JP3543550B2 - 塩素の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩素の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、塩化水素を酸化して塩素を製造するにあたり、活性が高く、また含有されるルテニウム当たりの活性の高い触媒を使用し、より少量の触媒でより低い反応温度で塩素を製造し得る塩素の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
塩素は塩化ビニル、ホスゲンなどの原料として有用であり、塩化水素の酸化によって得られることもよく知られている。例えば、Cu系触媒を用いたDeacon反応がよく知られている。また、例えば、西ドイツ国特許第1,567,788号公報には、ルテニウム化合物を含む触媒を用いて塩化水素を酸化する方法が記載されていて、更に、ルテニウム化合物の中でも、特に塩化ルテニウム(III) が有効であるとも記載されている。また、ルテニウム化合物を担体に担持して用いる方法も記載されており、担体として、シリカゲル、アルミナ、軽石、セラミック材料が例示されている。そして、実施例として、シリカに担持した塩化ルテニウム触媒があげられている。しかしながら、該特許で述べられているシリカ担持塩化ルテニウム(III) 触媒の調製法を追試して調製した触媒を用いて、実験を行ったところ、触媒成分であるルテニウム化合物の揮散が激しく、工業的な使用には不都合であった。例えば、ヨーロッパ特許EP0184413A2には酸化クロム触媒を用いて塩化水素を酸化する方法が記載されている。しかしながら、従来知られている方法では触媒の活性が不十分で、高い反応温度が必要であるという問題があった。
【0003】
触媒の活性が低い場合には、反応温度をより高くする必要があるが、塩化水素を酸素によって酸化して塩素を製造する反応は平衡反応であり、反応温度が高い場合、平衡的に不利となり、塩化水素の平衡転化率が下がる。よって、触媒が高活性であれば、反応温度を下げることができるので、反応は平衡的に有利になり、より高い塩化水素の転化率を得ることができる。また、高温の場合は、触媒成分の揮散による活性低下を招く恐れもあった。
【0004】
工業的には、触媒の活性が高いことと、触媒に含有される単位ルテニウム重量当りの活性の高いことの両方が要求される。触媒に含有される単位ルテニウム重量当りの活性が高い事によって、触媒に含有されるルテニウムの量を少なくできるので触媒コスト的には有利になる。活性の高い触媒を用い、より低温で反応を行うことによって平衡的により有利な反応条件を選ぶことができる。また、触媒の安定性の面でもより低温で反応を行うことが好ましい。
【0005】
これらの点からも高活性で、低温で使用できる触媒の開発が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、塩化水素を酸化して塩素を製造するにあたり、活性が高く、また含有されるルテニウム当たりの活性の高い触媒を使用し、より少量の触媒でより低い反応温度で塩素を製造し得る塩素の製造方法を提供する点に存するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記したような問題点がない触媒を利用した塩素の製造方法について鋭意検討を重ねた結果、ルテニウムを含有してなる特定の触媒を塩素の製造に使用すると、触媒活性が高く、また含有されるルテニウム当たりの活性も高く、より少量の触媒でより低い反応温度で塩素を製造できることを見出し本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち本発明は、下記(A)〜(B)から選ばれる少なくとも一種の触媒の存在下、塩化水素を酸素によって酸化する塩素の製造方法に係るものである。
(A):担体が、酸化チタン、酸化ジルコニウムの少なくとも1つの化合物を含む担体であって、ルテニウムと担体の重量比が0.5〜20重量%である担持塩化ルテニウム触媒
(B):ルテニウムカルボニル錯体、ルテニウム有機酸塩、ルテニウムニトロシル錯体、ルテニウムアンミン錯体、ルテニウムアンミン錯体の塩化物、ルテニウム有機アミン錯体、ルテニウムアセチルアセトナート錯体からなる群から選ばれる少なくとも一種のルテニウム化合物を担体に担持した触媒であって、ルテニウムと担体の重量比が0.5〜20重量%である触媒
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられるルテニウム触媒とは、塩化ルテニウム又はルテニウム化合物を含有する担持触媒であって(A)及び(B)からなる群から選ばれる少なくとも1つの触媒である。
【0010】
本発明においては、触媒(A)における担持塩化ルテニウム触媒とは、塩化ルテニウムを担体に担持した触媒である。
【0011】
塩化ルテニウムとしては、通常、塩化ルテニウム(III)水和物が用いられる。また、塩化ルテニウム(IV)水和物を用いた場合、不安定なため触媒調製中に分解されることがある。すなわち、本発明において担体に担持される塩化ルテニウムとしては、塩化ルテニウム(III)、塩化ルテニウム(III)水和物、塩化ルテニウム(III)水和物を加水分解して得られた化合物、塩化ルテニウム(IV)水和物、塩化ルテニウム(IV)水和物が分解して生成したルテニウム化合物があげられる。
【0012】
本発明における触媒(A)は、担持塩化ルテニウム触媒の担体に、酸化チタン、酸化ジルコニウムのうちの少なくとも一種を含む担体を用いることが重要である。酸化チタン、酸化ジルコニウムのうちの少なくとも一種の担体とは、酸化チタン担体、酸化ジルコニウム担体、あるいはこれらの担体の混合物、あるいはこれらの担体とアルミナ、シリカ等これら以外の担体との混合物のことである。以上の担体を用いることにより、高活性な担持塩化ルテニウム触媒を得ることができる。好ましい担体は、酸化チタンを含む担体であり、更に好ましい担体は酸化チタンである。ルテニウムと担体の重量比は0.5〜20重量%であり、好ましくは1〜8重量%であり、さらに好ましくは1〜6重量%である。
【0013】
ルテニウムの比率が高すぎると触媒の価格が高くなり、ルテニウムの比率が低すぎると触媒の活性は低くなる。
【0014】
調製方法としては、例えば、RuCl3・nH2Oの水溶液あるいは塩酸溶液を担体に含浸させた後、減圧あるいは窒素気流下あるいは空気中で、乾燥する方法があげられる。
【0015】
なお、ルテニウム以外の第三成分を添加することにより触媒活性を向上させることもできる。第三成分としてはチタン化合物、ジルコニウム化合物、パラジウム化合物などのルテニウム以外の貴金属化合物、希土類化合物、銅化合物、クロム化合物、ニッケル化合物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、マンガン化合物、タンタル化合物、スズ化合物、バナジウム化合物などがあげられる。
【0016】
第三成分としては、塩化チタン、塩化ジルコニウム、塩化パラジウムなどのルテニウム以外の貴金属塩化物、塩化銅、塩化クロム、塩化マンガン、塩化タンタル、塩化スズ、塩化ニッケルなどが好ましく、より好ましくは塩化チタンである。
【0017】
第三成分の添加量は、担体に対する比率として通常0.1〜10重量%である。第三成分を添加する方法としては、例えば、TiCl4の水溶液あるいは塩酸溶液にRuCl3・nH2Oの水溶液あるいは塩酸溶液を混合して得た溶液を担体に含浸させた後、減圧あるいは窒素気流下あるいは空気中で、乾燥する方法があげられる。塩化ルテニウムと塩化チタンの混合比率はルテニウムに対するチタンのモル比として好ましくは100対1ないし100対10があげられる。
【0018】
担持触媒の乾燥は、温度が高すぎると塩化ルテニウムの揮散が起きるため、減圧下では30℃〜200℃、窒素中では60℃〜400℃程度が好ましい。また、空気中では60℃〜250℃程度が好ましい。乾燥時間は30分〜5時間程度が好ましい。
【0019】
本発明における触媒(B)はRu(CO)5、Ru3(CO)12などのルテニウムカルボニル錯体、[Ru3O(OCOCH3)6(H2O)3] OCOCH3水和物、Ru2(RCOO)4Cl(R=炭素数1−3のアルキル基)などのルテニウム有機酸塩、K2〔RuCl5NO)〕、〔Ru(NH3)5(NO)〕Cl3、〔Ru(OH)(NH3)4(NO)〕(NO3)2、 Ru(NO)(NO3)3などのルテニウムニトロシル錯体、〔Ru(NH3)6〕2+、〔Ru(NH3)6〕3+、〔Ru(NH3)5H2O〕2+などのルテニウムアンミン錯体、〔Ru(NH3)5Cl〕2+、〔Ru(NH3)6〕Cl2、〔Ru(NH3)6〕Cl3などのルテニウムアンミン錯体の塩化物、ルテニウム有機アミン錯体、ルテニウムアセチルアセトナート錯体、からなる群から選ばれる少なくとも一種のルテニウム化合物をアルミナ、シリカ、シリカアルミナ、ゼオライト、ケイソウ土あるいは酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化バナジウムなどの元素の酸化物及び複合酸化物などの担体に担持して調製した触媒などがあげられる。また、これらの担体は二種類以上を混合して使用してもよい。ルテニウム化合物としては、ルテニウムカルボニル錯体、ルテニウム酢酸塩、ルテニウムニトロシル錯体が好ましく、より好ましくは、ルテニウムカルボニル錯体、ルテニウム酢酸塩である。担体としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、アルミナ、シリカ、チタン複合酸化物、ジルコニウム複合酸化物、アルミニウム複合酸化物が好ましく使用され、酸化チタンがより好ましく使用される。
【0020】
ルテニウムと担体の重量比は0.5〜20重量%であり、好ましくは、1〜8重量%であり、更に好ましくは、1〜6重量%である。
【0021】
担持方法としては、含浸法、イオン交換法、沈殿担持法、共沈法、混合法などがあげられるが、好ましくは含浸法、イオン交換法である。
【0022】
含浸法としては、例えば、ルテニウム化合物を溶解せしめた溶液に担体を懸濁させ、溶媒を蒸発せしめ、乾燥することにより製造する方法があげられる。溶媒としては水、メタノール、有機溶媒などがあげられる。
【0023】
担持触媒の乾燥は、温度が高すぎるとルテニウム化合物の揮散が起きるため、減圧下では30℃〜200℃、窒素中では60℃〜400℃程度が好ましい。また、空気中ではルテニウム化合物が酸素により酸化分解されない温度が一般的である。乾燥時間は30分〜5時間程度が好ましい。
【0040】
本発明は、上記の触媒を用いて、気相流通反応で塩化水素を酸素で酸化して塩素を製造する方法を開示するものである。
【0041】
固定床で触媒を用いる場合には、通常、工業的な大型の装置に触媒を充填して反応を行うため、触媒は成形されていることが好ましい。また、上記の触媒は、流動層でも使用することができる。本発明の触媒は、固定床反応器、流動層反応器、漕型反応器などの反応器で使用できる。
【0042】
本発明は、上記の触媒を用いて、塩化水素を酸素により酸化することにより塩素を製造するものである。塩素を製造するにあたり、反応方式としては固定床又は流動層等の流通方式があげられ、固定床気相流通方式、気相流動層流通方式などの気相反応が好ましく採用される。固定床式は反応ガスと触媒の分離が不要であり、原料ガスと触媒の接触を十分行うことができるので高転化率を達成することができるなどの利点がある。また、流動層方式は反応器内の除熱を十分に行うことができ、反応器内の温度分布幅を小さくできる利点がある。
【0043】
反応温度は、高温の場合、高酸化状態のルテニウムの揮散が生じるのでより低い温度で反応することが好ましいが、100〜500℃が好ましく、より好ましくは200〜380℃である。反応圧は、大気圧〜50気圧程度が好ましい。酸素原料としては、空気をそのまま使用してもよいし、純酸素を使用してもよいが、より好ましくは不活性な窒素ガスを装置外に放出する際に他の成分も同時に放出されるので不活性ガスを含まない純酸素があげられる。塩化水素に対する酸素の理論モル量は1/4モルであるが、理論量の0.1〜10倍供給するのが好ましい。また、触媒の使用量は、固定床気相流通方式の場合で、大気圧下原料塩化水素の供給速度との比GHSVで表わすと、通常10〜20000h-1程度であることが好ましい。
【0044】
【実施例】
次に、本発明を実施例により説明する。
【0045】
実施例1
次の方法により触媒を調製した。すなわち、市販の塩化ルテニウム水和物(RuCl3・nH2O)1.41gを水3.2gに溶解し、よく撹拌して塩化ルテニウム水溶液を得た。得られた水溶液を、12〜18.5メッシュにそろえ空気中で500℃1時間乾燥させた酸化チタン担体(堺化学工業(株) CS−300S)5.0gに滴下して加え、塩化ルテニウムを含浸担持した。担持したものを100ml/minの窒素気流下で室温から100℃まで約0.5時間で昇温し同温度で2時間乾燥した後、同じく100ml/minの窒素気流下で100℃から250℃まで50分で昇温し、同温度で3時間加熱することにより乾燥し、黒色の固体10.5gを得た。得られた黒色固体を12〜18.5メッシュにそろえることにより、酸化チタン担持塩化ルテニウム触媒を得た。なお、塩化ルテニウム含量の計算値は、
RuCl3/(RuCl3+TiO2)×100=9.3重量%であった。ルテニウム含量の計算値は、
Ru/(RuCl3+TiO2)×100=4.5重量%であった。
このようにして得られた酸化チタン担持塩化ルテニウム触媒を石英製反応管(内径12mm)に2.5g充填した。塩化水素ガスを190ml/min、酸素ガスを200ml/min(いずれも0℃、1気圧換算)常圧下に供給した。石英反応管を電気炉で加熱し、内温(ホットスポット)を300℃とした。反応開始1.7時間後の時点で、反応管出口のガスを30%ヨウ化カリウム水溶液に流通させることによりサンプリングを行い、ヨウ素滴定法及び中和滴定法によりそれぞれ塩素の生成量及び未反応塩化水素量を測定した。
下式により求めた単位触媒重量当りの塩素の生成活性は2.97×10-4mol/min・g−触媒であった。
単位触媒重量当りの塩素生成活性(mol/min・g−触媒)=単位時間当りの出口塩素生成量(mol/min)/触媒重量(g)
下式により求めた単位Ru重量当りの塩素の生成活性は65.6×10-4mol/min・g−Ruであった。
単位Ru重量当りの塩素生成活性(mol/min・g−Ru)=単位時間当りの出口塩素生成量(mol/min)/Ru重量(g)
【0046】
実施例2
次の方法により触媒を調製した。すなわち、市販の塩化ルテニウム水和物(RuCl3・nH2O)1.41gを水2.8gに溶解し、よく撹拌して塩化ルテニウム水溶液を得た。得られた水溶液を、12〜18.5メッシュにそろえ空気中で500℃1時間乾燥させた酸化ジルコニウム担体(日揮化学(株) E26H6)10.0gに酸化ジルコニウム担体の細孔内がほぼ水溶液で浸るまで滴下し、40℃で1時間真空乾燥し、再び塩化ルテニウム水溶液を滴下することで、全量滴下し、塩化ルテニウムを含浸担持し、黒褐色の固体を得た。得られた黒褐色固体を100ml/minの窒素気流下で室温から100℃まで約0.5時間で昇温し同温度で2時間乾燥した後、同じく100ml/minの窒素気流下で100℃から250℃まで50分で昇温し、同温度で3時間加熱することにより乾燥し、黒色の固体10.5gを得た。得られた黒色固体を12〜18.5メッシュにそろえることにより、酸化ジルコニウム担持塩化ルテニウム触媒を得た。
なお、塩化ルテニウム含量の計算値は、
RuCl3/(RuCl3+ZrO2)×100=9.3重量%であった。ルテニウム含量の計算値は、
Ru/(RuCl3+ZrO2)×100=4.5重量%であった。
このようにして得られた酸化ジルコニウム担持塩化ルテニウム触媒を実施例1と同様に石英製反応管に2.5g充填した。実施例1の反応方法に準拠して反応を行った。反応開始1.6時間後の時点で、単位触媒重量当りの塩素の生成活性は1.11×10-4mol/min・g−触媒であった。単位Ru触媒重量当りの塩素の生成活性は24.5×10-4mol/min・g−Ruであった。
【0047】
実施例3
次の方法により触媒を調製した。すなわち、市販の塩化ルテニウム水和物(RuCl3・nH2O)0.69gを水3.6gに溶解し、よく撹拌して塩化ルテニウム水溶液を得た。得られた水溶液を、12〜18.5メッシュにそろえ空気中で500℃1時間乾燥させた酸化チタン担体(堺化学工業(株) CS−300S) 9.5gに滴下して加え、塩化ルテニウムを含浸担持した。担持したものを100ml/minの窒素気流下で室温から100℃まで1時間で昇温し同温度で2時間乾燥した後、同じく100ml/minの窒素気流下で100℃から250℃まで50分で昇温し、同温度で3時間加熱することにより乾燥し、黒色の固体9.6gを得た。得られた黒色固体を12〜18.5メッシュにそろえることにより、酸化チタン担持塩化ルテニウム触媒を得た。
なお、塩化ルテニウム含量の計算値は、
RuCl3/(RuCl3+TiO2)×100=5.0重量%であった。ルテニウム含量の計算値は、
Ru/(RuCl3+TiO2)×100=2.4重量%であった。
このようにして得られた酸化チタン担持塩化ルテニウム触媒2.5gを実施例1と同様に石英製反応管に充填し、塩化水素ガスを187ml/min、酸素ガスを200ml/minで流通させた以外は実施例1の反応方法に準拠して反応を行った。反応開始2.4時間後の時点で、単位触媒重量当りの塩素の生成活性は2.79×10-4mol/min・g−触媒であった。
単位Ru触媒重量当りの塩素の生成活性は114.1×10-4mol/min・g−Ruであった。
【0048】
実施例4
次の方法により触媒を調製した。すなわち、市販の塩化ルテニウム水和物(RuCl3・nH2O)0.28gを水4.1gに溶解し、よく撹拌して塩化ルテニウム水溶液を得た。得られた水溶液を、12〜18.5メッシュにそろえ空気中で500℃1時間乾燥させた酸化チタン担体(堺化学工業(株) CS−300S) 9.8gに滴下して加え、塩化ルテニウムを含浸担持した。担持したものを100ml/minの窒素気流下で室温から100℃まで1時間で昇温し同温度で2時間乾燥した後、同じく100ml/minの窒素気流下で100℃から250℃まで1時間で昇温し、同温度で3時間加熱することにより乾燥し、黒色の固体9.8gを得た。得られた黒色固体を12〜18.5メッシュにそろえることにより、酸化チタン担持塩化ルテニウム触媒を得た。
なお、塩化ルテニウム含量の計算値は、
RuCl3/(RuCl3+TiO2)×100=2.0重量%であった。ルテニウム含量の計算値は、
Ru/(RuCl3+TiO2)×100=1.0重量%であった。
このようにして得られた酸化チタン担持塩化ルテニウム触媒2.5gを実施例1と同様に石英製反応管に充填し、塩化水素ガスを187ml/min、酸素ガスを200ml/minで流通させた以外は実施例1の反応方法に準拠して反応を行った。反応開始2.2時間後の時点で、単位触媒重量当りの塩素の生成活性は2.29×10-4mol/min・g−触媒であった。
単位Ru触媒重量当りの塩素の生成活性は232×10-4mol/min・g−Ruであった。
【0049】
実施例5
次の方法により触媒を調製した。すなわち、市販の塩化ルテニウム水和物(RuCl3・nH2O)2.10gを水3.7gに溶解し、よく撹拌して塩化ルテニウム水溶液を得た。次に氷冷したビーカーに水7.5gを入れ、撹拌下に市販の四塩化チタン0.044gを滴下し、よく撹拌して四塩化チタン水溶液を調製し、既に調製した塩化ルテニウム水溶液に滴下した後、よく撹拌して四塩化チタンと塩化ルテニウムの混合水溶液を得た。得られた水溶液を、空気中で500℃1時間乾燥させた酸化チタン担体粉末(堺化学(株) SSP−20)15.0gに滴下して加え、塩化ルテニウムを含浸担持した。担持したものを60℃で1時間乾燥し、緑色の固体を得た。得られた固体を100ml/minの窒素気流下で室温から200℃まで約1時間で昇温し同温度で2時間乾燥し、黒色の固体10.5gを得た。得られた黒色固体を12〜18.5メッシュにそろえることにより、酸化チタン担持塩化チタン塩化ルテニウム触媒を得た。なお、塩化ルテニウム含量の計算値は、
RuCl3/(RuCl3+TiCl4+TiO2)=9.2重量%であった。ルテニウム含量の計算値は、
Ru/(RuCl3+TiCl4+TiO2)×100=4.5重量%であった。
このようにして得られた酸化チタン担持塩化チタン塩化ルテニウム触媒を実施例1と同様に石英製反応管に2.5g充填した。実施例1の反応方法に準拠して反応を行った。反応開始1.7時間後の時点で、単位触媒重量当りの塩素の生成活性は3.6×10-4mol/min・g−触媒であった。
単位Ru触媒重量当りの塩素の生成活性は80.2×10-4mol/min・g−Ruであった。
【0050】
実施例6
次の方法により触媒を調製した。すなわち、市販のドデカカルボニルトリルテニウム(Ru3(CO)12)1.05gをテトラヒドロフラン(THF)190mlに溶解した。次に、市販の酸化チタン(堺化学CS300)を粉砕した物10gをガラスフラスコにいれ、ドデカカルボニルトリルテニウムのTHF溶液を酸化チタンが湿る程度に加え、ロータリーエバポレーターで60℃で乾燥した。この操作を繰り返し、ドデカカルボニルトリルテニウムの全量を酸化チタンに担持して11.0gの担持触媒を得た。得られた触媒を12〜18.5メッシュにそろえることにより、酸化チタン担持ドデカカルボニルトリルテニウム触媒を得た。
なお、ドデカカルボニルトリルテニウム含量の計算値は、
Ru3(CO)12/(Ru3(CO)12+TiO2)×100=9.5重量%であった。
ルテニウム含量の計算値は、
Ru/(Ru3(CO)12+TiO2)×100=5.0重量%であった。
このようにして得られた酸化チタン担持ドデカカルボニルトリルテニウム触媒2.5gを実施例1と同様に石英製反応管に充填し、塩化水素ガスを202ml/min、酸素ガスを213ml/minで流通させた以外は実施例1の反応方法に準拠して反応を行った。反応開始2.3時間後の時点で、単位触媒重量当りの塩素の生成活性は1.14×10-4mol/min・g−触媒であった。
単位Ru触媒重量当りの塩素の生成活性は22.9×10-4mol/min・g−Ruであった。
【0051】
実施例7
次の方法により触媒を調製した。すなわち、市販のドデカカルボニルトリルテニウム(Ru3(CO)12)0.32gをテトラヒドロフラン(THF)119mlに溶解した。次に、市販の酸化チタン(堺化学CS300S)を粉砕した物6gをガラスフラスコにいれ、ドデカカルボニルトリルテニウムのTHF溶液を酸化チタンが湿る程度に加え、ロータリーエバポレーターで60℃で乾燥した。ドデカカルボニルトリルテニウムのTHF溶液は空気中に放置しておくと液の色が変色することがあるので遮光して触媒調製に用いた。この操作を繰り返し、ドデカカルボニルトリルテニウムの全量を酸化チタンに担持して5.89gの担持触媒を得た。得られた触媒を12〜18.5メッシュにそろえることにより、酸化チタン担持ドデカカルボニルトリルテニウム触媒を得た。
なお、ドデカカルボニルトリルテニウム含量の計算値は、
Ru3(CO)12/(Ru3(CO)12+TiO2)×100=5.0重量%であった。
ルテニウム含量の計算値は、
Ru/(Ru3(CO)12+TiO2)×100=2.5重量%であった。
このようにして得られた酸化チタン担持ドデカカルボニルルテニウム触媒2.5gを実施例1と同様に石英製反応管に充填し、塩化水素ガスを187ml/min、酸素ガスを200ml/minで流通させ、内温を301℃とした以外は実施例1の反応方法に準拠して反応を行った。反応開始2.0時間後の時点で、単位触媒重量当りの塩素の生成活性は2.41×10-4mol/min・g−触媒であった。単位Ru触媒重量当りの塩素の生成活性は96.2×10-4mol/min・g−Ruであった。
【0052】
実施例8
次の方法により触媒を調製した。すなわち、市販のドデカカルボニルトリルテニウム(Ru3(CO)12)0.2gをテトラヒドロフラン(THF)74mlに溶解した。次に、市販の酸化チタン(堺化学CS300S)を粉砕した物9.8gをガラスフラスコにいれ、ドデカカルボニルトリルテニウムのTHF溶液を酸化チタンが湿る程度に加え、ロータリーエバポレーターで60℃で乾燥した。ドデカカルボニルトリルテニウムのTHF溶液は空気中に放置しておくと液の色が変色することがあるので遮光して触媒調製に用いた。この操作を繰り返し、ドデカカルボニルルテニウムの全量を酸化チタンに担持して9.2gの担持触媒を得た。得られた触媒を12〜18.5メッシュにそろえることにより、酸化チタン担持ドデカカルボニルトリルテニウム触媒を得た。
なお、ドデカカルボニルトリルテニウム含量の計算値は、
Ru3(CO)12/(Ru3(CO)12+TiO2)×100=2.0重量%であった。
ルテニウム含量の計算値は、
Ru/(Ru3(CO)12+TiO2)×100=1.0重量%であった。
このようにして得られた酸化チタン担持ドデカカルボニルトリルテニウム触媒2.5gを実施例1と同様に石英製反応管に充填し、塩化水素ガスを187ml/min、酸素ガスを184ml/minで流通させた以外は実施例1の反応方法に準拠して反応を行った。反応開始2.0時間後の時点で、単位触媒重量当りの塩素の生成活性は1.61×10-4mol/min・g−触媒であった。単位Ru触媒重量当りの塩素の生成活性は161×10-4mol/min・g−Ruであった。
【0053】
実施例9
次の方法により触媒を調製した。すなわち、12〜18.5メッシュにそろえ空気中で500℃1時間乾燥させた酸化チタン担体(堺化学(株) CS300S)10.0gをガラスビーカーにいれ市販のトリニトラニトロシルルテニウム溶液(Ru(NO)(NO3)3、Ru5重量%含有)を酸化チタンが湿る程度に加え、60℃のオイルバス上で空気気流下で乾燥した。この操作を繰り返し、トリニトラニトロシルルテニウム溶液(Ru(NO)(NO3)3、Ru5重量%含有)10.0gを含浸担持した。担持したものを100ml/minの窒素気流下で室温から100℃まで約1.5時間で昇温し同温度で2時間乾燥した後、100ml/minの窒素気流下で室温から250℃まで約1.5時間で昇温し、同温度で3時間加熱することにより乾燥し、黒色の固体 10.6gを得た。得られた黒色固体を12〜18.5メッシュにそろえることにより、酸化チタン担持トリニトラニトロシルルテニウム触媒を得た。
なお、トリニトラニトロシルルテニウム含量の計算値は、
Ru(NO)(NO3)3/(Ru(NO)(NO3)3+TiO2)×100=13.6重量%であった。
ルテニウム含量の計算値は、
Ru/(Ru(NO)(NO3)3+TiO2)×100=4.32重量%であった。
このようにして得られた酸化チタン担持トリニトラニトロシルルテニウム触媒2.5gを実施例1と同様に石英製反応管に充填し、塩化水素ガスを180ml/min、酸素ガスを180ml/minで流通させた以外は実施例1の反応方法に準拠して反応を行った。反応開始1.8時間後の時点で、単位触媒重量当りの塩素の生成活性は1.02×10-4mol/min・g−触媒であった。単位Ru触媒重量当りの塩素の生成活性は23.6×10-4mol/min・g−Ruであった。
【0054】
実施例10
次の方法により触媒を調製した。すなわち、市販のμ3−オキソ−ヘキサ−μ−アセタトリクロロ三ルテニウム(1+)酢酸塩水和物([Ru3O(OCOCH3)3(H2O)3]OCOCH3・nH2O)1.3gを純水3.6gに溶解した。得られた水溶液を、12〜18.5メッシュにそろえ空気中で500℃1時間乾燥させた酸化チタン担体(堺化学工業(株) CS−300S)10gに滴下して加え、μ3−オキソ−ヘキサ−μ−アセタトリクロロ三ルテニウム(1+)酢酸塩を含浸担持した。担持したものを60℃で1時間乾燥した後、100ml/minの窒素気流下で室温から60℃まで1時間で昇温し、同温度で4時間加熱することにより乾燥し、黒色の固体10.9gを得た。得られた固体を12〜18.5メッシュにそろえることにより、酸化チタン担持μ3−オキソ−ヘキサ−μ−アセタトリクロロ三ルテニウム(1+)酢酸塩触媒を得た。
なお、μ3−オキソ−ヘキサ−μ−アセタトリクロロ三ルテニウム(1+)酢酸塩含量の計算値は、
[Ru3O(OCOCH3)3(H2O)3]OCOCH3/([Ru3O(OCOCH3)3(H2O)3]OCOCH3+TiO2)×100=9.3重量%であった。 ルテニウム含量の計算値は、
Ru/([Ru3O(OCOCH3)3(H2O)3]OCOCH3+TiO2)×100=4.6重量%であった。
このようにして得られた酸化チタン担持μ3−オキソ−ヘキサ−μ−アセタトリクロロ三ルテニウム(1+)酢酸塩触媒2.5gを実施例1と同様に石英製反応管に充填し、塩化水素ガスを180ml/min、酸素ガスを180ml/minで流通させた以外は実施例1の反応方法に準拠して反応を行った。反応開始1.8時間後の時点で、単位触媒重量当りの塩素の生成活性は3.30×10-4mol/min・g−触媒であった。
単位Ru触媒重量当りの塩素の生成活性は71.6×10-4mol/min・g−Ruであった。
【0070】
比較例1
次の方法により触媒を調製した。すなわち、市販の塩化ルテニウム水和物(RuCl3・3H2O)0.70gを水4.0gに溶解し、よく撹拌しての塩化ルテニウム水溶液を得た。得られた水溶液を、12〜18.5メッシュにそろえ、空気中で500℃1時間乾燥させたシリカゲル担体(富士シリシア(株) キャリーアクト G−10)5.0gに滴下して加え、塩化ルテニウムを含浸担持した。担持したものを60℃で4時間乾燥し、黒褐色の固体を得た。得られた黒褐色固体を100ml/minの窒素気流下で室温から120℃まで約0.5時間で昇温し同温度で2時間乾燥した後、100ml/minの空気気流下室温から250℃まで約1.5時間で昇温し、同温度で3時間加熱することにより乾燥し、黒色の固体5.4gを得た。得られた黒色固体を12〜18.5メッシュにそろえることにより、シリカ担持塩化ルテニウム触媒を得た。
なお、塩化ルテニウム含量の計算値は、
RuCl3/(RuCl3+SiO2)×100=9.3重量%であった。ルテニウム含量の計算値は、
Ru/(RuCl3+SiO2)×100=4.5重量%であった。
このようにして得られたシリカ担持塩化ルテニウム触媒を実施例1と同様に石英製反応管に2.5g充填した。塩化水素ガスを 202ml/min、酸素ガスを213ml/minで流通させた以外は実施例1の反応方法に準拠して反応を行った。反応開始1.7時間後の時点で、単位触媒重量当りの塩素の生成活性は0.49×10-4mol/min・g−触媒であった。単位Ru重量当りの塩素の生成活性は10.8×10-4mol/min・g−Ruであった。また、触媒成分であるルテニウム化合物の揮散が、反応管出口に褐色の化合物として認められ、更に生成した水にもオレンジ色の着色が認められた。
【0071】
比較例2
次の方法により触媒を調製した。すなわち、市販の塩化ルテニウム水和物(RuCl3・3H2O)0.84gを水6.0gに溶解し、よく撹拌しての塩化ルテニウム水溶液を得た。得られた水溶液を、12〜18.5メッシュにそろえ、空気中で500℃1時間乾燥させたシリカゲル担体(富士シリシア(株) キャリーアクト G−10)6.0gに滴下して加え、塩化ルテニウムを含浸担持した。担持したものを100ml/minの窒素気流下で室温から100℃まで約1時間で昇温し同温度で2時間乾燥した後、100℃から250℃まで約1時間で昇温し、同温度で3時間加熱することにより乾燥し、黒色の固体6.48gを得た。得られた黒色固体を12〜18.5メッシュにそろえることにより、シリカ担持塩化ルテニウム触媒を得た。
なお、塩化ルテニウム含量の計算値は、
RuCl3/(RuCl3+SiO2)×100=9.4重量%であった。ルテニウム含量の計算値は、
Ru/(RuCl3+SiO2)×100=4.6重量%であった。
このようにして得られたシリカ担持塩化ルテニウム触媒を実施例1と同様に石英製反応管に2.5g充填した。塩化水素ガスを 187ml/min、酸素ガスを200ml/minで流通させた以外は実施例1の反応方法に準拠して反応を行った。反応開始2.6時間後の時点で、単位触媒重量当りの塩素の生成活性は0.17×10-4mol/min・g−触媒であった。単位Ru重量当りの塩素の生成活性は3.8×10-4mol/min・g−Ruであった。また、触媒成分であるルテニウム化合物の揮散が、反応管出口に褐色の化合物として認められた。
【0072】
比較例3
次の方法により触媒を調製した。すなわち、市販の塩化ルテニウム水和物(RuCl3・3H2O)0.70gを水3.0gに溶解し、よく撹拌しての塩化ルテニウム水溶液を得た。得られた水溶液を、12〜18.5メッシュにそろえ、空気中で500℃1時間乾燥させたアルミナ担体(住友アルミ(株) NKHD−24)5.0gに滴下して加え、塩化ルテニウムを含浸担持した。担持したものを60℃で4時間乾燥し、黒褐色の固体を得た。得られた黒褐色固体を100ml/minの窒素気流下で室温から100℃まで約0.5時間で昇温し同温度で2時間乾燥した後、100ml/minの空気気流下室温から250℃まで約1.5時間で昇温し、同温度で3時間加熱することにより乾燥し、黒色の固体5.2gを得た。得られた黒色固体を12〜18.5メッシュにそろえることにより、アルミナ担持塩化ルテニウム触媒を得た。
このようにして得られたアルミナ担持塩化ルテニウム触媒を実施例1と同様に石英製反応管に2.5g充填した。塩化水素ガスを 200ml/min、酸素ガスを200ml/minで流通させた以外は実施例1の反応方法に準拠して反応を行った。反応開始1.8時間後の時点で、単位触媒重量当りの塩素の生成活性は0.45×10-4mol/min・g−触媒であった。単位Ru重量当りの塩素の生成活性は10.0×10-4mol/min・g−Ruであった。
【0073】
比較例4
次の方法により触媒を調製した。すなわち、硝酸クロム9水和物60.3gを水600mlに溶解し、次いで45℃まで昇温して、撹拌下25重量%のアンモニア水64.9gを1.5時間かけて滴下し、同温度で30分間撹拌を続けた。生成した沈殿に水3.3lを加えて一夜放置し、沈降させた後、上澄をデカンテーションにより除去した。次に、水を2.7 l加えて30分間よく撹拌した。この操作を5回くり返して沈殿を洗浄した後、デカンテーションにより上澄を除去し20重量%のシリカゾルを49g添加し、撹拌した後、ロータリーエバポレーターで60℃で蒸発乾固せしめた。次に、60℃で8時間乾燥し、更に120℃で6時間乾燥して緑色の固体を得た。この固体を窒素気流中120℃で6時間乾燥後、室温まで冷却して緑色固体を得た。次いで、これを空気中600℃で3時間焼成し、12〜18.5メッシュに成形してCr2O3−SiO2触媒を得た。かくして得られたCr2O3−SiO2触媒2.5gを酸化チタン担体で希釈せず、実施例2と同様に反応管に充填し、塩化水素ガス192ml/min.で流通させ、内温を301℃としたこと以外は実施例2に準拠して行なった。反応開始3.7時間後の時点での単位触媒重量当りの塩素の生成活性は、0.19×10-4mol/min・g触媒であった。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、塩化水素を酸化して塩素を製造するにあたり、活性が高く、また含有されるルテニウム当たりの活性の高い触媒を使用し、より少量の触媒でより低い反応温度で塩素を製造し得る塩素の製造方法を提供することができた。
Claims (7)
- 下記(A)〜(B)から選ばれる少なくとも一種の触媒の存在下、塩化水素を酸素によって酸化する塩素の製造方法。
(A):担体が、酸化チタン、酸化ジルコニウムの少なくとも1つの化合物を含む担体であって、ルテニウムと担体の重量比が0.5〜20重量%である担持塩化ルテニウム触媒
(B):ルテニウムカルボニル錯体、ルテニウム有機酸塩、ルテニウムニトロシル錯体、ルテニウムアンミン錯体、ルテニウムアンミン錯体の塩化物、ルテニウム有機アミン錯体、ルテニウムアセチルアセトナート錯体からなる群から選ばれる少なくとも一種のルテニウム化合物を担体に担持した触媒であって、ルテニウムと担体の重量比が0.5〜20重量%である触媒 - 請求項1記載の触媒(A)のルテニウムと担体の重量比が1〜8重量%である請求項1記載製造方法。
- 請求項1記載の触媒(A)の担体が酸化チタンである請求項1記載の製造方法。
- 請求項1記載の触媒(A)が、更に塩化チタンを含有してなる触媒である請求項1記載の製造方法。
- 請求項1記載の触媒(B)のルテニウムと担体の重量比が1〜8重量%である請求項1記載の製造方法。
- 請求項1記載の触媒(B)が、ルテニウムカルボニル錯体、ルテニウム酢酸塩、ルテニウムニトロシル錯体からなる群から選ばれる少なくとも一種のルテニウム化合物を担体に担持した触媒である請求項1記載の製造方法。
- 塩化水素を酸素で酸化する反応の反応温度が200〜380℃、反応圧が大気圧〜50気圧、酸素として純酸素を使用し、塩化水素と酸素のモル比が0.1/4〜10/4である請求項1〜6のうちの一の請求項に記載の製造方法。
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