共に、太径部6c端部からベ−ル6eに至る外側は突出しない平らな面6fに形成され、太径部6cの内側は傾斜面6gで形成されているので、釣糸15が前方に引かれたり、釣糸巻回胴部3bに巻き取られると、釣糸15は一方のベ−ル支持部材4の先端から外れてラインロ−ラからなる釣糸案内部7に載せられて前方に引き出される。
【0017】
魚釣用スピニングリ−ルが前記のように構成されると、ベ−ル取付部6の釣糸案内部7側でかつ釣糸案内部中心βからベ−ル6eの中心αが偏芯したスプ−ル3の釣糸繰り出し側前方位置にベ−ル6eが一体的に形成され、かつベ−ル6eとベ−ル取付部6の太径部6cの前面が突出しない平らな面6fに形成されて突出しない形状となっているので、ベ−ル取付部6と一方のベ−ル支持部材4との前方にル−プbが出来て絡もうとしてもすぐに解けて絡み付くことが無く円滑な巻き取り操作が行える。
【0018】
図7から図9は第2実施例で、図7は一方のベ−ル支持部材と釣糸案内部とベ−ル取付部とベ−ルの拡大要部平面図、図8は一方のベ−ル支持部材と釣糸案内部とベ−ル取付部とベ−ルの拡大要部断面平面図、図9は図7のF9−F9線側面図である。
【0019】
一方の一方のベ−ル支持部材4の先端部4bに透孔4cと、外側の凹部4dと、内側の大小の凹部4e、4fが穿設され、先端部4bから横方向に断面円弧状の連結部4hが突出形成されて一方のベ−ル支持部材4の先端部4bにベ−ル取付部6′とラインロ−ラからなる釣糸案内部7が取り付けられている。
一方のベ−ル支持部材4の基部4aは円板状に形成されて中心に透孔4gが穿設されている。
ベ−ル取付部6′にはラインロ−ラからなる釣糸案内部7を回転自在に軸承する軸部6aとベ−ル8との連結部が形成されている。
【0020】
ベ−ル取付部6′は軸部6aと、軸部6aの中心の透孔6hと、一側太径部6c端面の凹部6dと、太径部6c外周に円弧状凹部6iと、太径部6cに角形連結突部6jとが形成されている。
ベ−ル8は適宜湾曲したベ−ル部8aと、一側に太径部8bと、太径部8bの端面の角形連結凹部8cと、螺子穴8dと、太径部8bからベ−ル部8aに至る外側の突出しない平らな面8eと内側の傾斜面8fとで形成されている。
傾斜面8fは釣糸15がベ−ル部8aからラインロ−ラからなる釣糸案内部7にスム−ズに移動出来るなだらかな形状に形成されている。
ベ−ル8の他端は他方のベ−ル支持部材5の筒部5bに取り付けられている。
ベ−ル部8aの外径の中心αは釣糸案内部7の中心βから偏芯したスプ−ル3の釣糸繰り出し側前方位置になるように太径部8bにベ−ル部8aが一体に形成されている。
他の構成は前記第1実施例と略同一である。
【0021】
一方のベ−ル支持部材4にベ−ル取付部6とラインロ−ラからなる釣糸案内部7とベ−ル8が取り付けられる時は、軸部6aにカラ−16とラインロ−ラからなる釣糸案内部7とカラ−17が嵌合されて軸部6aの先端が凹部4dに嵌合され、ベ−ル支持部材4の外側から螺子19が透孔4cと透孔6hに挿入されて螺子穴8dに螺合される。
断面円弧状の連結部4hは角形連結凹部8cに嵌められてラインロ−ラからなる釣糸案内部7の前面が覆われる。
【0022】
図10は第3実施例で、図10は一方のベ−ル支持部材とロ−ラ形状の釣糸案内部とベ−ル取付部とベ−ルの拡大要部平面図である。
【0023】
一方のベ−ル支持部材4′に釣糸案内部4iとベ−ル取付部4jとベ−ル4kが一体に形成されている。
ベ−ル取付部4jには太径部からベ−ル4kに至る外側の突出しない平らな面4mと内側の傾斜面4nとで形成されている。
傾斜面4nは釣糸15がベ−ル4kからロ−ラ形状の釣糸案内部4iにスム−ズに移動出来るなだらかな形状に形成されている。
ベ−ル4kの外径の中心αは釣糸案内部4iの中心βから偏芯したスプ−ル3の釣糸繰り出し側前方位置になるようにベ−ル取付部4jの太径部にベ−ル部4kが一体に形成されている。
ベ−ル4kは適宜湾曲して他端は他方のベ−ル支持部材5の筒部5bに取り付けられている。
他の構成は前記第1実施例と略同一である。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0025】
ベ−ル取付部の釣糸案内部側でかつ釣糸案内部中心からベ−ルの中心が偏芯したスプ−ルの釣糸繰り出し側前方位置にベ−ルが一体的に形成され、かつベ−ルとベ−ル取付部の太径部の前面が突出しない平らな面に形成されて突出しない形状となっているので、ベ−ル取付部と一方のベ−ル支持部材との前方にル−プが出来て絡もうとしてもすぐに解けて絡み付くことが無く円滑な巻き取り操作が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例で、魚釣用スピニングリ−ルの要部断面側面図である。
【図2】同釣糸のル−プが一方のベ−ル支持部材の先端部に掛かったスプ−ルとロ−タとベ−ル支持部材と釣糸案内部とベ−ル取付部とベ−ルの要部平面図である。
【図3】同スプ−ルとロ−タと他方のベ−ル支持部材とベ−ルの要部平面図である。
【図4】同魚釣用スピニングリ−ルの正面図である。
【図5】同一方のベ−ル支持部材と釣糸案内部とベ−ル取付部とベ−ルの拡大要部断面平面図である。
【図6】同釣糸が釣糸案内部に移動した一方のベ−ル支持部材とスプ−ルとロ−タとベ−ル取付部とベ−ルの要部平面図である。
【図7】第2実施例で、一方のベ−ル支持部材と釣糸案内部とベ−ル取付部とベ−ルの拡大要部平面図である。
【図8】同一方のベ−ル支持部材と釣糸案内部とベ−ル取付部とベ−ルの拡大要部断面平面図である。
【図9】同図7のF9−F9線側面図である。
【図10】第3実施例で、一方のベ−ル支持部材とロ−ラ形状の釣糸案内部とベ−ル取付部とベ−ルの拡大要部平面図である。
【図11】従来のスプ−ルとロ−タと一方のベ−ル支持部材と釣糸案内部とベ−ル取付部とベ−ルの要部平面図で(a)は釣糸のル−プが一方のベ−ル支持部材の先端部とベ−ル取付部に掛かった図で(b)はベ−ルに釣糸が絡んだ図である。
【図12】同他のスプ−ルとロ−タと一方のベ−ル支持部材と釣糸案内部とベ−ル取付部とベ−ルの要部平面図で(a)は釣糸のル−プが一方のベ−ル支持部材の先端部とベ−ル取付部に掛かった図で(b)はベ−ルと一方のベ−ル支持部材に釣糸が絡んだ図である。
【符号の説明】
2 ロ−タ
3 スプ−ル
4 一方のベ−ル支持部材
4b 先端部
4′ 他方のベ−ル支持部材
6、6′、4j ベ−ル取付部
6e、4k、8 ベ−ル
6f、4m、8e 突出しない平らな面
7、4i 釣糸案内部
12 ハンドル
15 釣糸
α ベ−ルの中心
β 釣糸案内部中心

Claims (1)

  1. ハンドルに連動回転するロ−タの一対のベ−ル支持腕の先端部外側に一方のベ−ル支持部材と他方のベ−ル支持部材の基部を釣糸の巻き取り状態と放出状態に反転自在に軸承すると共に、前記一方のベ−ル支持部材にベ−ル取付部及び釣糸案内部が取付けられ、該釣糸案内部を介してスプ−ルに釣糸を巻き取るようにした魚釣用スピニングリ−ルにおいて、前記一方のベ−ル支持部材に取付けられたベ−ル取付部における釣糸案内部中心からスプ−ルの釣糸繰り出し側前方に偏芯した位置にベ−ルを一体的に形成し、前記ベ−ル及びベ−ル取付部の前面を突出しない形状に形成したことを特徴とする魚釣用スピニングリ−ル。
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