JP3542820B2 - 地下埋設形貯湯式電気温水器 - Google Patents

地下埋設形貯湯式電気温水器 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、地下埋設形貯湯式電気温水器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
実開昭57−179039号公報に示されるように、ヒータを内部に備えた貯湯タンクを地下ピット内に配置した地下埋設形貯湯式電気温水器が知られている。貯湯タンクを地下ピット内に配置すれば、地上に貯湯タンクの大きさに相当するスペースを確保できる上、外観を損なうことなく貯湯タンクを配置できる。また地下埋設形貯湯式電気温水器では、貯湯タンク内の保温性が向上する上、地震で貯湯タンクが転倒するのを防止する金具や特別な工事を必要としないという利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般的な貯湯式電気温水器では、ヒータを貯湯タンク内の下部に配置して、貯湯タンクの下部領域から湯を沸かしている。このようにすると、貯湯タンク内で湯が対流するため、自然に貯湯タンク内の湯を沸きあげることができる。しかしながら、貯湯タンクを地下ピット内に配置すると、点検や修理の際にタンクを引き上げなければ、貯湯タンク内の下部に配置されたヒータやヒータへの通電制御装置を点検及び交換できないという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、貯湯タンクを地下ピットから引き上げることなく、ヒータ等の必要電気部品の点検及び修理を行える地下埋設形貯湯式電気温水器を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、重い開口部閉塞蓋を開けることなく、ヒータ等の通電を制御する通電制御装置の点検及び修理を行える地下埋設形貯湯式電気温水器を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、貯湯タンクから容易に水を排出できる地下埋設形貯湯式電気温水器を提供することにある。
【0007】
本発明の更に他の目的は、循環ポンプの空運転を防止できる地下埋設形貯湯式電気温水器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ヒータを内部に備えた貯湯タンクが地下ピット内に配置してなる地下埋設形貯湯式電気温水器を対象にする。本発明では、ヒータを貯湯タンクに設けられたヒータ挿入口から貯湯タンク内に挿入して貯湯タンク内の上部領域に配置し、貯湯タンク内のヒータよりも上の領域と貯湯タンク内の下部領域とを連通する循環路を設ける。そしてこの循環路に該循環路を通して貯湯タンク内の水を循環させる循環ポンプを地下ピットの開口部に近接した位置に配置し、ヒータ挿入口を地下ピットの開口部に向かって開口するように貯湯タンクに形成し、ヒータ及び循環ポンプの通電制御装置を貯湯タンクの上部に配置する。ヒータは、ヒータ挿入口を塞ぐ蓋部材に固定するのが好ましい。
【0009】
地下ピットの開口部を閉じる開口部閉塞蓋の通電制御装置に対応する位置にハンドホールを形成し、ハンドホールを塞ぐハンドホール閉塞蓋を開口部閉塞蓋に取付けるのが好ましい。この様にすると点検修理の頻度が高い通電制御装置に対して、重い開口部閉塞蓋を開けることなく、アクセスすることができて、点検・修理の作業性が向上する。
【0010】
また循環路に三方弁を介して排水管を接続し、この三方弁を循環ポンプを稼働させて貯湯タンク内の水を排水管を通して外部に排出できる位置にを設けるのが好ましい。この様にすると、三方弁の切替えにより排水管から貯湯タンク内の水を排出できるため、ヒータの交換や、貯湯タンクの交換の際に別に排出用ポンプを用いて貯湯タンク内の水を排出する必要がない。
【0011】
また循環路の貯湯タンクの下部領域から循環ポンプに至るまでの流路に水流の有無を検出する水流センサを配置し、貯湯タンク内の水を排出する際に、水流センサが水流が無いことを検出すると循環ポンプを停止させるように通電制御装置を構成するのが好ましい。この様にすると、循環ポンプの空運転を防止することができ、循環ポンプの焼損を防止することできる。
【0012】
【作用】
本発明のように、貯湯タンクに設けるヒータ挿入口を地下ピットの開口部に向かって開口するように設けると、貯湯タンクを地下ピットから引き上げることなく、ヒータの貯湯タンク内への出し入れが容易になるため、ヒータの点検及び修理が容易になる。また循環ポンプを地下ピットの開口部に近接した位置に配置し、通電制御装置を貯湯タンクの上部に配置すると、循環ポンプ及び通電制御装置の点検及び修理も貯湯タンクを地下ピットから引き上げることなく行える利点がある。なおヒータを貯湯タンク内の上部領域に配置しても、循環路を通して貯湯タンク内の水を循環させるため、貯湯タンク内の湯を全体的に沸き上げることができる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施例の地下埋設形貯湯式電気温水器を地下ピット内に配置した状態の概略断面図である。同図において1は貯湯タンクであり、2はヒータであり、3は循環路であり、4は循環ポンプであり、5は三方弁であり、6は水流センサであり、7は通電制御装置であり、8はリモートコントローラであり、9は給湯路であり、10はガラスウール等からなる保温材であり、11は開口部閉塞蓋である。貯湯タンク1は循環路3等の貯湯タンク1に付属する部材と共に保温材10に包まれた状態で地下ピットP内に配置されている。保温材10を外装ケースにより包囲してもよいのは勿論である。なお地下ピットPは上部が開口したコンクリート製の筒体が地中に埋設されて構成されている。地下ピットPをコンクリートで地中に直接形成してもよいのは勿論である。
【0014】
貯湯タンク1の給水口1aには、給水弁V1、減圧弁V2及び逆止弁RVを介して制圧された水が管路L1を通して供給されている。そして貯湯タンク1の給湯口1bは、給湯路9を構成する管路L6に接続されている。この貯湯タンク1内の上部には、地下ピットPの開口部に向かって開口するように筒状のヒータ挿入口1cが形成されている。ヒータ挿入口1cの開口端部を塞ぐ蓋部材2aには、貯湯タンク1内の上部領域に配置されるヒータ2の一端が固定されている。蓋部材2aに固定されたヒータ2は、貯湯タンク1の内部に向かって延びる部分と、この部分から水平方向に延びる部分とを有している。ヒータ2が取り付けられる蓋部材2aには、サーミスタ等の温度センサからなる温度過昇防止センサ2bが備えられている。この温度過昇防止センサ2bは、湯の温度が予め定められた設定温度を超えて、湯が沸騰するのを防ぐために設けられている。温度過昇防止センサ2bの出力は、後述する通電制御装置7に送られ、通電制御装置7への通電が制御される。
【0015】
貯湯タンク1の壁部の下部には湯を循環路3に送り出す循環路出口1dが設けられており、貯湯タンク1の壁部のヒータ2よりも上方の位置には循環路3から戻る湯を内部に導入する循環路入口1eが設けられている。また貯湯タンク1の壁部のヒータ2のやや上方の位置には湯温を測定する第1の温度センサS1が取付けられており、貯湯タンク1の側壁の下方の位置には湯温を測定する第2の温度センサS2が取付けられている。これら第1及び第2の温度センサS1及S2としては、サーミスタ等を用いることができる。
【0016】
循環路3は、直列に接続された管路L2〜L4により構成されている。管路L2の一方の端部は貯湯タンク1の循環路出口1dに連通しており、他方の端部は地下ピットPの開口部に近接した位置において循環ポンプ4を介して管路L3に接続されている。また管路L2には該管路L2内を流れる水流の有無を検出する水流センサ6が配置されている。管路L3は循環ポンプ4の上方において三方弁5を介して管路L4及び排水用管路(排水管)L5のそれぞれの一方の端部に接続されている。循環ポンプ4の両側にはポンプの交換や点検の際に閉められるバルブV3,V4が配置されている。
【0017】
三方弁5はモータ等の駆動源によって駆動されて、管路L3が管路L4及び管路L5にそれぞれ連通するように切り替えることができるようになっており、通常は管路L3と管路L4とを連通させている。管路L4の他方の端部は貯湯タンク1の循環路入口1eに連通している。ヒータ2の入力端子、循環ポンプ4の入力端子、三方弁5の駆動手段、水流センサ6の出力、温度センサS1,S2の出力は貯湯タンク1の上方に配置された通電制御装置7に接続されている。この通電制御装置7はリモートコントローラ8からの指令に応じて、ヒータ2への通電の制御と循環ポンプ4を制御する。
【0018】
貯湯タンク1内に供給される水は、いわゆる定温給湯式の貯湯式電気温水器と同様に沸き上がる。まず給水口1aから供給された水は、貯湯タンク1の上部領域に配置したヒータ2により急速加熱されて湯になる。次に加熱された湯の温度が例えば85℃に達したことを第1の温度センサS1が検知すると、通電制御装置7の制御により循環ポンプ4が駆動され、矢印hに示す方向に湯が流れて貯湯タンク1内の湯が循環される。この循環により貯湯タンク1の上部領域にある高温の湯と下部領域にある水または低温の湯と混合して上部領域の湯の温度が低下する。これによって貯湯タンク1内の上部領域の湯の温度が、例えば75℃に低下したことを第1の温度センサS1が検知すると、通電制御装置7は循環ポンプ4を停止させる。このような循環ポンプ4の駆動及び停止の繰り返しにより、貯湯タンク1内全体の湯を所望の温度まで沸きあげることができる。貯湯タンク1内の下部領域の湯の温度が、沸上設定温度に達したことを第2の温度センサS2が検知すると、通電制御装置7はヒータ2への通電を停止し、また循環ポンプ4の駆動も停止する。
【0019】
前述のこのようにして沸きあげられた湯は、給湯路9に水圧だけで送られる。給湯路9は、管路L6,L7が安全弁V5を介して直列に接続されて構成されており、管路L7の端部には給湯口を構成するカラン9aが接続されている。安全弁V5は、貯湯タンク1から出る湯の圧力が、一定値を超えると湯を管路L8に流す公知の弁である。また管路L7は安全弁V5の上方で逃がし弁V6が設けられた管路L9に接続されている。逃がし弁V6は、貯湯タンク1から送られる湯の圧力が一定値を超えると湯を管路L9に流す役割と貯湯タンク1内に負圧がかかるのを防ぐ役割とを果たしている。これらの管路L8,L9は前述の排水用管路L5と共に排水溝Mに排水を流す排水用共通管路L10に排水を流すように配置されている。なおカラン9aには、管路L1からカラン9aに直接水を供給する管路L11も接続されている。
【0020】
貯湯タンク1等を内部に配置する地下ピットPの開口部は、鉄板を加工して形成される開口部閉塞蓋11により閉塞されている。開口部閉塞蓋11は、その周縁部11aが図2に示すようにゴム製パッキング12を介して地下ピットPにボルト13により固定されている。また開口部閉塞蓋11には管路L5,L6,L11,L1をそれぞれ貫通させる孔11b…とハンドホール11cとが形成されている。孔11bを管路L5が貫通する貫通部では、管路L5がゴム製ブッシュ14を介して開口部閉塞蓋11を貫通している(図2参照)。なお管路L6,L11,L1も、それぞれゴム製ブッシュ14を介して管路L5と同様に開口部閉塞蓋11を貫通している。
【0021】
ハンドホール11cは通電制御装置7に、作業者の手を入れることができるように即ちアクセスできるように、開口部閉塞蓋11の通電制御装置7に対応する位置に形成されている。開口部閉塞蓋11には、ハンドホール11cを塞ぐハンドホール閉塞蓋11dが取付けられている。ハンドホール閉塞蓋11dを開ければ通電制御装置7の点検修理を容易に行うことができる。ハンドホール閉塞蓋11dの固定には、ボルト止めやネジ止めを用いることができる。
【0022】
また開口部閉塞蓋11を取り外してからヒータ挿入口1c及び循環ポンプ4の上部にある保温材11を取り除けば、ヒータ2及び循環ポンプ4に簡単にアクセスすることができ、貯湯タンク1を地下ピットPから引き上げることなく、ヒータ2及び循環ポンプ4を点検・修理できる。
【0023】
なお図示していないが、管路L5,L6,L11,L1は、開口部閉塞蓋11の上方においてジョイントにより切り離し可能な構造になっており、管路L5,L6,L11,L1をジョイント部で切り離せば開口部閉塞蓋11は容易に取り外すことができる。また貯湯タンク1の交換等で貯湯タンク1を地下ピットPから引き上げる場合には、次のようにして貯湯タンク1内の湯を排出してから行えばよい。まず給水弁V1を閉じ、安全弁V5及び逃がし弁V6を開けてから、管路L3と管路L5とが連通するように三方弁5を切り替える。次に循環ポンプ4を駆動させて貯湯タンク1内の湯を出口1dから排水溝Mに流す。本実施例ではリモートコントローラ8に排水スイッチを設け、排水スイッチをONするだけで通電制御装置7からの指令により自動的に三方弁5の切り替えと、循環ポンプ4の駆動とを行えるようにしている。そして貯湯タンク1内のほとんどの湯が排出されて管路L3内の水流がなくなったことを水流センサ6が検知すると通電制御装置7からの指令により循環ポンプ4が停止する。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、貯湯タンクに設けるヒータ挿入口を地下ピットの開口部に向かって開口するように設けるため、貯湯タンクを地下ピットから引き上げることなく、ヒータの貯湯タンク内への出し入れが容易になり、ヒータの点検及び修理が容易になる。また循環ポンプを地下ピットの開口部に近接した位置に配置し、通電制御装置を貯湯タンクの上部に配置するため、循環ポンプ及び通電制御装置の点検及び修理も貯湯タンクを地下ピットから引き上げることなく行える利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の地下埋設形貯湯式電気温水器の概略断面図である。
【図2】本実施例の地下埋設形貯湯式電気温水器の開口部閉塞蓋の概略部分断面図である。
【符号の説明】
1 貯湯タンク
1c ヒータ挿入口
2 ヒータ
3 循環路
4 循環ポンプ
5 三方弁
6 水流センサ
7 通電制御装置
8 リモートコントローラ
9 給湯路
11 開口部閉塞蓋
11c ハンドホール
11d ハンドホール閉塞蓋

Claims (2)

  1. ヒータを内部に備えた貯湯タンクが地下ピット内に配置されてなる地下埋設形貯湯式電気温水器であって、
    前記ヒータは前記貯湯タンクに設けられたヒータ挿入口から前記貯湯タンク内に挿入されて前記貯湯タンク内の上部領域に配置され、
    前記貯湯タンク内の前記ヒータよりも上の領域と前記貯湯タンク内の下部領域とを連通する循環路が設けられ、
    前記循環路に配置されて該循環路を通して前記貯湯タンク内の水を循環させる循環ポンプが前記地下ピットの開口部に近接した位置に配置され、
    前記ヒータ挿入口が前記地下ピットの前記開口部に向かって開口するように前記貯湯タンクに形成され、
    前記ヒータ及び前記循環ポンプの通電制御装置が前記貯湯タンクの上部に配置され
    前記循環路には三方弁を介して排水管が接続されており、
    前記三方弁は前記循環ポンプを稼働させて前記貯湯タンク内の水を前記排水管を通して外部に排出できる位置に設けられ、
    前記循環路の前記貯湯タンクの下部領域から前記循環ポンプに至るまでの流路には水流の有無を検出する水流センサが配置され、
    前記通電制御装置は前記貯湯タンク内の水を排出する際に、前記水流センサが水流が無いことを検出すると前記循環ポンプを停止させることを特徴とする地下埋設形貯湯式電気温水器。
  2. 前記地下ピットの前記開口部を閉じる開口部閉塞蓋には、前記通電制御装置に対応する位置にハンドホールが形成されており、前記ハンドホールを塞ぐハンドホール閉塞蓋が前記開口部閉塞蓋に取付けられている請求項1に記載の地下埋設形貯湯式電気温水器。
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