JP3543358B2 - ロータリトランスの製造方法及びロータリトランス - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばVTR,DAT(ディジタル・オーディオ・テープレコーダ)等における回転磁気ヘッド装置の信号伝達手段として使用される、ロータリトランスの製造方法に係り、特に縦型ロータリトランスとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばVTR,DAT等に使用される回転磁気ヘッド装置は、例えば図2に示すように構成されている。
図2において、回転磁気ヘッド装置1は、固定ドラム2と、この固定ドラムの中心線Oに対して回転可能に支持される回転軸3と、この回転軸3に取り付けられたフランジ4の上部に締結された回転ドラム(図示せず)とを含んでいる。
【0003】
この固定ドラム2の内側の底面から上方に向かって延びる軸部2aの周囲には、図3に示すように、ロータリトランスを構成すべきステータコア5が、この固定ドラム2と同心に取り付けられている。
また、フランジ4aから下方に延びる円筒状部分4bの内周には、組立時に上記固定ドラム2に取り付けられたステータコア5に対して、外側から対向するように、ロータリトランスを構成するロータコア6が、この回転ドラム4と同心に取り付けられている。
【0004】
上記ステータコア5及びロータコア6は、それぞれ平坦に形成された第一の環状コア7(図4参照)と、この第一の環状コア7に対向する面に巻線8aを収容すべき環状の溝8bを備えた第二の環状コア8(同じく、図4参照)を、複数組積層させることにより構成されている。
【0005】
このように構成された回転磁気ヘッド装置1によれば、再生の際には、回転ドラム(図示せず)の上部に締結されたフランジ4が、固定ドラム2に対して回転され、回転ドラムに備えられた磁気ヘッド(図示せず)により検出された信号が、ロータリトランスのロータコア6の環状コア8の巻線8aに入力される。
これにより、ロータリトランスのステータコア5側の環状コア8の巻線8aに記録信号に対応した電流が発生し、この信号がアンプ基板を介して外部に出力される。
【0006】
また、記録の際には、制御回路等からの記録信号が、ロータリトランスのステータコア5側の環状コア8の巻線8aに入力される。
これにより、ロータリトランスのロータコア6側の環状コア8の巻線8aにこの記録信号に対応した電流が発生し、この信号が、上記磁気ヘッドに出力され、磁気テープへの書き込みが行なわれることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような回転磁気ヘッド装置1においては、ロータリトランスのステータコア5及びロータコア6は、それぞれ複数組の環状コア7,8が互いに正確に芯出しされる必要があると共に、固定ドラム2,回転ドラム4に対して、正確に芯出しされる必要がある。
【0008】
このため、複数組の環状コア7,8を積層する際には、図4に示すように、この環状コア7,8の内径に対応する外径を有する軸部9aを備えた芯出し用の治具9が使用される。そして、この治具9の軸部9aに対して、順次複数組の溝部8bに巻線8aを収容した第二の環状コア8,第一の環状コア7を挿入し、各環状コア7,8の間を、接着剤によって固定するようにしている。
【0009】
このようにして互いに積層され且つ固定された複数組の環状コア7,8は、例えば図5に示すように、フランジ4aから軸方向に延びる円筒状部分4bの内側に嵌挿される。これにより、この円筒状部分4bの内側に、ロータコア6が構成されることになる。
【0010】
尚、図5においては、フランジ4の円筒状部分4bの外側にも、同様に構成された複数組の環状コアが嵌挿されている。これにより、この回転ドラムの円筒状部分4bの外側に、ロータコア6aが構成されることになる。かくして、この円筒状部分4bの内側及び外側の積層された環状コアにより、二つのロータリトランスが構成されるようになっている。
【0011】
しかしながら、このような治具9を使用した環状コア7,8の積層においては、治具9の軸部9aの寸法精度や、環状コア7,8の内径の精度の影響により、積層され固定された状態において、各環状コア7,8の間にコア段差が生ずることがある。
【0012】
このため、狭ギャップ化によって、ステータコア5及びロータコア6または6aの間の間隔、即ちギャップが狭い場合に、このステータコア5及びロータコア6,6a間のスリを防止する必要がある。
【0013】
そこで、図5において、フランジ4に関して、このフランジ4の端面4cを基準として、ロータコア6,6aのステータに対向する面、即ちロータコア6の内周面及びロータコア6aの外周面を、図面にて点線で示すように、研磨することにより、中心軸に関して正確に所定の内径または外径になるように、芯出し加工が行なわれていた。
【0014】
しかしながら、このようなフランジ4aを基準としたロータコア6,6aのステータに対向する面の研磨による芯出し加工においては、フランジ4aの軸穴とロータコア6,6aの芯出しが不完全であるので、狭ギャップ化に際して不利であると共に、組立信頼性の点で問題があった。
また、環状コア7,8は、比較的硬い材料から構成されていることから、ロータコア6,6aの芯出しの際の各環状コア7,8の加工時間が比較的長くなってしまい、コストが高くなるという問題もあった。
【0015】
本発明は、以上の点に鑑み、容易に且つ短時間で、高精度にロータの芯出しが行われるようにした、ロータリトランスの製造方法及びロータリトランスを提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1の発明によれば、固定側のロータリトランスコアが外周にある構造の回転側のロータリトランスの製造方法であって、円筒状の磁性材料からなるコアに、該コアの軸方向の一側に樹脂により成形されたフランジを嵌合することで固定保持し、前記コアの外径を基準にして、フランジの軸穴を前記コアの中心軸に対して芯出しすると共に、フランジの端面を前記コアの中心軸に対して垂直に加工するようにした、ロータリトランスの製造方法により、達成される。
【0018】
また、上記目的は、請求項2の発明によれば、固定側のロータリトランスコアが外周にある構造の回転側のロータリトランスであって、円筒状の磁性材料からなるコアと、該コアの軸方向の一側に嵌合し固定保持された樹脂から成形したフランジとを有し、コアの外径を基準にしてフランジを加工することで、当該フランジの軸穴をコアの中心軸に対して芯出しすると共に、フランジの端面をコアの中心軸に対して垂直に加工したロータリトランスにより、達成される。
【0019】
【作用】
上述したロータリトランスの製造方法及びロータリトランスによれば、回転側のロータリトランスを構成する円筒状のコアの外径を基準として、このコアに嵌合し固定保持されたフランジの軸穴及びフランジの端面の芯出しを行う。
即ち、このフランジの軸穴をコアの中心軸に対して芯出し加工すると共に、このフランジの端面を、コアの中心軸に対して垂直に加工するようにしたので、フランジの軸穴や端面がコアに対する芯出しを正確に行われる。
また、ロータリトランスの組立の際に、チャックすべきフランジ端面がコアの中心軸に対して垂直に構成されることになる。
【0020】
【実施例】
以下、この発明の好適な実施例を図1を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施例は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0021】
図1は、図示しない固定側のロータリトランスが外周にある場合の回転側ロータリトランスの一実施例を示している。図1において、ロータリトランス10は、
一体に形成された円筒状のコア11と、このコア11の中空部内に嵌挿される軸部12aを有するように、コア11の軸方向の一側に配設されたフランジ12とから構成されている。
【0022】
ここで、上記コア11は、例えばフェライト等の磁性材料によって形成されていると共に、内周面には一定間隔で周方向に溝部が形成されている。この溝部内に巻線を備えている。
【0023】
また、フランジ12は、コア11に対して、例えば樹脂等により成形されている。その際、このフランジ12の軸部12aがコア11の中空部内に嵌合することにより、このコア11に対して固定保持されている。
【0024】
したがって、コア11とフランジ12の芯出しの際には、固定側のロータリトランスが外周にある場合、コア11の外径を基準として、図1で点線で示すようにフランジ12の軸穴12b及びフランジ12の端面12c,12dを加工することにより、コア11に対して芯出し加工が行なわれる。
【0025】
固定側トランスが外周にある場合、フランジ12は、その軸穴12bが、コア11の中心軸Cに対して芯出しされると共に、その端面12c,12dが、このコア11の中心軸に対して垂直になるように、形成される。
この芯出し加工は、例えば研磨加工によって行なわれる。その際、被加工部分は樹脂等からなるフランジ12のみであることから、加工時間は従来と比較して格段に短くて済むことになる。
【0026】
このように芯出し加工されたロータリトランス10によれば、フランジ12をチャックして圧入することにより、組み込むべき回転磁気ヘッド装置等の所定位置に組み込む。
この際、このフランジ12の端面12c,12dが、コア11の中心軸に対して正確に垂直に形成されていることから、組立が容易に且つ確実に行なわれることになり、組立信頼性が向上する。
【0027】
また、フランジ12の軸穴12bが、コア11に対して正確に芯出しされていることから、狭ギャップ化に際しても、スリが発生するようなことはない。
【0028】
このように、本実施例では、フランジの軸穴の環状コアに対する芯出しが正確に行なわれ得ると共に、ロータリトランス組立の際に、チャックすべきフランジ端面が環状コアの中心軸に対して垂直に構成されることになる。従って、組立信頼性が向上されると共に、狭ギャップ化に十分対応することが可能となる。
また、芯出しのための加工は、樹脂等から成形されたフランジの研磨等の加工によって行なわれるので、加工時間が短くて済み、コストが低減されることになる。
【0029】
尚、上述した実施例においては、コア11は、ロータリトランス10のステータ側のコアでも、またロータ側のコアでもよいことは明らかである。
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、容易に且つ短時間で、高精度にロータの芯出しが行なわれるようにした、ロータリトランスとその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造されるロータリトランスの一実施例における芯出し状態を示す概略図である。
【図2】従来の回転磁気ヘッド装置の一例の構造を示す概略断面図である。
【図3】図2の回転磁気ヘッド装置におけるロータリトランスの構造原理を示す概略断面図である。
【図4】図3のロータリトランスの環状コアの積層状態を示す概略図である。
【図5】従来のロータリトランスの芯出し状態を示す概略図である。
【符号の説明】
10 ロータリトランス
11 円筒状のコア
12 フランジ
12a 軸部
12b 軸穴
12c 端面
12d 端面
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばVTR,DAT(ディジタル・オーディオ・テープレコーダ)等における回転磁気ヘッド装置の信号伝達手段として使用される、ロータリトランスの製造方法に係り、特に縦型ロータリトランスとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばVTR,DAT等に使用される回転磁気ヘッド装置は、例えば図2に示すように構成されている。
図2において、回転磁気ヘッド装置1は、固定ドラム2と、この固定ドラムの中心線Oに対して回転可能に支持される回転軸3と、この回転軸3に取り付けられたフランジ4の上部に締結された回転ドラム(図示せず)とを含んでいる。
【0003】
この固定ドラム2の内側の底面から上方に向かって延びる軸部2aの周囲には、図3に示すように、ロータリトランスを構成すべきステータコア5が、この固定ドラム2と同心に取り付けられている。
また、フランジ4aから下方に延びる円筒状部分4bの内周には、組立時に上記固定ドラム2に取り付けられたステータコア5に対して、外側から対向するように、ロータリトランスを構成するロータコア6が、この回転ドラム4と同心に取り付けられている。
【0004】
上記ステータコア5及びロータコア6は、それぞれ平坦に形成された第一の環状コア7(図4参照)と、この第一の環状コア7に対向する面に巻線8aを収容すべき環状の溝8bを備えた第二の環状コア8(同じく、図4参照)を、複数組積層させることにより構成されている。
【0005】
このように構成された回転磁気ヘッド装置1によれば、再生の際には、回転ドラム(図示せず)の上部に締結されたフランジ4が、固定ドラム2に対して回転され、回転ドラムに備えられた磁気ヘッド(図示せず)により検出された信号が、ロータリトランスのロータコア6の環状コア8の巻線8aに入力される。
これにより、ロータリトランスのステータコア5側の環状コア8の巻線8aに記録信号に対応した電流が発生し、この信号がアンプ基板を介して外部に出力される。
【0006】
また、記録の際には、制御回路等からの記録信号が、ロータリトランスのステータコア5側の環状コア8の巻線8aに入力される。
これにより、ロータリトランスのロータコア6側の環状コア8の巻線8aにこの記録信号に対応した電流が発生し、この信号が、上記磁気ヘッドに出力され、磁気テープへの書き込みが行なわれることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような回転磁気ヘッド装置1においては、ロータリトランスのステータコア5及びロータコア6は、それぞれ複数組の環状コア7,8が互いに正確に芯出しされる必要があると共に、固定ドラム2,回転ドラム4に対して、正確に芯出しされる必要がある。
【0008】
このため、複数組の環状コア7,8を積層する際には、図4に示すように、この環状コア7,8の内径に対応する外径を有する軸部9aを備えた芯出し用の治具9が使用される。そして、この治具9の軸部9aに対して、順次複数組の溝部8bに巻線8aを収容した第二の環状コア8,第一の環状コア7を挿入し、各環状コア7,8の間を、接着剤によって固定するようにしている。
【0009】
このようにして互いに積層され且つ固定された複数組の環状コア7,8は、例えば図5に示すように、フランジ4aから軸方向に延びる円筒状部分4bの内側に嵌挿される。これにより、この円筒状部分4bの内側に、ロータコア6が構成されることになる。
【0010】
尚、図5においては、フランジ4の円筒状部分4bの外側にも、同様に構成された複数組の環状コアが嵌挿されている。これにより、この回転ドラムの円筒状部分4bの外側に、ロータコア6aが構成されることになる。かくして、この円筒状部分4bの内側及び外側の積層された環状コアにより、二つのロータリトランスが構成されるようになっている。
【0011】
しかしながら、このような治具9を使用した環状コア7,8の積層においては、治具9の軸部9aの寸法精度や、環状コア7,8の内径の精度の影響により、積層され固定された状態において、各環状コア7,8の間にコア段差が生ずることがある。
【0012】
このため、狭ギャップ化によって、ステータコア5及びロータコア6または6aの間の間隔、即ちギャップが狭い場合に、このステータコア5及びロータコア6,6a間のスリを防止する必要がある。
【0013】
そこで、図5において、フランジ4に関して、このフランジ4の端面4cを基準として、ロータコア6,6aのステータに対向する面、即ちロータコア6の内周面及びロータコア6aの外周面を、図面にて点線で示すように、研磨することにより、中心軸に関して正確に所定の内径または外径になるように、芯出し加工が行なわれていた。
【0014】
しかしながら、このようなフランジ4aを基準としたロータコア6,6aのステータに対向する面の研磨による芯出し加工においては、フランジ4aの軸穴とロータコア6,6aの芯出しが不完全であるので、狭ギャップ化に際して不利であると共に、組立信頼性の点で問題があった。
また、環状コア7,8は、比較的硬い材料から構成されていることから、ロータコア6,6aの芯出しの際の各環状コア7,8の加工時間が比較的長くなってしまい、コストが高くなるという問題もあった。
【0015】
本発明は、以上の点に鑑み、容易に且つ短時間で、高精度にロータの芯出しが行われるようにした、ロータリトランスの製造方法及びロータリトランスを提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1の発明によれば、固定側のロータリトランスコアが外周にある構造の回転側のロータリトランスの製造方法であって、円筒状の磁性材料からなるコアに、該コアの軸方向の一側に樹脂により成形されたフランジを嵌合することで固定保持し、前記コアの外径を基準にして、フランジの軸穴を前記コアの中心軸に対して芯出しすると共に、フランジの端面を前記コアの中心軸に対して垂直に加工するようにした、ロータリトランスの製造方法により、達成される。
【0018】
また、上記目的は、請求項2の発明によれば、固定側のロータリトランスコアが外周にある構造の回転側のロータリトランスであって、円筒状の磁性材料からなるコアと、該コアの軸方向の一側に嵌合し固定保持された樹脂から成形したフランジとを有し、コアの外径を基準にしてフランジを加工することで、当該フランジの軸穴をコアの中心軸に対して芯出しすると共に、フランジの端面をコアの中心軸に対して垂直に加工したロータリトランスにより、達成される。
【0019】
【作用】
上述したロータリトランスの製造方法及びロータリトランスによれば、回転側のロータリトランスを構成する円筒状のコアの外径を基準として、このコアに嵌合し固定保持されたフランジの軸穴及びフランジの端面の芯出しを行う。
即ち、このフランジの軸穴をコアの中心軸に対して芯出し加工すると共に、このフランジの端面を、コアの中心軸に対して垂直に加工するようにしたので、フランジの軸穴や端面がコアに対する芯出しを正確に行われる。
また、ロータリトランスの組立の際に、チャックすべきフランジ端面がコアの中心軸に対して垂直に構成されることになる。
【0020】
【実施例】
以下、この発明の好適な実施例を図1を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施例は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0021】
図1は、図示しない固定側のロータリトランスが外周にある場合の回転側ロータリトランスの一実施例を示している。図1において、ロータリトランス10は、
一体に形成された円筒状のコア11と、このコア11の中空部内に嵌挿される軸部12aを有するように、コア11の軸方向の一側に配設されたフランジ12とから構成されている。
【0022】
ここで、上記コア11は、例えばフェライト等の磁性材料によって形成されていると共に、内周面には一定間隔で周方向に溝部が形成されている。この溝部内に巻線を備えている。
【0023】
また、フランジ12は、コア11に対して、例えば樹脂等により成形されている。その際、このフランジ12の軸部12aがコア11の中空部内に嵌合することにより、このコア11に対して固定保持されている。
【0024】
したがって、コア11とフランジ12の芯出しの際には、固定側のロータリトランスが外周にある場合、コア11の外径を基準として、図1で点線で示すようにフランジ12の軸穴12b及びフランジ12の端面12c,12dを加工することにより、コア11に対して芯出し加工が行なわれる。
【0025】
固定側トランスが外周にある場合、フランジ12は、その軸穴12bが、コア11の中心軸Cに対して芯出しされると共に、その端面12c,12dが、このコア11の中心軸に対して垂直になるように、形成される。
この芯出し加工は、例えば研磨加工によって行なわれる。その際、被加工部分は樹脂等からなるフランジ12のみであることから、加工時間は従来と比較して格段に短くて済むことになる。
【0026】
このように芯出し加工されたロータリトランス10によれば、フランジ12をチャックして圧入することにより、組み込むべき回転磁気ヘッド装置等の所定位置に組み込む。
この際、このフランジ12の端面12c,12dが、コア11の中心軸に対して正確に垂直に形成されていることから、組立が容易に且つ確実に行なわれることになり、組立信頼性が向上する。
【0027】
また、フランジ12の軸穴12bが、コア11に対して正確に芯出しされていることから、狭ギャップ化に際しても、スリが発生するようなことはない。
【0028】
このように、本実施例では、フランジの軸穴の環状コアに対する芯出しが正確に行なわれ得ると共に、ロータリトランス組立の際に、チャックすべきフランジ端面が環状コアの中心軸に対して垂直に構成されることになる。従って、組立信頼性が向上されると共に、狭ギャップ化に十分対応することが可能となる。
また、芯出しのための加工は、樹脂等から成形されたフランジの研磨等の加工によって行なわれるので、加工時間が短くて済み、コストが低減されることになる。
【0029】
尚、上述した実施例においては、コア11は、ロータリトランス10のステータ側のコアでも、またロータ側のコアでもよいことは明らかである。
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、容易に且つ短時間で、高精度にロータの芯出しが行なわれるようにした、ロータリトランスとその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造されるロータリトランスの一実施例における芯出し状態を示す概略図である。
【図2】従来の回転磁気ヘッド装置の一例の構造を示す概略断面図である。
【図3】図2の回転磁気ヘッド装置におけるロータリトランスの構造原理を示す概略断面図である。
【図4】図3のロータリトランスの環状コアの積層状態を示す概略図である。
【図5】従来のロータリトランスの芯出し状態を示す概略図である。
【符号の説明】
10 ロータリトランス
11 円筒状のコア
12 フランジ
12a 軸部
12b 軸穴
12c 端面
12d 端面
Claims (2)
- 固定側のロータリトランスコアが外周にある構造の回転側のロータリトランスの製造方法であって、
円筒状の磁性材料からなるコアに、該コアの軸方向の一側に樹脂から成形されたフランジを嵌合することで固定保持し、
前記コアの外径を基準にして、前記フランジの軸穴を前記コアの中心軸に対して芯出しすると共に、
前記フランジの端面を前記コアの中心軸に対して垂直に加工する
ことを特徴とするロータリトランスの製造方法。 - 固定側のロータリトランスコアが外周にある構造の回転側のロータリトランスであって、
円筒状の磁性材料からなるコアと、該コアの軸方向の一側に嵌合し固定保持された樹脂から成形したフランジとを有し、
前記コアの外径を基準にして前記フランジを加工することで、当該フランジの軸穴を前記コアの中心軸に対して芯出しすると共に、前記フランジの端面を前記コアの中心軸に対して垂直に加工した
ことを特徴とするロータリトランス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07990394A JP3543358B2 (ja) | 1994-03-24 | 1994-03-24 | ロータリトランスの製造方法及びロータリトランス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07990394A JP3543358B2 (ja) | 1994-03-24 | 1994-03-24 | ロータリトランスの製造方法及びロータリトランス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07263264A JPH07263264A (ja) | 1995-10-13 |
JP3543358B2 true JP3543358B2 (ja) | 2004-07-14 |
Family
ID=13703249
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07990394A Expired - Fee Related JP3543358B2 (ja) | 1994-03-24 | 1994-03-24 | ロータリトランスの製造方法及びロータリトランス |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3543358B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4859700B2 (ja) * | 2007-02-20 | 2012-01-25 | セイコーエプソン株式会社 | コイルユニットおよび電子機器 |
-
1994
- 1994-03-24 JP JP07990394A patent/JP3543358B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07263264A (ja) | 1995-10-13 |
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