JP3540063B2 - ロックボルト用ナット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネルの支保工、法面の永久構造物としてのロックボルト工における中空型自穿孔ロックボルト、全面接着型ロックボルト等の定着において使用されるロックボルト用ナットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、トンネル等の支保工として多用される各種ロックボルトの定着においては、ナットでベアリングプレートを締め付けることが定められている。
【0003】
そのために、施工の際には、地山内にロックボルトを挿入した後、ロックボルトの突出部にベアリングプレートの孔を嵌合し、ロックボルトの突出部に螺合するナットの締付けによりベアリングプレートを固定する方法が採られている。
【0004】
従って、トンネル等の表面側にはナットが突出し、その突出部分が大きいことから、地山の一次履工面に防水シート等を敷設するに当っては、防水シートの保護などの目的でロックボルトの突出部にキャップや不織布などの保護手段を設けている。
【0005】
また、この種のロックボルト用ナットを用いた定着構造の従来例としては、特開平7−119393号公報に記載のものが知られている。
【0006】
ところで、上記特開平7−119393号公報に記載されたロックボルトの定着構造は、ベアリングプレートの内側にナットを溶接し、地山内に挿入したロックボルトの頭部側(突出部)に上記ベアリングプレートのナットを螺合して締め付け、そのベアリングプレートにより上記地山の一次履工面を支承する構成である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術として示す前者の定着構造においては、数多く使用するすべてのロックボルトにキャップ等の付帯作業を行うから、その作業は大変な手間となっていた。
【0008】
一方、後者の特開平7−119393号公報に記載されたロックボルトの定着構造は、ベアリングプレートとナットを溶接により一体化している。従って、下記のような問題点が存在する。
【0009】
(1)ベアリングプレートとナットの溶接強度にばらつきがあるために、ベアリングプレートを介してナットとの溶接部に荷重が作用すると、その溶接部が外れる場合がある。
【0010】
(2)ベアリングプレートとナットを溶接により一体化しているために、重くてそのナットをロックボルトの突出部に螺合するのに難がある。
【0011】
(3)ベアリングプレートとナットが一体となっているために、運搬、収納等のときにベアリングプレートを重ねることが難しく、ベアリングプレートがかさばる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたもので、トンネル等の支保工としてのロックボルトの定着において、安定した耐力を有しながら、突出部を短く形成して施工対象面の処理を簡易に行うことができるロックボルト用ナットを提供することを目的とする。
【0013】
すなわち、請求項1に係る発明では、地山内に挿入したロックボルトの突出部に、孔が形成されたベアリングプレートを挿通し、この突出部に螺合して締付け方向への回転により当該ベアリングプレートを地山側に押圧するロックボルト用ナットであって、前記ベアリングプレートの孔に対して一端側から挿通されて相対回転不能に嵌合するナットと、このナットと一体でその他端側にあって先端方向に径が漸減し後端側の背面で当該ベアリングプレートを支持するテーパー鍔を備えることを特徴とするもので、ベアリングプレートを回転操作して締め付けることができる。このような構成の採用により、上記目的を実現した。
また、請求項2に係る発明は、地山内に挿入したロックボルトの突出部に、孔が形成されたベアリングプレートを挿通し、この突出部に螺合して締付け方向への回転により当該ベアリングプレートを地山側に押圧するロックボルト用ナットであって、前記ベアリングプレートの孔に一端側から挿通されるナットと、このナットと一体でその他端側にあって先端側部分が先端方向に径が漸減するとともに後端側部分がスパナ等と係合する形状に形成され後端側の背面で当該ベアリングプレートを支持するテーパー鍔を備えることを特徴とするものである。この場合には、テーパー鍔における後端側の六角形状等のスパナ係合部を利用して締め付けることができる。
【0014】
【実施例】
図1ないし図6は、本発明の第一実施例を示している。その構成を図面に基づいて説明すれば、図1等に示すように、中空全ねじボルトよりなる中空型自穿孔ロックボルトAは、掘削終了後において、頭部を僅かに露出した状態で地山Bの穿孔5内に残置され、その周囲にグラウト材等の定着材6が充填されている。
【0015】
ここで、上記定着構造に使用される本発明によるロックボルト用ナットCは、図3等に示すように、六角ナット状のナット1の他端側に、先端方向に向けて径が曲線的に漸減する球面状のテーパー鍔2が、ナット1よりも径方向外方に突出して一体に形成されたものである。なお、ベアリングプレート3は、図5から明らかなように、中央部に六角形状の孔4が穿設されている。
【0016】
次に、その作用を説明する。図1に示すように、自穿孔ロックボルトAにより地山Bに所要深さの穿孔5を掘削した後、グラウト材等の定着材6をロックボルトAの中空部を介して穿孔5の内部に注入する。
【0017】
一方、ロックボルト用ナットCは、その一端側に位置する六角ナット状に形成されたナット1をベアリングプレート3の六角形状の孔4に挿入し、予め両者を嵌合させておく。
【0018】
そして、図1あるいは図2に示すように、ロックボルトAの地山B表面からの突出部分に対して、ベアリングプレート3との嵌合により一体になった状態の上記ロックボルト用ナットCのナット1側を螺合させ、ベアリングプレート3を手等により回転操作して締め付ける。これにより、ベアリングプレート3は、ロックボルト用ナットCのテーパー鍔2の背面で支持され、地山Bの表面に押し付けられる。
【0019】
その後、図示はしていないが、地山Bの表面に防水シート等を敷設する。この場合、ロックボルトAの突出部分は僅かであり、これに螺着されるロックボルト用ナットCの端面は、なだらかな球面状に形成されているので、防水シート等を損傷することがない。
【0020】
また、上記中空型自穿孔ロックボルトAに代えて、予め、穿孔機で地山を穿孔した後、その穿孔内にロックボルトを挿入してグラウト材等の定着材を注入する工法である全面接着型ロックボルトにおいても、上記ロックボルト用ナットCを同様に適用することができる。
【0021】
なお、ロックボルト用ナットCにおけるテーパー鍔2は、上記実施例のような球面状に代えて、先端側に向けて径が直線的に漸減する截頭円錐状に形成してもよい。
【0022】
図7ないし図11は、本発明の第二実施例を示している。図示のロックボルト用ナットC1は、ナット1aが丸ナット状であって、その他端側にテーパー鍔2aが設けられたものである。このテーパー鍔2aは、先端側が球面状のテーパー7と、これに続く後端側の外周面に形成された六角形部8からなる。この場合、斯かるロックボルト用ナットC1とともに用いるベアリングプレート3aは、孔4aがナット1aと嵌合可能な丸孔に形成されている。その他の符号は、図1ないし図6における同一部分を示す。
【0023】
この構成のものにおいても、図7に示すように、丸ナット状のナット1aをベアリングプレート3aの孔4aに挿通した状態で使用され、その大半部分はベアリングプレート3aの内部に隠れることになる。
【0024】
そして、上記第一実施例と同様に、ロックボルトAの突出部分に対して、ロックボルト用ナットC1のナット1aを螺合させ、そのテーパー鍔2aの後端側外周面に設けられた六角形部8にスパナ等を係合させてロックボルト用ナットC1を回転操作して締め付ける。ベアリングプレート3aは、テーパー鍔2aの背面で支持され、地山Bの表面に押し付けられることは前記実施例と同様である。
【0025】
その後、図示していないが、地山Bの表面に防水シート等を敷設する。この場合においても、ロックボルト用ナットC1の端面は、なだらかな球面状に形成されているので、防水シート等を損傷することがない。
【0026】
【発明の効果】
本発明のロックボルト用ナットには、以下のような利点がある。
【0027】
(1)ベアリングプレートの通孔に一端側から嵌挿されるナットの他端側に、先端方向に径が漸減し後端側の背面で当該ベアリングプレートを支持するテーパー鍔を一体に備えるナットであるから、その大半部分がベアリングプレートの内部に隠れ、ベアリングプレートの表面より外方に突出する部分が少ない。従って、次のような効果が得られる。
【0028】
(イ)トンネルのロックボルトに適用した場合、ロックボルトの突出部に螺着されたロックボルト用ナットが、そのなだらかな端面形状により防水シートを敷設する際の障害にならないから、上記突出部に対して従来のようにキャップや不織布を付帯する必要がなくなる。すなわち、施工対象面の処理を簡易に行うことができるので、支保工の施工が容易となって作業能率が向上する。
【0029】
(ロ)法面の受圧板のロックボルトとして使用した場合は、ロックボルトの突出部が受圧板の内部に隠れることにより、仕上げが奇麗になる。
【0030】
(2)ナットとその他端側のテーパー鍔が一体に形成され、ベアリングプレートに掛かる荷重を上記ナットのテーパー鍔により支持するから、ベアリングプレートの支持に安定した耐力を発揮し、地山の表面を確実に支承して安全上有益である。
【0031】
(3)ナットの他端側に設けられたテーパー鍔は、先端方向に径が漸減するテーパー状、すなわちなだらかな端面に形成されているから、その鍔によって防水シートを損傷するおそれがない。
【0032】
(4)重いベアリングプレートに対してナットが分離していることにより、次のような効果がある。
【0033】
(イ)ベアリングプレートとナットを別々に取り扱うことができ、ナットをロックボルトに螺合することが容易で作業性がよい。
【0034】
(ロ)ロックボルトの定着作業において、ベアリングプレートを良好に積重ねることができるから、運搬、収納等取扱い上便利である。
【0035】
(5)簡易に構成して容易安価に製作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に係るロックボルト用ナットの使用状態を示す縦断正面図である。
【図2】同上要部の拡大正断面図である。
【図3】本発明の第一実施例に係るロックボルト用ナットの正面図で、上半部を切断して示す。
【図4】同上側面図である。
【図5】本発明の第一実施例に係るロックボルト用ナットに適用されるベアリングプレートの側面図である。
【図6】同上正面図である。
【図7】本発明の第二実施例に係るロックボルト用ナットの使用状態であって、その要部の拡大正断面図である。
【図8】本発明の第二実施例に係るロックボルト用ナットの正面図で、上半部を切断して示す。
【図9】同上側面図である。
【図10】本発明の第二実施例に係るロックボルト用ナットに適用されるベアリングプレートの側面図である。
【図11】同上正面図である。
【符号の説明】
A…ロックボルト、B…地山、C,C1…ロックボルト用ナット、1,1a…ナット、2,2a…テーパー鍔、3,3a…ベアリングプレート、4,4a…孔、7…テーパー、8…六角形部
Claims (2)
- 地山内に挿入したロックボルトの突出部に、孔が形成されたベアリングプレートを挿通し、この突出部に螺合して締付け方向への回転により当該ベアリングプレートを地山側に押圧するロックボルト用ナットであって、前記ベアリングプレートの孔に対して一端側から挿通されて相対回転不能に嵌合するナットと、このナットと一体でその他端側にあって先端方向に径が漸減し後端側の背面で当該ベアリングプレートを支持するテーパー鍔を備えることを特徴とするロックボルト用ナット。
- 地山内に挿入したロックボルトの突出部に、孔が形成されたベアリングプレートを挿通し、この突出部に螺合して締付け方向への回転により当該ベアリングプレートを地山側に押圧するロックボルト用ナットであって、前記ベアリングプレートの孔に一端側から挿通されるナットと、このナットと一体でその他端側にあって先端側部分が先端方向に径が漸減するとともに後端側部分がスパナ等と係合する形状に形成され後端側の背面で当該ベアリングプレートを支持するテーパー鍔を備えることを特徴とするロックボルト用ナット。
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JPH0949399A JPH0949399A (ja) | 1997-02-18 |
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CN110700867A (zh) * | 2019-10-30 | 2020-01-17 | 神华神东煤炭集团有限责任公司 | 顶板支护方法 |
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- 1995-08-08 JP JP22259795A patent/JP3540063B2/ja not_active Expired - Fee Related
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