JP3548371B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは特定の構造を有するフラーレン化合物を含有する感光層を有する電子写真感光体、及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機光導電性物質を用いた電子写真感光体は、極めて生産性が高い、比較的安価であるなど利点を有しているのに加え、使用する染料や顔料を適宜選択することにより、感度を有する波長域を自在にコントロールできるなどの利点を有しており、これまで、幅広い検討が成されてきた。特に、有機光導電性染料や顔料といった所謂電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層した機能分離型感光体の開発により、従来の有機電子写真感光体の欠点とされていた感度や耐久性に著しい改善が成された。
【0003】
用いられる電荷輸送物質に要求されることとしては、(1)光や熱に対して安定であること(2)コロナ放電により発生するオゾン、NOx 及び硝酸などに対して安定であること(3)高い電荷輸送能を有すること(4)有機溶剤や結着剤との相溶性が高いことなどが挙げられる。従来、電荷輸送物質として、例えば特公昭52−4188号公報などに記載のピラゾリン化合物、特公昭55−42380号公報及び特開昭55−52063号公報などに記載のヒドラゾン化合物、特公昭28−32372号公報及び特開昭61−132955号公報などに記載のトリフェニルアミン化合物、及び特開昭54−151955号公報及び特開昭58−198043号公報などに記載のスチルベン化合物などが知られている。また、特公平5−197171号公報には、電荷輸送物質としてフラーレン化合物を用いた電子写真感光体が記載されている。
【0004】
フラーレン類は、バックミンスターフラーレン(C60)に代表される新しい炭素同素体として知られ、その特殊かつ新規な分子構造に由来する興味ある種々の物理的、化学的特性を有しており、親炭素素材として非常に興味ある物質群である。特に、W.KratschmerらによるC60の大量合成法の発明(Nature、1990,347,345)以来、C60の化学的反応性に関する研究が活発に行われるようになった。
【0005】
C60の化学的反応の一例として、C60への求核試薬との反応、ラジカルとの反応、還元試薬との反応、ジェンや1,3−双極子との反応、0価の遷移金属試薬との反応、酸素分子との反応、親電子試薬との反応及びシリレンとの反応が知られている。
【0006】
このように多くの反応が最近報告されている。フラーレンに置換基がついた化合物を用いた電子写真感光体として特開平7−120944号公報に記載の有機シリコン基を有するフラーレン化合物が報告されている。
【0007】
近年の更なる高画質化及び高耐久化の要求に伴い、より高い感度を有し、繰り返し使用時にもより優れた電子写真特性を安定して有する電子写真感光体が検討されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、新規な構造を有するフラーレン化合物を含有する感光層を有する電子写真感光体を提供することにある。
【0009】
また、本発明の目的は、高い感度を有する電子写真感光体を提供することにある。
【0010】
また、本発明の目的は、繰り返し使用時においても安定して優れた電位特性を有する電子写真感光体を提供することにある。
【0011】
更に、本発明の目的は、上記電子写真感光体、及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層がフラーレン化合物の環状ジシラン〔2+n〕環状付加体(nは3〜7の整数を示す)を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
【0013】
また、本発明は、上記電子写真感光体を有することを特徴とするプロセスカートリッジ及び電子写真装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるフラーレン化合物の環状ジシラン〔2+n〕環状付加体のフラーレン構造部分は、サッカーボール状などの多面体構造を有することが好ましく、その中でもバックミンスターフラーレン(C60)であることが好ましい。また、フラーレン化合物に〔2+n〕環状付加する環状ジシランは、下記式(1)
【0015】
【化3】
(式中、R1 〜R4 は同一または異なって、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基または置換もしくは無置換のシリル基を示し、R5 は式中のシリコン原子と共に置換もしくは無置換の3〜7員環を形成するのに必要な二価の基を示す。)
で示されることが好ましい。
【0016】
従って、本願発明においては、フラーレン化合物の環状ジシラン〔2+n〕環状付加体が下記式(2)
【0017】
【化4】
(式中、R1 〜R4 は同一または異なって、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基または置換もしくは無置換のシリル基を示し、R5 は式中のシリコン原子及びC60と共に置換もしくは無置換の5〜9員環を形成するのに必要な二価の基を示す。)
で示されることが特に好ましい。
【0018】
式(1)中、R1 〜R4 が示すアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基及びブチル基などが挙げられ、アラルキル基としてはベンジル基及びフェネチル基などが挙げられ、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基及びアントラニル基などが挙げられ、シリル基としてはトリメチルシリル基及びトリフェニルシリル基などが挙げられ、R5 が示す式中のシリコン原子と共に形成する環としてはシラシクロプロパン、シラシクロブタン、シラシクロペンタン及びシラシクロヘキサンなどが挙げられる。これらの基が有することのできる置換基としては、フェニル基、ナフチル基及びアントラニル基などのアリール基;メチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基及びブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基及びブトキシ基などのアルコキシ基;トリメチルシリル基及びトリフェニルシリル基などのシリル基などが挙げられる。
【0019】
本発明に用いるフラーレン化合物の環状ジシラン〔2+n〕環状付加体は、フラーレン化合物とSi−Siシグマ結合を有する環状ジシラン(式(1))の光反応による1,2−ビスシリル化反応を経て〔2+n〕環状付加体(式(2))として得ることができる。
【0020】
以下本発明において用いることのできる環状ジシランを示すがこれらに限定されるものではない。
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
以下に本発明に用いるフラーレン化合物の環状ジシラン〔2+n〕環状付加体(以下本発明のフラーレン化合物と略す)の合成例を示す。
【0024】
合成例1
例示ジシリランNo.1の1,1,2,2−テトラメシチル−1,2−ジシリラン(3.3×10−3M)とC60(3.3×10−3M)のトルエン溶液を高圧水銀灯により波長が300nm以上の光を照射した。C60の完全な消失に伴って1:1付加体である1,1,3,3−テトラメシチル−1,3−ジシロランが82%の収率で得られた。
【0025】
この構造を以下に示すがC60とジシリランの〔2+3〕環状付加体構造を有している。
【0026】
【化7】
【0027】
以下に本発明のフラーレンの化合物例を示すが、便宜上フラーレン部分をC60と省略して示す。
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】
本発明の電子写真感光体の感光層の構成としては、例えば以下の形態が挙げられる。
(1)電荷発生物質を含有する層/電荷輸送物質を含有する層(下層/上層)
(2)電荷輸送物質を含有する層/電荷発生物質を含有する層(下層/上層)
(3)電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する層
【0032】
本発明のフラーレン化合物は、正孔に対し高い輸送能力を有するため、上記形態の感光層における電荷輸送物質として用いることができる。感光層の形態が(1)の場合、一次帯電の極性は負、(2)の場合は正であることが好ましく、(3)の場合は正、負いずれの極性でもよい。本発明の感光層の構成は上記の基本構成に限定されるものではないが、本発明においては、これらの構成のうち特に(1)の形態が好ましい。
【0033】
本発明に用いられる導電性支持体としては、例えば以下のものを挙げることができる。
(1)アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス及び銅などの金属や合金。
(2)ガラス、樹脂及び紙などの非導電性支持体や前記(1)の導電性支持体上にアルミニウム、アルミニウム合金、パラジウム、ロジウム、金及び白金などの金属や合金を蒸着もしくはラミネートすることにより薄膜を形成したもの。
(3)ガラス、樹脂及び紙などの非導電性支持体や前記(1)または(2)の導電性支持体上に、導電性高分子、酸化スズ及び酸化インジウムなどの導電性物質を蒸着することにより形成したもの、あるいはこれらの導電性物質を適当な結着樹脂に分散した溶液を塗布乾燥することにより形成したもの。
【0034】
導電性支持体の形状としては、ドラム状、シート状及びベルト状などが挙げられるが、適用される電子写真装置に最も適した形状にすることが好ましい。
【0035】
本発明に用いることのできる電荷発生物質としては、例えば以下のような物質が挙げられる。これらの電荷発生物質は単独で用いてもよく、2種類以上組み合わせてもよい。
(1)モノアゾ、ビスアゾ及びトリスアゾなどのアゾ系顔料
(2)金属フタロシアニン及び非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料
(3)インジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ系顔料
(4)ペリレン酸無水物及びペリレン酸イミドなどのペリレン系顔料
(5)アンスラキノン及びピレンキノンなどの多環キノン系顔料
(6)スクワリリウム色素
(7)ピリリウム塩及びチオピリリウム塩類
(8)トリフェニルメタン系色素
(9)セレン及び非晶質シリコンなどの無機物質
【0036】
電荷発生物質を含有する層、即ち電荷発生層は上記のような電荷発生物質を適当な結着樹脂に分散し、これを導電性支持体上に塗工することにより形成することができる。また、導電性支持体上に蒸着、スパッタあるいはCVDなどの乾式法で薄膜を形成することによっても形成することができる。
【0037】
斯かる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独、混合あるいは共重合体ポリマーとして1種または2種以上用いることができる。電荷発生層中の樹脂の割合は、電荷発生層の固形分全重量に対して80重量%以下であることが好ましく、特には40重量%以下であることが好ましい。
【0038】
また、電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.01〜2μmであることが好ましい。
【0039】
更に、電荷発生層には種々の増感剤を添加してもよい。
【0040】
電荷輸送物質を含有する層、即ち電荷輸送層は、少なくとも本発明のフラーレン化合物と適当な結着樹脂とを組み合わせて形成することができる。
【0041】
斯かる結着樹脂としては、前記電荷発生層に用いられているものに加え、ポリビニルカルバゾール及びポリビニルアントラセンなどの光導電性高分子が挙げられる。結着樹脂と本発明のフラーレン化合物の割合は、結着樹脂100重量部に対し本発明のフラーレン化合物が10〜500重量部であることが好ましく、特には40〜200重量部であることが好ましい。
【0042】
電荷輸送層は、上述の電荷発生層と電気的に接続されており、電界の存在下で電荷発生層で発生した電荷キャリアを受け取り、更に感光体の表面まで輸送できる機能を有している。電荷輸送層には電荷キャリアを輸送できる限界があるので、必要以上に膜厚を厚くすることができないが、5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることが好ましい。
【0043】
また、電荷輸送層には酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤または公知の電荷輸送物質を必要に応じて添加することもできる。
【0044】
本発明においては、導電性支持体と感光層の間にバリヤー機能と接着機能を持つ下引層を設けることもできる。下引層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン及びアルコキシメチル化ナイロンなど)、ポリウレタン及び酸化アルミニウムなどによって形成できる。下引層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.1〜3μmであることが好ましい。
【0045】
更に、本発明においては、感光層を外部からの機械的及び化学的悪影響から保護するために、保護層として樹脂層や、導電性粒子や電荷輸送物質を含有する樹脂層などを感光層上に設けることもできる。
【0046】
上述した各種層を塗布により形成する際の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法及びブレードコーティング法などを挙げることができる。
【0047】
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
【0048】
図において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段(不図示)からの画像露光光4を受ける。こうして感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。
【0049】
形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体1の回転と同期取り出されて給紙された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。
【0050】
像転写を受けた転写材7は、感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0051】
像転写後の感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0052】
本発明においては、上述の電子写真感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9の少なくともひとつを感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール12等の案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ11とすることができる。
【0053】
また、画像露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等により照射される光である。
【0054】
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版等電子写真応用分野にも広く用いることができる。
【0055】
以下本発明を実施例により説明する。
(実施例1)
下記式で示されるビスアゾ顔料5gを、ブチラール樹脂(ブチラール化度69mol%、重量平均分子量35,000)2gをシクロヘキサノン95mlに溶解した液に加え、サンドミルで36時間分散し、電荷発生層用溶液を得た。
【0056】
【化11】
【0057】
この溶液をアルミニウムシート上にマイヤーバーで塗布し、乾燥することによって、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0058】
次に、電荷輸送物質として前記例示化合物No.(1)5gと、ポリカーボネートA樹脂(重量平均分子量20,000)5gをモノクロルベンゼン40gに溶解した。この溶液を先に形成した電荷発生層上にマイヤーバーで塗布し、乾燥することによって、膜厚が15μmの電荷輸送層を形成した。
【0059】
得られた電子写真感光体を静電複写紙試験装置(Model SP−428、川口電気(株)製)を用いてスタチック方式で−5kVでコロナ帯電し、暗所で1秒間保持した後、照度20Luxのハロゲン光で露光することにより帯電特性を評価した。
【0060】
帯電特性としては、帯電直後の表面電位(V0 )、1秒間暗減衰させた後の電位(V1 )及びV1 を1/5に減衰するのに必要な露光量、即ち感度(E1/5 )を測定した。
【0061】
更に、実機で繰り返し使用したときの電位特性を評価するために、アルミニウムシートの代わりにアルミニウムシリンダー(φ80mm×360mm)を用い、塗布方法を浸漬コーティング法とした以外は先と同様にして作成した電子写真感光体を普通紙複写機(NP−6030、キヤノン(株)製)に装着し、30,000枚の複写を行い、初期と30,000枚複写後の暗部電位(VD )及び明部電位(VL )を測定し、得られた画像を目視にて評価した。尚、初期のVD とVL は各々−700V及び−200Vになるように設定した。
【0062】
結果を表1に示す。
【0063】
(実施例2〜10)
電荷発生物質として下記式
【0064】
【化12】
で示されるビスアゾ顔料を用い、電荷輸送物質として表1に示される化合物を用いた以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し、評価した。
【0065】
結果を表1に示す。
【0066】
(比較例1)
電荷輸送物質としてバックミンスターフラーレン(C60)を用いた以外は実施例2と同様にして電子写真感光体を作成し、評価した。
【0067】
結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
(実施例11)
アルミニウムシート上に、N−メトキシメチル化6ナイロン樹脂(重量平均分子量32,000)4gとアルコール可溶性共重合ナイロン重量(重量平均分子量29,000)10gをメタノール100gに溶解した液をマイヤーバーで塗布し、乾燥することによって膜厚が1μmの下引層を形成した。
【0070】
次に、オキシチタニウムフタロシアニン10g、ポリビニルブチラール樹脂(ブチラール化率68%、重量平均分子量35,000)3gとジオキサン90gをボールミルで24時間分散を行った。この分散液を先に形成した下引層上にブレードコーティング法により塗布し、乾燥することによって膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0071】
次に、前記例示化合物No.(1)7gとポリメチルメタクリレート樹脂(重量平均分子量45,000)10gをモノクロルベンゼン70gに溶解した。この溶液を先に形成した電荷発生層の上にブレードコーティング法により塗布し、乾燥することによって膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
【0072】
感光体に−5kVのコロナ放電を行い、帯電直後の表面電位(V0 )とこの感光体を1秒間暗所で放置した後の表面電位(V1 )を測定した。感度は暗減衰した後の電位V1 を1/5に減衰するのに必要な露光量(E1/5 )を測定することによって評価した。この際、光源としてガリウム/アルミニウム/ヒ素の三元系半導体レーザー(出力:5mW;発振波長780nm)を用いた。
【0073】
更に、アルミニウムシートの代わりにアルミニウムシリンダー(φ60mm×258mm)を用い、塗布方法を浸漬コーティング法とした以外は先と同様にして作成した電子写真感光体を、上記と同様の半導体レーザーを備えた反転現像方式のレーザービームプリンター(LBP−EX、キヤノン(株)製)に装着し、5,000枚の繰り返し使用したときの電位特性評価し、更に得られた画像を目視にて評価した。条件は以下の通りである。VD :−700V、VL :−170V(露光量0.25μJ/cm2 )、転写電位:+700V、現像極性:負極性、プロセススピード:50mm/sec、現像バイアス:−450V、像露光後スキャン方式:イメージスキャン。
【0074】
結果を表2に示す。
【0075】
(実施例12〜18)
電荷輸送物質として表2に示される化合物を用いた以外は実施例11と同様にして電子写真感光体を作成し、評価した。
【0076】
結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、高い感度を有し、使用初期から繰り返し使用後まで安定して優れた電子写真特性を示す電子写真感光体、及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【符号の説明】
1 本発明の電子写真感光体
2 軸
3 一次帯電手段
4 画像露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 像定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 レール
Claims (6)
- 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層がフラーレン化合物の環状ジシラン〔2+n〕環状付加体(nは3〜7の整数を示す)を含有することを特徴とする電子写真感光体。
- フラーレン化合物の環状ジシラン〔2+n〕環状付加体のフラーレン構造部分が多面体構造を有する請求項1に記載の電子写真感光体。
- フラーレン化合物の環状ジシラン〔2+n〕環状付加体のフラーレン構造部分がバックミンスターフラーレン(C60)である請求項2に記載の電子写真感光体。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくともひとつの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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