JP3540118B2 - エアバッグ収納用カバー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の高速移動体が衝突事故等の際に、その衝撃や変形を感知することにより作動し、膨張展開によって乗員を保護するエアバッグシステムのエアバッグを収納するエアバッグ収納用カバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エアバッグシステムは、自動車等の衝突の際に運転手或いは搭乗者を保護するシステムで、衝突の際の衝撃を感知する装置とエアバッグ装置とからなる。
エアバッグ装置は、エアバッグ、エアバッグを膨脹させるためのガスを発生するアジカナトリウム等を入れたガス発生器、及び、それらを収納するカバーからなり、これら装置はステアリングホイール、助手席前方のインストルメントパネル、運転席及び助手席のシート、或いは、フロント及びサイドピラー等に設置される。
【0003】
エアバッグ装置における収納用カバーは、エアバッグ膨脹時に、それを収納しているカバーの粉砕による破片の飛散、又は、カバー取り付け部の破壊によるカバーが飛散して、運転手や搭乗員に当たって怪我をさせる危険性があることから、低温から高温までの幅広い温度範囲において、カバーが異常な破壊をして飛散するのを防止することを目的として、その構造或いは材質において種々提案されている。
例えば、特開昭50−127336号公報、特開昭55−110643号公報に記載される様な、発泡ポリウレタン等の材料を用いて予定開裂線以外に補強材(ネット等)をインサートしたものや、特開平1−202550号公報、特開平2−171362号公報、特開平2−220946号公報、特開平3−189252号公報に記載される様な、ソフト感のある熱可塑性エラストマーを用いた表皮層と、形状保持性のある硬い熱可塑性樹脂を用いたコア層からなり、前記のネット補強カバーの複雑な製造工程を省略し、生産性を向上させた二色射出成形カバーや、特開平2−171364号公報、特開平4−151348号公報、特開平4−314648号公報、特開平5−38996号公報に記載される様な、単層射出成形による前記の二色射出成形カバーの欠点であるコストを低減したもの、更には、特開平8−192666号公報による様なインストルメントパネル本体とエアバッグを一体成形し製造工程を簡略化したもの等がある。
【0004】
これらの提案により、エアバッグ装置においてエアバッグ膨脹時に破壊、飛散することなく確実に予定開裂線より破壊する収納用カバーを成形することが可能となった。しかしながら、自動車の内装意匠部品、特に助手席前方のインストルメントパネル装着用として用いる場合、収縮によるヒケやソリが大きく、その商品性(外観)において問題があった。
従って、これを解決する目的として、特開平8−34304号公報に記載される様な方法が提案された。
これらの提案により、エアバッグ装置においてエアバッグ膨脹時に破壊、飛散することなく確実に予定開裂線より破壊し、しかも、成形時の収縮や塗装焼き付け等の二次収縮によるヒケやソリの少ない収納用カバーを成形することが可能となった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最新のエアバッグ装置においては商品性の観点からインストルメントパネルと収納用カバーの合わせ部の隙間を極力小さくしたものや、隙間の無いインストルメントパネルと一体性のあるものが求められている。
この様な隙間を小さくした収納用カバーは温度変化に対して寸法変化のないこと(寸法安定性、低線膨脹率性)が必要であるが、未だ十分なレベルに達していない。また、収納用カバー部の耐変形性(荷重撓み性)等も従来以上の性能が求められているが、この点においても十分満足できるものではなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定成分を特定割合で配合した特定の物性を示す熱可塑性エラストマー組成物を用いたエアバッグ収納用カバーは、寸法安定性と荷重撓み性に優れ、自動車内装部品として商品性が高く、且つ、エアバッグ膨張時に予定開裂部以外が破壊、飛散することなく、確実に予定開裂線より良好に破壊するという安全性の高いことを見いだし本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明のエアバッグ収納用カバーは、下記成分(A)、(B)、及び(C)からなり、曲げ弾性率が100〜600MPa、線膨張係数が9×10-5cm/cm/℃以下の物性を示す熱可塑性エラストマー組成物から構成されていることを特徴とするものである。
成分(A):プロピレン系共重合体樹脂 30〜70重量%
成分(B):エチレン・炭素原子数4以上のα−オレフィン共重合体ゴム
70〜30重量%
成分(C):スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物
成分(A)及び(B)の合計100重量部に対し、
5〜100重量部
【0007】
【発明の実施の形態】
[I] 熱可塑性エラストマー組成物
(1) 構成材料(必須成分)
本発明のエアバッグ収納用カバーの原材料として用いられる熱可塑性エラストマー組成物は、下記に示す成分(A)〜成分(B)を構成材料として用いることが重要である。
【0008】
成分(A):プロピレン系共重合体樹脂
本発明における熱可塑性エラストマー組成物に用いられるプロピレン系共重合体樹脂としては、プロピレンを主成分とする共重合体樹脂であり、具体的には、プロピレンとエチレン又はα−オレフィンのランダム又はブロック共重合体であり、好ましくはプロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレンブロック共重合体等を挙げることができる。
これらプロピレン系共重合体樹脂の中でも、好ましくはメルトフローレート(MFR:JIS−K6758、230℃、2.16kg荷重)が0.01〜200g/10分、中でも0.05〜180g/10分、特に0.1〜150g/10分で、エチレン含量が1〜15重量%、中でも2〜13重量%、特に2.5〜10重量%のプロピレン・エチレン共重合体樹脂、特にプロピレン・エチレンブロック共重合体樹脂を用いるのが良い。
なお、ここでいうエチレン含量とは赤外スペクトル分析法等により測定される値である。
【0009】
メルトフローレートが上記範囲未満のものを用いた場合には、射出成形性が低下し、得られた射出成形体の外観、特にフローマークの発生が著しくなる傾向にある。一方、上記範囲を越えるものを用いた場合には、材料強度及び低温衝撃性が低下する傾向にある。
また、エチレン含量が上記範囲を越えるものを用いた場合には、射出成形性と耐熱性が低下する傾向にある。
プロピレン系共重合体樹脂の具体的な製造条件としては、一般にチーグラー型触媒、カミンスキー型触媒等の立体規則性触媒を使用して、プロピレンとエチレン又はα−オレフィンをランダム又はブロック共重合することにより製造することができる。
【0010】
成分(B):エチレン・炭素原子数4以上のα−オレフィン共重合体ゴム
本発明において用いる成分(B)のエチレン・炭素原子数4以上のα−オレフィン共重合体ゴムとしては、エチレンと炭素原子数4以上、好ましくは炭素原子数4〜20、特に好ましくは炭素原子数4〜12のα−オレフィンを水素の共存下に、可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とから形成される触媒、又はカミンスキー型触媒等を用いて連続的に共重合させたものである。
該エチレン・炭素原子数4以上のα−オレフィン共重合体ゴムは、エチレン含量が30〜95重量%、好ましくは40〜90重量%の共重合体ゴムを用いることが好ましい。
エチレン含量が上記範囲未満のものを用いると強度的に低下する傾向があり、一方、エチレン含量が上記範囲を超えるものを用いると硬度が高く、柔軟性が低下する傾向にある。
【0011】
(2) 付加的成分(任意成分)
また、本発明は上記必須成分の成分(A)及び(B)に、更に、付加的成分として目的に応じて、以下に示す成分(C)及び(D)の中から選ばれる少なくとも1種の成分を配合することができる。
【0012】
成分(C):スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物
上記スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物は、主として、成形品表面が傷付き性及び塗料密着性の改良のために配合される成分(C)のスチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物としては、スチレンと共役ジエンとのブロック共重合体を水素添加して得られたものであり、ここで好適な共役ジエンはブタジエン、イソプレン又はこれらの混合物である。例えば、スチレン・ブタジエンブロック共重合体の水素添加物(以下、単に「水添S−B−S」と略記することがある。)であるスチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体(SEBS)、或いは、スチレン・イソプレンブロック共重合体の水素添加物(以下、単に「水添S−I−S」と略記することがある。)であるスチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体(SEPS)、スチレン・ブタジエン・イソプレンブロック共重合体の水素添加物(以下、単に「水添S−BI−S」と略記することがある。)を挙げることができる。
【0013】
これらスチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物は、スチレン含量が5〜50重量%、好ましくは8〜45重量%、特に好ましくは10〜40重量%のものであり、また、NMRによる1,2−ミクロ構造が60%未満、好ましくは45%未満の範囲のものであり、水素添加率が通常90%以上、好ましくは耐候性の点から95%以上のものが用いられる。
上記共役ジエンがイソプレンとブタジエンの混合物の場合の混合物の重量比(イソプレン/ブタジエン)は、一般に99/1〜1/99、好ましくは90/10〜30/70、特に好ましくは80/20〜40/60のものである。
成分(A)のスチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物の重量平均分子量は50,000〜300,000のものが好ましく、上記範囲未満のものはゴム弾性、機械的強度、低温衝撃性が低下する傾向にあり、一方、上記範囲を超えるものは柔軟性が低下する傾向にある。
スチレン含量が5重量%未満のものは、ゴム弾性と強度が低下する傾向にあり、50重量%を超えるものは柔軟性が低下する傾向にある。また、上記NMRによる1,2−ミクロ構造が60%を超えるものは成形性と柔軟性が低下する傾向にある。
【0014】
これらスチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物の製造方法としては、例えば、特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチウム触媒を用いて不活性溶媒中でスチレン・共役ジエンブロック共重合体を合成し、次いで、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特開昭59−133203号公報、特開昭60−79005号公報に記載された方法により、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加する方法等を挙げることができる。
また、水添S−BI−Sは、例えば特開平3−188114号公報に記載された方法により合成されたものである。
【0015】
成分(D):ゴム用軟化剤
本発明において用いられる成分(D)のゴム用軟化剤は、硬度調整及び成形時の溶融流動性の調節を行なうために配合され、特に、重量平均分子量が300〜2,000、好ましくは500〜1,500の炭化水素系ゴム用軟化剤を用いることが好適である。
上記炭化水素系ゴム用軟化剤は、一般に、芳香族環、ナフテン環及びパラフィン環の三者を組み合わせた混合物であって、パラフィン鎖炭素数が全炭素中の50%以上を占めるものがパラフィン系オイルと呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45%のものがナフテン系オイルと呼ばれ、芳香族炭素数が30%より多いものが芳香族オイルと呼ばれて区分されている。
これらの中では耐候性の点からパラフィン系オイルを用いることが好ましい。該パラフィン系オイルとしては、40℃動粘度が20〜800cst、好ましくは50〜600cst、流動点が0〜−40℃、好ましくは0〜−30℃、及び、引火点(COC)が200〜400℃、好ましくは250〜350℃のオイルが好適に使用される。
【0016】
(3) その他の任意成分
更に、本発明のエアバッグ収納用カバー、及び熱可塑性エラストマーには、上記の付加的成分以外に本発明の効果を著しく損なわない範囲内で、各種目的に応じて任意の配合成分を配合することができる。
任意成分としては、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、前記以外の各種熱可塑性樹脂、前記以外の各種エラストマー、中和剤、滑剤、防雲剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、難燃剤、分散剤、帯電防止剤、導電性付与剤、金属不活性剤、分子量調整剤、防菌剤、蛍光増白剤等の各種添加物を挙げることができる。
【0017】
(4) 配合割合
本発明のエアバッグ収納カバー用熱可塑性エラストマー組成物を構成する各成分の配合割合は、成分(A)のプロピレン系共重合体樹脂30〜70重量%、好ましくは35〜65重量%、成分(B)のエチレンと炭素原子数4以上のα−オレフィン共重合体ゴム70〜30重量%、好ましくは65〜35重量%である。
また、上記成分(C)のスチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物の好ましい配合割合は、成分(A)及び(B)の合計100重量部に対して、0〜150重量部、特に5〜100重量部である。該成分(C)を配合することにより成形品表面が傷付き難くなり、また塗料密着性も向上するといった効果がある。成分(C)の配合割合が上記範囲を超えると低温時の展開性が低下する傾向がある。
上記成分(D)のゴム用軟化剤の好ましい配合割合は、成分(A)及び(B)の合計100重量部に対して、0〜150重量部、特に5〜100重量部である。成分(D)を配合することにより硬度調整及び成形時の溶融流動性を調節することができるといった効果がある。成分(D)の配合割合が上記範囲を超えると製品の形状保持性と高温時の展開性が低下する傾向がある。
特に本発明においては、無機フィラーを配合しない方が良い。
【0018】
(5) 熱可塑性エラストマー組成物の製造
上記熱可塑性エラストマー組成物は、上記構成成分を通常の押出機やバンバリーミキサー、ロール、ブラベンダープラストグラフ、ニーダーブラベンダー等を用いて常法で混練して製造されるが、押出機、特に二軸押出機を用いて製造することが好ましい。
上記構成材料よりなる熱可塑性エラストマー組成物は、下記の架橋剤や架橋助剤を配合して動的に熱処理して部分的に架橋させたものであっても良い。
【0019】
架橋剤
上記部分的に架橋させるための架橋剤としては、有機過酸化物を用いることが好ましく、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジクミルパーオキサイド等を挙げることができる。
【0020】
架橋助剤
上記有機過酸化物による部分的に架橋させる際に用いられる架橋助剤としては、N,N′−m−フェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミド、P−キノンジオキシム、ニトロベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等の官能性化合物等を挙げることができる。
【0021】
(6) 熱可塑性エラストマー組成物の物性
上記エアバッグ収納用カバーの原材料として用いられる熱可塑性エラストマー組成物の物性は、JIS−K7203による曲げ弾性率100〜600MPa、好ましくは120〜550MPaで、線膨張係数が9×10-5cm/cm/℃以下、好ましくは3〜9×10-5cm/cm/℃、の物性を示すものである。
特に好適には上記曲げ弾性率、線膨張係数を有している他に、JIS−K7110による−40℃におけるアイゾット衝撃強度が50KJ/m2 以上の物性を有するものである。
上記曲げ弾性率が上記範囲未満のものを用いた場合は、荷重撓み性が低下し、一方、上記範囲を越えるものを用いた場合は低温耐衝撃性が低下する。
上記線膨張係数が上記範囲未満であったり、上記範囲を越えたものであると耐熱変形性が劣り、良好な製品が得られない。
上記アイゾット衝撃強度が、上記範囲未満のものを用いた場合には、低温展開性が低下する傾向がある。
【0022】
[II] 成 形
上記熱可塑性エラストマー組成物を用いて、一般に、通常の射出成形法、又は、必要に応じて、ガスインジェクション成形法、射出圧縮成形法、ショートショット発泡成形法等の各種成形法を用いてエアバック収納用カバーを成形することができる。
上記射出成形における成形条件としては、一般に100〜300℃、好ましくは150〜280℃の成形温度、5〜100Mpa、好ましくは10〜80Mpaの射出圧力、20〜80℃、好ましくは20〜60℃の金型温度である。
【0023】
[III] 形 状
エアバック収納用カバーの形状及び構造は、特に制限が無く、要求される性能、取り付け位置に適合する形状、外観等を配慮して定められるが、例えば、図1〜図3に示す様な構造とすることができる。
図1において、エアバック収納用カバー1は、平板部1aと、該平板部1aの背面側に形成されたリブ1bからなり、該リブ1bは平板部1aより平行四辺形として突出した形状の壁体として形成されている。
また、リブ1bの壁体には、図2及び図3に示すように、エアバック収納用カバー1を車体に取り付けたり、エアバックモジュールを取り付けるための、壁体を貫通する小孔3が形成されていると共に、該平板部1aのリブ1bが突出する基端部側の内側に沿って、その3辺にノッチを形成した脆弱部2が設けられている。
本発明のエアバック収納用カバー1の平均肉厚は1〜5mmである。但し、エアバック装着作動時に容易に開裂するために脆弱な構造を設けることが必要であり、開裂部の肉厚は薄目に、好ましくは平均肉厚の50%以下の肉厚に設計することが好適である。
【0024】
[IV]用途
この様にして得られたエアバッグ収納用カバーは、自動車等の高速移動体が衝突事故等の際に、その衝撃や変形を感知することにより作動し、膨張展開によって乗員を保護するエアバッグシステムのエアバッグ収納用カバーとして用いられる。
【0025】
【実施例】
本発明を更に詳細に説明するために、以下に実施例を示して具体的に説明する。[I] 熱可塑性エラストマー組成物用原材料
実施例及び比較例においては、下記に示す原材料を用いた。
【0026】
【表1】
Figure 0003540118
【0027】
【表2】
Figure 0003540118
【0028】
【表3】
Figure 0003540118
【0029】
【表4】
Figure 0003540118
【0030】
【表5】
Figure 0003540118
【0031】
[II] 評価方法
これら実施例及び比較例における各種の評価は、以下に示す通りの方法で行なった。
但し、下記の(1) 〜(3) における測定試料は、インラインスクリュータイプ射出成形機(日本製鋼所(株)製射出成形機;N100B)を用いて、射出圧力500kg/cm2 、射出温度220℃、金型温度40℃にて、曲げ弾性率と線膨脹係数用の試験片を厚さ4mm×幅10mm×長さ90mmとし、アイゾット衝撃強度用の試験片をノッチの付いた厚さ4mm×幅10mm×長さ80mmとしたピースに成形した。
また、下記の(4) における測定試料は、インラインスクリュータイプ射出成形機(東芝機械(株)製射出成形機:IS170)を用いて、220℃の温度で厚さ3.5mm×幅120mm×長さ300mmとしたピースに成形した。
更に、下記の(5) 及び(6) における測定試料は、インラインスクリュータイプ射出成形機(東芝機械(株)製射出成形機:IS220)を用いて、220℃の温度で図1、図2及び図3に示す形状に成形したエアバック収納用カバーにて評価を行なった。
【0032】
(1) 曲げ弾性率(Mpa)
JIS−K7203に準拠してスパン間64m、曲げ速度2mm/分にて測定した。
(2) 線膨張係数(cm/cm/℃)
厚さ4mm×幅10mm×長さ45mmの試験片を、真空理工(株)製熱膨張計DL−7000Y−Lを用いて昇温速度2℃/分で25〜80℃の温度間において測定した。
(3) アイゾット衝撃強度(KJ/m2
JIS−K7110に準拠したノッチ付き試験片を用い−40℃にて測定した。測定後、試験片が両断しないものについてはエアバック収納用カバーを成形し、−40℃での低温展開テストを実施し、試験片が破壊、両断したものについては低温展開テストを実施しなかった。
【0033】
(4) 寸法安定性
厚さ3.3mm×幅120mm×長さ300mmの試験片を図4の石英板に、試験片両端と固定部に隙間が生じないように取り付けて、110℃と−40℃の恒温槽に1時間放置し、その後、恒温槽より取り出して、110℃の場合は試験片中央部の高さ(変形量)をノギスで測定し、その高さが5mm未満を良好とし、5mm以上を不良した。また、−40℃の場合は試験片両端と固定部の隙間の和が2mm未満を良好とし、2mm以上を不良とした。
(5) 荷重撓み性
エアバッグ収納用カバーの中心部に20mmφの接触子を島津製作所(株)製オートグラフを用いて50mm/分の速度で10分間押し込んだ時の荷重を測定し、荷重5kgf以上を荷重撓み性が良好とし、5kgf未満を不良とした。
(6) 展開テスト
エアバッグ装置と該収納用カバーを組み立てたエアバッグ装置セットを展開テスト温度(−40℃、80℃)の恒温槽内に1時間放置した後、展開テストを実施した。
該カバー部が割れて飛散するか、鋭利な形状に割れて正常な展開が出来なかったり、取り付け部より引きちぎられた場合を不良とし、以上の様な不具合がなく、正常な展開がなされた場合を良好とした。
【0034】
[III] 実験例
実施例1〜6及び比較例1〜8
表1〜5に示す原材料を用い、表6〜7に示す配合組成(重量部)にて配合し、この表6〜7に示す配合組成の合計量100重量部に対して、フェノール系酸化防止剤(チバガイギー社製「イルガノックス1010」)0.1重量部を添加し、L/D=33、シリンダー径45mmの二軸押出機(池貝製PCM45)にて200℃の温度に設定して溶融混練しペレットを得た。このペレットを上記の通り射出成形して、上記の評価を行なった。これらの評価結果を表6〜7に示す。
実施例6は、フェノール系酸化防止剤(チバガイギー社製「イルガノックス1010」)0.1重量部、更に、有機過酸化物として2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3(化薬アクゾ社製「カヤヘキサAD」)を0.1重量部、架橋助剤として、トリメチロールプロパントリメタクリレート(三菱レイヨン社製「アクリエステルTMP」)を0.2重量部添加し上記と同様の評価をした。その結果を表6に示す。
【0035】
【表6】
Figure 0003540118
【0036】
【表7】
Figure 0003540118
【0037】
【発明の効果】
本発明のエアバッグ収納用カバーは、通常の射出成形機を用いて成形を行なうことができ、しかも、温度変化による寸法安定性に優れ、かつ荷重撓み性に優れたエアバッグ収納用カバーを得ることができるので、自動車等の高速移動体の衝突事故の際に、その衝撃や変形を感知し、膨張展開するエアバッグを収納し、そのインストルメントパネルと収納用カバーの合わせ部の隙間を極力小さくしたエアバッグ収納用カバーとして有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明実施例のエアバッグ収納用カバーの斜視図である。
【図2】図2は、図1に示すエアバッグ収納用カバーのA−A断面図である。
【図3】図3は、図1に示すエアバッグ収納用カバーのB−B断面図である。
【図4】図4は、本発明実施例の寸法安定性測定用石英板の斜視図である。
【符号の説明】
1 エアバッグ収納用カバー
1a 平板部
1b リブ
2 脆弱部
3 エアバッグモジュール取り付け用穴
4 寸法安定性測定用試験片
5 石英板
6a 固定部(固定)
6b 固定部(可動)

Claims (2)

  1. 下記成分(A)、(B)、及び(C)からなり、曲げ弾性率が100〜600MPa、線膨張係数が9×10-5cm/cm/℃以下の物性を示す熱可塑性エラストマー組成物から構成されていることを特徴とするエアバッグ収納用カバー。
    成分(A):プロピレン系共重合体樹脂 30〜70重量%
    成分(B):エチレン・炭素原子数4以上のα−オレフィン共重合体ゴム
    70〜30重量%
    成分(C):スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物
    成分(A)及び(B)の合計100重量部に対し、
    5〜100重量部
  2. 熱可塑性エラストマー組成物が、成分(A)及び(B)の合計100重量部に対し、成分(D):ゴム用軟化剤5〜100重量部を更に含む、請求項1に記載のエアバッグ収納用カバー。
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