JPH06143171A - ロボット - Google Patents

ロボット

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JPH06143171A
JPH06143171A JP29049592A JP29049592A JPH06143171A JP H06143171 A JPH06143171 A JP H06143171A JP 29049592 A JP29049592 A JP 29049592A JP 29049592 A JP29049592 A JP 29049592A JP H06143171 A JPH06143171 A JP H06143171A
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Michihiro Uenohara
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 対象物に対してワークが正確に位置決めされ
ていない環境においてもオフラインでの教示のみにより
確実な動作を可能にするロボットを提供する。 【構成】 マニピュレータ(4)のハンドで把持された
をワークを対象物に対して所定関係に置くロボットにお
いて、ハンドの位置および力を制御するマニピュレ−タ
制御部(2)と、ワークが対象物と所定関係に置かれた
か否かを判定する接触状態検出部(3)と、および予め
入力された命令を保持するとともにこの命令を解釈し、
接触状態検出部(3)による判定結果を参照してマニピ
ュレ−タ制御部(2)の制御係数を演算してマニピュレ
−タ制御部(2)へ転送する命令保持実行部(1)とを
備えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の目的〕
【産業上の利用分野】本発明は、ハンドに加わる力/モ
ーメントを検出する力覚センサおよびロボットの位置・
力を制御する制御装置を有するロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】産業用ロボットの製造工場への導入意欲
は衰えることを知らず、特に近年は電子部品の組み立て
のロボット化が盛んになってきている。組み立て作業に
限らず、産業用のロボットでは部品供給装置により部品
を正確に位置決めすることにより、ロボットはあらかじ
め教示しておいた動作を毎回繰り返すだけで作業を実行
することを可能にしている。また、ロボットの先端に加
わる力/トルクを計測する小型の力覚センサの応用が広
まるにつれて、コンプライアンス制御によりロボットの
位置決め精度以上の高精度なはめ合いを実現している例
など、ロボットの位置だけでなく力を制御することによ
り高精度な作業を実現している例が見られるようになっ
てきた。
【0003】一般に、ロボットの力を制御する方法とし
て、力制御、コンプライアンス制御、インピーダンス制
御、ダンピング制御、ハイブリッド制御等が代表的であ
る。
【0004】また特開平4−141386号記載の従来
技術では、凸嵌合部と凹嵌合部の嵌合およびボルト・ナ
ットの嵌合・締結を1回の試行で確実に実施するため
の、力の制御方法、状態の検出方法および作業手順につ
いて記載されている。
【0005】特開平4−141387号記載の従来技術
では、トラス構造物を組み立てる際に、力覚センサが受
ける力に基づき慣性項とバネ項を除いた粘性項からなる
運動方程式を立ててハンドの速度を算出してハンドの位
置制御を行うという、ダンピング制御により組み立て作
業を行うことにより少ない計算量で組み立て作業を行う
ことを可能にしている。
【0006】また、日本ロボット学会誌Vol.8, No.3 に
記載の「スキルに基づくマニピュレーションシステム」
では、マニピュレータによる複雑な作業を実現するため
の基本的な動作としてスキルを定義し、各スキルで力制
御やセンサの利用により計算機内部のデータと実環境と
の違いも吸収して確実な動作を実現している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、コンプライ
アンス制御やインピーダンス制御では、目標位置と実際
の部品の位置が大きな誤差を有している場合には過大な
力を部品に与えてしまったり、作業ごとに適したバネ・
粘性・質量等の係数の値の設定が難しい等の問題がある
とともに、はめ合い作業においては凸嵌合部が凹嵌合部
と直接内側外側の接触状態に誘導できないと作業が成功
しないという限界が存在した。また、作業実行時に部品
との接触状態を検出する方法が確立されていないため
に、複雑な作業を一連の作業の組み合わせにより実現す
る場合には作業の切り替え時の判定が困難であるだけで
なく、作業が失敗したことの検出もかならずしも容易で
はなかった。特開平4−141386号記載の従来技術
のように特定の作業に限定して、その作業を実現するた
めの一連の作業手順を規定し、それぞれの作業の実現の
検出方法を考案した例はあるものの、限定した作業にの
み適用できる方法にすぎなかった。
【0008】日本ロボット学会誌Vol.8, No.3 に記載の
「スキルに基づくマニピュレーションシステム」では、
複雑な作業をその組み合わせで実現するための基本的の
作業としてのスキルを定義し、その実現方法および実現
の検出方法・接触状態の変化の検出方法についても考案
されている。しかし、本文献に記載されている接触状態
の検出方法はマニピュレータ先端の移動量の変化を瞬間
回転中心の変化として検出するものであり、本文献中の
実験で用いられたような減速器を使用しないダイレクト
ドライブのマニピュレータではマニピュレータ先端の絶
対位置が正確に計測・制御できるために有効であるが、
一般に使用される減速器を使用したマニピュレータにお
いては対象物との接触・衝突により加わる力により比較
的剛性の低い減速器部でのたわみが生じるために本文献
にあるような瞬間回転中心の変化を正確に検出すること
は必ずしも容易ではない。
【0009】そこで、本発明の目的は、治具や部品供給
装置により十分な精度で位置決めされていない場合や、
治具や部品供給装置で位置決めされてはいるが現場での
ロボットの据え付け誤差やロボットの関節部でのたわみ
などによる誤差により現場での教示やキャリブレーショ
ンを行わないとオフラインの教示による位置制御のみで
は作業の実行が不可能な場合や、ロボットの精度以上に
高精度なはめ合い作業などを行う場合において、現場で
の教示やキャリブレーションを行うことなく、オフライ
ンの教示のみにより確実な動作で作業を実行することが
できるロボットを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるロボットは、マニピュレータのハンド
で把持されたをワークを対象物に対して所定関係に置く
ロボットにおいて、前記ハンドの位置および力を制御す
るマニピュレ−タ制御部と、ワークが対象物と所定関係
に置かれたか否かを判定する接触状態検出部と、および
予め入力された命令を保持するとともにこの命令を解釈
し、前記接触状態検出部による判定結果を参照して前記
マニピュレ−タ制御部の制御係数を演算して前記マニピ
ュレ−タ制御部へ転送する命令保持実行部とを備え、前
記命令は、ワークを直線移動させ対象物と接触させる接
触命令と、ワークを対象物に接触させた状態で回転運動
させワークを対象物に稜線接触させるならい命令と、お
よびワークを対象物と接触させた状態で回転運動させワ
ークの面と対象物の面とを拘束状態にするはめ合い命令
とを含み、前記制御係数は、前記接触命令においてはこ
の命令の中で指定された方向へワークを指定された速度
で移動し、対象物と接触後には指定された力およびトル
クで押しつけることにより接触を維持するための接触命
令制御係数と、前記ならい命令においてはこの命令の中
で指定された方向へワークを回転させ、対象物との稜線
接触を実現させて維持するためのならい命令制御係数
と、および前記はめあい命令においてはこの命令の中で
指定された方向へ指定された角速度でワークを回転さ
せ、ワークの面と対象物の面との拘束状態を実現させて
維持するためのはめあい命令制御係数とを含み、前記接
触状態検出部は、前記接触命令においてはこの命令の中
で指定された接触位置と実際の位置との差およびこの命
令の中で指定された許容位置誤差の値、この命令の中で
指定された押しつけ力と実際の力との差、およびマニピ
ュレータ先端位置の一定時間内の変動量とにより目標の
接触が実現された否かの判定を行い、前記ならい命令に
おいてはこの命令の中で指定された接触位置と実際の位
置との差およびこの命令の中で指定された許容位置誤差
の値、この命令の中で指定された回転軸まわりのモーメ
ントの値、およびマニピュレータ先端位置の一定時間内
の変動量とにより目標の接触が実現されたか否かの判定
を行い、前記はめ合い命令においてはこの命令の中で指
定された接触位置と実際の位置との差およびこの命令の
中で指定された許容位置誤差の値、この命令の中で指定
された回転軸まわりのモーメントと実際のモーメントと
の差、マニピュレータ先端位置の一定時間内の変動量、
およびこの命令の中で指定されたはめあいの結果移動可
能となる方向の力の値とにより目標の拘束状態が実現さ
れたか否かの判定を行う、ことを特徴とする。
【0011】また、ロボットの作業環境およびロボット
自身の3次元の幾何情報を有するとともに、ワークと対
象物との所定の位置関係と実際の位置関係との間の誤差
として起こり得る最大値の情報を有する環境モデル部
と、前記接触命令の上位の上位接触命令、前記ならい命
令の上位にある上位ならい命令、および前記はめあい命
令の上位にある上位はめ合い命令とを解釈可能なユーザ
インタフェース部と、前記上位接触命令においてはこの
命令の中で指定された方向に移動したときにこの命令の
中で指定されたワークの面と対象物との接触が起きる位
置を前記環境モデル内部の値を利用することにより導出
し、前記環境モデル部に含まれる位置誤差の値および前
記上位接触命令に含まれる引き数により引き数の値を生
成して前記接触命令を前記命令保持実行部へ転送し、前
記上位ならい命令においてはこの命令で指定された方向
へワークを回転させたときにこの命令の中で指定された
面と稜線との接触が起きる姿勢を前記環境モデル内部の
値を利用することにより算出し、前記環境モデル部に含
まれる位置誤差の値および前記上位ならい命令に含まれ
る引き数により引き数の値を生成して前記ならい命令を
前記命令保持・実行部へ転送し、前記上位はめ合い命令
においてはこの命令の中で指定された方向へ回転したと
きにこの命令の中で指定されたワークの面と対象物の面
のふたつの面が平行になる姿勢の値を算出するととも
に、前記上位はめ合い命令が実行される前に前記接触命
令が実行されている方向の中から命令の中で指定された
ふたつの面の方向から移動可能な方向を求め、前記環境
モデル部に含まれる位置誤差の値および前記上位はめ合
い命令に含まれる引き数により引き数の値を生成して前
記はめ合い命令を前記命令保持実行部へ転送する上位命
令翻訳部と、をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明によれば、オペレータがあらかじめオフ
ラインで接触命令を入力していた場合には命令保持実行
部が入力された命令に従った値をマニピュレ−タ制御部
へ転送することにより、マニピュレ−タは指定した方向
に指定した速度で移動し、マニピュレ−タのハンドに把
持されたワークと対象物との接触の後には指定した力で
接触を保つ。一方、接触状態検出部が命令の中で指定さ
れた接触位置と実際の位置の差が命令の中で指定された
位置誤差の値より小さくなるとともに命令の中で指定さ
れた押しつけ力と実際の力の差がデフォルトの力誤差の
値より小さくなり、さらにマニピュレータ先端位置の一
定時間内での変動量が基準値より小さくなりほとんど静
止していることを確認してはじめて目標の接触の実現と
判定し、その結果を命令保持実行部へ転送することによ
り、直線運動により目標とする接触が実現されたか否か
を確実に判定することが可能になる。あらかじめならい
命令が入力されていた場合には、命令保持実行部が入力
された命令に従った値をロボットの制御部へ転送するこ
とにより、ロボットは指定された方向に回転することに
より対象物との稜線接触を実現し維持する。
【0013】一方、接触状態検出部が命令の中で指定さ
れた接触位置と実際の位置の差が命令の中で指定された
位置誤差の値より小さくなるとともに命令の中で指定さ
れた回転軸まわりのモーメントがデフォルトの力誤差の
値より小さくなり、さらにマニピュレータ先端位置の一
定時間内の変動量が基準値より小さくなるほとんど静止
していることを確認してはじめて目標の接触の実現と判
定し、その結果を命令保持実行部へ転送することによ
り、回転運動により目標とする接触が実現されたか否か
を確実に判定することが可能になる。予めはめ合い命令
が入力されていた場合には、命令保持実行部が入力され
た命令に従った値をロボットの制御部に転送することに
より、ロボットは指定された方向に回転することにより
対象物との内側外側拘束の状態を実現し維持する。一
方、接触状態検出部が命令の中で指定された接触位置と
実際の位置との差が命令の中で指定された位置誤差の値
より小さくなるとともに命令の中で指定された回転軸ま
わりのモーメントが命令の中で指定されたモーメントの
値とデフォルトのモーメント誤差の値より小さくなり、
さらにマニピュレータ先端位置の一定時間内の変動量が
基準値より小さくなりほとんど静止していることを確認
するか、あるいは命令中で指定されたはめ合いの結果移
動可能となる方向の力の値が一定時間以上、基準値より
小さくなっていることを確認してはじめて目標の接触の
実現と判定し、その結果を命令保持実行部へ転送するこ
とにより、回転運動により目標とする接触が実現された
か否かを確実に判定することが可能になる。
【0014】以上のような、接触命令、ならい命令、は
め合い命令により組み立て作業等で基本とする点接触の
実現動作、稜線接触の実現動作、はめ合い動作の実現動
作が確実に実現できるとともに、状況により動作が実現
できない場合があったとしても、その状態を検出できる
ために、治具や部品供給装置により十分な精度で位置決
めされていない場合や、治具や部品供給装置で位置決め
されてはいるが現場でのロボットの据え付け誤差やロボ
ットの関節部でのたわみなどによる誤差により現場での
教示やキャリブレーションを行わないとオフラインの教
示による位置制御のみでは作業の実行が不可能な場合
や、ロボットの精度以上に高精度なはめ合い作業などを
行う場合においても、現場での教示やキャリブレーショ
ンを行うことなく、オフラインでの教示のみにより確実
な動作でさまざまな作業を実行することができるととも
に、状況により対応した動作を行うことも可能となる。
【0015】また本発明によれば、オペレータが上位接
触命令を入力した場合には、ユーザインタフェース部が
上位命令翻訳部へ命令を転送し、上位命令翻訳部では、
命令の内で指定された方向に移動したときに、命令の中
で指定されたふたつの面の接触が起きる位置を、環境モ
デル内部の値を利用することにより算出し、環境モデル
部に含まれる許容位置誤差の値および上位接触命令に含
まれる引き数により引き数の値を生成して接触命令を命
令保持実行部に転送する。オペレータが上位ならい命令
を入力した場合には、やはりユーザインタフェース部が
上位命令翻訳部へ命令を転送し、上位命令翻訳部では、
命令の中で指定された方向に回転したときに、命令の中
で指定された面と稜線との接触が起きる姿勢を環境モデ
ル内部の値を利用することにより算出し、環境モデル部
に含まれる許容位置誤差の値および上位ならい命令に含
まれる引き数により引き数の値を生成してならい命令を
命令保持実行部へ転送する。オペレータが上位はめ合い
命令を入力した場合には、やはりユーザインタフェース
部が上位命令翻訳部へ命令を転送し、上位命令翻訳部で
は、上位はめ合い命令のときには命令の中で指定された
方向へ回転したときに命令の中で指定されたふたつの面
が平行になる姿勢の値を算出するとともに、上位はめ合
い命令が実行される前に接触命令が実行されている方向
の中から命令の中で指定されたふたつの面の方向から移
動可能な方向を求め、環境モデル部に含まれる許容位置
誤差の値および上位はめ合い命令に含まれる引き数によ
り引き数の値を生成してはめ合い命令を命令保持実行部
に転送する。
【0016】以上の結果、上位接触命令が入力された場
合には命令の中で指定された面同士の接触が実現され、
上位ならい命令が入力された場合には命令の中で指定さ
れた稜線と面との稜線接触が実現され、上位はめ合い命
令が入力された場合には命令の中で指定された面同士が
平行になることにより実現される内側外側の拘束状態が
確実に実現される。以上のような、上位接触命令、上位
ならい命令、上位はめ合い命令によりオペレータはシス
テムの環境モデル内部で定義された物体の面や稜線の名
前あるいは番号を指定することにより容易にオフライン
での作業教示を行うことが可能となる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。図1は本発明の第1実施例の概略構成を示すもので
ある。
【0018】この図において、ロボットは命令保持実行
部1と、マニピュレ−タ制御部2と、接触状態検出部3
と、マニピュレータ4とを備えている。マニピュレータ
4には各関節軸に関節角度を計測するエンコーダが、ま
た手首部にはハンドに加わる力/トルクを検出する6軸
力覚センサが取り付けてある。また、マニピュレ−タ制
御部2は、命令保持実行部1から転送された制御点の位
置および制御点での力/トルクの値を入力とし、やはり
命令保持実行部1から転送されたインピーダンス係数の
値に従ってインピーダンス制御を行う。
【0019】図2にマニピュレ−タ制御部2の概略構成
を示す。マニピュレ−タ制御部2は、命令保持実行部1
からの転送された対象物座標系での目標位置および対象
物座標系で表した制御点での目標力/トルクとなるよう
に、命令保持実行部から転送されたインピーダンス係数
に基づき制御する。仮想モデル算出部5では、外部から
入力された目標位置・力およびインピーダンス係数をも
とにバネ・質量・ダンパから構成される仮想モデルの位
置・速度の計算を行い、制御点の仮想モデル目標位置・
速度を算出する。なお仮想モデルはx,y,z,ロー
ル、ピッチ、ヨーの各軸について、それぞれのインピー
ダンス係数をもとに独立に計算を行う。ロール・ピッチ
・ヨーはそれぞれx軸、y軸、z軸まわりの回転とす
る。以下に仮想モデルの位置・速度の値の計算方法を示
す。
【0020】インピーダンス係数はバネ、質量、ダンパ
のそれぞれについてk,m,cとする。また、制御点の
目標位置xp、目標力fpおよび制御点換算・重力補償
された力/トルクの値をf、仮想モデル目標位置をxm
とする。
【0021】a)mが0でない場合 (d/dt)△x=(f−c・(d/dt)△x−k・△x)/m (1) △x=xm−xp △f=f−fp により(d2/dt2)△xを算出する。(1)式右辺
の△x、(d/dt)△xの値はひとつ前の制御周期で
の値を用いる。(d2/dt2)△xが算出されたら、
数値積分により順次(d/dt)△x、△xの値を求め
ることにより△x、(d/dt)△xの値を更新する。
【0022】b)mが0の場合 (d/dt)△x=(△f−k・△x)/c (2) により(d/dt)△xを算出する。(2)式右辺の△
xの値はひとつ前の制御周期での値を用いる。(d/d
t)△xが算出されたら、やはり数値積分により△xの
値を求め、更新する。なお、m=k=0の場合に、目標
の力fpが考えられると、マニピュレータがどことも接
触していない場合には、fp/cの一定速度で移動し、
対象物と接触すると一定の力fpで力制御されるとい
う、ダンピング制御が実現される。
【0023】先端位置への変換部6では、命令保持実行
部から転送されたマニピュレータ先端座標での制御点へ
の変位量xeおよびベース座標系から対象物座標系への
変位量xoの値をもとに、対象物座標系での制御点の仮
想モデル目標位置・速度の値を実現するマニピュレータ
先端のベース座標系での位置・速度の目標値を算出す
る。先端位置制御装置7では、マニピュレータ先端の位
置・速度目標値を実現するようにフィードバック制御を
行う。重力補償部8では、マニピュレータの手首部に取
り付けてある6軸力覚センサ信号の値から力覚センサよ
り先に取り付けてあるハンド・把持物体の重力成分を除
去する。重力成分は、力覚センサの姿勢をマニピュレー
タ各軸に取り付けてあるエンコーダの値により算出する
ことにより求める。制御点力への変換部9では、命令保
持実行部から転送されたマニピュレータ先端から制御点
への変位量およびベース座標系から対象物座標への変位
量をもとに、力覚センサに加わっている重力成分を除い
た力/トルクの値を対象物座標系で表した制御点での力
/トルクの値に静的なつりあいの関係式をもとに変換す
る。従って、本マニピュレ−タ制御部により対象物座標
系での目標位置へ対象物座標系で表したインピーダンス
係数で制御点の位置がインピーダンス制御される。
【0024】また、図3は、座標系の定義を示した図で
ある。ベース座標系11は作業場に固定された場所に定
義され、物体座標系12は各物体のそれぞれに固定され
て定義される。またマニピュレータ先端座標系13はマ
ニピュレータ10先端に定義され、マニピュレータ先端
の動きに伴い移動する。
【0025】以下に、上記構成のロボットにおける直線
移動により対象物との接触を実現する接触命令、すでに
対象物と接触している状態で回転運動をすることにより
稜線接触を実現するならい命令、および対象物と接触し
ている状態で回転運動をすることにより対象物との内側
外側拘束の状態を実現するはめ合い命令をオペレータが
あらかじめ入力したときのロボットの動作を図1を参照
しつつ説明する。
【0026】接触命令、ならい命令、およびはめ合い命
令が表1に示すように定義されている。
【0027】
【表1】 接触命令touchが入力されると、その命令が命令保
持実行部1に送られる。
【0028】命令保持実行部1では、引き数に含まれる
値から c=force/vel (3) のようにダンパ係数を計算し、マニピュレ−タ制御部2
に ・“axis”軸のインピーダンス係数として、 m=k=0、c=force/vel ・マニピュレータ先端座標系での制御点までの変位量と
して“xe” ・対象物座標系のベース座標系からの変位量として“x
o” ・目標の“axis”軸方向の目標力として“forc
e” ・目標位置の“axis”軸座標値として現在の、対象
物座標系での制御点位置を転送する。すると、接触前に
は対象物座標系の“axis”軸方向に“vel”の速
度で移動し、接触後には“axis”方向に力“for
ce”で押しつけるダンピング制御を行うように設定さ
れる。
【0029】一方、命令保持実行部1から接触状態検出
部3には、オペレータから入力された命令および、ロボ
ットの動作開始時点となる命令転送時の制御点の対象物
座標系での座標値x0が送られる。
【0030】接触状態検出部3の状態判定処理を図4に
従って説明する。状態判定処理は毎制御周期実行され
る。まずステップs11において、対象物座標系での制
御点の“axis”軸座標値の値の0.5秒間の最大値
と最小値を計算し、その差をMa×Minとする。次
に、ステップs12において、命令で指定された接触点
での“axis”軸座標値の値xpと現在の“axi
s”軸座標値xの値を のように比較し、現在の位置が許容範囲を逸脱して行き
過ぎである場合には、動作が失敗したと判定する。も
し、行き過ぎでない場合には、ステップs13において
命令で指定された接触点での“axis”軸座標値の値
xpと現在の“axis”軸座標値xの値を のように比較し、現在の位置が許容範囲を逸脱して手前
である場合には、ステップs14に進む。ステップs1
4では、0.5秒前から変動量Ma×Minの値が許容
値△vより小さいかどうかの判定を行い、小さい場合に
は、許容範囲より手前で停止してしまっていると判断
し、失敗したと判定する。一方、△vより大きい場合に
は、まだ運動中であると判断し、実行中であると判定す
る。ステップs13で手前ではないと判定された場合に
は、ステップs15に進む。ステップs15では、命令
で指定された目標の力fpと現在の対象物座標系で表し
た制御点での力fとの差を計算し、許容範囲外ならば、
衝突直後、あるいはまだ接触前であると考えられるの
で、まだ実行中であると判定する。一方、許容範囲内な
らばステップs16へ進む。ステップs16では、0.
5秒前からの変動量Ma×Minの値が許容値△vより
小さいかどうかの判定を行い、小さい場合には、命令の
中で指定された位置付近で目標の力で接触して安定に静
止しているとみなせるので、目標の接触が実現されたと
判定する。一方、変動量Ma×Minの値が△vより大
きい場合にはまだ衝突直後だとみなして実行中であると
判定する。
【0031】以上の手順により、接触状態検出部3は実
行中・失敗・完了のいずれかの結果を命令保持実行部1
に応答する。命令保持実行部1は、完了の応答が返って
きたときには、あらかじめストアされていた次の命令に
従い、再びマニピュレ−タ制御部2および接触状態検出
部3へ値を転送する。また、失敗の応答が返ってきたと
きには、あらかじめストアされていた、失敗時の命令が
ある場合にはその命令に従い、マニピュレ−タ制御部2
および接触状態検出部3へ値を転送し、特にストアされ
ていた命令がない場合にはデフォルトで設定されている
動作、例えば基準姿勢への位置制御での移動動作などを
行う。
【0032】ならい命令fitが入力されると、その命
令が命令保持実行部1に送られる。命令保持実行部1で
は、マニピュレ−タ制御部2に ・“axis”軸のインピーダンス係数として、 m=k=0、c=Cf ・マニピュレータ先端座標系での制御点までの変位量と
して“xe” ・対象物座標系のベース座標系からの変位量として“x
o” ・目標の“axis”軸方向の目標力として 0 ・目標位置の“axis”軸座標値として現在の、対象
物座標系での制御点位置を転送する。Cfはデフォルト
で設定されているならい命令時のインピーダンス制御の
ダンパ係数である。なお制御点位置は、稜線接触を実現
する稜線の中心位置が設定されるのが望ましい。また本
ならい命令が実行される前に稜線接触を実現する稜線の
両端点のうち一方がすでに接触している必要がある。す
ると、対象物座標系での“axis”方向にトルク0の
制御を行うように設定されるので、稜線接触が制御的に
実現される。
【0033】一方、命令保持実行部1から接触状態検出
部3には、オペレータから入力された命令および、ロボ
ットの動作開始時点となる命令転送時の制御点の対象物
座標系での座標値x0が送られる。
【0034】接触状態検出部3の状態判定処理を図5に
従って説明する。状態判定処理は毎制御周期実行され
る。まずステップs21において、対象物座標系での制
御点の“axis”軸座標値の値の0.5秒間の最大値
と最小値を計算し、その差をMa×Minとする。次
に、ステップs22において、命令で指定された接触点
での“axis”軸座標値の値xpと現在の“axi
s”軸座標値xの値を のように比較し、現在の位置が許容範囲を逸脱して行き
過ぎである場合には、動作が失敗したと判定する。も
し、行き過ぎでない場合には、ステップs23において
命令で指定された接触点での“axis”軸座標値の値
xpと現在の“axis”軸座標値xの値を のように比較し、現在の位置が許容範囲を逸脱して手前
である場合には、ステップs24に進む。ステップs2
4では、0.5秒前から変動量Ma×Minの値が許容
値△vより小さいかどうかの判定を行い、小さい場合に
は、許容範囲より手前で停止してしまっていると判断
し、失敗したと判定する。一方、△vより大きい場合に
は、まだ運動中であると判断し、実行中であると判定す
る。ステップs23で手前ではないと判定された場合に
は、ステップs25に進む。ステップs25では、現在
の対象物座標系で表した制御点での力fの大きさを計算
し、許容範囲外ならば、衝突直後、あるいはまだ接触前
であると考えられるので、まだ実行中であると判定す
る。一方、許容範囲内ならばステップs26へ進む。ス
テップs26では、0.5秒前からの変動量Ma×Mi
nの値が許容値△vより小さいかどうかの判定を行い、
小さい場合には、命令の中で指定された位置付近で目標
の力で接触して安定に静止しているとみなせるので、目
標の接触が実現されたと判定する。一方、変動量Ma×
Minの値が△vより大きい場合にはまだ衝突直後だと
みなして実行中であると判定する。
【0035】以上の手順により、接触状態検出部3は実
行中・失敗・完了のいずれかの結果を命令保持実行部1
に応答する。命令保持実行部1は、接触命令のときと同
様に応答結果に従った動作を行う。
【0036】はめ合い命令parallelが入力され
ると、その命令が命令保持実行部1に送られる。
【0037】命令保持実行部1では、マニピュレ−タ制
御部2に ・“axis”軸のインピーダンス係数として、 m=k=0 c=force/vel ・マニピュレータ先端座標系での制御点までの変位量と
して“xe” ・対象物座標系のベース座標系からの変位量として“x
o” ・目標の“axis”軸方向の目標力として“forc
e” ・目標位置の“axis”軸座標値として現在の、対象
物座標系での制御点位置を転送する。なお本はめ合い命
令が実行される前にすでに内側外側の拘束を実現する対
象物と接触している必要がある。また“faxis”方
向に押し付ける制御をしている必要がある。通常は“f
axis”方向にすでに接触命令を実現している必要が
ある。
【0038】すると、対象物座標系の“axis”軸方
向に“vel”の角速度で回転することにより内側外側
の拘束状態を実現しようとしているふたつの面が平行に
なった時点で、“faxis”方向に制御的に押し付け
ているので、図6(b)のような乗り越え動作をした後
に図6(c)のような内側外側の拘束状態に移行する。
その後も回転運動を続け、図6(d)のような2ケ所で
の接触状態になると回転運動が停止し、“force”
のトルクでの接触状態となる。一方、命令保持実行部1
から接触状態検出部3には、オペレータから入力された
命令および、ロボットの動作開始時点となる命令転送時
の制御点の対象物座標系での座標値x0が送られる。
【0039】接触状態検出部3の状態判定処理を図7に
従って説明する。状態判定処理は毎制御周期実行され
る。まずステップs31において、対象物座標系での制
御点の“axis”軸座標値の値の0.5秒間の最大値
と最小値を計算し、その差をMa×Minとする。次
に、ステップs32において、0.2秒間の“faxi
s”方向の目標の力の絶対値から実際の力の値の絶対値
を引いた最小値を計算し、ffreeとする。次に、ス
テップs33において、命令で指定された接触点での
“axis”軸座標値の値xpと現在の“axis”軸
座標値xの値を のように比較し、現在の位置が許容範囲を逸脱して行き
過ぎである場合には、動作が失敗したと判定する。も
し、行き過ぎでない場合には、ステップs34において
命令で指定された接触点での“axis”軸座標値の値
xpと現在の“axis”軸座標値xの値を のように比較し、現在の位置が許容範囲を逸脱して手前
である場合には、ステップs35に進む。ステップs3
5では、0.5秒前から変動量Ma×Minの値が許容
値△vより小さいかどうかの判定を行い、小さい場合に
は、許容範囲より手前で停止してしまっていると判断
し、失敗したと判定する。一方、△vより大きい場合に
は、まだ運動中であると判断し、実行中であると判定す
る。ステップs34で手前ではないと判定された場合に
は、ステップs36に進む。ステップs36では、“f
axis”方向の力が目標の力の値よりどの程度小さい
かどうかを計算したffreeの値と力の制御誤差の最
大量としてデフォルトで設定してある△freeの値と
の比較を行い、ffreeが△freeより大きい場合
には、内側外側の拘束状態に移行した時点で1点のみの
接触状態になり(図6(c))、“faxis”方向に
移動できるようになったと判定し、動作の完了と判定す
る。0.2秒間というある程度の長さの時間の間、1点
接触とみなせる力の値を継続したことによりはじめて内
側外側の拘束が実現されたとみなしていることになる。
このような判定手続きとすることにより、力覚センサの
ノイズや接触による衝撃、制御による振動等による誤認
識を防ぐことができる。一方、ステップs36でffr
eeの値が△freeより小さい場合には、図6(d)
に相当する2ケ所での接触が安定に実現されているかど
うかの判定であるステップs37からステップs38に
進む。ステップs37では命令で指定された目標のトル
クfpと現在の対象物座標系で表した制御点での力トル
クとの差を計算し、許容範囲外ならば、衝突直後、ある
いはまだ2点接触前であると考えられるので、まだ実行
中であると判定する。一方、許容範囲内ならばステップ
s38へ進む。ステップs38では、0.5秒前からの
変動量Ma×Minの値が許容値△vより小さいかどう
かの判定を行い、小さい場合には、命令の中で指定され
た位置付近で目標の力で接触して安定に静止していると
みなせるので、目標の接触が実現されたと判定する。一
方、変動量Ma×Minの値が△vより大きい場合には
まだ衝突直後だとみなして実行中であると判定する。
【0040】以上の手順により、接触状態検出部3は実
行中・失敗・完了のいずれかの結果を命令保持実行部1
に応答する。命令保持実行部1は、接触・ならい命令の
ときと同様に応答結果に従った動作を行う。
【0041】以上のような働きにより、あらかじめオペ
レータから入力され、命令保持実行部にストアされてい
た一連の命令をそれぞれ確実に実行するとともに、その
動作の完了・失敗を検出することが可能になる。従っ
て、オペレータはあらかじめ、目的とする組み立てを実
現するための手順を、直線移動により対象物との接触を
実現する接触命令、すでに対象物と接触している状態で
回転運動をすることにより稜線接触を実現するならい命
令、および対象物と接触している状態で回転運動をする
ことにより対象物との内側外側拘束の状態を実現するは
め合い命令および、通常の位置制御による移動、インピ
ーダンス制御による移動の組み合わせで表現しておくこ
とにより、治具や部品供給装置により十分な程度で位置
決めされていない場合や、治具や部品供給装置で位置決
めされてはいるが、現場でのロボットの据え付け誤差や
ロボットの関節部でのたわみなどによる誤差により現場
での教示やキャリブレーションを行わないとオフライン
の教示による位置制御のみでは作業の実行が不可能な場
合や、ロボットの精度以上に高精度なはめ合い作業など
を行う場合に、現場での教示やキャリブレーションを行
うことなく、オフラインの教示のみにより確実な動作で
作業を実行することが可能となる。
【0042】図8は、本発明の第2実施例を示すブロッ
ク図である。ロボットは、ユーザインタフェース16、
上位命令翻訳部17、環境モデル部18、命令保持実行
部19、マニピュレ−タ制御部20、接触状態検出部2
1、およびマニピュレータ22を備えている。環境モデ
ル部18は、ロボットの作業環境およびロボット自身の
幾何情報を3次元で有し、各物体の位置の値と実際との
間の誤差として起こり得る最大値の値も内部に有する。
データ表現は境界表現で、多面体近似で表現されてい
る。
【0043】以下に、上記構成のロボットにおける直線
移動により指定されたふたつの面の点接触を実現する上
位接触命令、すでに対象物と接触している状態で回転運
動をすることにより指定された面と稜線との稜線接触を
実現する上位ならい命令、および対象物と接触している
状態で回転運動をすることにより指定されたふたつの面
を平行にし対象物との内側外側拘束の状態を実現する上
位はめ合い命令をオペレータがあらかじめ入力したとき
のロボットの動作を図8を参照しつつ説明する。
【0044】上位接触命令、上位ならい命令、および上
位はめ合い命令が表2に示すように定義されている。
【0045】
【表2】 上位接触命令がオペレータにより入力されると、ユーザ
インタフェース部16から上位命令翻訳部17へその命
令が転送される。上位命令翻訳部17では、環境モデル
部18の値を利用しながら命令保持実行部へ転送する接
触命令の引き数の値を計算により求める。まず、命令の
中で指定された対象物の座標系“Σo”のベース座標系
からの変位量xoの値を環境モデルから読み込む。“a
xis”、“vel”、“force”、の値はそのま
ま接触命令の引き数とする。また、対象物座標系“Σ
o”の位置・姿勢の値に含まれる誤差量の値△xを環境
モデルから読み込む。制御点のマニピュレータ先端座標
系での変位量xeの値は、本命令が実行される時点で設
定されている値を接触命令の引き数とする。xeの値
は、後に説明する上位ならい命令その他の命令による自
動設定も行われるが、xeの値を設定・変更するための
専用の命令もシステムに含まれるとする。最後に、命令
の中で指定された面同士の接触が起きる位置を以下の手
順により求める。
【0046】まず、命令が実行されるときの対象物座標
系“Σo”でのマニピュレータ制御点位置をx0とす
る。制御点の位置をx0から“axis”軸方向に“v
el”の値が正ならば正方向に、“vel”の値が負な
らば負の方向に一定きざみ幅で移動させてゆき、各点で
面“fa”と面“fb”の接触の有無を環境モデル部1
8の値をもとに計算し、はじめて接触が起きるときの対
象物座標系“Σo”での“axis”座標値の値をxp
とする。
【0047】以上の処理により求めた値を引き数として
接触命令を命令保持実行部19に転送する。以後は第1
の実施例と同様の処理が行われることにより、面“f
a”と面“fb”の接触の実現およびその完了・失敗の
検出が行われる。
【0048】上位ならい命令がオペレータにより入力さ
れると、ユーザインタフェース部16から上位命令翻訳
部17へその命令が転送される。上位命令翻訳部17で
は、環境モデル部18の値を利用しながら命令保持実行
部の転送する接触命令の引き数の値を研鑽により求め
る。まず、命令の中で指定された対象物の座標系“Σ
o”のベース座標系からの変位量xoの値を環境モデル
から読み込む、“axis”の値はそのまま接触命令の
引き数とする。また、対象物座標系“Σo”の位置・姿
勢の値に含まれる誤差量の値△xを環境モデルから読み
込む。制御点のマニピュレータ先端座標系での変位量x
eの値は、命令の中で指定された稜線“eb”の中心点
のマニピュレータ先端座標での値を求め、ならい命令の
引き数とする。最後に、命令の中で指定された面と稜線
の接触が起きる位置を上位接触命令の時と同様に環境モ
デル部18の値を利用することにより求め、ならい命令
の引き数“xp”とする。以上の処理により求めた値を
引き数としてならい命令を命令保持実行部19に転送
し、やはり第1実施例と同様の処理が行われることによ
り、面“fa”と稜線“eb”の稜線接触の実現および
その完了・失敗の検出が行われる。なお本命令はマニピ
ュレータで把持している物体の稜線“eb”と対象物の
面“fa”との稜線接触を実現する。
【0049】上位はめ合い命令がオペレータにより入力
されると、ユーザインタフェース部16から上位命令翻
訳部17へその命令が転送される。上位命令翻訳部17
では、環境モデル部18の値を利用しながら命令保持実
行部へ転送する接触命令の引き数の値を計算により求め
る。まず、命令の中で指定された対象物の座標系“Σ
o”のベース座標系からの変位量xoの値を環境モデル
から読み込む。“axis”,“vel”,“forc
e”の値はそのままはめ合い命令の引き数とする。ま
た、対象物座標系“Σo”の位置・姿勢の値に含まれる
誤差量の値△xを環境モデルから読み込む。制御点のマ
ニピュレータ先端座標系での変位量xeの値は、本命令
が実行される時点で設定されている値を接触命令の引き
数とする。はめ合い命令の“xp”の値は、上位はめ合
い命令の指定された“fa”、“fb”のふたつの面が
平行、又は“axis”軸まわりの回転運動により最も
平行に近付くときの制御点の位置・姿勢の値を環境モデ
ル部18の値を利用することにより求め、その“axi
s”軸まわりの姿勢の値を設定する。はめ合い命令の
“faxis”の値は、x,y,zのいずれかである
が、本上位はめ合い命令が実行される時点で接触命令が
完了している軸の中から、面“fb”の法線方向と最も
大きく方向が異なる軸として設定する。つまり、押し付
けの制御が行われている方向の中で、面fbと最も平行
に近い、従って1点接触になったときに並進移動を起こ
しやすい方向を“faxis”に設定する。以上の処理
により求めた値を引き数としてはめ合い命令を命令保持
実行部19に転送し、やはり第1の実施例と同様の処理
が行われることにより、面“fa”と面“fb”がほぼ
平行になることにより実現される内側外側の拘束状態の
実現およびその完了・失敗の検出が行われる。なお、本
命令では面“fa”はマニピュレータで把持している物
体の面であり、面“fb”は対象物の面である。
【0050】以上のような働きにより、あらかじめオペ
レータから入力された、第2に示すような命令をそれぞ
れ確実に実行するとともに、その動作の完了・失敗を検
出することが可能になる。上位接触命令、上位ならい命
令、上位はめ合い命令は、それぞれ環境モデル部18で
定義された物体、それらの物体の面・稜線の間の接触の
実現を指定する命令であり、3次元のソリッドモデルを
有する環境モデル、環境モデルデータをもとに作業環境
を両面表示するシミュレータ等と組み合わせることによ
り、オペレータは容易にロボットの動作をオフラインで
教示することが可能になる。
【0051】また治具や部品供給装置により十分な精度
で位置決めされていない場合や、治具や部品供給装置で
位置決めされてはいるが、現場でのロボットの据え付け
誤差やロボットの関節部でのたわみなどによる誤差によ
り現場での教示やキャリブレーションを行わないとオフ
ラインの教示による位置制御のみでは作業の実行が不可
能な場合や、ロボットの精度以上に高精度なはめ合い作
業などを行う場合でも、確実な動作を行うように教示す
ることが可能となる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の構成によ
れば、各基本命令により確実に目標とする動作を実行す
るとともに、目標とする動作の完了または失敗を検出し
つつ動作をすることが可能となり、治具や部品供給装置
により十分な精度で位置決めされていない場合や、治具
部品供給装置で位置決めされてはいるが現場でのロボッ
トの据え付け誤差やロボットの関節部でのたわみなどに
よる誤差により現場での教示やキャリブレーションを行
わないとオフラインの教示による位置制御のみでは作業
の実行が不可能な場合や、ロボットの精度以上に高精度
ははめ合い作業などを行う場合において、現場での教示
やキャリブレーションを行うことなく、オフラインの教
示のみにより確実な動作で作業を実行することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の概略構成を示すブロック
図。
【図2】図1に示すマニピュレ−タ制御部の一構成例を
示すブロック図。
【図3】マニピュレータおよび作業環境における座標系
の定義を示す図。
【図4】接触命令を実行している場合の接触状態判定部
での判定アルゴリズムの詳細を示すフローチャートを示
す図。
【図5】ならい命令を実行している場合の接触状態判定
部での判定アルゴリズムの詳細を示すフローチャートを
示す図。
【図6】はめ合い作業における接触状態の変化を示す説
明図。
【図7】はめ合い命令を実行している場合の接触状態判
定部での判定アルゴリズムの詳細を示すフローチャート
を示す図。
【図8】本発明の第2実施例を示すブロック図。
【符号の説明】
1 命令保持実行部 2 マニピュレ−タ制御部 3 接触状態検出部 4 マニピュレータ 5 仮想モデル算出部 6 先端位置への変換部 7 先端位置制御装置 8 重力補償部 9 制御点力への変換部 10 マニピュレータ 11 ベース座標系 12 対象物座標系 13 マニピュレータ先端座標系 14 ピン 15 ブロック 16 ユーザインタフェース部 17 上位命令翻訳部 18 環境モデル部 19 命令保持実行部 20 接触状態検出部 21 マニピュレ−タ制御部 22 マニピュレータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マニピュレータのハンドで把持されたワー
    クを対象物に対して所定関係に置くロボットにおいて、
    前記ハンドの位置および力を制御するマニピュレ−タ制
    御部と、ワークが対象物と所定関係に置かれたか否かを
    判定する接触状態検出部と、および予め入力された命令
    を保持するとともにこの命令を解釈し、前記接触状態検
    出部による判定結果を参照して前記マニピュレ−タ制御
    部の制御係数を演算して前記マニピュレ−タ制御部へ転
    送する命令保持実行部とを備え、 前記命令は、ワークを直線移動させ対象物と接触させる
    接触命令と、ワークを対象物に接触させた状態で回転運
    動させワークを対象物に稜線接触させるならい命令と、
    およびワークを対象物と接触させた状態で回転運動させ
    ワークの面と対象物の面とを拘束状態にするはめ合い命
    令とを含み、 前記制御係数は、前記接触命令においてはこの命令の中
    で指定された方向へワークを指定された速度で移動し、
    対象物と接触後には指定された力またはトルクで押しつ
    けることにより接触を維持するための接触命令制御係数
    と、前記ならい命令においてはこの命令の中で指定され
    た方向へワークを回転させ、対象物との稜線接触を実現
    させて維持するためのならい命令制御係数と、および前
    記はめあい命令においてはこの命令の中で指定された方
    向へ指定された角速度でワークを回転させ、ワークの面
    と対象物の面との拘束状態を実現させて維持するための
    はめあい命令制御係数とを含み、 前記接触状態検出部は、前記接触命令においてはこの命
    令の中で指定された接触位置と実際の位置との差および
    この命令の中で指定された許容位置誤差の値、この命令
    の中で指定された押しつけ力と実際の力との差、および
    マニピュレータ先端位置の一定時間内の変動量とにより
    目標の接触が実現された否かの判定を行い、前記ならい
    命令においてはこの命令の中で指定された接触位置と実
    際の位置との差およびこの命令の中で指定された許容位
    置誤差の値、この命令の中で指定された回転軸まわりの
    モーメントの値、およびマニピュレータ先端位置の一定
    時間内の変動量とにより目標の接触が実現されたか否か
    の判定を行い、前記はめ合い命令においてはこの命令の
    中で指定された接触位置と実際の位置との差およびこの
    命令の中で指定された許容位置誤差の値、この命令の中
    で指定された回転軸まわりのモーメントと実際のモーメ
    ントとの差、マニピュレータ先端位置の一定時間内の変
    動量、およびこの命令の中で指定されたはめあいの結果
    移動可能となる方向の力の値とにより目標の拘束状態が
    実現されたか否かの判定を行う、ことを特徴とするロボ
    ット。
  2. 【請求項2】ロボットの作業環境およびロボット自身の
    3次元の幾何情報を有するとともに、ワークと対象物と
    の所定の位置関係と実際の位置関係との間の誤差として
    起こり得る最大値の情報を有する環境モデル部と、 前記接触命令の上位の上位接触命令、前記ならい命令の
    上位にある上位ならい命令、および前記はめあい命令の
    上位にある上位はめ合い命令とを解釈可能なユーザイン
    タフェース部と、 前記上位接触命令においてはこの命令の中で指定された
    方向に移動したときにこの命令の中で指定されたワーク
    の面と対象物との接触が起きる位置を前記環境モデル内
    部の値を利用することにより導出し、前記環境モデル部
    に含まれる位置誤差の値および前記上位接触命令に含ま
    れる引き数により引き数の値を生成して前記接触命令を
    前記命令保持実行部へ転送し、前記上位ならい命令にお
    いてはこの命令で指定された方向へワークを回転させた
    ときにこの命令の中で指定された面と稜線との接触が起
    きる姿勢を前記環境モデル内部の値を利用することによ
    り算出し、前記環境モデル部に含まれる位置誤差の値お
    よび前記上位ならい命令に含まれる引き数により引き数
    の値を生成して前記ならい命令を前記命令保持・実行部
    へ転送し、前記上位はめ合い命令においてはこの命令の
    中で指定された方向へ回転したときにこの命令の中で指
    定されたワークの面と対象物の面のふたつの面が平行に
    なる姿勢の値を算出するとともに、前記上位はめ合い命
    令が実行される前に前記接触命令が実行されている方向
    の中から命令の中で指定されたふたつの面の方向から移
    動可能な方向を求め、前記環境モデル部に含まれる位置
    誤差の値および前記上位はめ合い命令に含まれる引き数
    により引き数の値を生成して前記はめ合い命令を前記命
    令保持実行部へ転送する上位命令翻訳部と、をさらに備
    えることを特徴とする請求項1に記載のロボット。
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