JP3547274B2 - 引き戸用鎌錠 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は引き戸用鎌錠、特に引き戸を閉めた際に自動的に鎌部材が出て、戸枠体等側の掛止部へ引っ掛かり(仮施錠状態,空締まり状態ともいう)、また引き戸を開ける際に自動的に鎌部材が掛止部から外れ、錠内へ収納されるようにした引き戸用鎌錠の改良に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
引き戸用鎌錠は、かつては和風家屋の出入り口等の引き戸に設けられることが多かったが、近時は家屋内で風呂・トイレ・勉強部屋のような個室の出入り口の引き戸に設けられることも多くなっている。
【0003】
この引き戸用鎌錠は、従来より用途・機能等によって幾つかのものに分類できるが、大別すると次のようなものがある。
a)第1に、引き戸を閉じた後に手動で鎌部材を突出させて戸枠体等の掛止部に掛止させ、また引き戸を開ける際も手動で鎌部材を掛止部から外し錠ケース内へ収納させてから、引き戸を開けるようにしたもの(例えば実開平5−47263号公報参照)。
【0004】
b)第2に、引き戸が閉まった際に鎌部材が自動的に錠から出て、戸枠体等の掛止部へ引っ掛かるが、引き戸を開ける際は手動で鎌部材を掛止部から外し錠ケース内へ収納させてから、引き戸を開けるようにしたもの(例えば実開昭60−135460公報、実開平7−26549号公報参照)。
【0005】
c)第3に、引き戸が閉まった際に鎌部材が自動的に錠から出て、戸枠体等の掛止部へ引っ掛かり、かつ引き戸を開けると鎌部材が自動的に掛止部から外れ、錠ケース内へ収納されるようにしたもの(例えば特公昭56−33553公報、実公平3−24778号公報、特開平8−86132号公報等参照)、がある。
【0006】
本発明の引き戸用鎌錠は、上記c)の第3のものに属するので、それらを少し詳しく述べる。
▲1▼ まず特公昭56−33553公報には、錠ケース内に鎌部材を先端部が前・後方向へ回動して出入自在に軸支し、該鎌部材の支軸を錠ケースの前後方向の長孔に移動自在に係合させて、該支軸を常時は後方へ付勢する引っ張りバネを設け、また錠ケースにトリガーを先端部が前・後方向へ出入自在に設けて、該トリガー部材と鎌部材間にトリガー後退時に鎌部材を前方へ回動させる作動部材を連結し、かつトリガーを常時は前方へ付勢する引っ張りバネを設けたものが記載されている。なお、別のロックレバーにより仮施錠状態時の鎌部材を掛止して、ロックすることも可能である。
【0007】
これは、引き戸を閉めた際に、突出したトリガーが戸枠体等に当たり錠ケース内へ後退することで、これと連動した作動部材を介して鎌部材の先端部が前方へ回動し始め、引っ張りバネの付勢でさらに前方へ回動して、戸枠体等の掛止部に掛止され、仮施錠状態となる。また引き戸を開けた際には、鎌部材は先端部が掛止部内面に当たった状態で後方へ引かれて前倒しになるが、さらに引かれて鎌部材は支軸を中心に後方へ回動し、掛止部から外れて錠内へ没入して仮施錠状態が解かれる。
【0008】
上記の引き戸を閉めた際に、錠は鎌部材で施錠状態になるが、鎌部材はその先端部を掛止部に引っ掛けた状態で支軸が引っ張りバネで引かれ、引き戸が戸枠体等側へ引っ張られているため、戸枠体等が傾斜していても閉戸状態が維持されると共に、引き戸を閉めた際にバウンド(はね返り)が防止されている。
【0009】
▲2▼ 次に、実公平3−24778号公報に記載のものは、トリガーが戸枠体等側から突出したものであるため、それに対応してその構造は上記特公昭56−33553公報に記載のものと少し異なるが、引き戸を閉めた際に後退するトリガーが鎌錠内の第1作動部材を後退させ、これが第2作動部材を介して鎌部材を前方へ回動・突出させて、戸枠体等の掛止部へ掛止させると共に、引き戸を閉じた際にトリガーから外れた第1作動部材が前進し、第2作動部材を介して鎌部材をねじりコイルバネに抗して後方へ回動可能としてある。なお、別のロックレバーにより仮施錠状態時の鎌部材を掛止して、ロックすることも可能である。
【0010】
上記の引き戸を閉めた際に、錠は鎌部材で仮施錠状態になるが、鎌部材は先端部を係止部に係止された状態でねじりコイルバネで後方へ引かれ、引き戸が戸枠体等側へ引き寄せられるため、戸枠体等が傾斜していても閉戸状態が維持されると共に、引き戸を強い勢いで閉めた際のバウンドも防止されている。
【0011】
▲3▼ 更に、特開平8−86132号公報の請求項の2および図面に、錠ケース内にトリガーバネにより出没自在に嵌装されたトリガーと、該トリガーとの間に形成されたラックとピニオンの変換機構を介して、トリガーの後退により突出され、かつトリガーの突出により後退される鎌部材と、回動突出された鎌部材の係止部を施解錠操作部材の作動により係止して、該鎌部材の後退を阻止し本施錠状態とする係止片とを備え、上記トリガーには係合凹部を形成すると共に、閉戸時にトリガーが後退位置へきた際に係合凹部へ係合するストッパー部材をバネにより付勢して設けたものが記載されている。
【0012】
これは、引き戸を閉めた際にトリガーが後退することで、変換機構を介して鎌部材が前方へ回動し先端部が戸枠体等の掛止部に掛止されて仮施錠状態となる。また引き戸を開ける際には、先端部が掛止部に引っ掛かった鎌部材が強制的に引かれるので、鎌部材が後方へ回動し始めるが、それに伴い変換機構によりトリガーは前方へ移動され、かつストッパー部材も係合凹部から外れて前方へ突出し、同時に鎌部材がさらに後方へ回動して掛止部から外れて錠ケース内へ没入し、仮施錠状態が解かれる。
【0013】
上記の引き戸を閉めた際に、錠は鎌部材で施錠状態にあるが、後退位置のトリガーはその係合凹部にストッパー部材が係合して前進を係止されており、ラックとピニオンの変換機構を介して鎌部材も不用意に後方へ回動するのを阻止されている。そのため、戸枠体等が傾斜していても閉戸状態が維持されると共に、引き戸を強い勢いで閉めた際のバウンドが防止されている。
【0014】
なお、室内側の操作部を操作することで、施解錠操作部材が作動して仮施錠状態時の鎌部材の係止部を係止し、鎌部材の後方への回動を阻止して本施錠状態になるし、かつその係止部の係止を解くことで仮施錠状態に戻すこともできるようにしてある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
従来のバウンド防止を考慮した引き戸用鎌錠では、上記▲1▼▲2▼で示した錠の如く鎌部材を引っ張りバネやねじりコイルバネで後方へ引っ張って、引き戸を戸枠体側へ引き寄せるようにしたり、▲3▼で示した錠の如くトリガーを係止するストッパー部材をバネで押圧したりして、引き戸を閉めることで自動的に一旦戸枠体等の掛止部に引っ掛かった鎌部材が、引き戸のバウンドで不用意に後方へ回動して外れることの無いようにしてある。
【0016】
ところで、引き戸を閉めた際のバウンドの大きさは、例えば引き戸の重さや引き戸と敷居・レールとの関係等で違いが生じる。例えば引き戸が軽いものであったり、敷居・レールが滑り易かったりすると、引き戸は大きくバウンドして開く方向へ移動しようとする。そのため、引き戸のバウンドが大きい場合には、引き戸を開ける際に自動的に仮施錠状態が解除されるのと同様に、上記のバネに抗して鎌部材が後方へ回動しまたはトリガーが前進して、鎌部材の先端部が掛止部から外れてしまうことがある。
【0017】
そこで上記従来の▲1▼▲2▼▲3▼で示した引き戸用鎌錠では、大きなバウンドに対応すべく、鎌部材を後方へ引く引っ張りバネやねじりコイルバネ、あるいはストッパーを押圧するバネのバネ力を、予め強いものに設定しておくことが考えられる。これは確かに引き戸が大きくバウンドしようとしても、該バネの力で鎌部材が不用意に後方へ回動することを阻止し、バウンドを抑えることができる。
【0018】
しかしそれでは、引き戸を開ける際に先端部が掛止部に引っ掛かった鎌部材を後方へ回動させるために、その強いバネ力に打ち勝つ大きな力で引き戸を引っ張ることが必要となる。例えば病弱者や老人・子供等には、この引き戸用鎌錠の付いた引き戸を開けられなくなってしまうし、引き戸を開けることで仮施錠状態が自動的に解除できるというこの錠の主要な特徴を失うことになってしまう、という問題点がある。
【0019】
他面、引き戸を閉めた際に戸枠体等との衝突音を減少すべく、引き戸と戸枠体等間にゴムその他のクッション材を装着することがある。この場合には、閉めた引き戸と戸枠体等間に、クッション材の厚み分の間隙が生じるので、引き戸側または戸枠体等側から突出しているトリガーは、先端が相手側に当接して自ら後退し、または錠内の作動部材を後退させる際の移動量が、上記の隙間分だけ少なくなってしまう。
【0020】
そのため、該トリガーにより作動する作動部材も所定量だけの作動をしなくなるから、該作動部材により作動する鎌部材の前方への回動も不十分となって、該鎌部材の先端部が戸枠体等の掛止部へ当初の設計通り適正に掛止されなくなってしまう。その結果、鎌部材の先端部の掛止による引き戸の仮施錠状態が不十分で不確実なものになったり、また仮施錠状態時に引き戸が上下や左右方向へガタついたりする、等の問題点もある。
【0021】
本発明は、引き戸の閉または開により、自動的に仮施錠状態なったり解除されたりする構造の引き戸用鎌錠において、上記の問題点をシンプルな構成で解決することを課題としたものである。即ち本発明の目的の第1は、引き戸を開けた際に仮施錠状態が自動的に解除される機能を害することなく、引き戸のバウンド防止を確実に行えるような引き戸用鎌錠を提供することである。また本発明の目的の第2は、引き戸を閉めた際の衝突音減少用にクッション材を装着しても、トリガーを介した鎌部材の前方への回動が所定量だけ行われて掛止され、仮施錠状態が常に適正・確実に行われるような引き戸用鎌錠を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
A 本発明に係る引き戸用鎌錠の第1のものは、
錠ケース3内に、前方への回動で戸枠体等2の掛止金具4へ先端部6が掛止可能な鎌部材5と、閉戸時に戸枠体等2への当接で後退するトリガー7と、その後退時に鎌部材5を前方へ回動させる作動部材8と、一定の基準線Lを境に鎌部材5を前方または後方へ付勢するねじりコイルバネ9を備えた引き戸用鎌錠において、
一端部11を鎌部材5に取り付けた上記ねじりコイルバネ9の他端部12に、雌ネジ部14付きのバネ支持部材13を取り付けると共に、錠ケース3の前面板15に調節用ネジ部材16を内方へ雄ネジ部17を突出させて回動自在に枢支させ、該雄ネジ部17を上記バネ係止部材13の雌ネジ部14に螺合させて連結して、
上記調節用ネジ部材16の回動により、バネ支持部材13を介してねじりコイルバネ9の他端部12の位置Pを、前後方向へ移動調節可能としたものである。
【0023】
B 本発明に係る引き戸用鎌錠の第2のものは、
錠ケース3内に、前方への回動で戸枠体等2の掛止金具4へ先端部6が掛止可能な鎌部材5と、閉戸時に戸枠体等2への当接で後退するトリガー7と、その後退時に鎌部材5を前方へ回動させる作動部材8と、一定の基準線Lを境に鎌部材5を前方または後方へ付勢するねじりコイルバネ9を備えた引き戸用鎌錠において、
上記トリガー7を、前部寄り部分18と後部寄り部分19に分割すると共に、その一方に雄ネジ部25を突設させ他方に雌ネジ部26を形成し、両ネジ部25,26の螺合で連結・一体化したものとして、
該トリガー7の前部寄り部分18の回動により、引き戸1または戸枠体等2に装着した衝突音減少用のクッション材20の厚み分だけ、両ネジ部25,26のピッチに応じてトリガー7の突出量を増加可能としたものである。
【0024】
C 本発明に係る引き戸用鎌錠の第3のものは、
錠ケース3内に、前方への回動で戸枠体等2の掛止金具4へ先端部6が掛止可能な鎌部材5と、閉戸時に戸枠体等2への当接で後退するトリガー7と、その後退時に鎌部材5を前方へ回動させる作動部材8と、一定の基準線Lを境に鎌部材5を前方または後方へ付勢するねじりコイルバネ9を備えた引き戸用鎌錠において、
一端部11を鎌部材5に取り付けた上記ねじりコイルバネ9の他端部12に、雌ネジ部14付きのバネ支持部材13を取り付けると共に、錠ケース3の前面板15に調節用ネジ部材16を内方へ雄ネジ部17を突出させて回動自在に枢支させ、該雄ネジ部17を上記バネ係止部材13の雌ネジ部14に螺合させて連結して、上記調節用ネジ部材16の回動により、バネ支持部材13を介してねじりコイルバネ9の他端部12の位置Pを、前後方向へ移動調節可能とし、
かつ、上記トリガー7を、前部寄り部分18と後部寄り部分19に分割すると共に、その一方に雄ネジ部25を突設させ他方に雌ネジ部26を形成し、両ネジ部25,26の螺合で連結・一体化したものとして、トリガー7の前部寄り部分18の回動により、引き戸1または戸枠体等2に装着した衝突音減少用のクッション材20の厚み分だけ、両ネジ部25,26のピッチに応じてトリガー7の突出量を増加可能としたものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
上記の引き戸用鎌錠の第1・第2または第3のものにおいて、ねじりコイルバネ9は、一定の基準線Lを境にして鎌部材5を前方へ回動するように付勢し、または後方へ回動するように付勢する如く鎌部材5に取付けてある。ここで一定の基準線Lとは、鎌部材5の支軸21とねじりコイルバネ9の他端部12とを結ぶ線を示す。鎌部材5に取り付けたねじりコイルバネ9の一端部11の位置Qが、該基準線Lよりも前方(例えば図2で左方)にある際に、ねじりコイルバネ9のバネ力は鎌部材5が前方へ回動するように付勢し、該基準線Lよりも後方(同図2で右方)にある際に、鎌部材5を後方へ回動するように付勢することになる。
【0026】
同じく、上記引き戸用鎌錠の第1・第2または第3のものにおいて、後退位置でのトリガー7を掛止するロック部材10は、鎌部材5を本施錠状態にするためのものであって、トリガー7の後部寄り部分にロック用係止部22が形成してあり、室内側の施錠操作部23の操作により作動して、後退位置にきているトリガー7のロック用係止部22に係合し、該トリガー7の前進を阻止させるようにしてある。
【0027】
上記引き戸用鎌錠の第1または第3のものにおいて、錠ケース3の前面板15に回動自在に枢支させた調節用ネジ部材16は、該前面板15に形成の丸孔内で前後動はせずに空転だけ可能に設けてあり、該ネジ部材15の回動により両ネジ部17,14で螺合させたバネ支持部材13が、錠ケース3内で前後移動可能として、ねじりコイルバネ9の他端部12の位置Pを後方へ移動調節可能としてある。
【0028】
また上記引き戸用鎌錠の第2または第3のものにおいて、上記トリガー7は、前部寄り部分18と後部寄り部分19とに分割し、その一方に雄ネジ部25を突設させると共に他方に雌ネジ部26を形成して、両ネジ部25,26の螺合で連結・一体化してある。両ネジ部25,26により前部寄り部分18が突出可能な調節量は、引き戸1または戸枠体等2に装着される衝突音減少用のクッション材20の厚みの最大のものに対応できれば足りる。
【0029】
同じく、上記引き戸用鎌錠の第2または第3のものにおいて、トリガー7の前部寄り部分18の長さは、最大に突出した状態でもその後端部が常に錠ケース3内に有るようにしておく。また前部寄り部分18と後部寄り部分19間には、振動・衝撃により両ネジ部25,26が不用意に回動するのを防止するため、例えばゴム製Oリングの如き回動防止部材41を介装しておくのがよい。
【0030】
なお、トリガー7の後部寄り位置にロック用係止部22を設けると共に、トリガー7が後退位置にある状態時の上記ロック用係止部22に係合可能に、少なくとも室内側に設けた施錠操作部23で作動するロック部材10を設けておくのがよい。
【0031】
上記本発明に係る引き戸用鎌錠の作動状態は、次のようになる。
引き戸用鎌錠の第1・第2または第3のものにおいて、引き戸1が開いた状態では、鎌部材5は後方へ回動して錠ケース3内へ没入しており、かつトリガー7はその状態の鎌部材5に対応して作動部材8を介して前方へ押され、錠ケース3の前面板15から前方へ突出している(図3・図5参照)。
【0032】
今、引き戸1を閉じた際には、まずトリガー7の先端が戸枠体等2の前面に当接して押され、錠ケース3内へ後退し始める。該トリガー7の後退に伴い、それと鎌部材5とを連結した作動部材8が、鎌部材5に一端部11を取り付けたねじりコイルバネ9のバネ力に抗して、該鎌部材5を前方へ押して回動させ始める。
【0033】
該鎌部材5の前方への回動により、ねじりコイルバネ9の一端部11の位置Qが、鎌部材5の支軸21と該ねじりコイルバネ9の他端部12とを結ぶ基準線L上より前方へ出ると、該ねじりコイルバネ9のバネ力は鎌部材5を前方へ回動させる方向へ付勢することになる。そのため、鎌部材5は自動的に前方へ回動されて、その先端部6が戸枠体等2の掛止金具4内へ入って掛止され、該引き戸用鎌錠は自動的に仮施錠状態となる(図2参照)。
【0034】
この仮施錠状態を更に本施錠状態にしようとすれば、その際に後退位置にきているトリガー7に対し室内側または室外側の施錠操作部23を操作して、ロック部材10をトリガー7のロック用係止部22に係合させる。これにより、トリガー7が後退位置で固定・維持されるので、該トリガー7に一端部が連結された作動部材8も回動が阻止され、該作動部材8の他端部が連結された鎌部材5も、先端部6が戸枠体等2の掛止金具4に掛止された状態を維持されるから、本施錠状態となる(図4・図6参照)。
【0035】
次に、引き戸1を開ける場合には、上記引き戸用鎌錠が仮施錠状態にあるならば、そのまま引き戸1を開ければよく、また本施錠状態にあるなら室内側の施錠操作部23を操作して、トリガー7のロック用係止部22からロック部材10を離脱した後に引き戸1を開ければよい。引き戸1が開けられことで、鎌部材5の先端部6が戸枠体等2の掛止金具4の内側に引っ掛かった状態で、錠ケース3と一体の支軸21が後方へ離れていくから、遂には鎌部材5が該支軸21を中心に後方へ回動し始め、その先端部6が掛止金具4から外れる。
【0036】
上記の如く鎌部材5が後方へ回動することで、該鎌部材5に取り付けたねじりコイルバネ9の一端部11が、鎌部材5の支軸21とねじりコイルバネ9の他端部12とを結ぶ基準線L上より後方へ来ると、該ねじりコイルバネ9のバネ力はそれまでの鎌部材5を前方へ付勢する状態から、後方へ回動させる方向へ付勢する状態に変わることになる。そのため、該鎌部材5はさらに後方へ回動されることになって、錠ケース3内へ自動的に没入して解錠されることになる(図2・図4・図6参照)。
【0037】
また、上記で引き戸1を強く閉めたような際には、戸枠体等2との衝突で引き戸1がバウンドして、引き戸が開く方向へ移動しようとする。このバウンドによる引き戸1の移動は、先端部6が戸枠体等2の掛止金具4に一旦掛止した鎌部材5を、上記の引き戸1を開ける場合と同様に後方へ回動させ、掛止を外そうとする力となる。先端部6が掛止状態の鎌部材5に対して、ねじりコイルバネ9はそれを前方へ回動するように付勢しており、鎌部材5の後方への回動を阻止しているから、上記の掛止が外れることがなく、バウンドによって引き戸1が開くようなことはない。
【0038】
しかし引き戸1のバウンドは、引き戸1が軽かったり、敷居・レール等との滑りが良過ぎたりすると大きくなる。そのため、鎌部材5の先端部6が戸枠体等2の掛止金具4に一旦掛止されても、引き戸1がバウンドにより大きく移動しようとすると、上記の引き戸1を開ける場合と同様に、遂にはねじりコイルバネ9の力に抗して鎌部材5が後方へ回動し、鎌部材5の先端部6が外れてしまい、引き戸1が開いてしまうことになる。
【0039】
それに対応すべく、本発明の引き戸用鎌錠の第1または第3のものでは、錠ケース3の前板面15に調節用ネジ部材16を設け、該調節用ネジ部材16を回動させることにより、それと螺合したバネ支持部材13を介して、ねじりコイルバネ9の他端部12が錠ケース1内で前後方向へ移動可能としてある。今、この引き戸用鎌錠を工場出荷の状態のままで引き戸1に取付けたところ、引き戸1のバウンドを阻止するのに不十分であるとすれば、上記調節用ネジ部材16を回動させて、それに螺合したバネ支持部材13を介してねじりコイルバネ9の他端部12の位置Pを、錠ケース3内で後方へ移動させればよい。
【0040】
ねじりコイルバネ9の他端部12の位置Pが、錠ケース3内で後方へ移動することにより、鎌部材5の支軸21と該ねじりコイルバネ9の他端部12とを結ぶ基準線Lが、鎌部材5に取り付けたねじりコイルバネ9の一端部11の位置Qに対して、後方へ移動することになる(図4・図6参照)。
【0041】
これで、ねじりコイルバネ9が鎌部材5を前方へ回動させるように付勢する範囲が、これまでよりも後方へ拡張されることになる。そのため、引き戸1を閉めた際のバウンドが大きくて、その力で鎌部材5が後方へ回動しかけても、ねじりコイルバネ9が依然として鎌部材5を前方へ回動させるように付勢している。
【0042】
したがって、引き戸1を閉めた際のバウンドが大きくても、鎌部材5が後方へ回動して先端部6が掛止金具4から外れることにはならず、掛止状態が維持されるから、その結果としてバウンドが阻止され、引き戸1が半開き状態になるようなことも起きない。
【0043】
上記の如く引き戸1のバウンドを阻止するための本発明の構造は、従来のもののように引っ張りバネやねじりコイルバネのバネ力を強くしていないから、引き戸1を開ける場合には今までと殆ど同じ力で引き戸1は開けられることになる。その際に少し多めに引き戸1を開けることで、ねじりコイルバネ9の一端部11の位置Qが上記基準線L上を後方へ越えることになり、鎌部材5は後方へ回動するように付勢されて該鎌部材5の仮施錠状態が解除される。そのため、病弱者も老人・子供等でも、それまでと同様に容易に引き戸1を開けることができ、かつそれにより自動的に鎌部材5が掛止金具4から外れ、仮施錠状態を解くことができている。
【0044】
他面、引き戸1を閉めた際の衝突音を減少すべく、引き戸1と戸枠体等2間にクッション材20を装着すると、閉めた引き戸1と戸枠体等2との間にクッション材20の厚み分の間隙Sが生じる。この際には、引き戸1を閉めることで先端が戸枠体等2側に当接してトリガー7が後退しても、引き戸1が閉まった状態でも、トリガー7の先端部はその隙間S分だけ突出したままである。そのため、トリガー7が後退する移動量が、所定寸法よりもその隙間S分だけ不足しており、該トリガー7に一端部を連結されて動く作動部材8の動き量も少なくなるから、該作動部材8により前方向へ回動させられる鎌部材5の移動量も少なくなり、先端部6が掛止金具4に適正に掛止されない事態も生じ得る。
【0045】
それに対応すべく、本発明の引き戸用鎌錠の第2または第3のものでは、トリガー7を前部寄り部分18と後部寄り部分19とに分割し、その両者18,19を雄ネジ部25と雌ネジ部26で螺合して連結・一体化し、前部寄り部分18を回動させることでネジ部25,26のピッチに応じ、トリガー7の突出量を増加可能としてある。
【0046】
今、本引き戸用錠を取り付けた引き戸1と戸枠体等2間で、引き戸1を閉めた際に衝突音減少用クッション材20の厚みによる間隙Sが生じたならば、トリガー7の前部寄り部分18を摘まんでネジ部が緩むる方向(通常は左方向)へ回動させればよい。これで、トリガー7の前部寄り部分18が、雄ネジ部25と雌ネジ部26のピッチに応じて前方へ出てくるので、上記の間隙S即ちクッション材20の厚み分だけトリガー7の突出量を増加させておく(図5参照)。
【0047】
これにより、引き戸1を閉めた際に戸枠体等2間にクッション材20の厚みによる間隙Sがあっても、トリガー7はその間隙S分だけ余分に突出させてあるので、トリガー7の先端が戸枠体等2に当接して後退する移動量は、所定通りになっている。なおこの場合に、戸枠体等2の掛止金具4の掛止部片29を、調節ネジ30の回動により、上記間隙Sに相当する分だけ前方へ移動させておく(図5参照)。
【0048】
上記の結果、引き戸1または戸枠体等2にクッション材20を装着して閉戸した際に間隙Sがあっても、戸枠体等2に当接して後退するトリガー7に連結された作動部材8の動き量も適正になる。したがって、該作動部材8を介して鎌部材5が前方へ回動する動き量も適正となり、鎌部材5の先端部6が戸枠体等2の掛止金具4に適正に掛止されることになるから、確実に仮施錠が行われる。そして必要ならば、施錠操作部23を操作してロック部材10を、後退位置にあるトリガー7のロック用係止部22に係合させれば、本施錠状態となる(図6参照)。
【0049】
【実施例】
図1ないし図9は、上記本発明に係る引き戸用鎌錠の第1・第2のものを合体させた第3のものの実施例を示すものである。
【0050】
錠ケース3は、引き戸1の前部に形成した凹所内に、前面板15が露出するように取付けられている。該錠ケース3内で前上部寄りに、鎌部材5が基部を支軸21で回動可能に設けてあり、該鎌部材5は、先細の先端部6が錠ケース3の前面板15の開口から出て戸枠体等2の前部に取り付けた掛止金具4にて掛止可能としてある。また上記鎌部材5の支軸21は、錠ケース3の両側板に形成した前後方向の長孔27に係合させてあり、その上部寄りに設けたねじりコイルバネ28で常時は該長孔27の前部寄りへ付勢されている。
【0051】
錠ケース1内の下部寄りには、トリガー7を前後方向へ移動可能に設けて、後記作動部材8を介して後記ねじりコイルバネ9の付勢を受け、周知のものと同様に常時は先部寄りが錠ケース3の前面板15の丸孔から突出可能で、かつ先端が戸枠体等2の前面に当接して押された際に、錠ケース3内へ後退・没入可能としてある。
【0052】
上記鎌部材5とトリガー7間には、長板状の作動部材8を連結させてある。即ち該作動部材8は、下部寄り部分を錠ケース3に固定の支軸31にて回動可能に軸支してあり、鎌部材5とは、その上部寄りに設けたピン32を鎌部材5中央部寄りに形成の長孔33に係合させて連結し、他方トリガー7とは、該作動部材8下部に形成した二股部34に、トリガー7後部寄り側部に突設したピン35が係合して連結してある。なお、該ピン35に対しては錠ケース3の側面にガイド用長孔36を形成してあり、トリガー7がガイドされて出入可能となっているが、別にガイドピンと長孔を設けてもよい。
【0053】
また上記鎌部材5には、該鎌部材5が一定位置から前方へ回動時には前方へ付勢し、後方へ回動時には後方へ付勢する如くねじりコイルバネ9を設けてある。即ち、該ねじりコイルバネ9の一端部11は、鎌部材5の先端部6が突出時に該鎌部材5の支軸21の下方位置にバネ支持ピン37により取付けてある。該ねじりコイルバネ9の他端部12は、前部から雌ネジ部14を形成したバネ支持部材13に連結させてある。
【0054】
他方、錠ケース3の前面板15に形成の孔に、皿ネジ状の調節用ネジ部材16を内方へ雄ネジ部17が突出するようにして、止めワッシャ38で回動のみ自在に軸支してある。そして、調節用ネジ部材16の雄ネジ部17を、上記バネ支持部材13の雌ネジ部17に螺合させて、両者13,16を連結してある。なお、調節用ネジ部材16は皿ネジを用いずに、棒状のネジの前部を孔内でかしめて、ドラバー係止用溝付きの頭部を形成すると共に、回動可能だが抜け出ぬようにしてもよい。
【0055】
これにより、ねじりコイルバネ9の他端部12を固定端とせずにその位置Pを可変とし、上記調節用ネジ部材16の回動で、バネ支持部材13の両側に設けたガイドピン39が錠ケース3の側板に形成の前後方向のガイド長孔40に沿って前後方向へ移動可能としてある。これで、調節用ネジ部材16の回動により、ねじりコイルバネ9の他端部12の位置Pが錠ケース3内で前後方向へ移動可能となるから、鎌部材5の支軸21と該他端部12とを結ぶ基準線L、即ちねじりコイルバネ9が前または後方へ付勢方向を変える基準線を、後方へずらせるようにしてある。
【0056】
他方、上記トリガー7は、前部寄り部分18と後部寄り部分19とに分割した2部品で構成してある。即ち、その前部寄り部分18には後方へ雄ネジ部25を突設すると共に、後部寄り部分19の前端面から後方へ雌ネジ部26を形成し、上記雄ネジ部25を雌ネジ部26に螺合させて両者を連結・一体化してある。
【0057】
これにより、トリガー7の前部寄り部分18を摘んで回すことで、該前部寄り部分18が前方へ突出可能となり、引き戸1と戸枠体等2間に装着される衝突音減少用のクッション材20の厚みで生じる間隙S分だけ、余分に突出可能としてある。
【0058】
なお、引き戸1を閉めた際の振動・衝撃等による両ネジ部25,26の不用意な回動で、該トリガー7の前部寄り部分18の突出量が変化するのを防止するため、該トリガー7の後部寄り部分19の前部に凹穴部を形成して、回転防止部材としてゴム製のOリング41を介装し、該Oリング41で前部寄り部分18の丸軸部外周を抱持させ、摩擦力で不用意な回動を防止させている。作動部材8の支軸31と、鎌部材5の支軸21を前方へ押すねじりコイルバネ28の支持軸45とは、各中央に雌ネジ部を有しており、錠ケース3の側板を止めるビスを螺装可能としてある。
【0059】
またこの実施例の引き戸用鎌錠では、仮施錠状態から本施錠状態への移行を可能としてある。即ち、上記トリガー7の後部寄り上部に、ここでは凹凸状のロック用係止部22を形成すると共に、室内側の取手部42に横軸43で回動可能な施錠操作部23を設け、該操作部23の上部寄りを押した際に該操作部23と一体的なロック部材10が、錠ケース3の窓孔44から内方へ突出し、上記トリガー7のロック用係止部22へ係合可能としてある。
【0060】
これにより、後退位置にあるトリガー7が固定・維持されて、ピン35と二股部34で連結した作動部材8もその状態で保持されるから、該作動部材8と連結した鎌部材5も先端部6が戸枠体等2の掛止金具4に掛止した状態のままで回動が阻止され、本施錠状態となる。この本施錠状態を解くには、施錠操作部23の下部寄りを押してロック部材10をロック用係止部22から離脱させればよく、トリガー7・作動部材8を介して鎌部材5は回動可能となって、仮施錠状態となる。
【0061】
戸枠体等2側の掛止金具4には、引き戸1を開ける際に鎌部材5の先端部6が当接可能な掛止部片29を設けてあり、該掛止部片29は回動のみ可能な調節ネジ30により、その位置を前後方向へ可変としてある。上記の如くクッション材20を装着して閉戸時に間隙Sが生じる場合にも、トリガー7の前部寄り部分18を前方へ突出させるのに対応して、上記間隙Sに相当する分だけ該掛止部片29を前方へ移動させておく。
【0062】
図において、24は鎌部材5の回動補助ローラ24を示し、鎌部材5の支軸21を前方へ押すねじりコイルバネ28の支持軸45に可回動に軸装してある。これは、鎌部材5が突出した状態で引き戸1を閉めたような場合、鎌部材5の先端部6が戸枠体等2に設けた掛止金具4の前面に当たるが、その際に鎌部材5は支軸21がねじりコイルバネ28のバネ力に抗して長孔27内を後退するので、該鎌部材5の基部後側の曲面に当接して、鎌部材5が後方へ回動するのを助けることにより、錠ケース3内への没入を促進させるものである。なお、46は掛止金具4内に設けたトリガー先端受けゴムを示す。
【0063】
本実施例では、本発明に係る引き戸用鎌錠の第1・第2のものを合体した第3のものを示してあるが、上記第1・第2のものを別個独立に有する引き戸用鎌錠としてもよいことは勿論である。
【0064】
【発明の効果】
以上から明らかな如く、本発明に係る引き戸用鎌錠の第1または第3のものでは、引き戸を開ければ自動的に仮施錠状態が解除される機能を害することなく、引き戸のバウンドを防止することができる。また本発明に係る引き戸用鎌錠の第2または第3のものでは、引き戸の衝突音減少用にクッション材を装着しても、鎌部材の前方への回動は常に適正に行われて、戸枠体等の掛止部への掛止を確実に行うことができる。
【0065】
A 即ち、従来の引き戸用鎌錠でも、引き戸を開ける際に仮施錠状態が自動的に解除され、かつ引き戸を閉じた際のバウンドを防止する機能をもつものはあった。しかし、引き戸が軽かったり敷居・レール等との滑りが良過ぎたりするとバウンドが大きくなるため、引き戸を閉めることで一旦掛止された鎌部材の先端部が、引き戸を開ける際の自動解錠と同様に遂には鎌部材を付勢するバネ力に打ち勝ち掛止部から外れ、バウンドを防止できなくなった。その防止にバネ力を強くすると、鎌部材が後方へ回動し難くなるから、今度は病弱者や老人・子供等が引き戸を開ける際に鎌部材が掛止部から外れ難く、引き戸を開けられなくなるし、引き戸を開けることで仮施錠状態が自動的に解除されるという機能が損なわれてしまう。
【0066】
これに対して本発明の引き戸用鎌錠の第1または第3のものは、上記の如き構成により、錠ケース前面の調節用ネジ部材を回動させることで、一端部が鎌部材に取付けられたねじりコイルバネの他端部を、錠ケース内で後方へ移動できる。そのため、鎌部材の支軸とねじりコイルバネの他端部とを結ぶ基準線が後方へ移動し、ねじりコイルバネが鎌部材を前方へ回動させるように付勢する範囲が後方へ拡がることになる。
【0067】
したがって、この引き戸用鎌錠では、引き戸を閉めた際のバウンドが大きくても、上記基準線が後方へ移動したねじりコイルバネは、依然として鎌部材を前方へ回動させるように付勢することになるから、鎌部材が後方へ回動して先端部が掛止部から外れることが無くなり、バウンドを阻止することができる。
【0068】
しかもこの構造は、バウンドの防止にバネの力を強くしていないから、病弱者や老人・子供等でもそれまでと同様の力で容易に引き戸を開けることができる。また、それまでより少し多めに引き戸を開けることで、ねじりコイルバネの他端部が上記の基準線を越えて、それまでとは逆に鎌部材を後方へ回動するように付勢することになるから、バウンドを防止できる錠でありながら、病弱者や老人・子供等でも引き戸を開けることで自動的に仮施錠状態を解除できる。
【0069】
B 他面、引き戸を閉めた際の衝突音を減少すべく、引き戸と戸枠体等間にクッション材を装着すると、引き戸を閉めた際にクッション材の厚み分の間隙が生じ、その隙間分だけトリガーの後退量が少なくなる。そのため、従来の引き戸用鎌錠では、トリガーにより作動部材が作動する動きも少なくなり、該作動部材を介して鎌部材の前方への回動も少なくなり、鎌部材の先端部が掛止部に十分に掛止されなくなる。
【0070】
これに対して、本発明に係る引き戸用鎌錠の第2または第3のものでは、トリガーの前部寄り部分を後部寄り部分と分割し、両者を連結したネジ部で螺合し連結・一体化して、前寄り部分を摘んで回すことによりトリガーの突出量を増加可能としてある。そのため、クッション材を装着したことで引き戸を閉じた際に間隙が生じても、それに対応してトリガーの突出量を増加することにより、引き戸を閉めた際にトリガーは所定量だけ後退する。
【0071】
したがって、該トリガーにより作動部材は適正量動くことになり、該作動部材を介して鎌部材が前方へ回動する量も適正となり、先端部は掛止部に十分に掛止され、確実な仮錠状態を得ることができるものである。
【0072】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る引き戸用鎌錠の実施例を示す一部切り欠き側面図である。
【図2】図1で示した実施例で、引き戸を閉めた際の仮施錠状態を示す一部省略縦断側面図である。
【図3】図2で示した実施例で、調節用ネジ部材により基準線を後方へ移動させた後の引き戸を開けた際の一部省略縦断側面図である。
【図4】図3で示した実施例で、引き戸を閉めた際の本施錠状態を示す一部省略縦断側面図である。
【図5】図4で示した実施例で、引き戸にクッション材を装着したため、トリガーの突出量を増加した後の引き戸を開けた際の一部省略側面図である。
【図6】図5で示した実施例で、引き戸を閉めた際の本施錠状態を示す一部省略縦断側面図である。
【図7】本発明に係る引き戸用鎌錠の実施例で用いたバネ支持部材の斜視図である。
【図8】図7で示したバネ支持部材の一部切り欠き平面図である。
【図9】本発明に係る引き戸用鎌錠の実施例で用いたトリガーの一部切り欠き分解側面図である。
【符号の説明】
1−引き戸 11−一端部 21−支軸
2−戸枠体等 12−他端部 22−ロック用係止部
3−錠ケース 13−バネ支持部材 23−施錠操作部
4−掛止金具 14−雌ネジ部 25−雄ネジ部
5−鎌部材 15−前面板 26−雌ネジ部
6−先端部 16−調節用ネジ部材材 Q−一端部の位置
7−トリガー 17−雄ネジ部 P−他端部の位置
8−作動部材 18−前部寄り部分 L−基準線
9−ねじりコイルバネ 19−後部寄り部分 S−間隙
10−ロック部材 20−クッション材

Claims (4)

  1. 錠ケース3内に、前方への回動で錠ケース3から突出して戸枠体等2の掛止金具4へ先端部6が掛止するように基部が回動可能に支持された鎌部材5と、閉戸時に戸枠体等2への当接で後退するトリガー7と、その後退時に鎌部材5を前方へ回動させる作動部材8と、一定の基準線Lを境に鎌部材5を前方または後方へ付勢するねじりコイルバネ9を備えた引き戸用鎌錠において、
    一端部11を鎌部材5に取り付けた上記ねじりコイルバネ9の他端部12に、雌ネジ部14付きのバネ支持部材13を取り付けると共に、錠ケース3の前面板15に調節用ネジ部材16を内方へ雄ネジ部17を突出させて回動自在に枢支させ、該雄ネジ部17を上記バネ係止部材13の雌ネジ部14に螺合させて連結して、
    上記調節用ネジ部材16の回動により、バネ支持部材13を介してねじりコイルバネ9の他端部12の位置Pを、前後方向へ移動調節可能とし、
    鎌部材5が錠ケース3から突出した状態で引き戸1を閉めた際に該鎌部材5の戸枠体等2への接当でその基部が後退するように鎌部材5が支持されていると共に、この鎌部材5の後退により該鎌部材5が後方に回動するように該鎌部材5の基部が当接する回動補助ローラ24を備えていることを特徴とする、引き戸用鎌錠。
  2. 錠ケース3内に、前方への回動で錠ケース3から突出して戸枠体等2の掛止金具4へ先端部6が掛止するように基部が回動可能に支持された鎌部材5と、閉戸時に戸枠体等2への当接で後退するトリガー7と、その後退時に鎌部材5を前方へ回動させる作動部材8と、一定の基準線Lを境に鎌部材5を前方または後方へ付勢するねじりコイルバネ9を備えた引き戸用鎌錠において、
    上記トリガー7を、前部寄り部分18と後部寄り部分19に分割すると共に、その一方に雄ネジ部25を突設させ他方に雌ネジ部26を形成し、両ネジ部25,26の螺合で連結・一体化したものとして、該トリガー7の前部寄り部分18の回動により、引き戸1または戸枠体等2に装着した衝突音減少用のクッション材20の厚み分だけ、両ネジ部25,26のピッチに応じてトリガー7の突出量を増加可能とし、
    鎌部材5が錠ケース3から突出した状態で引き戸1を閉めた際に該鎌部材5の戸枠体等2への接当でその基部が後退するように鎌部材5が支持されていると共に、この鎌部材5の後退により該鎌部材5が後方に回動するように該鎌部材5の基部が当接する回動補助ローラ24を備えていることを特徴とする、引き戸用鎌錠。
  3. 錠ケース3内に、前方への回動で錠ケース3から突出して戸枠体等2の掛止金具4へ先端部6が掛止するように基部が回動可能に支持された鎌部材5と、閉戸時に戸枠体等2への当接で後退するトリガー7と、その後退時に鎌部材5を前方へ回動させる作動部材8と、一定の基準線Lを境に鎌部材5を前方または後方へ付勢するねじりコイルバネ9を備えた引き戸用鎌錠において、
    鎌部材5が錠ケース3から突出した状態で引き戸1を閉めた際に該鎌部材5の戸枠体等2への接当でその基部が後退するように鎌部材5が支持されていると共に、この鎌部材5の後退により該鎌部材5が後方に回動するように該鎌部材5の基部が当接する回動補助ローラ24を備えていることを特徴とする、引き戸用鎌錠。
  4. 請求項1、2または3に記載の引き戸用鎌錠において、
    トリガー7の後部寄り位置にロック用係止部22を設けると共に、トリガー7が後退位置にある状態時の上記ロック用係止部22に係合可能に、少なくとも室内側に設けた施錠操作部23で作動するロック部材10を設けてなる、引き戸用鎌錠。
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