JP4239083B2 - ロボットの制御装置および制御方法 - Google Patents
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Description
また、板厚の異なる複数枚の板を溶接する場合、上下の電極でワークに加える加圧力が均等であると、通電量が大きい場合にはワーク内に生成されるナゲットが薄板の表面に達してスパッタやチップ溶着を生じ、通電量が小さい場合にはナゲットが小さくて溶接強度が確保できないという問題があった。
更には、溶接終了位置から退避する際に、電極や芯線がワークと溶着すると、ワークや溶接冶具を破損させたり、ラインを停止させてしまったりするという問題があった。
このような問題に対して、ロボットに特別な装置を付加することなく作業座標系で柔軟に力制御を行う方式としては、作業座標系のガン加圧方向に関してサーボ系の剛性を下げ、ガン加圧と溶接を実行する方式がある(例えば、特許文献1参照)。
また、外力の推定をして力制御を行う方式としては、関節座標系の各軸のモータへの外乱を外乱オブザーバにより推定し、ヤコビ行列を用いた座標変換により外乱推定値を作業座標系の外力推定値に変換できる方式がある(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。
また、電極摩耗量を検出する方式として、電極の空打ちで全摩耗量を求めて2分割する方式や、外部に設けた測定器で電極摩耗量を測定する方式がある(例えば、特許文献4参照及び特許文献5)。
また、溶着検出してロボットを停止させる方式として、外乱推定オブザーバにより外力を検出する方式や電流変化により外力を検出する方式がある(例えば、特許文献8及び特許文献9参照)。
また、ガンアームの弾性変形を補正する方式として、目標加圧力に応じたガンアームの変位量を読み出してロボット軸を移動させて、加圧力に達したかはモータの電流値により判別する方式がある(例えば、特許文献10参照)。
また、従来の関節座標系の外乱を外乱オブザーバにより推定し、ヤコビ行列を用いた座標変換により外乱推定値を作業座標系の外力推定値に変換する方式では、フィルタなどを使用することで検出時間にも遅れが発生し、また、摩擦や重力の影響が大きく正確な外力推定値を得ることが出来ないという問題点を有している。
また、厚板側よりも薄板側の加圧力を大きくしてナゲット位置を厚板側に移動させる方式では、可動電極の駆動以外に電動ガン全体や固定電極側を上下させるための駆動源を別途必要としており、可動電極の駆動源のみしか持たない電動ガンでは対応できないという問題点を有している。
また、目標加圧力に応じたガンアームの変位量を読み出してロボット軸を移動させて、加圧力に達したかはモータの電流値により判別する方式では、実際の加圧開始から目標加圧力に達するまでの加圧力を検出できず、モータによる実際の加圧力と目標加圧力にずれが生じた場合には、モータによる加圧とロボット軸の補正移動の同期も取れないという問題点を有している。
また、スポット溶接において、電極摩耗量を測定器不要で精度良く検出し、ガンアームの弾性変形を精度良く補正し、可動電極の駆動源のみの電動ガンで板厚の異なる複数枚の板を溶接することを目的とする。
また、予め設定された進み時間だけ、ロボットに対する外部軸の動作指令を進めることで、接触対象物に外部軸を先に接触させ、外部軸のみで接触対象物の位置ズレ量を検出することができる。
請求項2記載のロボットの制御装置によれば、位置修正量を記憶しておき、次の動作時に前記位置修正量を動作指令から減算することで、上位で生成された動作指令と位置修正された現在位置を一致させて、過大な力が発生しないようにできる。
請求項4記載のロボットの制御装置によれば、前記接触検出部で検出されるまでに前記接触対象物が撓む量をパラメータとして設定することで、接触対象物の剛性が低い場合にも、撓み量分も位置補正して、動作指令の位置で接触対象物と接触することができる。
請求項5及び6記載のロボットの制御装置によれば、制御装置に付属した操作ペンダントの操作画面から、前記検出しきい値、前記時間調整量、前記ワークの撓み量をパラメータとして入力し、接触前後の前記状態量を連続量又は離散量の形式で表示し、パラメータの調整をすることで、作業者が直感的定量的に検出状態を把握でき、前記パラメータを容易に調整することができる。
図1において、ロボット及び外部軸の制御は、ロボットを制御するロボット軸制御系10と外部軸を制御する外部軸制御系20に分けることができる。ここで、外部軸とは、ロボット軸以外にモータで駆動される軸であり、ロボットに接するか又はロボット近傍に配置される。
ロボット軸制御系10には、図2(a)に示すように、実機部110とシミュレーション部120で構成されている。実機部110は、機構部112と、前記機構部112に接続されたモータ113と、前記モータ113を制御するモータ制御部111で構成されている。シミュレーション部120は、前記機構部112の動力学系を模擬した機構モデル部122と、前記モータ113の動力学系を模擬したモータモデル部123と、モータ制御部111を模擬した制御モデル部122で構成されている。
モータを制御する制御装置内で、前記実機部110及び前記シミュレーション部120は並列に配置されており、それぞれ上位指令生成部50から同一の指令を入力とする。前記実機部110及び前記シミュレーション部120では、入力された指令に応じて機構部112及び機構部モデル122を制御するためのトルク指令を、それぞれモータ113及びモータモデル123に出力する。
ここで、Tref:トルク指令
J:モータのロータイナーシャ+機構部のイナーシャ(減速機を含む)
Kv:速度ループゲイン
Kp:位置ループゲイン
θref:上位指令生成部50から位置指令
θfb:位置フィードバック
Vfb:速度フィードバック
ここで、
dt:演算周期時間
Σ:積分
シミュレーション部120では実機部110のサーボ系の遅れや機構の特性などを含んだモータの運動特性を反映できているので、実機部110とシミュレーション部120の内部状態量(位置指令、位置フィードバック、位置偏差、速度指令、速度フィードバック、速度偏差など)は、ほぼ一致する。
そこで、モータ113に接続された負荷と外部の周辺機器との衝突は、実機部110の内部状態量にのみ作用し、シミュレーション部120の内部状態量には変化を与えない。この違いにより外部の周辺機器との衝突を検出することができる。ここで、シミュレーション部120には実機部110と同一の指令を入力しているので、動作指令がステップ波形のように高周波成分を含んで急激に変化した場合でも、シミュレーション部120と実機部110の内部状態量は同じ応答を示すために、両者の内部状態量を比較することで指令による内部状態量の変化をキャンセルでき、衝突検出の感度に影響を与えない。
接触検出部132では、前記状態量比較値と予め作業内容に応じて設定された検出しきい値を比較することで、モータ113に接続された負荷と外部との衝突を検出し、衝突検出された時点で接触状態量を発生させる。
図1に示すように、修正量演算部33では、前記ロボット軸制御系10と前記外部軸制御系20からの前記接触状態量を基に、ロボット軸位置修正量及び外部軸位置修正量を作成する。ここで、前記ロボット軸制御系10で検出した接触状態量に応じて、ロボット軸のみを位置修正するか、外部軸も併せて修正するかは選択できるものとする。また、前記外部軸制御系20で検出した場合も同様であり、前記ロボット軸制御系10と前記外部軸制御系20で検出した接触状態量を合成することで、ロボット軸及び外部軸の位置修正量を作成しても良い。
本実施例では、図3、図20及び図23に示すように、電動ガン402を使用したロボット401によるスポット溶接用途を例に説明する。溶接対象物であるワーク405がライン上を搬送されてくる際に、ワーク405の加工誤差や位置決め誤差で、ワーク405が予め登録された教示位置から電動ガン402の開閉方向に位置ズレした場合の補正方法(イコライジング機能)について考える。
プレイバック運転では、ロボット401の手先に配置した電動ガン402の可動電極403と固定電極404は、ワーク405表面上に予め登録された教示点に移動する。しかし、前記電動ガン402の開閉方向の位置ズレ量が大きいと、通電できずに溶接不良となってライン停止を招いたり、位置決め精度を高くするために大きく設定されたゲインや積分器の作用により大きなトルクが発生して、ワーク405や電動ガン402を破損させたりする可能性がある。また、前記位置ズレ量が小さくてもワーク405を変形させたまま溶接して溶接品質が低下してしまう。そこで、前記ワーク405の位置ズレをロボット401及び電動ガン402で検出して、実時間で位置補正する必要がある。
ワーク405の位置ズレが無い正常状態を、図4(a)〜(c)に示す。
ワーク405が非常に薄い場合には、可動電極側と固定電極側の教示点はA点で交わる。この教示点Aに向かって、可動電極403及び固定電極404は、(a)の予め登録された小開位置から同時に下降及び上昇を開始する。図4(b)で、可動電極403及び固定電極404は、同時に教示点Aに到達してワーク405に接触し、本加圧することでワーク405を溶接することができる。図4(c)では、開放命令により小開位置への移動を実施する。
(1) 位置ズレ検出
図4(d)に示すように、教示位置から可動電極側に位置ズレ量αがある。可動電極403及び固定電極404は、小開位置から同時に下降及び上昇を開始する。
図4(e)に示すように、固定電極404よりも先に可動電極403がワーク405に教示位置よりもαだけ上側にあるB点で接触する。固定電極は教示位置に到達するが位置ズレがあるためにワーク405と接触しない。
ここで、ワーク405と可動電極403の接触は、図5に示すように、ガン軸制御系20の実機部210とシミュレーション部220の内部状態量を比較することで検出する。ここでは、内部状態量としてモータ制御部211と制御モデル部221の出力である実機トルク指令とモデルトルク指令を用いる。状態量比較部231内で、接触によって実機部210の前記実機トルク指令の急激な変動が生じるため、状態量比較値として前記実機トルク指令と前記モデルトルク指令の差分を作成する。
ここでは、ワーク405が教示位置から可動電極側に位置ズレして、ガン軸制御系20の接触力を求める過程を述べたが、ワーク405が教示位置から固定電極側に位置ズレした場合も同様である。ただし、ロボット各軸のトルク指令の差分である前記状態量比較値を力の単位系に変換する過程が異なる。
図4(e)の状態では、ガン軸制御系20の接触力はFであるが、ロボット軸制御系10の接触力は0である。
修正量演算部33では、前記ガン軸接触力と前記ロボット軸接触力を基に、予め設定された目標接触力FREFで、可動電極403と固定電極404がワーク405に均等に接触するように、ロボット軸位置修正量及びガン軸位置修正量を作成する。
インピーダンス制御部331において、ガン軸制御系20の接触力はFで、目標接触力はFREFであるため、その差分値F−FREFを(式4)に代入することで、ガン軸制御系20の作業座標系における位置修正量Xを求めることができる。
また、前記ロボット軸と前記ガン軸で検出した接触力を合成することで、ロボット軸及び外部軸の位置修正量を作成しても良い。
ロボット軸とガン軸の作業座標系における位置修正量Xが求められたので、その値をロボット軸とガン軸の関節座標系の値に変換する必要がある。座標変換部332内で、ロボット軸に関しては、前述のヤコビアンの逆行列を用いることで、作業座標系の位置修正量Xを関節座標系の位置修正値θROBOTに変換することができる。同様に、ガン軸に関しては減速機の構成に応じて関節座標系の位置修正値θGUNに変換する。
前記ロボット軸の位置修正量θROBOT及びガン軸位置修正量θGUNは修正量記憶部34に記憶され、同時に前記ロボット軸制御系10と前記ガン軸制御系20の位置指令にそれぞれ加算される。これにより、可動電極403と固定電極404は、図4(f) に示すように、目標加圧力FREFでワーク405に接触することができる。
接触後の本加圧時には、接触状態を保ったままで予め設定された別の目標加圧力で接触対象物を加圧する。これは、ワーク405間に隙間がある場合に、接触時より大きい目標加圧力で加圧することでワーク間の隙間を潰す必要があるためである。
本加圧終了後に、小開位置への開放命令又は次の教示点への移動命令が来た場合に、修正量記憶部34で記憶しておいたロボット軸位置修正量及び外部軸位置修正量分だけ補正する必要がある。これは、上位指令生成部からは教示位置Aに移動する指令が来ており、上記処理により位置ズレしたB点に現在位置が変更されている。そのため、そのまま次の小開位置や次の教示点への移動を行うと、上位指令生成部からは教示位置Aから小開位置へ移動するための指令が来ることとなり、特に可動電極側では更にワーク405に対して押し付ける動作をして、ワーク405を破損させる危険性がある。そのため、上位指令生成部から送られてくる教示位置Aから小開位置へ移動するための指令より、修正量記憶部34で記憶しておいたロボット軸位置修正量及び外部軸位置修正量を減算する必要がある。
また別の方法として、開放命令が出される前に、予め上位指令生成部に現在位置を修正量分だけ変更された位置で再作成するように要求する方法でも良い。
これらの方法により、上位指令生成部からは修正量によって変更された現在の位置から小開位置又は次の教示点へ移動する指令が送られるようになる。
また、図22に示すように、教示作業時に可動電極と固定電極をワークと接触させ、ワーク位置を求め、そのワーク位置に応じてロボット軸及び外部軸を動作させることで、教示位置として記憶するようにしても良い。
本実施例では、前記第1の実施例で接触検出してから位置補正する過程が異なる。前記第1の実施例では、接触検出時の力を求め、インピーダンス制御により位置補正をしていたが、本実施例では接触検出した位置と予め教示された位置からワーク405の位置ズレ量αを求め、この位置ズレ量αにより位置補正するものである。
以下では、ワーク405の位置ズレ量αの検出及び補正方法について説明する。ここでは、第1の実施例と同様に、図4(d)に示すように教示位置から可動電極側に位置ズレ量αがある場合を考える。
可動電極403及び固定電極404は、小開位置から同時に下降及び上昇を開始する。図4(e)に示すように、固定電極404よりも先に可動電極403がワーク405に教示位置よりもαだけ上側にあるB点で接触する。固定電極404は教示位置に到達するが、位置ズレがあるためにワーク405と接触しない。
ここで、ワーク405と可動電極403の接触は、図6に示すように、ガン軸制御系20の実機部210とシミュレーション部220の内部状態量を比較することで検出する。ここでは、状態量比較値として前記実機トルク指令と前記モデルトルク指令の差分の微分値を作成する。ここで、微分値を用いる理由は、差分値の急激な変化を捕らえるためである。また、微分値を作成する前に、衝突時に発生する周波数より高い周波数の信号はフィルタ等で削除しても良い。
また、ロボット軸制御系10の接触検出部132においても同様に、状態量比較部131で求められた状態量比較値と検出しきい値を比較することで、固定電極404とワーク405との衝突を検出することができ、衝突が検出された場合にはロボット軸接触検出情報が出力される。
修正量演算部33内の接触判断部334では、前記ガン軸接触検出情報と前記ロボット軸接触検出情報から、可動電極403と固定電極404のどちらが先にワーク405に接触したかを判断する。ここでは、前記ガン軸接触検出情報が先に接触判断部334に入力される。この時には前記ロボット軸接触検出情報は入力されていない。そのため、ワーク405が可動電極側に位置ズレしていることが分かる。ここで、前記ガン軸接触検出情報と前記ロボット軸接触検出情報が同時に入力された場合には、ワーク405は位置ズレしていないと判断される。
(2−1)位置ズレ量αの演算
前記ガン軸接触検出情報は補正量算出部335に送られる。前記補正量算出部335では、前記ガン軸接触検出情報が入力された時点での実機部210のモータ213の位置応答である接触検出位置と位置指令を取り込む。この時点で、以下の式により、関節座標系における位置ズレ量αGUNを求めることができる。
また、固定電極403が先にワーク405に接触した場合でも同様に、前記ロボット軸接触検出情報が補正量算出部335に出力された時点で、実機部110のモータ113の位置応答である接触検出位置と位置指令を取り込む。これにより、ロボット各軸の関節座標系における位置ズレ量αROBOTを求める。次に、ロボット軸制御系10においても、前述のヤコビアンを用いることで、関節座標系の位置ズレ量αROBOTを作業座標系の位置ズレ量αに変換することができる。
可動電極403が固定電極404よりも先にワーク405に接触して位置ズレ量αを求めた場合、ガン軸の位置修正量θGUNは位置ズレ量αと同じであるが、ロボット軸の位置修正量θROBOTは求められていない。よって、ガン軸の接触検出で求められた位置ズレ量αから、ロボット軸の位置修正量θROBOTを求める必要がある。これには、座標変換部332内で、前述のヤコビアンの逆行列を用いることで、作業座標系の位置ズレ量αを関節座標系の位置修正量θROBOTに変換することができる。
ここで、図4(e)に示すように、可動電極403はワーク405に既に接触しているため、位置の補正は固定電極404のみで良い。そのため、前記ロボット軸の位置修正量θROBOT及びガン軸位置修正量θGUNは修正量記憶部34に記憶され、前記ロボット軸制御系10と位置修正量θROBOTが加算される。ただし、固定電極404が位置ズレ量αだけ上昇することで可動電極403の位置も上昇してしまうため、固定電極404の動作に合わせて可動電極403の位置を位置ズレ量αだけ下降させる必要がある。
以上の処理により、可動電極403と固定電極404は、図4(f)に示すように、ワーク405に接触することができる。
接触後の本加圧時には、実施例1の方法を用いることで、接触状態を保ったまま予め設定された別の目標加圧力で接触対象物を加圧する。
以上より、ワークが位置ズレしている場合でも、ワークと電極の接触を高感度に検出して、予め設定された目標力でワークを加圧することができる。
本実施例では、前記第2の実施例で接触検出させる際の可動電極への指令方法が異なる。前記第2の実施例では、小開位置から可動電極と固定電極を同時にワーク表面上の教示位置に動作させていたが、本実施例では固定電極に対して可動電極の動作開始を早く開始して、固定電極よりも可動電極がワークに先に接触させる。これは、可動電極を駆動する外部軸モータに対して、固定電極を駆動するロボットのモータ容量や摩擦が大きく、可動電極で検出させる方が検出精度が高いためである。
以下では、ワーク405の位置ズレ量αの検出及び補正方法について説明する。ここでは、教示位置から固定電極側にワーク405の位置ズレがある場合を考える。
図7に示すように、ロボット軸制御系10及びガン軸制御系20に時間調整部135及び235を設ける。また、ガン軸制御系20に指令調整部236を設ける。
前記時間調整部135及び235では、位相進み補償を行うことで予め設定された進み時間だけ、ロボット軸に対するガン軸の動作指令を進めるか、バッファなどを用いることで予め設定された進み時間だけ、ガン軸に対するロボット軸の動作指令を遅らせる処理を行う。これにより、小開位置からワーク表面上の目標位置に移動する際に、可動電極403が先に動作を開始し、進み時間が経過した後、固定電極404が動作を開始する。
また、可動電極403の接触検出後に修正量の演算を実行する際には、第2の教示位置ではなく予め教示された教示位置と接触検出位置から位置ズレ量αを求める必要がある。これは本来あるべきワークの教示位置からのズレ量を求めるためである。
接触検出の方法、修正量の演算、加圧力制御、指令補正の処理は、前記第1及び第2の実施例と同じであるため省略する。
以下では、ワーク405の位置ズレに対して、ロボット401及び電動ガン402による位置ズレ検出及び補正の方法について説明する。
図8(a)に示すように、可動電極403の教示位置Aから指令調整部236により想定される位置ズレ量αよりも大きい指令調整量で第2の目標位置Cを作成する。
可動電極403は小開位置から第2の教示位置Cに、固定電極404は小開位置から教示位置Aに移動する。このとき、時間調整部135及び235において、固定電極よりも先に可動電極を予め設定された時間調整量(数十〜数百ms)の時間だけ位置指令を進ませる。
ここでは位置ズレが無いため、図8(b)に示すように、可動電極403は第2の教示位置Cに到達することなく教示位置Aでワーク405と接触し、その接触がガン軸制御系20の接触検出部232で検出される。接触検出後、位置ズレ量α(ここでは0)が演算されて、ロボット軸の位置修正量(ここでは0)が演算され、ロボット軸が動作する。
固定電極404と可動電極403がワーク405に接触後、本加圧を実行し、ワーク405を溶接する。図8(c)に示すように、開放命令により小開位置への移動を実施する。
図8(d)に示すように、教示位置から固定電極側に位置ズレ量αがある。可動電極403は固定電極404よりも時間調整量だけ先に小開位置から下降を開始し、続いて固定電極404が小開位置から上昇を開始する。
図8(e)に示すように、固定電極404よりも先に可動電極403が、教示位置Aよりもαだけ固定電極側にあるB点でワーク405に接触する。このとき、固定電極404は教示位置Aに向かって移動中である。可動電極403とワーク405の接触は、ガン軸制御系20の接触検出部232で検出され、ロボット軸の位置修正量が演算される。ここでは、接触検出位置Bに到達するようにロボット軸及びガン軸の指令が修正され、図8(f)に示すように固定電極及び可動電極をワークに接触させることができる。
固定電極404と可動電極403がワーク405に接触後、本加圧を実行し、ワーク405を溶接する。図8(c)に示すように、開放命令により小開位置又は次の教示位置への移動を実施する際には、前述の第1の実施例と同様にロボット軸の指令補正を行う必要がある。
また、図21及び図24に示すように、教示作業時に外部軸(可動電極)をロボット軸(固定電極)に対して先行して動作させ、ワークと接触させ、ワーク位置を求め、そのワーク位置に応じてロボット軸及び外部軸を動作させることで、教示位置として記憶するようにしても良い。
本実施例では、前記第2の実施例で位置ズレ量αを求めるタイミングが異なる。前記第2の実施例では、可動電極及び固定電極とワークを教示位置で接触させる際に毎回位置ズレ量αを求めていたが、本実施例ではワーク上の同一加圧方向の溶接点を溶接する際には、第1溶接点で取得した位置ズレ量αを第2溶接点以降も使用する点が異なる。これは、同一ワークの教示点に対する溶接点の位置ズレ量αは同じになることを用いて、演算処理を減らすことができる。
図9に示すように、補正量算出部335からの出力である位置ズレ量αを記憶させる第2修正量記憶部341を設ける。ワーク上の同一平面における第1番目の教示点を溶接する際には、補正量算出部335からの出力された位置ズレ量αは修正量演算部33の座標変換部332を通り、修正量記憶部34に送られ、ロボット軸位置修正量として位置指令に加算される。ここで、前記位置ズレ量αは前記第2修正量記憶部341に記憶される。次に、ワーク上の同一加圧方向の第2溶接点以降の教示点を溶接する際には、記憶された前記位置ズレ量αを座標変換部332に送り、第2修正量を作成する。前記第2修正量は位置指令と加算され、補正動作が行われる。この時、修正量記憶部34の出力であるロボット軸位置修正量は0とする。
また、例えば、平面Aを溶接後、平面Aとは傾きが違う平面Bを溶接し、再度平面A又は平面Aと同一の傾きを持つ平面を溶接する際には、平面Aで求めた位置ズレ量αAを再度使用することで演算処理を少なくすることもできる。
以上より、ワークの同一加圧方向の溶接点では初回に求めた位置ズレ量を記憶して、次回以降にはその記憶値から補正量を求めることで、接触検出処理を無くし、演算負荷を減らすことができる。
本実施例では、前記第4の実施例で、ロボット401を駆動する制御装置400に接続された操作ペンダント406の操作画面から、前記接触検出部132及び232に入力される前記検出しきい値と、前記時間調整部235に入力される前記時間調整量と、前記指令調整部236に入力される前記指令調整量と、前記第2修正量記憶部341に入力される前記ワーク撓み量をパラメータとして入力し、状態量比較値を操作画面に表示してパラメータの調整を容易にするものである。
図10(a)に示すように、操作ペンダント406の操作画面上から、前記パラメータの値を入力する。例えば、図10(b)に示すように、前記接触検出部132及び232に入力されたガン軸検出しきい値とロボット軸検出しきい値及びガン軸検出力とロボット軸検出力は、横軸を時間として連続的に観測できるように表示される。作業者はそれぞれの軸の前記検出しきい値と前記検出力を観測しながら、小開位置から本加圧にいたる動作時に、誤検出しないように前記検出しきい値を調整する。
本実施例では、前記第1の実施例で加圧力の制御方法が異なる。前記第1の実施例では、ロボット軸とガン軸で個別に接触力を求めて、それぞれが目標接触力FREFになるように制御されていたが、本実施例ではロボット軸とガン軸の接触力の差を意図的に大きくなるように制御する点が異なる。これは、ワーク上下に作用する接触力に差を設けることで、ワーク内部に発生するナゲット位置をワーク中心より接触力の小さい方に移動させて、板厚の異なる板を重ね合わせたワークを溶接するものである。
可動電極403及び固定電極404とワーク405の接触を検出する過程(1)や、(2−2)修正量演算の座標変換や、ワークとの接触が検出された後の加圧力制御(3)や、指令補正の過程(4)は、前記第1の実施例と同様であるため省略する。そのため、ここではガン軸制御系又はロボット軸制御系で、(2−1)修正量演算のインピーダンス制御について説明する。
ここでは、可動電極403側が薄板で、固定電極404側が厚板の2枚を重ね合わせたワークを例に説明する。
図11に示すように、修正量演算部33では、前記ガン軸接触力と前記ロボット軸接触力及び予め設定された目標接触力FREFと目標加圧力差ΔFを基に、可動電極403とワーク405がFREF+ΔFで、固定電極404とワーク405がFREF−ΔFで、接触するように、ロボット軸位置修正量及びガン軸位置修正量を作成する。この前記位置修正量でロボット軸及びガン軸を動作させることで、固定電極404のチップとワーク405間との接触抵抗が可動電極403のチップとワーク405との接触抵抗よりも大きくなり、ナゲットを厚板側に移動させることができる。
そのため、可動電極403及び固定電極404とワーク405間の目標加圧力FREFの差が、予め設定された加圧力差ΔFになるように、ロボット軸及びガン軸をそれぞれ制御する。その結果、図12(c)に示すように、ナゲットはワーク405の内部で厚板寄りに発生するため、スパッタやチップ溶着の発生を防止したまま、十分な大きさのナゲットを発生させて、溶接強度を確保して溶接することができる。
本実施例では、前記第2の実施例で位置ズレ検出対象が異なる。前記第2の実施例では、ワーク405が予め登録された教示位置から電動ガン402の開閉方向に位置ズレした場合の補正方法(イコライジング機能)について考えたが、本実施例ではワークの位置ズレが無い場合で電極摩耗による位置ズレの補正方法に対応する点が異なる。これは、電極の摩耗量を検出して、摩耗量分だけ可動電極と固定電極の位置を補正することで溶接を続行するものである。
可動電極403及び固定電極404とワーク405の接触を検出する原理は前記第2の実施例の過程(1)は同じであるので、ここでは電極摩耗量の検出方法について述べる。
図13(a)に示すように、摩耗電極を新しい電極に交換した際に、前記電動ガンの可動電極403と固定電極404の先端を接触させる。この時、図14に示すように、状態量比較部231で前記電動ガンの可動電極軸の前記シミュレーション部と前記実機部の状態量(例えば、速度フィードバック値(以降速度FB)やトルク指令など)を比較し、接触検出部232で可動電極403の固定電極404との接触力を演算し、接触判断部334で予め設定されたしきい値よりも大きくなった場合に実機部210に停止命令を送り、前記可動電極軸を停止させる。この前記可動電極軸の停止位置X1を、基準位置1として基準位置記憶部35に記憶する。
図13(b)に示すように、プレイバック運転中に、可動電極403及び固定電極404の全摩耗量ΔLを測定する。この測定は、予め設定された打点数を溶接後に実行するか、予め設定された時間を経過後に実行するかは選択できるものとする。また、この全摩耗量の測定は溶接開始前のエアカット動作中に実行する。
前記電動ガンの可動電極403と固定電極404の先端を接触させ、(1)と同様に、前記可動電極軸を停止させて、前記可動電極軸の停止位置X2をとして、前記基準位置記憶部35に記憶する。この時点で、全摩耗量ΔLは、前記可動電極403と固定電極404における各電極の摩耗量の総和であり、補正量演算部335において、前記基準位置1であるX1から前記基準位置2であるX2を差分することで、全摩耗量ΔLを演算することができる。
予め教示された溶接点に移動する過程において、可動電極403の摩耗量を測定する。この可動電極403及び固定電極の目標位置は、前述の第3の実施例に示したように、ワーク内部にずらして実行する。
前記電動ガンの可動電極403を前記電動ガンの固定電極404に対して先行動作させてワーク405に接触させ、前記電動ガンの可動電極軸の前記シミュレーション部と前記実機部の状態量を比較することで接触力を演算し、予め設定されたしきい値よりも大きくなった場合に前記可動電極軸を停止させる。この時、摩耗が無い場合は図13(c)に示すように予め教示された位置で接触するが、摩耗がある場合には図13(d)に示すように本来の教示位置からΔL1だけ下がった位置で接触する。このΔL1は前記可動電極403の摩耗量であり、補正量演算部335において、可動電極403の移動量として検出できる。
最後に、補正量演算部335において、前記全摩耗量ΔLから前記可動電極403の摩耗量ΔL1を差分することで、前記固定電極の摩耗量ΔL2を演算することができる。
(3)で求めた前記可動電極403の摩耗量ΔL1及び固定電極404の摩耗量ΔL2を基に、前記ロボット及び電動ガンの可動電極軸の位置を実時間で修正して、溶接を続けることができる。位置補正の方法については、第2の実施例の(2)修正量演算と同様であるため、ここでは省略する。
本実施例では、前記第2の実施例で(4)指令補正後に溶着検出の処理を追加したものである。詳しくは、前記第2の実施例では、本加圧終了後に、小開位置への開放命令又は次の教示点への移動命令が来ると、修正量記憶部34で記憶しておいたロボット軸位置修正量及び外部軸位置修正量分だけ補正した後で、開放動作や次教示点への移動を行っていた。本実施例では前記開放動作や次教示点への移動の際に、電極の溶着検出をする。
可動電極403及び固定電極404とワーク405の接触を検出する過程(1)から指令補正までの過程(4)は、前記第2の実施例と同様であるため省略する。そのため、ここではガン軸制御系又はロボット軸制御系で、(5)溶着検出について説明する。
可動電極403又は固定電極404とワーク405の溶着を検出する過程は前記第2の実施例の(1)と同じで、ロボット軸制御系10及びガン軸制御系20の実機部110及び210とシミュレーション部120及び220の内部状態量を比較することで溶着を検出する。ロボット軸制御系10とガン軸制御系20は同じ検出方法であるため、ここではガン軸制御系20について説明する。
内部状態量としては、例えば、モータ制御部211と制御モデル部221の出力である実機トルク指令とモデルトルク指令を用いる。状態量比較部231内で、電極溶着によって実機部210の前記実機トルク指令の急激な変動が生じるため、状態量比較値として前記実機トルク指令と前記モデルトルク指令の差分を作成する。
修正量演算部33内の接触判断部334では、前記ガン軸溶着検出情報と前記ロボット軸溶着検出情報から、可動電極403又は固定電極404がワーク405に溶着したかを判断する。どちらかの溶着検出情報が接触判断部334に入力されると、接触判断部334から溶着処理選択部336に溶着検出の信号が出力される。溶着処理選択部336では、ロボット軸制御系10及びガン軸制御系20の実機部110及び210に対して、ロボット及び前記可動電極軸を停止させる停止命令か、予め設定された溶着解除動作をさせる解除動作指令を出力するか、外部の機器へ溶着発生信号を出力させる命令のいずれかを選択する。ここでは、溶着解除動作指令を例に説明する。
これらの動作信号は前記指令修正部137、237に加算することで、前記電動ガン402を回転させることができる。
このように、溶着検出して自動的に解除命令を出力して溶着を解除する動作を行わせることで、ラインを停止させることなく、溶接を続行できる。
本実施例では、前記第2の実施例で、電動ガン402のガンアーム部分の撓み補正処理を追加したものである。詳しくは、前記第2の実施例で、実作業前に電動ガンの加圧力とガンアームの撓み量の関係式を予め測定しておき、実作業時には、加圧時の加圧力に応じた撓み量により、ロボット401に補正動作を行わせるものである。ここでは電動ガン402としてC型ガンを例に説明を行うが、X型ガンでも同様である。また、撓み量ΔXは可動電極403の開閉方向の値とする。
(1)加圧力と撓み量の関係式作成
作業者は実作業前に電動ガンのガンアーム部分に関する加圧力と撓み量の関係式を作成する。電動ガンの可動電極を固定電極に接触させて、可動電極軸のモータが発生しているトルクから加圧力を求める。また、モータに接続されたエンコーダなどの位置検出器から位置を求める。これらの情報を複数の加圧力で求めることで、図16(b)に示すようなグラフを得ることで、以下のような撓み係数の関係式を導くことができる。
プレイバック運転又は教示作業時において、加圧動作を行う際に、図17に示すように、ガン軸制御系20の実機部210とシミュレーション部220の内部状態量を状態量比較部231で比較することで、可動電極403がワーク405に加えている加圧力(ガン軸接触力)を求める。
接触検出部232では、前記状態量比較値と予め作業内容に応じて設定された検出しきい値を比較することで、モータ213に接続された機構部212(ここでは可動電極403)とワーク405との衝突を検出し、衝突検出された時点で接触状態量としてガン軸接触力を発生させる。ガン軸接触力は、トルク指令の差分である前記状態量比較値を、減速機の構成に応じて力の単位系に変換することで求めることができる。または、目標加圧力から撓み量ΔXを求めてもよい。
修正量演算部33の撓み量演算部337において、求められた加圧力と前記撓み係数から、作業座標系におけるガンアーム部分の撓み量ΔXを演算する。
ロボット軸の作業座標系における撓み量ΔXが求められたので、その値をロボット軸の関節座標系の値に変換する必要がある。座標変換部332内で、ロボット軸に関しては、前述のヤコビアンの逆行列を用いることで、作業座標系の撓み量ΔXを関節座標系の位置修正値θROBOTに変換することができる。前記ロボット軸の位置修正量θROBOTは修正量記憶部34に記憶され、同時に前記ロボット軸制御系10の位置指令に加算される。
これにより、電動ガン402の加圧力に同期してロボット401が補正動作を実施することとなり、図16(c)に示すように、可動電極403及び固定電極404の位置を教示位置に保ってワーク405を変形させずに加圧動作を実行できる。
また、加圧後の減圧の際にも、検出された加圧力に応じてロボットの補正動作を実施することで、可動電極403及び固定電極404の位置を教示位置に保つことができる。
110,210:実機部
111,211:モータ制御部
112,212:機構部
113,213:モータ
120,220:シミュレーション部
121,221:制御モデル部
122,222:機構モデル部
123,223:モータモデル
131,231:状態量比較部
132,232:接触検出部
135,235:時間調整部
236:指令調整部
137,237:指令修正部
20:外部軸(ガン軸)制御系
33:修正量演算部
331:インプ−ダンス制御部
332:座標変換部
334:接触判断部
335:補正量算出部
336:溶着処理選択部
337:撓み量演算部
34:修正量記憶部
341:第2修正量記憶部
35:基準位置記憶部
400:制御装置
401:ロボット
402:電動ガン
403:可動電極
404:固定電極
405:ワーク
406:操作ペンダント
Claims (10)
- 上位指令生成部からの位置指令に基づき、多関節ロボット(401)の各軸を駆動するモータを制御するロボット軸制御系(10)と、前記多関節ロボット(401)の先端に配置した電動ガン(402)上に設けられ前記多関節ロボット(401)と協同して作業する外部軸のモータを制御する外部軸制御系(20)とを備え、
前記ロボット軸制御系(10)によって前記電動ガン(402)の固定電極(404)位置を制御し、前記外部軸制御系(20)によって前記電動ガン(402)の可動電極(403)位置を制御して前記固定電極(404)と前記可動電極(403)との間にワーク(405)を挟んでスポット溶接を行うロボットの制御装置において、
各制御系(10、20)は、前記位置指令に対し各軸の前記モータを制御し実機状態量を出力する実機部(110、210)と、前記実機部をモデルによって模擬しモデル状態量を出力するシミュレーション部(120、220)と、
前記実機状態量と前記モデル状態量とを比較して状態量比較値を出力する状態量比較部(131、231)と、
前記状態量比較値と予め設定された検出しきい値とを比較して各々の制御対象と外部との接触を検出し、接触が検出されると接触状態量を出力する接触検出部(132、232)を備え、
前記制御装置は、前記各制御系(10、20)の前記接触検出部(132、232)が出力する接触状態量に応じて前記ロボット軸及び前記外部軸それぞれに対する位置修正量を演算する修正量演算部(33)を備え、
前記各制御系(10、20)は、前記位置修正量を前記位置指令に加算する指令修正部(137、237)を備え、前記指令修正部は、予め設定された時間調整量だけ前記外部軸への動作指令を前記ロボット軸への動作指令に対して先行させる時間調整部(135、235)を備えることを特徴とするロボットの制御装置。 - 前記位置修正量を記憶する修正量記憶部(34)を備え、前記指令修正部(137、237)は、前記電動ガン(402)により前記ワーク(405)に対して本加圧を行った後、前記電動ガン(402)を小開位置へ移動させる際には、前記位置指令から前記位置修正量を減算することを特徴とする請求項1記載のロボットの制御装置。
- 前記ワーク(405)に対して同一方向から加圧する溶接点が複数存在する場合は、第1溶接点についてのみ前記位置修正量を演算し、
前記指令修正部は、第2溶接点以降については前記第1溶接点について演算した位置修正量を適用することを特徴とする請求項1または2記載のロボットの制御装置。 - 前記位置修正量を前記多関節ロボット(401)の作業座標系に基づく値として記憶する第2修正量記憶部(341)を備え、
前記固定電極(404)及び前記可動電極(403)が前記ワーク(405)と接触してから前記接触検出部(132、232)で接触検出されるまでの間に前記ワーク(405)が撓む量を予めパラメータとして設定しておき、
前記電動ガン(402)により前記第1溶接点に対して溶接を行う際に前記作業座標系に基づく前記位置修正量を前記第2修正量記憶部(341)に記憶し、
前記第2溶接点以降を溶接する際に、前記ロボット軸制御系(10)の指令修正部(137)は、前記第2修正量記憶部(341)に記憶された前記作業座標系に基づく位置修正量に前記撓み量を加算した値を前記多関節ロボット(401)の関節座標系に基づく値に座標変換して、前記ロボット軸に対する位置修正量に加算することを特徴とする請求項3記載のロボットの制御装置。 - 前記多関節ロボット(401)の各軸と前記外部軸を操作可能な操作ペンダント(406)を備え、
前記操作ペンダント(406)により、前記検出しきい値、前記時間調整量、前記ワークの撓み量をパラメータとして入力し設定することを特徴とする請求項4記載のロボットの制御装置。 - 前記操作ペンダント(406)の操作画面上に、連続量又は離散量の形式で前記状態量を表示することを特徴とする請求項5記載のロボットの制御装置。
- 前記可動電極(403)による前記ワーク(405)への加圧力と、前記加圧力により生じる前記電動ガン(402)のアーム部分の変形量との関係式を予め求めておき、
前記ワーク(405)への加圧動作を行う際に、前記外部軸制御系(20)の前記接触検出部(232)にて前記ワーク(405)への加圧力を求め、
修正量演算部(33)は、前記関係式により前記加圧力に応じた前記変形量を求めると共に前記多関節ロボット(401)の関節座標系に基づく値に座標変換して前記ロボット軸に対する位置修正量として出力し、
前記指令修正部(137)は、前記位置修正量を前記位置指令に加算することを特徴とする請求項1記載のロボットの制御装置。 - 上位指令生成部からの位置指令に基づき、多関節ロボット(401)の各軸を駆動するモータを制御するロボット軸制御系(10)と、前記多関節ロボット(401)の先端に配置した電動ガン(402)上に設けられ前記多関節ロボット(401)と協同して作業する外部軸のモータを制御する外部軸制御系(20)とを備え、
前記ロボット軸制御系(10)によって前記電動ガン(402)の固定電極(404)位置を制御し、前記外部軸制御系(20)によって前記電動ガン(402)の可動電極(403)位置を制御して前記固定電極(404)と前記可動電極(403)との間にワーク(405)を挟んでスポット溶接を行うロボットの制御方法において、
各制御系(10、20)は、前記位置指令に対し各軸の前記モータを制御し実機状態量取得すると共に、各々の制御対象をモデルによって模擬しモデル状態量を取得し、
前記実機状態量と前記モデル状態量とを比較して状態量比較値を求め、
前記状態量比較値と予め設定された検出しきい値とを接触検出部(132、232)にて比較して各々の制御対象と外部との接触を検出し、接触が検出されると前記接触検出部(132、232)から接触状態量を出力するよう構成され、
プレイバック運転時に、第1ステップとして、前記可動電極(403)を前記固定電極(404)に対して先行動作させて前記ワーク(405)に接触させ、前記各制御系(10、20)の前記接触検出部(132、232)が出力する接触状態量に応じて前記ロボット軸及び前記外部軸それぞれに対する位置修正量を演算し、
第2ステップとして、前記第1ステップで求めた前記ワーク(405)の前記位置修正量を基に前記多関節ロボット(401)及び前記可動電極(403)の位置を修正し、
第3ステップとして、溶接を実行し、
第4ステップとして、溶接実行後に前記電動ガン(402)を小開位置へ移動させる際に、前記ロボット軸及び前記外部軸それぞれに対する前記位置指令から前記位置修正量を減算することを特徴とするロボットの制御方法。 - 上位指令生成部からの位置指令に基づき、多関節ロボット(401)の各軸を駆動するモータを制御するロボット軸制御系(10)と、前記多関節ロボット(401)の先端に配置した電動ガン(402)上に設けられ前記多関節ロボット(401)と協同して作業する外部軸のモータを制御する外部軸制御系(20)とを備え、
前記ロボット軸制御系(10)によって前記電動ガン(402)の固定電極(404)位置を制御し、前記外部軸制御系(20)によって前記電動ガン(402)の可動電極(403)位置を制御して前記固定電極(404)と前記可動電極(403)との間にワーク(405)を挟んでスポット溶接を行うロボットの制御方法において、
各制御系(10、20)は、前記位置指令に対し各軸の前記モータを制御し実機状態量取得すると共に、各々の制御対象をモデルによって模擬しモデル状態量を取得し、
前記実機状態量と前記モデル状態量とを比較して状態量比較値を求め、
前記状態量比較値と予め設定された検出しきい値とを接触検出部(132、232)にて比較して各々の制御対象と外部との接触を検出し、接触が検出されると前記接触検出部(132、232)から接触状態量を出力するよう構成され、
教示作業時に、第1ステップとして、前記可動電極(403)を前記固定電極(404)に対して先行動作させて前記ワーク(405)に接触させ、前記各制御系(10、20)の前記接触検出部(132、232)が出力する接触状態量に応じて前記ロボット軸及び前記外部軸それぞれに対する位置修正量を演算し、
第2ステップとして、前記第1ステップで求めた前記ワーク(405)の前記位置修正量を基に前記多関節ロボット(401)及び前記可動電極(403)の位置を修正し、
第3ステップとして、前記修正された前記多関節ロボット(401)及び前記可動電極(403)の位置を教示位置として記憶することを特徴とするロボットの制御方法。 - 上位指令生成部からの位置指令に基づき、多関節ロボット(401)の各軸を駆動するモータを制御するロボット軸制御系(10)と、前記多関節ロボット(401)の先端に配置した電動ガン(402)上に設けられ前記多関節ロボット(401)と協同して作業する外部軸のモータを制御する外部軸制御系(20)とを備え、
前記ロボット軸制御系(10)によって前記電動ガン(402)の固定電極(404)位置を制御し、前記外部軸制御系(20)によって前記電動ガン(402)の可動電極(403)位置を制御して前記固定電極(404)と前記可動電極(403)との間にワーク(405)を挟んでスポット溶接を行うロボットの制御方法において、
各制御系(10、20)は、前記位置指令に対し各軸の前記モータを制御し実機状態量取得すると共に、各々の制御対象をモデルによって模擬しモデル状態量を取得し、
前記実機状態量と前記モデル状態量とを比較して状態量比較値を求め、
前記状態量比較値と予め設定された検出しきい値とを接触検出部(132、232)にて比較して各々の制御対象と外部との接触を検出し、接触が検出されると前記接触検出部(132、232)から接触状態量を出力するよう構成され、
第1ステップとして、プレイバック運転の前又は教示作業の前に、
前記可動電極(403)による前記ワーク(405)への加圧力と、前記加圧力により生じる前記電動ガン(402)のアーム部分の変形量との関係式を求め、
第2ステップとして、プレイバック運転時又は教示作業時に、
前記可動電極(403)を前記固定電極(404)に対して先行動作させて前記ワーク(405)に接触させ、前記外部軸制御系(20)の前記接触検出部(232)にて前記ワーク(405)への加圧力を求め、前記関係式により前記加圧力に応じた前記変形量を求め、
第3ステップとして、前記変形量から前記ロボット軸に対する位置修正量を求め、
第4ステップとして、前記位置修正量により前記固定電極(404)の位置を修正して前記変形量の影響を相殺することを特徴とするロボットの制御方法。
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