JP3545659B2 - プログラム更新方法および通信端末装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プログラム更新方法および通信端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、通信端末装置のようにプログラムが記憶されているフラッシュ・ロムが回路基板上に張り付けられている電子機器において、フラッシュ・ロムを回路基板上に張り付けたまま行うプログラムの更新は、パーソナルコンピュータ装置や汎用コンピュータ装置(以下、まとめて「コンピュータ装置」という。)に、プログラムの更新が必要な通信端末装置が1台、もしくは複数台接続され、コンピュータ装置の制御の下に行われるのが一般的である。この際、コンピュータ装置は、シリアル信号端子を介して、コンピュータ装置に格納されているプログラムデータ内容を通信端末装置に転送して、プログラムを通信端末装置のフラッシュ・ロムに書き込む。
【0003】
以下、コンピュータ装置と通信端末装置を接続して、プログラムを通信端末装置に転送する際の装置構成について、図8および図9を用いて説明する。
【0004】
まず、1台の通信端末装置にプログラムを転送する場合について説明する。図8は、1台の通信端末装置にプログラムを転送するための従来の装置構成を示すブロック図である。
【0005】
図8において、コンピュータ装置11は、接続ケーブル12を介して、プログラムを信号レベル変換装置13へシリアル転送する。信号レベル変換装置13は、コンピュータ装置11と通信端末装置14とのシリアル信号電圧レベルを変換し、コンピュータ装置11から転送されたプログラムを、接続ケーブル15を介して接続された通信端末装置14に転送する。また、信号レベル変換装置13は、接続ケーブル16を介して電源供給装置17より供給された電力を、接続ケーブル15を介して、通信端末装置14へ供給する。
【0006】
通信端末装置14は、コンピュータ装置11より転送されるプログラムデータをすべて受信し、プログラムの書き込みを終えた場合には、書き込み内容に誤りがないことをチェックサム演算により確認し、その結果を接続ケーブル15および接続ケーブル12を介して、コンピュータ装置11へ知らせる。これにより、コンピュータ装置11からのプログラム転送が停止される。
【0007】
次いで、複数の通信端末装置に同時にプログラムを転送する場合について説明する。図9は、複数の通信端末装置に同時にプログラムを転送するための従来の装置構成を示すブロック図である。但し、図8と同一の装置構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0008】
図9において、信号制御装置21は、コンピュータ装置11と複数の通信端末装置14とのシリアル信号電圧レベルを変換して、複数の通信端末装置14に同時にプログラムを転送する。また、信号制御装置21は、複数の通信端末装置14に、同時に電力を供給する。
【0009】
図9におけるプログラム転送方法では、接続ケーブル15を並列に増やすことによって、同時にプログラムを書き込むことができる通信端末装置14の数を増やすことが可能である。また、一度に大量の通信端末装置14に対してプログラムの更新を行う必要がある場合には、図9に示す装置構成を同時に多数使用すればよい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のプログラム更新方法には、以下のような問題がある。すなわち、プログラム書き込みの処理効率は、設置可能なコンピュータ装置の数、および信号レベル変換装置または信号制御装置の数に依存する。しかし、それらの装置構成は、図8および図9に示すように、大がかりなものとなり設置場所を占有するため、設置場所が限定されてしまう。従って、それらの装置の数を増やすことにより、処理効率を向上させることには限界がある。
【0011】
また、1台当たりの通信端末装置のプログラム書き込みに要する時間は、コンピュータ装置の性能とコンピュータ装置用に規格化されたシリアル信号の伝送速度に依存するため、処理効率を向上させることには限界がある。すなわち、シリアル信号の伝送速度は、通信端末装置が接続されるコンピュータ装置の制約によって限定されるため、伝送速度の選択肢が少ないほど処理効率を向上させることが困難になる。
【0012】
また、同時に複数の通信端末装置にプログラムを書き込む方法によってプログラム書き込みの処理効率を向上させる場合であっても、同時に書き込みを開始するためには通信端末装置の接続をまとめて行わなければならず、書き込みを開始するまでの準備時間や、書き込み終了後の取り外し時間といった書き込み処理時間以外の時間を要してしまうため、処理効率の大幅な向上は見込めない。また、書き込み時にも、複数の通信端末装置への書き込み処理の歩調を合わせる必要があるため、書き込み処理の待ち合わせが発生し、処理効率は低下してしまう。
【0013】
さらに、信号レベル変換装置および信号制御装置の開発には、時間と費用がかかってしまう。
【0014】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、プログラム更新処理の効率を飛躍的に向上させることができるとともに、プログラム更新装置を低コストで大量に生産することが可能となるプログラム更新方法および通信端末装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のプログラム更新方法は、同一の構成を有する2つ以上の通信端末同士を前記通信端末に装着されるコネクタを有するケーブルで接続し、装着された前記コネクタの種類に応じて、1つの通信端末をプログラム送信側端末とし、前記1つの通信端末以外の通信端末をプログラム受信側端末として決定し、前記プログラム送信側端末から前記プログラム受信側端末へプログラムを転送して、前記プログラム受信側端末に記憶されているプログラムを更新するようにした。
【0016】
この方法によれば、同一の構成を有する2つの通信端末装置を、一方をプログラム送信側、他方をプログラム受信側として、プログラムの更新を行うため、プログラム更新に必要な装置を容易に大量に生産することができるとともに、特別なプログラム更新装置を必要とすることなしに通信端末装置のプログラムを更新することができるので、プログラム更新装置の設置場所を選ばずにプログラム更新を簡易に行うことができる。また、コネクタの種類の判別のみで自動的にプログラム送信側端末またはプログラム受信側端末として動作するため、プログラム更新における手順が簡単になる。
【0017】
本発明の通信端末装置は、プログラムを記憶する記憶手段と、前記記憶手段から更新プログラムを読み出してプログラム受信側端末へ送信する送信手段と、プログラム送信側端末から受信した前記更新プログラムによって前記記憶手段に記憶された前記プログラムを更新する更新手段と、通信端末装置に装着されたコネクタの種類を判別し、前記種類に応じて通信端末装置をプログラム送信側端末またはプログラム受信側端末として決定する判別手段と、を具備する構成を採る。
【0019】
本発明の通信端末装置は、判別手段は、通信端末装置をプログラム送信側端末として決定した場合は送信手段を動作させ、通信端末装置をプログラム受信側端末として決定した場合は更新手段を動作させ、送信手段または更新手段のどちらか一方のみを動作させる構成を採る。
【0020】
これらの構成によれば、同一の構成を有する2つの通信端末装置を、一方をプログラム送信側、他方をプログラム受信側として、プログラムの更新を行うため、プログラム更新に必要な装置を容易に大量に生産することができるとともに、特別なプログラム更新装置を必要とすることなしに通信端末装置のプログラムを更新することができるので、プログラム更新装置の設置場所を選ばずにプログラム更新を簡易に行うことができる。また、通信端末装置は、コネクタの種類の判別のみで自動的にプログラム送信側端末またはプログラム受信側端末として動作するため、プログラム更新における手順が簡単になる。
【0021】
本発明の通信端末装置は、送信手段は、プログラム更新処理が失敗した場合に、更新プログラムをプログラム受信側端末へ再送する構成を採る。
【0022】
この構成によれば、プログラム更新処理の失敗時には、自動的に更新プログラムの再送が行われるため、プログラム更新処理が成功する割合を高めることができる。
【0023】
本発明の通信端末装置は、更新手段は、記憶手段の型に応じた書き込み方式によってプログラムを更新する構成を採る。
【0024】
この構成によれば、プログラム受信側端末でそれぞれのタイプに応じてプログラムの書き込みが行われるため、プログラム受信側端末がそれぞれタイプの違うフラッシュ・ロムを搭載している場合であっても、プログラム送信側端末は、すべてのプログラム受信側端末に対して同一の動作にてプログラム送信を行えば足りる。
【0025】
本発明の通信端末装置は、電源電圧を測定し、前記電源電圧が所定の電圧より小さい場合に、プログラム更新処理を中止する電圧測定手段を具備する構成を採る。
【0026】
この構成によれば、電源電圧が所定の稼動電圧より小さい場合にはプログラム更新処理が行われないため、可動電圧不足によるプログラム更新の失敗等によるデータ破壊を防ぐことができる。
【0027】
本発明の通信端末装置は、プログラム更新処理の各処理段階に応じて各処理の状態を示す表示手段を具備する構成を採る。
【0028】
この構成によれば、各処理の状態が示されるため、プログラム送信側端末とプログラム受信側端末との区別を容易に行うことができるとともに、プログラムの更新が成功したか否かを容易に確認することができる。
【0029】
本発明の通信端末装置は、接続された他の通信端末装置を駆動するための電力を前記他の通信端末装置へ供給する電力供給手段を具備する構成を採る。
【0030】
この構成によれば、一方の通信端末装置は、他方の通信端末装置を電力供給源として代用することができる。
【0031】
本発明の通信端末装置は、プログラム更新処理において必要となる適宜変更可能な所定の情報を記憶する記憶手段と、前記所定の情報を接続された他の通信端末装置へ通知する通知手段と、を具備する構成を採る。
【0032】
この構成によれば、プログラム送信のための信号の速度、送信する信号間の空き時間、アドレス情報等を示す所定の情報を適宜変更することができるため、通信端末装置同士で行うプログラム更新処理であっても、使用用途に応じて送信速度やプログラム書き込み箇所を容易に変更することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、同一の構成を有する通信端末装置同士を接続し、一方をプログラム送信側端末、他方をプログラム受信側端末として、プログラムの更新を行うことである。
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る通信端末装置の接続状態を示す図である。同一の構成を有する2つの通信端末装置101と102とは、接続コネクタ103および104を介して接続ケーブル105によって接続される。接続ケーブル105は、信号送受信線106および電力供給線107からなる。なお、以下の説明では、通信端末装置101をプログラム送信側端末として、通信端末装置102をプログラム受信側端末として説明する。
【0036】
通信端末装置101は、接続ケーブル109によって、電源供給装置108に接続される。プログラム更新時には、この電源供給装置108から供給される電力により、通信端末装置101および102が駆動する。表示灯110および111は、プログラムの更新結果等を示すためのものである。
【0037】
次いで、通信端末装置101および102の構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態1に係る通信端末装置の概略構成を示す要部ブロック図である。なお、図1と同一の構成には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0038】
通信端末装置101と102とは、同一の構成を有する通信端末装置であり、ともに接続コネクタ判別部201、プログラム送信装置202およびプログラム受信装置203を有する。接続コネクタ判別部201は、接続コネクタ103および104の種類を判別し、通信端末装置がプログラム送信側端末になるか、プログラム受信側端末になるかを決定する。すなわち、接続コネクタ判別部201は、通信端末装置に接続された接続コネクタの種類によって、プログラム送信装置202またはプログラム受信装置203のいずれか一方を起動する。
【0039】
プログラム送信装置202は、プログラム受信側端末(ここでは、通信端末装置102)へ、更新対象となるプログラム、すなわち更新プログラムを送信する。プログラム受信装置203は、プログラム送信側端末(ここでは、通信端末装置101)から送信された更新プログラムを受信し、プログラムを更新する。
【0040】
次いで、プログラム送信装置202およびプログラム受信装置203の構成について説明する。図3は、本発明の実施の形態1に係る通信端末装置のプログラム送信装置の概略構成を示す要部ブロック図であり、図4は、本発明の実施の形態1に係る通信端末装置のプログラム受信装置の概略構成を示す要部ブロック図である。なお、図1と同一の構成には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0041】
図3に示すプログラム送信装置202において、コマンド選択部301は、入力された信号によって示される命令を判断する。プログラム送信部302は、記憶部303に記憶されている更新プログラムを読み出し、送信する。記憶部303は、更新プログラムおよび通信端末装置が動作するための各種プログラムを記憶しており、例えばフラッシュ・ロム等である。
【0042】
チェックサム演算部304は、プログラムの更新が正しく行われたか否か判定するために使用する、いわゆるチェックサムを計算する。チェックサム照合部305は、プログラム送信側端末で計算されたチェックサムとプログラム受信側端末で計算されたチェックサムとの照合を行う。
【0043】
起動指示部306は、通信端末装置102をプログラム受信側端末として起動させるための信号を出力する。切り替え部307は、出力される信号を切り替える。電圧測定部308は、電源供給装置108より供給される電力の電圧を測定し、その電圧に従ってスイッチ309の接続/切断を制御する。
【0044】
一方、図4に示すプログラム受信装置203において、コマンド選択部401は、入力された信号によって示される命令を判断する。プログラム更新部402は、受信した更新プログラムを記憶部403に書き込む。記憶部403は、通信端末装置が動作するための各種プログラムを記憶しており、例えばフラッシュ・ロム等である。
【0045】
チェックサム演算部404は、プログラムの更新が正しく行われたか否か判定するために使用する、いわゆるチェックサムを計算する。切り替え部405は、出力される信号を切り替える。
【0046】
次いで、上記構成を有する通信端末装置の動作について説明する。図5および図6は、本発明の実施の形態1に係る通信端末装置の動作を説明するためのフロー図である。
【0047】
まず、ステップ(以下、「ST」と省略する。)501において、通信端末装置101では、接続コネクタ判別部201が、接続コネクタ103の種類を判別する。そして、接続コネクタ103の種類が、プログラム送信側端末に接続されるための専用の接続コネクタ(以下、「送信専用コネクタ」という。)である場合には、ST502において、接続コネクタ判別部201が、プログラム送信装置202を起動させる。また、接続コネクタ103が送信専用コネクタ以外のコネクタである場合または接続コネクタ自体が接続されていない場合には、通信端末装置101は、ST503において、通信を行う通常の通信端末装置として通信端末装置を起動する。これにより、通信端末装置は、コネクタの種類の判別のみで自動的にプログラム送信側端末として起動することができる。
【0048】
次いで、ST504において、電圧測定部308が電源供給装置108より供給される駆動電力の電圧を測定する。そして、電源電圧が、プログラム送信装置202およびプログラム受信装置203が稼動するために必要な所定の電圧以上である場合には、電圧測定部308が、スイッチ309を接続する。これにより、ST505において、電源供給装置108より、プログラム送信側端末を介して、プログラム受信側端末へも電力が供給されることになる。一方、ST504において、電源電圧が所定の稼動電圧より小さい場合には、プログラム更新処理を終了する。
【0049】
これにより、一方の通信端末装置は、他方の通信端末装置を電力供給源として代用することができる。また、電源電圧が所定の稼動電圧より小さい場合にはプログラム更新処理が行われないため、稼動電圧不足によるプログラム更新の失敗等によるデータ破壊を防ぐことができる。
【0050】
なお、ST504における処理を、プログラム送信側端末でなく、プログラム受信側端末にて行う構成としてもよい。このような構成とした場合にも、電源電圧が所定の稼動電圧より小さい場合にはプログラム更新処理が行われないため、可動電圧不足によるプログラム更新の失敗等によるデータ破壊を防ぐことができる。
【0051】
また、ST504における処理を、ST502における処理の前段にて行うようにしてもよい。この場合、ST504において電源電圧が所定の稼動電圧より小さい場合には、プログラム更新処理を終了するようにしてもよく、また、ST503へ進み、通信を行う通常の通信端末装置として通信端末装置を起動するようにしてもよい。
【0052】
次いで、ST506において、起動指示部306が、プログラム受信側端末に対して、起動要求信号を出力する。このとき切り替え部307は、起動指示部306と信号送受信線106とを接続するような状態となっている。
【0053】
次いで、ST601において、プログラム受信側端末である通信端末装置102のコマンド選択部401が起動要求信号を受信すると、コマンド選択部401は、ST602において、プログラム受信装置203を起動させ、ST604において、表示灯111を、プログラム受信側端末であることを示す所定の色で点灯させる。これにより、プログラム送信側端末とプログラム受信側端末との区別を容易に行うことができる。そして、起動要求信号が受信されたことが、プログラム更新部402へ通知される。
【0054】
一方、起動要求信号が受信されない場合または接続コネクタ自体が接続されていない場合には、通信端末装置102は、ST603において、通信を行う通常の通信端末装置として起動する。
【0055】
次いで、ST605において、プログラム更新部402が、フラッシュ・ロム等で構成された記憶部403のタイプを判定する。
【0056】
タイプ判定後、ST606において、プログラム更新部402は、プログラム送信側端末へプログラム送信要求信号を出力する。このとき切り替え部405は、プログラム更新部402と信号送受信線106とを接続するような状態となっている。ここで、送信要求信号には、プログラム送信のための信号の速度、送信する信号間の空き時間、記憶部403のアドレス情報等を示すパラメータを付加してある。これにより、パラメータ情報を変更することで、通信端末装置同士で行うプログラム更新処理であっても、使用用途に応じて送信速度やプログラム書き込み箇所を容易に変更することができる。なお、上記パラメータの送信を、プログラム送信側端末からプログラム受信側端末へ行うようにしてもよい。この場合、上記パラメータの送信は、ST507の処理後〜ST509の処理前のいずれかの時点、または、ST509のプログラム送信に併せて行われる。
【0057】
次いで、ST507において、プログラム送信装置202のコマンド選択部301が、プログラム送信要求信号を受信すると、コマンド選択部301は、ST508において、プログラム送信が開始された旨を示す所定の色で表示灯110を点灯させる。一方、コマンド選択部301が、送信要求信号を受信しない間は、ST506〜ST507の処理が繰り返し行われる。
【0058】
次いで、ST509において、コマンド選択部301は、プログラム送信部302に対して、更新プログラムを送信するよう指示する。この指示により、ST509において、プログラム送信部302は、記憶部303から更新プログラムを読み出して、プログラム受信側端末へ順次送信する。このとき、切り替え部307は、プログラム送信部302と信号送受信線106とを接続するような状態となっている。
【0059】
また、ST510において、コマンド選択部301は、チェックサム演算部304に対して、チェックサム演算を開始するよう指示する。この指示により、チェックサム演算部304は、更新プログラムの送信が行われているのと並行して、チェックサム演算を行う。
【0060】
次いで、ST607において、プログラム受信側端末のプログラム更新部402が、受信した更新プログラムを、ST605において判定したタイプに従って、記憶部403に書き込む。なお、書き込み前には、記憶部403に記憶されている更新対象となるプログラムは、プログラム更新部402によってあらかじめ消去されている。このように、プログラム受信側端末でそれぞれのタイプに応じてプログラムの書き込みが行われるため、プログラム受信側端末がそれぞれタイプの違うフラッシュ・ロムを搭載している場合であっても、プログラム送信側端末は、すべてのプログラム受信側端末に対して同一の動作にてプログラム送信を行えば足りる。
【0061】
次いで、更新プログラムの送信がすべて終了すると、ST511において、プログラム送信側端末のプログラム送信部302は、プログラム受信側端末に対して、チェックサム要求信号を送信する。そして、ST608において、チェックサム要求信号を受信したプログラム受信側端末のコマンド選択部401が、チェックサム演算部404に対して、チェックサム演算を行うよう指示する。これにより、チェックサム演算部404はチェックサム演算を行う。
【0062】
チェックサム演算部404は、チェックサム演算が終了すると、ST609において、その結果をプログラム送信側端末へ送信する。このとき、切り替え部405は、チェックサム演算部404と信号送受信線106とを接続するような状態となっている。
【0063】
次いで、チェックサムの演算結果を受信したプログラム送信側端末のコマンド選択部301は、ST512において、チェックサム照合部305に対して、チェックサムの演算結果の照合を行うよう指示する。これにより、チェックサム照合部305は、チェックサム演算部304で算出されたチェックサムの演算結果と受信したチェックサムの演算結果とを照合する。
【0064】
照合した結果、一致する場合には、チェックサム照合部305は、ST513において、表示灯110を消灯させ、プログラム更新が成功した旨を通信端末装置ユーザへ知らせる。そして、ST516において、チェックサム照合部305は、スイッチ309を切断する。これにより、プログラム受信側端末への電力供給が停止されることになり、プログラム更新処理が終了する。
【0065】
なお、ST513において、チェックサム照合部305は、プログラム更新が成功した旨を通信端末装置に接続された外部装置に対して出力する構成としてもよい。これにより、プログラム更新処理の性能判断を通信端末装置の外部に接続されたコンピュータ等で行うことが可能となるとともに、大量の通信端末装置に対してプログラム更新を行う際に、その工程管理を外部に接続されたコンピュータ等で行うことが可能となる。また、チェックサム演算結果の照合によるプログラム更新の成否判定を、プログラム送信側端末ではなく、プログラム受信側端末にて行う構成とすることも可能である。
【0066】
ST512において照合した結果、不一致である場合、すなわちプログラムの更新が失敗した場合には、チェックサム照合部305は、ST514において、更新プログラムの送信開始時から累積している過去の不一致回数(失敗回数)を調べる。そして、今回のプログラム更新処理の失敗が1回目の失敗であった場合には、チェックサム照合部305は、プログラム送信部302に対して、更新プログラムの再送要求を行う。これにより、ST509〜ST512の処理が再度行われ、プログラム受信側端末へ更新プログラムの再送が行われる。これにより、更新処理の失敗時には、自動的に更新プログラムの再送が行われるため、更新処理が成功する割合を高めることができる。
【0067】
一方、ST514において、不一致回数(失敗回数)が所定の回数(今、ここでは2回)に達した場合には、チェックサム照合部305は、ST515において、プログラム更新が失敗した旨を示す所定の色で表示灯110を点滅させる。これにより、プログラムの更新が成功したか否かを容易に確認することができる。
【0068】
そして、ST516において、チェックサム照合部305は、スイッチ309を切断する。これにより、プログラム受信側端末への電力供給が停止されることになり、プログラム更新処理が終了する。なお、ここでは、不一致回数(失敗回数)が2回に達した場合にプログラム更新処理を終了する構成としたが、所定の回数を変化させることにより更新プログラムの再送回数を適宜設定することが可能である。
【0069】
このように、本実施の形態に係るプログラム更新方法および通信端末装置によれば、同一の構成を有する2つの通信端末装置を、一方をプログラム送信側、他方をプログラム受信側として、プログラムの更新を行うため、プログラム更新に必要な装置を容易に大量に生産することができるとともに、特別なプログラム更新装置を必要とすることなしに通信端末装置のプログラムを更新することができるので、プログラム更新装置の設置場所を選ばずにプログラム更新を簡易に行うことができる。また、プログラム送信側とプログラム受信側の端末とが、同一の構成を有する通信端末装置であるため、送受信される信号の電圧変換が不要となるので、送受信信号の種類について、シリアル信号に限定されることなく、自由に信号を選択できるようになる。
【0070】
(実施の形態2)
本実施の形態に係る通信端末装置は、実施の形態1とほぼ同一の構成を有し、プログラム受信側端末に接続される接続コネクタの種類が、プログラム受信側端末に接続されるための専用の接続コネクタ(以下、「受信専用コネクタ」という。)である点において異なる。
【0071】
実施の形態1では、プログラム送信側端末に接続される接続コネクタの種類のみが、送信専用コネクタであった。しかし、本実施の形態においては、プログラム受信側端末に接続される接続コネクタの種類も、受信専用コネクタとなる。従って、通信端末装置102に接続される接続コネクタ104が、受信専用コネクタとなる。
【0072】
以下、図7を用いてプログラム受信側端末の動作について説明する。図7は、本発明の実施の形態2に係る通信端末装置の動作を説明するためのフロー図である。なお、実施の形態1と同一の動作となるステップには、同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0073】
ST701において、通信端末装置102では、接続コネクタ判別部201が、接続コネクタ104の種類を判別する。そして、接続コネクタ104の種類が、受信専用コネクタである場合には、ST602において、接続コネクタ判別部201が、プログラム受信装置203を起動させる。
【0074】
また、接続コネクタ104が受信専用コネクタ以外のコネクタである場合または接続コネクタ自体が接続されていない場合には、通信端末装置102は、ST603において、通信を行う通常の通信端末装置として起動する。これにより、通信端末装置は、コネクタの種類の判別のみで自動的にプログラム受信装置として起動することができる。
【0075】
このように、本実施の形態に係るプログラム更新方法および通信端末装置によれば、プログラム受信側端末に接続される接続コネクタの種類が、受信専用コネクタであるため、プログラム受信側端末は、プログラム送信側端末からの信号によらずにプログラム受信装置として起動することができるので、実施の形態1に比べ、プログラム更新手順が簡単になり、プログラム更新処理に要する時間を短縮することができる。
【0076】
なお、上記実施の形態では、説明の便宜上、プログラム送信装置とプログラム受信装置とを分けて説明したが、これらは同一の通信端末装置内に搭載されるものであるため、プログラム送信装置とプログラム受信装置とで、同一名称の各構成部を共用することが可能である。
【0077】
また、上記実施の形態では、プログラム送信側端末とプログラム受信側端末とを1:1としてプログラムの更新を行ったが、これを1:N(Nは複数)として、複数の通信端末に対して同時にプログラムの更新処理を行うことも可能である。
【0078】
また、上記実施の形態では、同一の構成を有する通信端末装置2つを接続してプログラム更新が行われるものとして説明したが、上記プログラム更新方法は通信端末装置以外の他の電子機器についても適用可能である。
【0079】
また、上記実施の形態では、表示灯を用いてプログラムの更新状態を示す構成としたが、これに限られるものではなく、液晶表示装置等の画面上に示す構成としてもよい。また、通信端末装置の外部に接続された表示灯、コンピュータ装置等によって表示する構成としてもよい。
【0080】
また、上記実施の形態では、電源供給装置を接続して通信端末装置が稼動する構成としたが、通信端末装置内蔵のバッテリを用いてプログラム更新処理が行われる構成としてもよい。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、プログラム更新処理の効率を飛躍的に向上させることができるとともに、プログラム更新装置を低コストで大量に生産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る通信端末装置の接続状態を示す図
【図2】本発明の実施の形態1に係る通信端末装置の概略構成を示す要部ブロック図
【図3】本発明の実施の形態1に係る通信端末装置のプログラム送信装置の概略構成を示す要部ブロック図
【図4】本発明の実施の形態1に係る通信端末装置のプログラム受信装置の概略構成を示す要部ブロック図
【図5】本発明の実施の形態1に係る通信端末装置の動作を説明するためのフロー図
【図6】本発明の実施の形態1に係る通信端末装置の動作を説明するためのフロー図
【図7】本発明の実施の形態2に係る通信端末装置の動作を説明するためのフロー図
【図8】1台の通信端末装置にプログラムを転送するための従来の装置構成を示すブロック図
【図9】複数の通信端末装置に同時にプログラムを転送するための従来の装置構成を示すブロック図
【符号の説明】
101、102 通信端末装置
103、104 接続コネクタ
108 電源供給装置
110、111 表示灯
201 接続コネクタ判別部
202 プログラム送信装置
203 プログラム受信装置
301、401 コマンド選択部
302 プログラム送信部
303、403 記憶部
304、404 チェックサム演算部
305 チェックサム照合部
306 起動指示部
307、405 切り替え部
402 プログラム更新部

Claims (9)

  1. 同一の構成を有する2つ以上の通信端末同士を前記通信端末に装着されるコネクタを有するケーブルで接続し、
    装着された前記コネクタの種類に応じて、1つの通信端末をプログラム送信側端末とし、前記1つの通信端末以外の通信端末をプログラム受信側端末として決定し、
    前記プログラム送信側端末から前記プログラム受信側端末へプログラムを転送して、前記プログラム受信側端末に記憶されているプログラムを更新することを特徴とするプログラム更新方法。
  2. プログラムを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段から更新プログラムを読み出してプログラム受信側端末へ送信する送信手段と、
    プログラム送信側端末から受信した前記更新プログラムによって前記記憶手段に記憶された前記プログラムを更新する更新手段と、
    通信端末装置に装着されたコネクタの種類を判別し、前記種類に応じて通信端末装置をプログラム送信側端末またはプログラム受信側端末として決定する判別手段と、
    を具備することを特徴とする通信端末装置。
  3. 判別手段は、通信端末装置をプログラム送信側端末として決定した場合は送信手段を動作させ、通信端末装置をプログラム受信側端末として決定した場合は更新手段を動作させ、送信手段または更新手段のどちらか一方のみを動作させることを特徴とする請求項2記載の通信端末装置。
  4. 送信手段は、プログラム更新処理が失敗した場合に、更新プログラムをプログラム受信側端末へ再送することを特徴とする請求項2または請求項3記載の通信端末装置。
  5. 更新手段は、記憶手段の型に応じた書き込み方式によってプログラムを更新することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の通信端末装置。
  6. 電源電圧を測定し、前記電源電圧が所定の電圧より小さい場合に、プログラム更新処理を中止する電圧測定手段を具備することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の通信端末装置。
  7. プログラム更新処理の各処理段階に応じて各処理の状態を示す表示手段を具備することを特徴とする請求項2から請求項6のいずれかに記載の通信端末装置。
  8. 接続された他の通信端末装置を駆動するための電力を前記他の通信端末装置へ供給する電力供給手段を具備することを特徴とする請求項2から請求項7のいずれかに記載の通信端末装置。
  9. プログラム更新処理において必要となる適宜変更可能な所定の情報を記憶する記憶手段と、前記所定の情報を接続された他の通信端末装置へ通知する通知手段と、を具備することを特徴とする請求項2から請求項8のいずれかに記載の通信端末装置。
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