JP3544537B2 - 磁界センサの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホール素子と、ホール素子の出力電圧を増幅する増幅器とを具備し、設置された場所の磁界を検知して、検知した磁界の強さに応じた信号を出力する磁界センサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
バイポーラICやCMOSICによって構成される典型的な磁界センサは、磁界の強さに比例した出力電圧を出力するホール素子と、ホール素子の出力電圧を増幅する増幅器と、増幅器の出力電圧を所定の基準電圧と比較して比較結果を出力する比較器と備え、磁界センサが設置された場所の磁界が一定の基準より強いか弱いかに応じて2値(0または1、ハイレベルまたはローレベル)の信号を出力するようになっている。
【0003】
また、別の磁界センサとしては、同様のホール素子と増幅器とを備え、増幅器の出力に基づいてアナログの信号を出力するものもある。
【0004】
上記のような何れの磁界センサも、磁界の強さに応じた正確な比較結果またはアナログ信号を得るためには、増幅器から出力される信号に含まれるオフセット信号成分を抑制して、磁界センサ(製品)ごとに増幅器から出力される信号のばらつきを小さく抑える必要がある。上記オフセット信号成分が生じる主要な要因は、ホール素子の出力電圧に含まれるオフセット信号成分(以下「素子オフセット電圧」と呼ぶ。)と、増幅器(一般には差動増幅器)の入力端子において存在するオフセット信号成分(以下「入力オフセット電圧」と呼ぶ。)である。前者は、ホール素子本体がパッケージから受ける応力等によって発生する。また、後者は、増幅器の入力回路を構成する素子の特性のばらつき等によって発生する。以下、これらのオフセット信号成分を抑制する従来の技術について説明する。
【0005】
(従来の技術1)
上記素子オフセット電圧による影響を低減する技術については、例えば米国特許第4,037,150号に開示されたものが知られている。すなわち、磁界センサに用いられるホール素子は、一般に、図6に示すホール素子61のように、4つの端子A・A’・B・B’に関して幾何学的に等価な形状の板状に形成されている。ここで、幾何学的に等価な形状とは、同図に示す四角形のホール素子61のように、同図に示す状態での形状と、これを90度回転させた状態(A−A’がB−B’に一致するように回転した状態)での形状とが同一であることを意味する。このようなホール素子61の端子A・A’間に電源電圧を印加したときに端子B・B’間に生じる電圧と、端子B・B’間に電源電圧を印加したときに端子A・A’間に生じる電圧とでは、磁界の強さに応じた有効信号成分は同相で、素子オフセット電圧は逆相となる。そこで、スイッチ回路62を介して、図示しない電源からの電源電圧をホール素子61の端子A・A’間および端子B・B’間に順次印加するとともに、端子B・B’間および端子A・A’間の電圧を素子出力電圧として取り出し、これら2つの素子出力電圧の平均をとることにより、素子オフセット電圧を相殺して有効信号成分だけを得ることができる。
【0006】
(従来の技術2)
また、素子オフセット電圧による影響を低減するとともに、増幅器において生じる入力オフセット電圧による影響をも低減し得る磁界センサとしては、特開平8−201491に開示されたものが知られている。この磁界センサは、図7に示すように、ホール素子61、スイッチ回路62、電圧電流変換増幅器64・65、記憶素子としてのキャパシタ66・67、スイッチ68・69、および抵抗70が設けられて構成されている。上記電圧電流変換増幅器64・65は、高い入出力インピーダンスを有し、入力された電圧を電流に変換して出力するものである。上記スイッチ68は、図8のタイミングチャートに示す第1の位相信号(a)における第1の位相のパルスに応じて閉じる一方、スイッチ69は、第2の位相信号(b)における第2の位相のパルスに応じて閉じるようになっている。また、スイッチ回路62は、上記第1の位相のパルス、および第2の位相のパルスに応じて、後述するように、図示しない電源および電圧電流変換増幅器64と、ホール素子61の各端子A・A’・B・B’との接続を切り替えるようになっている。すなわち、この磁界センサは、以下のように、上記第1、第2の位相のパルスに対応する第1、第2のタイミングの2ステップの動作によって、磁界の強さに応じた電圧を出力するようになっている。
【0007】
まず、第1のタイミングでは、スイッチ回路62を介して、ホール素子61の端子A・A’間に電源電圧が印加されるとともに、端子B・B’間の電圧Vhが電圧電流変換増幅器64に入力される。そこで、電圧電流変換増幅器64からは、下記式(1)に示すように、端子B・B’間の電圧Vhと入力オフセット電圧Voffとの和に比例した電流IOUT1が出力される。
【0008】
IOUT1=α(Vh+Voff) (1)
ここで、αは電圧電流変換増幅器64の相互コンダクタンス(電圧から電流への変換係数である比例定数)、Vhはホール素子61の端子B・B’間の電圧(電圧電流変換増幅器64への入力電圧)、Voffは電圧電流変換増幅器64の入力オフセット電圧である。
【0009】
また、この第1のタイミングでは、スイッチ68・68が閉じる一方、スイッチ69・69が開くことにより、上記電圧電流変換増幅器64から出力された電流IOUT1がキャパシタ66・67に流れ込み、キャパシタ66・67が充電されて充電電圧が発生する。これらのキャパシタ66・67の充電電圧の差電圧は、電圧電流変換増幅器65に入力され、電圧電流変換増幅器65からは、上記充電電圧の差電圧に比例した大きさで、電圧電流変換増幅器64とは逆方向(キャパシタ66・67への充電電流を打ち消す方向)の電流が出力される。この電流はキャパシタ66・67の充電が進むにつれて大きくなり、やがて電圧電流変換増幅器64の出力電流と同じ大きさ、すなわち電圧電流変換増幅器64から出力された電流が全て電圧電流変換増幅器65に引き込まれるようになると、キャパシタ66・67への充電電流が0になって平衡状態となる。このときに電圧電流変換増幅器65から出力される電流IOUT2は、下記式(2)のようにIOUT1と逆極性で絶対値が等しい電流になる。
【0010】
IOUT2=−α(Vh+Voff) (2)
次に、第2のタイミングでは、スイッチ68・68が開き、スイッチ69・69が閉じる。そこで、キャパシタ66・67に蓄積された電荷はそのまま保持され(したがって充電電圧も維持され)、電圧電流変換増幅器65は上記出力電流IOUT2を流し続ける。また、この第2のタイミングでは、スイッチ回路62を介して、ホール素子61の端子B・B’間に電源電圧が印加されるとともに、上記第1のタイミングとは逆極性となるように端子A・A’間の電圧−Vh’が電圧電流変換増幅器64に入力される。そこで、電圧電流変換増幅器64からは、下記式(3)に示す電流IOUT3が出力される。
【0011】
IOUT3=α(−Vh’+Voff) (3)
すなわち、入力オフセット電圧Voffの影響は入力電圧の極性に係らず第1のタイミングと同じなので、この電圧電流変換増幅器64の出力電流IOUT3は、第1のタイミングとは逆極性の端子A・A’間の電圧−Vh’と入力オフセット電圧Voffとの和に比例した電流となる。
【0012】
上記電圧電流変換増幅器64の出力電流IOUT3と電圧電流変換増幅器65の出力電流IOUT2との合計の電流がスイッチ69・69を介して抵抗70に流れ、この抵抗70の両端の電圧が磁界センサの出力電圧Vとなる。それゆえ、下記式(4)に示すように、入力オフセット電圧Voffの影響を相殺した出力電圧Vが得られる。また、この出力電圧Vにおいては、第1、第2のタイミングでのホール素子61からの出力電圧Vh、Vh’が加算されるので、前記従来の技術1で米国特許第4,037,150号について説明したように、素子オフセット電圧による影響も相殺される。
【0013】
V=(IOUT2+IOUT3)×R=−α(Vh+Vh’)×R (4)
(従来の技術3)
また、素子オフセット電圧、および入力オフセット電圧による影響を低減し得る別の磁界センサとして、次のようなものも知られている。この磁界センサは、図9に示すように、ホール素子61、スイッチ回路62、電圧増幅器71、記憶素子としての互いに等しい容量のキャパシタ72・73、およびスイッチ74〜76が設けられて構成されている。上記スイッチ74〜76は、それぞれ、図10に示す第1〜第3の位相信号(a)〜(c)における第1〜第3の位相のパルスに応じて閉じるようになっている。すなわち、この磁界センサは、以下のように、上記第1〜第3の位相のパルスに対応する第1〜第3のタイミングの3ステップの動作によって、磁界の強さに応じた電圧を出力するようになっている。
【0014】
まず、第1のタイミングでは、前記従来の技術2と同様に、スイッチ回路62を介して、ホール素子61の端子A・A’間に電源電圧が印加されるとともに、端子B・B’間の電圧Vhが電圧増幅器71に入力される。そこで、電圧増幅器71の電圧増幅率をβとすると、電圧増幅器71からは、下記式(5)に示すように端子B・B’間の電圧Vhと入力オフセット電圧Voffとの和に比例した電圧V1が出力される。
【0015】
V1=β(Vh+Voff) (5)
また、この第1のタイミングでは、スイッチ74・74が閉じる一方、スイッチ75・75・76・76が開くことにより、キャパシタ72が上記電圧V1に充電される。
【0016】
次に、第2のタイミングでは、スイッチ回路62を介して、ホール素子61の端子B・B’間に電源電圧が印加されるとともに、上記第1のタイミングとは逆極性となるように端子A・A’間の電圧−Vh’が電圧増幅器71に入力される。そこで、電圧増幅器71からは、下記式(6)に示す電圧V2が出力される。
【0017】
V2=β(−Vh’+Voff) (6)
すなわち、(前記従来の技術2で電圧電流変換増幅器64について説明したのと同様に)入力オフセット電圧Voffの影響は入力電圧の極性に係らず第1のタイミングと同じなので、電圧増幅器71の出力電圧V2は、第1のタイミングとは逆極性の端子A・A’間の電圧−Vh’と入力オフセット電圧Voffとの和に比例した電圧となる。また、この第2のタイミングでは、スイッチ75・75が閉じる一方、スイッチ74・74・76・76が開くことにより、キャパシタ73が上記電圧V2に充電される。
【0018】
次に、第3のタイミングでは、スイッチ74・74・75・75が開く一方、スイッチ76・76が閉じ、キャパシタ72とキャパシタ73とは、端子72aと端子73b、端子72bと端子73aとがそれぞれ接続されるように並列に接続される。そこで、キャパシタ72・73の容量は前記のように互いに等しいので、キャパシタ72・73の両端の電圧Vは、下記式(7)に示すように−V1とV2との平均の電圧になる。
【0019】
V=(−V1+V2)/2=−β(Vh+Vh’)/2 (8)
それゆえ、前記従来の技術1と同様に、入力オフセット電圧Voffの影響、および素子オフセット電圧の影響を相殺した出力電圧Vが得られる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の磁界センサでは、小さな回路規模で入力オフセット電圧の影響を抑制し得る磁界センサを製造することが困難であるという問題点を有していた。すなわち、従来の技術2では、2つの電圧電流変換増幅器と、2つのキャパシタと、4つのスイッチを必要とし、従来の技術3では、電圧増幅器は1つであるが2つのキャパシタと6つのスイッチを必要とする。しかも、上記電圧電流変換増幅器や電圧増幅器は、非反転出力(プラス出力)および反転出力(マイナス出力)を有する2出力型増幅器であり、このような増幅器は出力部を構成する素子数が多いために、ICを形成する際に大きなチップ面積を占有することになるうえ、特性のばらつきも大きくなりがちである。
【0021】
また、近年、携帯電話機等の電池で動作する機器に磁界センサが使われるようになってきており、磁界センサの消費電流の低減も、重要な技術的課題になってきている。消費電流の低減に使われる手段としては、カウンタ等を用いて一定時間の間は消費電流をゼロにする間欠動作を採用することが一般的である。
【0022】
しかし、磁界センサを用いるセットによってはセンサ動作を止めることのできる時間に制約があり、1回の検出動作を何ステップで実現できるかが問題となる。具体的には、第1の従来例では、第1及び第2の位相の2ステップで磁界が測定される。第2の従来例では、第1から第3の位相の3ステップで磁界が測定される。
【0023】
本発明は、上記の点に鑑み、磁界センサの出力に含まれるオフセット信号成分(ばらつき)、特に増幅器において生じる入力オフセット電圧の影響を抑制して、高精度な磁界の検出ができるとともに、回路規模を小さくすることによる製造コストの低減や、検出動作に必要なステップ数を少なく抑えることによる消費電力の低減が容易な磁界センサを製造することを課題とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1の発明が講じた解決手段は、
磁界センサの製造方法であって、
印加される磁界に応じた電圧を出力するホール素子と、
前記ホール素子から出力された電圧を、第1のタイミングと第2のタイミングとで逆極性になるように切り替えて出力するスイッチ回路と、
前記スイッチ回路から入力された電圧を増幅して出力する増幅器と、
一端が前記増幅器の一方の出力端子に接続され、前記増幅器から出力された電圧を保持する記憶素子と、
前記増幅器の他方の出力端子と、前記記憶素子の他端との間に接続された、
前記第1のタイミングで閉じて、前記増幅器から出力された電圧を前記記憶素子に保持させる一方、前記第2のタイミングで開いて、前記増幅器の前記他方の出力端子と、前記記憶素子の前記他端との間の電圧を出力させるスイッチとを備えた磁界センサにおける、
前記増幅器のゲインを決定する抵抗のうちの少なくとも何れか1個と、前記ホール素子とを同一製法で形成することを特徴とする。
【0025】
これにより、上記のように簡単な回路で、増幅器の入力オフセット電圧を相殺することができるので、当該入力オフセット電圧の影響を受けず、したがって、高精度で、製品間のばらつきが小さく、しかも回路規模の小さい安価な磁界センサを構成することができる。さらに、第1、2のタイミングの2つのステップで磁界の強さを検出することができるので、検出に要する時間も短く、したがって、低消費電力化を図ることもできることに加えて、例えば製造条件のばらつきなどによって例えばホール素子の抵抗値が小さくなった場合でも、同様に増幅器のゲインを決定する抵抗の抵抗値も小さくなるので、ホール素子の出力電圧が高くなるのに対応して増幅器のゲインが小さくなるようにすることができ、したがって、ホール素子や抵抗値のばらつきに係らず高精度な検出を行い得る磁界センサを容易に製造することができる。
【0026】
ここで、上記同一製法というのは、例えば、同一の不純物の拡散工程を通したり、同一のNウエルを生成したりして、ホール素子と電圧増幅器とが同じ半導体チップ上に形成されることを意味する。一方、物理的な素子の大きさまたは形状の相違は問わない。したがって、ホール素子と抵抗とが、同一の製造工程により製造される素子であれば、ホール素子と抵抗との大きさ又は形状が相違しても同一製法の素子である。
【0027】
また、請求項2の発明は、
請求項1の磁界センサの製造方法であって、
前記磁界センサは、
前記スイッチ回路が第1の入力用記憶素子と第2の入力用記憶素子とを備え、前記第1のタイミングで、前記ホール素子から出力された電圧を前記第1の入力用記憶素子に保持させるとともに、前記第2の入力用記憶素子に保持された電圧を前記増幅器に出力させる一方、
前記第2のタイミングで、前記ホール素子から出力された電圧を前記第2の入力用記憶素子に保持させるとともに、前記第1の入力用記憶素子に保持された電圧を前記増幅器に出力させるように構成されたものであることを特徴とする。
【0028】
これにより、ホール素子から出力された電圧を、一旦第1、または第2のコンデンサに保持させた後、ホール素子とは切り離した状態で増幅器に入力させることができ、これにより、記憶素子の一端を任意の電位に接続したとしても、記憶素子に保持された電圧は変わらないので、増幅器として、その入力端子の一方が電源に対して所定の電位またはインピーダンスを有するものを用いることができる。(具体的には、例えば、ホール素子の2端子間の差電圧を、例えば磁界センサの1個の出力端子の電位に対する電圧に変換し、当該1個の出力端子の電位に対する電圧を増幅する増幅器に入力することができる。この場合、当該1個の出力端子の電位は、一定の基準電位(グラウンドを含む)でもよく、基準電位でなくてもよい。)そして、上記のように入力端子の一方が電源に対して所定の電位等を有する増幅器は、例えばオペレーショナルアンプのように、入力電圧を増幅して非反転出力電圧または反転出力信号の何れか一方を出力する単出力型増幅器を用いて正相増幅回路を形成することなどによって容易に構成することができる。それゆえ、上記のような単出力型増幅器は2出力型増幅器よりも出力部を構成する素子数がかなり少ないため、大幅に小さな回路規模、小さなチップ面積で磁界センサを製造することができる。
【0029】
また、請求項3の発明は、
請求項1または請求項2の磁界センサの製造方法であって、
前記磁界センサにおける、前記記憶素子、前記第1の入力用記憶素子、および前記第2の入力用記憶素子のうちの少なくとも何れか1個の記憶素子が、キャパシタであることを特徴とする。
【0030】
上記のようにキャパシタを記憶素子として用いることにより、小型でIC化に適した磁界センサを製造することができる。
【0031】
また、請求項4の発明は、
印加される磁界に応じた電圧を出力するホール素子と、
前記ホール素子から出力された電圧を、第1のタイミングと第2のタイミングとで逆極性になるように切り替えて出力する第1のスイッチ回路と、
反転入力端子と第1の出力端子との間に接続された第1の抵抗と前記反転入力端子と交流接地電位端子間に接続された第2の抵抗とを有し、前記スイッチ回路の出力信号が非反転入力端子に与えられて、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗との抵抗比に応じた増幅率で増幅した信号を前記第1の出力端子から出力する増幅器と、
一端が前記増幅器の前記第1の出力端子または第2の出力端子の何れか一方に接続され、前記増幅器から出力された電圧を保持する記憶素子と、
前記増幅器の他方の出力端子と、前記記憶素子の他端との間に接続され、
前記第1のタイミングで閉じて、前記増幅器から出力された電圧を前記記憶素子に保持させる一方、前記第2のタイミングで開いて、前記増幅器の前記他方の出力端子と、前記記憶素子の前記他端との間の電圧を出力させるスイッチとを備えた磁界センサにおける、
前記第1の抵抗と前記ホール素子とを同一の材料及び製造過程で形成することを特徴とする。
【0032】
また、請求項5の発明は、
請求項4の磁界センサの製造方法であって、
前記第1の抵抗と前記ホール素子とを半導体基板に不純物を拡散させて形成し、前記第2の抵抗をポリシリコン抵抗によって形成することを特徴とする。
【0033】
これにより、前記請求項1について説明したのと同様に、ホール素子や抵抗値のばらつきに係らず高精度な検出を行い得る磁界センサを容易に製造することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0035】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る磁界センサの全体構成を示す回路図である。同図において、1はホール素子、2はスイッチ回路、3は電圧増幅器、4は記憶素子であるキャパシタ(コンデンサ)、5はスイッチである。上記ホール素子1は、4つの端子A・A’・B・B’に関して、幾何学的に等価な形状の板状に形成されている。上記スイッチ5およびスイッチ回路2は、例えば図示しないクロック生成回路から出力される位相信号によって制御されるようになっている。より詳しくは、上記スイッチ5は、図2のタイミングチャートに示す第1の位相信号(a)における第1の位相のパルスに応じて閉じるようになっている。また、スイッチ回路2は、上記第1の位相のパルス、および第2の位相信号(b)における第2の位相のパルスに応じて、後述するように、図示しない電源および電圧増幅器3と、ホール素子1の各端子A・A’・B・B’との接続を切り替えるようになっている。すなわち、この磁界センサは、以下のように、上記第1、第2の位相のパルスに対応する第1、第2のタイミングの2ステップの動作によって、磁界の強さに応じた電圧を出力するようになっている。
【0036】
まず、第1のタイミングでは、スイッチ回路2を介して、ホール素子1の端子A・A’間に電源電圧が印加されるとともに、端子B・B’間の電圧Vhが電圧増幅器3に入力される。そこで、電圧増幅器3の電圧増幅率をβとすると、電圧増幅器3からは、下記式(8)に示すように端子B・B’間の電圧Vhと電圧増幅器3の入力オフセット電圧Voffとの和に比例した電圧V1が出力される。より詳しくは、電圧増幅器3の反転出力端子3a(−)を基準としたときの非反転出力端子3b(+)の電圧がV1となる。
【0037】
V1=β(Vh+Voff) (8)
また、この第1のタイミングでは、スイッチ5が閉じることにより、キャパシタ4が上記電圧V1に充電される。(キャパシタ4の端子4aを基準としたときの端子4bの電圧がV1となる。)
次に、第2のタイミングでは、スイッチ回路2を介して、ホール素子1の端子B・B’間に電源電圧が印加されるとともに、上記第1のタイミングとは逆極性となるように端子A・A’間の電圧−Vh’が電圧増幅器3に入力される。そこで、電圧増幅器3からは、下記式(9)に示す電圧V2が出力される。
【0038】
V2=β(−Vh’+Voff) (9)
すなわち、入力オフセット電圧Voffの影響は入力電圧の極性に係らず第1のタイミングと同じなので、電圧増幅器3の出力電圧V2は、第1のタイミングとは逆極性の端子A・A’間の電圧−Vh’と入力オフセット電圧Voffとの和に比例した電圧となる。
【0039】
また、この第2のタイミングでは、スイッチ5が開き、出力端子6・7の間で、電圧増幅器3の反転出力端子3aおよび非反転出力端子3bとキャパシタ4とが直列に接続された状態となる。このとき、キャパシタ4の充電電圧は、上記第1のタイミングでの電圧増幅器3の出力電圧V1に保持されたまま変化しないので、出力端子6・7間の電圧(磁界センサの出力電圧)Vは、電圧増幅器3の反転出力端子3aを基準としたときの非反転出力端子3bの電圧V2と、キャパシタ4の端子4bを基準としたときの端子4aの電圧−V1との和、すなわち、下記式(10)に示すように電圧V2から電圧V1を減じたものとなる。
【0040】
V=V2−V1=−β(Vh+Vh’) (10)
したがって、入力オフセット電圧Voffの影響を相殺した電圧Vが磁界センサの出力電圧として得られる。また、この出力電圧Vにおいては、第1、第2のタイミングでのホール素子61からの出力電圧Vh、Vh’が加算されるので、前記従来の技術1で米国特許第4,037,150号について説明したように、素子オフセット電圧による影響も相殺される。
【0041】
上記のように、従来の技術1、2で説明した磁界センサ(図7、9)と比べて、小さな回路規模で、磁界センサの出力に含まれるオフセット信号成分(ばらつき)を抑制して高精度な磁界の検出ができる。
【0042】
また、前記従来の技術3の磁界センサでは1回の検出動作に3ステップを必要としたのに比べて、本実施の形態の磁界センサでは2ステップしか必要としないので、検出動作に要する時間が短い。それゆえ、例えば一定の周期ごとに1回、検出動作をさせるようにして、各検出動作の間は磁界センサヘの電源供給を停止する場合に、平均の消費電力を小さく抑えることができる。
【0043】
また、キャパシタ4への充電を電流出力の増幅器によって行うのではなく、電圧出力の電圧増幅器3によって行うので、キャパシタ4の容量のばらつきに起因する出力電圧のばらつきも小さく抑えられる。
【0044】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2に係る磁界センサの全体構成を示す回路図である。なお、以下の実施の形態において、前記実施の形態1等と同様の機能を有する構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
【0045】
同図において、20はスイッチ回路、30は電圧増幅器である。
【0046】
上記スイッチ回路20は、スイッチ5…・8…と、記憶素子であるキャパシタ(コンデンサ)9・10とが設けられて構成されている。上記各スイッチ5…および前記実施の形態1と同様にキャパシタ4に接続されたスイッチ5は、図2のタイミングチャートに示す第1の位相信号(a)における第1の位相のパルスに応じて閉じる一方、上記各スイッチ8…は、第2の位相信号(b)における第2の位相のパルスに応じて閉じるようになっている。なお、スイッチ回路20には、さらに、上記第1、第2の位相のパルスに応じて、図示しない電源をホール素子1に接続するためのスイッチも設けられているが、その点に関しては前記実施の形態1のスイッチ回路や従来より公知のスイッチ回路と同様のものが適用できるため、説明を省略する。
【0047】
また、上記電圧増幅器30は、前記実施の形態1の電圧増幅器30と比べて、入力電圧に比例した電圧を出力するという機能は同じであるが、例えばオペレーショナルアンプ等の、差動入力で単出力の高利得増幅器31と、増幅率(フィードバック量)を定める2本の抵抗22・23とにより構成され、入力端子のうちの一方が出力端子の一方と共通で、さらに磁界センサの出力端子6とも共通(共通端子30a)であるとともに、この共通端子30aが電源に対してハイインピーダンスではない点が異なる。なお、このような電圧増幅器30を用い得る理由については後述する。
【0048】
この磁界センサは、以下のように、上記第1、第2の位相のパルスに対応する第1、第2のタイミングの2ステップの動作が繰り返されることによって、磁界の強さに応じた電圧を出力するようになっている。
【0049】
まず、第1のタイミングでは、スイッチ回路2の図示しないスイッチを介して、ホール素子1の端子A・A’間に電源電圧が印加される。このときにホール素子1の端子B・B’間に生じる電圧Vhは、キャパシタ9に接続されたスイッチ5・5が閉じることにより、キャパシタ9に印加され、キャパシタ9が充電される。また、キャパシタ10に接続されたスイッチ5・5が閉じることにより、先立つ第2のタイミングにおいてキャパシタ10に保持されている電圧−Vhが電圧増幅器30に入力される。(より詳しくは、キャパシタ10がスイッチ5・5を介して、共通端子30aと、高利得増幅器31の非反転入力端子(+)に接続される。)そこで、電圧増幅器30からは、前記実施の形態1の第2のタイミング(式(9))と同様に、下記式(11)に示す電圧V2(共通端子30aを基準としたときの出力端子30bの電圧)が出力され、また、キャパシタ4に接続されたスイッチ5が閉じることによって、キャパシタ4がこの電圧V2に充電される。
【0050】
V2=β(−Vh’+Voff) (11)
次に、第2のタイミングでは、スイッチ回路2の図示しないスイッチを介して、端子A・A’間の電圧−Vh’が上記第1のタイミングにおける端子B・B’間の電圧Vhとは逆極性となるように、ホール素子1の端子B・B’間に電源電圧が印加される。このときの上記端子A・A’間の電圧−Vh’は、キャパシタ10に接続されたスイッチ8・8が閉じることにより、キャパシタ10に印加され、キャパシタ10が充電される(この電圧−Vh’が次の第1のタイミングで、上記のように電圧増幅器30に入力されることになる。)。また、キャパシタ9に接続されたスイッチ8・8が閉じることにより、上記第1のタイミングでキャパシタ9に保持された電圧Vhが電圧増幅器30に入力される。そこで、電圧増幅器30からは、前記実施の形態1の第1のタイミング(式(8))と同様に、下記式(12)に示す電圧V1が出力される。
【0051】
V1=β(Vh+Voff) (12)
また、この第2のタイミングでは、キャパシタ4に接続されたスイッチ5が開き、出力端子6・7の間で、電圧増幅器30の共通端子30aおよび出力端子30bとキャパシタ4とが直列に接続された状態となる。このとき、キャパシタ4の充電電圧は、上記第1のタイミングでの電圧増幅器30の出力電圧V2に保持されたまま変化しないので、出力端子6・7間の電圧(磁界センサの出力電圧)Vは、電圧増幅器30の共通端子30aを基準としたときの出力端子30bの電圧V1と、キャパシタ4の端子4bを基準としたときの端子4aの電圧−V2との和、すなわち、下記式(13)に示すように電圧V1から電圧V2を減じたものとなる。
【0052】
V=V1−V2=β(Vh+Vh’) (13)
上記のように、前記実施の形態1と同様に、磁界センサの出力に含まれるオフセット信号成分を抑制して高精度な磁界の検出ができる。なお、本実施の形態2の磁界センサでは、1回だけの検出動作をさせるためには、第2、第1、第2のタイミングの3ステップが必要となるが、複数回の検出動作をさせる場合には、単に第1、第2のタイミングを繰り返すだけでよく、それゆえ、1回あたりの検出動作に要するステップ数を2ステップに近いものにすることができる。
【0053】
また、電圧増幅器30は差動入力で単出力の高利得増幅器31を用いて構成されており、そのような高利得増幅器31は、前記従来の技術や実施の形態1で示したような2出力型増幅器に比べて、出力部を構成する素子数がかなり少ないため、大幅に小さな回路規模で磁界センサを構成することができる。以下、上記のような差動入力で単出力の高利得増幅器31を用いて電圧増幅器30を構成し得る理由について説明する。
【0054】
例えばホール素子1の端子A・A’に電源電圧を印加したときの端子B・B’の電位は、電源の基準電位等に対して、ある電位差を有している。そのため、上記端子B・B’を増幅器の2つの入力端子に接続する場合には、それらの入力端子は何れも電源に対してハイインピーダンス、すなわち電源の基準電位等に対して浮動電位である必要がある。また、高精度な検出を行うためには、増幅器は一定の正確な増幅率を有している必要がある。そして、上記のような条件を満たすためには、従来の技術や実施の形態1で示したような2出力型増幅器を用いる必要がある。
【0055】
これに対して、本実施の形態の磁界センサでは、例えば第1のタイミングでホール素子1の端子B・B’間の電圧Vhをキャパシタ9に印加して電荷を蓄積させ、その両端子間の電圧がVhになるように充電した後、第2のタイミングでキャパシタ9をホール素子1から切り離して30に接続するようになっている。この場合、キャパシタ9の両端子間の電圧は、電荷の流入出がない限り、一方の端子がどのような電位に接続されようとも変化しないので、キャパシタ9のいずれか一方の端子を任意の電位に接続することができる。それゆえ、増幅器として、一方の入力端子が電源の基準電位等に対してある電位差(あるインピーダンス)を有する単入力の増幅器を用いることが可能になる。そして、そのような増幅器は、例えば、上記電圧増幅器30のように、差動入力で単出力の回路規模が小さい高利得増幅器31を用いて正相増幅回路を形成することなどによって(この場合には電圧増幅器30自体も単出力となる)、容易に構成することができる。したがって、実施の形態1の磁界センサよりもさらに小さな回路規模で高精度な磁界センサを構成することができる。また、上記のような入力端子の電位に関して原理的に単純な例としては、例えば、ドレイン接地のFETを用いて、ゲートと接地とを入力端子とすることも考えることができる。ただし、増幅率を正確に一定にするための考慮は必要である。
【0056】
なお、上記共通端子30aの電位は、上記のように任意の電位でよいので、例えば固定電圧の基準電位でもよく、基準電位から所定の電位差を有する電位でもよい。また、マイナス出力端子の電位が一定の基準電位(グラウンドを含む)でない磁界センサにおいても本発明により単出力型増幅器を使用可能である。
【0057】
また、スイッチ5を出力端子30bと端子4bとの間に設けて、そのスイッチ5の両端を出力端子にしてもよい。
【0058】
(実施の形態3)
図4は本発明の実施の形態3に係る磁界センサの全体構成を示す回路図である。この磁界センサは、前記実施の形態1の構成に、さらに比較器13とラッチ回路14とを設けて、磁界の強さに応じて0又は1(例えばローレベルまたはハイレベル)の2値のディジル信号を出力するように構成したものである。
【0059】
図4において、1〜7は、実施の形態1と同じである。13は比較器、14はラッチ回路、15はクロック生成回路、16は第1の位相クロック生成回路、17は第2の位相クロック生成回路である。上記比較器13は、出力端子6・7間に出力される電圧と所定の基準の電圧とを比較して、2値のディジタル信号を出力するようになっている。ラッチ回路14は、第2の位相のパルスの立ち下がり時点での上記比較器13からの出力を保持するものである。また、第1の位相クロック生成回路16および第2の位相クロック生成回路17は、それぞれ、実施の形態1(図2)で説明した第1、第2の位相のパルスを有する第1、第2の位相信号(a)(b)を出力するものである。
【0060】
以上のように構成された磁界センサについて、以下その動作を説明する。この説明においては、一定の磁場がホール素子1を貫通し、ホール素子出力電圧はオフセットを考慮しなければ一定である場合を想定する。なお、以下の動作において、磁界の強さに応じた電圧が出力端子6・7から出力されるまでは、前記実施の形態1で説明したのと同じである。すなわち、まず、第1の位相クロック生成回路16にて第1の位相(タイミング)を決定するクロックが生成され、このクロックに応じて、ホール素子1の一方の対角線上の対の2端子間に電源電圧が印加され、他方の対角線上の対の2端子間に磁場の強さに比例したホール素子出力電圧が発生する。この出力電圧が電圧増幅器3の2入力端子に印加されるようにスイッチ回路2が動作する。そこで、上記ホール素子1の出力電圧に比例した電圧が電圧増幅器3から出力され、第1の位相クロック生成回路16にて制御されるスイッチ5を介してキャパシタ4に印加され、キャパシタ4に電荷が蓄積される。第1の位相が終了すると、スイッチ5は開き、第1の位相における電圧増幅器3の出力電圧はキャパシタ4に保持される。
【0061】
次に、第2の位相クロック生成回路17にて第2の位相を決定するクロックが生成され、このクロックに応じて、ホール素子1における、上記第1の位相のときにホール素子出力電圧が発生した上記他方の対角線上の対の2端子間に電源電圧が印加され、上記一方の対角線上の対の2端子間の電圧が電圧増幅器3に入力される。ここで、スイッチ回路2は、上記ホール素子1から電圧増幅器3に入力されるホール素子出力電圧の正負の極性が第1の位相のときとは逆極性になるように切り替わる。そこで、電圧増幅器3の出力電圧における、ホール素子1からの出力電圧に応じた成分も第1の位相のときとは逆極性になる。また、このときには、スイッチ5は開くため、キャパシタ4に記憶された電圧増幅器3の第1の位相での出力電圧と、電圧増幅器3の第2の位相での出力電圧との和(上記電圧の基準の取り方によっては差)、すなわち入力オフセット電圧Voffが相殺された電圧−2βVhが出力端子6・7間の電圧となる。
【0062】
そこで、上記出力端子6・7間の電圧が比較器13の入力端子間に入力される。比較器13では、上記入力された電圧が、あらかじめ設定されている所定の基準電圧と比較され、その比較結果(入力された電圧が基準電圧より低ければ0(例えばローレベル)のディジタル信号、高ければ1(例えばハイレベル)のディジタル信号)が比較器13の出力端子から出力される。
【0063】
ラッチ回路14には、上記比較結果が入力されるとともに、第2の位相クロック生成回路17からの第2の位相信号(b)も入力され、第2の位相の終了の(第2の位相のパルスが立ち下がる)タイミングで入力電圧(比較結果)をラッチするように設定されている。よって、ラッチ回路14の出力端子18からは、次の第2の位相の終了時まで、上記ラッチされた一定の値(0又は1のディジタル値)が出力される。
【0064】
また、チャタリング防止のためには、上記出力端子18からの出力値を比較器13にフィードバックして上記基準電圧を変化させ、判定にヒステリシスを持たせるようにすることが好ましい。
【0065】
なお、上記の例では、実施の形態1の構成に、さらに比較器13とラッチ回路14とを設けた例を示したが、これに限らず、実施の形態2の構成に、比較器13等を設けるようにしてもよい。
【0066】
(磁界センサを構成するスイッチの詳細例)
上記各実施の形態の磁界センサにおいて、より正確な検出を行うためには、上記各スイッチ5・8として、フィードスルー対策を講じたものを用いることが好ましい。すなわち、例えば上記のような位相信号(a)(b)に応じた2値の電圧がゲートに入力されて開閉制御されるMOS構造のトランジスタを有する双方向のスイッチ素子を用いてスイッチ5・8を構成する場合、そのスイッチ5・8を開閉するために上記トランジスタのゲート端子の電圧を変化させたときに、ゲート−ソース間またはゲート−ドレイン間の寄生容量と、スイッチ5・8に接続されるキャパシタ4・9・10との間で電荷の移動が生じると、キャパシタの両端子間の電圧が変動するおそれがある。そのような電圧の変動は、図5に示すようなスイッチ5・8を用いることによって確実に防止することができる。すなわち、図5において、スイッチ素子50〜52は、それぞれ、NチャネルおよびPチャネルのMOSトランジスタが並列に接続されて、各トランジスタのゲートに2値の電圧を印加して駆動するように構成されたものである。(ここで、スイッチ素子50における寄生容量は、例えばスイッチ素子51・52における寄生容量の合計と等しくなるように設定されている。)上記スイッチ素子50は、入出力端子50a・50bが、それぞれスイッチ5・8の接続端子5a・5bに接続されて、両者間を断接するようになっている。また、スイッチ素子51は、その入出力端子51a・51bが共にスイッチ素子50の入出力端子50aに接続される一方、スイッチ素子52は、その入出力端子52a・52bが共にスイッチ素子50の入出力端子50bに接続されている。上記スイッチ素子50と、スイッチ素子51・52とは、それぞれ位相信号(a)(b)が1つまたは2つのインバータを介して出力される2値の互いに逆の論理の電圧によって制御されるようになっている。より詳しくは、例えばスイッチ素子50におけるNチャネルトランジスタのゲートにハイレベル、Pチャネルトランジスタのゲートにローレベルの電圧が印加される際には、スイッチ素子51・52におけるNチャネルトランジスタのゲートにローレベル、Pチャネルトランジスタのゲートにハイレベルの電圧が印加される。そこで、スイッチ素子50の寄生容量による電荷の移動方向と、スイッチ素子51・52の寄生容量による電荷の移動方向とは互いに逆方向となるので、電荷の移動が打ち消される。したがって、キャパシタ9等との間での電荷の移動による電圧変動が確実に防止される。
【0067】
(磁界センサを構成する抵抗の詳細例)
上記各実施の形態の磁界センサにおいて、より正確な検出を行うためには、電圧増幅器3・30のゲイン(増幅率)を決定する抵抗のうちの少なくとも1個の所定の抵抗が、ホール素子1と同一製法すなわち同一の材料および製造過程で形成されたものであることが好ましい。すなわち、例えば、実施の形態2(図3)の磁界センサを例に挙げると、ホール素子1と電圧増幅器30とを同じ半導体チップ上に形成する場合、一般に、ホール素子1の抵抗値も抵抗22・23の抵抗値も、構成材料のばらつきや製造条件のばらつきなどに起因してばらつく。そして、ホール素子1の抵抗値が小さい場合には、ホール素子1の出力電圧は高くなる。一方、抵抗22・23のうち、高利得増幅器31の出力端子と反転(マイナス)入力端子との間に挿入される抵抗22の抵抗値が小さい場合には、電圧増幅器30のゲインは大きくなる。そこで、ホール素子1と抵抗22とを同一の材料および製造過程で形成すると、より詳しくは、例えばP型半導体基板にN型不純物を拡散させて、ホール素子1と抵抗22とを形成し、抵抗23は、特性のばらつきが少ないポリシリコン抵抗によって形成すると、ホール素子1の抵抗値が小さい場合には、その出力電圧は高くなるが、そのときには、ホール素子1と同様にして形成された抵抗22の抵抗値も小さくなるため、電圧増幅器30のゲインは小さくなる。逆に、ホール素子1の抵抗値が大きい場合には、その出力電圧は低くなるが、抵抗22の抵抗値も大きくなるため、電圧増幅器30のゲインは大きくなる。したがって、ホール素子1の抵抗値のばらつきの影響と抵抗22のばらつきの影響とが互いに打ち消しあうので、出力端子6・7からは、ばらつきの小さい出力電圧を得ることができる。
【0068】
【発明の効果】
本発明により、ホール素子の抵抗値のバラツキに係らず、出力電圧のバラツキを小く抑え得る磁界センサを容易に製造できるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の磁界センサの構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1〜3のタイミングチャートである。
【図3】本発明の実施の形態2の磁界センサの構成図である。
【図4】本発明の実施の形態3の磁界センサの構成図である。
【図5】本発明の磁界センサのスイッチの構成図である。
【図6】従来の技術1の磁界センサの構成図である。
【図7】従来の技術2の磁界センサの構成図である。
【図8】従来の技術2のタイミングチャートである。
【図9】従来の技術3の磁界センサの構成図である。
【図10】従来の技術3のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 ホール素子
2 スイッチ回路
3 電圧増幅器
3a 反転出力端子
3b 非反転出力端子
4 キャパシタ
4a 端子
4b 端子
5 スイッチ
5a・5b 接続端子
6・7 出力端子
8 スイッチ
9 キャパシタ
10 キャパシタ
13 比較器
14 ラッチ回路
16 第1の位相クロック生成回路
17 第2の位相クロック生成回路
18 出力端子
20 スイッチ回路
22 抵抗
23 抵抗
30 電圧増幅器
30a 共通端子
30b 出力端子
31 高利得増幅器
50〜52 スイッチ素子
50a・50b 入出力端子
51a・51b 入出力端子
52a・52b 入出力端子

Claims (5)

  1. 印加される磁界に応じた電圧を出力するホール素子と、
    前記ホール素子から出力された電圧を、第1のタイミングと第2のタイミングとで逆極性になるように切り替えて出力するスイッチ回路と、
    前記スイッチ回路から入力された電圧を増幅して出力する増幅器と、
    一端が前記増幅器の一方の出力端子に接続され、前記増幅器から出力された電圧を保持する記憶素子と、
    前記増幅器の他方の出力端子と、前記記憶素子の他端との間に接続された、
    前記第1のタイミングで閉じて、前記増幅器から出力された電圧を前記記憶素子に保持させる一方、前記第2のタイミングで開いて、前記増幅器の前記他方の出力端子と、前記記憶素子の前記他端との間の電圧を出力させるスイッチとを備えた磁界センサにおける、
    前記増幅器のゲインを決定する抵抗のうちの少なくとも何れか1個と、前記ホール素子とを同一製法で形成することを特徴とする磁界センサの製造方法。
  2. 請求項1の磁界センサの製造方法であって、
    前記磁界センサは、
    前記スイッチ回路が第1の入力用記憶素子と第2の入力用記憶素子とを備え、
    前記第1のタイミングで、前記ホール素子から出力された電圧を前記第1の入力用記憶素子に保持させるとともに、前記第2の入力用記憶素子に保持された電圧を前記増幅器に出力させる一方、
    前記第2のタイミングで、前記ホール素子から出力された電圧を前記第2の入力用記憶素子に保持させるとともに、前記第1の入力用記憶素子に保持された電圧を前記増幅器に出力させるように構成されたものであることを特徴とする磁界センサの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2の磁界センサの製造方法であって、
    前記磁界センサにおける、前記記憶素子、前記第1の入力用記憶素子、および前記第2の入力用記憶素子のうちの少なくとも何れか1個の記憶素子が、キャパシタであることを特徴とする磁界センサの製造方法。
  4. 印加される磁界に応じた電圧を出力するホール素子と、
    前記ホール素子から出力された電圧を、第1のタイミングと第2のタイミングとで逆極性になるように切り替えて出力する第1のスイッチ回路と、
    反転入力端子と第1の出力端子との間に接続された第1の抵抗と前記反転入力端子と交流接地電位端子間に接続された第2の抵抗とを有し、前記スイッチ回路の出力信号が非反転入力端子に与えられて、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗との抵抗比に応じた増幅率で増幅した信号を前記第1の出力端子から出力する増幅器と、
    一端が前記増幅器の前記第1の出力端子または第2の出力端子の何れか一方に接続され、前記増幅器から出力された電圧を保持する記憶素子と、
    前記増幅器の他方の出力端子と、前記記憶素子の他端との間に接続され、
    前記第1のタイミングで閉じて、前記増幅器から出力された電圧を前記記憶素子に保持させる一方、前記第2のタイミングで開いて、前記増幅器の前記他方の出力端子と、前記記憶素子の前記他端との間の電圧を出力させるスイッチとを備えた磁界センサにおける、
    前記第1の抵抗と前記ホール素子とを同一の材料及び製造過程で形成することを特徴とする磁界センサの製造方法。
  5. 請求項4の磁界センサの製造方法であって、
    前記第1の抵抗と前記ホール素子とを半導体基板に不純物を拡散させて形成し、前記第2の抵抗をポリシリコン抵抗によって形成することを特徴とする磁界センサの製造方法。
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