JP3546763B2 - 熱昇華型プリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱昇華型プリンタにおけるインクリボン上の各色の領域の位置検出に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特公平2−21951号公報に記載さた従来の熱昇華型プリンタのインクリボン上の各色の領域の位置検出機構を図6に示す。用紙1はプラテン2の外周部に巻き付けられており、矢印Aで示す方向に回転される。一方、インクリボン4はサーマルヘッド3及びプラテン2と対向する位置において、用紙1と同方向でかつ同速度となるように、矢印Bで示す方向に搬送される。
【0003】
サーマルヘッド3は、プリントされる画像の幅方向とほぼ同じ長さにわたって、発熱素子を直線状に配列したものである。各発熱素子には、画像をイエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の三原色に分解した色信号が供給されている。色信号に応じて各発熱素子が発熱及び非発熱のいずれかの状態をとることにより、インクリボン上に塗布されたインクのうち、発熱した発熱素子に対向する部分のインクが昇華し、用紙1に付着することにより画像が形成される。
【0004】
インクリボン4は、例えば無色透明のフィルム上にイエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各色の染料インクを順に塗布したものである。イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各色の領域4Y、4M及び4Cは、それぞれプリントされる画像の最大寸法(幅及び長さ)とほぼ同じ寸法を有している。
【0005】
画像のプリントに際し、用紙1の先端とインクリボン4上の各色の領域4Y、4M及び4Cの先端とを位置合わせする必要がある。そのため、インクリボン4の両側端部近傍で、かつ各色の領域4Y、4M及び4Cの先端又は終端近傍には、インクリボン4上の各色の領域4Y、4M及び4Cの先端又は終端の位置検出用の、他の部分と反射率の異なるマーク4a及び4bが設けられている。
【0006】
サーマルヘッド3の近傍で、かつインクリボン4の両側端部近傍に対向する位置には、例えば発光素子及び受光素子を含むセンサ5及び6が設けられている。センサ5及び6に対向する部分をマーク4a及び4bが通過すると、センサ5及び6の出力信号(例えば電圧)が変化する。従って、センサ5及び6の出力信号の変化を検出することにより、インクリボン4上の各色の領域4Y、4M及び4Cの先端又は終端の位置を検出することができる。また、マーク4a及び4bの大きさや相対的な位置の組み合わせにより、サーマルヘッド3の前方を通過中の領域の色を識別することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例によれば、インクリボン4の両側端部にマーク4a及び4bを設けているため、インクリボン4の幅がプリントされる画像の幅よりも広くならざるを得ず、プリンタ自体の幅が広くなると言う問題点を有していた。また、マーク4a及び4bとして、白又は黒等の他の部分と反射率の極端に異なるインクを塗布したり、あるいは金属薄膜等を貼付しなければならず、インクリボン自体の製造工程が複雑となり、コストアップにつながるという問題点を有していた。
【0008】
一方、インクリボン4はリールに巻回されており、使用済みの部分は別のリールに巻き取られるが、2つのリールに巻回された未使用部分と使用済み部分の割合が随時変化するため、負荷変動によりインクリボン4の搬送速度が変化し、インクリボン4の各色の領域4Y、4M及び4Cと用紙1の相対的な位置がずれる可能性がある。従って、上記従来例のようにインクリボン4上の各色の領域4Y、4M及び4Cの先端又は終端の位置を検出するだけでは、プリント中における各色の領域4Y、4M及び4Cと用紙1の相対的な位置ずれを検出することができなかった。そのため、特にインクリボンの搬送速度が速く、所定の色の画像形成が終わらないうちに次の色の領域が到達した場合、本来の色と異なる色のインクでプリントしてしまうという問題点を有していた。
【0009】
本発明は、上記従来例の問題点を解決するためになされたものであり、インクリボンの両側端部近傍にマークを設けることなくインクリボン上の各色の領域の先端及び終端の位置を検出することが可能であり、かつ現在サーマルヘッドに対向する位置を通過中のインクの色を識別することが可能な熱昇華型プリンタを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の熱昇華型プリンタは、インクリボンを挟んで対向する発光素子及び受光素子を含む2組のセンサを具備し、各発光素子はそれぞれインクリボン上の所定領域ごとに順に塗布された三原色から選択された2色のうちのいずれか1色を発光し、各受光素子はそれぞれ対向する発光素子から出力されインクリボンを透過した光を受光することを特徴とする。
【0011】
上記構成において、発光素子は、白色光源と三原色から選択された2色のうちのいずれか1色のフィルタを具備するように構成してもよい。
【0012】
または、発光素子は、インクリボン上に塗布された三原色と補色関係にある三原色のうち、前記1色を構成する2色の光源を具備するように構成してもよい。
【0014】
上記各構成において、インクリボンは、所定領域ごとに前記三原色及び三原色以外の色のインクを塗布したものであってもよい。
【0015】
また、2つの受光素子の出力レベルの変化から、インクリボン上に塗布されたそれぞれ色の異なる領域の先端及び/又は終端を検出するように構成してもよい。
【0016】
さらに、2つの受光素子の出力レベルの組み合わせから、現在センサに対向する位置を通過中の領域のインクの色を識別するように構成してもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の熱昇華型プリンタの一実施形態について説明する。図1は本実施形態に係る熱昇華型プリンタの構成を示す断面図であり、図2はその主要部の構成を示す斜視図である。
【0018】
図1に示すように、用紙10は、プリンタ本体100の外部で、かつ図中右手に位置する用紙トレイ11から供給され、一点鎖線で示す用紙搬送路101に沿って搬送される。プリンタ本体100の内部で、かつ用紙トレイ11の近傍には、用紙トレイ11から用紙10を取り出し、用紙搬送路101に沿って供給するための給紙ローラ12及び給紙モータを含む給紙ローラ駆動機構13が設けられている。用紙搬送路のうち、給紙ローラ12とプラテン20との間には、給紙ローラ12により用紙カセット1から取り出された用紙10をプラテン20に搬送するための用紙搬送ローラ14及び搬送モータを含む搬送ローラ駆動機構15が設けられている。
【0019】
プラテン20及びサーマルヘッド30は、プリンタ本体のほぼ中央部に設けられており、用紙10及びインクリボン40を介して互いに対向するように設けられている。また、サーマルヘッド30には、プラテン20に対してサーマルヘッド30を上下させるためのサーマルヘッド上下モータを含むサーマルヘッド駆動機構31が設けられている。
【0020】
用紙搬送路101の上部には、二点鎖線で示すように、インクリボンカセット110(サーマルヘッド30を除く)が装着されている。インクリボンカセット110の内部において、インクリボン40の未使用部分はリール41に巻回されており、サーマルヘッド30により昇華された使用済み部分はリール42に巻き取られる。また、プリンタ本体100側には、インクリボンカセット110中のリール42を駆動するためのギヤ43及びインクリボン搬送ローラ44等と係合し、それらを駆動するためのリボン巻取りモータを含むインクリボン巻き取り機構45が設けられている。
【0021】
本実施形態の場合、用紙1は図中右側から左側に、用紙搬送路101に沿って搬送される。一方、インクリボン40は、矢印Yで示す用に図中左側から右側に搬送される。従って、用紙10を一旦サーマルヘッド20の左側に搬送した後、右側に逆送する際にプリントを行う。そのため、プリントの際、矢印Xで示すようにプラテン20とサーマルヘッド30との間で用紙10を少なくとも3往復(後述するように、本実施形態では4往復)搬送させる必要がある。
【0022】
プラテン20及びサーマルヘッド30の近傍で、かつインクリボン40の搬送方向の下流側には、インクリボン40上に塗布されたインクの各色の領域を識別し、かつその先端または終端を検出するためのインクリボンセンサ50が設けられている。インクリボンセンサ50の詳細については後述する。
【0023】
用紙搬送路101のうち、プラテン20よりも左側には、プリントされた用紙10をプリンタ本体の外部に排出するための排紙ローラ16及び排紙モータを含む排紙ローラ駆動機構17、プリントされた用紙10を所定サイズに切断するためのカッタ18及びカッタ駆動モータを含むカッタ駆動機構19及び用紙10の排出を検出するための排紙センサ21等が設けられている。
【0024】
図2に示すように、インクリボン40上の矩形領域40Y、40M、40C及び40Lには、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びオーバーレイ(OL:無色透明)のインクが順に塗布されている。各矩形領域40Y、40M、40C及び40Lの幅及び長さは、それぞれこのプリンタでプリント可能な画像又は用紙の最大サイズよりも若干大きめに設定されている。図2から明らかなように、インクリボン40の両側端部にマーク等は設けられていない。
【0025】
インクリボンセンサ50は2組の発光素子51a,52a及び受光素子51b,52bを含み、第1発光素子51aと第1受光素子51b及び第2発光素子52aと第2受光素子52bが、それぞれインクリボン40を介して対向するように配置されている。また、第1発光素子51aと第2発光素子52a及び第1受光素子51bと第2受光素子52bは、それぞれインクリボン40の搬送方向に直交する同一直線上に配列されている。
【0026】
第1発光素子51aは、例えば白色光源にイエロー(Y)のフィルタを装着したものであり、グリーン(G)及びレッド(R)の光を出力する。また、第2発光素子52aは、例えば白色光源にマゼンタ(M)のフィルタを装着したものであり、ブルー(B)及びレッド(R)の光を出力する。第1及び第2受光素子51b及び52bは、それぞれ可視光領域で感度が連続的であればよく、必ずしも感度分布が一様である必要はない。後述するように、インクリボンセンサ50に対向する位置をインクリボン40の各色の矩形領域40Y、40M、40C及び40Lが通過する際、第1及び第2受光素子51b及び52bの出力が所定の閾値以上か以下かに識別できればよい。
【0027】
次に、インクリボン40上に塗布された各色の矩形領域40Y、40M、40C及び40Lの先端及び後端の検出及びサーマルヘッド30に対向する位置を通過中の領域の色の識別原理について説明する。
【0028】
図3(a)は、インクリボン40が装填されていない状態でのインクリボンセンサ50を示す。前述のように、インクリボンセンサ50の第1発光素子51aは、白色光源にイエロー(Y)のフィルタを装着したものである。イエロー(Y)のフィルタはブルー(B)の光を吸収するため、第1発光素子51aからはグリーン(G)とレッド(R)の混合した光が出力される。同様に、第2発光素子52aは、白色光源にマゼンタ(M)のフィルタを装着したものである。マゼンタ(M)のフィルタはグリーン(G)の光を吸収するため、第2発光素子52aからはブルー(B)とレッド(R)の混合した光が出力される。
【0029】
図3(b)は、インクリボンセンサ50に対向する位置をインクリボン40のイエロー(Y)の領域40Yが通過する時の状態を示す。前述のように、イエロー(Y)のインクはブルー(B)の光を吸収するため、第2発光素子52aからの出力光のうち、ブルー(B)の光はイエロー(Y)のインクに吸収され、第2受光素子52bには到達しない。一方、第1発光素子51aからの出力光に含まれるグリーン(G)及びレッド(R)の光はイエロー(Y)のインクによっては吸収されないので、そのまま第1受光素子51bに到達する。
【0030】
図3(c)は、インクリボンセンサ50に対向する位置をインクリボン40のマゼンタ(M)の領域40Mが通過する時の状態を示す。前述のように、マゼンタ(M)のインクはグリーン(G)の光を吸収するため、第1発光素子51aからの出力光のうち、グリーン(G)の光はマゼンタ(M)のインクに吸収され、第1受光素子51bには到達しない。一方、第2発光素子52aからの出力光に含まれるブルー(B)及びレッド(R)の光はマゼンタ(M)のインクによっては吸収されないので、そのまま第2受光素子52bに到達する。
【0031】
図3(d)は、インクリボンセンサ50に対向する位置をインクリボン40のシアン(C)の領域40Cが通過する時の状態を示す。シアン(C)のインクはレッド(R)の光を吸収するため、第1発光素子51a及び第2発光素子52aからの出力光のうち、レッド(R)の光はシアン(C)のインクに吸収され、第1受光素子51b及び第2受光素子52bには到達しない。
【0032】
図3(e)は、インクリボンセンサ50に対向する位置をインクリボン40のオーバーレイ(OL)の領域40Lが通過する時の状態を示す。オーバーレイ(OL)のインクは無色透明であり、ほとんど光を吸収しないため、第1発光素子51a及び第2発光素子52aからの出力光はそのまま第1受光素子51b及び第2受光素子52bに到達する。
【0033】
第1受光素子51bと第2受光素子52bの出力の変化を示すタイミングチャートを図4に示す。インクリボンセンサ50に対向する位置をインクリボン40のイエロー(Y)の領域40Yが通過しているとき、第1受光素子51bにはグリーン(G)及びレッド(R)の光が入射するので、第1受光素子51bはレベル2の信号(例えば電圧:以下同様)を出力する。一方、第2受光素子52bにはレッド(R)の光のみが入射するので、第2受光素子52bはレベル1の信号を出力する。ここで、第1受光素子51bと第2受光素子52bの出力の変化を識別するために、閾値をレベル1とレベル2の間(例えば1.5)に設定する。そうすると、第1受光素子51bの出力は「ハイ」又は「1」となり、第2受光素子52bの出力は「ロー」又は「0」となる。
【0034】
インクリボンセンサ50に対向する位置をインクリボン40のマゼンタ(M)の領域40Mが通過しているとき、第1受光素子51bにはレッド(R)の光のみが入射するので、第1受光素子51bはレベル1の信号を出力する。一方、第2受光素子52bにはブルー(B)及びレッド(R)の光が入射するので、第2受光素子52bはレベル2の信号を出力する。第1受光素子51bの出力は「ロー」又は「0」となり、第2受光素子52bの出力は「ハイ」又は「1」となる。
【0035】
インクリボンセンサ50に対向する位置をインクリボン40のシアン(C)の領域40Cが通過しているとき、第1受光素子51bにはグリーン(G)の光のみが入射するので、第1受光素子51bはレベル1の信号を出力する。一方、第2受光素子52bにはブルー(B)の光のみが入射するので、第2受光素子52bもレベル1の信号を出力する。第1受光素子51bの出力は「ロー」又は「0」となり、第2受光素子52bの出力も「ロー」又は「0」となる。
【0036】
インクリボンセンサ50に対向する位置をインクリボン40のオーバーレイ(OL)の領域40Lが通過しているとき、第1受光素子51bにはグリーン(G)及びレッド(R)の光が入射するので、第1受光素子51bはレベル2の信号を出力する。一方、第2受光素子52bにはブルー(B)及びレッド(R)の光が入射するので、第2受光素子52bはレベル2の信号を出力する。第1受光素子51bの出力は「ハイ」又は「1」となり、第2受光素子52bの出力も「ハイ」又は「1」となる。
【0037】
以上のように、第1受光素子51bと第2受光素子52bの出力をモニタすることにより、インクリボンセンサ50に対向する位置を現在通過中の領域のインクの色を識別することができる。また、第1受光素子51bと第2受光素子52bの出力の変化した時点を検出することにより、インクリボン40上の各矩形領域40Y、40M、40C及び40Lの先端及び終端を検出することが可能となる。
【0038】
次に、本実施形態のプリンタの動作について説明する。上記各モータのオン/オフのタイミングチャートを図5に示す。まず、プリント動作を開始すると、制御装置60は、インクリボン40上のイエロー(Y)の矩形領域40Yの先端がインクリボンセンサ50に対向する位置に達するまでリボン巻き取りモータを駆動し、インクリボン40を初期位置に停止される。なお、サーマルヘッド30は、最初上方に持ち上げられており、プラテン20との間にはインクリボン40及び用紙10の搬送を妨げない程度の十分な隙間が形成されているものとする。
【0039】
次に、制御装置60は、用紙10の先端が一旦プラテン20とサーマルヘッド30とが向する位置(印字位置)を越えて図中左側に達するまで給紙モータ及び搬送モータを駆動し、用紙10の終端が印字位置に達した時点で停止させる。なお、図1には示していないが、用紙10の先端及び終端を検出するために、インクリボンセンサ50とは別個の用紙センサが設けられている。
【0040】
この時点で用紙10の終端とインクリボン40のイエロー(Y)の矩形領域40Yの先端とがほぼ一致している(実際には、印字位置とインクリボンセンサ50の位置のずれ量だけ、インクリボン40の矩形領域の方が用紙10よりもはみ出している)ので、プリント開始可能状態にある。そこで、制御装置60は、サーマルヘッド上下モータを正転駆動し、サーマルヘッド30を下降させ、プラテン20に所定の圧力で圧接させる。
【0041】
次に、制御装置60は、リボン巻き取りモータを駆動すると共に搬送モータを逆転駆動し、インクリボン40と用紙10とをほぼ同じ速度で、図中左側から右側に搬送する。これと並行して、制御装置60はサーマルヘッド30にイエローの画像データを供給する。サーマルヘッド30の発熱素子が発熱すると、それに対向する部分のインクが昇華し用紙10に付着するので、用紙10上にイエローの画像が形成される。
【0042】
用紙10上にイエローの画像を形成し終えると、制御装置60は、サーマルヘッド上下モータを逆転駆動し、サーマルヘッド30を上昇させる。その後、制御装置60は、インクリボンセンサ50によりマゼンタ(M)の矩形領域40Mの先端を検出するまでリボン巻き取りモータを駆動する。また、用紙10の終端が印字位置に達するまで搬送モータを正転させる。この操作により、用紙10上にマゼンタの画像形成が可能となる。制御装置60は、上記動作をマゼンタ(M)、シアン(C)及びオーバーレイ(OL:無色透明)の各色について繰り返し、用紙10上のカラー画像を形成する。
【0043】
用紙10上にカラー画像を形成し終えると、制御装置60は、サーマルヘッド上下モータを逆転駆動してサーマルヘッド30を上昇させるとともに、搬送モータ及び排紙モータを駆動して、用紙10をプリンタ本体100から排出するように、図1中左側に搬送する。なお、必要に応じてカッタ駆動モータを制御し、用紙10を所定サイズに切断する。そして、排紙センサ21が用紙10の終端の通過を検出すると、全ての動作を終了する。なお、用紙10は、あらかじめ所定サイズに切断されたものであってもよいし、連続したものであってもよい。
【0044】
次に、インクリボンカセット101におけるリール41及び42の負荷変動による影響について説明する。前述のように、インクリボン40上の各色の矩形領域40Y、40M、40C及び40Lは、それぞれこのプリンタでプリント可能な用紙サイズよりも若干大きくなるように設定されている。従って、プリント中のインクリボン40の搬送速度が若干変化しても通常は特に問題は生じない。また、インクリボン40の搬送速度が用紙10の搬送速度よりも遅い場合、インクリボン40のうち一度使用された部分の一部が次のラインのプリントに使用されるため、一部に色の薄い部分や色の抜けの部分が発生する。その結果、プリントされた画像の画質が若干劣化するものの、鑑賞に堪えないほどには劣化しない。ところが、インクリボン40の搬送速度が用紙10の搬送速度よりも遅い場合、例えばイエローの画像を形成し終わらないうちにイエローの矩形領域40Yがリール42に巻き取られてしまい、本来イエローのインクでプリントしなければならない部分が、次のマゼンタのインクでプリントされてしまう。この現象を放置すると、マゼンタのインクでプリントしなければならない部分が、さらに次のシアンのインクでプリントされてしまう。最後に、シアンのインクでプリントしなければならない部分の最後の方は、インクがなくなってしまう。その結果、できあがったプリントは本来の色調とは全く異なったものとなり、鑑賞に堪えないものとなってしまう。
【0045】
しかしながら、本実施形態では、インクリボンセンサ50は、単にインクリボン40上の各色の矩形領域40Y、40M、40C及び40Lの先端及び終端を検出するだけでなく、現在インクリボンセンサ50に対向する位置を通過中の領域の色を認識することができる。従って、例えばイエローのインクでプリントしている最中に、イエロー(Y)の矩形領域40Yが全てリール42に巻き取られてしまい、マゼンタ(M)の矩形領域40Mがインクリボンセンサ50に対向する位置を通過すると、インクリボンセンサ50からの出力が変化するので、制御装置60は、イエロー(Y)の矩形領域40Yを使い切ったことを認識することができる。
【0046】
このようにプリントの途中で特定の色の矩形領域を使い切ったことを認識すると、プリントを中止するとともに、警告音等を発生してユーザーに注意を喚起すればよい。あるいは、プリントを中止し、プリントに失敗した用紙10を排出すると共に、未使用の部分のインクリボン40を巻き取り、新たにプリントをやり直すことも可能である。
【0047】
なお、上記実施形態では、インクリボン40の各矩形領域に塗布するインクの三原色としてイエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)を用いたが、これに限定されるものではなく、その他の三原色、例えばレッド(R)、グリーン(G)及びブルー(B)等を用いてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、インクリボンセンサ50の位置として、サーマルヘッド30とプラテン20とが対向するプリント位置近傍で、かつインクリボン40の搬送方向の下流側に設けたが、これに限定されるものではなく、例えばインクリボン40が用紙10から離れた後の位置であってもよい。
【0049】
さらに、上記実施形態では、第1発光素子51aと第2発光素子52a及び第1受光素子51bと第2受光素子52bをそれぞれ、インクリボン40の搬送方向に直交する方向で、かつ同一直線上に配置したが、これに限定されるものではない。例えば、第1受光素子51b及び第2受光素子52bのいずれかの出力の変化を基準として、インクリボン40上の各矩形領域40Y、40M、40C及び40Lの先端又は終端を判断すればよく、各発光素子と受光素子の位置は同一直線上でなくてもよい。
【0050】
さらに、インクリボンセンサ50の第1発光素子51a及び第2発光素子52aとして、白色光源にそれぞれイエロー(Y)及びマゼンタ(M)のフィルタを装着したものを用いたが、フィルタの色はこれに限定されるものではなく、インクリボン上に塗布される三原色のうちから2色を選択し、選択した2色のうちのいずれか1色のフィルタをそれぞれ白色光源に装着すればよい。あるいは、光源を白色光源とし、受光素子側にフィルタを設けてもよい。その場合、単一光源であってもよい。
【0051】
さらに、インクリボンセンサ50の第1発光素子51a及び第2発光素子52aとして、白色光源にそれぞれ、インクリボン上の所定領域ごとに順に塗布された三原色から選択された2色のうちのいずれか1色、例えばイエロー(Y)及びマゼンタ(M)のフィルタを装着したものを用いたが、発光素子51a及び52aの構成はこれに限定されるものではなく、インクリボン上に塗布された三原色(Y、M及びC)と補色関係にある三原色(R、G及びB)のうち、前記1色を構成する2色、例えばグリーン(G)とレッド(R)の光源(発光ダイオード等)を組み合わせたもの及びブルー(B)とレッド(R)の光源を組み合わせたものを用いてもよい。
【0052】
さらに、上記実施形態では、色の三原色のインクの外に無色透明のオーバーレイ(OL)領域を設けたが、これに限定されるものではなく、オーバーレイ領域はなくてもよい。あるいは、オーバーレイ領域の代わりにブラックのインクを塗布したブラック領域を設けてもよい。その場合、ブラックのインクはほとんど光を透過させないので、受光素子51及び52bの出力判別の閾値を2段階に設定してもよい。
【0053】
さらに、上記実施形態では、第1発光素子51aと第1受光素子51b及び第2発光素子52aと第2受光素子52bをそれぞれインクリボン40を挟んで対向するように配置し、インクリボン40を透過した光を検出するように構成したが、これに限定されるのもではない。もし可能であれば、第1発光素子51aと第2発光素子51b及び第2発光素子52aと第2受光素子52bをそれぞれインクリボン40に対して同じ側で、かつインクリボン表面からの反射光が入射する位置に配置し、インクリボン40からの反射光を検出するように構成してもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の熱昇華型プリンタによれば、インクリボンを挟んで対向する発光素子及び受光素子を含む2組のセンサを具備し、各発光素子はそれぞれインクリボン上の所定領域ごとに順に塗布された三原色(例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C))から選択された2色のうちのいずれか1色(例えば、イエロー(Y)及びマゼンタ(M))を発光し、各受光素子はそれぞれ対向する発光素子から出力されインクリボンを透過した光を受光するので、各発光素子から出力された光のうち一部はインクリボンに塗布されたインクにより吸収され、受光素子には入射しない。また、各インクは、それぞれ吸収する色が異なるので、2つの受光素子の出力をモニタすることにより、それらの出力レベルの組み合わせから、現在センサに対向する位置を通過中の領域のインクの色を識別することが可能となる。さらに、2つの受光素子の出力の変化した時点を検出することにより、インクリボン上の各所定領域の先端及び終端を検出することが可能となる。
【0055】
さらに、インクリボンの両側端部近傍にマーク等を設ける必要がないので、インクリボンの幅及びプリンタの幅を狭くすることが可能となる。さらに、インクリボンに三原色以外の色のインクを塗布したり、あるいは金属薄膜を貼付する必要がないので、インクリボンの製造工程が簡単になり、コストダウンをはかることができる。
【0056】
さらに、センサは常時インクリボン上に塗布された各領域をモニタしているので、何らかの原因でインクリボンの搬送速度が変化した場合であっても、誤って本来の色とは違う色でプリントすることを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱昇華型プリンタの一実施形態の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示す実施形態の主要部の構成を示す斜視図である。
【図3】(a)は上記実施形態においてインクリボンが装填されていない状態でのセンサを示す図、(b)はセンサに対向する位置をインクリボンのイエロー(Y)の領域が通過する時の状態を示す図、(c)はセンサに対向する位置をマゼンタ(M)の領域が通過する時の状態を示す図、(d)はセンサに対向する位置をシアン(C)の領域が通過する時の状態を示す図、(e)はセンサに対向する位置をオーバーレイ(OL)の領域が通過する時の状態を示す図である。
【図4】上記実施形態における2つの受光素子の出力の変化を示すタイミングチャートである。
【図5】上記実施形態における各モータのオン/オフのタイミングチャートである。
【図6】従来の熱昇華型プリンタのインクリボン上の各色の領域の位置検出機構を示す図である。
【符号の説明】
10 :用紙
11 :用紙トレイ
12 :給紙ローラ
13 :給紙ローラ駆動機構
14 :用紙搬送ローラ
15 :搬送ローラ駆動機構
16 :排紙ローラ
17 :排紙ローラ駆動機構
18 :カッタ
19 :カッタ駆動機構
20 :プラテン
21 :排紙センサ
30 :サーマルヘッド
31 :サーマルヘッド駆動機構
40 :インクリボン
40Y:イエロー(Y)の領域
40M:マゼンタ(M)の領域
40C:シアン(C)の領域
40L:オーバーレイ(OL)の領域
41 :リール
42 :リール
43 :ギヤ
44 :インクリボン搬送ローラ
50 :センサ
51a:第1発光素子
51b:第1受光素子
52a:第2発光素子
52b:第2受光素子
60 :制御装置
Claims (6)
- インクリボンを挟んで対向する発光素子及び受光素子を含む2組のセンサを具備し、各発光素子はそれぞれインクリボン上の所定領域ごとに順に塗布された三原色から選択された2色のうちのいずれか1色を発光し、各受光素子はそれぞれ対向する発光素子から出力されインクリボンを透過した光を受光することを特徴とする熱昇華型プリンタ。
- 発光素子は、白色光源と三原色から選択された2色のうちのいずれか1色のフィルタを具備することを特徴とする請求項1記載の熱昇華型プリンタ。
- 発光素子は、インクリボン上に塗布された三原色と補色関係にある三原色のうち、前記1色を構成する2色の光源を具備することを特徴とする請求項1記載の熱昇華型プリンタ。
- インクリボンは、所定領域ごとに前記三原色及び三原色以外の色のインクを塗布したものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱昇華型プリンタ。
- 2つの受光素子の出力レベルの変化から、インクリボン上に塗布されたそれぞれ色の異なる領域の先端及び終端の少なくとも一方を検出することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の熱昇華型プリンタ。
- 2つの受光素子の出力レベルの組み合わせから、現在センサに対向する位置を通過中の領域のインクの色を識別することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の熱昇華型プリンタ。
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