JP3972768B2 - 交流発電機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、交流発電機に関するもので、特にその整流装置を構成するヒートシンクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
交流発電機の一例として、特開平8−182279号公報に記載された車両用交流発電機がある。図18はこの車両用交流発電機の構成を示す断面図で、この図を用いて従来の技術を説明する。
【0003】
ケース3は、アルミニウム製のフロントブラケット1とリヤブラケット2から構成されていて、両者はネジで結合されている。固定子8は、固定子コア15と固定子コイル16から構成され、固定子コア15に巻回された導線の一部は、ケース3に固定されてシャフト6の軸方向に延在し、フロント側コイルエンド16fおよびリヤ側コイルエンド16rを形成している。ここで「フロント」は、外部動力が供給されるサイドを、「リヤ」はその反対側を指すものとする。
【0004】
回転軸となるシャフト6は、一対のフロント側軸受14aとリヤ側軸受14bに支持されている。シャフト6のフロント側にはプーリ4が、またリヤ側には回転子7に電流を供給するスリップリング9が装着されている。スリップリング9と一対のブラシ10はブラシホルダ11に収納され、このブラシホルダ11には電圧調整器(レギュレータ)17がヒートシンク18を介して接着されている。
【0005】
ランドル型の回転子7は、シャフト6、回転子コイル13、および一対のランドル型ポールコア19、20から構成されている。鉄製のポールコア19、20には、互いにかみ合うように対向配置されている爪状磁極21、22がコアの外周縁に等間隔で複数個突設されている。回転子コイル13はポールコア19、20で覆われていて、回転子コイル13で発生した磁束は、一方の爪状磁極をN極に、他方の爪状磁極をS極に着磁する。
【0006】
上記された車両用交流発電機は、外部エンジン(図示せず)の回転トルクがプーリ4を介してシャフト6に伝達され、回転子7が回転することによって起動する。回転子7が回転すると回転子7と固定子8との相対運動から回転磁界が生じ、交流起電力が発生する。発生した交流起電力は固定子8に接続され、ケース3内に装着されている整流装置25によって直流に整流される。電流の大きさは電圧調整器17により調整され、バッテリ(図示せず)に充電される。
【0007】
図19は図18の左端部に描かれている整流装置25を拡大表示した斜視図である。整流装置25は、内径が異なる略円弧状の正極側ヒートシンク27aおよび負極側ヒートシンク27bで構成され、その中心軸はシャフト6の回転軸と一致している。正極側ヒートシンク27aおよび負極側ヒートシンク27bは、互いの主面がほぼ同一平面上に位置するように配置されており、そのフロント側(上方)には、電気絶縁性樹脂製のサーキットボード29が設けられている。
【0008】
正極側ヒートシンク27aは、その主面に所定間隔をおいて周方向に配設されている正極側ダイオード26aを、その背面には放射状に伸びる複数個の正極側冷却フィン28aを備えている。ここでは、ダイオードが設けられている面を、ヒートシンクの主面、その反対側の面を背面と定義している。
【0009】
同様に、負極側ヒートシンク27bも、主面に所定間隔をおいて周方向に配設されている負極側ダイオード26bと、背面に放射状に伸びる複数個の負極側冷却フィン28bを備えている。負極側ヒートシンク27bはリヤブラケット2に電気的に接続されている。
【0010】
図20は図18に示されている整流装置25を拡大表示した図である。正極側ダイオード26aに接続されている正極側接続端子26alと、負極側ダイオード26bに接続されている負極側接続端子26blは、シャフト6と平行に引き出され、サーキットボード29の接続端子29alで一箇所にまとめられたうえで、固定子コイル16の引き出し線と接続されている。
【0011】
さて、発電機が稼働すると、回転子コイル13、固定子コイル16、整流装置25および電圧調整器17などが発熱する。例えば、定格出力電流100Aクラスの交流発電機では、その発生熱量は約500Wにも達する。過度の発熱は発電機の性能を悪化させ、また部品の寿命を低下させるため、温度上昇を抑制するための冷却手段が必要となる。
【0012】
稼動中に発熱する部品を冷却するために、フロント側冷却ファン5aおよびリア側冷却ファン5bが、ポールコア19、20の両端面に、それぞれ2個ずつ設置されている(図18参照)。フロント側冷却ファン5aおよびリヤ側冷却ファン5bは同時に回転し、外部から吸気した冷却風を機外へ排出する。
【0013】
フロントブラケット1には、吸気穴1aおよび排気穴1bが設けられている(図18参照)。外気は吸気穴1aを通じてケース3に吸い込まれ、フロント側冷却ファン5aにより遠心方向に曲げられて、フロント側コイルエンド16fを冷却し、排気穴1bから外部に排出される。
【0014】
図21は車両用交流発電機のリヤ側における冷却風の流れを説明するための図である。リヤブラケット2には吸気穴2aおよび排気穴2bが設けられている。リヤ側冷却ファン5bの回転により、点線矢印で示されているように、外気が複数個設けられた吸気穴2aを通じてケース3内に吸い込まれ、正極側ヒートシンク27aに当たり、正極側冷却フィン28aに沿ってシャフト6側に流れる。
【0015】
外気の中には、図中太線で示すように、負極側ヒートシンク27bの負極側冷却フィン28bを冷却してから、高温の冷却風となって正極側ヒートシンク27aの正極側冷却フィン28aを通過するものがある。これらの冷却風はさらに、リヤ側冷却ファン5bにより遠心方向に曲げられて固定子コイル16のリヤ側コイルエンド16rを冷却し、排気穴2bから外部に排出される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
さて、自動車等では、安全制御機器類の電気負荷が増大し、交流発電機には高出力化への要求が高まっている。その一方で、エンジンルームの省スペース化がすすめられているため、交流発電機には、高出力化だけではなく、装置そのものを小型化することが望まれている。その結果、その冷却装置についても冷却効率を維持しつつ、より小型化されたものが求められている。
【0017】
発電機の出力が増大すると、回転子コイル、固定子コイル、整流装置、電圧調整器などで発熱量が増大するが、特に整流装置を構成するダイオードの温度上昇を抑制することが装置の信頼性を確保するうえで重要である。
【0018】
整流装置の冷却性能を向上させるには、正極側ヒートシンク27aおよび負極側ヒートシンク27bの放熱面積、すなわち、冷却フィン28(正極側冷却フィン28aおよび負極側冷却フィン28b)の表面積を増大する必要がある。整流装置の限られた占有空間の中で冷却フィン28の表面積を増大する方法には、冷却フィンの間隔(ピッチ)を小さくする方法と、冷却フィンの厚みを小さくする方法が考えられる。
【0019】
しかし、上記従来の車両用交流発電機では、冷却フィン28はダイカスト(die−cast)で成形されているため、冷却フィンの厚さは0.6mm、冷却フィンのピッチは2.5mm程度が限界であり、更なる冷却フィンの多層化は困難であった。
【0020】
また、図21において太線で示したように、リヤブラケット2に設けられた吸気穴2aを通じてケース3内に吸い込まれた冷却風が、負極側ヒートシンク27bの負極側冷却フィン28bを冷却した結果、高温の冷却風となって正極側ヒートシンク27aの正極側冷却フィン28aを通過するため、正極側ヒートシンク27aの冷却性能が低下するという不具合もあった。
【0021】
本発明は、上記のような問題点を解決するためのものであって、交流発電機に搭載されている整流装置の冷却性能を向上させることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明に関わる交流発電機は、筐体の外部から供給される動力によって回転可能な回転子と、回転子の周囲に配置されしかも筐体の内側に固定されている固定子と、筐体の内部に固定されるとともに固定子と回転子の相互作用によって発生する交流起電力を整流する整流装置を備えてなり、整流装置は互いに結線された複数の整流素子と、複数の整流素子が主面に固定されているベース部材と、整流素子と対向する位置にベース部材にほぼ垂直に配置された柱状部材と、柱状部材にほぼ垂直に配置されている所定枚数のフィン部材を具備し、フィン部材は柱状部材の軸方向に湾曲し、柱状部材の外周と密接する接触面を有し、柱状部材は回転子と整流装置との間に配置された冷却ファンに対向して設けられた仕切り板を有するものである。
【0023】
また、ベース部材は円弧形状を有し、整流素子と柱状部材がベース部材の周方向に沿って千鳥配列されているものである。
【0024】
また、各々のフィン部材は隣接する柱状部材を連絡する部材であって、各々のフィン部材は、切込みを有するものである。
【0025】
また、仕切り板の外周部には、冷却ファンによって排出される冷却風を整流装置から遠ざかる側に曲げるようにテーパが設けられているものである。
【0026】
また、柱状部材は、ベース部材に圧入されているものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
図1は本発明の実施の形態1に係る交流発電機の全体構成を示す断面図である。本発明の交流発電機は、フロントブラケット1およびリヤブラケット2からなるケース3と、そのケース3に収納される回転子7と固定子8および整流装置40を備えている。回転子7のシャフト6は一対のフロント側軸受14aおよびリヤ側軸受14bによって支持されている。
【0028】
シャフト6のフロント側にはプーリ4が、またリヤ側には回転子7に電流を供給するスリップリング9が装着されている。スリップリング9および一対のブラシ10はブラシホルダ11に収納されている。このブラシホルダ11には電圧調整器(レギュレータ)17がヒートシンク18を介して接着されている。
【0029】
交流発電機は、プーリ4を介してシャフト6に伝達される回転トルクによって回転子7を回転させ、交流起電力を発生させる。発生した交流起電力は、整流装置40によって直流に整流されるとともに、電圧の大きさが電圧調整器17により調節され、バッテリ(図示せず)に充電される。
【0030】
図2は図1に示した整流装置40を拡大表示した図である。整流装置40は、ヒートシンク(正極側ヒートシンク41aおよび負極側ヒートシンク41b)と整流素子(正極側ダイオード48aおよび負極側ダイオード48b)から構成されている。アルミなどの熱伝導性の良好な金属材料からなる正極側ヒートシンク41aおよび負極側ヒートシンク41bは、半田付け性良好なめっきが施され、電気絶縁性樹脂製のサーキットボード46を介して互いに連結されている。
【0031】
正極側ヒートシンク41aは、正極側ベース42aと、正極側支柱43aと正極側冷却フィン45aを具備している。同様に、負極側ヒートシンク41bは、負極側ベース42bと、負極側支柱43bと負極側冷却フィン45bを具備している。ここで具備しているとは、ベース42(正極側ベース42aおよび負極側ベース42b)と支柱43(正極側支柱43aおよび負極側支柱43b)のように一体品である場合と、冷却フィン45のように、支柱43に接触しているだけの場合を含むものとする。
【0032】
正極側ベース42aと負極側ベース42bの主面には、正極側ダイオード48aおよび負極側ダイオード48bがそれぞれ固定され、双方のヒートシンクは互いの主面が相対するように配置されている。
【0033】
ダイオードに接続されている正極側接続端子50aおよび負極側接続端子50bは、半田付け性良好なめっきを施した金属材料からなり、シャフト6と平行に引き出され、固定子コイル16の引き出し線と半田付けあるいは溶接されている。負極側ヒートシンク41bはリヤブラケット2に直付けされている。
【0034】
図3は整流装置40を表す斜視図である。正極側ベース42aおよび負極側ベース42bは、円弧状で、その内径および外径は等しい。正極側ベース42aおよび負極側ベース42bには、6枚一組の冷却ファンが固定された正極側支柱43aおよび負極側支柱43bが4本づつ設けられている。4本の支柱は2本づつペアで配置され、その間は正極側障壁44aまたは正極側障壁44aで仕切られている。
【0035】
正極側障壁44aおよび負極側障壁44aには予めネジ穴(図中、黒塗り表示してある部分)が設けられていて、両者を結合するのに使われる。各々の障壁44の高さは支柱43の高さと同じである。図の右前方に示されている空き空間には、ブラシホルダ11、ブラシ10、スリップリング9、レギュレータ17等が配置される(図示せず)。
【0036】
正極側ヒートシンク41aおよび負極側ヒートシンク41bは、鏡面対称な形状であるため、冷却フィン45(正極側冷却フィン45aおよび負極側冷却フィン45b)の通風抵抗が均等になり、正極側ダイオード48aおよび負極側ダイオード48bの冷却効果が同等になる。
【0037】
図4に示した斜視図は、図3に示した整流装置40のうち、正極側ヒートシンク41aに関係する部分のみを取り出して表示したものである。正極側支柱43aは正極側ベース42aに対して垂直方向に伸びていて、正極側ベース42aの周方向に沿って4個配置されている。
【0038】
図5は、図4に示した正極側ヒートシンク41aを底面(リヤ側)から見た状態を表している。正極側ベース42aの主面には、正極側支柱43aと対向する位置に、正極側ダイオード48aが4個設けられている。正極側ダイオード48aは正極側ベース42aに設けられた4個のざぐり穴に一つずつ埋め込まれている(図2参照)。
【0039】
ここでは、ダイオードとしてディスク型ダイオードが使われている(図6(a)参照)。ディスク型ダイオードおよびこのダイオードのアノード(anode)側に接続されている正極側接続端子50aは、露出部を被水から保護するために樹脂47によって封止されている。
【0040】
次に、交流発電機に適用されるダイオードの形状を図6(a)〜(c)を用いて説明する。図6(a)は図5で説明したディスク型ダイオードを表している。負極側ダイオードとして用いる場合は、アノード側が負極側ベース42bの主面に、またカソード側は負極側接続端子50bに半田付けされる。
【0041】
図6(b)はパッケージ型ダイオードを示している。このダイオードは、絶縁性樹脂にてモールド成形され、平板状のベース電極を備えている。正極側ダイオードとして用いる際は、カソード側を正極側ベース42aに、またアノード側に正極側接続端子50aが半田付けされる。同様に、負極側ダイオードとして用いる場合は、アノード側を負極側ベース42bに、またカソード側に負極側接続端子50bが半田付けされる。
【0042】
図6(c)は円柱状の金属ケースを備えた円柱型ダイオードを示しており、ケース内は絶縁性樹脂にてモールド形成されている。正極側ダイオードとして用いる際は、ダイオードのカソード側をケース内底部に、またダイオードのアノード側に正極側接続端子50aを半田付けする。同様に、負極側ダイオードとして用いる際は、ダイオードのアノード側をケース内底部に、またダイオードのカソード側に負極側接続端子50bを半田付けする。
【0043】
図7に示した整流装置40では、正極側パッケージ型ダイオード48a2および負極側パッケージ型ダイオード48b2が使用されている(図6(b)参照)。ダイオードのベース電極は正極側ベース42aおよび負極側ベース42bに半田付けされている。なお、正極側ヒートシンク41aには、仕切り板23が取り付けられている。冷却フィンの最上段に設けられた仕切り板23はヒートシンク周辺を通過する冷却風の通風抵抗を大きくし、ヒートシンクを通過する冷却風量を増大させる。
【0044】
仕切り板23の外周部には、排出された冷却風をフロント側に曲げるようにテーパが設けられている。仕切り板23はフロント側冷却ファン5aおよびリヤ側冷却ファン5bによって整流装置を冷却した冷却風が機外に排出される際に、整流装置を通過して排出された高温の冷却風が再度吸気されて冷却性能を低下させることを防止する。
【0045】
図8はパッケージ型ダイオードを備えた正極側ヒートシンク41aを底面から見た状態を表している。パッケージ型ダイオードはディスク型ダイオードと異なり、外面を樹脂で封止する必要がない。
【0046】
図9に示した整流装置40では、正極側パッケージ型ダイオード48a3および負極側パッケージ型ダイオード48b3が使用されている(図6(c)参照)。ダイオードの底面は正極側ベース42aおよび負極側ベース42bに半田付けされている。図10は円柱型ダイオードを備えた正極側ヒートシンク41aを底面から見た状態を表している。円柱型ダイオードもパッケージ型ダイオードと同じく、外面を樹脂で封止する必要がない。
【0047】
今までの説明では、正極側ヒートシンク41aと負極側ヒートシンク41bは、主面同士を対向させて、上下に積層配置されていた。正極側ヒートシンク41aと負極側ヒートシンク41bは、図11に示すように、例えば、左半分が正極側ヒートシンク41a、右半分が負極側ヒートシンク41bというように、左右に分離させて配置することもできる。
【0048】
図12は冷却フィン45と支柱43の取付方法を説明するための図である。まず、所定形状にカッティングされた板状部材のほぼ中央部に、支柱43の外径とほぼ同一の内径を有する穴をバーリング加工によって開け、冷却フィン45を得る。この時、穴の端面は湾曲し、支柱43との接触面51が形成される。次にこのようにして得られた冷却フィン45を所定枚数(図では6枚)支柱43に挿入する。その後、支柱43を圧縮すると接触面51と支柱43が機械的に密接する。
【0049】
この方法によれば、冷却フィン45のピッチ間隔を1.3mmまで小さく、しかも冷却フィンの厚みを0.3mmまで薄くすることができた。その結果、ヒートシンクの放熱面積が拡大し、冷却フィン45の総表面積はダイカスト成形によるものと比べ、2倍にまで増大した。製造コストもダイカスト成形で作製する場合よりも低く抑えることが出来た。
【0050】
次に整流装置40、固定子8および回転子7の結線方法について説明する。図13は、今まで説明してきた正極側ダイオードおよび負極側ダイオードをそれぞれ4個づつ用いる場合の結線図を示している。固定子コイル16は、Y字形に結線された三つのコイルを備えている。このY形三相巻線では、Y結線された中性点を通じてリップル電流成分が正極側ダイオード48aと負極側ダイオード48bからなる3組のダイオードブリッジとその引出し線、そして中性点からの引出し線により出力される。固定子コイル16の各出力端から出力される三相交流電圧はこの3組のダイオードブリッジにより全波整流されている。
【0051】
図14は、ダイオードの別の結線方法を示している。正極側ヒートシンク41aおよび負極側ヒートシンク41bには、ダイオードがそれぞれ3個づつ用いられている。図13に示したY形三相巻線と異なり、整流装置40は中性点からの出力端を有していないが、図13の回路構成と同様に全波整流された出力が得られる。本発明にはどちらの結線方法も用いることができる。
【0052】
実施の形態2
図15は本発明の実施の形態2を説明するための図で、正極側ヒートシンク42aを底面から見た状態を表している。実施の形態1では、正極側ダイオード48aおよび正極側支柱43aが、正極側ベース42aの周方向に沿って同心円上に配置されていた。
【0053】
実施の形態2においては、隣接する正極側ダイオード48aと正極側支柱43aは、最大限距離を保てるように千鳥配列されている。このことによって、隣接するダイオード間の距離が大きくなり、通風抵抗を小さく、そして冷却風量を増大できる。負極側も同様に負極側ダイオード48bと負極側支柱43bが負極側ベース42bの周方向に沿って千鳥配列されている。
【0054】
実施の形態3
図16は本発明の実施の形態2を説明するための図で、正極側ヒートシンク42aをフロント側から見た状態を表している。各々の正極側冷却フィン45aには、バーリング加工による加工穴が2個所設けられており、隣接する2本の正極側支柱43aは一枚の冷却フィンで連絡されている。
【0055】
各々の冷却フィンにはバーリング加工による穴あけの寸法誤差を吸収するために切り込みが設けられている。この切り込みによって、冷却フィンが適度に変形するため、冷却フィン45を支柱43に挿入することが容易になる。その他の構成については、上記実施の形態1と同じ構成である。
【0056】
実施の形態3によれば、一枚の冷却フィン45が複数の支柱43を同時に連絡するように構成しているため、ヒートシンクの共振周波数を大きくすることができ、振動特性が向上する。また、冷却フィンの枚数が減ることにより、冷却フィンを別個に形成する場合と比較して、ヒートシンクの加工コストが低減でき、組立工数も削減できる。
【0057】
実施の形態4
図17は本発明の実施の形態4を説明するための図で、整流装置40の要部を表す断面図である。正極側ディスク型ダイオード48a1は、正極側支柱43aに半田付けにより直接固定されている。この正極側支柱43aは、正極側ベース42aに圧入されているので、両者は強固に結合している。同様に、負極側ディスク型ダイオード48b1は、負極側支柱43bに半田付けにより直接固定されている。この負極側支柱43bは、負極側ベース42bに圧入されているので、両者は強固に結合している。その他の構成については、実施の形態1と同じ構成である。
【0058】
実施の形態4の交流発電機では、支柱43とベース42が別々の部品から構成されていて、ダイオード48(正極側ダイオード48aおよび負極側ダイオード48b)は、ベース42に半田付けされる。このため半田付け性を改善するめっきは支柱43のみに施せばよく、メッキ費用が低減できる。
【0059】
【発明の効果】
本発明に関わる交流発電機は、筐体の外部から供給される動力によって回転可能な回転子と、回転子の周囲に配置されしかも筐体の内側に固定されている固定子と、筐体の内部に固定されるとともに固定子と回転子の相互作用によって発生する交流起電力を整流する整流装置を備えてなり、整流装置は互いに結線された複数の整流素子と、複数の整流素子が主面に固定されているベース部材と、整流素子と対向する位置にベース部材にほぼ垂直に配置された柱状部材と、柱状部材にほぼ垂直に配置されている所定枚数のフィン部材を具備し、フィン部材は柱状部材の軸方向に湾曲し、柱状部材の外周と密接する接触面を有し、柱状部材は回転子と整流装置との間に配置された冷却ファンに対向して設けられた仕切り板を有することにより、支柱部材と冷却フィンを別部品で構成できるとともに、整流装置周辺の通風量を大きくできる。
【0060】
また、ベース部材は円弧形状を有し、整流素子と柱状部材がベース部材の周方向に沿って千鳥配列されていることにより、隣り合うダイオード間の距離を大きくすることが出来る。
【0061】
また、各々のフィン部材は隣接する柱状部材を連絡する部材であって、各々のフィン部材は、切込みを有することにより柱状部材へフィン部材を容易に挿入できる。
【0062】
また、仕切り板の外周部には、冷却ファンによって排出される冷却風を整流装置から遠ざかる側に曲げるようにテーパが設けられていることにより、整流装置を冷却した冷却風が機外に排出される際に、整流装置を通過して排出された高温の冷却風が再度吸気されて冷却性能を低下させることを防止できる。
【0063】
また、柱状部材は、ベース部材に圧入されていることにより、柱状部材とベース部材を別々に加工することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る交流発電機の全体構成を示す断面図である。
【図2】 本発明に係る整流装置を拡大表示した要部断面図である。
【図3】 本発明に係る整流装置の斜視図である。
【図4】 本発明に係る整流装置の正極側ヒートシンクを表す斜視図である。
【図5】 本発明に係る正極側ヒートシンクを底面から見た斜視図である。
【図6】 本発明に係る交流発電機に搭載されるダイオードの形態を示した斜視図である。
【図7】 パッケージ型ダイオードを搭載した整流装置の要部断面図である。
【図8】 パッケージ型ダイオードを搭載した正極側ヒートシンクの主面を表す図である。
【図9】 ディスク型ダイオードを搭載した整流装置の要部断面図である。
【図10】 ディスク型ダイオードを搭載した正極側ヒートシンクの主面を表す図である。
【図11】 正極側ヒートシンクと負極側ヒートシンクが左右に分離されて配置されて状態を説明するための斜視図である。
【図12】 冷却フィンを支柱に取り付ける方法を説明するための図である。
【図13】 交流発電機におけるダイオードと固定子コイルの結線方法を説明するための回路図である。
【図14】 交流発電機におけるダイオードと固定子コイルの結線状態を説明する別の回路図である。
【図15】 本発明の整流装置に係る千鳥配列を説明するための図である。
【図16】 本発明の冷却フィンに係る切り込みを説明するための図である。
【図17】 本発明の実施の形態4に係る整流装置を説明するための要部断面図である。
【図18】 従来の車両用交流発電機の全体構成を示す断面図である。
【図19】 従来の車両用交流発電機に搭載される整流装置を拡大表示した斜視図である。
【図20】 従来の車両用交流発電機に搭載される整流装置の要部断面図である。
【図21】 従来の車両用交流発電機における冷却風の流れを説明するための図である。
【符号の説明】
1 フロントブラケット、 2 リヤブラケット、 3 ケース、 4 プーリ、 5a フロント側冷却ファン、 5b リヤ側冷却ファン、 6 シャフト、 7 回転子、 8 固定子、 9 スリップリング、 10 ブラシ、 11 ブラシホルダ、 13 回転子コイル、 14a フロント側軸受、 14b リヤ側軸受、 15 固定子コア、 16 固定子コイル、 16f フロント側コイルエンド、 16r リヤ側コイルエンド、 17 電圧調整器(レギュレータ)、 18 ヒートシンク、 19・20 ポールコア、 21・22 爪状磁極、 23 仕切り板、 25 整流装置、 26a 正極側ダイオード、 26al 正極側接続端子、 26b 負極側ダイオード、 26bl負極側接続端子、 27a 正極側ヒートシンク、 27b 負極側ヒートシンク、 28a 正極側冷却フィン、 28b 負極側冷却フィン、 29 サーキットボード、 29al サーキットボード接続端子、 40 整流装置、41a 正極側ヒートシンク、 41b 負極側ヒートシンク、 42a 正極側ベース、 42b 負極側ベース、 43a 正極側支柱、 43b 負極側支柱、 44a 正極側障壁、 44b 負極側障壁、 45a 正極側冷却フィン、 45b 負極側冷却フィン、 46 サーキットボード、 47 樹脂、 48a 正極側ダイオード、 48b 負極側ダイオード、 50a 正極側ダイオード、 50b 負極側ダイオード、 51 接触面。
Claims (5)
- 筐体の外部から供給される動力によって回転可能な回転子と、前記回転子の周囲に配置されしかも前記筐体の内側に固定されている固定子と、前記筐体の内部に固定されるとともに前記固定子と前記回転子の相互作用によって発生する交流起電力を整流する整流装置を備えてなり、前記整流装置は互いに結線された複数の整流素子と、前記複数の整流素子が主面に固定されているベース部材と、前記整流素子と対向する位置に前記ベース部材にほぼ垂直に配置された柱状部材と、前記柱状部材にほぼ垂直に配置されている所定枚数のフィン部材を具備し、前記フィン部材は前記柱状部材の軸方向に湾曲し、前記柱状部材の外周と密接する接触面を有し、前記柱状部材は前記回転子と前記整流装置との間に配置された冷却ファンに対向して設けられた仕切り板を有することを特徴とする交流発電機。
- ベース部材は円弧形状を有し、整流素子と柱状部材が前記ベース部材の周方向に沿って千鳥配列されていることを特徴とする請求項1記載の交流発電機。
- 各々のフィン部材は隣接する柱状部材を連絡する部材であって、前記各々のフィン部材は、切込みを有することを特徴とする請求項1記載の交流発電機。
- 仕切り板の外周部には、冷却ファンによって排出される冷却風を整流装置から遠ざかる側に曲げるようにテーパが設けられていることを特徴とする請求項1記載の交流発電機。
- 柱状部材は、ベース部材に圧入されていることを特徴とする請求項1記載の交流発電機。
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