JP3543853B2 - エポキシ樹脂硬化促進剤および硬化エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents
エポキシ樹脂硬化促進剤および硬化エポキシ樹脂の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3543853B2 JP3543853B2 JP30172794A JP30172794A JP3543853B2 JP 3543853 B2 JP3543853 B2 JP 3543853B2 JP 30172794 A JP30172794 A JP 30172794A JP 30172794 A JP30172794 A JP 30172794A JP 3543853 B2 JP3543853 B2 JP 3543853B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- epoxy resin
- curing accelerator
- group
- aralkyl
- curing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
- VBXZSFNZVNDOPB-UHFFFAOYSA-N C1CN=CNC1 Chemical compound C1CN=CNC1 VBXZSFNZVNDOPB-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Epoxy Resins (AREA)
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、エポキシ樹脂の硬化促進剤およびその使用方法に関する。さらに詳しくは、硬化促進剤自身の吸湿性が低いために配合時の防湿対策が少なくてすむなどハンドリング性に優れ、さらに高い硬化速度を与えるエポキシ樹脂硬化促進剤およびその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂組成物の硬化物(以下硬化エポキシ樹脂と称する)は耐熱性、耐湿性、電気特性、接着性などに優れ、さらに配合処方により種々の特性が付与できるため電子部品封止材料、塗料、接着剤など工業材料として広く利用されている。
【0003】
配合の面では、例えば、グリシジルエ−テル型エポキシ樹脂とフェノ−ルノボラック型硬化剤からなるエポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤を添加しないと加熱しても殆ど硬化反応が進行せず、硬化促進剤を添加して加熱すると硬化反応が進行する特性を有する。また硬化促進剤の添加量の調整により反応速度を自由にコントロ−ルすることができる。エポキシ樹脂組成物のように三次元網目の硬化物になるような熱硬化性樹脂において、硬化反応速度をコントロ−ルできることは作業性の面で非常に重要であり、前述の用途においてこの現象を広範囲に応用されている。このような硬化促進剤としては一般的にアミン系またはリン系のものがよく用いられている。
【0004】
アミン系硬化促進剤は、分子構造中に3級アミノ基または2級アミノ基を有し、融点が低く、さらに塩基性の高いものが、エポキシ樹脂の硬化速度が高くなるため、高速硬化を必要とする用途には使い易い(「エポキシ樹脂ハンドブック」、日刊工業新聞社、1987年12月25日発行)。しかし、融点が低いアミン化合物(例えば、室温で液体のアミン系硬化促進剤)をエポキシ樹脂組成物中へ分散させようとすると通常の方法では硬化促進剤が部分的に偏って不均一となり、その結果、硬化後満足な物性が得られなくなる。この改良の目的で以下のような提案がなされている。
【0005】
まず硬化促進剤として1,8−ジアザビシクロ(5、4、0)ウンデセン−7(以下DBUと略記)およびその付加塩が提案されている(特開昭62−81416号公報)。また、DBUとフェノ−ルノボラック樹脂との付加塩も提案されている(特開昭63−12627号公報)。DBUは室温で液体の強塩基化合物であり、酸性のフェノ−ルノボラック樹脂と付加塩を形成することにより化学的に安定した化合物となり、ハンドリング性が向上するとともにエポキシ樹脂組成物中への分散性も向上する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のDBUとフェノ−ルノボラック樹脂との付加塩からなる硬化促進剤は極めて吸湿性が高いため、ベタツキを生じやすく、その結果エポキシ樹脂組成物への配合時に、調製容器、調製器具に付着するというハンドリング性の問題が生じていた。さらに望まないところに硬化促進剤が付着する結果、エポキシ樹脂組成物中への配合量が制御できず、所望の硬化速度が得られない、また得られた硬化エポキシ樹脂の特性が所望のものから外れるという問題が生じていた。
一方、硬化速度が高い硬化促進剤が所望されていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明らは上記の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、アザビシクロ化合物(A)と特定のアラルキル樹脂(B)とからなる付加塩をエポキシ樹脂硬化促進剤として用いることにより上記の課題を解決し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち本発明は、
「一般式 (I)で表されるアザビシクロ化合物(A)と一般式(II)で表される構造単位を有するアラルキル樹脂(B)との付加塩であるエポキシ樹脂硬化促進剤。
【化4】
(ただし、nは2〜10の整数を表す。また、環のメチレン基の炭素原子または水素原子が部分的に他の原子または他の置換基で置換されていてもよい。)
【化5】
(ただし、Ar2はフェノ−ル性ヒドロキシル基を有する2価の芳香族基を表す。また、Ar2およびフェニレン基は有機基またはハロゲン原子によって置換されていても良い。)」およびその使用方法
「(C)エポキシ樹脂および
(D)フェノール系硬化剤またはアミン系硬化剤からなる混合物に対して、
(E)前記のエポキシ樹脂硬化促進剤を混合することを特徴とする硬化エポキシ樹脂の製造方法。」からなる。
【0009】
以下、本発明の構成を詳述する。
【0010】
本発明で使用するアザビシクロ化合物(A)の例としては、合成の容易さ、硬化速度および価格などのバランスの点から前記一般式(I) においてnが3〜5のものが一般的に用いられる。具体的には、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(前述、DBU、式(IV))や1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5(以下DBNと略記、式(V) 、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ(4,4,0)デセン−5(式VI) およびDBUのジメチルアミノ誘導体(式VII)などが挙げられる。
【化6】
【0011】
次に、付加塩のもう一方の成分であるヒドロキシル基を有するアラルキル樹脂(B)は、前述の(II)の構造単位を有する樹脂である。さらに一般式(III) の構造を有するアラルキル樹脂が好ましく用いられる。
【化7】
(ただし、Ar1はフェノ−ル性ヒドロキシル基を有する1価の芳香族基を表し、Ar2は式(II) の説明と同じ。Ar1およびフェニレン基は有機基またはハロゲン原子によって置換されていても良い。mは0以上の整数を表す。)
一般式(III) の構造を有するアラルキル樹脂の重合度としては、一般式(III) におけるmが0〜20の範囲を有するものが好ましく用いられる。一方重合度の指標として、150℃における溶融粘度が0.3〜50ポイズであるものが好ましく用いられる。
【0012】
また式(II) および(III) において記載されているフェニレン基は、全体の50%以上、さらに80%以上がパラ位になっているものが好ましく用いられる。
一般式(III) の構造を有するアラルキル樹脂として好ましい具体例としてはアラルキルエーテルとフェノールとを反応させたフェノールアラルキル樹脂(VIII)またはアラルキルエーテルとα−ナフト−ルとを反応させたα−ナフト−ルアラルキル樹脂(IX)などがあげられる。
【化8】
(ただし、mは0以上の整数を表す。)
【0013】
アラルキル樹脂(B)の製造法としては、アラルキルエ−テルとフェノ−ル類とをフリ−デルクラフツ触媒で反応させるのが一般的であり、例えばα,α´−ジメトキシパラキシレンとフェノ−ルからの縮合重合によって得られる。(プラスティックス,Vol.34,No.2(1983))。具体的には、“ミレックス”XL−225(三井東圧化学(株)製)や“XYLOK”225(アルブライトアンドウイルソン(株)製)などが挙げられる。
【0014】
一般式(III) の構造を有するアラルキル樹脂としては、水酸基当量が130〜250の範囲のものが好ましく用いられ、さらにフェノールアラルキル樹脂を用いる場合、水酸基当量が130〜220のものが好ましく、さらに150〜200のものが好ましく用いられる。一方α−ナフトールアラルキル樹脂を用いる場合には、水酸基当量が190〜250のものが好ましく、さらに190〜230のものが好ましく用いられる。
【0015】
また一般式(III) の構造を有するアラルキル樹脂の軟化点としては、軟化温度が50〜110℃の範囲のもの、さらに60〜90℃のものが好ましく用いられる。
【0016】
本発明においては、アザビシクロ化合物(A)とヒドロキシル基を有するアラルキル樹脂(B)との付加塩からなる硬化促進剤の吸湿率が高いと、硬化促進剤が大気中の水分を吸収してべたつくなどのハンドリング性が悪いだけでなく、水分がエポキシ樹脂組成物中に混入し、硬化時にボイドの生成や硬化不良による硬化エポキシ樹脂の耐熱性低下の原因になる。硬化促進剤の吸湿率はアザビシクロ化合物(A)やアラルキル樹脂(B)のそれぞれの化学構造に依存するが、硬化促進剤中のアザビシクロ化合物(A)の添加割合にも依存する。
【0017】
硬化促進剤中のアザビシクロ化合物(A)の割合が50重量%以下の範囲ではアラルキル樹脂(B)に対するアザビシクロ化合物(A)の量を増す程、硬化促進剤の軟化温度が高くなる。硬化促進剤の軟化温度が高すぎるとエポキシ樹脂の硬化反応時に、エポキシ樹脂組成物中に十分溶解しないため、硬化促進剤の分散が悪くなって硬化反応の促進効果が悪くなり、好ましくない。エポキシ樹脂の硬化反応に悪影響を与えないために、硬化促進剤の軟化点が50〜150℃のものを用いることが好ましい。このように、吸湿率と軟化点のバランスを十分考慮してヒドロキシル基を有するアラルキル樹脂(B)中のアザビシクロ化合物 (A)の割合を決めるのが好ましい。エポキシ樹脂の硬化促進剤として好ましい軟化点すなわち50〜150℃の範囲の硬化促進剤を得るために、硬化促進剤におけるアザビシクロ化合物(A)の含量は0.1〜30重量%、アラルキル樹脂(B)の含有量は99.9〜70重量%の範囲が好ましく使用される。さらに、作業性や経済性の面からはアザビシクロ化合物(A)が3〜15重量%、アラルキル樹脂(B)が97〜85重量%の範囲がより好ましい。
【0018】
本発明の付加塩からなる硬化促進剤の製造法は、アラルキル樹脂を、融点以上、例えば100〜200℃の温度の溶融状態で攪拌しながらアザビシクロ化合物を少量ずつ添加し均一に混合させ、付加塩を形成した後、冷却して得ることができる。さらに必要に応じて粉砕して用いられる。反応温度は200℃を越えると分解による副反応が始まるため好ましくなく、100℃以下ではアラルキル樹脂(B)の粘度が高いため攪拌不能となる恐れがある。より好ましい反応温度は120〜180℃である。
【0019】
本発明の硬化促進剤(E)はエポキシ樹脂(C)と硬化剤(D)が配合された混合物中に添加して用いられ、最終的に硬化エポキシ樹脂が得られる。硬化促進剤(E)の配合量としては、エポキシ樹脂や硬化剤の反応性に応じて適宜調整されるが、エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜15重量部が好ましい。配合量が少ないと硬化不足となりやすく、また、多いと加熱硬化後の硬化物の吸水率が高くなりやすいためである。
【0020】
また、本発明の硬化促進剤(E)の特性を損なわない範囲で他のエポキシ樹脂硬化促進剤2種類以上を併用してもよい。他の硬化促進剤として例えば、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール化合物およびそれらの付加塩、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミンなどの3級アミン化合物およびそれらから得られる付加塩、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボレート、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレートなどの有機ホスフィン化合物があげられる。
【0021】
本発明の硬化促進剤を用いるエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂(C)としてはエポキシ基を有する化合物であれば任意であるが、フェノ−ル性ヒドロキシル基をグリシジルエ−テルに転化したものが好ましく用いられる。具体例としては、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラメチルビフェニル、4、4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラメチル−2−クロロビフェニル、4、4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3、3´,5,5´−テトラエチルビフェニルなどのビフェニル型エポキシ樹脂、1,5−ジ(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレン、1,5−ジ(2,3−エポキシプロポキシ)−7−メチルナフタレン、1,6−ジ(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−ジ(2,3−エポキシプロポキシ)−2−メチルナフタレン、1,6−ジ(2,3−エポキシプロポキシ)−8−メチルナフタレン、1,6−ジ(2,3−エポキシプロポキシ)−4,8−ジメチルナフタレン、2,7−ジ(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンなどのナフタレン型エポキシ樹脂、クレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂、フェノ−ルノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルAやレゾルシンから合成される各種ノボラック型エポキシ樹脂、フェノ−ルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフト−ルアラルキル型エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0022】
また、硬化剤(D)としてはフェノ−ル系硬化剤、アミン系硬化剤など任意であるが、本発明の付加塩がより有効に機能するにはフェノ−ル性ヒドロキシル基を有するフェノール系硬化剤が好ましい。具体例としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2−トリス(ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス(ヒドロキシフェニル)プロパン、ビスフェノ−ルA、ビスフェノールF、ジヒドロキシビフェニル、フェノ−ルアラルキル樹脂、ナフト−ルアラルキル樹脂、ポリヒドロキシスチレンなどが挙げられる。
【0023】
本発明の付加塩を硬化促進剤として用いる場合において、エポキシ樹脂(C)に対する硬化剤(D)の配合当量比(エポキシ樹脂のエポキシ基に対するフェノール系硬化剤のヒドロキシル基のモル)は、0.7〜1.3が好ましく用いられるが、さらに好ましくは0.8〜1.1である。
【0024】
本発明の硬化促進剤を用いるエポキシ樹脂組成物においては必要に応じて、シリカ、アルミナなどの無機充填材、シリコ−ンゴム、ブタジエンゴムなどのゴム成分、ハロゲン化合物、リン化合物などの難燃剤、三酸化アンチモンなどの難燃助剤などを任意に添加することができる。
【0025】
本発明の硬化促進剤を用いたエポキシ樹脂組成物は溶融混練して混合されることが好ましく、たとえばニーダー、ロール、単軸もしくは二軸の押出機およびコニーダーなどの公知の混練方法を用いて溶融混練することによって製造される。混合されたエポキシ樹脂組成物を一般的には熱処理して、硬化エポキシ樹脂が得られる。熱処理の最高到達温度としては120〜250℃、さらに好ましくは150〜210℃の範囲が用いられる。120℃未満であると硬化物の性能が悪く、また250℃を超えると副反応が発生することから好ましくない。
【0026】
このようにして得られる硬化促進剤は、吸湿率が低いためハンドリング時の防湿対策が少なくてすむなどエポキシ樹脂用硬化促進剤として有利である。また、エポキシ樹脂の硬化反応の促進効果も高いため、接着剤、塗料および電子材料などの用途に有効な硬化エポキシ樹脂が得られる。
【0027】
【実施例】
実施例1
2リットルのステンレス容器に、前述の(VIII)の構造を有し150℃の溶融粘度2.3ポイズのフェノ−ルアラルキル樹脂570gを入れ、150℃で溶融させた。次に、溶融したフェノ−ルアラルキル樹脂を良く攪拌しながら、DBU30gを15分かけて滴下して、滴下後さらに15分攪拌を続けた。冷却後、粉砕して42メッシュの篩で分級して付加塩からなる硬化促進剤を得た。硬化促進剤の物性および硬化促進剤の性能を以下の方法で測定した。
軟化点:ミクロ融点測定装置〔柳本製作所(株)製〕を用いて、1分間に5℃の昇温速度で測定した。
吸湿率:30℃、70%RHの恒温恒湿条件で24時間放置後の重量を測定して計算した。
粉砕品回収率:8メッシュの篩を通過しない粒度の硬化促進剤50gを30℃、70%RHの恒温恒湿条件で1時間放置後、長径60mmの金属羽根と2Lのガラス容器からなる粉砕機で1分間粉砕後、同粉砕機に付着せず回収できた重量を測定して、仕込み重量で除した値を回収率とした。回収率が低いものはべたつきが多く、ハンドリング性が悪いものである。
硬化速度:エポキシ樹脂として、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラメチルビフェニル(エポキシ基当量190)を使用し、また硬化剤としてフェノ−ルアラルキル樹脂(ヒドロキシル基当量175)を用いて、エポキシ基に対するヒドロキシル基のモル比が1.0になるように配合した。さらに、硬化促進剤として、付加塩中のアザビシクロ化合物が1重量%になるように添加し、ニーダを用いて溶融混練し、エポキシ樹脂組成物とした。この樹脂組成物の硬化速度(ゲル化に要する時間;ゲルタイム)を175℃の熱板上でJIS5909に準じて測定した。
【0028】
結果を表1に示す。
【0029】
実施例2〜5、比較例1〜2
アザビシクロ化合物とアラルキル樹脂またはノボラック樹脂の種類を変えた場合の付加塩の調製及び各々の物性の測定を実施例1と同様に行なって表1に示した。
【0030】
【表1】
表1に示したように、本発明の付加塩を用いた各実施例は比較例1および比較例2のDBU/フェノ−ルノボラック付加塩と比べて、付加塩自身の吸湿率が低いためハンドリング時の防湿対策が少なくて済みハンドリングが容易であり、コスト面でも有利である。また、エポキシ樹脂の硬化速度でも本発明の付加塩は比較例1および比較例2に示したDBU/フェノ−ルノボラック付加塩より優れている。
【0031】
【発明の効果】
本発明のアザビシクロ化合物とヒドロキシル基を有するアラルキル樹脂からなる付加塩を用いた硬化促進剤は吸湿率が低いためハンドリング性が優れる。また、エポキシ樹脂の硬化反応の促進効果が高い。さらに本発明の硬化促進剤を用いて得られる硬化エポキシ樹脂は、接着剤、塗料、電子材料などの用途に有用である。
Claims (9)
- 軟化温度が50〜150℃であることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂硬化促進剤。
- アラルキル樹脂(B)を示す一般式(III) におけるmが0〜20であることを特徴とする請求項3記載のエポキシ樹脂硬化促進剤。
- アラルキル樹脂(B)の150℃での溶融粘度が0.3〜50ポイズであることを特徴とする請求項3記載のエポキシ樹脂硬化促進剤。
- アザビシクロ化合物(A)の含有量が0.1〜30重量%、アラルキル樹脂(B)の含有量が99.9〜70重量%であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載のエポキシ樹脂硬化促進剤。
- (C)エポキシ樹脂および
(D)フェノール系硬化剤またはアミン系硬化剤からなる混合物に対して、
(E)請求項1〜6いずれかに記載のエポキシ樹脂硬化促進剤を混合することを特徴とする硬化エポキシ樹脂の製造方法。 - (C)エポキシ樹脂
(D)フェノール系硬化剤および
(E)請求項1〜6いずれかに記載のエポキシ樹脂硬化促進剤を混合することを特徴とする硬化エポキシ樹脂の製造方法であって、(C)エポキシ樹脂のエポキシ基に対する(D)フェノール系硬化剤のヒドロキシル基のモル比が0.7〜1.3であり、(C)エポキシ樹脂100重量部に対する(E)エポキシ樹脂硬化促進剤が0.1〜15重量部であることを特徴とする硬化エポキシ樹脂の製造方法。 - (C)エポキシ樹脂、(D)フェノール系硬化剤および(E)エポキシ樹脂硬化促進剤を混合した後、120〜250℃の最高到達温度で熱処理することを特徴とする請求項7または8記載の硬化エポキシ樹脂の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30172794A JP3543853B2 (ja) | 1994-12-06 | 1994-12-06 | エポキシ樹脂硬化促進剤および硬化エポキシ樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30172794A JP3543853B2 (ja) | 1994-12-06 | 1994-12-06 | エポキシ樹脂硬化促進剤および硬化エポキシ樹脂の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08157565A JPH08157565A (ja) | 1996-06-18 |
JP3543853B2 true JP3543853B2 (ja) | 2004-07-21 |
Family
ID=17900438
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30172794A Expired - Lifetime JP3543853B2 (ja) | 1994-12-06 | 1994-12-06 | エポキシ樹脂硬化促進剤および硬化エポキシ樹脂の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3543853B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2638999A (en) | 1998-02-19 | 1999-09-06 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | Novel compounds, hardening accelerator, resin composition, and electronic part device |
KR20080017101A (ko) * | 2005-06-16 | 2008-02-25 | 산아프로 가부시키가이샤 | 에폭시 수지용 경화 촉진제 |
-
1994
- 1994-12-06 JP JP30172794A patent/JP3543853B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08157565A (ja) | 1996-06-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3613724B2 (ja) | リン含有エポキシ樹脂組成物 | |
JP3092009B2 (ja) | 難燃剤及び該難燃剤を含有した熱硬化性難燃性樹脂組成物 | |
US20050139861A9 (en) | Flame-retardant molding compositions | |
KR20160127665A (ko) | 조성물, 에폭시 수지 경화제, 에폭시 수지 조성물, 열경화성 조성물, 경화물, 반도체 장치 및 층간 절연 재료 | |
JPH07138502A (ja) | 粉体塗料組成物 | |
JP4906020B2 (ja) | 含燐フェノール樹脂及び該フェノール樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物 | |
JPH10298405A (ja) | エポキシ樹脂組成物および硬化物複合体 | |
JP4535214B2 (ja) | 難燃性液状エポキシ樹脂組成物 | |
JP2001226464A (ja) | 熱硬化性樹脂組成物 | |
JP3543853B2 (ja) | エポキシ樹脂硬化促進剤および硬化エポキシ樹脂の製造方法 | |
JPS58174416A (ja) | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 | |
JP3650637B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物 | |
JPS60115622A (ja) | エポキシ樹脂系組成物 | |
JP4113289B2 (ja) | 粉体塗料組成物 | |
JPH1017636A (ja) | 難燃性熱硬化性樹脂組成物 | |
JP7295826B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物 | |
JPH1017793A (ja) | エポキシ樹脂系粉体塗料組成物 | |
JP6867894B2 (ja) | 組成物、エポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂組成物、熱硬化性組成物、硬化物、半導体装置、および層間絶縁材料 | |
JPH05206331A (ja) | 半導体封止用樹脂組成物 | |
JPS6335615A (ja) | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 | |
JPH0573126B2 (ja) | ||
JP3413285B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物及びフィルム状接着剤 | |
EP0459591A2 (en) | Epoxy resin composition | |
JPH02258831A (ja) | 封止用樹脂組成物及びその製造方法 | |
JP3543854B2 (ja) | 封止用樹脂組成物及び半導体装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20040128 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040330 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040330 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090416 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100416 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110416 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120416 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140416 Year of fee payment: 10 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |