JP7148321B2 - 多関節ロボットの制御装置 - Google Patents
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本発明の一態様は、ロボットのアームを構成する複数のアーム部材が複数の可動軸周りに動く多関節ロボットの制御装置であって、前記アームの先端部にサンプル外力を加えた時の前記各可動軸周りのトルク又はモータ電流値の検出値に基づいて求められた補正係数又は補正関数が格納されている記憶部と、前記アームの前記先端部に加わる外力の方向に応じて変化する前記各可動軸におけるトルク検出感度を、前記各可動軸の回転軸方向と前記外力の方向との関係を示す数式要素と、前記補正係数又は前記補正関数とに少なくとも基づき演算するトルク感度演算手段と、を備え、前記トルク検出感度は、前記各可動軸におけるモータの電流検出値又はトルクセンサの検出値の前記外力に対する感度を示すものである。
当該態様では、各可動軸と外力の作用点との距離も用いて、各可動軸のトルク検出感度が算出される。このため、複数の可動軸のうちアームに加わる外力を感度よく検出できる可動軸の正確な判断が可能となる。
当該態様では、前述のように正確に算出されたトルク検出感度を用いて、複数の可動軸のうち優位である少なくとも1つが外力に追従する可動軸として決定される。これは、ワークの動き、ツールの動作によって生ずる力等にロボットを追従させる制御を正確に行う上で有利である。
当該態様では、トルク検出感度が優位である可動軸周りのトルク又はモータ電流値の検出値が、外力が加わる位置の検出又は推定に用いられるので、外力が加わる位置をより正確に知ることができる。
本実施形態のロボット10は、図1に示されるように、ベースBとアーム10aとを有する。アーム10aは複数のアーム部材11,12,13,14,15,16を有し、複数のアーム部材11,12,13,14,15,16がそれぞれ可動軸J1,J2,J3,J4,J5,J6周りに動く。なお、図1に示されるロボット10は垂直多関節ロボットであるが、水平多関節ロボットであってもよく、特定の種類のロボットに限定されない。
Pi×F(外積)およびcosφは、各可動軸J1,J2,J3,J4,J5,J6の回転軸方向と外力Fの方向との関係を示す数式要素である。
補正関数fi(φ)は、可動軸J1~J6の各々について、補正係数R1、R2、R3、・・・Rnとその時の角度φとの関係から得られる式である。補正関数fi(φ)の代わりに、可動軸J1~J6の各々について、補正係数R1、R2、R3、・・・Rnとその時の角度φとを対応させた補正テーブルを用いることも可能である。
また、式(2)に示されるように、ギヤ比が小さい方がトルク検出感度Siが大きくなる。
なお、補正関数fi(φ)を作成する代わりに、角度φと補正係数R1、R2、・・・Rnとが対応している補正テーブルを作成してもよい。この場合、プロセッサ21は、補正テーブルに基づき補正係数を決定し、決定された補正係数を式(2)のfi(φ)の位置に代入し、可動軸J1~J6の各々のトルク検出感度Siを求める。
また、可動軸J1~J6にそれぞれ1つの補正係数が決定されており、当該補正係数が補正関数fi(φ)および補正テーブルの代わりに記憶部23に格納されていてもよい。この場合、プロセッサ21は、記憶部23に格納されている補正係数を式(2)のfi(φ)の位置に代入し、可動軸J1~J6の各々のトルク検出感度Siを求める。
この場合、上位制御装置30は、メモリ31に格納されている適用情報のうち受信した情報に近い又は一致する適用情報を決定し、決定された適用情報に応じた補正係数、補正関数、又は補正テーブルを新たに設置されたロボットの制御装置に送信し、新たに設置されたロボットの制御装置において、受信する補正係数、補正関数、又は補正テーブルが用いられる。
上記実施形態は、移動するワークをロボット10によって支持する場合に使用できる。この場合、ワークは、例えばロール成形、押出し成形等によって順次成形されたワークをロボット10の先端部のツールTによって支持し、ロボット10はツールTをワークに追従させる。ロボット10は成形機およびワークに対して所定の位置に配置されており、当該位置においてワークを支持する。その時のロボット10の姿勢と、当該姿勢においてワークからツールTに加わる力の方向と、記憶部23に格納されている補正係数、補正関数、又は補正テーブルとに基づき、プロセッサ21が可動軸J1~J6の各々のトルク検出感度Siを求める。
上記実施形態は、ロボット10の先端部のツールTによってワークを把持する場合、ロボットの先端部のスポット溶接ガンであるツールTによって溶接点を挟む場合等に使用できる。
例えば、スポット溶接ガンであるツールTによってワークの溶接点を挟む時に、ロボット10の各可動軸J1~J6が完全に固定されていると、ツールTの挟む力によってワークに変形等が生じる恐れがある。このため、可動軸J1~J6のうち少なくとも1つの可動軸をツールT側からの力に追従できる状態にする。
当該構成では、各可動軸J1~J6と外力Fの作用点との距離riも用いて、各可動軸J1~J6のトルク検出感度が算出される。このため、複数の可動軸J1~J6のうちアーム10aに加わる外力Fを感度よく検出できる可動軸J1~J6の正確な判断が可能となる。
当該構成では、前述のように正確に算出されたトルク検出感度を用いて、複数の可動軸J1~J6のうち優位である少なくとも1つが外力Fに追従する可動軸として決定される。これは、ワークの動き、ツールの動作によって生ずる力等にロボット10を追従させる制御を正確に行う上で有利である。
10a アーム
11~16 アーム部材
11a~16a サーボモータ
11b~16b 減速機
20 制御装置
21 プロセッサ
22 表示装置
23 記憶部
23a システムプログラム
23b 動作プログラム
23c 補正係数取得プログラム
23d 感度演算プログラム(トルク感度演算手段)
23e 軸決定プログラム(軸決定手段)
23f 外力位置取得プログラム(外力位置取得手段)
24 入力装置
25 送受信部
26 サーボ制御器
30 上位制御装置
31 メモリ
J1~J6 可動軸
B ベース
T ツール
D 力センサ
Claims (4)
- ロボットのアームを構成する複数のアーム部材が複数の可動軸周りに動く多関節ロボットの制御装置であって、
前記アームの先端部にサンプル外力を加えた時の前記各可動軸周りのトルク又はモータ電流値の検出値に基づいて求められた補正係数又は補正関数が格納されている記憶部と、
前記アームの前記先端部に加わる外力の方向に応じて変化する前記各可動軸におけるトルク検出感度を、前記各可動軸の回転軸方向と前記外力の方向との関係を示す数式要素と、前記補正係数又は前記補正関数とに少なくとも基づき演算するトルク感度演算手段と、を備え、
前記トルク検出感度は、前記各可動軸におけるモータの電流検出値又はトルクセンサの検出値の前記外力に対する感度を示すものである、多関節ロボットの制御装置。 - 前記トルク感度演算手段が、前記各可動軸と前記外力の作用点との距離と、前記数式要素と、前記補正係数又は前記補正関数とを少なくとも用いて前記各可動軸における前記トルク検出感度を演算する、請求項1に記載の多関節ロボットの制御装置。
- 前記複数の可動軸のうち前記トルク検出感度が優位である少なくとも1つを前記外力に追従する可動軸として選択する軸決定手段を備える、請求項1又は2に記載の多関節ロボットの制御装置。
- 前記アームにおいて前記外力が加わる位置の検出又は推定を行う外力位置取得手段をさらに備え、
前記外力位置取得手段は、前記複数の可動軸のうち前記トルク検出感度が優位である少なくとも1つの前記可動軸周りのトルク又はモータ電流値の検出値を、前記検出又は前記推定に用いる、請求項1~3の何れかに記載の多関節ロボットの制御装置。
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