JP3540722B2 - 固体電解コンデンサにおけるコンデンサ素子の構造 - Google Patents

固体電解コンデンサにおけるコンデンサ素子の構造 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、タンタル又はアルミ等の固体電解コンデンサにおいて、そのコンデンサ素子の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
一般に、この種の固体電解コンデンサには、例えば、特開昭60−220922号公報等に記載され、且つ、図13及び図14に示すように、金属粉末の焼結体製チップ片2とこのチップ片2の一端面2aより突出する陽極棒3とから成るコンデンサ素子1を、左右一対のリード端子4,5の間に、当該コンデンサ素子1における陽極棒3を一方のリード端子4に対して溶接等に固着するように配設し、このコンデンサ素子1におけるチップ片2の少なくとも外周面2cに形成した陰極側電極膜6に、他方のリード端子5を接続する一方、これらの全体を合成樹脂製のモールド部7にてパッケージして成る固体電解コンデンサ100と、例えば、特開平2−105513号公報等に記載され、且つ、図15に示すように、金属粉末の焼結体製チップ片2とこのチップ片2より突出する陽極棒3とから成るコンデンサ素子1を、左右一対のリード端子4,5の間に、当該コンデンサ素子1における陽極棒3を一方のリード端子4に対して溶接等に固着するように配設し、このコンデンサ素子1におけるチップ片2の少なくとも外周面2cに形成した陰極側電極膜6と、他方のリード端子5との間を、過電流又は温度の上昇によって溶断するようにした安全ヒューズ線8を介して接続する一方、これらの全体を合成樹脂製のモールド部7にてパッケージして成る安全ヒューズ付き固体電解コンデンサ200とがある。
【0003】
なお、前記両リード端子4,5は、モールド部7を成形したあとにおいて、二点鎖線で示すように、当該モールド部7の裏面側に折り曲げられている。また、前記安全ヒューズ線8には、シリコーン樹脂等の弾性樹脂8aが塗着されている。
【0004】
これらの固体電解コンデンサ100,200に使用するコンデンサ素子1を製造するに際しては、先づ、タンタル等の金属粉末を、図16に示すように、断面角型、断面円形又は断面楕円形等の多孔質のチップ片2に、当該チップ片2内にタンタル等の金属製陽極棒3の一部を埋設するようにして固め成形したのち焼結し、この多孔質のチップ片2を、図17に示すように、りん酸水溶液A等の化成液に浸漬することによって、チップ片2の内部にりん酸水溶液A等の化成液を浸透した状態で直流電流を印加して陽極酸化を行うことにより、当該チップ片2における各金属粉末の表面及び前記陽極棒3における一部の表面に、五酸化タンタル等の誘電体膜9を形成する。
【0005】
次いで、前記五酸化タンタル等の誘電体膜9を形成する工程を完了した前記チップ片2を、図18に示すように、硝酸マンガン水溶液Bに対して、当該チップ片2の一端面2aが硝酸マンガン水溶液Bの液面よりも低くならない状態まで浸漬して、硝酸マンガン水溶液Bをチップ片2の内部まで浸透したのち引き揚げて焼成することを複数回にわたって繰り返すことにより、前記五酸化タンタル等の誘電体膜9の表面に、二酸化マンガン等の金属酸化物による固体電解質層6aを形成する。
【0006】
そして、前記チップ片2における固体電解質層6aの表面に、グラファイト膜を下地として銀又はニッケル等の金属膜を形成することにより、これらによって、図19に示すように、チップ片2における外周面2c及び他端面2bに、陰極側の電極膜6を形成すると言う方法が採用されている。
【0007】
しかし、従来の固体電解コンデンサ100,200においては、そのコンデンサ素子1におけるチップ片2の直径寸法d0(但し、ここにおける直径寸法は、断面が図示のように角型である場合にはその一辺又は他辺における辺長さを、断面が円形である場合にはその直径を、断面が楕円形である場合にはその長軸方向又は短軸方向の直径を言う、以下同じ)を、当該チップ片2における一端面2aから他端面2bにわたって同じ寸法にすることによって、その外周面2cが、当該チップ片2における軸線2dと平行になるように構成しているために、以下に述べるような問題があった。
【0008】
すなわち、前記チップ片2に対して前記陰極側の電極膜6における二酸化マンガン等の金属酸化物による固体電解質層6aを形成する場合において、チップ片2を硝酸マンガン水溶液から引き揚げたとき、チップ片2内に浸透した硝酸マンガン水溶液が、チップ片2の他端部2bに向かって垂れ下がり、この状態で乾燥することにより、この固体電解質層6aに対してグラファイト膜及び金属膜を形成することによって構成した陰極側電極膜6における膜厚さは、図19に示すように、他端部2bに向かって次第に肉厚状になるから、前記チップ片2の形状が、前記従来のように、その直径寸法d0を当該チップ片2における一端面2aから他端面2cにわたって同じ寸法にして、その外周面2cを軸線2dと平行に構成した形状である場合には、当該チップ片2と前記陰極側電極膜6との結合体における下端部の最大直径寸法d0max が、チップ片2と陰極側電極膜6との結合体における一端部における直径寸法よりも大きくなると言うように、チップ片2に対して前記陰極側電極膜6を形成した後の結合体における形状が、図19に示すように、一端部から他端部に向かって膨らんだ形状になるのである。
【0009】
一方、前記コンデンサ素子1におけるチップ片2から突出する陽極棒3を、一方のリード端子4に対して溶接等にて固定するときには、このコンデンサ素子1におけるチップ片2と陰極側電極膜6との結合体は、図20に示すように、前記陽極棒3の曲がり等により、その軸線2dが上向きに適宜角度α1だけ傾斜したり、或いは、その軸線2dが下向きに適宜角度α2だけ傾斜したりすることに加えて、図21に示すように、同じく陽極棒3の曲がり等により、その軸線2dが左右方向にβ1,β2だけ傾斜するような取付け誤差を生じるものである。
【0010】
従って、前記チップ片2に対して陰極側電極膜6を形成した後における結合体の形状が、前記のように、一端部から他端部に向かって膨らんだ形状になっている場合には、前記上下方向への傾斜角度α1,α2及び左右方向への傾斜角度β1,β2の取付け誤差によって、チップ片2における外周面2cに形成した陰極側電極膜6が、モールド部7における上下両面7a,7b及び左右両側面7c,7dに接近し、この部分におけるモールド部7の肉厚さ寸法T1,T2がきわめて薄くなったり、或いは、チップ片2における外周面2bに形成した陰極側電極膜6が、モールド部7における下面7bに露出したり、前記陰極側電極膜6に接続した他方のリード端子5又は安全ヒューズ線8がモールド部7における上面7aに露出することに加えて、チップ片2における外周面2bに形成した陰極側電極膜6が、モールド部7における左右両側面7c,7dに露出することになるから、モールド部7に成形に際して、不良品の発生が多発することになる。
【0011】
このため従来のものでは、前記モールド部7の成形に際しての不良品発生率を低減することのために、チップ片2と陰極側電極膜6との結合体における全体の直径寸法d0を、チップ片2の外周面2cに形成する陰極側電極膜6における膜厚さが前記のようにチップ片2における一端部から他端部に向かって肉厚状になる分だけ予め小さくするように構成しなければならないから、コンデンサ素子の大容量化が妨げられると言う問題があった。
【0012】
また、前記コンデンサ素子1の製造工程において、タンタル等の金属粉末を、多孔質のチップ片2に、当該チップ片2内に陽極棒3の一部を埋設するようにして固め成形するに際して、従来は、図22〜図24に示すような方法が採用されている。
【0013】
すなわち、図22に示すように、成形型Cに穿設した成形用孔D内に、当該成形用孔Dにおける下部内に上下動式の下部成形型Eを挿入した状態で、金属粉末Fを充填し、次いで、図23に示すように、前記成形用孔Dにおける上部内に、陽極棒3を左右両側から挟み付けて成る上部成形型Gを押し込むと同時に、前記成形用孔Dにおける下部内に、下部成形型Eを押し込むことにより、前記金属粉末Fをチップ片2に、当該チップ片2内に前記陽極棒3の一部を埋設するように固め成形し、次いで、図24に示すように、前記上部成形型Gを成形用孔D内から引き抜く一方、前記下部成形型Eを成形用孔D内に更に押し込むことにより、この下部成形型Eの押し込みにて、前記固め成形後のチップ片2を、前記成形用孔D内から押し出して型抜きするようにしている。
【0014】
しかし、この従来における固め成形方法においては、チップ片2における外周面2cを、当該チップ片2における軸線2dと平行にするために、成形型Cにおける成形用孔Dを、当該成形用孔Dの内周面を軸線と平行にしたいわゆる平行孔に構成しているから、以下に述べるように、
▲1▼.成形用孔Dが、前記のようにいわゆる平行孔であるために、この成形用孔D内において固め成形した多孔質のチップ片2を、下部成形型Eの押し込みにて成形用孔D内にから押し出すように型抜きするときにおいて、このチップ片2の外周面2cが、前記成形用孔Dの内面に存在する表面粗さの凹凸のうち凸部によって激しく擦られることにより、当該外周面2cにおける多孔質の目が詰まることになり、換言すると、チップ片2の外周面2cに多孔質の目詰まりが発生することになる。
【0015】
そして、この外周面2cに発生する目詰まりのために、チップ片2に対して前記二酸化マンガン等の金属酸化物による固体電解質層6aを形成する場合において、硝酸マンガン水溶液を内部まで充分に浸透することができないばかりか、この硝酸マンガン水溶液の浸透した後における焼成に際して発生するガス抜き性が低下するから、固体電解質層6aの形成が不完全になり、コンデンサ素子における誘電損失が大きくなって、性能の低下を招来し、及び不良品の発生率が高くなって、コストのアップを招来する。
▲2▼.金属粉末は、強い力で固め成形するほど、チップ片2の内部における各粒子の密度が高くなり、コンデンサ素子の大容量化を図ることができるのであるが、従来の固め成形方法では、前記のように、チップ片2の外周面2cに、成形用孔Dの内面に存在する表面粗さの凹凸にて目詰まりが発生するものであり、且つ、この目詰まりは、強い力で固め成形するほど増大することにより、金属粉末の固め成形するときの押圧力を大きくすることができないから、粒子の密度を高めることができず、チップ片2の容積当たりの容量が低い。
▲3▼.成形型Cの成形用孔D内において固め成形した多孔質のチップ片2を、下部成形型Eの押し込みにて前記成形用孔D内にから押し出すように型抜きするときにおいて、前記成形用孔Dの内面が、チップ片2にて激しく擦られることにより、その磨耗が大きいから、成形型Cの耐久性が低い。
と言う問題があった。
【0016】
本発明は、これらの問題を解消したコンデンサ素子の構造を提供することを技術的課題とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を達成するため本発明におけるコンデンサ素子の構造は、
「金属粉末を焼結したチップ片と、該チップ片における一端面から突出した陽極棒と、前記チップ片における外周面のうち前記一端面を除いた部分に形成した陰極側電極膜と、この陰極側電極膜に一端を接続した安全ヒューズ線とから成る固体電解コンデンサ用コンデンサ素子において、
前記チップ片を、当該チップ片における一端面から他端面に向かって先細のテーパ体に形成し、且つ、このテーパ体における外周面の傾斜角度を、前記チップ片とその外周に形成した陰極側電極膜との結合体における直径寸法が前記他端面の部分において前記一端面の部分よりも大きくならないように設定し、更に、前記チップ片における外周面と他端面との角部に面取り面を設ける一方、前記陰極側電極膜のうち前記面取り面に該当する部分に、絶縁樹脂を、当該絶縁樹脂が前記陰極側電極膜のうち前記面取り面に該当する部分以外の部分における外周面から突出しないように、前記陰極側電極に重ねて塗着し、この絶縁樹脂の外周面に、前記安全ヒューズ線を密接したことを特徴とする。」
ものである。
【0018】
【発明の作用・効果】
このように、コンデンサ素子におけるチップ片を、当該チップ片における一端面から他端面に向かって先細のテーパ体に形成したことにより、このチップ片を、成形型における成形用孔内において、当該成形用孔内への第1成形型及び第2成形型の押し込みによって固め成形するに際して、前記成形用孔は、当該成形用孔における一端部から他端部に向かって先細のテーパ孔になり、固め成形後におけるテーパ状チップ片を、第1成形型の更なる押し込みによって、前記チップ片は、その外周面がテーパ状成形用孔の内面に存在する表面粗さの凹凸のうち凸部によって擦られることなく、当該成形用孔の内面から直ちに離れることになるから、前記チップ片の成形用孔内から型抜きに際して、その外周面における多孔質に目詰まりが発生することを大幅に低減することができるのであり、しかも、型抜きに際して目詰まりが発生することを大幅に低減できる状態のもとで、チップ片を固め成形するときの押圧力を、従来の場合よりも大きくすることができると共に、前記成形型の成形用孔における内面の磨耗を大幅に低減できるのである。
【0019】
また、前記テーパ体における外周面における傾斜角度を、前記チップ片とその外周に形成した陰極側電極膜との結合体における直径寸法が前記他端面の部分において前記一端面の部分よりも大きくならないように設定したことにより、前記チップ片に対して金属酸化物の固体電解質層等による陰極側電極膜を形成する場合に、この陰極側電極膜における膜厚さが、チップ片の一端面から他端面に向かって次第に肉厚状になっても、このチップ片に対して陰極側電極膜を形成した後における結合体の形状が、前記従来のように、一端面から他端面に向かって膨らんだ形状になることを確実に回避することができるのである。
【0020】
このために、コンデンサ素子の部分をモールド部によってパッケージするに際して、そのチップ片における軸線が取付け誤差によって上下方向及び左右方向に傾斜している場合に、当該チップ片の外周面に形成した陰極側電極膜とモールド部における上下両面及び左右両側面との間の間隔が狭くなることを、前記チップ片とこれに形成した陰極側電極膜と結合体が一端部から他端部に向かって膨らんだ形状にいない分だけ回避することができる、その結果、前記チップ片とこれに形成した陰極側電極膜と結合体における一端部の部分における直径寸法を、従来の場合よりも大きくでき、その分だけチップ片における体積を増大できるから、前記チップ片の固め成形に際して目詰まりがないことと相俟って、コンデンサ素子における大容量化を、その大型化を招来することなく効果的に達成できるのである。
【0021】
これに加えて、本発明は、前記チップ片における外周面と他端面との角部に面取り面を設け、前記チップ片に形成した陰極側電極膜のうち前記面取り面に該当する部分に、絶縁樹脂を、前記陰極側電極膜に重ねて塗着し、この絶縁樹脂の外周面に、一端を前記陰極側電極膜に接合した安全ヒューズ線を密接したことにより、前記安全ヒューズ線の途中を、前記絶縁樹脂にて、前記陰極側電極膜と電気的に絶縁した状態で支持することができるから、前記安全ヒューズ線に所定の溶断特性を確保できると共に、固体電解コンデンサの小型・軽量化を図ることができるのである。
【0022】
また、請求項2に記載したように、前記チップ片における外周面のうち一端面に隣接する比較的短い長さの部分に、チップ片の軸線と平行にした平行面を設けたことにより、この部分における角部が、チップ片をテーパ体に構成することによって直角よりも小さい鋭角になることを防止できるから、当該角部に欠けが発生することを確実に低減できる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明における実施例を、図1〜図8の図面について説明する。
【0024】
この図において符号11は、成形用孔12を穿設した成形型を、符号13は、上下動式の下部(第1)成形型を、符号14は、上下動式の上部(第2)成形型を各々示す。
【0025】
前記成形型11に穿設した成形用孔12を、その成形型11の上面に対する開口部12aにおける内径寸法をdと大きく、成形型11の下面に対する開口部12bにおける内径寸法をd1と小さくして、その中間の部分を内径寸法を下方に向かってdからd1へと次第に小さくしたテーパ孔12cに形成する。
【0026】
そして、図2に示すように、前記成形用孔12内の下部開口部12b内に、前記下部(第1)成形型13を挿入する一方、前記成形用孔12内に、金属粉末15を充填する。
【0027】
次いで、前記成形用孔12における上部開口部12a内に、陽極棒16を左右両側から挟み付けて成る前記上部(第2)成形型14を、図3に示すように、押し込む一方、前記下部(第1)成形型13を押し込むことにより、前記金属粉末15を、前記成形用孔12におけるテーパ孔12c内において、チップ片17に、当該チップ片17における一端面17a内に前記陽極棒16の一部を埋設するように固め成形する。
【0028】
そして、図4に示すように、前記上部(第2)成形型14を成形用孔12内から引き抜く一方、前記下部(第1)成形型13を成形用孔12内に更に押し込むことにより、この下部(第1)成形型13の更なる押し込みにて、前記固め成形後のチップ17を、前記成形用孔12内から押し出すようにして型抜きすることにより、図5に示すようなコンデンサ素子18を得ることができるのである。
【0029】
そして、前記成形用孔12内におけるチップ片17の固め成形に際して、前記成形用孔12を、前記のようにテーパ孔12cに形成したことにより、チップ片17を、図5に示すように、当該チップ片17における直径寸法(但し、ここにおける直径寸法は、断面が図示のように角型である場合にはその一辺又は他辺における辺長さを、断面が円形である場合にはその直径を、断面が楕円形である場合にはその長軸方向又は短軸方向の直径を言う、以下同じ)を一端面17aにおいてdと大きく他端面17bにおいてd1と小さくすると言うように、一端面17aから他端面17bに向かって先細のテーパ体として固め成形することができるのである。
【0030】
なお、前記チップ片17の固め成形に際して、固め成形時における下部(第1)成形型13の押し込み動を、テーパ孔12cの下端より若干手前の部分において停止することにより、当該チップ片17における外周面17cのうち他端面17bに隣接する比較的短い長さL1の部分に、チップ片17における軸線17dと平行にした平行面17C 1 を設けるように構成する。
これにより、チップ片17をテーパ体として固め成形するときに、前記下部(第1)成形型13がテーパ孔12c内にまで進入することによって、当該チップ片17における他端面17bにバリが発生することを確実に回避することができる。
【0031】
また、前記チップ片17の固め成形に際して、固め成形時における上部(第2)成形型14の押し込み動を、テーパ孔12cの上端より若干手前の部位において停止する。
これにより、前記チップ片17における外周面17cのうち一端面17aに隣接する比較的短い長さL2の部分に、チップ片17における軸線17dと平行にした平行面17C 2 を設けるように構成する。
【0032】
これにより、このチップ片17の固め成形に際して、上部(第2)成形型14が、成形用孔12におけるテーパ孔12c内に進入して、当該テーパ孔12cの内面を損傷することを確実に回避することができると共に、この部分における角部が、チップ片をテーパ体に構成することによって直角より小さい鋭角になることを防止できるから、当該角部に欠けが発生することを確実に低減できる。
【0033】
このように、コンデンサ素子18におけるチップ片17を、成形用孔12におけるテーパ孔12c内において、当該チップ片17における一端面17aから他端面17bに向かって先細のテーパ体として固め成形することにより、固め成形後におけるチップ片17を、下部(第1)成形型13の更なる押し込みによって、前記成形用孔12内から型抜きする場合に、前記テーパ状チップ片17は、その外周面17cがテーパ状成形用孔12c内面に存在する表面粗さの凹凸によって擦られることなく、当該成形用孔12cの内面から直ちに離れるから、その外周面17cにおける多孔質に目詰まりが発生することを大幅に低減することができるのであり、しかも、型抜きに際して目詰まりが発生することを大幅に低減できる状態のもとで、チップ片17を固め成形するときの押圧力を大きくすることができる。
【0034】
一方、このようにして固め成形した前記チップ片17は、これを焼結し、次いで、前記した従来と同じ方法で、五酸化タンタル等の誘電体膜を形成し、更に、従来と同じ方法で二酸化マンガン等の金属酸化物による固体電解質層を形成したのちグラファイト膜及び金属膜を形成することによって、図6に示すように、当該チップ片17の表面のうちその一端面17aを除く外周面17c及び他端面17bに対して陰極側電極膜19を形成するのである。
【0035】
この陰極側電極膜19の形成に際して、当該陰極側電極膜19における膜厚さが、チップ片17における一端面17aから他端面17bに向かって次第に肉厚状になっても、このチップ片2とこれに形成した陰極側電極膜19との結合体の前記他端面17bにおける直径寸法dmax が、チップ片17と陰極側電極膜19との結合体の前記一端面17aにおける直径寸法dよりも大きくなる傾向を、チップ片17を、予め、前記のように、当該チップ片17における一端面17aから他端面17bに向かって先細のテーパ体に形成したことによって回避することができる。
【0036】
そこで、前記チップ片17のテーパ体における外周面の傾斜角度θを、陰極側電極膜19の膜厚さか下端に向かって厚くなる場合における傾き角度と略同じに設定することにより、換言すると、前記チップ片17と陰極側電極膜19との結合体における直径寸法が前記他端面17bの部分において前記一端面17aの部分よりも大きくならないように設定することにより、前記チップ片17に対して陰極側電極膜19を形成した後の結合体における形状が、前記従来のように、一端部から他端部に向かって膨らんだ形状になることを確実に回避することができるのである。
【0037】
この場合において、前記チップ片17のテーパ体における外周面の傾斜角度θを、前記チップ体17とその外周面に形成した陰極側電極膜19との結合体における直径寸法が前記他端面17bの部分と前記一端面17aの部分とにおいて略同じになるように設定することにより、前記チップ片17をテーパ体にしたことによる体積の減少を最小にとどめることができるのである。
【0038】
従って、このコンデンサ素子18を使用して、図13及び図14に示すような形態の固体電解コンデンサ100、又は図15に示すような形態の安全ヒューズ付き固体電解コンデンサ200を製作するに際して、当該コンデンサ素子18を、図7及び図8に示すように、一方のリード端子4に対して溶接等にて固着したとき、当該コンデンサ素子18におけるチップ片17と陰極側電極膜19との結合体の軸線17dが、前記陽極棒16における曲がり等による取付け誤差によって上下方向にα1又はα2だけ傾斜したり、左右方向にβ1又はβ2だけ傾斜した場合において、当該チップ片17の外周面に形成した陰極側電極膜19とモールド部7における上下両面7a,7b及び左右両側面7c,7dとの間の間隔W1,W2が狭くなることを、前記チップ片17とこれに形成した陰極側電極膜19との結合体が一端部から他端部に向かって膨らんだ形状になっていない分だけ確実に回避することができる。
【0039】
その結果、前記チップ片17と陰極側電極膜19との結合体における直径寸法を、従来の場合よりも大きくできるから、その分だけチップ片17における体積を増大できるである。
【0040】
これに加えて、本発明は、図9〜図12に示すようにするのである。
【0041】
すなわち、成形型11′に穿設した成形用孔12′内に、下部(第1)成形型13′及び上部(第2)成形型14を押し込むに際して、前記成形用孔12′内に、前記図1〜図4の場合と同様に、第1のテーパ孔12c′を形成するに加えて、この第1のテーパ孔12c′の下部に、これに連続して角度の大きい第2のテーパ孔12c″を設けたものである。なお、その他の構成は、前記と同じである。
【0042】
この構成によって、図10に示すように、コンデンサ素子18′における陽極棒16′付きチップ片17′を、当該チップ片17′の他端部に前記第2のテーパ孔12c″によって面取り面17e′を設けた形態のテーパ体として固め成形することができる。
【0043】
これにより、前記チップ片17′における全表面のうち一端面17a′を除く外周面17c′及び他端面17b′に対して、図11に示すように、陰極側電極膜19′を形成したのち、その他端部に、絶縁樹脂20を塗着する場合に、この絶縁樹脂20の外周面が前記陰極側電極膜19′のうち前記面取り面17e′に該当する部分以外の部分における外周面より突出しないようにする。すなわち、前記面取り面17e′の存在によって、前記絶縁樹脂20の外周面が前記陰極側電極膜19′のうち前記面取り面17e′に該当する部分以外の部分における外周面より突出しないように構成できる。
【0044】
従って、このコンデンサ素子18′を使用して、図12に示すような安全ヒューズ付きの固体電解コンデンサ200′に構成するにおいて、前記コンデンサ素子18′のチップ片17′における陰極側電極膜19′と、両リード端子4,5のうち陰極側リード端子5との間を、過電流等に対する安全ヒューズ線8′にて電気的に接続するとき、この安全ヒューズ線8′の途中を、前記絶縁樹脂20の外周面に密接することができる。なお、符号21は、前記安全ヒューズ線8′に塗着したシリコーン樹脂等の弾性樹脂である。
【0045】
ところで、前記図15に示す安全ヒューズ付き固体電解コンデンサ200において、その安全ヒューズ線8は、当該安全ヒューズ線8における溶断の確実性を確保することのために、その線径を細くすると共に、比較的長い長さにすることが必要がある。そこで、従来における安全ヒューズ付き固体電解コンデンサ200においては、前記図15に示すように、安全ヒューズ線8の一端部を、チップ片2の外周面2cに形成した陰極側電極膜6のうち他端部から離れた部位に接合すると言う構成にしている。
【0046】
しかし、この構成であると、前記安全ヒューズ線8を張設したのち、この安全ヒューズ線8に弾性樹脂8aを塗着するとき、及び、これらの全体をモールド部7にてパッケージするときにおいて、前記安全ヒューズ線8が垂れ変形し、その途中の部分が陰極側電極膜6に接触することになって、当該安全ヒューズ線8における有効長さが短くなるから、過電流等に対して所定の溶断特性を得ることができないのである。
【0047】
この場合、前記安全ヒューズ線8の有効長さを長くすることのために、この安全ヒューズ線8と陰極側電極膜6との間の間隔Sを予め大きくすることは、前記チップ片2の外周面2cにおける陰極側電極膜6からモールド部7の上面までの高さ寸法Rを大きくしなければならないから、全高さ寸法Hが大きくなって、固体電解コンデンサ200の大型化を招来するのであり、また、前記安全ヒューズ線8の有効長さを長くすることのために、陰極側リード端子5をコンデンサ素子18から離すようにしたことにも、固体電解コンデンサ200の大型化を招来する。
【0048】
これに対して、本発明の場合には、図12に示すように、安全ヒューズ線8′の途中を、チップ片17′における陰極側電極膜19′に形成した絶縁樹脂20に対して密接することができる。
【0049】
その結果、前記安全ヒューズ線8′の有効長さを長くした状態のもとで、前記安全ヒューズ線8′の陰極側電極膜19′からの突出高さを低くできると共に、陰極側リード端子5をコンデンサ素子18′に近づけることができるから、固体電解コンデンサ200′を小型・軽量化できると共に、前記安全ヒューズ線8′に所定の溶断特性を確実に確保できるのである。
【0050】
なお、前記各実施例は、コンデンサ素子におけるチップ片を、断面角型に形成する場合を示したが、本発明はこれに限らず、チップ片を、断面丸形又は楕円形に形成する場合にも適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施例による固め成形装置の縦断正面図である。
【図2】前記第1の実施例における第1の作用状態を示す縦断正面図である。
【図3】前記第1の実施例における第2の作用状態を示す縦断正面図である。
【図4】前記第1の実施例における第3の作用状態を示す縦断正面図である。
【図5】前記第1の実施例によって固め成形したコンデンサ素子の斜視図である。
【図6】前記図5に示すコンデンサ素子におけるチップ片に陰極側電極膜を形成したときの縦断正面図である。
【図7】前記図6の示すコンデンサ素子を一方のリード端子に固着したときの図である。
【図8】図7のVIII−VIII視平面図である。
【図9】本発明における第2の実施例による固め成形装置の縦断正面図である。
【図10】本発明における第2の実施例によるコンデンサ素子の縦断正面図である。
【図11】前記図10に示すコンデンサ素子におけるチップ片に陰極側電極膜を形成したときの縦断正面図である。
【図12】前記図11に示すコンデンサ素子を使用した安全ヒューズ付き固体電解コンデンサの縦断正面図である。
【図13】従来における固体電解コンデンサの縦断正面図である。
【図14】図13のXVIII −XVIII 視断面図である。
【図15】従来における安全ヒューズ付き固体電解コンデンサの縦断正面図である。
【図16】従来におけるコンデンサ素子を示す斜視図である。
【図17】前記図16に示すコンデンサ素子のチップ片に五酸化タンタルの誘電体膜を形成する処理を行っている状態の断面図である。
【図18】前記図16に示すコンデンサ素子のチップ片に二酸化マンガンの固体電解質層を形成する処理を行っている状態の断面図である。
【図19】前記従来におけるコンデンサ素子のチップ片に陰極側電極膜を形成したときの縦断正面図である。
【図20】前記従来におけるコンデンサ素子を一方のリード端子に固着したときの図である。
【図21】図20のXXV −XXV 視平面図である。
【図22】従来における固め成形装置における第1の作用状態を示す縦断正面図である。
【図23】従来における固め成形装置における第2の作用状態を示す縦断正面図である。
【図24】従来における固め成形装置における第3の作用状態を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
18,18′ コンデンサ素子
17,17′ チップ片
16,16′ 陽極棒
17a チップ片の一端面
17b チップ片の他端面
17e′ チップ片の面取り面
17c チップ片の外周面
17d チップ片の軸線
19,19′ 陰極側電極膜
20 絶縁樹脂
11,11′ 成形型
12,12′ 成形用孔
12c,12c′,12c″テーパ孔
13 下部(第1)成形型
14 金属粉末
15 上部(第2)成形型

Claims (2)

  1. 金属粉末を焼結したチップ片と、該チップ片における一端面から突出した陽極棒と、前記チップ片における外周面のうち前記一端面を除いた部分に形成した陰極側電極膜と、この陰極側電極膜に一端を接続した安全ヒューズ線とから成る固体電解コンデンサ用コンデンサ素子において、
    前記チップ片を、当該チップ片における一端面から他端面に向かって先細のテーパ体に形成し、且つ、このテーパ体における外周面の傾斜角度を、前記チップ片とその外周に形成した陰極側電極膜との結合体における直径寸法が前記他端面の部分において前記一端面の部分よりも大きくならないように設定し、更に、前記チップ片における外周面と他端面との角部に面取り面を設ける一方、前記陰極側電極膜のうち前記面取り面に該当する部分に、絶縁樹脂を、当該絶縁樹脂が前記陰極側電極膜のうち前記面取り面に該当する部分以外の部分における外周面から突出しないように、前記陰極側電極に重ねて塗着し、この絶縁樹脂の外周面に、前記安全ヒューズ線を密接したことを特徴とする固体電解コンデンサにおけるコンデンサ素子の構造。
  2. 前記請求項1の記載において、前記チップ片における外周面のうち一端面に隣接する比較的短い長さの部分に、チップ片の軸線と平行にした平行面を設けたことを特徴とする固体電解コンデンサにおけるコンデンサ素子の構造。
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