JPH0668558A

JPH0668558A - 磁気記録再生装置用回転ドラム

Info

Publication number: JPH0668558A
Application number: JP4244257A
Authority: JP
Inventors: Noriaki Kaneko; 典章金子
Original assignee: Tohoku Pioneer Corp; Pioneer Electronic Corp
Current assignee: Tohoku Pioneer Corp; Pioneer Corp
Priority date: 1992-08-19
Filing date: 1992-08-19
Publication date: 1994-03-11

Abstract

(57)【要約】【目的】位置精度良く、ドラムベースに下ドラムを装
着する。【構成】ブランク材Ａの円柱状突出部ａと同じ側面に
設けられた基準孔ｃをリード加工用旋盤のチャック基準
部に設けた基準ピンｄに嵌め合せ、周面にリードｅが加
工された下ドラムＢを得る。同じ基準孔ｃをドラムベー
スＣの基準ピンｉに嵌め合せ、ドラムベースＣに対して
下ドラムＢを位置決めする。【効果】同一の基準部をリード加工及びドラムベース
に対する位置決めの双方に兼用しているため、位相合せ
及び位置決めが高精度で行われる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ドラムベースに対する
下ドラムの取付け精度及び位相合せを向上させた磁気記
録再生装置用回転ドラムに関する。

【０００２】

【従来の技術】オーディオ信号をディジタル化して録音
再生するディジタルオーディオテープレコーダ（ＤＡ
Ｔ）は、媒体の非直線性等の影響を受けることがなく、
性能が優れている。また、カセットも小型であり、曲の
頭出しを迅速に行うこともできる。ＤＡＴに使用するテ
ープの記録再生には、記録密度を上げるためにＶＴＲと
同様な回転ドラム方式が採用されている。回転ドラム方
式では、たとえば図１に示す構造の回転ドラムが使用さ
れる。回転ドラムは、上ドラム１１及び下ドラム１２を
備えたドラムユニット１０をもっている。上ドラム１１
が回転軸２０に対して回転自在で、下ドラム１２が固定
式である。上ドラム１１には磁気ヘッド１３が取り付け
られており、上ドラム１１と下ドラム１２との間にロー
タリトランス１４を対向配置している。

【０００３】回転軸２０は、下ドラム１２に対しベアリ
ング２１を介して回転自在で、モータ３０の出力軸とな
っている。モータ３０は、ビス３１で取り付けられたス
テータヨーク３２を備えており、ステータヨーク３２に
間隙をおいてステータ基板３３が配置されている。回転
軸２０の端部に取り付けられたロータヨーク２２に、多
極の駆動マグネット２３が固定されている。駆動マグネ
ット２３の外周円上にＦＧマグネット２４が固定され、
ＦＧマグネットの固定領域の外側でＰＧ用ホール素子２
５がステータ基板３３に取り付けられている。この回転
ドラムは、カセットデッキに傾斜して設けられている。
カセットハーフから引出された磁気テープは、斜めにト
ラックが形成された回転ドラムに螺旋状に巻き付けられ
る。磁気テープに記録されている情報等は、磁気ヘッド
１３で検出され、所定の音響等に変換される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】下ドラムには、磁気テ
ープ走行用のリードが設けられている。このリードは、
下ドラムのブランク材に位相用基準孔を形成し、リード
加工用旋盤のチャック基準部に設けた基準溝に位相用基
準孔から挿入した基準ピンを嵌め合わせて位相出しを行
った後、円柱状突出部をチャックして切削加工により形
成されていた。リードが形成された下ドラムは、ドラム
ベースに装着される。ドラムベースに対する下ドラムの
位相合せのため、リード加工用基準孔とは別個の基準孔
が下ドラム用ブランク材の２個所に設けられている。こ
の基準孔に、ドラムベース上に成形又は圧入された基準
軸を差し込み、下ドラムとドラムベースとの位置合わせ
が行われる。

【０００５】リード加工用基準孔と位置合わせ用基準孔
が別個のものであるため、リード加工の位相精度及びド
ラムベースに対する下ドラムの位相関係に両基準孔の誤
差が加わり、ドラムベースに装着した下ドラムのリード
の位置精度が悪化していた。また、２種類の基準孔を設
けることから、下ドラムのブランク材に対する加工も手
数がかかるものであった。本発明は、このような問題を
解消すべく案出されたものであり、一つの基準孔をリー
ド加工及びドラムベースに対する位置合せに兼用し、製
作誤差の累積を回避し、高精度でドラムベースに下ドラ
ムを装着することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録再生装
置用回転ヘッドは、その目的を達成するため、同一側面
に円柱状突出部及び基準孔が形成された下ドラムと、前
記円柱状突出部及び前記基準孔にそれぞれ嵌め合される
円柱状孔部及び基準軸が設けられたドラムベースとを備
え、前記円柱状突出部は、リード加工時のチャック部と
して使用され、前記下ドラムの基準孔は、リード加工時
の位相出し及び前記ドラムベースに対する円周方向の位
置決めに兼用されることを特徴とする。

【０００７】

【実施例】本実施例の下ドラムは、図２（ａ）に示すブ
ランク材から旋盤加工によって製造される。ブランク材
Ａは、製品となる下ドラムＢとほぼ同じ形状に成形され
たものであり、一側面に円柱状突出部ａをもち、回転軸
２０（図１参照）が挿通される軸孔ｂが軸方向に貫通し
ている。また、円柱状突出部ａのある側面に、旋盤加工
時の位置決めとして使用される基準孔ｃが形成されてい
る。基準孔ｃに、リード加工用旋盤のチャック基準部に
設けた基準ピンｄが差し込まれる。基準孔ｃと基準ピン
ｃとの係合により、ブランクＡの位相出しが行われる。
この状態でブランク材Ａを切削加工し、図２（ｂ）に示
すリードｅが周面に形成された下ドラムＢを得る。

【０００８】下ドラムＢは、図２（ｃ）に示すようにド
ラムベースＣに組み合わされる。ドラムベースＣは、下
ドラムＢの周面一部が嵌り込む周壁ｆで区画された円板
状空間ｇをもち、円板状空間ｇの中心に下ドラムＢの円
柱状突出部ａが挿入される円柱状孔部ｈが形成されてい
る。また、円板状空間ｇの底面には、下ドラムＢの基準
孔ｃに差し込まれる基準ピンｉが設けられている。円柱
状孔部ｈの内径は、嵌合代を含めて円柱状突出部ａの外
径に一致させておく。

【０００９】円柱状突出部ａを円柱状孔部ｈに差し込ん
だ後、ドラムベースＣに対して下ドラムＢを相対的に回
転させ、基準孔ｃに基準ピンｉを嵌め合せる。これによ
り、ドラムベースＣに対する下ドラムＢの位置決めが高
精度で行われる。すなわち、円柱状突出部ａと円柱状孔
部ｈとの嵌り合いによってドラムベースＣに対する下ド
ラムＢの半径方向の位置関係が定まり、基準孔ｃと基準
ピンｉとの嵌り合いによってドラムベースＣに対する下
ドラムＢの円周方向の位置関係が定まる。

【００１０】なお、以上の例においては、下ドラムＢ側
に基準孔ｃを設け、ドラムベースＣ側に基準ピンｉを形
成している。しかし、本発明はこれに拘束されるもので
はなく、下ドラムＢ側に基準ピンを、ドラムベースＣ側
に基準孔を設けても良い。この場合、リード加工用旋盤
のチャック基準部には、下ドラムＢ側の基準ピンが差し
込まれる基準孔を穿設する。

【００１１】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、ドラムベースに対する下ドラムの円周方向位置決め
にリード加工用の基準部を兼用している。そのため、リ
ード加工用基準孔及び位置合わせ用基準孔をそれぞれ形
成した場合にみられた誤差の累積がなく、位相合せを高
精度で行うことができる。また、一つの基準部で済むた
め、下ドラムのブランク材に対する加工の手数を軽減す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の回転ドラム

【図２】本発明に従ってドラムベースに装着される下
ドラム

【符号の説明】

Ａ下ドラムのブランク材Ｂ下ドラムＣ
ドラムベースａ円柱状突出部ｂ軸孔ｃ
基準孔ｄ基準部に設けた基準ピンｅリードｆ
周壁ｇ円板状空間ｈ円柱状孔部ｉ
基準ピン

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】同一側面に円柱状突出部及び基準孔が形
成された下ドラムと、前記円柱状突出部及び前記基準孔
にそれぞれ嵌め合される円柱状孔部及び基準軸が設けら
れたドラムベースとを備え、前記円柱状突出部は、リー
ド加工時のチャック部として使用され、前記下ドラムの
基準孔は、リード加工時の位相出し及び前記ドラムベー
スに対する円周方向の位置決めに兼用されることを特徴
とする磁気記録再生装置用回転ドラム。