JP3550008B2 - 光ビーム走査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、イメージスキャナおよびディジタルコピー装置の画像読取部等における画像読取走査系に用いられ、レーザビーム等の光ビームにより読取対象の原稿等を走査する光ビーム走査装置に係り、特に回転ミラーにより光ビームを反射偏向してビーム走査を行う光ビーム走査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、イメージスキャナおよびディジタルコピー装置の画像読取部等においては、レーザビーム等の光ビームにより読取対象の原稿等を走査する光ビーム走査装置を用いて、原稿画像の読取走査を行っている。すなわち、光ビーム走査装置を用いた画像読取走査系は、原稿画像面を光ビームにより2次元的に走査して、反射光による画像情報を検出することにより、原稿画像面の2次元画像情報を得ている。2次元走査は、一般に第1の走査方向に沿う高速の主走査を繰り返しつつ該第1の走査方向に交差(通常直交)する第2の走査方向に沿って低速にて副走査し、2次元の走査を達成する。前記第1の走査方向が主走査方向であり、第2の方向が副走査方向である。
【0003】
光ビーム走査装置による画像読取走査系の場合、光ビームの主走査の反射光束により得られる1次元情報を、1次元のラインイメージセンサで検出し、副走査により得られる各主走査毎の1次元情報を収集して2次元画像情報を形成する。このような光ビーム走査装置の画像読取速度は、現時点において必ずしも充分なものでなく、より高速の画像読取を実現することが要求されている。光ビーム走査装置において、画像読取速度を高めるためには、主走査速度を高速化しなければならない。このように、光ビームによる主走査は、高速走査が必要となるため、平面状のミラーを回転させ、単一の光ビームを該回転ミラーで反射偏向することにより行っている。
【0004】
回転ミラーによる走査速度を向上するために、一般に、1枚のミラーでなく、回転体となる反射偏向部材の周面に複数のミラーを配設し、該反射偏向部材の1回転で複数回の主走査を行うようにして、主走査速度の向上を図っている。複数のミラーを用いた回転ミラーにおいて、最も効率のよいものは、複数のほぼ同一寸法の平面ミラーを回転軸線を囲繞する如く連結し、断面ほぼ正多角形状とした多面体ミラー、すなわちポリゴンミラーである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなポリゴンミラーは、光学系の一部であるため、その配設位置および角度等も重要であるが、それにも増して、高速で回転駆動されるため、回転騒音および支持軸受けの発熱が問題となる。
従来のポリゴンミラーは、回転騒音を外部に漏らさないようにするため、密閉容器に収容しているが、そのため支持軸受けの発熱が密閉容器内にこもりやすく、適切な放熱が困難となる。この支持軸受けの発熱を、適切に放熱することができないと、支持軸受け自体の潤滑剤等が熱で変質するなどして、潤滑性能が低下し、さらなる発熱を引き起こす要因となる。このような悪循環が高じると、回転支持軸および支持軸受けの膨張等により、支持軸受けのロック、すなわち焼き付き等を生じる。
【0006】
従来より、潤滑性能の高さおよび回転楔効果による回転軸心位置の精度の高さから、ポリゴンミラーの支持軸受けの潤滑剤としては磁性流体軸受けを用いている。しかしながら、この磁性流体軸受けは、通常の軸受けよりも高熱に耐え得るが、ある程度の温度を超えると、潤滑剤である磁性流体の粘性が高くなり、該磁性流体がゲル化して、摩擦力等の回転抵抗が著しく増大する。このため、やはり回転支持軸および支持軸受けの膨張等により、支持軸受けのロック等を引き起こす。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、光偏向部材の回転支持軸受けの放熱効果を向上して、発熱を抑制し、且つ回転支持軸受けの回転騒音の漏洩も少なく、しかも簡易な構成で高い位置決め精度も得ることが可能な光ビーム走査装置を提供することを目的としている。
本発明の請求項1の目的は、特に簡易な構成でビーム偏向部材の回転支持軸受けの放熱効果の高い光ビーム走査装置を提供することにある。
本発明の請求項2の目的は、特に収容部の密閉度を高め、回転支持軸受けの騒音の漏洩を一層効果的に防止し得る光ビーム走査装置を提供することにある。
【0008】
本発明の請求項3の目的は、特に簡単な構成で、回転支持軸受け、ひいてはビーム偏向部材の位置決め精度を向上し得る光ビーム走査装置を提供することにある。
本発明の請求項4の目的は、特にビーム偏向部材の回転走査による走査速度を効率よく高め得る光ビーム走査装置を提供することにある。
本発明の請求項5の目的は、特に簡易な構成でビーム偏向部材の回転支持軸受けの放熱効果を一層向上し得る光ビーム走査装置を提供することにある。
【0009】
本発明の請求項6の目的は、特に簡易な構成でビーム偏向部材の回転支持軸受けの放熱効果をより一層向上し得る光ビーム走査装置を提供することにある。
本発明の請求項7の目的は、特に簡易且つ安価な構成で、回転支持軸受け、ひいてはビーム偏向部材の位置決め精度を向上し、しかもビーム偏向部材の回転支持軸受けの放熱効果をさらに向上し得る光ビーム走査装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した本発明に係る光ビーム走査装置は、上述した目的を達成するために、
光ビームを回転ミラーにて反射偏向して走査する光ビーム走査装置において、
底面を形成する底板および該底板に立設され周囲側面を形成する周壁部を有し、
前記底板に貫通孔が形成されるハウジング部材と、
前記ハウジング部材の周壁部上端開口を閉塞する上カバー部材と、
光ビームを反射する平面状のミラーを複数個外周面に配設してなり、回転駆動されて光ビームを偏向走査するビーム偏向部材と、
前記ビーム偏向部材を回転自在に支持する軸受けと、
上面中央部に前記軸受けを嵌挿して密着支持する支持穴を有し、上端部をフランジ状に形成し且つ中間部周面を前記ハウジング部材の貫通孔に嵌合挿通して、下端に前記ハウジング部材下方に突出する冷却フィンを有してなり、前記ハウジング部材に下方に向けて押圧固定されるヒートシンク部材と、
を具備することを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載した本発明に係る光ビーム走査装置は、上述した目的を達成するために、
前記ハウジング部材の周壁部上端開口縁と前記上カバー部材との接合部に介挿される第1のシール材と、
前記ヒートシンク部材のフランジ状部分と前記ハウジング部材の貫通孔周縁との間に介挿される第2のシール部材と、
をさらに具備することを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載した本発明に係る光ビーム走査装置は、上述した目的を達成するために、
前記ハウジング部材は、貫通孔の近傍に所定の立ち上がり寸法にて突出して形成されるベース取付部を有するとともに、前記軸受けを支持し、前記ヒートシンク部材上面を下方に押圧し且つ前記ベース取付部に密着固定される平板状の取付ベース部材をさらに具備することを特徴としている。
請求項4に記載した本発明に係る光ビーム走査装置は、前記ビーム偏向部材が、複数の平面状のミラーを回転軸線の周囲に断面ほぼ正多角形状をなして連結した形状のポリゴンミラー部材を含むことを特徴としている。
【0013】
請求項5に記載した本発明に係る光ビーム走査装置は、前記ヒートシンク部材が、多重の同心円状に突出する突条の少なくとも一部を円周上の複数の角度位置において、半径方向に沿って切欠して、円弧状に突出する多数のフィンを形成してなることを特徴としている。
請求項6に記載した本発明に係る光ビーム走査装置は、前記ヒートシンク部材が、さらに前記円弧状に突出する多数のフィンを半径方向に連結して突出する複数のリブを有することを特徴としている。
請求項7に記載した本発明に係る光ビーム走査装置は、前記ヒートシンク部材が、亜鉛合金のダイカストにより形成されていることを特徴としている。
【0014】
【作用】
すなわち、本発明の請求項1による光ビーム走査装置は、光ビームを回転ミラーにて反射偏向して走査する光ビーム走査装置において、底面を形成する底板および該底板に立設され周囲側面を形成する周壁部を有し、前記底板に貫通孔が形成されるハウジング部材の前記周壁部上端開口を上カバー部材で閉塞し、回転駆動されて光ビームを偏向走査するビーム偏向部材は、光ビームを反射する平面状のミラーを複数個外周面に配設して構成し、前記ビーム偏向部材を回転自在に支持する軸受けを嵌挿して密着支持する支持穴を上面中央部に有し、上端部をフランジ状に形成し且つ中間部周面を前記ハウジング部材の貫通孔に嵌合挿通して、下端に前記ハウジング部材下方に突出する冷却フィンを有するヒートシンク部材を、前記ハウジング部材に下方に向けて押圧固定する。
【0015】
このような構成により、ヒートシンク部材を直接軸受けに密接させ且つハウジング部の内部から外部に突出させて、光偏向部材の回転支持軸受けの放熱効果を向上して、回転支持軸受けの温度上昇を抑制し、且つハウジング部材および上カバーによるハウジング部の密閉性を損ねることもないから回転支持軸受けの回転騒音の漏洩も少なく、しかもハウジング部材に嵌装するヒートシンク部材に軸受けを嵌挿する簡易な構成で高い位置決め精度も得ることが可能であり、特に簡易な構成でビーム偏向部材の回転支持軸受けの放熱効果を向上し得る。
また、本発明の請求項2による光ビーム走査装置は、前記ハウジング部材の周壁部上端開口縁と前記上カバー部材との接合部に第1のシール材を介挿し、且つ前記ヒートシンク部材のフランジ状部分と前記ハウジング部材の貫通孔周縁との間に第2のシール部材を介挿する。
【0016】
このような構成により、特に収容部であるハウジング部の密閉度が向上し、回転支持軸受けの騒音の漏洩を一層効果的に防止し得る。
本発明の請求項3による光ビーム走査装置は、前記ハウジング部材の貫通孔の近傍に所定の立ち上がり寸法にて突出して形成されるベース取付部を設けるともに、前記ベース取付部に密着固定される平板状の取付ベース部材により、前記軸受けを支持し、前記ヒートシンク部材上面を下方に押圧する。
このような構成により、特に、平板状の取付ベース部材とこれを支持固定するベース取付部による簡単な構成で、回転支持軸受け、ひいてはビーム偏向部材の位置決め精度を向上し得る。
【0017】
本発明の請求項4による光ビーム走査装置は、前記ビーム偏向部材が、複数の平面状のミラーを回転軸線の周囲に断面ほぼ正多角形状をなして連結した形状のポリゴンミラー部材を含む。
このような構成により、特にビーム偏向部材の回転走査による走査速度を効率よく高め得る。
本発明の請求項5による光ビーム走査装置は、前記ヒートシンク部材が、多重の同心円状に突出する突条の少なくとも一部を円周上の複数の角度位置において、半径方向に沿って切欠して、円弧状に突出する多数のフィンを形成している。
このような構成により、特に簡易な構成でビーム偏向部材の回転支持軸受けの放熱効果を一層向上し得る。
【0018】
本発明の請求項6による光ビーム走査装置は、前記ヒートシンク部材が、さらに前記円弧状に突出する多数のフィンを半径方向に連結して突出する複数のリブを有する。
このような構成により、特に簡易な構成でビーム偏向部材の回転支持軸受けの放熱効果をより一層向上し得る。
本発明の請求項7による光ビーム走査装置は、前記ヒートシンク部材が、亜鉛合金のダイカストにより形成される。
このような構成により、特に簡易且つ安価な構成で、回転支持軸受け、ひいてはビーム偏向部材の位置決め精度を向上し、しかもビーム偏向部材の回転支持軸受けの放熱効果をさらに向上し得る。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に基づき、図面を参照して本発明の光ビーム走査装置を詳細に説明する。
図1〜図3は、本発明の一つの実施の形態に係る光ビーム走査装置の要部の構成を示している。
図1は、光ビーム走査装置のポリゴンミラー収容部の詳細な構成を模式的に示す断面図、図2は、ヒートシンクの底面図、そして図3は、ヒートシンクの一部を断面で示す側面図である。
図1に示す光ビーム走査装置のポリゴンミラーを収容しているハウジング部は、上カバー部材1、ハウジング部材2、ヒートシンク部材3、ポリゴンミラー部材4、取付ベース部材5、軸受け6、第1のシール材7および第2のシール材8を具備している。
【0020】
ハウジング部材2は、基板となり底面を形成する底板部の所定個所に貫通孔2aを形成し、且つ該貫通孔2aの近傍に底面から所定寸法の段差を形成して突出するベース取付部であるボス2bを突設している。さらに、ハウジング部材2は、前記底面から所定寸法の周囲側壁を形成して周壁部2cを立設している。このハウジング部材2の周壁部2cの上端開口は、該周壁部2cに第1のシール材7を介して圧接される上カバー部材1により閉塞する。これら上カバー部材1およびハウジング部材2は、鉄、鋼材、合成樹脂またはアルミニウムダイカスト等を用いて成型する。
【0021】
ヒートシンク部材3は、図2および図3(図3は上下を反転して示している)に詳細に示すように、平坦な上底面を有し、該上底面を形成する上端部を外周にフランジ状に突出させてフランジ部3aを形成し、該フランジ部3aから下方に放熱フィン3bを突設している。該放熱フィン3bは、例えば図示のように5重の同心円状をなす突条の最内周の突条を除く4つの同心円を90°間隔で半径方向に溝状に切欠して欠損部3cを形成して各円毎に4つの突条に分離し、これらのうち最外周から3番目の同心円までの90°ずつの円弧を30°間隔で欠除して3つに分離して、最外周と外から2番目の円弧群間および外から3番目の円弧群と外から4番目の円弧群との間を、分割された円弧群の中間位置において30°間隔で半径方向のリブにより連結して形成する。
【0022】
前記欠損部3c等の分離部は、外部からの冷却風の通路を形成し、冷却効果を高めるために設けられている。ヒートシンク部材3には、さらに中央部の上面側に軸受け6を嵌挿するための凹所3dが設けられている。該ヒートシンク部材3のフランジ部3aと放熱フィン3bとの上下方向の間には、ハウジング部材2の貫通孔2aに嵌合して挿通される所定の外径寸法を有する位置決め周壁部3eが形成されている。
該ヒートシンク部材3は、熱伝導の良好なアルミニウム合金のダイカストで形成すれば、高い放熱効果を得ることができるが、アルミニウム合金のダイカストの場合、アルミニウム合金材料は、それ自体が高価であり、しかもダイカスト成型により高精度の成型を行うことが困難である。
【0023】
このため、アルミニウム合金ダイカストの場合には、ダイカスト成型後、所要の寸法精度を得るために切削加工等をかなり行う必要がある。これに対し、熱伝導性は若干劣るが、亜鉛合金のダイカストでヒートシンク部材3を形成すれば、加工精度も高く、切削加工等を行う工数が少なくて済み、低コストで高い冷却効果を得ることができる。なお、円弧状の突条群を半径方向に連結するリブを設けているので、ダイカスト成型時に型から成型物を取り出すためのイジェクトピンによる押圧面として充分な面積を確保することができ、型からの取出時の成型品の変形等の不具合を避けることができる。
【0024】
ポリゴンミラー部材4は、ビーム偏向部材であり、複数の平面状のミラー、この実施の形態においては、六つのミラーを回転軸線の周囲に断面ほぼ正多角形状をなして連結した形状をなしている。該ポリゴンミラー部材4は、軸受け6により回転自在に支持されるとともに、図示していない駆動源により、所定速度で(例えば、27000rpm)回転駆動される。このポリゴンミラー部材4に代えて他の回転ミラー部材をビーム偏向部材として用いることもできる。その場合、高速走査のためにはさらに高速回転が要求されるため、一層効果的な冷却が必要となる。
【0025】
取付ベース部材5は、平板状の鋼板等からなり、中央部に軸受け6を挿通固定して、ヒートシンク部材3のフランジ部3a側上底面を、下方に向けて押圧し、周縁部においてハウジング部材2のボス2bにねじ止め等により、圧接固定される。ヒートシンク部材3のフランジ部3aとハウジング部材2の貫通孔2aの周縁との間には第2のシール部材8が介挿されており、取付ベース部材5の固定により、該第2のシール部材8は、ヒートシンク部材3のフランジ部3aとハウジング部材2の貫通孔2aの周縁との間において圧縮される。
軸受け6は、例えば磁性流体軸受けからなり、取付ベース部材5に挿通されて固定され、ポリゴンミラー部材4を回転可能に支持し、且つヒートシンク部材3の凹所3dに嵌挿されて密着している。
【0026】
第1のシール部材7は、可撓性を有する構成樹脂材料である単泡性発泡剤を発泡させた発泡合成樹脂材料からなり、ハウジング部材2と上カバー部材1との間を密封し且つ遮音する。同様に、第2のシール部材8も、可撓性を有する合成樹脂材料である単泡性発泡剤を発泡させた発泡合成樹脂材料からなり、ハウジング部材2とヒートシンク部材3との間を密封し且つ遮音する。
このようにすれば、軸受け6およびその取付ベース部材5に密接されたヒートシンク部材3を、ハウジング部材2の内側から外側に挿通して設け、該ヒートシンク部材3をハウジング部材2の外部に露出している。このため、ハウジング部材2および上カバー部材1からなるハウジング部分を充分に密封遮音しても、ヒートシンク部材3による良好な放熱効果を得ることができ、高い冷却特性を達成することができる。
【0027】
また、ヒートシンク部材3、軸受け6および取付ベース部材5の取付状態において、第2のシール材8により、ヒートシンク部材3を、軸受け6および取付ベース部材5に押し付けるため、各接合部に高い熱伝導性が得られ、軸受け6の発熱をヒートシンク部材3により効率よく放熱冷却することができる。
さらに、軸受け6がヒートシンク部材3の凹所3dに嵌挿され、ヒートシンク部材3の位置決め周壁部3eがハウジング部材2の貫通孔2aに嵌合して挿通されるため、ハウジング部材2に対して軸受け6を正確に位置決めすることができ、簡単な組立作業で高い位置決め精度を得ることができる。
【0028】
なお、図1に示すように構成した光ビーム走査装置と、従来のヒートシンクがなくハウジング部材と上カバー部材とで密閉されたハウジングにポリゴンミラーおよび軸受けを収容した構成との温度上昇の比較を表1に示す。表1に示す実験例では、ポリゴンミラーの収容部内に軸受けよりも発熱量の多い基板に実装したIC(集積回路)が存在し、このIC上での温度上昇も示している。
【0029】
【表1】
【0030】
表1のように、IC上の温度、軸受け上の温度およびポリゴンミラー部材周囲のいずれにおいても、従来構成に比して10℃前後の温度低下が見られ、高い冷却効果が得られていることがわかる。
なお、本発明は、上述し且つ図面に示す実施の形態にのみ限定されることなく、その要旨を変更しない範囲内で種々変形して実施することができる。
例えば、ヒートシンク部材3を、ハウジング部材2と一体化することもできる。
【0031】
しかしながら、これらを一体化すると、ハウジング部材2の材質もヒートシンク部材3と同じ放熱性のよい亜鉛合金やアルミニウム合金を用いなければならず、コストが高くなるという面があるのと、いずれか一方が破損を受けた場合、全体の交替となるので、補修コストが多くかかるという面がある。これに対し、ハウジング部材2とヒートシンク部材3を別体として構成した場合は、上述のような不都合な面がなく、回転騒音の遮断機能および回転支持軸受けの放熱機能を如何なく発揮させることができる。
【0032】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、光ビームを回転ミラーにて反射偏向して走査する光ビーム走査装置において、底面を形成する底板および該底板に立設され周囲側面を形成する周壁部を有し、前記底板に貫通孔が形成されるハウジング部材の前記周壁部上端開口を上カバー部材で閉塞し、回転駆動されて光ビームを偏向走査するビーム偏向部材は、光ビームを反射する平面状のミラーを複数個外周面に配設して構成し、前記ビーム偏向部材を回転自在に支持する軸受けを嵌挿して密着支持する支持穴を上面中央部に有し、上端部をフランジ状に形成し且つ中間部周面を前記ハウジング部材の貫通孔に嵌合挿通して、下端に前記ハウジング部材下方に突出する冷却フィンを有するヒートシンク部材を、前記ハウジング部材に下方に向けて押圧固定する構成により、光偏向部材の回転支持軸受けの放熱効果を向上して、発熱を抑制し、且つ回転支持軸受けの回転騒音の漏洩も少なく、しかも簡易な構成で高い位置決め精度も得ることが可能な光ビーム走査装置を提供することができ、特に本発明の請求項1によれば、簡易な構成でビーム偏向部材の回転支持軸受けの放熱効果を高めることができる。
【0033】
また、本発明の請求項2の光ビーム走査装置によれば、前記ハウジング部材の周壁部上端開口縁と前記上カバー部材との接合部に第1のシール材を介挿し、且つ前記ヒートシンク部材のフランジ状部分と前記ハウジング部材の貫通孔周縁との間に第2のシール部材を介挿する構成により、特に収容部であるハウジング部の密閉度が向上し、回転支持軸受けの騒音の漏洩を一層効果的に防止し得る。
【0034】
本発明の請求項3の光ビーム走査装置によれば、前記ハウジング部材の貫通孔の近傍に所定の立ち上がり寸法にて突出して形成されるベース取付部を設けるともに、前記ベース取付部に密着固定される平板状の取付ベース部材により、前記軸受けを支持し、前記ヒートシンク部材上面を下方に押圧する構成により、特に、平板状の取付ベース部材とこれを支持固定するベース取付部による簡単な構成で、回転支持軸受け、ひいてはビーム偏向部材の位置決め精度を向上し得る。
【0035】
本発明の請求項4の光ビーム走査装置によれば、前記ビーム偏向部材が、複数の平面状のミラーを回転軸線の周囲に断面ほぼ正多角形状をなして連結した形状のポリゴンミラー部材を含む構成により、特にビーム偏向部材の回転走査による走査速度を効率よく高め得る。
本発明の請求項5の光ビーム走査装置によれば、前記ヒートシンク部材が、多重の同心円状に突出する突条の少なくとも一部をを円周上の複数の角度位置において、半径方向に沿って切欠して、円弧状に突出する多数のフィンを形成している構成により、特に簡易な構成でビーム偏向部材の回転支持軸受けの放熱効果を一層向上し得る。
【0036】
本発明の請求項6の光ビーム走査装置によれば、前記ヒートシンク部材が、さらに前記円弧状に突出する多数のフィンを半径方向に連結して突出する複数のリブを有する構成により、特に簡易な構成でビーム偏向部材の回転支持軸受けの放熱効果をより一層向上し得る。
本発明の請求項7の光ビーム走査装置によれば、前記ヒートシンク部材が、亜鉛合金のダイカストにより形成されることにより、特に簡易且つ安価な構成で、回転支持軸受け、ひいてはビーム偏向部材の位置決め精度を向上し、しかもビーム偏向部材の回転支持軸受けの放熱効果をさらに向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態に係る光ビーム走査装置の要部の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】図1の光ビーム走査装置に用いられるヒートシンク部材の構成を示す底面図である。
【図3】図1の光ビーム走査装置に用いられるヒートシンク部材の構成を一部を断面で示す側面図である。
【符号の説明】
1 上カバー部材
2 ハウジング部材
2a 貫通孔
2b ボス
2c 周壁部
3 ヒートシンク部材
3a フランジ部
3b 放熱フィン
3c 欠損部
3d 凹所
3e 位置決め周壁部
4 ポリゴンミラー部材
5 取付ベース部材
6 軸受け
7,8 シール材
Claims (7)
- 光ビームを回転ミラーにて反射偏向して走査する光ビーム走査装置において、
底面を形成する底板および該底板に立設され周囲側面を形成する周壁部を有し、前記底板に貫通孔が形成されるハウジング部材と、
前記ハウジング部材の周壁部上端開口を閉塞する上カバー部材と、
光ビームを反射する平面状のミラーを複数個外周面に配設してなり、回転駆動されて光ビームを偏向走査するビーム偏向部材と、
前記ビーム偏向部材を回転自在に支持する軸受けと、
上面中央部に前記軸受けを嵌挿して密着支持する支持穴を有し、上端部をフランジ状に形成し且つ中間部周面を前記ハウジング部材の貫通孔に嵌合挿通して、下端に前記ハウジング部材下方に突出する冷却フィンを有してなり、前記ハウジング部材に下方に向けて押圧固定されるヒートシンク部材と、
を具備することを特徴とする光ビーム走査装置。 - 前記ハウジング部材の周壁部上端開口縁と前記上カバー部材との接合部に介挿される第1のシール材と、
前記ヒートシンク部材のフランジ状部分と前記ハウジング部材の貫通孔周縁との間に介挿される第2のシール部材と、
をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の光ビーム走査装置。 - 前記ハウジング部材は、貫通孔の近傍に所定の立ち上がり寸法にて突出して形成されるベース取付部を有するとともに、前記軸受けを支持し、前記ヒートシンク部材上面を下方に押圧し且つ前記ベース取付部に密着固定される平板状の取付ベース部材をさらに具備することを特徴とする請求項1または2に記載の光ビーム走査装置。
- 前記ビーム偏向部材は、複数の平面状のミラーを回転軸線の周囲に断面ほぼ正多角形状をなして連結した形状のポリゴンミラー部材を含むことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の光ビーム走査装置。
- 前記ヒートシンク部材は、多重の同心円状に突出する突条の少なくとも一部を円周上の複数の角度位置において、半径方向に沿って切欠して、円弧状に突出する多数のフィンを形成してなることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の光ビーム走査装置。
- 前記ヒートシンク部材は、さらに前記円弧状に突出する多数のフィンを半径方向に連結して突出する複数のリブを有することを特徴とする請求項5に記載の光ビーム走査装置。
- 前記ヒートシンク部材は、亜鉛合金のダイカストにより形成されていることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載の光ビーム走査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34381297A JP3550008B2 (ja) | 1997-11-30 | 1997-11-30 | 光ビーム走査装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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