JP3541151B2 - スポット溶接ロボット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば多関節型ロボットの手首部に溶接ガンを装備し、スポット溶接を行うスポット溶接ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】
ロボットの手首部に装備される溶接ガンは、溶接ガンに固定的に設けられる固定電極チップと、移動可能に設けられる移動電極チップとを有し、被溶接物であるワークの所定の溶接打点を固定電極チップと移動電極チップとで所定の加圧力で挟持し、溶接電流を流すことによってスポット溶接が行われる。
【0003】
溶接ガンの打点位置は、ワークの各溶接打点毎に予め記憶されており、溶接作業は、まず移動電極と固定電極とを離反させて溶接ガンを開いておき、この状態で電極チップ間にワークの溶接打点が配置されるように、ロボットで溶接ガンを打点位置に位置決めする。このとき、固定電極がワークの溶接打点に当接、すなわちゼロタッチするように溶接ガンは位置決めされる。その後、移動電極を前進させてワークの溶接打点を両電極チップで挟持してスポット溶接を行う。
【0004】
また、溶接ガンの打点位置の位置決めは、オンラインティーチによって、固定電極チップがワークにゼロタッチするように位置決めし、打点位置が教示される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
たとえばティーチ時において、電極チップがワークに対して垂直方向にずれたり、加圧時のガンアームのたわみにより、ワークに対する電極チップの相対位置がずれて打点位置が教示されると、ティーチされた作業動作プログラムを再生するリピート時において、ワークと電極チップとの相対位置がずれてしまう。このように位置ずれした状態でワークを加圧挟持すると、ワークが弾性変形し、固定電極チップと移動電極チップとで加圧力に差が生じる。
【0006】
また正確に打点位置が教示された場合であっても、リピート時において、ワークが所定の位置からずれて配置された場合、両電極でワークを加圧挟持したとき、ワークが弾性変形し、固定電極チップと移動電極チップとで加圧力に差が生じる。
【0007】
電極チップの加圧力に差が生じると、加圧力の小さな電極チップとワークとの接触抵抗が、加圧力の大きな電極チップとワークとの接触抵抗より大きくなるため、通電時にワークの発熱中心が加圧力の小さな電極チップ側にずれる。これによって2枚のワークの接合面から発熱中心がずれると、ワークのせん断溶接強度が低下してしまう。
【0008】
また、せん断溶接強度が低下しないように溶接電流を増加すると、加圧力に小さい電極側のワークが溶け過ぎ、スパッタが飛散したり、電極チップが溶着すると言った不具合を生じ、溶接品質の低下を招く。
【0009】
このような問題を防ぐためには、ワークを均等に加圧する必要があり、そのためには固定電極チップがゼロタッチするように溶接ガンの打点位置を決める必要がある。そのために、たとえば特開平6−39760号公報「ロボットの制御装置」に記載される制御方法をスポット溶接ロボットに適用する方法が考えられる。
【0010】
この公報には、ロボットに外力が作用したとき、外力が小さくなるようにロボットを移動させる制御方法が記載されており、この方法を用いて、固定電極がゼロタッチするように打点位置の位置決めを行う方法が考えられる。
【0011】
しかしながら、この公報に記載される制御方法では、ロボットの移動方向が規定されていないため、スポット溶接ロボットに適用した場合、ロボットの移動方向が不安定になってしまい、上述した問題の有効な解決策とはならない。
【0012】
本発明の目的は、ゼロタッチするように正確に溶接ガンの打点位置を位置決めし、均等加圧することができるスポット溶接ロボットを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、固定電極チップおよび固定電極チップに対向して配置され、固定電極チップに近接および離反する方向に移動可能な移動電極チップを有する溶接ガンをロボットの手首部に備え、移動電極チップを前進させ、両電極チップで被溶接物の所定の溶接打点を挟持してスポット溶接を行うスポット溶接ロボットにおいて、
ロボットの各軸を駆動するサーボモータに供給される電流値を監視する監視手段と、
被溶接物の溶接打点を溶接するときの溶接ガンの位置である打点位置を記憶する記憶手段と、
ロボットによって溶接ガンを打点位置に位置決めし、両電極チップで被溶接物を挟持するとき、電極チップが被溶接物に当接し、被溶接物が弾性変形するときのサーボモータの電流値の変化を前記監視手段によって検出し、これに基づく評価値を算出する演算手段とを有し、
算出した評価値が予め定める値より大きいとき、移動電極の移動方向に沿い、評価値が減少する側に打点位置をシフトさせることを特徴とするスポット溶接ロボットである。
【0014】
本発明に従えば、ロボットの手首部に溶接ガンが備えられ、このロボットによって溶接ガンは予め記憶される打点位置に位置決めされる。たとえば被溶接物が相対的に移動電極側に位置ずれして配置される場合、移動電極チップを前進させて被溶接物を挟持したとき、被溶接物が固定電極側に弾性変形する。この被溶接物の弾性変形による弾性復元力は移動電極チップ、溶接ガンを介してロボットに外力として作用する。
【0015】
ロボットの各軸はサーボモータによって制御されており、ロボットを指定された位置まで移動させるときに被溶接物に当接するなどして外力が作用すると、ロボットを指定位置まで移動させるためにサーボモータの電流値が変化する。サーボモータの電流値は監視手段によって監視されており、この監視手段で検出したサーボモータの電流値の変化に基づいて、演算手段で評価値が算出される。
【0016】
固定電極チップが被溶接物にゼロタッチする場合には、溶接ガンを打点位置に位置決めしたとき、および移動電極チップを前進させて被溶接物を挟持したときに被溶接物が変形することなく、サーボモータの電流値は変化しないが、前述したように被溶接物が相対的に位置ずれする場合、溶接ガンを位置決めしたとき、または被溶接物を挟持したときに被溶接物が変形し、これによってサーボモータの電流値が変化する。
【0017】
本発明ではこの電流値の変化に基づいて評価値を算出し、算出した評価値が予め定める値より大きいとき、被溶接物と溶接ガンとが相対的にずれているものと判断し、溶接ガンの打点位置をシフトさせる。これによって溶接ガンと被溶接物との相対的な位置ずれが解消し、被溶接物を両電極で均等に加圧することができ、溶接品質の低下を防ぐことができる。また、打点位置のシフト方向は、移動電極チップの移動方向に決められているので、前述した従来技術のように、移動方向が不安定になるといったことが防がれる。溶接時には、電極の移動方向と溶接面とが垂直となるように溶接ガンは配置され、相対的な位置ずれによる影響は、移動電極の移動方向の位置ずれに最も現れる。従って、シフト方向をこのように電極の移動方向に設定することが最も好適である。
【0018】
請求項2記載の本発明の前記ロボットは、各関節をそれぞれ対応するサーボモータによって制御する多関節型ロボットであり、評価値算出の基とするサーボモータの電流値変化は、溶接時のロボットの姿勢に基づいて選択されることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、ロボットは多関節型ロボットであり、複数のサーボモータによって姿勢が制御される。溶接時のロボットの姿勢は異なり、被溶接物を弾性変形させたとき電流値が変化するサーボモータはロボットの姿勢に応じて異なる。したがって、溶接時のロボットの姿勢に応じ、たとえば電流値の変化の大きいサーボモータを1または複数、適宜選択して評価値を算出することによって、被溶接物と溶接ガンとの相対的な位置ずれに良好に応答した評価値を得ることができる。
【0020】
請求項3記載の本発明の前記電流値の変化とは、被溶接物の弾性変形前における所定時間の電流の平均値と、被溶接物の弾性変形後における所定時間の電流の平均値との差であることを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、電流の変化は、被溶接物変形前と変形後における各所定時間の平均値の差として算出するので、外乱などに影響されず、信頼性の高い評価値を算出することができる。
【0022】
請求項4記載の前記評価値は、弾性変形した被溶接物からロボットに与えられる反力であることを特徴とする。
【0023】
ロボットの各軸の位置および方向と、各軸のモータ電流値の変化が分かると、弾性変形した被溶接物からロボットに与えられる反力を算出することができる。このように、反力は各軸の電流値変化に基づいて算出され、評価値の1種であるので、このような反力を、評価値として用いることも可能である。
【0024】
請求項5記載の本発明の前記評価値は、各サーボモータ毎の電流値の変化を算出し、これらを絶対値加算した値に基づくもの、または、各サーボモータ毎に、電流値の変化を被溶接物の弾性変形後の電流値で割算し、これらを絶対値加算した値に基づくもの、または、各サーボモータ毎に、電流値の変化を被溶接物の弾性変形後の電流値で割算して2乗し、これらを加算した値に基づくものであることを特徴とする。
【0025】
本発明に従えば、電流値の変化、すなわち被溶接物変形前と変形後の電流値の差を各サーボモータ毎に算出し、これらを加算した値に基づいて評価値を算出することによって、電流値が変化する複数のサーボモータの電流値を考慮した評価値を算出することができ、被溶接物と溶接ガンとの相対的な位置ずれに良好に応答した評価値を得ることができる。
【0026】
また、電流値の変化を、被溶接物変形後の電流値で割り算して評価値を算出することによって、電流値の変化の割合が得られ、相対的な位置ずれをより適切に評価することができる。また、電流値の変化を、被溶接物変形後の電流値で割り算し、さらにこの値を2乗して評価値を算出するようにしても良い。
【0027】
請求項6記載の本発明の打点位置のシフト量は、予め定める一定量であることを特徴とする。
【0028】
本発明に従えば、算出した評価値が予め定める値より大きいとき、溶接ガンを予め定める一定量シフトさせる。このようにシフト量を予め決定しておくことによって、被溶接物と溶接ガンとの相対的なずれを簡単に補正することができる。
【0029】
請求項7記載の本発明は、算出した評価値が、予め定める値より小さくなるまで、打点位置のシフトを繰り返すことを特徴とする。
【0030】
本発明に従えば、評価値が予め定める値よりも小さくなるまで、溶接ガンのシフトを繰り返すことによって、被溶接物と溶接ガンとの相対的な位置ずれを、確実に所定の許容範囲内に納めることができる。
【0031】
請求項8記載の本発明は、予め求めたシフト量と評価値との関係に基づいて、評価値が予め定める値以下となる打点位置のシフト量を算出することを特徴とする。
【0032】
本発明に従えば、たとえば被溶接物の厚み、などと評価値との関係、溶接ガンのシフト量と評価値との関係などを予め実験によって調べるか、もしくは、ティーチ時に、実際のワークでシフト量と評価値との関係を求めておく。そして、算出した評価値と、予め求めたシフト量と評価値との関係に基づいて、評価値を予め定める値以下にするシフト量を導出する。このようにして、複雑な計算を行うことなく評価値が予め定める値以下となるシフト量を容易に求めることができ、これによって1回のシフトで相対的なずれ量を許容範囲内に納めることができる。
【0033】
請求項9記載の本発明は、作業動作プログラムの教示時において、前記打点位置は予め記憶される教示位置であり、算出した評価値が予め定める値より大きいとき、教示位置をシフトさせ、教示位置を補正することを特徴とする。
【0034】
サーボモータの電流値の変化に基づいて溶接ガンをシフトさせて、溶接ガンと被溶接物との相対的な位置ずれを補正する方法は、スポット溶接ロボットのティーチ時に適用することができる。すなわち、評価値が予め定める値よりも大きいとき、初めに記憶された教示位置をシフトさせて書き換え、教示位置を補正する。これによって、移動電極の移動方向(被溶接物の溶接面に垂直な方向)への溶接打点の教示を高精度に行うことができる。このように打点位置を高精度に教示することによって、溶接時に両電極チップで均等に加圧することができ、溶接品質を良好にすることができる。
【0035】
請求項10記載の本発明は、作業動作プログラムの再生時において、算出した評価値が予め定める値より大きいとき、溶接ガンの打点位置をシフトしてスポット溶接を行うことを特徴とする。
【0036】
サーボモータの電流値の変化に基づいて溶接ガンをシフトさせて溶接ガンと被溶接物との相対的な位置ずれを補正する上述した方法は、ロボットの作業動作プログラムを再生して溶接作業を行うリピート時にも適用することができる。すなわち、溶接打点毎に評価値を算出し、評価値が予め定める値より大きいとき、打点位置をシフトして溶接を行う。これによって、被溶接物が位置ずれして配置された場合であっても、被溶接物と溶接ガンとの相対的な位置ずれをなくし、均等加圧してスポット溶接を行うことができる。
【0037】
請求項11記載の本発明は、同一の被溶接物で複数箇所溶接打点が存在する場合において、複数箇所の溶接打点のうち、初回の溶接打点のみ評価値を算出し、評価値が予め定める値より大きいとき打点位置をシフトし、初回より後の溶接打点では評価値の算出は行わず、初回の溶接打点のシフト量と同じだけ打点位置をシフトさせてスポット溶接を行うことを特徴とする。
【0038】
本発明に従えば、同一形状の被溶接物に複数箇所溶接打点が存在する場合において、たとえば、水平に配置される被溶接物が、鉛直方向に位置ずれして配置された場合、各溶接打点は全て鉛直方向にずれることになる。このような場合、本発明では、初回の溶接打点のみ両電極で被溶接物を挟持して評価値を算出し、評価値が予め定める値より大きいとき、打点位置をシフトさせる。そして、同一の被溶接物で次回からの溶接打点では、評価値の算出は行わず、初回のシフト量と同じだけ打点位置をシフトさせてスポット溶接をおこなう。このようにして、被溶接物が位置ずれして配置された場合に、全溶接打点の相対的な位置ずれを効率的に補正し、連続して溶接作業を行うことができる。
【0039】
請求項12記載の本発明は、同一形状の被溶接物が順次搬送され、同一形状の被溶接物を複数個溶接する場合において、初回の被溶接物の溶接打点のみ溶接打点毎に評価値を算出し、評価値が予め定める値より大きいとき、溶接打点毎に打点位置をシフトすることを特徴とする。
【0040】
本発明に従えば、同一形状の被溶接物が順次搬送されて、順次溶接作業を行う場合において、たとえば溶接打点が相対的に位置ずれして教示されている場合、搬送される被溶接物の対応する全ての溶接打点がずれることになる。このような場合、本発明では初回の被溶接物の溶接打点でのみ被溶接物を挟持して評価値を算出し、算出した評価値に基づいて教示されている打点位置をシフト、すなわち教示位置をシフトさせる。これによって、次回以降の被溶接物の対応する溶接打点では、教示位置が補正されているので、新たに評価値の算出を行うことなく、被溶接物と溶接ガンとの相対的な位置ずれを補正することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態であるスポット溶接ロボット1の外観を示す斜視図である。スポット溶接ロボット1は、ロボット2の手首7に溶接ガン8が装備されて構成される。
【0042】
ロボット2は6軸垂直多関節型ロボットであり、床に固定される基台4、下部アーム5、上部アーム6および手首7を有する。下部アーム5は、下端部が鉛直な第1軸J1まわりに旋回可能に基台4に取付けられるとともに、水平な第2軸J2まわりに前後角変位可能に基台4に設けられる。下部アーム5の上端部には上部アーム6の基端部が、水平な第3軸J3まわりに上下に角変位可能に取付けられる。上部アーム6の先端部に取付けられる手首7は、上部アーム6の軸線に平行な第4軸J4まわりに角変位可能に取付けられるとともに、上部アーム6の軸線に垂直な第5軸J5まわりに角変位可能に取付けられる。この手首7に取付けられるスポット溶接ガン8は、第5軸に垂直な第6軸J6まわりに角変位可能に設けられる。
【0043】
スポット溶接ガン8は、手首7に取付けられる基部9と、この基部9の下部に固定されるコ字状のガンアーム12とを有し、このガンアーム12の端部に固定電極チップ14が固定される。この固定電極チップ14に対向し、固定電極チップ14に対して近接/離反方向に移動可能に移動電極チップ13がガンアーム12に設けられる。電極チップ13,14は棒状であり、互いに同軸に配置される。移動電極チップ13は溶接ガン8に設けられる溶接用サーボモータMwによって駆動される。また、6軸多関節型ロボット2の各関節軸J1〜J6はそれぞれサーボモータM1〜M6によって駆動される。
【0044】
次に、溶接ロボット1の制御構成について説明する。図2は、第1軸J1のサーボモータM1の制御構成を示すブロック図である。なお、他のサーボモータM2〜M6,Mwに関してはサーボモータM1と同様の構成であるので、図示は省略する。
【0045】
記憶手段22には溶接ロボット1の教示データが格納される。教示データには、被溶接物であるワークWの各溶接打点を順次スポット溶接するための作業動作プログラムおよび各溶接打点を溶接するときの溶接ガン8の位置および姿勢である打点位置が含まれる。打点位置は絶対座標系での位置で与えられ、姿勢は絶対座標系における溶接時の電極の傾き(移動電極13の移動方向)で与えられる。
【0046】
位置コントローラ20は、教示データに基づき、サーボコントローラ21に各軸J1〜J6の角度指令値P1〜P6を与えてロボット2の姿勢を変更し、溶接ガン8を指定された打点位置に位置決めする。サーボコントローラ21は、各軸J1〜J6が、指令された角度となるように、角度指令値P1〜P6に応じた電流値I1〜I6を各サーボモータM1〜M6に与える。
【0047】
同様に、移動電極チップ13への移動指令値Pwが位置コントローラ20からサーボコントローラ21に与えられると、サーボコントローラ21ではこの移動指令値Pwに応じた電流Iwを溶接用サーボモータMwに与える。これによって、電極チップ13,14でワークWが挟持、加圧される。
【0048】
サーボモータM1にはエンコーダE1が取付けられ、サーボモータM1による第1軸J1まわりの回転角度がエンコーダE1によって検出される。検出したエンコーダ値はサーボコントローラ21に戻される。サーボコントローラ21では位置コントローラ20からの角度指令値P1とエンコーダE1からのエンコーダ値とに基づいて、第1軸J1が指定された角度位置となるようにサーボモータM1をフィードバック制御する。このような構成はサーボモータM2〜M6,Mwにおいても同様である。
【0049】
また、溶接ロボット1に作業動作を教示するティーチ時には、ロボット2の各軸J1〜J6のエンコーダ値に基づき、打点位置の絶対座標および電極の傾きが教示位置として記憶手段22に格納される。
【0050】
各サーボモータM1〜M6,Mwはフィードバック制御されるので、たとえばロボット2の姿勢を変更したり、移動電極13を前進させるなど、溶接ロボット1を指定された位置まで移動させるときに、ワークWに当接するなどしてロボット1に外力が作用した場合、この外力に抗して指定された位置まで移動するように各サーボモータM1〜M6,Mwへ供給する電流を増減させる。これらのサーボモータM1〜M6,Mwの電流値は監視手段23によって検出され、監視される。
【0051】
次に、溶接ロボット1でスポット溶接を行うときの概略について説明する。まず移動電極13を固定電極14から離反させて溶接ガン8を開いておき、打点位置まで溶接ガン8を移動させる。このとき、溶接ガン8の固定電極14がワークWの溶接打点に当接、すなわちゼロタッチするように位置決めされる。また、このときの溶接ガン8の姿勢は、ワークWの溶接面に対して電極の傾き(移動電極13の移動方向)が垂直となるように配置される。
【0052】
次に、移動電極チップ13を固定電極チップ14側に移動させて溶接ガン8を閉じ、両電極チップ13,14でワークWの溶接打点を挟み、さらに所定の加圧力を加え、溶接電流を流してスポット溶接を行う。
【0053】
このようにスポット溶接を行う場合には、両電極チップ13,14でワークWを挟持し、加圧して行うが、このときワークWと溶接ガン8とが電極の傾く方向に相対的に位置ずれしていた場合、両電極チップ13,14の加圧力が均等にならず、これによって溶接品質が低下してしまう。
【0054】
本発明ではこの点に鑑み、各サーボモータM1〜M6,Mwの電流値を監視する監視手段23に基づいて、溶接ガン8とワークWとが相対的に位置ずれしているか否かを判断し、位置ずれしている場合には打点位置を電極の傾く方向にシフトさせて相対的な位置ずれを解消する。
【0055】
つまり、ワークWと溶接ガン8とが相対的に位置ずれしていると、ロボット2を移動させて溶接ガン8を打点位置に位置決めし、移動電極チップ13を移動させてワークWを挟持したときワークWが弾性変形し、これによってロボット2に外力が作用する。外力が作用すると、前述したように、サーボモータM1〜M6の電流値が変化する。監視手段23では各サーボモータM1〜M6の電流値を監視しており、演算手段24ではこれらの電流値の変化に基づいて評価値を算出し、この評価値が予め定める値Aより大きいと、溶接ガン8とワークとが相対的に位置ずれしていると判断し、予め定めるシフト量ΔLを出力する。そして、電極の傾く方向で、評価値が減少する側にシフト量ΔLだけ打点位置をシフトして打点位置を補正する。
【0056】
このような打点位置の補正は、溶接ロボット1のティーチ時においては、予め記憶される教示データである打点位置を補正、すなわち書き換える。また、作業動作プログラムを再生して実際に溶接作業を行うリピート時においては、ワークWがずれて配置された場合などの一時的なずれであるので、教示データは書き換えず、位置ずれしたワークWの溶接作業のみの補正として、溶接ガン8の打点位置をシフトして溶接作業をおこなう。
【0057】
次にティーチ時における教示データの補正について説明する。
【0058】
溶接ガン8の打点位置の教示において、ワークWの溶接面に平行な面内での位置決めは比較的容易であり、たとえばオペレータ、またはオフラインティーチによって正確に教示することができるが、ワークWの溶接面に対して垂直な方向、すなわち電極の傾く方向への位置決めは、前述したように固定電極チップ14をワークWにゼロタッチするように位置決めせねばならず、困難である。
【0059】
したがって、まずオフラインティーチまたはオペレータによって、予め溶接面に平行な面内での打点位置を正確に教示し、電極の傾く方向への位置決めは概略的に教示しておき、オンラインティーチにおいて、前述したように打点位置を電極の傾く方向にシフトさせ、初めに記憶された教示位置である打点位置の補正を行う。
【0060】
次に図3〜図6を参照して打点位置の補正方法についてさらに詳細に説明する。図3は、打点位置の補正方法を示すフローチャートであり、図4は溶接用サーボモータMwの電流値のタイムチャートであり、図5はサーボモータM2,M3,M5の各電流値のタイムチャートであり、図6は、溶接ガン8の位置決め時の状態を示す図である。
【0061】
なおこの例ではワークWは水平に配置されているものとし、電極チップ13,14は鉛直方向にワークWを挟持するものとする。また、最初に記憶される教示データの概略的な打点位置は、ワークWよりも相対的に鉛直下方にずれているものとし、この最初に記憶される打点位置を、図6において参照符Pfで示す。
【0062】
ワークWと打点位置との相対的な位置ずれは鉛直方向に生じるので、電極の姿勢が鉛直方向であるとすると、弾性変形したワークWからロボット2に作用する外力は、主に第2軸J2、第3軸J3、第5軸J5に作用する。したがってこの例の場合は、監視手段23によって監視する電流値は、第2軸J2、第3軸J3、第5軸J5のサーボモータM2,M3,M5とし、これらのサーボモータM2,M3,M5の電流値に基づいて評価値を算出するものとする。
【0063】
まず、ステップa1において溶接ガン8を開き、次にステップa2において、教示データに基づいて溶接ガン8を打点位置まで移動させる。このとき、図6の(a)に示すように、まず、ワークWと打点位置とが相対的に位置ずれしていたとしても当接しない充分な所定距離D、たとえば5mmだけ、最初に記憶されている打点位置Pfより、固定電極チップ14が下方に離反する位置に溶接ガン8を配置する。なおこのときの時刻をt1とする。
【0064】
次にステップa3で、図6(b)に示すように、前記所定距離Dだけ溶接ガン8を上昇させ、溶接ガン8を最初に記憶されている打点位置Pfに配置する。この例では、ワークWは相対的に上方に位置ずれしているものとするので、ステップa3で教示データに基づいて溶接ガン8を打点位置Pfに位置決めしたとき、固定電極チップ14はワークWにゼロタッチせず、ワークWは固定電極チップ14よりも上方に配置されることになる。
【0065】
時刻t2において教示データに基づく打点位置に溶接ガン8が配置されると、次のステップa4に移り、移動電極チップ13を固定電極チップ14側に移動させて溶接ガン8を閉じ、ワークWを挟持する。
【0066】
前述したように、ワークWは固定電極14よりも上方に離反した位置に配置されており、時刻t2から移動電極チップ13を下降させると、先ず時刻t3において移動電極チップ13がワークWの上面に当接する。さらに移動電極チップ13が下方に移動することによってワークWが押下げられ、ワークWは下方に弾性変形する。
【0067】
したがって、図4に示すように溶接用モータMwの電流値はワークWに当接する時刻t3から上昇しはじめる。さらに移動電極チップ13を押下げると、時刻t4においてワークWが固定電極チップ14に当接する。さらに加圧力を加えると溶接用モータMwの電流値がさらに増加し、時刻t5において所定の加圧力に達するとサーボモータMwの電流値の上昇が停止する。
【0068】
溶接ロボット1が図1に示す姿勢にあるとき、サーボモータM2,M3,M5のうち、最も大きな力を受けるのは水平に延びる上部アーム6を支える第3軸J3のサーボモータM3であり、その次が鉛直に延びる下部アーム5の第2軸J2のサーボモータM2であり、3番目が手首まわりの第5軸J5のサーボモータM5である。したがって、各サーボモータM2,M3,M5に供給される電流値は、図5に示されるようにサーボモータM3の電流値が最も大きく、サーボモータM5に供給される電流が最も小さくなる。
【0069】
この状態で、移動電極チップ13を下方に移動させて移動電極チップ13がワークWに当接すると、ロボット2には上向きに力が作用する。各サーボモータM2,M3,M5はそれぞれフィードバック制御されているので、ロボット2に上向きの外力が作用すると、サーボモータM2,M3,M5はそれぞれ溶接ガン8を下げる方向へ作用する。すなわち、各サーボモータM2,M3,M5に供給する電流を下げて、溶接ガン8を上向きに保持する力を弱める。したがって、図5に示すように移動電極チップ13がワークWに当接する時刻t3からワークWが固定電極チップ14に当接する時刻t4まで各サーボモータM3,M2,M5の電流値が低下する。
【0070】
次にステップa5で監視していた各サーボモータM2,M3,M5の電流値の変化と、所定の評価関数とから評価値を算出する。
【0071】
ここで、ワークW当接前の第i軸の電流値をIniとし、加圧終了後の第i軸の電流値をIpiとしたとき、評価関数は
【0072】
【数1】
Figure 0003541151
【0073】
の3つの式で与えられる。なお、K1i,K2i,K3iはそれぞれ評価関数(1)〜(3)における第i軸での定数である。
【0074】
評価関数(1)は、ワークW当接前の各軸iの電流値Iniと、加圧が終了し、ワークW弾性変形後の各軸iの電流値Ipiとの差の絶対値にそれぞれ定数K1iを掛けたものを加算した値であり、定数K1iは各軸毎に決まる定数である。また、前述したように、本実施形態では全てのサーボモータM1〜M6の電流値に基づいて評価値を算出するのでなく、相対的な位置ずれによる電流値の変化が最も大きくなるサーボモータの電流値を用い、図1に示す例では、第3軸J3、第2軸J2および第5軸J5の3つの電流値を用いて評価値を算出する。
【0075】
また定数K1iは、相対的な位置ずれの影響が最も大きく現れる軸iの定数K1iが大きくなるように設定し、いわば重み付けを行う。これによって、相対的な位置ずれの大きさを良好に反映した評価値を得ることができる。ここでは電極チップ13,14に近いほど、電流値の変化と相対的なずれの大きさとの関係が大きく現れるので、本実施形態では、K12<K13<K15となるように選ばれる。
【0076】
評価関数(2)は、各軸毎の電流値の差を加圧後の電流値Iniで割った値に基づいて評価値が算出される。これによって、評価関数(1)に比べて電流値の変化の割合を考慮した評価値を得ることができる。
【0077】
評価関数(3)は、評価関数(2)で用いる各軸毎の電流値の差を加圧後の電流値で割った値を2乗して評価値を算出する。なお評価関数はこのような3つの形態に限らず、電流値の変化に応じて評価値が変化する関数であればよい。
【0078】
なお本実施形態では評価関数(2)を用いて評価値を算出するものとする。また、前述の説明では溶接ガン8の打点位置がワークWに対して下側に相対的に位置ずれした場合を想定しているので、移動電極チップ13を下降させてから電流値の変化が生じるが、ワークWに対して上側に打点位置が相対的に位置ずれする場合であっても、前述のステップa2において、前述と同様に溶接位置よりも下側に溶接ガン8を配置し、その後、溶接ガン8を上昇させて打点位置に位置決めするとき、固定電極チップ14がワークWに下から当接し、このときに各サーボモータM2,M3,M5の電流値が変化する。
【0079】
したがって、評価値算出に用いるワークW変形前の電流値Iniは溶接位置の下側に溶接ガン8を配置した時刻t1、またはそれ以降の電流値とする。またワークW変形後の電流値は、加圧終了時の時刻t5、またはそれ以降での電流値とする。なお本実施形態では変形前の電流値Iniは時刻t1から所定時間Δt(秒)後の時間の平均の電流値とし、変形後の電流値Ipiは、時刻t5から所定時間Δt(秒)後までの時間の平均の電流値とする。これによって外乱などの影響による電流値の変化を防ぐことができる。
【0080】
次にステップa6において算出した評価値が予め定める値Aより大きいか否かを判断し、予め定める値A以下である場合には、予め記憶される教示データに基づく溶接ガン8の打点位置の相対的な位置ずれは小さく、許容範囲以内であるものと判断し、ステップa7に進み、教示データの補正は行わず、現在記憶されている教示データを打点位置として決定する。
【0081】
評価値が所定の値Aより大きい場合には、打点位置を加圧方向に沿い、評価値が減少する側、すなわち本実施形態では上方に、シフト量ΔLだけ打点位置をシフトさせ、この位置を新たな打点位置として記憶手段に記憶し、教示データを補正する。シフト量ΔLは、本実施形態では予め定める一定量であるものとする。
【0082】
次に、補正した打点位置に基づき、再びステップa2に戻り、以下前述と同様の動作を繰り返す。すなわち、補正後の打点位置に位置決めし、溶接ガン8を閉じ、再び評価値を算出し、評価値が予め定める値Aより大きい場合は再び打点位置をシフトさせて、前回の教示データの補正を行う。このようにして、評価値が予め定める値A以下になるまで繰返し、評価値が予め定める値A以下になると、ステップa7に進み、打点位置を決定する。これによって、打点位置の相対的なずれを確実に許容範囲内に納めることができる。
【0083】
また、ロボット2の各軸J1〜J6の位置、および方向は容易に導出することができ、またワークWの変形による各サーボモータM1〜M6の電流値の変化は監視手段23によって監視されているので、これらに基づいて弾性変形したワークWから溶接ロボット1に作用する反力を算出することができる。
【0084】
したがって、前述した評価関数(1)〜(3)に基づく評価値でなく、上述した反力を算出し、この反力がゼロ、または予め定める値以下になるように打点位置のシフトを繰り返すようにして打点位置を補正しても良い。
【0085】
またさらに、たとえば予め実験によって、評価値と、評価値を予め定める値A以下とするためのシフト量ΔLとの関係を、溶接するワークWの厚さ、種類毎に求めてテーブルを作成して記憶手段22に記憶しておき、ワークWと算出した評価値とに基づいて、評価値が予め定める値A以下になるシフト量ΔLを記憶されるテーブルから導出するようにしてもよい。これによって、1回のシフトで評価値が予め定める値A以下となるようなシフト量ΔLを得ることができ、各溶接打点毎にシフトの繰り返しを行う必要がなくなる。
【0086】
また実験でなく、ティーチ時において、実際のワークでシフト量ΔLと評価値との関係を求めておき、これに基づいて、1回のシフトで、評価値が予め定める値A以下となるシフト量ΔLを導出するようにしても良い。
【0087】
上述した電流値の変化に基づいて溶接位置をシフトさせる方法はティーチ時における教示データの補正に限らず、リピート時において溶接位置を修正する場合にも適用することができる。
【0088】
たとえば、教示データの打点位置が正確であっても、リピート時にワークWが相対的に位置ずれして配置された場合、ワークWと溶接ガン8とが相対的に位置ずれしてしまう。このような場合に上述した打点位置の補正方法を適用することができる。すなわち、リピート時にも溶接打点で溶接ガンを閉じて評価値およびシフト量を算出し、この算出したシフト量ΔLだけ打点位置を補正、すなわち溶接ガン8をシフトしてスポット溶接を行う。なお、リピート時には、ワークWの位置決めのずれの変化が想定されるので、基本的に教示データの書き換えは行わず、対応する溶接打点の打点位置のみ補正する。
【0089】
このようにして相対的な位置ずれを補正することによって、ワークWの位置ずれによる加圧力の差をなくし、均等加圧することができ、溶接品質の低下を防ぐことができる。
【0090】
またリピート時には、上述したように、溶接打点毎に溶接ガン8を閉じて評価値を算出し、打点位置を補正するのでなく、複数箇所溶接打点が存在する場合に、最初の溶接打点でのみ打点位置を補正し、次の溶接打点からは最初の溶接打点での補正と同様に補正するようにしても良い。
【0091】
たとえばワークWが水平に配置され、同一のワークWに対して複数箇所溶接打点が存在する場合において、ワークWが鉛直方向にずれて配置されたとすると、全ての打点位置を鉛直方向にシフトさせる必要がある。このような場合、たとえば最初の溶接打点においてのみワークWを挟持して評価値を算出してシフト量ΔLを求め、打点位置をシフト量ΔLだけシフトさせてスポット溶接を行う。そして、この位置ずれして配置されたワークWの以降の溶接打点では、評価値の算出を行わず、最初の打点位置の補正と同様に、シフト量ΔLだけ打点位置をシフトさせてスポット溶接を行う。これによって、ΔLだけずれた全ての溶接打点を補正することができる。
【0092】
このようにして、ワークWが相対的に位置ずれして配置された場合、全ての溶接打点でシフト量を算出する必要がなくなり、演算時間を短縮し、作業効率を向上することができる。
【0093】
また、同一形状のワークWが順次、たとえばシャトルコンベアによって搬送されて、順次溶接作業を行う場合において、たとえば教示データが相対的にずれている場合には、各ワークWの対応する溶接打点において、全て同じシフト量だけ打点位置をシフトさせる必要がある。
【0094】
このような場合には最初のワークWの溶接打点においてのみシフト量ΔLを算出し、この溶接打点の教示データを補正する。すなわち、以下のワークWでは、対応する溶接打点では教示データが補正されているので、評価値を算出する必要がなくなり、ワークWと溶接ガン8との相対的な位置ずれを防ぐことができる。このようにして、作業効率を向上することができる。
【0095】
本実施形態ではワークWは水平に配置されるものとしたので、溶接電流を監視するサーボモータはM2,M3,M5のみとしたが、ワークWの配置状態、またはロボット2の姿勢に応じて、監視するサーボモータを、たとえば電流値の変化の割合が最も大きいものから所定の数だけ適宜選ぶようにしても良く、また、基本軸に比して減速機の摩擦力の小さな手首軸を優先的に選んでも良く、また6個のサーボモータM1〜M6の全ての電流値に基づいて評価値を算出するようにしてもよい。
【0096】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、溶接ガンとワークとが相対的に位置ずれする場合、打点位置をシフトすることによって相対的な位置ずれを解消することができる。これによって、均等加圧することができ、溶接品質の低下を防ぐことができる。
【0097】
このような打点位置の補正は、ティーチ時において、初めに記憶されていた教示位置である打点位置を補正する場合、およびリピート時において、被溶接物が位置ずれして配置された場合における打点位置の補正の両方に適用することができる。
【0098】
また、打点位置のシフト方向は、移動電極の移動方向に規定されているので、シフト方向が不安定になることが防がれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態であるスポット溶接ロボット1の外観を示す斜視図である。
【図2】サーボモータM1の制御構成を示すブロック図である。
【図3】教示データの補正方法を示すフローチャートである。
【図4】溶接用モータMwの電流値のタイムチャートである。
【図5】サーボモータM3,M2,M5の電流値を示すタイムチャートである。
【図6】溶接ガン8を打点位置に位置決めするときの状態を示す図である。
【符号の説明】
1 スポット溶接ロボット
2 6軸多関節型ロボット
4 基台
5 下部アーム
6 上部アーム
8 溶接ガン
13 移動電極チップ
14 固定電極チップ
20 制御装置
21 ロボットコントローラ
22 記憶手段
23 監視手段
24 演算手段
M1〜M6,Mw サーボモータ

Claims (12)

  1. 固定電極チップおよび固定電極チップに対向して配置され、固定電極チップに近接および離反する方向に移動可能な移動電極チップを有する溶接ガンをロボットの手首部に備え、移動電極チップを前進させ、両電極チップで被溶接物の所定の溶接打点を挟持してスポット溶接を行うスポット溶接ロボットにおいて、
    ロボットの各軸を駆動するサーボモータに供給される電流値を監視する監視手段と、
    被溶接物の溶接打点を溶接するときの溶接ガンの位置である打点位置を記憶する記憶手段と、
    ロボットによって溶接ガンを打点位置に位置決めし、両電極チップで被溶接物を挟持するとき、電極チップが被溶接物に当接し、被溶接物が弾性変形するときのサーボモータの電流値の変化を前記監視手段によって検出し、これに基づく評価値を算出する演算手段とを有し、
    算出した評価値が予め定める値より大きいとき、移動電極の移動方向に沿い、評価値が減少する側に打点位置をシフトさせることを特徴とするスポット溶接ロボット。
  2. 前記ロボットは、各関節をそれぞれ対応するサーボモータによって制御する多関節型ロボットであり、評価値算出の基とするサーボモータの電流値変化は、溶接時のロボットの姿勢に基づいて選択されることを特徴とする請求項1記載のスポット溶接ロボット。
  3. 前記電流値の変化とは、被溶接物の弾性変形前における所定時間の電流の平均値と、被溶接物の弾性変形後における所定時間の電流の平均値との差であることを特徴とする請求項1または2記載のスポット溶接ロボット。
  4. 前記評価値は、弾性変形した被溶接物からロボットに与えられる反力であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のスポット溶接ロボット。
  5. 前記評価値は、各サーボモータ毎の電流値の変化を算出し、これらを絶対値加算した値に基づくもの、または、各サーボモータ毎に、電流値の変化を被溶接物の弾性変形後の電流値で割算し、これらを絶対値加算した値に基づくもの、または、各サーボモータ毎に、電流値の変化を被溶接物の弾性変形後の電流値で割算して2乗し、これらを加算した値に基づくものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の溶接ロボット。
  6. 打点位置のシフト量は、予め定める一定量であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のスポット溶接ロボット。
  7. 算出した評価値が、予め定める値より小さくなるまで、打点位置のシフトを繰り返すことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のスポット溶接ロボット。
  8. 予め求めたシフト量と評価値との関係に基づいて、評価値が予め定める値以下となる打点位置のシフト量を算出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のスポット溶接ロボット。
  9. 作業動作プログラムの教示時において、前記打点位置は予め記憶される教示位置であり、算出した評価値が予め定める値より大きいとき、教示位置をシフトさせ、教示位置を補正することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のスポット溶接ロボット。
  10. 作業動作プログラムの再生時において、算出した評価値が予め定める値より大きいとき、溶接ガンの打点位置をシフトしてスポット溶接を行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のスポット溶接ロボット。
  11. 同一の被溶接物で複数箇所溶接打点が存在する場合において、複数箇所の溶接打点のうち、初回の溶接打点のみ評価値を算出し、評価値が予め定める値より大きいとき打点位置をシフトし、初回より後の溶接打点では評価値の算出は行わず、初回の溶接打点のシフト量と同じだけ打点位置をシフトさせてスポット溶接を行うことを特徴とする請求項10記載のスポット溶接ロボット。
  12. 同一形状の被溶接物が順次搬送され、同一形状の被溶接物を複数個溶接する場合において、初回の被溶接物の溶接打点のみ溶接打点毎に評価値を算出し、評価値が予め定める値より大きいとき、溶接打点毎に打点位置をシフトすることを特徴とする請求項10記載のスポット溶接ロボット。
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