JP3541117B2 - バックホウの油圧制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はバックホウにおいて、キャビンとバケットとの接触を避ける等の運転部と掘削作業装置との干渉防止制御装置の改良に係り、詳しくは、運転部とバケットとの干渉を未然に回避するべく、アームが排土側に自動操作されているときに人為アーム逃がし操作を加えた場合でも、掘削作業装置の移動挙動を円滑化させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブームオフセット等のバケットがブームに対して横に偏位できる構造を備えたバックホウでは、特開平6‐17452号公報等で示されたように、運転部とバケットとの干渉を避ける為に、運転部から前方及び横側方に所定距離だけ離れた前及び横牽制面を設けて、外方から運転部に向けて接近移動してくるバケットの基準となる部分が牽制面に到ると、停止指令を発してバケットがそれ以上運転部に近づかないように制御する干渉防止制御を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記干渉防止制御ではバケットの基準部分が牽制面に差し掛かると、掘削作業装置の動きを強制的に停止させるものであるから、再び動かせるようにするには、バケットを運転部から遠ざける方向に動かして、バケットの基準部分が牽制面から十分に離れるように人為操作する必要があった。これでは、掘削作業装置の移動が一時的に止まって作業能率が低下するとともに、バケットの人為逃がし操作が面倒でもあったため、先に出願した特願平9‐12111号において、ブーム上昇を伴って掘削作業装置を移動させているときにバケットが牽制面に到達(又は近づく)すると、アームを排土側に自動操作してバケットがそれ以上運転部に接近しないようにしてブーム上昇が続行できるようにすることにより、面倒な人為逃がし操作を解消し、かつ、作業能率も向上するものが提案されている。
【0004】
上記提案技術は、アーム用制御弁のパイロット操作回路にブーム用制御弁のパイロット圧を供給可能な切換弁を設け、制御手段の指令によって切換弁を開通位置に操作することで、ブーム用制御弁へのパイロット圧をアーム制御弁を排土側に強制操作する側にも供給するものであり、それによってバケット基準部分が牽制面を横切るように動かしても、ブームの上昇操作が続行できるのである。上記したアーム排土操作制御により、バケットの土砂掬いから旋回に移行するときの掘削作業装置の複合操作(ブーム上昇、アーム掻き込み、ブーム横移動等)が途中で止まることなく、円滑で能率よく操作できるのである。
【0005】
しかしながら、上記アーム排土操作制御中に人為操作でアームを排土側に逃がし移動させると、場合によっては掘削作業装置の移動が非円滑な状態となることがあった。すなわち、アームが自動的に排土側に移動操作されているときに、人為操作でアームを排土側に動かすべくパイロット弁をフル操作する等して、その人為操作によるパイロット圧(以後、人為パイロット圧と呼ぶ)が制御手段の指令によるパイロット圧(以後、制御パイロット圧と呼ぶ)を上回る状態になると、パイロット圧調節機構の働きによって高い方の人為パイロット圧がアーム用制御弁に供給されるようになり、アームが迅速に排土側に移動操作される。
【0006】
そして、その人為操作を解除すれば、制御パイロット圧が供給される状態に戻るのであるが、前記上回りによる差圧が大であるときには、人為操作解除に伴う急激なパイロット圧降下により、アーム用制御弁のスプールがその戻り移動慣性によって制御パイロット圧に見合った位置を弁閉じ方向に通り越してしまい、所謂アンダーシュートを引き起こすのである。
【0007】
つまり、図21に示すグラフのように、人為パイロット圧の供給が終了して急激に制御パイロット圧に下がると、アーム用制御弁のスプールが勢い良く戻り移動するので、その慣性によって制御パイロット圧に見合ったストローク量から少ない側に一瞬通り越してしまうのである。これは、一時的にアーム用制御弁への供給パイロット圧が低下した状態に相当し、アームの排土側への移動途中において、「ガクッ!」と一時的に移動速度が零又は微速に激減してショックが生じるのである。
【0008】
本発明の目的は、アーム排土操作制御の作動中に、それによる制御パイロット圧よりも高い人為パイロット圧をアーム用制御弁に加えた場合に、上述したアーム用制御弁のアンダーシュートによる非円滑な挙動を解消して、掘削作業装置をショックなく円滑に移動操作できるようにする点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕
第1発明は、(イ)常態でタンクに連通していて人為操作によりアーム用制御弁にパイロット圧を供給するパイロット弁を備えると共に、このパイロット弁と前記アーム用制御弁との間のパイロット油路に切換弁を介装し、前記パイロット弁からのパイロット圧で前記アーム用制御弁を操作可能な人為操作系と、制御手段の指令により前記切換弁を交互に素早く切換えてパイロットポンプからのパイロット圧で前記アーム用制御弁を自動操作可能な制御操作系とを設け、
バケットの位置を検出する位置センサの検出情報に基づいて掘削作業装置の作動を制御して、バケットと運転部との干渉を防止するように構成し、ブームの上昇移動に伴ってバケットが運転部付近に設定された牽制面に近づくと、その牽制面より運転部にバケットが接近するのを回避するべくアームを排土側に駆動するように、制御手段の指令でアーム用制御弁を自動的に操作するもので制御操作系を構成し、
前記切換弁に前記人為操作系からの操作により生じる前記切換弁の前記アーム用制御弁側のパイロット油路のパイロット圧と前記制御操作系からの制御により生じる前記切換弁の前記アーム用制御弁側のパイロット圧との高い方の圧を前記アーム用制御弁に供給するパイロット圧調節機構としての機能を備え、
(ロ)前記アーム用制御弁と前記切換弁との間に、前記アーム用制御弁から排油されるときにチェック機能するチェック弁と、絞りとを並列接続して成る流路調節機構を介装してあることを特徴とする。
【0010】
第2発明は、(イ)の構成を備えるとともに、下記(ハ),(ニ)の構成を備えたことを特徴とする。
(ハ)前記切換弁には、前記パイロットポンプに連通するポンプポートとアーム用制御弁に連通する弁ポートとを接続する制御操作位置と、パイロット弁に連通するパイロットポートと弁ポートとを接続する人為操作位置とを備えると共に、前記人為操作位置に付勢する復帰バネと、弁ポートに生じた圧が切換弁を人為操作位置に切換える方向に作用する操作油路とを備えるとともに、制御手段の指令によって切換弁が人為操作位置と制御操作位置とに亘って交互に素早く切換操作されるように構成する。
(ニ)前記人為操作系からの操作により生じる前記切換弁のアーム用制御弁側のパイロット油路の人為パイロット圧が、前記制御操作系からの制御により生じる前記切換弁のアーム用制御弁側のパイロット油路の制御パイロット圧より上回るときには、該制御パイロット圧を前記人為パイロット圧以上に昇圧する補正制御手段を備える。
【0011】
第3発明は、第2発明において、人為パイロット圧が制御パイロット圧より上回る状態の終了に伴って、補正制御手段によって昇圧された制御パイロット圧を、補正制御手段の作用しない制御パイロット圧に徐々に降圧して戻す圧漸減手段を備えてあることを特徴とする。
【0012】
第4発明は、(イ),(ハ)の構成を備えるとともに、人為操作系からの操作により生じる人為パイロット圧が、前記制御操作系からの制御により生じる制御パイロット圧より上回る状態の終了に伴って、制御パイロット圧を一時的に昇圧させるように構成してあることを特徴とする。
【0013】
〔作用〕
請求項1の構成によれば、詳しくは実施形態の項で説明するが、アーム用制御弁と切換弁との間に、アーム用制御弁から排油されるときにチェック機能するチェック弁と、絞りとを並列接続して成る流路調節機構、所謂スローリターン回路を介装してあるので、制御弁からの排油は必ず絞りを通ることになる。つまり、急激に人為パイロット圧を解除する操作を行っても、人為パイロット圧はゆっくりと低下するようになり、アーム用制御弁のスプールもゆっくりと弁閉じ方向に移動することになるので、前述した慣性によるアンダーシュートが先ず起きないようになり、アームの排土側への移動が一瞬止まるような挙動が回避され、円滑な動きになるのである(図13参照)。
【0014】
請求項2の構成によれば、詳しくは実施形態の項で説明するが、(ホ)アーム排土操作側のパイロット油路に介装した電磁高速応答型の切換弁でパイロット圧調節機構を構成してあり、干渉防止制御による指令信号により、ブーム用制御弁等の他のパイロット操作回路とは無関係に切換弁を人為操作位置と制御操作位置とに亘って振動的に切換え作動させて、指令信号に見合った制御パイロット圧をアーム用制御弁に供給するものである。
【0015】
(ヘ)この構造では、アーム排土操作制御による切換弁の振動作動中に、パイロット弁を操作して制御パイロット圧よりも高い人為パイロット圧を発生させると、操作油路にその高い方の圧が及んで切換弁を人為操作位置に付勢維持し、人為パイロット圧でアーム用制御弁を排土側に操作する状態になり、人為パイロット圧を解除すれば、切換弁が振動作動する元の制御状態に戻るのであるが、この構造でも、スプールの慣性による前述したアンダーシュートが起こりうる。
【0016】
そこで、人為パイロット圧が制御パイロット圧より上回るときには、制御パイロット圧を人為パイロット圧以上に昇圧する補正制御手段を設ければ、常に指令信号によってアーム用制御弁に供給するパイロット圧を制御する状態となる。つまり、常にスプール位置を制御しながら閉じる状態になるので、人為パイロット圧から制御パイロット圧まで急激に低める場合に比べて、スプール作動の追従性が良くなり、アンダーシュートが抑制又は解消されるようになる。従って、アームの排土側への移動が一瞬止まるような挙動が回避され、掘削作業装置の円滑な動きが得られるのである(図15参照)。
【0017】
請求項3の構成によれば、制御指令によってパイロット圧を徐々に下げるように制御するものであるから、上述した常にスプール位置を制御しながら弁を閉じることによるアンダーシュートの抑制作用をさらに強化するようになり、限りなくアンダーシュートが起きない状態に近づけることができる(図17参照)。
【0018】
請求項4の構成によれば、前記作用(ホ),(ヘ)を備え、かつ、下記の作用(ト)を有する。
(ト)つまり、制御パイロット圧より高い人為パイロット圧の終了に伴って、制御パイロット圧を一時的に昇圧させるので、人為パイロット圧から、昇圧された圧を経て制御パイロット圧に低める状態となり、人為パイロット圧から制御パイロット圧に直接圧力降下させる場合に比べて圧力降下が穏やかになり、やはりアンダーシュートを抑制できるようになる(図19参照)。
【0019】
〔効果〕
請求項1〜4のいずれに記載の油圧制御装置でも、(チ)制御パイロット圧の作用中に、それよりも高い圧として加えられた人為パイロット圧の終了時に、アーム用制御弁のアンダーシュートに因るアームの一時的な排土移動の急減速が抑制又は解消され、掘削作業装置をショックなく円滑に動かせるようにし得た。
【0020】
請求項1に記載の油圧制御装置では、チェック弁と絞りとの組み合わせによる一般的なスローリターン回路を追加する程度の簡単な改造で上記効果(チ)を得る利点がある。
【0021】
請求項2に記載の油圧制御装置では、制御手段による指令信号で人為パイロット圧と制御パイロット圧とを切換える構造のパイロット圧調節機構の採用により、その切換弁への信号処理という制御ソフトを変更するだけの経済的な手段としながら上記効果(チ)を得る利点がある。
【0022】
請求項3に記載の油圧制御装置では、パイロット圧を漸減させるソフト上の処理を追加するだけで、アームの動きがより一層円滑化され、上記効果(チ)を強化できる利点がある。
【0023】
請求項4に記載の油圧制御装置では、制御パイロット圧を一瞬高めるだけの簡単な制御ソフトの改造で上記効果(チ)を得る利点がある。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1はバックホウの全体側面を示しており、ゴムクローラ型式の走行装置1に旋回台2が支持され、旋回台2の前部に掘削作業装置3が備えられている。掘削作業装置3は、油圧シリンダ11により上下に揺動操作されるブーム4、油圧シリンダ12により前後に揺動操作されるアーム5、及び油圧シリンダ13により揺動操作されるバケット6を備えて構成されている。
【0025】
掘削作業装置3のブーム4は、上下に揺動操作される第1ブーム部分4a、第1ブーム部分4aの前端の軸芯P1周りに揺動自在に連結された第2ブーム部分4b、第2ブーム部分4bの前端の軸芯P2周りに揺動自在に連結された支持ブラケット4cで構成されており、支持ブラケット4cにアーム5が連結されている。第1ブーム部分4aと支持ブラケット4cとに亘り、連係リンク8が架設されて平行四連リンクが構成されており、油圧シリンダ7により第2ブーム部分4bを揺動操作することによって、アーム5及びバケット6を平行に左右移動させる、いわゆるオフセット作動をさせる。
【0026】
図1及び図5に示すように旋回台2において、右側に掘削作業装置3が配置され、左側に運転席14や右及び左操作レバー9,10等で構成された運転部15が配置されている。旋回台2の左右中央において、掘削作業装置3と運転部15とを仕切る窓付きの縦仕切り板16が設けられており、縦仕切り板16の上端に旋回台2の外側に沿った上仕切り板17が固定されている。
【0027】
次に油圧回路構造、掘削作業装置3及び旋回台2等の操作構造について説明する。
図2に示すように、第1ブーム部分4a(ブーム4)の油圧シリンダ11の制御弁21、アーム5の油圧シリンダ12の制御弁22、バケット6の油圧シリンダ13の制御弁23、旋回台2の旋回モータ18の制御弁24、第2ブーム部分4bの油圧シリンダ7の制御弁25、右の走行装置1の制御弁26、左の走行装置1の制御弁27、サービスポート(図示せず)の制御弁28、並びに図1に示すドーザ19を昇降操作する油圧シリンダ51の制御弁29が備えられており、ポンプ20からの作動油が制御弁21〜29に供給されている。
【0028】
第1ブーム部分4aの制御弁21、アーム5の制御弁22、バケット6の制御弁23、旋回台2の制御弁24及び第2ブーム部分4bの制御弁25は、パイロット圧によるパイロット操作式で中立復帰型である。右及び左の走行装置1の制御弁26,27、サービスポートの制御弁28、ドーザ19の制御弁29は、操作レバー(図示せず)により操作される機械操作式で中立復帰型である。
【0029】
図3に示すように右操作レバー9は前後左右に操作自在に構成されており、右操作レバー9の後操作によりパイロット圧を発生するパイロット弁31a、及び右操作レバー9の前操作によりパイロット圧を発生するパイロット弁31b、右操作レバー9の右操作によりパイロット圧を発生するパイロット弁33a、及び右操作レバー9の左操作によりパイロット圧を発生するパイロット弁33bが備えられている。
【0030】
左操作レバー10も同様に前後左右に操作自在に構成されており、左操作レバー10の後操作によりパイロット圧を発生するパイロット弁32a、及び左操作レバー10の前操作によりパイロット圧を発生するパイロット弁32b、左操作レバー10の右操作によりパイロット圧を発生するパイロット弁34a、及び左操作レバー10の左操作によりパイロット圧を発生するパイロット弁34bが備えられている。
【0031】
図3に示すように左右に踏み操作自在な操作ペダル39が備えられており、操作ペダル39の左踏み操作によりパイロット圧を発生するパイロット弁35a、及び操作ペダル39の右踏み操作によりパイロット圧を発生するパイロット弁35bが備えられている。パイロット弁31a〜35bにパイロット圧を供給するパイロットポンプ30が備えられている。
【0032】
図2及び図3に示すように、右操作レバー9のパイロット弁31a,31bと第1ブーム部分4aの制御弁21、右操作レバー9のパイロット弁33a,33bとバケット6の制御弁23とが、パイロット油路を介して接続されており、左操作レバー10のパイロット弁32a,32bとアーム5の制御弁22、左操作レバー10のパイロット弁34a,34bと旋回台2の制御弁24とが、パイロット油路を介して接続されている。操作ペダル39のパイロット弁35a,35bと第2ブーム部分4bの制御弁25とが、パイロット油路を介して接続されている。
【0033】
以上の構造により右操作レバー9を後操作するとパイロット弁31aからのパイロット圧により、制御弁21が第1ブーム部分4aの上昇側(油圧シリンダ11の伸長側)に操作され、右操作レバー9を前操作するとパイロット弁31bからのパイロット圧により、制御弁21が第1ブーム部分4aの下降側(油圧シリンダ11の収縮側)に操作される。右操作レバー9を右操作するとパイロット弁33aからのパイロット圧により、制御弁23がバケット6の排土側(油圧シリンダ13の収縮側)に操作され、右操作レバー9を左操作するとパイロット弁33bからのパイロット圧により、制御弁23がバケット6の掻き込み側(油圧シリンダ13の伸長側)に操作される。
【0034】
左操作レバー10を後操作するとパイロット弁32aからのパイロット圧により、制御弁22がアーム5の掻き込み側(油圧シリンダ12の伸長側)に操作され、左操作レバー10を前操作するとパイロット弁32bからのパイロット圧により、制御弁22がアーム5の排土側(油圧シリンダ12の収縮側)に操作される。左操作レバー10を右操作するとパイロット弁34aからのパイロット圧により、制御弁24が旋回台2の右旋回側に操作され、左操作レバー10を左操作すると、パイロット弁34bからのパイロット圧により、制御弁24が旋回台2の左旋回側に操作される。
【0035】
操作ペダル39を左踏み操作するとパイロット弁35aからのパイロット圧により、第2ブーム部分4bの制御弁25が左揺動側(油圧シリンダ7の伸長側)に操作され、操作ペダル39を右踏み操作するとパイロット弁35bからのパイロット圧により、第2ブーム部分4bの制御弁25が右揺動側(油圧シリンダ7の収縮側)に操作される。
【0036】
右及び左操作レバー9,10、操作ペダル39を中立位置から大きく操作する程、パイロット弁31a〜35bのパイロット圧が大きくなるように構成されている。これにより、右及び左操作レバー9,10、操作ペダル39を中立位置から大きく操作する程、パイロット弁31a〜35bのパイロット圧が大となり、制御弁21〜25が流量大側に操作される。つまり、右及び左操作レバー9,10、操作ペダル39を大きく操作する程、油圧シリンダ7,11,12,13及び旋回モータ18が高速で作動する。
【0037】
次に、旋回台2に対して設定される前牽制面A1、横第1牽制面A2、横第2牽制面A3等について説明する。
図4及び図5に示すように、縦仕切り板16の前縁部及び上仕切り板17の前縁部より前方に所定距離だけ離れた前牽制面A1、及び縦仕切り板16の横側部から右方に所定距離だけ離れた横第1牽制面A2とさらに外方に横第2牽制面A3とが想定されて、制御手段としての制御装置40(図3参照)に設定されている。ここに、縦仕切り板16及び上仕切り板17を外部フレームと称する。
【0038】
この場合、バケット6をアーム5の先端に連結しているバケットピン6aが、前牽制面A1に位置する状態において、バケット6を最も運転部15側に近づくように揺動操作しても、縦仕切り板16の前縁部及び上仕切り板17の前縁部から所定距離だけ離れた軌跡C1に、バケット6の先端が位置するように前牽制面A1が設定されている。バケットピン6aが横第1牽制面A2に位置する状態において、バケット6の左横側面が縦仕切り板16から所定距離だけ離れた軌跡C2に位置するように、横第1牽制面A2が設定されている。
【0039】
前及び横第1牽制面A1,A2から所定距離だけ前方又は右方に離れた面が設定され、この空間の面と前及び横第1牽制面A1,A2との間が、前牽制領域B1及び横第1牽制領域B2として制御装置40に設定されている。横牽制領域B2の外側面を横第2牽制面A3とする。そして、横第2牽制面A3より更に外側に横第3牽制面が設けてあり、横第2牽制面A3と横第3牽制面との間に横第2牽制領域B3が設けてある。以上の前及び横第1,第2牽制面A1,A2,A3、前及び横牽制領域B1,B2,B3は旋回台2に対して設定されており、旋回台2が旋回するのに伴い、旋回台2と一緒に移動していくものである。
【0040】
図1,図4に示すように、旋回台2と第1ブーム部分4aとの連結部に、旋回台2に対する第1ブーム部分4aの上下角度を検出するポテンショメータ36が備えられ、第1及び第2ブーム部分4a,4bの連結部に、第1ブーム部分4aに対する第2ブーム部分4bの左右角度を検出するポテンショメータ37が備えられている。支持ブラケット4c及びアーム5の連結部に、第2ブーム部分4bに対するアーム5の前後角度を検出するポテンショメータ38を備えてある。
【0041】
各ポテンショメータ(位置センサの一例)36,37,38の検出値が制御装置40に入力されており、後述するようにポテンショメータ36,37,38の検出値に基づいて、前及び横第1,第2牽制面A1,A2,A3、前及び横牽制領域B1,B2に対するバケットピン6aの位置が、制御装置40において検出される。
【0042】
図3に示すように、右操作レバー9のパイロット弁31aと第1ブーム部分4aの制御弁21とを接続するパイロット油路(第1ブーム部分4aの制御弁21を上昇側に操作するパイロット油路)、左操作レバー10のパイロット弁32aとアーム5の制御弁22とを接続するパイロット油路(アーム5の制御弁22を掻き込み側に操作するパイロット油路)、並びに操作ペダル39のパイロット弁35aと第2ブーム部分4bの制御弁25とを接続するパイロット油路(第2ブーム部分4bの制御弁25を左揺動側に操作するパイロット油路)の各々に、電磁操作式の圧力制御弁41,42,43が備えられている。
【0043】
従って、圧力制御弁41,42,43によりパイロット圧を減圧操作して(最高圧は右及び左操作レバー9,10、操作ペダル39で設定されている値)、右及び左操作レバー9,10、操作ペダル39の操作位置に関係なく、第1ブーム部分4aの制御弁21の上昇側の開度、アーム5の制御弁22の掻き込み側の開度、第2ブーム部分4bの制御弁25の左揺動側の開度を任意に変更できる。圧力制御弁41,42,43によりパイロット圧を零に設定することによって、右及び左操作レバー9,10、操作ペダル39の操作位置に関係なく、第1ブーム部分4aの油圧シリンダ11、アーム5の油圧シリンダ12、第2ブーム部分4bの油圧シリンダ7を停止させることができる。
【0044】
次に、掘削作業装置3に対する牽制領域B1,B2,B3との関係について説明する。バケット6の位置がどの位置にあるかを定義する必要があるので、ここでは、バケット6の基準位置としてバケットピン6aを採用して制御を行うものとする。図8に示すように、制御装置40においてポテンショメータ36,37,38の検出値による第1ブーム部分4aの上下角度、第2ブーム部分4bの左右角度及びアーム5の前後角度と、第1ブーム部分4a、第2ブーム部分4b及びアーム5の各長さとにより、バケットピン6aの位置を常時検出している。
【0045】
従って、その検出結果に基づいて、バケットピン6aの位置がどの領域にあるかいなかを判断して、前牽制領域B1にある場合と横牽制領域B2,B3にある場合と両牽制領域B1,B2,B3よりも外側に位置する他の領域にある場合との夫々の場合に対応した制御、つまり、前牽制領域B1にある場合の前牽制制御、横牽制領域B2,B3にある場合の横牽制制御、他の領域にある場合の通常制御を行うようにしてある(S100〜S103)。
【0046】
図9に示すように、通常制御においては、前記した左右操作レバー10,9と操作ペダル39への操作に基づいて、第1ブーム部分4aの上下動指令がある場合はブームの上下動を行い、アーム5の前後動つまり排土側と掻込み側への動作指令があるとアーム5の前後動作を行わせ、第2ブーム部分4bを左右揺動させる操作指令があると第2ブーム部分4bとアーム5とを一体で左右揺動させる、いわゆるオフセット作動を行わせる(S201〜S206)。
【0047】
ここでの制御は第1ブーム部分4a等の移動速度は減速しない状態に設定する。上記した通常制御を行っている状態でバケットピン6aの位置が横牽制領域B2の横第2牽制面A3に至った場合には、ブームつまり第2ブーム部分4bに対して左揺動指令がある場合には、左側への揺動操作を停止する(S207〜S209)。つまり、左揺動指令があるということは、バケット6が少なくとも運転部15に侵入してくる場合であるので、この場合においては、バケット6の慣性を考慮して、外側の横第2牽制面A3で停止操作を行うようにしてある。したがって、右側への揺動指令によって、運転部15より遠ざかる方向に移動する場合には、通常の制御を行う。
【0048】
図10に示す前牽制制御について説明する。まず、掘削作業装置3に動作指令が出た場合の操作について説明する。つまり、ブーム4に対して上下動指令が出た場合には、次のような制御を行う。バケットピン6aが図4、図5に示す前牽制領域B1に入り込んだ場合であって、右操作レバー9を後操作して第1ブーム部分4aを上昇操作しているときの、バケットピン6aが前牽制面A1に達する前の場合の取扱いについて次のように行う。
【0049】
この場合の具体的操作形態は、図3に示す圧力制御弁41によりパイロット弁31aのパイロット圧が減圧操作されて、右操作レバー9の後操作の操作位置に関係なく、第1ブーム部分4aの上昇速度(油圧シリンダ11の伸長速度)が減速操作されるのであり、バケットピン6aが前牽制面A1に接近するほど、第1ブーム部分4aの上昇速度(油圧シリンダ11の伸長速度)が大きく減速操作される(S301,302,305)。バケットピン6aが前牽制面A1に達した場合については(S303,304)、後述する。
【0050】
逆に右操作レバー9を前操作して第1ブーム部分4aを下降操作すると、バケットピン6aが前牽制面A1から離間する状態となるので、バケットピン6aが前牽制面A1及び前牽制領域B1に位置していても、これに関係なく右操作レバー9の前操作の操作位置に対応する速度で、第1ブーム部分4aが下降操作される(S306)(図3に示すように右操作レバー9のパイロット弁31bのパイロット油路には、圧力制御弁41が設けられていない点による)。
【0051】
前牽制領域B1において、ブーム4に対して上下動指令が出た場合には、次のような制御を行う。バケットピン6aが前牽制領域B1に入り込んだ状態において(S307)、左操作レバー10を後操作してアーム5を掻き込み操作すると、バケットピン6aが前牽制面A1に接近する状態となる(S308)。
【0052】
この状態において図3に示す圧力制御弁42によりパイロット弁32aのパイロット圧が減圧操作され、左操作レバー10の後操作の操作位置に関係なく、アーム5の掻き込み速度(油圧シリンダ12の伸長速度)が減速操作されるのであり、バケットピン6aが前牽制面A1に接近するほど、アーム5の掻き込み速度(油圧シリンダ12の伸長速度)が大きく減速操作される(S308,310)。バケットピン6aが前牽制面A1に達すると(S308)、図3に示す圧力制御弁42によりパイロット弁32aのパイロット圧が零に設定されて、左操作レバー10の後操作の操作位置に関係なく制御弁22が中立位置に操作され、アーム5(油圧シリンダ12)が停止する(S309)。
【0053】
逆に、左操作レバー10を前操作してアーム5を排土側に操作すると(S307)、バケットピン6aが前牽制面A1から離間する状態となるので、バケットピン6aが前牽制面A1及び前牽制領域B1に位置していても、これに関係なく左操作レバー10の前操作の操作位置に対応する速度で、アーム5が排土側に操作される(S311)(図3に示すように左操作レバー10のパイロット弁32bのパイロット油路には、圧力制御弁42が設けられていない点による)。
【0054】
バケットピン6aが前牽制領域B1に入り込んだ状態において、操作ペダル39を踏み操作して第2ブーム部分4bを揺動操作して、バケットピン6aが前牽制面A1に接近する状態となる(S315)。
この状態において、図3に示す圧力制御弁43によりパイロット弁35aのパイロット圧が減圧操作されて、操作ペダル39の左踏み操作の操作位置に関係なく、第2ブーム部分4aの左揺動速度(油圧シリンダ7の伸長速度)が減速操作されるのであり、バケットピン6aが前牽制面A1に接近するほど、第2ブーム部分4aの左揺動速度(油圧シリンダ7の伸長速度)が大きく減速操作される(S317)。バケットピン6aが前牽制面A1に達すると(S313)、図3に示す圧力制御弁43によりパイロット弁35aのパイロット圧が零に設定されて、操作ペダル39の左踏み操作の操作位置に関係なく制御弁25が中立位置に操作され、第2ブーム部分4b(油圧シリンダ7)が停止する(S314)。
【0055】
逆に操作ペダル39を踏み操作して第2ブーム部分4bを反対側に向けて揺動操作すると(S315)、バケットピン6aが前牽制面A1から離間する状態となるので、バケットピン6aが前牽制面A1及び前牽制領域B1に位置していても、これに関係なく操作ペダル39の踏み操作の操作位置に対応する速度で、第2ブーム部分4bが揺動操作される(S316)(図3に示すように操作ペダル39のパイロット弁35bのパイロット油路には、圧力制御弁43が設けられていない点による)。
【0056】
次に、第1ブーム部分4aの上昇操作によりバケットピン6aが前牽制面A1に達した場合(S302)、及びアーム5の掻き込み操作によりバケットピン6aが前牽制面A1に達した場合について説明する。
図3に示すように、左操作レバー10のアーム排土用パイロット弁32bとアーム用制御弁22との間のパイロット油路55に、電磁操作式の切換弁(パイロット圧調節機構Eの一例)56を介装してある。
【0057】
切換弁56は、パイロットポンプ30に連通するポンプポートpとアーム用制御弁22に連通する弁ポートvとを接続する制御操作位置56aと、アーム排土用パイロット弁32bに連通するパイロットポートrと弁ポートvとを接続する人為操作位置56bとを備えた2位置切換え式の高速電磁応答弁に構成されている。そして、通常は切換弁56を人為操作位置56bに維持するべく付勢する復帰バネ46と、弁ポートvに生じた圧が切換弁56を人為操作位置56bに切換える方向に作用する操作油路47とを備えており、制御装置(制御手段の一例)40の指令による制御信号(パルス信号)によって生じる電磁力を受けると、切換弁56を人為操作位置56bと制御操作位置56aとに亘って相互に素早く切換わるように構成してある。
【0058】
例えば、右操作レバー9の後操作による第1ブーム部分4aの上昇によりバケットピン6aが前牽制面A1に達した場合、制御装置40による制御信号(パルス信号)により、圧力制御弁41が開通側に切換えられるのと同時に、ノーマルポジション(常態)で人為操作位置56bにある切換弁56が人為操作位置56bと制御操作位置56aとの間で振動的に連続往復移動し、パイロットポンプ30からの圧油が切換弁56の制御操作位置56aのポンプポートp及び弁ポートvを通って、アーム排土側の切換弁56より流路下手側のパイロット油路45における制御弁22側部分にパイロット圧が立つようになる。
【0059】
これにより、パイロットポンプ30によるパイロット圧が第1ブーム部分用制御弁21(上昇側)と、アーム用制御弁22(排土側)との双方に供給される状態となり、第1ブーム部分4aが最低速度で上昇操作(油圧シリンダ11が伸長)されるのと同時に(S303)、アーム5が排土側(油圧シリンダ12が収縮)に操作される(S304)。この場合、アーム5の排土側への移動速度を十分に速くして、第1ブーム部分4aの上昇速度を減速しないようにしても良い。
【0060】
以上のような操作が行われると、図4に示すように第1ブーム部分4aが上昇操作されるのと同時に、第2ブーム部分4aとアーム5の間の角度Dが少しずつ大きくなる状態となって、バケットピン6aが前牽制面A1に沿って上昇していく状態となる(ポテンショメータ36,37,38の検出値等に基づいて、バケットピン6aの位置を検出しながら、バケットピン6aが前牽制面A1に常に位置するように、制御装置40によって切換弁56の切換え移動速度が設定され、それによってアーム用制御弁22(排土側)へのパイロット圧が制御される)。これと同時に右操作レバー9を左操作して、バケット6を掻き込み操作すると、バケット6を水平に維持することができる。
【0061】
又、上述のように、制御装置40の働きによって切換弁56が操作されて自動的にアームを排土側に動かすアーム排土側自動操作制御が行われている最中に(或いはその制御開始と同時に)、アーム5を排土側に逃がし移動させるべくアーム排土用パイロット弁32bを人為操作した場合には、それによる人為パイロット圧が切換弁56のパイロットポートrに作用する。すると、制御中では切換弁56は2位置の間を往復移動しているので、人為パイロット圧も操作油路47に供給されて切換弁56を人為操作位置56bに付勢するように作用する。
【0062】
従って、アーム排土用パイロット弁32bを人為操作することにより生じる操作油路47が存在する切換弁56の弁ポートv側のパイロット油路55中の人為パイロット圧が制御装置40の指令により生じる操作油路47が存在する切換弁56の弁ポートv側のパイロット油路55中のパイロット圧(制御パイロット圧)よりも高いときには、復帰バネ46の力と操作油路47に作用する人為パイロット圧による力との和が、切換弁56を制御操作位置56aに操作する電磁力よりも上回るようになり、切換弁56が人為操作位置56bに付勢維持されて高い方である人為操作によるパイロット圧(人為パイロット圧)がアーム用制御弁22に供給されてアーム5を迅速に排土側に移動させ、バケット6を前牽制面A1から前方に遠ざかり移動させることができるようになる。
【0063】
又、アーム排土用パイロット弁32bを人為操作しても、その操作量が少なくて人為パイロット圧が制御パイロット圧よりも低いときには、復帰バネ46の力と操作油路47に作用する人為パイロット圧による力との和よりも、切換弁56を制御操作位置56aに操作する電磁力が上回るようになり、切換弁56が2位置の間を往復移動することによる高い方である制御パイロット圧がアーム用制御弁22に供給され、バケットピン6aが前牽制面A1に常に位置するように、アーム用制御弁22(排土側)へのパイロット圧が制御される状態が続行される。
【0064】
図3に示すように、パイロット油路55におけるアーム用制御弁22と切換弁56との間に、アーム用制御弁22から排油されるときにチェック機能するチェック弁53aと、絞り53bとを並列接続して成る流路調節機構53を介装してある。この流路調節機構53は所謂スローリターン回路であり、制御パイロット圧が作用しているときに、それより高い人為パイロット圧が一時的に加えられたときのアーム用制御弁22へのパイロット圧とスプールの動きとの時間経過に対する関係は、図13に示すグラフのようになる。
【0065】
すなわち、右操作レバー10を素早く中立操作しても、人為パイロット圧は徐々に低下し、アーム用制御弁のスプールの戻り移動が緩慢になって慣性が弱くなり、スプールが制御パイロット圧に見合ったストローク量より一時的に少なくなるアンダーシュートが生じないようになる。従って、制御パイロット圧で排土側に緩速逃げ移動するアームを、一時的に人為パイロット圧で急速逃げ移動させた後に、再び制御パイロット圧による緩速逃げ移動に戻る際に、前述したアンダーシュートによってアームの逃げ移動が一瞬止まるような挙動が生じなくなり、ショックなく円滑にアーム排土側への制御による逃げ移動速度に戻るのである。
【0066】
本油圧回路では、アーム排土用パイロット弁32bとそのパイロット油路55等で人為操作系JSが、かつ、アーム排土側自動操作制御を行わせるための制御装置40等で制御操作系SSが夫々構成されているものである。
【0067】
次に、横牽制制御について説明する。この横牽制制御においては、バケットピン6aが横第1牽制領域B2、及び、横第2牽制領域B3に位置する場合の制御形態は殆ど同じであるので、横第1牽制領域B2に位置する場合を主として説明して、横第2牽制領域B3に位置する場合は異なる点だけを説明する。
【0068】
バケットピン6aの位置が横第1牽制領域B2に位置する状態からの制御について説明する。まず、オフセット操作指令が出ているか否か、そしてその指令が左揺動を示唆しているか否かが問題となる(S401)。操作ペダル39を左踏み操作して、第2ブーム部分4bを左揺動操作すると、バケットピン6aが横第1牽制面A2に接近する状態となる(S404)。
【0069】
この状態において、図3に示す圧力制御弁43によりパイロット弁35aのパイロット圧が減圧操作されて、操作ペダル39の左踏み操作の操作位置に関係なく、第2ブーム部分4bの左揺動速度(油圧シリンダ7の伸長速度)が減速操作されるのであり(S404)、バケットピン6aが横牽制面A2に接近するほど、第2ブーム部分4bの左揺動速度(油圧シリンダ7の伸長速度)が大きく減速操作される。バケットピン6aが横第1牽制面A2に達すると、図3に示す圧力制御弁43によりパイロット弁35aのパイロット圧が零に設定されて、操作ペダル39の左踏み操作の操作位置に関係なく制御弁25が中立位置に操作され、第2ブーム部分4b(油圧シリンダ7)が停止する(S403)。
【0070】
逆に、操作ペダル39を右踏み操作して第2ブーム部分4bを右揺動操作すると、バケットピン6aが横第1牽制面A2から離間する状態となるので、バケットピン6aが横第1牽制面A2及び横第1牽制領域B2に位置していても、これに関係なく操作ペダル39の右踏み操作の操作位置に対応する速度で、第2ブーム部分4bが右揺動操作される(図3に示すように操作ペダル39のパイロット弁35bのパイロット油路には、圧力制御弁43が設けられていない点による)(S405)。
【0071】
バケットピン6aが横第1牽制領域B2に入り込んだ状態において、第1ブーム部分4aを上昇及び下降操作しても、アーム5を掻き込み側及び排土側に操作しても、バケットピン6aは横第1牽制面A2に接近する状態とはならないので、バケットピン6aが横第1牽制領域B2に入り込んだ状態において、第1ブーム部分4aの上昇及び下降操作、アーム5の掻き込み側及び排土側への操作は自由に行うことができる(S406〜S409)。
【0072】
バケットピン6aが横第2牽制領域B3に位置する場合には、ステップS402で示した判断対象である横第1牽制面A2を横第2牽制面A3に切り換えるだけで、他のステップで示す制御はそのまま使える。
【0073】
〔別実施形態〕
▲1▼(請求項2の内容)人為操作系JSから出た人為パイロット圧が、制御操作系SSから出される制御パイロット圧より上回るときには、制御パイロット圧を人為パイロット圧以上に昇圧する補正制御手段Fを備えても良い。図14に示すように、アーム排土側のパイロット弁32bが操作されたか否かを検出する手段であるスイッチ54を備えて制御装置40に接続するとともに、干渉防止制御によってブーム上昇時にアーム排土操作制御が行われた場合には、バケットピン6aが前牽制面A1に沿って移動するように制御されるように設定されている。
【0074】
人為パイロット圧が制御パイロット圧よりも上回ったか否かは、アーム排土操作制御の作動により、アーム用ポテンショメータ38の排土側への角速度が、掘削作業装置3が動くことに伴う3個のポテンショメータ36,37,38の角速度から求められる制御値かそれ以上かで判断する。すなわち、制御値であれば制御パイロット圧よりも人為パイロット圧が低い状態であり、それ以上であれば人為パイロット圧が高い状態である。
【0075】
しかして、スイッチ54がONされて人為パイロット圧が加えられた後に、アーム用ポテンショメータ38の排土側への角速度が制御値以上を示すと、遅滞無くその値に見合った(又は若干上回る)制御パイロット圧の平均値が出力されるように切換弁56に指令信号を送り、図15のグラフのように、制御パイロット圧が人為パイロット圧よりも下回らないように制御する。そして、アーム排土側のパイロット弁32bの操作が終了してスイッチ54がOFFになると、その情報によってアーム用ポテンショメータ38の排土側への角速度を制御値に戻すように制御するのである。
【0076】
つまり、常に制御パイロット圧でアーム用制御弁22を操作する状態となり、スプールストローク量も常時制御されながら変化することになる。従って、図15に示すように、人為パイロット圧が無くなるときの制御電流値への急激な信号電流の低下が生じても、スプールがその移動慣性で戻り過ぎることが抑制され、図21に示すような明確な従来のアンダーシュートが軽減され、極僅かなアンダーシュートが生じる程度の状態に改善されるのである。
【0077】
▲2▼(請求項3の内容)図16に示すように、人為パイロット圧が制御パイロット圧より上回る状態の終了に伴って、補正制御手段Fによって昇圧された制御パイロット圧を、補正制御手段Fの作用しない制御パイロット圧に徐々に降圧して戻す圧漸減手段Gを備えても良い。この場合には、図17に示すように、人為パイロット圧の終了に伴う制御パイロット圧の降圧開始時期(すなわち、切換弁56への信号電流の下げ開始時期)をΔt時間遅らせ、かつ、そこから制御値への戻しを緩慢に行わせるものであり、アーム用制御弁22のスプールがゆっくり戻り移動してアンダーシュートが解消されるようになる。尚、制御に確実性を出すため等でΔt時間の作動遅れを持たせてあるが、それを無くして漸減させるだけの手段でも良い。又、図17の仮想線は、従来のアンダーシュートを示す。
【0078】
▲3▼(請求項4の内容)人為操作系JSから出される人為パイロット圧が、制御操作系SSから出される制御パイロット圧より上回る状態の終了に伴って、制御パイロット圧を一時的に昇圧させるように構成しても良い。図18に示すように、アーム排土側のパイロット弁32bが操作されたか否かを検出するスイッチ54と、一時昇圧制御手段Hとを設けてあり、人為パイロット圧の終了に伴って制御パイロット圧を、これら両パイロット圧の中間の値に短時間の間昇圧させるように制御される。
【0079】
すると、図19に示すグラフのように、戻り移動するアーム用制御弁22のスプールが、その戻り途中において部分的にストローク量が制御で拘束される状態、つまりワンクッションおいて戻るような状態となり、穏やかな戻り挙動となってアンダーシュートが抑制されるようになるのである。尚、図19における仮想線は、従来のアンダーシュートを示す。
【0080】
▲4▼ 図20に示す油圧回路において、スローリターン回路53を組み込んだものでも良い。これは、先に出願した特願平9‐182052号において提案されたものであり、その内容は該先願の明細書を参照されたい。
すなわち、アーム排土側のパイロット弁32bに関するパイロット油路55において、切換弁44からのパイロット油路45との接続箇所とアーム用制御弁22との間に前述したスローリターン回路53を配置するのである。
【0081】
つまり、アーム用制御弁22には、油路45からの制御パイロット圧とパイロット弁32bからの人為パイロット圧との双方が供給されるので、結果として、いずれか高い方のパイロット圧で制御されるものであるから、スローリターン回路53を設けることにより、図13に示されるような効果が得られるのである。尚、スローリターン回路53を設ける手段では、アーム排土操作制御時だけでなく、常にその作用が効くものであるが、図15,図17,図19に示されたように、制御上でアンダーシュートを無くそうとする手段では、アーム排土操作制御時以外では作用しないようにできて好都合である。
【0082】
従って、機種や使い方の状況如何によって、スローリターン回路53を備えた手段か、それ以外の手段かを適宜に選択して設定すると良い。尚、図13,15,17,19,21における一点破線は、アーム用制御弁22に供給されるパイロット圧を示し、見やすくするために、人為パイロット圧及び制御パイロット圧のいずれのラインよりも故意に少し離して描いてある。
【図面の簡単な説明】
【図1】バックホウの全体側面図
【図2】掘削作業装置の油圧シリンダ及び制御弁等を示す油圧回路図
【図3】パイロット操作系を示す油圧回路図
【図4】前牽制面及び前牽制領域を示す側面図
【図5】前及び横牽制面、前及び横牽制領域を示す平面図
【図6】バケットが前方より横牽制領域に入り込む状態を示す平面図
【図7】バケットが側方より横牽制領域に入り込む状態を示す平面図
【図8】全体制御フロー図
【図9】通常制御フロー図
【図10】前牽制面及び前牽制領域における制御の流れの前半を示すフロー図
【図11】前牽制面及び前牽制領域における制御の流れの後半を示すフロー図
【図12】横牽制制御を示すフロー図
【図13】パイロット圧とスプールの変化グラフを示す図
【図14】第1別実施形態のパイロット操作系を示す油圧回路図
【図15】第1別実施形態のパイロット圧とスプールの変化グラフを示す図
【図16】第2別実施形態のパイロット操作系を示す油圧回路図
【図17】第2別実施形態のパイロット圧とスプールの変化グラフを示す図
【図18】第3別実施形態のパイロット操作系を示す油圧回路図
【図19】第3別実施形態のパイロット圧とスプールの変化グラフを示す図
【図20】第4別実施形態のパイロット操作系を示す油圧回路図
【図21】従来のパイロット圧とスプールの変化グラフを示す図
【符号の説明】
3 掘削作業装置
4 ブーム
5 アーム
6 バケット
15 運転部
22 アーム用制御弁
30 パイロットポンプ
32b パイロット弁
36,37,38 位置センサ
40 制御手段
46 復帰バネ
47 操作油路
53 流路調節機構
53a チェック弁
53b 絞り
56 切換弁
56a 制御操作位置
56b 人為操作位置
A1,A2 牽制面
E パイロット圧調節機構
F 補正制御手段
G 圧漸減手段
H 一時昇圧手段
JS 人為操作系
SS 制御操作系
p ポンプポート
r パイロットポート
v 弁ポート
Claims (4)
- (イ)常態でタンクに連通していて人為操作によりアーム用制御弁(22)にパイロット圧を供給するパイロット弁(32a)(32b)を備えると共に、このパイロット弁(32b)と前記アーム用制御弁(22)との間のパイロット油路(55)に切換弁(56)を介装し、前記パイロット弁(32b)からのパイロット圧で前記アーム用制御弁(22)を操作可能な人為操作系(JS)と、制御手段(40)の指令により前記切換弁(56)を交互に素早く切換えてパイロットポンプ(30)からのパイロット圧で前記アーム用制御弁(22)を自動操作可能な制御操作系(SS)とを設け、
バケット(6)の位置を検出する位置センサ(36)(37)(38)の検出情報に基づいて掘削作業装置(3)の作動を制御して、前記バケット(6)と運転部(15)との干渉を防止するように構成し、ブーム(4)の上昇移動に伴って前記バケット(6)が運転部付近に設定された牽制面(A1)(A2)に近づくと、その牽制面(A1)(A2)より運転部(15)に前記バケット(6)が接近するのを回避するべくアーム(5)を排土側に駆動するように、前記制御手段(40)の指令で前記アーム用制御弁(22)を自動的に操作するもので前記制御操作系(SS)を構成し、
前記切換弁(56)に前記人為操作系(JS)からの操作により生じる前記切換弁(56)の前記アーム用制御弁(22)側のパイロット油路(55)のパイロット圧と前記制御操作系(SS)からの制御により生じる前記切換弁(56)の前記アーム用制御弁(22)側のパイロット圧との高い方の圧を前記アーム用制御弁(22)に供給するパイロット圧調節機構(E)としての機能を備え、
(ロ)前記アーム用制御弁(22)と前記切換弁(56)との間に、前記アーム用制御弁(22)から排油されるときにチェック機能するチェック弁(53a)と、絞り(53b)とを並列接続して成る流路調節機構(53)を介装してあるバックホウの油圧制御装置。 - 請求項1に記載の前記(イ)の構成を備えるとともに、下記(ハ),(ニ)の構成を備えたバックホウの油圧制御装置。
(ハ)前記切換弁(56)には、前記パイッロットポンプ(30)に連通するポンプポート(p)と前記アーム用制御弁(22)に連通する弁ポート(v)とを接続する制御操作位置(56a)と、前記パイロット弁(32b)に連通するパイロットポート(r)と前記弁ポート(v)とを接続する人為操作位置(56b)とを備えると共に、前記人為操作位置(56b)に付勢する復帰バネ(46)と、前記弁ポート(v)に生じた圧が前記切換弁(56)を人為操作位置(56b)に切換える方向に作用する操作油路(47)とを備え、前記制御手段(40)の指令によって前記切換弁(56)が前記人為操作位置(56b)と前記制御操作位置(56a)とに亘って交互に素早く切換操作されるように構成する。
(ニ)前記人為操作系(JS)からの操作により生じる前記切換弁(56)のアーム用制御弁(22)側のパイロット油路(55)の人為パイロット圧が、前記制御操作系(SS)からの制御により生じる前記切換弁(56)のアーム用制御弁(22)側のパイロット油路(55)の制御パイロット圧より上回るときには、該制御パイロット圧を前記人為パイロット圧以上に昇圧する補正制御手段(F)を備える。 - 前記人為パイロット圧が前記制御パイロット圧より上回る状態の終了に伴って、前記補正制御手段(F)によって昇圧された制御パイロット圧を、前記補正制御手段(F)の作用しない制御パイロット圧に徐々に降圧して戻す圧漸減手段(G)を備えてある請求項2に記載のバックホウの油圧制御装置。
- 請求項1に記載の前記(イ)の構成と請求項2に記載の前記(ハ)の構成とを備えるとともに、前記人為操作系(JS)からの操作により生じる人為パイロット圧が、前記制御操作系(SS)からの制御により生じる制御パイロット圧より上回る状態の終了に伴って、前記制御パイロット圧を一時的に昇圧させるように構成してあるバックホウの油圧制御装置。
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