JP3545050B2 - スパッタリング装置、及びスパッタリング薄膜生産方法 - Google Patents

スパッタリング装置、及びスパッタリング薄膜生産方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、薄膜を成膜するスパッタリング装置、及び、スパッタリング薄膜生産方法にかかり、特に、磁気異方性を有するスパッタリング薄膜を成膜するスパッタリング装置、及びスパッタリング薄膜生産方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スパッタリング装置は一般に、半導体表面の配線金属の成膜や、磁気記録材料の成膜等、広汎な用途に用いられているが、近年の磁気記録の高密度化に伴って、磁気記録材料への適用は、一層重要度を増している。
【0003】
このような磁気記録材料としては、Coアモルファス、パーマロイ、センダスト、FeZrN等、種々の材料から成るものがある。そして、優れた軟磁気特性、耐食性、高い硬度、比抵抗を有することから、磁気異方性がロット内でばらつくという欠点はあるが、これらのうちでは特にセンダスト薄膜が注目されている。
【0004】
このセンダスト薄膜の成膜に用いられる従来技術のスパッタリング装置は、図5に示すような公転型のものが多い。図5を用いて簡単に説明すると、100は従来技術の公転型のスパッタリング装置であり、真空容器110を備えている。この真空容器110は、図示しない真空ポンプと真空排気パイプ112で接続されており、前記真空ポンプの起動により高真空状態にされた後、スパッタリングガス導入パイプ111からアルゴンガスが導入され、図示しないセンダストのターゲットをスパッタして、基板ホルダー113の載置部上に置かれた基板114にセンダスト薄膜を成膜する。
【0005】
前記センダストのターゲットは、ターゲット部117に内蔵されたターゲットホルダーに保持されており、該ターゲットホルダーは、インピーダンスマッチングボックス118を介して高周波電源119に接続されている。
【0006】
前記センダスト薄膜の成膜は、前記ターゲット部117内に配置されたマグネトロン磁石が発生させる磁界の作用による、マグネトロンスパッタリングであり、
前記高周波電源119の起動により開始される。
【0007】
このマグネトロンスパッタリングが行われる際、前記基板ホルダー113は中心軸線121を中心として回転するので、該基板ホルダー113には、ドーナツ状に、前記ターゲット直下を通過する領域109が形成される。
【0008】
そして、基板がターゲットに最も近づくときに結晶粒が成長するため、前記基板直下を通過する領域109上の載置部に置かれた基板と、前記領域109以外の領域の載置部に置かれた基板とでは、スパッタ粒子の入射方向の相違により、基板表面のセンダスト薄膜の結晶粒の成長方向が異なってしまう。
【0009】
この成長方向の相違を図6と図7を用いて説明する。
図7を参照し、141は前記センダストのターゲットであり、該ターゲット141直下の位置142の前記領域109にある載置部1481上に置かれた基板1141が位置している状態である。この基板1141には、基板の鉛直方向145からスパッタ粒子が飛来し、表面にセンダスト薄膜が成長する。
【0010】
図6(a)は、該基板1141上のセンダスト薄膜の結晶粒の成長方向を示した図である。その結晶粒の成長方向は、前記ターゲット直下の位置142での公転方向1011と同じ方向となる。そして、結晶粒の成長方向が磁化容易軸1021となるので、該磁化容易軸1021も前記公転方向1011と同じ方向になり、磁化困難軸は前記公転軸方向1011と垂直な方向となる。
【0011】
一方、前記載置部1481以外の載置部1482に配置された基板1142は、前記ターゲット直下の位置142を通らず、それとは離れた位置143を通過する。
【0012】
この基板1142には、スパッタ粒子は斜め方向146から飛来し、結晶粒はその斜め方向に向けて成長する。従って、図6(b)に示すように、その結晶の成長方向103は、前記公転方向1011とは一致しない。
【0013】
また、前記基板1141は、回転軸線121を中心に回転されるので、前記ターゲット直下の位置142からはずれる。そしてその時の公転方向は前記基板直下の位置142での公転方向1011とは異なるので、一定の方向に結晶粒が成長しないことになる。
【0014】
そして一般に、結晶粒の成長方向が磁化容易軸となるので、例えば磁気ヘッドに使用されたセンダスト薄膜のように、磁気ヨークの磁力線を通す方向に薄膜の磁化困難軸(透磁率の大きい方向)を合わせる場合には、同一基板内の薄膜で結晶粒の成長方向がそろっていないと、製品特性上致命的な欠陥になる。
【0015】
また、図6(a)の結晶粒と図6(b)の結晶粒とが、磁気ヘッド等の製品中に混在する場合にも、磁気異方性は悪化する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の欠点を解決するもので、その目的は、結晶粒の磁化容易軸の方向をそろえ、磁気異方性の良好な薄膜を生産できるスパッタリング装置を提供することと、磁気異方性が良く、面内膜厚分布も均一な薄膜を生産できるスパッタリング装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明装置は、磁気記録材料である平板状のターゲットと、成膜対象である基板を前記ターゲットと平行に保持する基板保持手段と、前記ターゲットと前記基板保持手段とを相対的に移動させる相対移動手段とを備え、前記ターゲットをスパッタして前記基板の表面に薄膜を生成させるスパッタリング装置であって、前記ターゲットはマグネトロン磁石を有し、前記基板保持手段は、ターゲットと基板保持手段とが前記相対移動する際に、ターゲットの有効領域をターゲット面に対して垂直方向に投影した領域内に前記基板を保持するように構成され、前記ターゲットと前記基板保持手段との間に、前記ターゲットと対向する位置にスパッタ粒子を通過させる開口を有する回り込み防止板を設け、前記基板が前記開口を介して前記ターゲットに対向する位置にないときには、前記回り込み防止板がターゲット面に対して斜めに飛来しくるスパッタ粒子を遮断して、磁気異方性が揃った薄膜を生成することを特徴とし、
請求項2記載の発明装置は、請求項1記載のスパッタリング装置であって、前記相対移動手段は、前記基板保持手段と前記ターゲットとを相対的に旋回運動させるものであり、前記基板保持手段の、該基板保持手段と前記ターゲットとが前記旋回運動を行う軌跡上に位置する部分にのみ、前記基板を載置する載置部を設けたことを特徴とし、
請求項3記載の発明装置は、請求項1記載のスパッタリング装置であって、前記相対移動手段は、前記基板保持手段と前記ターゲットとを相対的に直線運動させるものであり、前記基板保持手段の、該基板保持手段と前記ターゲットとが前記直線運動を行う軌跡上に位置する部分にのみ、前記基板を載置する載置部を設けたことを特徴とし、
請求項4記載の発明装置は、請求項2記載のスパッタリング装置であって、前記基板が前記開口の投影面を通過する時間について、該基板の中央部分が通過する時間よりも、該基板の周辺部分が通過する時間の方が長くなるように、前記回り込み防止板の開口の形状が形成されたことを特徴とし、
請求項5記載の発明装置は、請求項4記載のスパッタリング装置であって、前記回り込み防止板の形状は、該開口に膜厚補正板が取付けられて形成されたことを特徴とし、
請求項6記載の発明装置は、磁気記録材料である平板状のターゲットと成膜対象である基板とが平行に配置され、マグネトロンスパッタリング用のマグネトロン磁石を備え、前記ターゲットをマグネトロンスパッタして前記基板の表面に薄膜を生成させるスパッタリング装置であって、前記マグネトロン磁石が前記ターゲットに対して平行に往復運動するように構成され、このマグネトロン磁石の往復運動によって前記ターゲットの有効領域を前記基板に対して相対移動させることにより、磁気異方性が揃った薄膜を生成することを特徴とし、
請求項7記載の発明方法は、磁気記録材料である平板状のターゲットと成膜対象である基板とを平行に配置し、ターゲット裏面に配置されたマグネトロンスパッタリング用のマグネトロン磁石により、前記ターゲットをマグネトロンスパッタして前記基板の表面に薄膜を生成させるスパッタリング薄膜生産方法であって、
前記マグネトロン用磁石を前記ターゲットに対して平行に往復運動させることで、前記ターゲットの有効領域を前記基板に対して相対移動させ、磁気異方性が揃った薄膜を生成することを特徴とする。

【0018】
【作用】
薄膜を成膜する対象となる基板を基板保持手段の載置部に置き、スパッタ材料である平板状のターゲットを前記基板と平行になるようにしてスパッタリングを行えば、基板表面上に薄膜が生成される。
【0019】
その際、前記ターゲットと前記基板との間に、ターゲットと対向する位置に開口を有する回り込み防止板を配置しておけば、基板が前記開口直下に位置してターゲットに面する時にのみ、前記開口を通過したスパッタ粒子が基板に到達できるので薄膜が成長し、前記基板が前記ターゲットと面する位置にないときには、斜めに飛来するスパッタ粒子は前記回り込み防止板で遮蔽されるので薄膜は成長せず、結晶粒の成長方向は一定となる。
【0020】
なお、前記基板が前記ターゲットに対して静止していると、結晶粒の成長方向は等方的、又は放射的となってしまい、磁化容易軸と磁化困難軸を一方向に制御できないので、前記基板保持手段とターゲットとを相対的に移動させる相対移動手段を設け、基板とターゲットとが相対的に旋回運動し得るように構成している。
【0021】
そして、前記基板保持手段のうち、該基板保持手段と前記ターゲットとが相対的に旋回運動する軌跡上の部分にだけ、前記載置部を設けておけば、スパッタ粒子が斜め方向から入射する位置には基板は置かれないので、不良基板が発生することはなく、また、前記載置部に置かれた基板上の結晶粒の成長方向は、前記旋回運動のターゲット直下での軌跡方向と一致する。
【0022】
なお、前記相対移動手段が、前記基板保持手段と前記ターゲットとを相対的に直線運動させるものであれば、前記回り込み防止板を設けると共に、前記基板保持手段のうち、該基板保持手段と前記ターゲットとが前記直線運動を行う軌跡上に位置する部分にのみ前記載置部を設けておけば、基板に成膜される薄膜の結晶粒の成長方向は、前記直線運動の軌跡と一致し、磁気異方性のそろった薄膜を得ることができる。
【0023】
ところで、スパッタリングの際には、使用されるターゲットの全ての面が有効にスパッタされるものではない。特に、マグネトロンスパッタリングでは、図8のように、ターゲット141は、その中央を中心としたドーナツ状の有効領域131のみがスパッタされる。この有効領域131(1311、1312)は、一般にはエロージョン部と呼ばれており、前記ターゲット141の裏面に配置されたマグネトロン磁石1321とマグネトロン磁石1322の間、及び、マグネトロン磁石1323とマグネトロン磁石1324の間に位置することが知られている。
【0024】
そして、基板とターゲットとが相対的に静止していても、この有効領域131と基板とが一定方向に相対的に移動するものであれば、その移動方向が結晶粒の成長方向となる。
【0025】
そこで、スパッタ材料である平板状のターゲットと、成膜対象である基板とを平行に配置し、ターゲット裏面に配置したマグネトロン用磁石を前記ターゲットに対して平行に往復運動させれば、ターゲットがスパッタされる有効領域が前記基板に対して平行移動するので、ターゲットとマグネトロン磁石とを一緒に往復運動させたのと同様に、その往復運動の運動軸線方向に結晶粒が成長するので、磁気異方性の良好な薄膜を成膜することができる。
【0026】
なお、該ターゲット141の直下を通過する基板でも、前記有効領域131の投影面をはみ出した部分については、スパッタ粒子が斜め方向から飛来することになり、その部分の結晶粒の成長方向は、前記有効領域131の投影面内にある部分の結晶粒の成長方向と異なるため、前記基板114は前記有効領域131よりも小さいことが望ましい。
【0027】
そして一般に、スパッタリングにより成膜される薄膜の膜厚分布は、基板の中央付近が厚く、周辺部分が薄くなる傾向にあることが知られている。特に、回転式のマグネトロンスパッタリング装置についてはこの傾向が甚だしい。
【0028】
このような膜厚分布は、主としてマグネトロンスパッタに供されるターゲットのスパッタ有効領域がドーナツ状であることと、基板とターゲットとが相対的に旋回運動をすることから生じるものと考えられており、前記回り込み防止板の開口の形状を、該基板の中央部分が通過する時間よりも、周辺部分が通過する時間の方が長くなるように形成すれば、前記基板が前記開口の投影面を通過する時間が調節されるので、基板の面内膜厚分布は均一になる。
【0029】
更に、膜厚補正板を取り付けて前記開口の形状を形成すれば、該膜厚補正板を交換して該開口の形状を簡単に変えることができるので、種々の径の基板にも簡単に対応でき、また、ターゲットのスパッタ有効領域の大きさが変化した場合にも前記開口の形状を簡単に変えることができるので、作業性に優れ、また、不均一な面内膜厚分布の基板が生産されることはない。
【0030】
【実施例】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0031】
図1は、本発明の一実施例の、スパッタリング装置の外観図であり、図2は断面図である。
【0032】
図1、図2を参照し、スパッタリング装置2は真空容器10を備えており、該真空容器10内には、基板保持手段である基板ホルダー13が設けられている。
【0033】
該真空容器10は、ターゲット3が内蔵されたカソード4を有しており、前記ターゲット3の裏面にはマグネトロン磁石5が配置されている。そして、図示しない真空ポンプが起動すると、前記真空容器10に接続された真空排気パイプ32から気体が排気され、高真空状態に達し得るように構成されている。また、前記真空容器10には、スパッタリングガスであるArガスを導入する導入パイプ31も接続されており、前記真空ポンプを起動させ、高真空状態にした後、前記導入パイプ31からアルゴンガスを導入し、シャッター25を開けてスパッタリングを開始する。
【0034】
このスパッタリングは、前記マグネトロン磁石5の発生する磁界でプラズマを閉じこめるマグネトロン方式のスパッタリングであり、前記ターゲット3を固定するマグネトロン電極8に接続された直流電源9と、インピーダンスマッチングボックス18を介して前記基板ホルダー13に接続された高周波電源19との起動により、前記ターゲット3に電圧を印加してアルゴンプラズマを生成して行われる。このとき、前記マグネトロン磁石5は、モーター14により回転されるので、前記ターゲット3の面内で磁場が移動し、それにつれてターゲットのエロージョン部が移動するので、ターゲットの有効領域が広がるように構成されている。
【0035】
また、スパッタリングの際には、前記基板ホルダー13は回転モーター44により中心軸線21を中心として回転するので、前記ターゲット3と前記基板ホルダー13とは相対的に旋回運動をする。
【0036】
このターゲット3は、図8に示したターゲットと同様に、ドーナツ状に有効領域が形成されており、前記旋回運動の軌跡12上の位置であって、前記ターゲット3の有効領域の直下を通過する前記ターゲットホルダー13上の部分のホルダー有効領域34上にのみ、基板を載置する載置部15を設けてある。
【0037】
また、前記ターゲット3と前記基板ホルダー13との間には、回り込み防止板6が設けてあり、この回り込み防止板6には、前記ターゲット3に面する位置にスパッタ粒子を通過させる開口7を設けてあるので、前記各載置部上に基板を置けば、各基板は前記旋回運動で順次前記ターゲット3直下の位置に来るので、前記開口7を介して前記ターゲット3に面するようになる。この時は、前記ターゲット3のスパッタにより生じたスパッタ粒子が前記基板16に到達するので薄膜が成膜さ、一方、前記ターゲット3に面する位置にない時には、スパッタ粒子は前記回り込み防止板6で遮蔽されて基板には到達しないので、薄膜は成長しない。
【0038】
なお、回り込み防止板6は、前記ターゲット3とは反対側の位置にある基板も覆うように、2点鎖線17で示すように伸ばしてもよい。
【0039】
前記回り込み防止板6には膜厚補正板11を取付けて前記開口7を構成している。そして、その開口7の形状は、前記ターゲット3の上方から前記回り込み防止板6を透視した図3(III−III線図)のように、該回り込み防止板6の有する円形の穴39の中央部が張り出すようにこの円形の穴39に取付けられた前記補正板11には張り出し部401、402が設けられ、載置部上に置かれた基板161、162、163が、前記開口7の投影面を通過する時間が、各基板の中央部分が通過する時間よりも周辺部分が通過する時間の方が長くなるように形成されている。
【0040】
前記ターゲット3の材料にセンダスト(Fe−10.5Si−6.1Alwt%)を用い、Ar圧力5mTorr、スパッタパワーDC3kW、基板ホルダーの公転速度4r.p.m.、成膜温度200℃の成膜条件でセンダスト薄膜を成膜した。そして、1×10-4Torrの真空中で550℃・2時間のアニールを行い、透磁率を測定した。
【0041】
測定結果を表1に示す。このセンダスト薄膜の膜厚約2ミクロンであり、Rは、基板中の、前記回転中心38から測定点までの距離(mm)であり、μはアニール後の初期透磁率の最大値である。また、θは前記μを示す方向であり、測定点と前記回転中心38とを結ぶ方向を0°とし、前記旋回運動の軌跡37の接線方向を90°として角度(deg)で表したものである。測定はシャントコア法(1MHz)によった。
【0042】
なお、前記ターゲットの有効領域は、前記回転中心38を中心として、半径130mmから280mmの間に位置していたので、前記ホルダー有効領域34の形状は、半径130mmの円と半径280mmの円で挟まれたドーナツ状となる。
【0043】
【表1】
Figure 0003545050
【0044】
また、上記測定結果と比較するために、本スパッタリング装置2の載置部外に基板を置いてセンダスト薄膜を成膜した。その測定結果を表2に示す。
【0045】
R'は前記回転中心38から基板までの距離(mm)であり、前記ターゲット有効領域半径130〜280mmの範囲外である。
【0046】
【表2】
Figure 0003545050
【0047】
このように、前記ホルダー有効領域34外に置いた基板上のセンダスト薄膜は、磁気異方性が種々の方向をとるため、磁気ヘッドに使用することはできない。
【0048】
なお、該スパッタリング装置2は、基板ホルダーとターゲットとを相対的に回転運動させる際、ターゲットを固定しておき、基板を運動させるものであるが、基板を固定しておいて、ターゲットとマグネトロン磁石とを運動させるものであってもよい。
【0049】
また、旋回運動に限らず、直線的に相対運動するものであってもよく、その場合は前記直線運動の軌跡方向に結晶粒が成長し、この成長方向が磁化容易軸となる。
【0050】
更に、ターゲットの有効領域と基板とが相対運動するものであってもよく、そのような構成の実施例を図4に示す。
図4を参照し、71は本発明の実施例であるスパッタリング装置であり、マグネトロン磁石74を有し、平板状のセンダストのターゲット73をマグネトロンスパッタする。
【0051】
該スパッタリング装置71は真空容器72を備えており、その内部に成膜対象である基板75が前記ターゲット73と平行に配置されており、電源761、762を起動し、シャッター77を開でて、前記基板75の表面にセンダスト薄膜の成膜を開始する。
【0052】
前記基板75は基板ホルダー78に設けられた載置部78に置かれており、前記ターゲット73はターゲット電極80に固定されている。従って、前記ターゲット73と前記基板75とは相対的に移動しないが、前記マグネトロン用磁石74はボールねじ81に取付けられており、モーター82の起動により、前記ターゲット73に対して平行に往復運動可能に構成されているので、前記ターゲット73の表面の磁界が往復運動するので、該ターゲット73がスパッタされる有効領域は、前記磁界の往復運動に伴って、前記基板75に対して往復運動する。
【0053】
そして、前記ターゲット73を前記基板75よりも充分大きく構成し、前記マグネトロン用磁石74を前記ターゲット73よりも充分小さく構成しておけば、前記往復運動の軌跡方向にセンダスト薄膜の結晶粒が成長する。従って、結晶粒の成長方向が一定となり、磁気異方性のそろったセンダスト薄膜を成膜することができる。
【0054】
なお、本発明の実施例として、センダスト薄膜について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明のスパッタリング装置は、結晶軸の成長方向と磁化容易軸とが一致する等、両軸の間に一定の関係がある薄膜を成膜するする場合について広く適用できる。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、結晶粒が一定方向に成長するので、磁気異方性の良好な薄膜を成膜することができ、不良品の発生を防止できる。
【0056】
また、面内膜厚分布が均一な薄膜を成膜することができ、膜厚補正板を交換すれば、ターゲット使用時間の変化や種々の大きさの基板にも簡単に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のスパッタリング装置の外観図
【図2】本発明の一実施例のスパッタリング装置の断面図
【図3】回り込み防止板のIII−III線図
【図4】本発明の他の実施例のスパッタリング装置の断面図
【図5】従来のスパッタリング装置の外観図
【図6】結晶粒の成長方向を説明するための図
【図7】スパッタ粒子の飛来方向を説明するための図
【図8】ターゲットの有効領域を説明するための図
【符号の説明】
2、71……スパッタリング装置 3、73……ターゲット
5、74……マグネトロン磁石 7……開口 11……膜厚補正板
13、78……基板保持手段 15……載置部
25……回り込み防止板

Claims (7)

  1. 磁気記録材料である平板状のターゲットと、成膜対象である基板を前記ターゲットと平行に保持する基板保持手段と、前記ターゲットと前記基板保持手段とを相対的に移動させる相対移動手段とを備え、前記ターゲットをスパッタして前記基板の表面に薄膜を生成させるスパッタリング装置であって、
    前記ターゲットはマグネトロン磁石を有し、
    前記基板保持手段は、ターゲットと基板保持手段とが前記相対移動する際に、ターゲットの有効領域をターゲット面に対して垂直方向に投影した領域内に前記基板を保持するように構成され、
    前記ターゲットと前記基板保持手段との間に、前記ターゲットと対向する位置にスパッタ粒子を通過させる開口を有する回り込み防止板を設け、
    前記基板が前記開口を介して前記ターゲットに対向する位置にないときには、前記回り込み防止板がターゲット面に対して斜めに飛来しくるスパッタ粒子を遮断して、磁気異方性が揃った薄膜を生成することを特徴とするスパッタリング装置。
  2. 前記相対移動手段は、前記基板保持手段と前記ターゲットとを相対的に旋回運動させるものであり、
    前記基板保持手段の、前記基板保持手段と前記ターゲットとが前記旋回運動を行う軌跡上に位置する部分にのみ、前記基板を載置する載置部を設けたことを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。
  3. 前記相対移動手段は、前記基板保持手段と前記ターゲットとを相対的に直線運動させるものであり、
    前記基板保持手段の、前記基板保持手段と前記ターゲットとが前記直線運動を行う軌跡上に位置する部分にのみ、前記基板を載置する載置部を設けたことを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。
  4. 前記基板が前記開口の投影面を通過する時間について、該基板の中央部分が通過する時間よりも、該基板の周辺部分が通過する時間の方が長くなるように、前記回り込み防止板の開口の形状が形成されたことを特徴とする請求項2記載のスパッタリング装置。
  5. 前記回り込み防止板の形状は、該開口に膜厚補正板が取付けられて形成されたことを特徴とする請求項4記載のスパッタリング装置。
  6. 磁気記録材料である平板状のターゲットと成膜対象である基板とが平行に配置され、マグネトロンスパッタリング用のマグネトロン磁石を備え、前記ターゲットをマグネトロンスパッタして前記基板の表面に薄膜を生成させるスパッタリング装置であって、
    前記マグネトロン磁石が前記ターゲットに対して平行に往復運動するように構成され、このマグネトロン磁石の往復運動によって前記ターゲットの有効領域を前記基板に対して相対移動させることにより、磁気異方性が揃った薄膜を生成することを特徴とするスパッタリング装置。
  7. 磁気記録材料である平板状のターゲットと成膜対象である基板とを平行に配置し、ターゲット裏面に配置されたマグネトロンスパッタリング用のマグネトロン磁石により、前記ターゲットをマグネトロンスパッタして前記基板の表面に薄膜を生成させるスパッタリング薄膜生産方法であって、
    前記マグネトロン用磁石を前記ターゲットに対して平行に往復運動させることで、前記ターゲットの有効領域を前記基板に対して相対移動させ、磁気異方性が揃った薄膜を生成することを特徴とするスパッタリング薄膜生産方法。
JP14655594A 1994-06-28 1994-06-28 スパッタリング装置、及びスパッタリング薄膜生産方法 Expired - Fee Related JP3545050B2 (ja)

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