JP3543733B2 - 燃料電池用リショルム圧縮機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池に圧縮空気を供給するリショルム圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のリショルム圧縮機としては、例えば図11に示す特開平7−233730号公報記載のスクリュ形エアコンプレッサが知られている。
【0003】
これは、エンジン過給用のリショルム圧縮機であって、圧縮機に要求される吐出圧力が低いときは、スプール弁101を開いて、圧縮途中の空気をロータ103の歯溝空間(以下「ロータ歯溝空間」という)105からバイパス通路107を経由して吐出ポート109にバイパスさせ、圧縮機に要求される吐出圧力が高いときは、スプール弁101を閉じて、圧縮空気が吐出ポート109からバイパス通路107を経由してロータ歯溝空間105に逆流することを防止することで、広い圧力域で高い効率を得るようにしたものである。なお、図11中、符号「111」はハウジング、「113」は吸込ポート、「115」は吸気、「117」は吐出空気(圧縮空気)である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のリショルム圧縮機を燃料電池に用いた場合、次のような問題があった。
【0005】
一般に、燃料電池用圧縮機に要求される圧力の領域は、低圧から高圧まで非常に広い。特に高圧側の圧力は、エンジン用の過給圧が80kPaG以下であるのに対し、燃料電池用の過給圧は200kPaGと非常に高く、この時の圧縮空気の温度は最高で200℃以上もの高温になるため、燃料電池用圧縮機は低温から高温まで非常に広い温度域で運転される。ところが、スプール弁101は密閉性が要求されるためにバイパス通路107との隙間が非常に狭くなっているので、燃料電池用圧縮機のように非常に広い温度域で使用された場合、かじりやすく、すなわち、摺動部に引っかき傷が付きやすく、弁作動の信頼性が低下する。
【0006】
また、燃料電池はオイル被毒によって破損するためにスプール弁101をオイルで潤滑することができない。このため、弁作動の信頼性はさらに低下する。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、スプール弁を用いることなく低圧から高圧まで広い圧力域で高い効率を得ることができ、かつ、信頼性の高い運転を行うことができる燃料電池用リショルム圧縮機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するため、らせん状の歯溝が形成され、当該歯溝空間内に流体を取り込んで圧縮するロータと、前記ロータで圧縮された流体を吐出する吐出ポートと、前記吐出ポートと前記ロータの歯溝空間とを連通するバイパス通路とを備えた燃料電池用リショルム圧縮機において、前記吐出ポートに面する前記バイパス通路の出口部を、前記吐出ポートに突き出たパイプ形状とし、当該パイプ形状のバイパス通路出口部の端部外周部に、先端に向かって細くなるテーパを付けたことを要旨とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、上記課題を解決するため、前記ロータの歯溝空間に面するバイパス通路入口を、内部へ向かうほど狭くなるテーパ形状に面取りしたことを要旨とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、上記課題を解決するため、前記ロータの歯溝空間に面するバイパス通路入口を、内部へ向かうほど狭くなるベルマウス形状にしたことを要旨とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、上記課題を解決するため、前記バイパス通路出口部のバイパス通路中心線を、吐出ポート中心線の垂直面に対して前記吐出ポートの下流側に傾けたことを要旨とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、上記課題を解決するため、前記バイパス通路の内部に、前記ロータの歯溝空間から前記吐出ポートへは流れやすく前記吐出ポートから前記ロータの歯溝空間へは流れにくくなる方向に流体ダイオードを設けたことを要旨とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、上記課題を解決するため、前記吐出ポートにおける吐出ポート中心線の垂直面上の断面積を、前記バイパス通路の出口位置で最小とし、前記バイパス通路の出口位置から圧縮空気の流れの上流および下流に向かって大きくしたことを要旨とする。
【0014】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、ロータの歯溝空間内の流体を吐出ポートにバイパスするバイパス通路を備えた燃料電池用リショルム圧縮機において、吐出ポートに面するバイパス通路の出口部を、吐出ポートに突き出たパイプ形状とし、当該パイプ形状のバイパス通路出口部の端部外周部に、先端に向かって細くなるテーパを付けたことで、ロータの歯溝空間からバイパス通路を経由して吐出ポートへバイパスする流体は流れやすく、吐出ポートからバイパス通路を経由してロータの歯溝空間へ逆流する流体は流れにくくなるため、スプール弁を用いることなく低圧から高圧まで広い圧力域で高い効率を得ることができ、かつ、弁体が存在しないため、燃料電池用圧縮機のようにオイルを使用することができずしかも低温から高温まで非常に広い温度域で使用される圧縮機においても、信頼性の高い運転を行うことができる。
【0015】
請求項2記載の本発明によれば、ロータの歯溝空間に面するバイパス通路入口を、内部へ向かうほど狭くなるテーパ形状に面取りしたことで、低吐出圧運転時における効率をより一層向上することができる。
【0016】
請求項3記載の本発明によれば、ロータの歯溝空間に面するバイパス通路入口を、内部へ向かうほど狭くなるベルマウス形状にしたことで、低吐出圧運転時における効率をさらにより一層向上することができる。
【0017】
請求項4記載の本発明によれば、バイパス通路出口部のバイパス通路中心線を、吐出ポート中心線の垂直面に対して吐出ポートの下流側に傾けたことで、高吐出圧運転時における効率をより一層向上することができる。
【0018】
請求項5記載の本発明によれば、バイパス通路の内部に、ロータの歯溝空間から吐出ポートへは流れやすく吐出ポートからロータの歯溝空間へは流れにくくなる方向に流体ダイオードを設けたことで、高吐出圧運転時における効率をより一層向上することができる。
【0019】
請求項6記載の本発明によれば、吐出ポートにおける吐出ポート中心線の垂直面上の断面積を、バイパス通路の出口位置で最小とし、バイパス通路の出口位置から圧縮空気の流れの上流および下流に向かって大きくしたことで、低圧から高圧までの圧力全域でより一層高い効率を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。
【0022】
図1に示すように、リショルム圧縮機のケーシング1には、流体としての空気を吸い込む吸込ポート3と、らせん状の歯溝が形成され、当該歯溝空間7内に吸込ポート3に吸い込まれた空気を取り込んで圧縮するロータ5と、ロータ5で圧縮された空気を吐出する吐出ポート9と、吐出ポート9とロータ5の歯溝空間(ロータ歯溝空間)7とを連通するバイパス通路11とが設けられている。吐出ポート9に面するバイパス通路出口部13は、吐出ポート9に突き出たパイプ形状をしており、その端部の外周部には、先端つまりバイパス通路出口15に向かって細くなるテーパが付けられている。ロータ歯溝空間7に面するバイパス通路入口17は、面に開いた孔である。なお、本実施の形態では、図2の詳細図に示すように、バイパス通路入口17は、面取りされていない。
【0023】
図1において、空気は、ロータ5の回転に伴い、吸込ポート3に吸気19として吸い込まれ、ロータ5で圧縮された後、吐出ポート9から圧縮空気21として吐出される。その際、圧縮機に要求される吐出圧力に応じて、ロータ歯溝空間7内の空気(圧縮途中の空気)の一部がバイパス通路11を通って吐出ポート9にバイパスされる。
【0024】
次に、図3に示す空気の流れの模式図を参照して、バイパス通路出口部13の形状に基づく作用を説明する。なお、図3(A)は、バイパス通路出口部13がテーパ付けられたパイプ形状をしている場合の空気の流れの模式図であり、図3(B)は、比較のために単に面に開いた垂直な孔形状をしている場合の空気の流れの模式図である。
【0025】
まず、圧縮機の吐出圧力つまり吐出ポート9内の圧力がロータ歯溝空間7内の圧力よりも低い場合、ロータ歯溝空間7内の圧縮途中の空気がバイパス通路11を通って圧力の低い吐出ポート9に流れ込むため、これ以上の圧縮は行われない。このため、低い吐出圧力において高い効率が得られる。
【0026】
一方、圧縮機の吐出圧力つまり吐出ポート9内の圧力がロータ歯溝空間7内の圧力よりも高い場合、吐出ポート9内の圧縮空気は、圧力の低いロータ歯溝空間7の方へ逆流しようとする。しかし、吐出ポート9に面するバイパス通路出口部13が、先端に向かって細くなるようにテーパ付けられたパイプ形状をしているため、このようなテーパ付きパイプ形状の場合は、図3(A)に示すように、図3(B)に示す垂直な孔形状の場合の空気の流れに対して、縮流(流れの断面積が狭められる現象)23が発達し、圧力損失が非常に大きくなる。したがって、吐出ポート9からバイパス通路11の方へ逆流する空気は、バイパス通路出口部13の付近で縮流23が発達して流れにくくなる。
【0027】
すなわち、ロータ歯溝空間7から吐出ポート9へ流れるよりも吐出ポート9からロータ歯溝空間7へ逆流する方が、圧力損失が非常に大きくなる。このため、吐出ポート9からロータ歯溝空間7への逆流が抑えられるため、バイパス通路11を弁で閉じるのと同じ効果が得られ、吐出圧力が高いときにおいても高い効率が得られる。
【0028】
この結果、第1の実施の形態に関する効果としては、吐出ポート9に面するバイパス通路出口部13を、吐出ポート9に突き出たパイプ形状とし、当該パイプ形状のバイパス通路出口部13の端部外周部に、先端に向かって細くなるテーパを付けたことで、ロータ歯溝空間7からバイパス通路11を経由して吐出ポート9へバイパスする空気は流れやすく、吐出ポート9からバイパス通路11を経由してロータ歯溝空間7へ逆流する空気は流れにくくなるため、スプール弁を用いることなく低圧から高圧まで広い圧力域で高い効率を得ることができる。同時に、弁体が存在しないため、燃料電池用圧縮機のようにオイルを使用することができずしかも低温から高温まで非常に広い温度域で使用される圧縮機においても、信頼性の高い運転を行うことができる。
【0029】
また、弁体が存在しないため、バルブの切替え音が発生せず低騒音化を図ることができ、また、低コスト化、小型・軽量化を図ることができ、さらに、整備性の向上をも図ることができる。
【0030】
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。なお、第2の実施の形態は、図1に示す第1の実施の形態に対応する燃料電池用リショルム圧縮機と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
【0031】
第2の実施の形態の特徴は、図4に示すように、ロータ歯溝空間7に面するバイパス通路入口17aを、図5の詳細図に示すようなテーパ形状に面取りして(テーパ部25)、バイパス通路11の内部へ向かうほど通路断面積が狭くなるようにしたことにある。
【0032】
このように、バイパス通路入口17aをテーパ形状に面取りした場合、図2に示す第1の実施の形態に対応する面取りなしの形状の場合に比べて、圧力損失係数が約1/2と低くなるので、ロータ歯溝空間7内の空気はバイパス通路11を通って吐出ポート9へさらにバイパスしやすくなる。
【0033】
この結果、第2の実施の形態に関する効果は、上述した第1の実施の形態に関する効果に加えて、バイパス通路入口17aを内部へ向かうほど狭くなるテーパ形状に面取りしたことで、低吐出圧運転時における効率をより一層向上することができる。
【0034】
(第3の実施の形態)
図6は、本発明の第3の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。なお、第3の実施の形態は、図1に示す第1の実施の形態に対応する燃料電池用リショルム圧縮機と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
【0035】
第3の実施の形態の特徴は、図6に示すように、ロータ歯溝空間7に面するバイパス通路入口17bを、図7の詳細図に示すようないわゆるベルマウス形状にして(ベルマウス部27)、バイパス通路11の内部へ向かうほど通路断面積が狭くなるようにしたことにある。
【0036】
このように、バイパス通路入口17bをベルマウス形状にした場合、図2に示す第1の実施の形態に対応する面取りなしの形状の場合に比べて、圧力損失係数が約1/10〜1/100と低くなるので、第2の実施の形態と比べても、ロータ歯溝空間7内の空気はバイパス通路11を通って吐出ポート9へさらにバイパスしやすくなる。
【0037】
この結果、第3の実施の形態に関する効果は、上述した第1の実施の形態に関する効果に加えて、バイパス通路入口17bを内部へ向かうほど狭くなるベルマウス形状にしたことで、低吐出圧運転時における効率をさらにより一層向上することができる。
【0038】
(第4の実施の形態)
図8は、本発明の第4の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。なお、第4の実施の形態は、図1に示す第1の実施の形態に対応する燃料電池用リショルム圧縮機と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
【0039】
第4の実施の形態の特徴は、図8に示すように、バイパス通路出口部15付近のバイパス通路中心線29を吐出ポート中心線31の垂直面33に対して吐出ポート9の下流側に傾けたことにある。
【0040】
この場合、バイパス通路11aの出口15は吐出ポート9内の圧縮空気の流れの下流方向に斜めに開口されているので、バイパス通路11aから吐出ポート9へは流れやすいが、吐出ポート9からバイパス通路11aへの逆流については、吐出ポート9内の圧縮空気の流れが急激につまり鋭角的に曲がらなければバイパス通路11aに流入することができないため、逆流しにくくなる。
【0041】
この結果、第4の実施の形態に関する効果は、上述した第1の実施の形態に関する効果に加えて、バイパス通路出口部13付近のバイパス通路中心線29を吐出ポート中心線31の垂直面33に対して吐出ポート9の下流側に傾け、バイパス通路11aの出口15を吐出ポート9内の圧縮空気の流れの下流方向に斜めに開口したことで、高吐出圧運転時における効率をより一層向上することができる。
【0042】
(第5の実施の形態)
図9は、本発明の第5の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。なお、第5の実施の形態は、図1に示す第1の実施の形態に対応する燃料電池用リショルム圧縮機と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
【0043】
第5の実施の形態の特徴は、図9に示すように、バイパス通路11bの内部に、ロータ歯溝空間7から吐出ポート9へは流れやすく吐出ポート9からロータ歯溝空間7へは流れにくくなる方向に流体ダイオード(流体の逆流に対する抵抗が著しく大きい流路の形状を持つもの)35を設けたことにある。
【0044】
このように、流体ダイオード35を設けた場合、吐出ポート9からロータ歯溝空間7への逆流がより一層起こりにくくなる。
【0045】
この結果、第5の実施の形態に関する効果は、上述した第1の実施の形態に関する効果に加えて、バイパス通路11bの内部に、ロータ歯溝空間7から吐出ポート9へは流れやすく吐出ポート9からロータ歯溝空間7へは流れにくくなる方向に流体ダイオード35を設けたことで、高吐出圧運転時における効率をより一層向上することができる。
【0046】
(第6の実施の形態)
図10は、本発明の第6の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。なお、第6の実施の形態は、図1に示す第1の実施の形態に対応する燃料電池用リショルム圧縮機と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
【0047】
第6の実施の形態の特徴は、図10に示すように、吐出ポート9aにおける吐出ポート中心線37の垂直面上の断面積を、バイパス通路11の出口15位置で最小とし、バイパス通路11の出口15位置から圧縮空気の流れの上流および下流に向かって徐々に大きくしたことにある。
【0048】
このように、吐出ポート9a内の断面積を変化させた場合、吐出ポート9a内を流れる圧縮空気はバイパス通路出口15付近で流速が最も速くなるため、バイパス通路出口15付近で静圧が最も低くなる。このため、吐出圧力が比較的低い場合は、ロータ歯溝空間7内の空気は積極的に吐出ポート9aへバイパスされるが、吐出圧力が比較的高い場合は、吐出ポート9a内の空気はロータ歯溝空間7へ逆流しにくくなる。
【0049】
この結果、第6の実施の形態に関する効果は、上述した第1の実施の形態に関する効果に加えて、吐出ポート9aにおける吐出ポート中心線37の垂直面上の断面積を、バイパス通路11の出口15位置で最小とし、バイパス通路11の出口15位置から圧縮空気の流れの上流および下流に向かって徐々に大きくしたことで、低圧から高圧までの圧力全域でより一層高い効率を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。
【図2】第1の実施の形態の燃料電池用リショルム圧縮機のバイパス通路入口の詳細図である。
【図3】バイパス通路出口部の形状に基づく作用を説明するための空気の流れの模式図であって、同図(A)は、バイパス通路出口部がテーパ付けられたパイプ形状をしている場合を示し、同図(B)は、比較のために単に面に開いた垂直な孔形状をしている場合を示している。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。
【図5】第2の実施の形態の燃料電池用リショルム圧縮機のバイパス通路入口の詳細図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。
【図7】第3の実施の形態の燃料電池用リショルム圧縮機のバイパス通路入口の詳細図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。
【図11】従来のリショルム圧縮機を示す図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
3 吸込ポート
5 ロータ
7 歯溝空間
9,9a 吐出ポート
11,11a,11b バイパス通路
13 バイパス通路出口部
15 バイパス通路出口
17,17a,17b バイパス通路入口
35 流体ダイオード
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池に圧縮空気を供給するリショルム圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のリショルム圧縮機としては、例えば図11に示す特開平7−233730号公報記載のスクリュ形エアコンプレッサが知られている。
【0003】
これは、エンジン過給用のリショルム圧縮機であって、圧縮機に要求される吐出圧力が低いときは、スプール弁101を開いて、圧縮途中の空気をロータ103の歯溝空間(以下「ロータ歯溝空間」という)105からバイパス通路107を経由して吐出ポート109にバイパスさせ、圧縮機に要求される吐出圧力が高いときは、スプール弁101を閉じて、圧縮空気が吐出ポート109からバイパス通路107を経由してロータ歯溝空間105に逆流することを防止することで、広い圧力域で高い効率を得るようにしたものである。なお、図11中、符号「111」はハウジング、「113」は吸込ポート、「115」は吸気、「117」は吐出空気(圧縮空気)である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のリショルム圧縮機を燃料電池に用いた場合、次のような問題があった。
【0005】
一般に、燃料電池用圧縮機に要求される圧力の領域は、低圧から高圧まで非常に広い。特に高圧側の圧力は、エンジン用の過給圧が80kPaG以下であるのに対し、燃料電池用の過給圧は200kPaGと非常に高く、この時の圧縮空気の温度は最高で200℃以上もの高温になるため、燃料電池用圧縮機は低温から高温まで非常に広い温度域で運転される。ところが、スプール弁101は密閉性が要求されるためにバイパス通路107との隙間が非常に狭くなっているので、燃料電池用圧縮機のように非常に広い温度域で使用された場合、かじりやすく、すなわち、摺動部に引っかき傷が付きやすく、弁作動の信頼性が低下する。
【0006】
また、燃料電池はオイル被毒によって破損するためにスプール弁101をオイルで潤滑することができない。このため、弁作動の信頼性はさらに低下する。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、スプール弁を用いることなく低圧から高圧まで広い圧力域で高い効率を得ることができ、かつ、信頼性の高い運転を行うことができる燃料電池用リショルム圧縮機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するため、らせん状の歯溝が形成され、当該歯溝空間内に流体を取り込んで圧縮するロータと、前記ロータで圧縮された流体を吐出する吐出ポートと、前記吐出ポートと前記ロータの歯溝空間とを連通するバイパス通路とを備えた燃料電池用リショルム圧縮機において、前記吐出ポートに面する前記バイパス通路の出口部を、前記吐出ポートに突き出たパイプ形状とし、当該パイプ形状のバイパス通路出口部の端部外周部に、先端に向かって細くなるテーパを付けたことを要旨とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、上記課題を解決するため、前記ロータの歯溝空間に面するバイパス通路入口を、内部へ向かうほど狭くなるテーパ形状に面取りしたことを要旨とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、上記課題を解決するため、前記ロータの歯溝空間に面するバイパス通路入口を、内部へ向かうほど狭くなるベルマウス形状にしたことを要旨とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、上記課題を解決するため、前記バイパス通路出口部のバイパス通路中心線を、吐出ポート中心線の垂直面に対して前記吐出ポートの下流側に傾けたことを要旨とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、上記課題を解決するため、前記バイパス通路の内部に、前記ロータの歯溝空間から前記吐出ポートへは流れやすく前記吐出ポートから前記ロータの歯溝空間へは流れにくくなる方向に流体ダイオードを設けたことを要旨とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、上記課題を解決するため、前記吐出ポートにおける吐出ポート中心線の垂直面上の断面積を、前記バイパス通路の出口位置で最小とし、前記バイパス通路の出口位置から圧縮空気の流れの上流および下流に向かって大きくしたことを要旨とする。
【0014】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、ロータの歯溝空間内の流体を吐出ポートにバイパスするバイパス通路を備えた燃料電池用リショルム圧縮機において、吐出ポートに面するバイパス通路の出口部を、吐出ポートに突き出たパイプ形状とし、当該パイプ形状のバイパス通路出口部の端部外周部に、先端に向かって細くなるテーパを付けたことで、ロータの歯溝空間からバイパス通路を経由して吐出ポートへバイパスする流体は流れやすく、吐出ポートからバイパス通路を経由してロータの歯溝空間へ逆流する流体は流れにくくなるため、スプール弁を用いることなく低圧から高圧まで広い圧力域で高い効率を得ることができ、かつ、弁体が存在しないため、燃料電池用圧縮機のようにオイルを使用することができずしかも低温から高温まで非常に広い温度域で使用される圧縮機においても、信頼性の高い運転を行うことができる。
【0015】
請求項2記載の本発明によれば、ロータの歯溝空間に面するバイパス通路入口を、内部へ向かうほど狭くなるテーパ形状に面取りしたことで、低吐出圧運転時における効率をより一層向上することができる。
【0016】
請求項3記載の本発明によれば、ロータの歯溝空間に面するバイパス通路入口を、内部へ向かうほど狭くなるベルマウス形状にしたことで、低吐出圧運転時における効率をさらにより一層向上することができる。
【0017】
請求項4記載の本発明によれば、バイパス通路出口部のバイパス通路中心線を、吐出ポート中心線の垂直面に対して吐出ポートの下流側に傾けたことで、高吐出圧運転時における効率をより一層向上することができる。
【0018】
請求項5記載の本発明によれば、バイパス通路の内部に、ロータの歯溝空間から吐出ポートへは流れやすく吐出ポートからロータの歯溝空間へは流れにくくなる方向に流体ダイオードを設けたことで、高吐出圧運転時における効率をより一層向上することができる。
【0019】
請求項6記載の本発明によれば、吐出ポートにおける吐出ポート中心線の垂直面上の断面積を、バイパス通路の出口位置で最小とし、バイパス通路の出口位置から圧縮空気の流れの上流および下流に向かって大きくしたことで、低圧から高圧までの圧力全域でより一層高い効率を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。
【0022】
図1に示すように、リショルム圧縮機のケーシング1には、流体としての空気を吸い込む吸込ポート3と、らせん状の歯溝が形成され、当該歯溝空間7内に吸込ポート3に吸い込まれた空気を取り込んで圧縮するロータ5と、ロータ5で圧縮された空気を吐出する吐出ポート9と、吐出ポート9とロータ5の歯溝空間(ロータ歯溝空間)7とを連通するバイパス通路11とが設けられている。吐出ポート9に面するバイパス通路出口部13は、吐出ポート9に突き出たパイプ形状をしており、その端部の外周部には、先端つまりバイパス通路出口15に向かって細くなるテーパが付けられている。ロータ歯溝空間7に面するバイパス通路入口17は、面に開いた孔である。なお、本実施の形態では、図2の詳細図に示すように、バイパス通路入口17は、面取りされていない。
【0023】
図1において、空気は、ロータ5の回転に伴い、吸込ポート3に吸気19として吸い込まれ、ロータ5で圧縮された後、吐出ポート9から圧縮空気21として吐出される。その際、圧縮機に要求される吐出圧力に応じて、ロータ歯溝空間7内の空気(圧縮途中の空気)の一部がバイパス通路11を通って吐出ポート9にバイパスされる。
【0024】
次に、図3に示す空気の流れの模式図を参照して、バイパス通路出口部13の形状に基づく作用を説明する。なお、図3(A)は、バイパス通路出口部13がテーパ付けられたパイプ形状をしている場合の空気の流れの模式図であり、図3(B)は、比較のために単に面に開いた垂直な孔形状をしている場合の空気の流れの模式図である。
【0025】
まず、圧縮機の吐出圧力つまり吐出ポート9内の圧力がロータ歯溝空間7内の圧力よりも低い場合、ロータ歯溝空間7内の圧縮途中の空気がバイパス通路11を通って圧力の低い吐出ポート9に流れ込むため、これ以上の圧縮は行われない。このため、低い吐出圧力において高い効率が得られる。
【0026】
一方、圧縮機の吐出圧力つまり吐出ポート9内の圧力がロータ歯溝空間7内の圧力よりも高い場合、吐出ポート9内の圧縮空気は、圧力の低いロータ歯溝空間7の方へ逆流しようとする。しかし、吐出ポート9に面するバイパス通路出口部13が、先端に向かって細くなるようにテーパ付けられたパイプ形状をしているため、このようなテーパ付きパイプ形状の場合は、図3(A)に示すように、図3(B)に示す垂直な孔形状の場合の空気の流れに対して、縮流(流れの断面積が狭められる現象)23が発達し、圧力損失が非常に大きくなる。したがって、吐出ポート9からバイパス通路11の方へ逆流する空気は、バイパス通路出口部13の付近で縮流23が発達して流れにくくなる。
【0027】
すなわち、ロータ歯溝空間7から吐出ポート9へ流れるよりも吐出ポート9からロータ歯溝空間7へ逆流する方が、圧力損失が非常に大きくなる。このため、吐出ポート9からロータ歯溝空間7への逆流が抑えられるため、バイパス通路11を弁で閉じるのと同じ効果が得られ、吐出圧力が高いときにおいても高い効率が得られる。
【0028】
この結果、第1の実施の形態に関する効果としては、吐出ポート9に面するバイパス通路出口部13を、吐出ポート9に突き出たパイプ形状とし、当該パイプ形状のバイパス通路出口部13の端部外周部に、先端に向かって細くなるテーパを付けたことで、ロータ歯溝空間7からバイパス通路11を経由して吐出ポート9へバイパスする空気は流れやすく、吐出ポート9からバイパス通路11を経由してロータ歯溝空間7へ逆流する空気は流れにくくなるため、スプール弁を用いることなく低圧から高圧まで広い圧力域で高い効率を得ることができる。同時に、弁体が存在しないため、燃料電池用圧縮機のようにオイルを使用することができずしかも低温から高温まで非常に広い温度域で使用される圧縮機においても、信頼性の高い運転を行うことができる。
【0029】
また、弁体が存在しないため、バルブの切替え音が発生せず低騒音化を図ることができ、また、低コスト化、小型・軽量化を図ることができ、さらに、整備性の向上をも図ることができる。
【0030】
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。なお、第2の実施の形態は、図1に示す第1の実施の形態に対応する燃料電池用リショルム圧縮機と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
【0031】
第2の実施の形態の特徴は、図4に示すように、ロータ歯溝空間7に面するバイパス通路入口17aを、図5の詳細図に示すようなテーパ形状に面取りして(テーパ部25)、バイパス通路11の内部へ向かうほど通路断面積が狭くなるようにしたことにある。
【0032】
このように、バイパス通路入口17aをテーパ形状に面取りした場合、図2に示す第1の実施の形態に対応する面取りなしの形状の場合に比べて、圧力損失係数が約1/2と低くなるので、ロータ歯溝空間7内の空気はバイパス通路11を通って吐出ポート9へさらにバイパスしやすくなる。
【0033】
この結果、第2の実施の形態に関する効果は、上述した第1の実施の形態に関する効果に加えて、バイパス通路入口17aを内部へ向かうほど狭くなるテーパ形状に面取りしたことで、低吐出圧運転時における効率をより一層向上することができる。
【0034】
(第3の実施の形態)
図6は、本発明の第3の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。なお、第3の実施の形態は、図1に示す第1の実施の形態に対応する燃料電池用リショルム圧縮機と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
【0035】
第3の実施の形態の特徴は、図6に示すように、ロータ歯溝空間7に面するバイパス通路入口17bを、図7の詳細図に示すようないわゆるベルマウス形状にして(ベルマウス部27)、バイパス通路11の内部へ向かうほど通路断面積が狭くなるようにしたことにある。
【0036】
このように、バイパス通路入口17bをベルマウス形状にした場合、図2に示す第1の実施の形態に対応する面取りなしの形状の場合に比べて、圧力損失係数が約1/10〜1/100と低くなるので、第2の実施の形態と比べても、ロータ歯溝空間7内の空気はバイパス通路11を通って吐出ポート9へさらにバイパスしやすくなる。
【0037】
この結果、第3の実施の形態に関する効果は、上述した第1の実施の形態に関する効果に加えて、バイパス通路入口17bを内部へ向かうほど狭くなるベルマウス形状にしたことで、低吐出圧運転時における効率をさらにより一層向上することができる。
【0038】
(第4の実施の形態)
図8は、本発明の第4の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。なお、第4の実施の形態は、図1に示す第1の実施の形態に対応する燃料電池用リショルム圧縮機と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
【0039】
第4の実施の形態の特徴は、図8に示すように、バイパス通路出口部15付近のバイパス通路中心線29を吐出ポート中心線31の垂直面33に対して吐出ポート9の下流側に傾けたことにある。
【0040】
この場合、バイパス通路11aの出口15は吐出ポート9内の圧縮空気の流れの下流方向に斜めに開口されているので、バイパス通路11aから吐出ポート9へは流れやすいが、吐出ポート9からバイパス通路11aへの逆流については、吐出ポート9内の圧縮空気の流れが急激につまり鋭角的に曲がらなければバイパス通路11aに流入することができないため、逆流しにくくなる。
【0041】
この結果、第4の実施の形態に関する効果は、上述した第1の実施の形態に関する効果に加えて、バイパス通路出口部13付近のバイパス通路中心線29を吐出ポート中心線31の垂直面33に対して吐出ポート9の下流側に傾け、バイパス通路11aの出口15を吐出ポート9内の圧縮空気の流れの下流方向に斜めに開口したことで、高吐出圧運転時における効率をより一層向上することができる。
【0042】
(第5の実施の形態)
図9は、本発明の第5の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。なお、第5の実施の形態は、図1に示す第1の実施の形態に対応する燃料電池用リショルム圧縮機と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
【0043】
第5の実施の形態の特徴は、図9に示すように、バイパス通路11bの内部に、ロータ歯溝空間7から吐出ポート9へは流れやすく吐出ポート9からロータ歯溝空間7へは流れにくくなる方向に流体ダイオード(流体の逆流に対する抵抗が著しく大きい流路の形状を持つもの)35を設けたことにある。
【0044】
このように、流体ダイオード35を設けた場合、吐出ポート9からロータ歯溝空間7への逆流がより一層起こりにくくなる。
【0045】
この結果、第5の実施の形態に関する効果は、上述した第1の実施の形態に関する効果に加えて、バイパス通路11bの内部に、ロータ歯溝空間7から吐出ポート9へは流れやすく吐出ポート9からロータ歯溝空間7へは流れにくくなる方向に流体ダイオード35を設けたことで、高吐出圧運転時における効率をより一層向上することができる。
【0046】
(第6の実施の形態)
図10は、本発明の第6の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。なお、第6の実施の形態は、図1に示す第1の実施の形態に対応する燃料電池用リショルム圧縮機と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
【0047】
第6の実施の形態の特徴は、図10に示すように、吐出ポート9aにおける吐出ポート中心線37の垂直面上の断面積を、バイパス通路11の出口15位置で最小とし、バイパス通路11の出口15位置から圧縮空気の流れの上流および下流に向かって徐々に大きくしたことにある。
【0048】
このように、吐出ポート9a内の断面積を変化させた場合、吐出ポート9a内を流れる圧縮空気はバイパス通路出口15付近で流速が最も速くなるため、バイパス通路出口15付近で静圧が最も低くなる。このため、吐出圧力が比較的低い場合は、ロータ歯溝空間7内の空気は積極的に吐出ポート9aへバイパスされるが、吐出圧力が比較的高い場合は、吐出ポート9a内の空気はロータ歯溝空間7へ逆流しにくくなる。
【0049】
この結果、第6の実施の形態に関する効果は、上述した第1の実施の形態に関する効果に加えて、吐出ポート9aにおける吐出ポート中心線37の垂直面上の断面積を、バイパス通路11の出口15位置で最小とし、バイパス通路11の出口15位置から圧縮空気の流れの上流および下流に向かって徐々に大きくしたことで、低圧から高圧までの圧力全域でより一層高い効率を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。
【図2】第1の実施の形態の燃料電池用リショルム圧縮機のバイパス通路入口の詳細図である。
【図3】バイパス通路出口部の形状に基づく作用を説明するための空気の流れの模式図であって、同図(A)は、バイパス通路出口部がテーパ付けられたパイプ形状をしている場合を示し、同図(B)は、比較のために単に面に開いた垂直な孔形状をしている場合を示している。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。
【図5】第2の実施の形態の燃料電池用リショルム圧縮機のバイパス通路入口の詳細図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。
【図7】第3の実施の形態の燃料電池用リショルム圧縮機のバイパス通路入口の詳細図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態に係る燃料電池用リショルム圧縮機を示す図である。
【図11】従来のリショルム圧縮機を示す図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
3 吸込ポート
5 ロータ
7 歯溝空間
9,9a 吐出ポート
11,11a,11b バイパス通路
13 バイパス通路出口部
15 バイパス通路出口
17,17a,17b バイパス通路入口
35 流体ダイオード
Claims (6)
- らせん状の歯溝が形成され、当該歯溝空間内に流体を取り込んで圧縮するロータと、
前記ロータで圧縮された流体を吐出する吐出ポートと、
前記吐出ポートと前記ロータの歯溝空間とを連通するバイパス通路とを備えた燃料電池用リショルム圧縮機において、
前記吐出ポートに面する前記バイパス通路の出口部を、前記吐出ポートに突き出たパイプ形状とし、当該パイプ形状のバイパス通路出口部の端部外周部に、先端に向かって細くなるテーパを付けたことを特徴とする燃料電池用リショルム圧縮機。 - 前記ロータの歯溝空間に面するバイパス通路入口を、内部へ向かうほど狭くなるテーパ形状に面取りしたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池用リショルム圧縮機。
- 前記ロータの歯溝空間に面するバイパス通路入口を、内部へ向かうほど狭くなるベルマウス形状にしたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池用リショルム圧縮機。
- 前記バイパス通路出口部のバイパス通路中心線を、吐出ポート中心線の垂直面に対して前記吐出ポートの下流側に傾けたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池用リショルム圧縮機。
- 前記バイパス通路の内部に、前記ロータの歯溝空間から前記吐出ポートへは流れやすく前記吐出ポートから前記ロータの歯溝空間へは流れにくくなる方向に流体ダイオードを設けたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池用リショルム圧縮機。
- 前記吐出ポートにおける吐出ポート中心線の垂直面上の断面積を、前記バイパス通路の出口位置で最小とし、前記バイパス通路の出口位置から圧縮空気の流れの上流および下流に向かって大きくしたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池用リショルム圧縮機。
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