JP3541414B2 - 二サイクルエンジンの残留燃料処理構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は二サイクルエンジンの残留燃料処理構造に係り、特に二サイクルエンジンのクランク室に残留する燃料を回収して蓄積し得て、掃気通路に混合気が滞留することを防止し得て、白煙等の発生を防止し得て、また、回収して蓄積した残留燃料を高速運転時に吸気通路に供給し得て、低速運転時に要求される空燃比への悪影響を排除し得て、安定した燃焼を維持し得るとともに振動等の発生を防止し得て、構造が簡単で残留燃料の供給時期の設定を容易になし得る二サイクルエンジンの残留燃料処理構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
動力源としてのエンジンには、四サイクルエンジンや二サイクルエンジンがある。二サイクルエンジンには、キャブレタにより生成した混合気をクランク室に導入し、クランク室の圧力を利用して混合気を掃気通路から掃気ポートを介してシリンダ内に導入し、燃焼させるものがある。また、二サイクルエンジンには、船外機のように、シリンダの中心線を略水平方向に指向させて配設するとともにクランク軸の中心線を略垂直方向に指向させて配設したものがある。
【0003】
このような二サイクルエンジンにおいては、クランク室や掃気通路に液状の燃料が残留することがである。従来の残留燃料を処理する技術としては、残留燃料をチェックバルブを介してクランク軸アッパベアリング等に供給し、残留燃料をベアリング潤滑用として利用するものがある。また、残留燃料を処理する従来の技術としては、クランク室の圧力を利用して、チェックバルブを介して他のシリンダの掃気通路に供給し、燃焼させるものがある。
【0004】
また、残留燃料を処理する従来の技術としては、実開昭48−33935号公報や実開昭50−18839号公報に開示されるものがある。実開昭48−33935号公報に開示される技術は、クランク室圧縮型2サイクル機関において、クランク室の底部に逆止弁を設けるとともに気化器のベンチュリ部上流側の吸気通路にノズルを設け、逆止弁から貯留タンクを経てノズルに到る給油路を設けたものである。
【0005】
実開昭50−18839号公報に開示される技術は、クランク室予圧縮型2サイクルエンジンにおいて、クランク室底部にラビリンスシール等の部材を介して油溜部を設け、この油溜部と吸気通路のリードバルブ端に開孔した開孔部とを連通する連通路を設けたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来の残留燃料を処理する技術においては、回収した残留燃料を吸気通路に供給している。したがって、従来の技術においては、キャブレタやインジェクタにより運転状態に応じて供給される適正な量の燃料に、残留燃料が加算されて増量されることになる。
【0007】
このため、回収した残留燃料を吸気通路に単に供給するだけでは、空燃比に悪影響を及ぼす不都合がある。この空燃比に悪影響を及ぼす不都合は、特に、供給される空燃比に敏感な低速運転時において顕著となる。二サイクルエンジンは、低速運転時にそのシリンダの空燃比が要求される設定値から外れると、燃焼が不安定となり、振動を発生する不都合がある。
【0008】
また、従来の残留燃料を処理する技術の一つとして、残留燃料をキャブレタのフロート室に戻すものもある。しかし、残留燃料は、燃焼により形成される成分を含んでいるため、キャブレタのフロート室に戻した場合に、キャブレタの微細な孔を形成した部品、例えば、ジェット類の目詰まりを招く不都合がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、二サイクルエンジンの低速運転時にクランク室に残留する残留燃料を回収して蓄積するとともに、前記二サイクルエンジンの高速運転時に蓄積された残留燃料を吸気通路に供給して処理する残留燃料処理手段を設けた二サイクルエンジンの残留燃料処理構造において、前記残留燃料処理手段は、二サイクルエンジンのクランク室最下部に残留燃料の回収室を設け、この回収室に一端側を連通する導出通路を設け、この導出通路の他端側を連通される蓄積室を設け、この蓄積室に一端側を連通するとともに他端側をスロットルバルブよりも下流側の吸気通路に連通する供給通路を設け、この供給通路の途中に前記吸気通路側への残留燃料の流通を許容する供給弁を設け、前記蓄積室に一端側を連通するとともに他端側をキャブレタ本体のバルブ軸軸支部の導圧孔に連通する導圧通路を設け、前記スロットルバルブのバルブ軸には、前記二サイクルエンジンの低速運転時に前記蓄積室に吸気負圧を作用させて前記供給弁を閉鎖動作させることにより残留燃料を回収して蓄積させるべく前記バルブ軸軸支部の導圧孔と吸気通路とを連通するとともに、前記二サイクルエンジンの高速運転時に前記蓄積室にクランク室圧力を作用させて前記供給弁を開放動作させることにより蓄積された残留燃料を吸気通路に供給させるべく前記バルブ軸軸支部の導圧孔と吸気通路とを遮断する切欠溝を設けたことを特徴とする。
【0010】
【作用】
この発明の構成によれば、残留燃料処理手段は、二サイクルエンジンの低速運転時にクランク室に残留する燃料を回収して蓄積するともに、この蓄積された残留燃料を二サイクルエンジンの高速運転時に吸気通路に供給する。これにより、残留燃料処理手段は、二サイクルエンジンのクランク室に残留する燃料を回収して貯留し得て、掃気通路に混合気が滞留することを防止できる。また、残留燃料処理手段は、回収されて蓄積された残留燃料を、低速運転時に吸気通路に供給せず、高速運転時に吸気通路に供給することにより、低速運転時に要求される空燃比への悪影響を排除することができる。さらに、残留燃料処理手段は、スロットルバルブのバルブ軸に、二サイクルエンジンの低速運転時にバルブ軸軸支部の導圧孔と吸気通路とを連通するとともに二サイクルエンジンの高速運転時にバルブ軸軸支部の導圧孔と吸気通路とを遮断する切欠溝を設け、低速運転時に残留燃料を蓄積室に回収蓄積するとともに高速運転時に残留燃料をマニホルド吸気通路に供給している。このように、残留燃料処理手段は、スロットルバルブの開閉動作に関連して残留燃料を回収・蓄積して供給する構成としていることにより、構造を簡単とし得て、キャブレタ本体に設けられる導圧孔とバルブ軸に設けられる切欠溝との位置関係によって、残留燃料の供給時期の設定を容易になすことができる。
【0011】
【実施例】
以下図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。
【0012】
図1〜図7は、この発明の実施例を示すものである。図7において、2は二サイクルエンジン、4はシリンダブロック、6はシリンダヘッド、8は点火プラグ、10はクランクケース、12はクランク軸、14はコネクティングロッド、16はピストンである。この二サイクルエンジン2は、エアクリーナ18にキャブレタ20と吸気マニホルド22とを順次に接続し、吸気マニホルド22をクランクケース10に接続している。
【0013】
これにより、二サイクルエンジン2は、エアクリーナ18からキャブレタ20のキャブレタ吸気通路24と吸気マニホルド22のマニホルド吸気通路26とにより形成される吸気通路28をクランクケース10のクランク室30に連通している。クランク室30は、リードバルブ32を介して掃気通路34の一端側に連通され、掃気通路34の他端側を掃気ポート36によりシリンダ38に連通している。
【0014】
前記キャブレタ20は、図3に示す如く、キャブレタ本体40にバルブ軸軸支部42を設け、バルブ軸44を軸支している。バルブ軸44には、キャブレタ吸気通路24を開閉するスロットルバルブ46を設けている。なお、符号20aはカラー、符号20bはオイルシール、符号20cはワッシャである。
【0015】
前記二サイクルエンジン2は、キャブレタ20により生成した混合気を吸気マニホルド22によりクランクケース10のクランク室30に導入し、クランク軸12の回転により発生するクランク室30の圧力変化を利用してリードバルブ32を開閉動作させ、リードバルブ32の開放動作時にクランク室30の混合気を掃気通路34により掃気ポート36からシリンダ38内に導入し、点火プラグ8により点火燃焼させる。
【0016】
この二サイクルエンジン2は、シリンダ38の中心線を略水平方向に指向させて配設するとともにクランク軸12の中心線を略垂直方向に指向させて配設し、動力機器である例えば船外機48に動力源として搭載されている。船外機48の動力源として搭載された二サイクルエンジン2は、ドライブ軸50を介して図示しないプロペラを駆動し、船舶(図示せず)を航走させる。なお、符号52は、カバーである。
【0017】
この二サイクルエンジン2は、クランク室30や掃気通路34に燃料が残留する。この残留する燃料を処理する二サイクルエンジン2の残留燃料処理構造において、二サイクルエンジン2の低速運転時に残留燃料を回収して蓄積するとともに二サイクルエンジン2の高速運転時に蓄積された残留燃料を吸気通路28に供給する残留燃料処理手段54を設けている。
【0018】
残留燃料処理手段54は、二サイクルエンジン2のクランク室30最下部に残留燃料を回収する回収室56を設けている。回収室56は、クランク室30最下部の、クランク軸軸受58とオイルシール60との間に設けている。なお、この実施例においては、図6に示す如く、シリンダブロック4の上側のクランク室30の掃気通路34と下側のクランク室30の掃気通路34とを連通する部位に回収弁62を設けている。
【0019】
回収弁62は、回収孔64にOリング66によりシールされて装着された本体68とこの本体68内の貫通孔70に装着された中空先鋭偏平体形状の先端側に開閉する弁部72を有する弁体74とこの弁体74の押さえ板76とから構成されるダックビル式のチェックバルブである。この回収弁62は、弁部72を有する弁体74により上側の掃気通路34から下側の掃気通路34側への残留燃料の流通を許容し、回収室56側に残留燃料を回収する。
【0020】
前記回収室56には、第1接続管78により導出パイプ80の一端側を接続している。導出パイプ80の他端側は、第2接続管82により蓄積体84に接続されている。前記第1接続管78・導出パイプ80・第2接続管82は、導出通路86を形成する。前記蓄積体84は、両側の側壁部88・90と上方の上壁部92と下方の下壁部94とにより蓄積室96を形成する。これにより、前記導出通路86は、一端側を回収室56に連通するとともに他端側を蓄積室96に連通して設けている。
【0021】
前記導出通路86の途中には、残留燃料を蓄積室96側に導出する導出弁98を設けている。導出弁98は、前記回収弁62と同様に構成されているので、概略を説明する。即ち、導出弁98は、本体と先端側に弁部を有する中空先鋭偏平体形状の弁体と押さえ板とから構成されるダックビル式のチェックバルブであり、弁部を有する弁体により回収室56から蓄積室96側への残留燃料の流通を許容し、蓄積室96に残留燃料を蓄積する。
【0022】
前記蓄積室96には、一側の側壁部88に開口する導出通路86の出口100に対向するように、上壁部92から下壁部94側に指向させて障壁部102を設けている。障壁部102は、導出通路86から蓄積室96に流入する蓄積燃料を衝突させて、蓄積室96の下方に案内する。
【0023】
前記蓄積体84の下壁部94には、第3接続管104により供給パイプ106の一端側を接続している。供給パイプ106の他端側は、供給ノズル108に接続されている。供給ノズル108は、キャブレタ20のスロットルバルブ46よりも下流側の吸気通路28である吸気マニホルド22のマニホルド吸気通路26の分岐する部位に臨ませて設けられている。
【0024】
前記第3接続管104・供給パイプ106・供給ノズル108は、供給通路110を形成する。これにより、供給通路110は、一端側を蓄積室96に連通するとともに他端側をスロットルバルブ46よりも下流側のマニホルド吸気通路26に連通して設けている。
【0025】
前記供給通路110の途中には、マニホルド吸気通路26側への残留燃料の流通を許容する供給弁112を設けている。供給弁112は、図5に示す如く、第3接続管104の途中を拡張して形成した本体114とこの本体114内の弁室116の蓄積室96側に形成した弁座118とこの弁座118に接離される弁体120とこの弁体120を弁座118に押圧するばね122とから構成されるスプリング式のチェックバルブである。この供給弁112は、弁体120及びばね122により蓄積室96からマニホルド吸気通路26側への残留燃料の流通を許容する。
【0026】
前記蓄積体84の上壁部92には、第4接続管124により導圧パイプ126の一端側を接続している。第4接続管124は、一側の側壁部88に開口する導出通路86の出口100と離隔するように、障壁部102を挟んで出口100と反対側の上壁部92に設けられている。
【0027】
前記導圧パイプ126の他端側は、キャブレタ20のキャブレタ本体40に設けた第5接続管128に接続されている。前記第4接続管124・導圧パイプ126・第5接続管128は、導圧通路130を形成する。前記第5接続管128は、キャブレタ本体40のバルブ軸軸支部42に開口して設けた導圧孔132に接続されている。これにより、導圧通路130は、蓄積室96に一端側を連通するとともに他端側をキャブレタ本体40のバルブ軸軸支部42の導圧孔132に連通して設けている。
【0028】
前記スロットルバルブ46のバルブ軸44には、図3・図4に示す如く、一端側が導圧孔132に達するとともに他端側がキャブレタ吸気通路24に達する切欠溝134を設けている。この切欠溝134は、前記二サイクルエンジン2の低速運転時にバルブ軸軸支部42の導圧孔132とキャブレタ吸気通路24とを連通するとともに前記二サイクルエンジン2の高速運転時にバルブ軸軸支部42の導圧孔132とキャブレタ吸気通路24とを遮断するように位置させて、スロットルバルブ46のバルブ軸44に設けられている。
【0029】
前記切欠溝134は、二サイクルエンジン2の低速運転時に、バルブ軸軸支部42の導圧孔132とキャブレタ吸気通路24とを連通する。これにより、切欠溝134は、蓄積室96に吸気負圧を作用させて供給弁112を閉鎖動作させ、回収室56から導出通路86により残留燃料を回収して蓄積させる。
【0030】
また、切欠溝134は、二サイクルエンジン2の高速運転時に、バルブ軸軸支部42の導圧孔132とキャブレタ吸気通路24とを遮断する。これにより、切欠溝134は、蓄積室96に吸気負圧を作用させずに、クランク室30の圧力を作用させて供給弁112を開放動作させ、蓄積室96に蓄積された残留燃料をマニホルド吸気通路26に供給させる。
【0031】
このように、スロットルバルブ46のバルブ軸44には、二サイクルエンジン2の低速運転時に蓄積室96に吸気負圧を作用させて供給弁112を閉鎖動作させることにより残留燃料を回収して蓄積室96に蓄積させるべくバルブ軸軸支部42の導圧孔132とキャブレタ吸気通路24とを連通するとともに、二サイクルエンジン2の高速運転時に蓄積室96にクランク室30の圧力を作用させて供給弁112を開放動作させることにより蓄積室96に蓄積された残留燃料をマニホルド吸気通路26に供給させるべくバルブ軸軸支部42の導圧孔132とキャブレタ吸気通路24とを遮断する、切欠溝134を設けている。なお、低速運転時には、スロットルバルブ46の開度がアイドル開度から低速でのトローリング開度までの開度となっている。また、高速運転時には、スロットルバルブ46の開度が前記トローリング開度以上の開度になっている。
【0032】
次に作用について説明する。
【0033】
前記二サイクルエンジン2は、エアクリーナ18から取り入れた空気にキャブレタ20により燃料を混合してキャブレタ吸気通路24に混合気を生成する。キャブレタ20は、キャブレタ本体40のバルブ軸軸支部42に軸支したバルブ軸44を回動させてスロットルバルブ46によりキャブレタ吸気通路24を開閉し、混合気の量を調整する。
【0034】
キャブレタ20において生成された混合気は、吸気マニホルド22のマニホルド吸気通路26によりクランクケース10のクランク室30に導入し、クランク軸12の回転により発生するクランク室30の圧力変化を利用してリードバルブ32を開閉動作させ、リードバルブ32の開放動作時にクランク室30の混合気を掃気通路34により掃気ポート36からシリンダ38内に導入し、点火プラグ8により点火燃焼させる。
【0035】
前記二サイクルエンジン2は、シリンダ38の中心線を略水平方向に指向させて配設するとともにクランク軸12の中心線を略垂直方向に指向させて配設し、動力機器である例えば船外機50に動力源として搭載されている。船外機50の動力源として搭載された二サイクルエンジン2は、ドライブ軸52を介して図示しないプロペラを駆動し、船舶(図示せず)を航走させる。
【0036】
この二サイクルエンジン2は、低速運転時に残留燃料を回収して蓄積するとともに高速運転時に残留燃料を吸気通路28に供給する残留燃料処理手段54を設けている。
【0037】
残留燃料処理手段54は、二サイクルエンジン2の低速運転時に、図1に示す如く、スロットルバルブ46のバルブ軸44に設けられた切欠溝134が、バルブ軸軸支部42の導圧孔132とキャブレタ吸気通路24とを連通する。
【0038】
これにより、切欠溝134は、蓄積室96に吸気負圧を作用させてクランク室圧力を相殺して供給弁112を閉鎖動作させ、回収室56から導出通路86により残留燃料を回収して蓄積させる。したがって、残留燃料処理手段54は、二サイクルエンジン2の低速運転時に、残留燃料を吸気通路28に供給しない。
【0039】
また、残留燃料処理手段54は、二サイクルエンジン2の高速運転時に、切欠溝134が、バルブ軸軸支部42の導圧孔132とキャブレタ吸気通路24とを遮断する。
【0040】
これにより、切欠溝134は、蓄積室96に吸気負圧を作用させずに、クランク室30の圧力を作用させて供給弁112を開放動作させ、蓄積室96に蓄積された残留燃料を供給通路110によりマニホルド吸気通路26に供給させる。マニホルド吸気通路26に供給された残留燃料は、気化されて混合気とともにクランクケース10のクランク室30に導入され、リードバルブ32の開放動作時に掃気通路34により掃気ポート36からシリンダ38内に導入され、点火プラグ8により点火燃焼される。
【0041】
このとき、残留燃料処理手段54は、二サイクルエンジン2の燃焼に大きな影響を与えないように、適正な量の残留燃料を供給する。残留燃料処理手段54は、二サイクルエンジン2の高速運転時に供給される残留燃料を燃焼に大きな影響を与えないように適正な量とするために、例えば、第3接続管104・供給パイプ106・供給ノズル108・供給通路110・供給弁112等の通路径や通路長さを適正な値に設定している。あるいは、吸気通路28に供給される残留燃料の量を設定するジェットを、供給通路110に設けることもできる。
【0042】
このように、残留燃料処理手段54は、二サイクルエンジン2の低速運転時にクランク室30に残留する燃料を回収して蓄積するともに、この蓄積された残留燃料を二サイクルエンジン2の高速運転時に吸気通路28に供給する。
【0043】
これにより、残留燃料処理手段54は、二サイクルエンジン2のクランク室30に残留する燃料を回収して貯留し得て、掃気通路34に混合気が滞留することを防止できる。このため、この残留燃料処理手段54は、白煙等の発生を防止することができる。
【0044】
また、残留燃料処理手段54は、二サイクルエンジン2の低速運転時に残留燃料を回収して蓄積し、回収されて蓄積された残留燃料を高速運転時に吸気通路28に供給することにより、低速運転時の空燃比の変動を防止して燃焼を安定させることができ、低速運転時に要求される空燃比への悪影響を排除することができる。このため、残留燃料処理手段54は、低速運転時に安定した燃焼を維持し得るとともに振動等の発生を防止することができる。
【0045】
一方、残留燃料処理手段54は、燃料量の多い二サイクルエンジン2の高速運転時に、蓄積された残留燃料を吸気通路28に供給することにより、高速運転時の空燃比の大きな変動を招くことがなく、安定した燃焼を得ることができる。このため、残留燃料処理手段54は、高速運転時に不具合を発生することがない。
【0046】
さらに、この残留燃料処理手段54は、スロットルバルブ46のバルブ軸44に、二サイクルエンジン2の低速運転時にバルブ軸軸支部42の導圧孔132とキャブレタ吸気通路24とを連通するとともに二サイクルエンジン2の高速運転時にバルブ軸軸支部42の導圧孔132とキャブレタ吸気通路24とを遮断する切欠溝134を設け、低速運転時に残留燃料を蓄積室96に回収蓄積するとともに高速運転時に残留燃料をマニホルド吸気通路26に供給している。
【0047】
このように、この残留燃料処理手段54は、スロットルバルブ46の開閉動作に関連して残留燃料を回収・蓄積して供給する構成としていることにより、構造を簡単とし得て、キャブレタ本体40に設けられる導圧孔132とバルブ軸44に設けられる切欠溝134との位置関係によって、残留燃料の供給時期の設定を容易になすことができる。
【0048】
また、この残留燃料処理手段54は、残留燃料をキャブレタ20のフロート室に戻していないため、残留燃料に含まれる燃焼により形成される成分によるキャブレタ20の微細な孔を形成した部品、例えば、ジェット類の目詰まりを招くこともない。
【0049】
さらに、蓄積室96には、一側の側壁部88に開口する導出通路86の出口100に対向するように、上壁部92から下壁部94側に指向させて障壁部102を設けている。この障壁部102は、導出通路86から蓄積室96に流入する蓄積燃料を衝突させて、蓄積室96の下方に案内することにより、残留燃料が導圧通路312に流入することを防止できる。
【0050】
なお、この二サイクルエンジン2を動力源として搭載した船外機50は、レジャー用途等の小型船舶に使用されるものであり、長時間に渡り低速運転されることは少なく、低速運転と高速運転とを断続的に繰り返されものである。したがって、この残留燃料処理手段54は、回収・蓄積と供給とを断続的に行うことにより、残留燃料を適切に二サイクルエンジン2に供給して燃焼処理することができる。
【0051】
また、残留燃料処理手段54は、低速運転が長時間連続して行われることにより、多量の残留燃料が回収されて蓄積室96の容積を越えた場合に、蓄積室96から溢流する残留燃料を導圧通路130により導圧孔132から切欠溝134を介してキャブレタ吸気通路24に供給することができる。このため、この残留燃料処理手段54は、蓄積室96から溢流する残留燃料を二サイクルエンジン2に供給して燃焼させることができ、二サイクルエンジン2外に流出することを防止し得て、船外機50内や海水を汚染することもない。
【0052】
さらに、トローリング等による運転が長時間連続して行われることにより、蓄積室96から残留燃料が溢流した場合にも、前記と同様に切欠溝134を介してキャブレタ吸気通路24に供給し、二サイクルエンジン2に供給して燃焼させることができ、二サイクルエンジン2外に流出することを防止し得て、船外機50内や海水を汚染することもない。
【0053】
【発明の効果】
このように、この発明によれば、残留燃料処理手段は、二サイクルエンジンの低速運転時にクランク室に残留する燃料を回収して蓄積するともに、この蓄積された残留燃料を二サイクルエンジンの高速運転時に吸気通路に供給する。これにより、残留燃料処理手段は、二サイクルエンジンのクランク室に残留する燃料を回収して貯留し得て、掃気通路に混合気が滞留することを防止できる。このため、残留燃料処理手段は、白煙等の発生を防止することができる。
【0054】
また、残留燃料処理手段は、回収されて蓄積された残留燃料を、二サイクルエンジンの高速運転時に吸気通路に供給することにより、低速運転時に要求される空燃比への悪影響を排除することができる。このため、残留燃料処理手段は、安定した燃焼を維持し得るとともに振動等の発生を防止することができる。
【0055】
さらに、この残留燃料処理手段は、スロットルバルブの開閉動作に関連して残量燃料を回収・蓄積して供給する構成としていることにより、構造を簡単とし得て、キャブレタ本体に設けられる導圧孔とバルブ軸に設けられる切欠溝との位置関係によって、残留燃料の供給時期の設定を容易になすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す残留燃料処理構造の低速運転時における作用を示す概略断面図である。
【図2】残留燃料処理構造の高速運転時における作用を示す概略断面図である。
【図3】キャブレタ本体のバルブ軸軸支部の断面図である。
【図4】スロットルバルブのバルブ軸の断面図である。
【図5】供給弁の断面図である。
【図6】回収弁の断面図である。
【図7】二サイクルエンジンの断面図である。
【符号の説明】
2 二サイクルエンジン
4 シリンダブロック
6 シリンダヘッド
10 クランクケース
12 クランク軸
18 エアクリーナ
20 キャブレタ
22 吸気マニホルド
24 キャブレタ吸気通路
26 マニホルド吸気通路
28 吸気通路
30 クランク室
32 リードバルブ
34 掃気通路
36 掃気ポート
38 シリンダ
40 キャブレタ本体
42 バルブ軸軸支部
44 バルブ軸
46 スロットルバルブ
48 船外機
50 ドライブ軸
52 カバー
54 残留燃料処理手段
56 回収室
62 回収弁
86 導出通路
96 蓄積室
98 導出弁
110 供給通路
112 供給弁
130 導圧通路
132 導圧孔
134 切欠溝

Claims (1)

  1. 二サイクルエンジンの低速運転時にクランク室に残留する残留燃料を回収して蓄積するとともに、前記二サイクルエンジンの高速運転時に蓄積された残留燃料を吸気通路に供給して処理する残留燃料処理手段を設けた二サイクルエンジンの残留燃料処理構造において、前記残留燃料処理手段は、二サイクルエンジンのクランク室最下部に残留燃料の回収室を設け、この回収室に一端側を連通する導出通路を設け、この導出通路の他端側を連通される蓄積室を設け、この蓄積室に一端側を連通するとともに他端側をスロットルバルブよりも下流側の吸気通路に連通する供給通路を設け、この供給通路の途中に前記吸気通路側への残留燃料の流通を許容する供給弁を設け、前記蓄積室に一端側を連通するとともに他端側をキャブレタ本体のバルブ軸軸支部の導圧孔に連通する導圧通路を設け、前記スロットルバルブのバルブ軸には、前記二サイクルエンジンの低速運転時に前記蓄積室に吸気負圧を作用させて前記供給弁を閉鎖動作させることにより残留燃料を回収して蓄積させるべく前記バルブ軸軸支部の導圧孔と吸気通路とを連通するとともに、前記二サイクルエンジンの高速運転時に前記蓄積室にクランク室圧力を作用させて前記供給弁を開放動作させることにより蓄積された残留燃料を吸気通路に供給させるべく前記バルブ軸軸支部の導圧孔と吸気通路とを遮断する切欠溝を設けたことを特徴とする二サイクルエンジンの残留燃料処理構造。
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