JP3541738B2 - 弾球遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機等の弾球遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、権利発生入賞装置への打球の入賞に基づいて権利発生遊技状態とし、その権利発生遊技状態中に打球が始動入賞口へ入賞する毎に変動入賞装置の扉板を所定期間開放駆動し、前記権利発生遊技状態中に、前記始動入賞口へ規定数の打球が入賞したこと又は前記権利発生入賞装置へ再度打球が入賞したことに基づいて前記権利発生遊技状態が消滅するように構成されたパチンコ機が多数市場に提供されていた。このようなパチンコ機においては、扉板の開放回数が最高規定数まで許容されるが、扉板が開放している状態で始動入賞口に入賞した打球の数も前記規定数として計数するので、始動入賞口への打球の入賞数よりも扉板の開放回数の方が少なくなることがあり、その少ない状態で始動入賞口への打球の入賞数が規定数に到達した場合には、権利発生遊技状態が消滅して、遊技者に不満感を与えるという問題があった。このような問題を解決するために、本出願人は、先に特願昭60−62928号において、扉板が開放している状態においては、打球が始動入賞口へ入賞しないようにした発明を提案した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した発明においては、権利発生入賞装置への打球の入賞率が権利発生遊技状態となった場合でも通常の遊技状態と全く変らないので、扉板の開放回数が規定数に到達しない早期の段階で権利発生遊技状態が消滅するおそれがあり、依然として遊技者の不満感を解消することができないという問題があった。
【0004】
本発明は、上記した問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、権利発生遊技状態において権利発生入賞装置への打球の入賞率を低くし、もって扉板の開放回数をより規定数に近づけることが可能なパチンコ機等の弾球遊技機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明においては、権利発生入賞装置への打球の入賞に基づいて権利発生遊技状態とし、その権利発生遊技状態中に打球が始動入賞口へ入賞する毎に変動入賞装置の扉板を所定期間開放駆動し、前記権利発生遊技状態中に前記権利発生入賞装置へ再度打球が入賞すると前記権利発生遊技状態が消滅する弾球遊技機において、前記権利発生入賞装置は、作動口への打球の入賞により打球が入賞し難い状態と打球が入賞し易い状態とに変化可能な電動役物を備え、前記作動口は、前記変動入賞装置に設けられるとともに前記扉板の直下に配置された通過ゲートとして構成され、その扉板が閉じた状態で打球の入賞を可能とし、扉板が開放した状態では前記通過ゲートへ導く経路が塞がれることにより打球の入賞を不能としたことを特徴とするものである。ここで、前記権利発生入賞装置は前記変動入賞装置と遊技盤上で分離して配置することができる。
【0006】
【作用】
通常の遊技状態において、打球が作動口に入賞すると電動役物が打球が入賞し易い状態となる。そして、打球が電動役物に導かれて権利発生入賞装置内に入賞すると、それに基づいて権利発生遊技状態となる。そして、その権利発生遊技状態中に打球が始動入賞口に入賞すると、扉板が所定期間開放する。扉板が開放すると打球が作動口に入賞できないので、扉板の開放中においては、権利発生入賞装置へ再度打球が入賞して権利が消滅してしまうという心配をすることなく安心して遊技を行うことができる。つまり、本発明においては、従来のように扉板の開放中であっても打球が権利発生入賞装置に入賞して権利発生遊技状態を消滅させるものに比較して、少なくとも扉板の開放期間中に権利発生入賞装置に打球の入賞がなくなるので、権利発生遊技状態を消滅させる可能性が低くなり、その分、扉板の開放回数を規定数に近づけることが可能となる。そして、かかる理由より、権利消滅の心配なしに権利発生入賞装置と変動入賞装置との位置関係を自由に設定することができる。しかも、扉板との位置関係によって作動口への入賞を不能としていることから、特別な駆動機構を用意しなくて済み、構造の簡素化を図ることができる。また、作動口を変動入賞装置と一体に設けているため、遊技盤への取付作業も容易である。さらに、作動口を通過ゲート構成としたので、変動入賞装置に作動口を設けているにもかかわらず、変動入賞装置全体としての大きさを低減し得るばかりか、入球される口が近接位置に設けられる結果となるにもかかわらず作動口についての内部球通路を設ける必要がなくなって球処理機構が密集するおそれを回避し得る。
【0007】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0008】
まず、実施例に係るパチンコ機について図1を参照して説明する。図1は、パチンコ機の正面図である。図において、パチンコ機1の額縁状に形成された前面枠2の開口には、金枠3が周設されている。そして、その金枠3には、ガラスを有するガラス扉枠4と前面扉板5とが開閉自在に設けられている。ガラス扉枠4の後方には、前記前面枠2の裏面に固定される遊技盤固定枠(図示しない)に着脱自在に取り付けられる遊技盤9が配置されている。
【0009】
前記前面扉板5の表面には、入賞玉の発生により図示しない賞品球排出装置から排出された賞品球を優先的に貯留し、且つ打球を発射位置に誘導する上皿6が取り付けられている。
【0010】
前記前面枠2の下方には、発射装置の一部を構成する操作ハンドル8が突設固定され、該操作ハンドル8の側方には、前記上皿6に貯留し切れなかった賞品球を貯留する下皿7が取り付けられている。
【0011】
前記遊技盤9の前面には、打球を誘導する誘導レール10がほぼ円状に植設され、該誘導レール10によって囲まれた範囲が遊技領域11を構成している。遊技領域11のほぼ中央には、本実施例の要部の1つを構成する権利発生入賞装置12が設けられている。この権利発生入賞装置12は、その上部に一対の開閉翼片14を有する電動役物13を備えており、一対の開閉翼片14が遊技盤9の裏面に配置されるソレノイド15によって開閉制御されるようになっている。しかして、図示の実施例では、ソレノイド15がOFFの状態では、開閉翼片14が起立してその先端が閉じられており、遊技領域11を落下する打球が入賞しないようになっており、ソレノイド15がONの状態では、開閉翼片14が開放して遊技領域11を落下する打球が入賞することができるようになっている。また、開閉翼片14に受け止められて権利発生入賞装置12に入賞した打球は、その内部に設けられる検出スイッチ16によって検出される。検出スイッチ16の検出信号は、通常遊技モードにおいて権利発生信号として扱われ、権利発生遊技モードにおいて権利消滅信号として扱われる。また、本実施例においては、前記ソレノイド15は、後述する作動スイッチ45がONしたことに基づいて一定時間(例えば、6秒)励磁されるようになっている。
【0012】
なお、図示の実施例では、開閉翼片14の開放によってのみ打球が権利発生入賞装置12に入賞し、その入賞した打球がすべて検出スイッチ16によって検出されるものを示したが、権利発生入賞装置12の内部を複数に区画し、その区画された領域の1つに検出スイッチ16を設けるようにしてもよいし、あるいは検出スイッチ16がONしたときに直ちに権利発生又は権利消滅とするのではなく、例えば、変動表示器を変動させて、その表示結果によって権利発生又は権利消滅を判定するようにしてもよい。また、本実施例においては、後述する作動スイッチ45がONしたことに基づいて直ちにソレノイド15をONさせるようにしたが、作動スイッチ45のONによって変動表示器を変動させ、その表示結果によってソレノイド15をONさせるようにしてもよい。更に、電動役物13の開閉翼片14が閉じているときに全く打球が入賞しないものを示したが、極めて少ない確率で入賞するものでもよい。
【0013】
上記した権利発生入賞装置12の上部には、通常の入賞口17が配置され、また、権利発生入賞装置12の斜め左右下方にチューリップ入賞口18a,18bが配置されている。更に、遊技領域11の最下方中央に入賞しなかった打球を回収するアウト口19も設けられている。
【0014】
更に、前記アウト口19の上部には、本実施例のもう1つの要部を構成する変動入賞装置20が配置されている。この変動入賞装置20は、前記遊技盤9の表面に取付けられる取付基板21に集約して形成されるものであり、これについて図2乃至図6を参照して説明する。図において、取付基板21の中央部には、複数の打球が同時に通過可能な広さの大入賞口としての玉入口22を開設し、その玉入口22を移動部材としての扉板23により閉塞している。扉板23は、その下端両側に突設した軸杆24a,24bを玉入口22の下側に挿入して開閉自在に装着し、さらに扉板23の裏面側縁に突設した腕杆25をソレノイド26のプランジャ27先端に係合させ、常態では、ソレノイド26のバネ28の付勢力により図5の実線のように扉板3を起立させるようにしている。
【0015】
また、取付基板21には、玉入口22の両側位置に打球1個が通過可能な玉入口29a,29bを開設し、この玉入口29a,29bの前面を覆う状態で箱状のチャッカー30a,30bを固着して小入賞口としての始動入賞口31a,31bを形成すると共に、取付基板21の裏面に玉入口22及び両玉入口29a,29bを囲う案内箱32が一体に固着されている。玉入口29a,29bに対応する案内箱32は、その上面にて玉入口29a,29bに入賞する打球を遊技盤9の裏面に導くと共に、案内箱32内に設置した近接型の始動スイッチ33a,33b(図6参照;ただし33aは図示せず)によりその入賞を検出し、また、玉入口22に対応する案内箱32の底壁32aは、樋状に形成され、玉入口22に入賞した打球を玉出口34に導く。
【0016】
また、前記チャッカー30a,30bの内部には、上端を山型に形成した移動部材としての弁部材35a,35bを上下摺動自在に装着し、該弁部材35a,35bをチャッカー30a,30bの内側壁に一端を係止したバネ36a,36bにより常時下向きに付勢している。そして、図4及び図6に示すようにほぼ逆[L」字形状の屈曲部を案内箱32に支持した軸37a,37b(37aは、図示せず;以下、43aまで図示せず)に軸支される押上杆38a,38bの水平腕39a,39bを弁部材35a,35bの下面に臨ませている。また、押上杆38a,38bの垂直腕40a,40bには、長孔41a,41bが穿設されており、前記扉板23の軸杆24a,24b先端に固着した係合腕42a,42bの係合ピン43a,43bを押上杆38a,38bの長孔41a,41bに挿通している。なお、上記した弁部材35a,35b上端の形状は、左右対称の山型形状に限定されるものではなく、例えば外側あるいは内側の位置方向にのみ傾斜する斜面であってもよいし、チャッカー30a,30b内に出没するストッパー片であってもよい。この場合、ストッパー片が突出した状態で打球を後方に誘導して始動スイッチ33a,33bで検出するようにし、ストッパー片が退避した状態で打球を下方に通過させるようにすれば良い。
【0017】
また、取付基板21の中央下方には、打球が通過する作動口44が突設されており、その作動口44には、通過する打球を検出する作動スイッチ45が内蔵されている。この作動口44は、図5に示すように扉板23が閉じた状態で上方から落下する打球を受け入れるものであるが、扉板23が開放した状態では上方から落下する打球がすべて扉板23に受け止められるため、打球を受入ないようになっている。また、作動口44は、打球が通過したときに前記電動役物13のソレノイド15を一定時間励磁するためのものであり、権利発生遊技状態の発生・消滅に深く関与するため、パチンコ機の構成上、前記始動入賞口31a,31bほど簡単には、打球が入賞(通過)しないようにその上流側に配置される障害釘が植立されている。
【0018】
上記のように構成されるパチンコ機1の作用について以下説明する。
【0019】
通常の状態においては、変動入賞装置20は、扉板23がソレノイド26のバネ28の付勢力により起立して打球の入賞を阻止している。この時、始動入賞口31a,31bは、弁部材35a,35bがバネ36a,36bの付勢力により下がった位置にあり、打球がチャッカー30a,30bに入り弁部材35a,35b上に乗ると玉入口29a,29bに導かれて通常の入賞玉となる。また、作動口44の上方が扉板23によって邪魔されることがないので、打球が通過し得るようになっている。
【0020】
上記した状態で遊技者が弾発した打球が作動口44を通過すると作動スイッチ45がONしてソレノイド15を一定時間(例えば、6秒)ONする。ソレノイド15がONすると電動役物13の開閉翼片14が開放するので打球が権利発生入賞装置12に入賞し易くなる。しかして、打球が権利発生入賞装置12に入賞すると、検出スイッチ16がONして権利発生遊技状態となり、これにより変動入賞装置20を例えば16回開放動作する権利が発生する。しかし、この状態では、未だ扉板23が開放せず、その権利が留保されている。そして、ここで打球が始動入賞口31a,31bに打球が入賞すると始動スイッチ33a,33bがONし、これによってソレノイド26が励磁されて扉板23が開放する。この扉板23の開放に伴って軸杆24a,24bと一体の係合腕42a,42bが図6の鎖線のように反時計方向に回動し、係合ピン43a,43bを介して押上杆38a,38bが回動して水平腕39a,39bが弁部材35a,35bを押し上げる。これによって上昇した弁部材35a,35bは、玉入口29a,29bを閉塞し、打球の入賞を阻止すると共に、上端の山型形状によってパチンコ玉を左右に振分ける。また、扉板23の開放に伴って作動口44への打球通過も阻止される。扉板23の開放動作は、所定時間(例えば、10秒)の経過、又は所定個数(例えば、10個)の入賞により閉じられる。そして、扉板23が閉じると、係合腕42a,42bを介して押上杆38a,38bが図6実線の位置に復動し、弁部材35a,35bもバネ36a,36bの作用により下動して玉入口29a,29bを開放する。また、作動口44にも再度打球が通過し得るようになる。しかし、作動口44より始動入賞口31a,31bの方が打球の入賞率が高いため、扉板23が閉じた状態でも打球が早く始動入賞口31a,31bに導かれ、再度扉板23を開放する。
【0021】
上記した動作は、始動入賞口31a,31bに予め定められた規定数(例えば、16)の打球が入賞するまで繰り返され、規定数に到達するまで打球が権利発生入賞装置12に誘導されて権利消滅となる確率を低く抑えることができる。
【0022】
また、上記した実施例においては、遊技内容の主要部を構成する扉板23と始動入賞口31a,31bと作動口44とを1つの取付基板21に集約して形成したので、それぞれの取付作業が簡略化される。もちろん、これらを別体に構成して同じ位置又は異なる位置に配置しても良い。
【0023】
なお、上記した実施例では、始動入賞口31a,31bに扉板23の開放と連動する弁部材35a,35bを設けたものを示したが、始動入賞口31a,31bの位置を作動口44と同様に扉板23の下方に配置しても良い。このように構成すれば、弁部材やこれを作動するリンク機構等を省略して上記実施例と同等な効果を得ることができる。また、逆に作動口44の位置を扉板23の上方に設け、扉板23の開放と連動して作動口44を閉塞する弁部材を設けてもよい。そして、これらの弁部材を電気的駆動源によって動作させてもよい。
【0024】
また、上記実施例では、作動口44を打球が通過入賞する通過口として示したが、入賞して賞品球を排出する入賞口として構成してよい。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したところから明らかなように、本発明においては、従来のように扉板の開放中であっても打球が権利発生入賞装置に入賞して権利発生遊技状態を消滅させるものに比較して、少なくとも扉板の開放期間中に権利発生入賞装置に打球を入賞させることがないので、権利発生遊技状態を消滅させる可能性が低くなり、その分、扉板の開放回数を規定数に近づけることが可能となる。また、これにより権利消滅の心配なしに権利発生入賞装置と変動入賞装置との位置関係を自由に設定することができる。しかも、扉板との位置関係によって作動口への入賞を不能としていることから、特別な駆動機構を用意しなくて済み、構造の簡素化を図ることができる。また、作動口を変動入賞装置と一体に設けているため、遊技盤への取付作業も容易である。さらに、作動口を通過ゲート構成としたので、変動入賞装置に作動口を設けているにもかかわらず、変動入賞装置全体としての大きさを低減し得るばかりか、入球される口が近接位置に設けられる結果となるにもかかわらず作動口についての内部球通路を設ける必要がなくなって球処理機構が密集するおそれを回避し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るパチンコ機の正面図。
【図2】変動入賞装置の斜視図。
【図3】変動入賞装置の正面図。
【図4】一部断面にして示す変動入賞装置の要部の拡大正面図。
【図5】図4のX−X線断面図。
【図6】図4のY−Y線断面図。
【符号の説明】
1…パチンコ機、12…権利発生入賞装置、13…電動役物、16…検出スイッチ、20…変動入賞装置、21…取付基板、22…玉入口(大入賞口)、23…扉板(移動部材)、31a,31b…始動入賞口(小入賞口)、35a,35b…弁部材(移動部材)、44…作動口。
Claims (2)
- 権利発生入賞装置への打球の入賞に基づいて権利発生遊技状態とし、その権利発生遊技状態中に打球が始動入賞口へ入賞する毎に変動入賞装置の扉板を所定期間開放駆動し、前記権利発生遊技状態中に前記権利発生入賞装置へ再度打球が入賞すると前記権利発生遊技状態が消滅する弾球遊技機において、
前記権利発生入賞装置は、作動口への打球の入賞により打球が入賞し難い状態と打球が入賞し易い状態とに変化可能な電動役物を備え、
前記作動口は、前記変動入賞装置に設けられるとともに前記扉板の直下に配置された通過ゲートとして構成され、その扉板が閉じた状態で打球の入賞を可能とし、扉板が開放した状態では前記通過ゲートへ導く経路が塞がれることにより打球の入賞を不能としたことを特徴とする弾球遊技機。 - 前記権利発生入賞装置を前記変動入賞装置と遊技盤上で分離して配置したことを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機。
Priority Applications (1)
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JP21853799A JP3541738B2 (ja) | 1999-08-02 | 1999-08-02 | 弾球遊技機 |
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