JP3543876B2 - 交流発電機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電気機器に電力を供給すると共に、直流電源を充電する交流発電機に関するもので、特に交流発電機に整流装置を一体化した車両用オルタネータに係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、実開平2−88458号公報においては、正極側ダイオードを冷却するための正極側冷却フィン、負極側ダイオードを冷却するための負極側冷却フィン、正極側冷却フィンと負極側冷却フィンとを所定の距離を隔てて絶縁するための絶縁スペーサ、および電機子巻線で発生した交流出力を入力する交流入力端子を絶縁性樹脂中にインサート成形した端子台を順に積層し、これらの積層部材の各螺着固定部をボルトを用いて螺着固定して整流装置を一体化している。
【0003】
そして、複数の積層部材のうちの負極側冷却フィンの一部をフレームの突設ボス部にリヤカバーと共にボルトを用いて螺着固定した車両用交流発電機が記載されている。このような車両用交流発電機は、負極側冷却フィンとリヤカバーとが直接接触しているので、車両用交流発電機の運転時に負極側ダイオードで発生する熱がリヤカバーにも伝熱することにより放熱性が向上している。さらに、負極側冷却フィンの突出片とボディアースとされたフレームとが直接固定されることにより整流装置の接地回路が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の車両用交流発電機においては、負極側冷却フィンの一部とフレームの突設ボス部のみで整流装置全体を支持しているので、負極側冷却フィンの材質として例えばアルミニウム板材等の比較的剛性の弱い材料を使用した場合、車両振動がフレームから負極側冷却フィンに伝わると負極側冷却フィンに過大な応力が加わることによる負極側冷却フィンの変形したり、あるいは負極側冷却フィンに固定されている他の整流装置構成部材の振動が増大したりする等により整流装置の寿命が短く、車両用交流発電機の長寿命化を阻害するという問題点が生じている。
【0005】
上記の問題点を解消する目的で、整流装置を構成する複数の積層部材の螺着固定部をボルトを用いてフレームと共締めすることにより複数の積層部材全体をフレームに螺着固定して、負極側冷却フィンに加わる負担を軽減するようにすることが考えられる。
ところが、この場合には、負極側冷却フィンにはフレームに固定される被固定部として、リヤカバーと共に直接フレームに螺着固定され螺着固定部と共締めされる共締め固定部とが存在することになり、螺着固定部と共締め固定部との間には積層された整流装置の積層公差分の大きな組付け段差が生じる。
【0006】
したがって、負極側冷却フィンの螺着固定部の当接面(フレーム側端面)とフレームの突設ボス部の当接面(フィン側端面)との接触面積が狭くなることにより、整流装置の接地回路の信頼性が低下し車両用交流発電機の性能が低下するという問題点が生じる。
また、フレームの突設ボス部に負極側冷却フィンの螺着固定部をボルトを用いて螺着固定する組付け加工時に、負極側冷却フィンの螺着固定部近傍に発生する歪みにより、負極側冷却フィンに保持されている負極側ダイオードに過大な応力が加わり、所定の整流作用が得られなくなる可能性がある。これにより、負極側ダイオードの寿命が低下するという問題点も生じる。
【0007】
〔請求項1ないし請求項の目的〕
請求項1ないし請求項に記載の発明の目的は、ハウジングと負極側冷却フィンの直接固定部との間の組付け段差を吸収または縮小することのできる交流発電機を提供することにある。そして、組付け歪みによる複数個の整流素子への悪影響を緩和することにより複数個の整流素子の寿命を長寿命化することのできる交流発電機を提供することにある。また、ハウジングと負極側冷却フィンの直接固定部との接触面積が狭くなることを回避して接地回路の信頼性を向上することのできる交流発電機を提供することにある。
【0008】
〔請求項の目的〕
請求項に記載の発明の目的は、負極側冷却フィンの直接固定部と共締め固定部との間に生じる組付け段差を吸収または縮小することのできる交流発電機を提供することにある。
【0009】
〔請求項および請求項の目的〕
請求項および請求項に記載の発明の目的は、負極側冷却フィンの直接固定部をハウジングに直接固定することにより形成される接地回路での発熱による温度上昇を低減することのできる交流発電機を提供することにある。
【0010】
〔請求項6ないし請求項8の目的〕
請求項6ないし請求項8に記載の発明の目的は、ハウジングと負極側冷却フィンの直接固定部との間の組付け段差を吸収または縮小することのできる交流発電機の製造方法を提供することにある。そして、組付け歪みによる複数個の整流素子への悪影響を緩和して複数個の整流素子の寿命を長寿命化することのできる交流発電機の製造方法を提供することにある。また、ハウジングと負極側冷却フィンの直接固定部との接触面積が狭くなることを回避して接地回路の信頼性を向上することのできる交流発電機の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1の構成〕
請求項1に記載の発明は、ハウジングにより覆われた交流発電機と、この交流発電機で発生した交流出力を整流する複数個の整流素子と、前記複数個の整流素子のうち正極側の整流素子を保持すると共に、前記正極側の整流素子を冷却するための正極側冷却フィンと、この正極側冷却フィンに積層され、前記複数個の整流素子のうち負極側の整流素子を保持すると共に、前記負極側の整流素子を冷却するための負極側冷却フィンとを備え、この負極側冷却フィン単体を前記ハウジングに直接固定することにより形成される接地回路を形成した交流発電機において、前記負極側冷却フィンは、端子台と前記正極側冷却フィンと絶縁スペーサとを前記ハウジング側に積層して、これら整流装置構成部材と共に前記ハウジングの所定の箇所に締付け固定される共締め固定部を有し、前記負極側冷却フィンは、前記ハウジングに直接固定され前記接地回路を形成する直接固定部近傍に、他の箇所よりも剛性の低い低剛性部を有し、前記低剛性部は、前記直接固定部と前記共締め固定部との間に設けられていことを特徴とする技術手段を採用した。
【0012】
〔請求項1の作用〕
請求項1に記載の発明によれば、負極側冷却フィンの直接固定部近傍に低剛性部を設けているので、ハウジングと負極側フィンの直接固定部との間に組付け段差が生じても、その組付け段差分だけ直接固定部付近が容易に塑性変形することにより、負極側冷却フィンの直接固定部とハウジングとの間の組付け段差が吸収または縮小される。これにより、ハウジングと負極側冷却フィンの直接固定部との接触面積が十分確保されると共に、複数個の整流素子への組付け歪みによる影響が緩和される。
【0013】
〔請求項1の効果〕
請求項1に記載の発明は、負極側冷却フィンの直接固定部付近が塑性変形しても低剛性部により歪みを吸収することにより、複数個の整流素子への組付け歪みによる影響を緩和できるので、複数個の整流素子に過大な応力が加わらず、複数個の整流素子にて所定の整流作用が得られなくなることが回避される。これにより、複数個の整流素子の寿命を長寿命化することができる。これにより、交流発電機の寿命を長寿命化することができる。
【0014】
また、ハウジングと負極側冷却フィンの直接固定部との接触面積が必要な接触面積よりも狭くなることを回避できるので、負極側冷却フィン単体をハウジングに直接固定することにより形成される整流装置の接地回路としての信頼性を向上することができる。これにより、交流発電機の出力の低下、および整流装置の整流作用の低下を防止することができる。
【0016】
また、負極側冷却フィンの直接固定部をハウジングに直接固定する際に、負極側冷却フィンの直接固定部と共締め固定部との間に生じる組付け段差が生じても、負極側冷却フィンの直接固定部近傍に低剛性部を設けているので、その組付け段差を吸収または縮小することができる。
【0017】
〔請求項の構成〕
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の交流発電機に加えて、前記低剛性部が、前記負極側冷却フィンを板厚方向に切り下げたり、あるいは切り起こしたりして設けられたことを特徴とする技術手段を採用した。
【0018】
〔請求項の作用および効果〕
請求項に記載の発明によれば、負極側冷却フィンにおける、ハウジングに直接固定される直接固定部近傍に低剛性部を簡単に作ることができる。
【0019】
〔請求項の構成〕
請求項に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の交流発電機に加えて、前記低剛性部が、前記負極側冷却フィンの表面側部分を除去して、あるいはプレス加工等により板厚を減少する方向に変化させて設けられた技術手段を採用した。
【0020】
〔請求項の作用および効果〕
請求項に記載の発明によれば、負極側冷却フィンにおける、ハウジングに直接固定される直接固定部近傍に低剛性部を簡単に作ることができる。
【0021】
〔請求項の構成〕
請求項に記載の発明は、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の交流発電機に加えて、前記低剛性部が、前記負極側冷却フィンの板厚方向に略直交する方向に延長され、冷却風が前記低剛性部の延長方向に略直交する方向に流れることを特徴とする技術手段を採用した。
【0022】
〔請求項の作用および効果〕
請求項に記載の発明によれば、負極側冷却フィンの低剛性部の延長方向に略直交する方向に冷却風が流れることにより、負極側冷却フィン単体をハウジングに直接固定することにより形成される整流装置の接地回路で発生する熱が放熱されるので、温度上昇を低減することができる。
【0023】
〔請求項の構成〕
請求項に記載の発明は、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の交流発電機に加えて、前記交流発電機に、前記ハウジングの外側面との間で前記整流装置を覆う整流装置被覆部材を設け、前記整流装置被覆部材に、前記負極側冷却フィンの低剛性部の吸気側に、冷却風が通過する貫通穴を設けたことを特徴とする技術手段を採用した。
【0024】
〔請求項の作用および効果〕
請求項に記載の発明によれば、整流装置被覆部材の負極側冷却フィンの低剛性部の吸気側に貫通穴が設けられているので、負極側冷却フィン単体をハウジングに直接固定することにより形成される整流装置の接地回路での発熱による温度上昇を貫通穴より整流装置被覆部材内に流入する冷却風により低減することができる。
【0025】
〔請求項の構成〕
請求項に記載の発明は、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の交流発電機に加えて、前記ハウジングと前記負極側冷却フィンとの組付け加工時の荷重を利用して、前記ハウジングと前記負極側冷却フィンの直接固定部との間の組付け段差を吸収する製造工程を備えることを特徴とする技術手段を採用した。
〔請求項7の構成〕
請求項6に記載の発明は、ハウジングにより覆われた交流発電機と、この交流発電機で発生した交流出力を整流する複数個の整流素子と、前記複数個の整流素子のうち正極側の整流素子を保持すると共に、前記正極側の整流素子を冷却するための正極側冷却フィンと、この正極側冷却フィンに積層され、前記複数個の整流素子のうち負極側の整流素子を保持すると共に、前記負極側の整流素子を冷却するための負極側冷却フィンと、この負極側冷却フィン単体を前記ハウジングに直接固定することにより形成される接地回路とを備えた交流発電機の製造方法において、前記負極側冷却フィンは、前記ハウジングに直接固定される直接固定部近傍に、他の箇所よりも剛性の低い低剛性部を有し、前記ハウジングと前記負極側冷却フィンとの組付け加工時の荷重を利用して、前記ハウジングと前記負極側冷却フィンの直接固定部との間の組付け段差を吸収する製造工程を備えることを特徴とする技術手段を採用した。
【0026】
〔請求項6および請求項7の作用および効果〕
請求項6および請求項7に記載の発明によれば、ハウジングに負極側冷却フィンの直接固定部を組み付ける組付け加工時の荷重を利用する。例えば、負極側冷却フィンの直接固定部をハウジングに締付け具を用いて締め付け固定する時の軸推力、あるいはリベットを用いてかしめ固定する時のかしめ力を利用することによって、ハウジングと負極側冷却フィンの直接固定部との間の組付け段差が吸収または縮小される。これにより、複数個の整流素子への組付け歪みによる影響を緩和できるので、複数個の整流素子の寿命を長寿命化することができる。
また、ハウジングと負極側冷却フィンの直接固定部との間に必要な接触面積を確保することができるので、負極側冷却フィン単体をハウジングに直接固定することにより形成される整流装置の接地回路の信頼性を回復することができる。
【0027】
〔請求項8の構成〕
請求項8に記載の発明は、ハウジングにより覆われた交流発電機と、
この交流発電機で発生した交流出力を整流する複数個の整流素子と、
前記複数個の整流素子のうち正極側の整流素子を保持すると共に、前記正極側の整流素子を冷却するための正極側冷却フィンと、
この正極側冷却フィンに積層され、前記複数個の整流素子のうち負極側の整流素子を保持すると共に、前記負極側の整流素子を冷却するための負極側冷却フィンと、
この負極側冷却フィン単体を前記ハウジングに直接固定することにより形成される接地回路と
を備えた交流発電機の製造方法において、
前記負極側冷却フィンは、前記ハウジングに直接固定される直接固定部近傍に、他の箇所よりも剛性の低い低剛性部を有し、
前記ハウジングと前記負極側冷却フィンとの組付け加工前に、前記負極側冷却フィンの直接固定部を殴打部材で殴打して、前記ハウジングと前記負極冷却フィンの直接固定部との間の組付け段差を吸収する製造工程を備えることを特徴とする技術手段を採用した。
【0028】
〔請求項8の作用および効果〕
請求項8に記載の発明によれば、ハウジングに負極側冷却フィンの直接固定部を組み付ける組付け加工の前に、負極側冷却フィンの直接固定部を殴打部材で殴打してハウジング側に変形させることによって、ハウジングと負極側冷却フィンの直接固定部との間の組付け段差が吸収または縮小される。これにより、複数個の整流素子への組付け歪みによる影響を緩和できるので、複数個の整流素子の寿命を長寿命化することができる。
また、ハウジングと負極側冷却フィンの直接固定部との間に必要な接触面積を確保することができるので、負極側冷却フィン単体をハウジングに直接固定することにより形成される整流装置の接地回路の信頼性を回復することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
〔第1実施例の構成〕
図1ないし図6はこの発明の交流発電機用整流装置を車両用オルタネータに適用した第1実施例を示したもので、図1は車両用オルタネータのリヤ側構造を示した図で、図2はそのリヤ側構造の主要部を示した図で、図3は車両用オルタネータの全体構造を示した図で、図4は車両用オルタネータ1の電気回路を示した図である。
【0030】
車両用オルタネータ1は、図4に示したように、車両に搭載されたバッテリ2の充電および車両に搭載された電気装置へ電力を供給する車両用充電装置であって、交流電流を発電する交流発電機本体3、この交流発電機本体3の後端側に一体的に設置された電圧調整装置4、およびこの電圧調整装置4の近傍に設置された整流装置5等から構成されている。
【0031】
次に、車両用オルタネータ1の交流発電機本体3を図1ないし図4に基づいて説明する。交流発電機本体3は、本発明の交流発電機であって、回転駆動されるロータ6、このロータ6と相対回転運動するステータ7、ロータ6とステータ7を内部に収容するハウジング8、およびロータ6に励磁電流を供給するためのブラシ装置9等より構成されており、回転動力を受けて発電を行う。
【0032】
ロータ6は、界磁として働く部分で、シャフト10と一体的に回転する回転子である。このロータ6は、シャフト(回転軸とも言う)10、ランデル型のポールコア(界磁極、界磁鉄心、回転子鉄心またはロータコアとも言う)11、界磁巻線(フィールドコイル、回転子巻線またはロータコイルとも言う)12および2個のスリップリング(集電環とも言う)13等によって構成されている。
【0033】
シャフト10は、ハウジング8の内周側で2個のベアリング(軸受)14を介して回転自在に支持されている。このシャフト10の一端部(前端部)には、エンジン(図示せず)の回転動力をシャフト10に伝達するためのVリブドプーリ(ポリVベルト用プーリ)15が取り付けられている。このVリブドプーリ15は、ポリVベルト等の伝動手段(図示せず)を介してエンジンの出力軸に装着されたポリVベルト用プーリ(図示せず)に連結されていいる。なお、シャフト10をエンジンの出力軸に直接連結しても良く、またシャフト10とエンジンの出力軸との間に一段以上の歯車変速機やVベルト式無段変速機等の伝動手段を連結しても良い。
【0034】
ポールコア11は、一対の爪状磁極部よりなる。一方の爪状磁極部の前側壁面には、ハウジング8内に冷却風を吸い込む軸流式の冷却ファン16が溶接等の手段を用いて取り付けられている。また、他方の爪状磁極部の後側壁面には、ハウジング8内に冷却風を吸い込むと共に、ステータ7に冷却風を吹き付ける遠心式の冷却ファン17が溶接等の手段を用いて取り付けられている。
【0035】
界磁巻線12は、ポールコア11の中央部に巻回され、両端の端末部が2個のスリップリング13にそれぞれ電気的に接続されている。そして、界磁巻線12に励磁電流が流れると、ポールコア11の一方の爪状磁極部が全てN極になり、他方の爪状磁極部が全てS極になる。
【0036】
2個のスリップリング13は、それぞれ円環形状に形成され、シャフト10の他端部(後端部)の外周に圧入固定されている。そして、2個のスリップリング13は、後記するブラシ装置9の2個のブラシと摺接することにより電圧調整装置4から励磁電流が供給される。
【0037】
ステータ7は、ハウジング8の内周面に固定された固定子であって、ポールコア11の一対の爪状磁極部に外周面に対向して配された電機子鉄心(固定子鉄心またはステータコアとも言う)18、およびこの電機子鉄心18に巻装された三相の電機子巻線(固定子巻線またはステータコイルとも言う)19等から構成されている。
【0038】
電機子鉄心18は、ハウジング8の内周面に圧入されて一体化され、ポールコア11の一対の爪状磁極部から出た磁束が三相の電機子巻線19と有効に公差するように作られた磁束通路を形成する。そして、電機子鉄心18の内周側には、多数のスロット(図示せず)が等間隔で形成されている。
【0039】
三相の電機子巻線19は、電機子鉄心18の多数のスロットに巻装され、ポールコア11の回転に伴って三相交流出力が誘起するコイルであって、Y結線により接続されている。また、三相の電機子巻線19の中性点および各端末線は、図4に示したように、後記する整流装置5の各交流入力端子に接続されている。なお、三相の電機子巻線19をΔ結線しても良い。
【0040】
ハウジング8は、概略椀形状のドライブフレーム(フロントハウジングとも言う)21およびリヤフレーム(リヤハウジングとも言う)22から構成されている。
ドライブフレーム21は、アルミニウムダイカスト等の導電性材料にて一体成形され、ロータ6の前端側をフロント側のベアリング14を介して回転自在に支持すると共に、エンジンへの取り付けを行うものである。このドライブフレーム21には、冷却ファン16、17の回転により吸い込まれる冷却風が通過する通気穴23を多数開口している。
【0041】
リヤフレーム22は、アルミニウムダイカスト等の導電性材料にて一体成形され、ロータ6の後端側をリヤ側のベアリング14を介して回転自在に支持すると共に、エンジンへの取り付けを行うものである。このリヤフレーム22には、冷却ファン16、17の回転により吸い込まれる冷却風が通過する通気穴24を多数開口している。また、リヤフレーム22は、複数個のスタッドボルト25およびナット26等の締付け具によりドライブフレーム21のリヤ側端面に締付け固定されている。なお、ドライブフレーム21およびリヤフレーム22は、エンジンにブラケット(図示せず)を介して取り付けられることによりボディアースされ、後記する整流装置5の直流出力負極側ターミナルを構成する。
【0042】
そして、リヤフレーム22の内周側には、2個のスリップリング13とブラシ装置9の2個のブラシとの摺動部分を覆って摺動部分への被水や異物の侵入を防止すると共に、摺動部分からの摩耗粉の飛散を防止するための樋形状のスリップリングカバー27が、ベアリング14を保持するベアリングホルダー(軸受保持部)28より後方へ突出するように一体成形されている。
【0043】
また、リヤフレーム22の略同一円周上に位置する部分には、整流装置5全体をリヤカバー29と共に締付け固定する3個の共締め支持部(締付け支持部、螺着支持部)30が一体成形されている。さらに、3個の共締め支持部30のうち中間に位置する共締め支持部30の外周側には、後記する整流装置5の負極側冷却フィン単体を締付け固定する突設ボス部(締付け支持部、螺着支持部)31が側壁部より後方へ突出するように一体成形されている。
【0044】
リヤカバー29は、本発明の整流装置被覆部材であって、アルミニウム等の金属板をプレス成形することにより一体成形されている。このリヤカバー29は、本発明の主要な構造である整流装置5、電圧調整装置4、ブラシ装置9、2個のスリップリング13を覆っている。
【0045】
ブラシ装置9は、2個のブラシ32、これらのブラシ32を保持するブラシホルダ33、およびシールパッキン34等を有している。2個のブラシ32は、2個のスリップリング13の外周をそれぞれ摺動する。ブラシホルダ33は、PPS樹脂等の電気絶縁性樹脂に一対のブラシターミナル35をインサート成形してなる。シールパッキン34は、ゴムよりなり、スリップリングカバー27およびブラシホルダ33とリヤカバー29との間の隙間をシールするシール部材である。一対のブラシターミナル35のうち一方のブラシターミナル35は、固定ねじ36を締め付けることにより後記する電圧調整装置4の励磁電流出力端子に電気的に接続され、他方のブラシターミナルは、固定ねじ37を締め付けることにより後記する整流装置5の正極側直流出力端子に電気的に接続されている。
【0046】
次に、車両用オルタネータ1の電圧調整装置4を図1および図3に基づいて説明する。電圧調整装置4は、所謂レギュレータであって、各種外部接続端子が絶縁性樹脂にインサート成形された端子台41、およびこの端子台41内に保持された発熱部品を冷却するための冷却フィン42等から構成されている。なお、電圧調整装置4は、各種外部接続端子として、正極側直流出力端子B、励磁電流出力端子F、発電検出用入力端子Pやアース端子E等を有している。
【0047】
端子台41は、内部にハイブリッドIC等の集積回路(図示せず)を収容しており、外部に接続するための筒形状の雄型コネクタ部43を一体成形している。冷却フィン42は、端子台41と共にリヤフレーム22に固定ねじ等の締結具(図示せず)により締付け固定されている。なお、電圧調整装置4の励磁電流出力端子Fは、固定ねじ36を締め付けることによりブラシターミナル35に電気的に接続されている。また、電圧調整装置4の発電検出用入力端子Pは、固定ねじ44を締め付けることにより後記する整流装置5の1個の交流入力端子に電気的に接続されている。
【0048】
次に、車両用オルタネータ1の整流装置5を図1ないし図5に基づいて説明する。ここで、図5は車両用オルタネータ1の整流装置5を示した図である。整流装置5は、正極側直流出力ターミナル50、端子台51、3個の絶縁スペーサ52、正極側冷却フィン53および負極側冷却フィン54等を積層して構成されている。
【0049】
正極側直流出力ターミナル50は、バッテリ2に充電電流を供給するターミナルで、一端部に導電線55(図4参照)を介してバッテリ2の正極(+)が電気的に接続され、他端部が電圧調整装置4の正極側直流出力端子Bおよび正極側冷却フィン53に図示しない固定ねじを締め付けることにより電気的に接続されている。
【0050】
端子台51は、高強度で寸法安定性の高い例えばポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)等の電気絶縁性樹脂よりなり、内部に4個の交流入力端子56をインサート成形した端子保持部材(絶縁部材)である。4個の交流入力端子56には、それぞれ三相の電機子巻線19の端末線に固定ねじ57(図3参照)を締め付けることにより電気的に接続する交流入力ターミナル58が設けられている。なお、図3において59は三相の電機子巻線19の端末線とリヤフレーム22とを電気的に絶縁するためのゴム製のブッシュ(絶縁部材)である。
【0051】
3個の絶縁スペーサ52は、PPS樹脂等の電気絶縁性樹脂よりなる筒状体で、端子台51の円筒形状のボス部60の外周に嵌め合わされ、且つ正極側冷却フィン53と負極側冷却フィン54との間に積層されて正極側冷却フィン53と負極側冷却フィン54とを電気的に絶縁するインシュレータ(絶縁部材)である。
【0052】
正極側、負極側冷却フィン53、54は、ブラシホルダ33およびシールパッキン34を囲むように、純アルミニウム等の熱伝導性に優れる導電性金属板により略C字形状に一体成形され、リヤフレーム22の側壁面に沿うように配されている。正極側、負極側冷却フィン53、54は、正極側、負極側ダイオード61、62を4個ずつ保持固定すると共に、正極側、負極側ダイオード61、62の発熱を放熱する放熱フィンである。
【0053】
正極側、負極側ダイオード61、62は、本発明の正極側、負極側整流素子であって、一端側の各リード線61a、62aが各交流入力端子56に半田付け等の手段により電気的に接続され、他端側が正極側、負極側冷却フィン53、54の各保持部64、65に半田付け等の手段により固定されている。
【0054】
正極側、負極側冷却フィン53、54には、それぞれ3個の貫通穴が形成されている。また、正極側、負極側冷却フィン53、54は、各貫通穴内に挿入された3個のボス部60と3個のパイプリベット66、さらに3個の絶縁スペーサ52により両者が所定の距離を保ちながら電気的に絶縁された状態で連結されている。なお、これらの端子台51、3個の絶縁スペーサ52、正極側冷却フィン53、負極側冷却フィン54およびパイプリベット66等の整流装置構成部材は、固定ボルト67およびナット68よりなる共締め部材(締結具、締付け具または螺着具とも言う)によりリヤカバー29と共に、リヤフレーム22の共締め支持部30に締付け固定されている。
【0055】
なお、負極側冷却フィン54の同一円周上に位置する箇所には、他の整流装置構成部材およびリヤカバー29と共に、リヤフレーム22の共締め支持部30に固定ボルト67により締付け固定される3個の共締め固定部70(共締め被支持部)が設けられている。また、3個の共締め固定部70のうち中間に位置する共締め固定部70の外周側には、負極側冷却フィン54単体でリヤフレーム22の突設ボス部31に固定ボルト(締結具、締付け具または螺着具とも言う)69により直接固定される直接固定部71(直接被支持部、螺着固定部)が負極側冷却フィン54の外周より径方向に突出するように設けられている。
【0056】
さらに、共締め固定部70と直接固定部71との間には、穴部72が負極側冷却フィン54の板厚方向に略直交する方向、つまり直接固定部71の中心部を中心にした円周方向に設けられており、この穴部72の周囲は他の負極側冷却フィン54の他箇所よりも剛性の低い低剛性部73とされている。この低剛性部73は、工具を用いて穴部72を開けることにより形成される。また、直接固定部71の風上側(吸気側)に位置するリヤカバー29には、冷却風が穴部72の延長方向に略直交する方向に流れる貫通穴74が形成されている。なお、この実施例では、リヤフレーム22と直接固定部71とにより負極側直流出力ターミナル(接地回路)75が形成される。
【0057】
〔第1実施例の組付け方法〕
次に、この実施例の整流装置4をリヤフレーム22に組み付ける組付け方法を図1、図3および図6に基づいて簡単に説明する。
【0058】
先ず、各交流入力端子56をインサート成形した端子台51、4個の正極側ダイオード61を保持固定した正極側冷却フィン53および4個の負極側ダイオード62を保持固定した負極側冷却フィン54を順に積層する。
さらに、端子台51のボス部60の外周に嵌合するように正極側、負極側冷却フィン53、54間に3個の絶縁スペーサ52を積層した積層部材を3個のパイプリベット66でかしめ固定する。
【0059】
次に、負極側冷却フィン54の3個の共締め固定部70を含む上記の整流装置構成部材の各共締め固定部を貫通するように固定ボルト67を挿入し、これらをリヤフレーム22の共締め支持部30にリヤカバー29と共に固定ボルト67とナット68とを締め付けることにより共締めする。これにより、整流装置5全体がリヤフレーム22に支持される。
【0060】
したがって、リヤフレーム22の共締め支持部30で整流装置5全体を支持しているので、負極側冷却フィン54の材質として剛性の弱いアルミニウム材を使用した場合に、車両振動がリヤフレーム22から負極側冷却フィン54に伝わっても負極側冷却フィン54に過大な応力が加わらず、負極側冷却フィン54が変形することはない。また、車両振動が負極側冷却フィン54に伝わっても負極側冷却フィン54に固定されている他の整流装置構成部材の振動が増大することを抑えることができる。
【0061】
次に、リヤフレーム22と負極側冷却フィン54の直接固定部71とにより負極側直流出力ターミナル75を形成するために、図6(A)に示したように、固定ボルト69を負極側冷却フィン54の直接固定部71内に差し込んでリヤフレーム22の突設ボス部31のめねじ部に捩じ込んでいく。このとき、整流装置5を構成する積層部材の積層公差により共締め固定部70の方が直接固定部71よりもサイズH(図2参照)だけ後方に突出する可能性がある。すなわち、組付け段差ができる可能性があるが、固定ボルト69を締め付けることにより穴部72を設けていることにより他の箇所よりも剛性の低い低剛性部73が図2のように撓む。
【0062】
したがって、図6(B)に示したように、突設ボス部31の当接面と直接固定部71の当接面とが密着した状態で負極側冷却フィン54の直接固定部71をリヤフレーム22に直接固定される。なお、このとき低剛性部73は塑性変形するがその変形による歪みが穴部72よりも内周側に伝わることはないので、負極側冷却フィン54の保持部65に保持固定されている負極側ダイオード62に過大な応力が加わることはない。
【0063】
〔第1実施例の作用〕
次に、この実施例の車両用オルタネータ1の作用を図1ないし図5に基づいて簡単に説明する。
【0064】
エンジンの回転動力がポリVベルト等の伝動手段を介してVリブドプーリ15に伝達されると、シャフト10が回転することによりロータ6が回転する。このとき、シャフト10と一体的にポールコア11、界磁巻線12および2個のスリップリング13が回転する。
【0065】
そして、電圧調整装置4の作用により2個のブラシ32、2個のスリップリング13を介して界磁巻線12に励磁電流が供給されることによりポールコア11の一対の爪状磁極部が励磁される。これにより、一方の爪状磁極部が全てN極となり、他方の爪状磁極部が全てS極になる。
【0066】
そして、ロータ6と相対回転するステータ7の電機子鉄心18に巻かれた三相の電機子巻線19に順次交流電流が誘起する。この三相の交流電流は、各交流入力ターミナル58、交流入力端子56を経て4個の正極側ダイオード61および4個の負極側ダイオード62に入力されることにより、三相の交流電流が整流され直流電流に変換される。
【0067】
そして、三相の電機子巻線19の発電電圧がバッテリ電圧を越えると、整流された直流電流が正極側直流出力ターミナル50、導電線55を経てバッテリ2に供給される。これにより、バッテリ2に充電電流が流れることによりバッテリ2が充電される。
【0068】
ここで、車両用オルタネータ1の界磁巻線12、三相の電機子巻線19、電圧調整装置4の集積回路および正極側、負極側ダイオード61、62は通電されることにより発熱する。この熱はポールコア11が回転することにより、一対の爪状磁極部の側壁面に取り付けられた冷却ファン16、17が回転することにより、ハウジング8内に冷却風が吸い込まれることにより冷却される。
【0069】
すなわち、界磁巻線12および三相の電機子巻線19は、ハウジング8に形成された通気穴23、24およびリヤカバー29に形成された通気穴を通って吸い込まれた冷却風によって冷却される。また、電圧調整装置4の集積回路で発生した熱は、冷却フィン42にリヤカバー29の通気穴を通って吸い込まれた冷却風が当たることで冷却フィン42が冷やされることにより、冷却フィン42を介して放熱する。
【0070】
正極側、負極側ダイオード61、62で発生した熱は、正極側、負極側冷却フィン53、54にリヤカバー29の通気穴を通って吸い込まれた冷却風が当たることで正極側、負極側冷却フィン53、54が冷やされることにより、正極側、負極側冷却フィン53、54を介して放熱する。なお、リヤカバー29の貫通穴74を通って整流装置5に吸い込まれた冷却風は、負極側冷却フィン54の外周より突出している直接固定部71に直交するように当たることにより負極側冷却フィン54の放熱性能を高めているので、正極側、負極側ダイオード61、62の冷却作用が促進される。
【0071】
〔第1実施例の効果〕
以上のように、車両用オルタネータ1は、負極側冷却フィン54の共締め固定部70と直接固定部71との間に組付け段差(サイズH)が生じている場合に、直接固定部71をリヤフレーム22の突設ボス部31の当接面に直接固定する際、固定ボルト69の軸推力を利用することによって、リヤフレーム22の突設ボス部31または負極側冷却フィン54の共締め固定部70と直接固定部71との間の組付け段差を吸収することができる。
【0072】
この結果、4個の負極側ダイオード62への組付け歪みによる影響を緩和することができるので、4個の負極側ダイオード62に過大な応力が加わることを抑制でき、4個の負極側ダイオード62にて安定した整流作用が得られなくなることが回避することができる。これにより、負極側ダイオード62の寿命を長寿命化することができるので、車両用オルタネータ1の寿命を長寿命化することができる。
【0073】
また、上記の組付け段差を低剛性部73を設けることにより吸収または縮小することができるので、リヤフレーム22の突設ボス部31の当接面と負極側冷却フィン54の直接固定部71の当接面との接触面積を十分確保することができる。この結果、負極側冷却フィン54単体をリヤフレーム22に直接固定することにより形成される整流装置4の負極側直流出力ターミナル75の信頼性を向上することができるので、車両用オルタネータ1の出力の低下、および整流装置5の整流作用の低下を防止することができる。
【0074】
リヤカバー29に貫通穴74が設けられているので、冷却ファン16、17の作用により貫通穴74より吸い込まれる冷却風にて負極側冷却フィン54を冷やすことによって、整流装置5の負極側直流出力ターミナル75での発熱による温度上昇を抑えることができる。
【0075】
〔第2実施例〕
図7はこの発明の第2実施例を示したもので、車両用オルタネータのリヤ側構造を示した図である。この実施例では、負極側冷却フィン54の共締め固定部70と直接固定部71との間の肉厚を薄くして括れ部76を設けている。この括れ部76の板厚を薄くするために、切削加工により表面部分を除去したり、プレス加工等により板厚を減少する方向に変化させる方法が採用できる。このように括れ部76を設けることにより、共締め固定部70と直接固定部71との間に他の箇所よりも剛性の低い低剛性部77が形成される。この実施例の場合にも、第1実施例と同様な効果を達成し得る。
【0076】
〔第3実施例〕
図8はこの発明の第3実施例を示したもので、車両用オルタネータの整流装置を示した図である。この実施例では、穴部72を設けた低剛性部73よりも先の直接固定部71の板厚を他の箇所の板厚よりも3割程度薄くしている。この実施例の場合にも、第1実施例と同様な効果を達成し得る。
【0077】
〔第4実施例〕
図9はこの発明の第4実施例を示したもので、車両用オルタネータの整流装置を示した図である。この実施例では、括れ部76を設けた低剛性部77よりも先の直接固定部71の板厚を他の箇所の板厚よりも3割程度薄くしている。この実施例の場合にも、第1実施例と同様な効果を達成し得る。
【0078】
〔第5実施例〕
図10はこの発明の第5実施例を示したもので、負極側冷却フィン単体をリヤフレームに組み付ける組付け方法を示した図である。この実施例では、図10(A)に示したように、負極側冷却フィン54の穴部72を設けた低剛性部73よりも先の直接固定部71リヤカバー29側面をパンチ(殴打部材)78で殴打する。
【0079】
そして、図10(B)に示したように、直接固定部71の当接面がリヤフレーム22の突設ボス部31の当接面に当接するようにリヤフレーム22側に塑性変形させることによって、直接固定部71を突設ボス部31の当接面に組み付ける組付け加工の前に突設ボス部31または共締め固定部70と直接固定部71との間の組付け段差を吸収または縮小している。次に、図10(C)に示したように、突設ボス部31と直接固定部71とを固定ボルト69により締付け固定する。この実施例の場合にも、第1実施例と同様な効果を達成し得る。
【0080】
〔第6実施例〕
図11はこの発明の第6実施例を示したもので、車両用オルタネータのリヤ側構造の主要部を示した図である。この実施例では、負極側冷却フィン54の直接固定部71をリヤフレーム22の突設ボス部31の当接面にプロジェクション溶接等の溶接手段を用いて接続している。この実施例の場合にも、第1実施例と同様な効果を達成し得る。
【0081】
〔第7実施例〕
図12はこの発明の第7実施例を示したもので、車両用オルタネータのリヤ側構造の主要部を示した図である。この実施例では、リベット(かしめ具)79により負極側冷却フィン54の直接固定部71をリヤフレーム22の突設ボス部31にかしめ固定ている。したがって、直接固定部71を突設ボス部31の当接面にリベット79を用いてかしめ固定する時のかしめ力を利用することによって、突設ボス部31または共締め固定部70と直接固定部71との間の組付け段差を吸収または縮小している。この実施例の場合にも、第1実施例と同様な効果を達成し得る。
【0082】
〔変形例〕
この実施例では、本発明を車両に搭載されたエンジンにより駆動される車両用オルタネータ1に適用したが、本発明を車両搭載用エンジンを除く内燃機関、電動モータ、水車、風車等の駆動源により駆動される交流発電機用整流装置に適用しても良い。
【0083】
この実施例では、正極側、負極側整流素子として正極側、負極側ダイオード61、62を使用したが、正極側、負極側整流素子としてMOSFET等の半導体スイッチング素子を用いても良い。
この実施例では、電圧調整装置4を車両用オルタネータ1内に設けたが、電圧調整装置4を車両用オルタネータ1の外に設けても良い。また、この実施例では、整流装置5をハウジング8の外側に配設したが、整流装置5をハウジング8の内側に配設しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用オルタネータのリヤ側構造を示した断面図である(第1実施例)。
【図2】図1のO−A断面図である(第1実施例)。
【図3】車両用オルタネータの全体構造を示した断面図である(第1実施例)。
【図4】車両用オルタネータの電気回路を示した回路図である(第1実施例)。
【図5】車両用オルタネータの整流装置を示した断面図である(第1実施例)。
【図6】(A)、(B)は負極側冷却フィンの組付け方法を示した説明図である(第1実施例)。
【図7】車両用オルタネータのリヤ側構造を示した断面図である(第2実施例)。
【図8】(A)は車両用オルタネータの整流装置を示した平面図で、(B)は(A)のB−B断面図である(第3実施例)。
【図9】(A)は車両用オルタネータの整流装置を示した平面図で、(B)は(A)のC−C断面図である(第4実施例)。
【図10】(A)〜(C)は負極側冷却フィンの組付け方法を示した説明図である(第5実施例)。
【図11】車両用オルタネータのリヤ側構造を示した部分断面図である(第6実施例)。
【図12】車両用オルタネータのリヤ側構造を示した部分断面図である(第7実施例)。
【符号の説明】
1 車両用オルタネー
2 バッテリ
3 交流発電
4 電圧調整装置
5 整流装置
8 ハウジング
22 リヤフレーム
29 リヤカバー(整流装置被覆部材)
30 共締め支持部
31 突設ボス部(締付け支持部)
53 正極側冷却フィン
54 負極側冷却フィン
61 正極側ダイオード(正極側整流素子)
62 負極側ダイオード(負極側整流素子)
70 共締め固定部
71 直接固定部
72 穴部
73 低剛性部
74 貫通穴
75 負極側直流出力ターミナル(接地回路)
76 括れ部
77 低剛性部
78 パンチ(殴打部材)

Claims (8)

  1. ハウジングにより覆われた交流発電機と、
    この交流発電機で発生した交流出力を整流する複数個の整流素子と、
    前記複数個の整流素子のうち正極側の整流素子を保持すると共に、前記正極側の整流素子を冷却するための正極側冷却フィンと、
    この正極側冷却フィンに積層され、前記複数個の整流素子のうち負極側の整流素子を保持すると共に、前記負極側の整流素子を冷却するための負極側冷却フィンとを備え
    この負極側冷却フィン単体を前記ハウジングに直接固定することにより形成される接地回路を形成した交流発電機において、
    前記負極側冷却フィンは、端子台と前記正極側冷却フィンと絶縁スペーサとを前記ハウジング側に積層して、これら整流装置構成部材と共に前記ハウジングの所定の箇所に締付け固定される共締め固定部を有し、
    前記負極側冷却フィンは、前記ハウジングに直接固定され前記接地回路を形成する直接固定部近傍に、他の箇所よりも剛性の低い低剛性部を有し、
    前記低剛性部は、前記直接固定部と前記共締め固定部との間に設けられていることを特徴とする交流発電
  2. 請求項1に記載の交流発電機において、
    前記低剛性部は、前記負極側冷却フィンを板厚方向に切り下げたり、あるいは切り起こしたりして設けられたことを特徴とする交流発電機。
  3. 請求項1または請求項2に記載の交流発電機において、
    前記低剛性部は、前記負極側冷却フィンの表面側部分を除去して、あるいはプレス加工等により板厚を減少する方向に変化させて設けられたことを特徴とする交流発電機。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の交流発電機において、
    前記低剛性部は、前記負極側冷却フィンの板厚方向に略直交する方向に延長され、冷却風が前記低剛性部の延長方向に略直交する方向に流れることを特徴とする交流発電機。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の交流発電機において、
    前記交流発電機は、前記ハウジングの外側面との間で前記整流装置を覆う整流装置被覆部材を有し、
    前記整流装置被覆部材は、前記負極側冷却フィンの低剛性部の吸気側に、冷却風が通過する貫通穴を設けたことを特徴とする交流発電機。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の交流発電機において、
    前記ハウジングと前記負極側冷却フィンとの組付け加工時の荷重を利用して、前記ハウジングと前記負極側冷却フィンの直接固定部との間の組付け段差を吸収する製造工程を備えることを特徴とする交流発電機の製造方法。
  7. ハウジングにより覆われた交流発電機と、
    この交流発電機で発生した交流出力を整流する複数個の整流素子と、
    前記複数個の整流素子のうち正極側の整流素子を保持すると共に、前記正極側の整流素子を冷却するための正極側冷却フィンと、
    この正極側冷却フィンに積層され、前記複数個の整流素子のうち負極側の整流素子を保持すると共に、前記負極側の整流素子を冷却するための負極側冷却フィンと、
    この負極側冷却フィン単体を前記ハウジングに直接固定することにより形成される接地回路と
    を備えた交流発電機の製造方法において、
    前記負極側冷却フィンは、前記ハウジングに直接固定される直接固定部近傍に、他の箇所よりも剛性の低い低剛性部を有し、
    前記ハウジングと前記負極側冷却フィンとの組付け加工時の荷重を利用して、前記ハウジングと前記負極側冷却フィンの直接固定部との間の組付け段差を吸収する製造工程を備えることを特徴とする交流発電機の製造方法。
  8. ハウジングにより覆われた交流発電機と、
    この交流発電機で発生した交流出力を整流する複数個の整流素子と、
    前記複数個の整流素子のうち正極側の整流素子を保持すると共に、前記正極側の整流素子を冷却するための正極側冷却フィンと、
    この正極側冷却フィンに積層され、前記複数個の整流素子のうち負極側の整流素子を保持すると共に、前記負極側の整流素子を冷却するための負極側冷却フィンと、
    この負極側冷却フィン単体を前記ハウジングに直接固定することにより形成される接地回路と
    を備えた交流発電機の製造方法において、
    前記負極側冷却フィンは、前記ハウジングに直接固定される直接固定部近傍に、他の箇所よりも剛性の低い低剛性部を有し、
    前記ハウジングと前記負極側冷却フィンとの組付け加工前に、前記負極側冷却フィンの直接固定部を殴打部材で殴打して、前記ハウジングと前記負極冷却フィンの直接固定部との間の組付け段差を吸収する製造工程を備えることを特徴とする交流発電機の製造方法。
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