JP3539874B2 - ゴルフクラブ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はゴルフクラブに関し、詳細には、飛距離を出すのに適したドライバークラブに関する。ここで、ドライバークラブとは、主にティーグラウンド内でティーアップした状態で打つクラブセット内で、最大の飛距離が得られるように設計されているウッドクラブをいう。
【0002】
【従来の技術】
ドライバークラブは、クラブセット内で最も飛距離が得られるクラブであり、クラブセット内で、最も小さいリアルロフト角に設計されている。ここで、ヘッドのリアルロフト角と飛距離との関係について説明する。
【0003】
通常、リアルロフト角が大きければ大きいほど、その打ち出し角度が高くなると共に、ボールに与えるスピン量が大きくなる。このため、同じヘッドスピードでスイングした場合、リアルロフト角が大きければ、そのヘッドの持っているエネルギーは、ボールに与えるスピン量に消費されるため、ボールの初速度が遅くなり、かつ打ち出し角度も高くなるため、結果として飛距離が短くなる。
【0004】
これに対して、リアルロフト角を小さく設定すれば、ボールに与えるスピン量を小さくしてボールの初速度を速くすることができ、大きい飛距離を得ることができるが、逆にリアルロフト角を小さくすればするほど、ボールの打ち出し角度は低くなるため、飛距離が短くなる。即ち、リアルロフト角を小さく設定してスピン量を小さくしても、打ち出し角度で変化する飛距離との関係からすれば、リアルロフト角を小さくするには限界がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のドライバークラブでは、クラブヘッドを、打ち出し角度が好ましいようなリアルロフト角に設定してあっても、インパクト時においてボールに与えるスピン量に基づくボールの初速度の低下による飛距離の低下は避けることができないのであり、スピン量を少なくするようなリアルロフト角に設定してあっても、打ち出し角度の低下による飛距離の低下は避けることができないのである。
【0006】
本発明は、打ち出し角度の最適化、あるいはインパクト時におけるスピン量の低下を図るべくクラブヘッドを設計しても、それぞれ、スピン量の増加によるボールの初速度の低下、あるいは打ち出し角度の低下という問題が生じ、結果的に飛距離の増大が図れないということに着目して成されたものである。
【0007】
即ち、本発明は、ボールの打ち出し角度を最適化し、且つ、インパクト時にボールに与えられるスピン量を減少させることによって、ボールの初速度を減少させること無く、飛距離を増大させることが可能なゴルフクラブを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明のゴルフクラブは、先端にヘッドが固定されるシャフトを、強化繊維を引き揃えたシートに合成樹脂を含浸させたプリプレグシートを巻回して形成し、このシャフトを基端部を固定して片持ち支持し、ヘッドの嵌合端部を基準点として、この基準点で、前記固定した位置と基準点との間の長さに対して一定比率となるように前記固定した位置と基準点との間の長さの0.1倍の量だけたわませたときに、前記基準点における接線と前記片持ち支持したときの軸線との間のたわみ角を11.0度以上で13.8度以内に形成すると共に、ヘッドの重心とこの重心からフェース面に垂線を下ろしたときの交点との間の距離である重心深度を35.5mm以上に形成したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施の形態のゴルフクラブは、シャフトのたわみ角θを、11.2度以上、好ましくは11.6度以上で14度以内にしたことを特徴とする。
なお、上記のたわみ角θは、以下の方法で測定したものである。
図4に示すように、シャフト1の基端部から173mmの固定位置aまでを片持ち支持し、シャフト1の先端部でのクラブヘッド10の嵌合端部を基準点bとした場合において、基準点bでシャフト1を0.1XLの量だけたわませた時、その基準点におけるシャフト1の接線と、前記片持ち支持した状態でのシャフト1の軸線との間の角度がたわみ角θとなる。なお、Lは、a,b間の距離である。
【0010】
このように、シャフト1を、上記の測定方法によるたわみ角θが上記した所定の数値以上、乃至は範囲内となるように設計することによって、インパクト時において、クラブヘッド10がボールに対して、スピンの発生を抑制するようにシャフト1の先端側がたわむクラブとすることができる。
【0011】
これを、図1(a),(b)を参照して具体的に説明する。
図1(a)は、シャフト1のたわみ角θが、11.2度よりも小さく設定されているゴルフクラブであり、図1(b)は、シャフト1のたわみ角θが、11.2度以上に設定されているゴルフクラブである。それ以外のグリップ5、シャフト長、クラブヘッド10のリアルロフト角の構成、並びにスイングの速度は、共に同一としたものである。そして、各図の左側は、ボールをインパクトする直前を、右側は、ボールをインパクトした直後のゴルフクラブの状態を示したものである。
【0012】
シャフト1のたわみ角θを、11.2度以上に設定することにより、インパクト時において、シャフトの先端領域1aがたわみやすくなって、クラブヘッド10のフェース面10aを上向き傾向にすることができる。即ち、インパクト時において、フェース面10aが上向き傾向となるようにシャフト1がたわむと、クラブヘッドが同じリアルロフト角でも、図1(b)に示すように、その打ち出し角度α2を、図1(a)に示すフェース面が上向き傾向とならない打ち出し角度α1よりも大きくすることができる。
【0013】
このように、インパクト時においてクラブヘッド10のフェース面10aが上向き傾向となれば、リアルロフト角を小さくすることにより、ボールに対してスピンを与えないこととなる代わりに打ち出し角度が低くなる、という欠点を解消することができる。すなわち、リアルロフト角を小さくしても、打ち出し角度を理想の角度に設定することができ、この結果、スピン量の減少によるボール初速度の増加、および理想の打ち出し角度となり、飛距離の増大が図れる。
【0014】
なお、上記したシャフト1のたわみ角θが14度よりも大きくなるようにシャフトを設計した場合、トウダウン現象(図3(b)の矢印方向へのたわみ)の傾向が大きくなり過ぎて、ヘッドの制御が困難となるので、たわみ角θの限界値は14度以下と設定される。
【0015】
更に、本実施の形態では、上記した課題を解決するために、上記したシャフトのたわみ特性を改良する以外に、クラブヘッドの重心深度を37.0mm以上、好ましくは38.5mm以上に設定することを特徴としている。
【0016】
このように、クラブヘッドの重心深度を、上記したように37.0mm以上となるようにクラブヘッドを設計することによって、インパクト時において、クラブヘッドがボールに対して、スピンの発生を抑制するようにシャフトの先端側をしならせることが可能となる。
【0017】
これを、図2(a),(b)を参照して具体的に説明する。
図2(a)は、クラブヘッドの重心深度が、37.0mmよりも小さく設定されているゴルフクラブであり、図2(b)は、クラブヘッドの重心深度が、37.0mm以上に設定されているゴルフクラブである。それ以外のグリップ5、シャフト1の構成、並びにスイングした際にクラブヘッド10の重心Gに作用する遠心力Fを、共に同一となるようにしたものである。そして、それぞれの図は、ボールをインパクトする瞬間のゴルフクラブの状態を示したものである。
【0018】
ボールをインパクトする瞬間、クラブヘッド10の重心Gは、それに作用する遠心力Fによってシャフト1の軸線上の位置に近似しており、その重心深度に対応した量だけシャフト1の先端領域はたわむ。すなわち、図2(b)に示すように、クラブヘッド10の重心深度D2が、図2(a)に示す重心深度D1より深い程、シャフト1の先端領域はたわみやすくなり、インパクト時におけるクラブヘッド10のフェース面10aを上向き傾向にすることができる。この結果、図1に示した構成と同様、インパクト時において、フェース面10aが上向き傾向となるようにシャフト1をたわませることができるため、同じリアルロフト角でも、その打ち出し角度α2は、重心深度D1が浅い場合の打ち出し角度α1よりも大きくすることができる。
【0019】
従って、リアルロフト角を小さくしても、打ち出し角度を理想の角度に設定することが可能となり、スピン量の減少によるボール初速度の増加、および理想の打ち出し角度となり、飛距離の増大が図れる。
【0020】
なお、このように、重心深度を深くしたクラブヘッドを、上記したようなたわみ角θを11.2度以上、好ましくは11.6度以上で14度以内に設定したシャフトと組み合わせても、飛距離の増大を図ることができる。
【0021】
ここで、図3〜図4を参照して、リアルロフト角、重心深度、ライ角、およびたわみ角について説明する。
図3(a)に示すように、リアルロフト角βは、シャフトの軸線Sに対するクラブヘッド10のフェース面10aのなす角度であり、重心深度Dは、クラブヘッド10の重心位置Gからフェース面10aに対して垂線を下ろした場合の交点Qと、重心位置Gとの間の距離である。また、ライ角γは、図3(b)に示すように、ゴルフクラブを標準姿勢とした場合に、基準面P(地面)とシャフト軸線Sとのなす角度である。なお、これらの図において、符号10bはシャフトが差し込まれるネック、符号10cはソールを、それぞれ示している。
【0022】
また、本発明では、シャフトのたわみ角は、図4に示すように測定される。この図において、同図(a)はゴルフクラブの全体構成を示す図、同図(b)はヘッド10を取り外して片持ち支持した状態を示す図、同図(c)はヘッド10の嵌合端部である基準点にて、荷重Wを付加した状態を示す図である。
【0023】
シャフト1は、所定方向に強化繊維を引き揃えたシートに合成樹脂を含浸させたいわゆるプリプレグシートを、所定の配置及び積層構造等に基づいて芯金に巻回し、その後、常法に従って、加熱、脱芯、研磨等の工程を経て作成されたものである。このシャフト1には、図4(a)に示すように、基端側にグリップ5が装着され、先端側にヘッド10が嵌合される。
【0024】
また、シャフト1は、以下のようにたわみ角θを測定した場合、θが11.2度以上、好ましくは11.6度以上で14度以内となるように設計されている。即ち、図4(b)に示すように、シャフト1の基端部から173mmの位置aまでを片持ち支持し、シャフト1の先端部でのヘッド10の嵌合端部10dを基準点bとした場合において、図4(c)に示すように、基準点bで荷重Wを付加してシャフトを所定量だけたわませる。付加する荷重Wは、a,b間の距離をLとした場合、たわみ量が0.1×Lの量となるように設定され、基準点bがこの量だけたわんだ時、その基準点における接線と、片持ち支持した状態でのシャフトの軸線との間の角度がたわみ角θである。
【0025】
このように測定するたわみ角において、その角度θが11.2度以上、好ましくは11.6度以上で14度以内となるようにシャフト1を成形することで、図1(b)に示したように、インパクト時において、シャフト1の先端領域1aがたわみやすくなって、クラブヘッド10のフェース面10aを上向き傾向にすることができる。即ち、リアルロフト角が小さいクラブヘッドを取り付けても、その打ち出し角度を理想の角度に設定することができ、これによりスピン量の減少によるボール初速度の増加、および理想の打ち出し角度が得られて飛距離の増大が図れる。
【0026】
なお、このようなシャフト1は、シャフトを成形する際、そのプリプレグシートの構成(使用される合成樹脂の材料、樹脂含浸量、使用される強化繊維の種類、引揃方向、巻回数、巻回位置等)を適宜変形することによって作成することができる。また、このようにシャフトを構成した場合、ライ角を、通常(一般的なものは56度程度)より、1〜3度以上アップライトにすることが好ましい。このように、ライ角を多少アップライトとすることにより、トウダウン現象(図3(b)の矢印方向のたわみ)によるインパクト時におけるライ角のズレを補正することができ、正確に打つことが可能になる。即ち、シャフトのたわみ特性を変えたことにより(たわみ角θを大きくしたことにより)、トウダウン現象が従来品に比べて大きくなって、インパクト時にスイートスポットからズレが生じやすくなるが、ライ角を、多少アップライトにすることによって、そのようなズレを補正することができる。
【0027】
また、本実施の形態では、図2に示したように、ゴルフクラブヘッド10の重心深度を37.0mm以上、好ましくは38.5mm以上とすることで、飛距離の増大を図るものであるが、このようなクラブヘッドは、例えば、ヘッドの後方側に重りを付加したり、フェース10aを比重の軽い材料によって作成することで達成することができる。
上記したような構成を用いて作成されるゴルフクラブの実施の形態を以下の表に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0003539874
【0029】
この表に示されるゴルフクラブは、たわみ角θを11.2度以上、望ましくは11.6度以上とした場合の実施の形態を示したものである。したがって、上述したように、クラブヘッドの重心深度が多少浅くても、インパクト時にフェース面を上向き傾向にすることができ、飛距離の増大が図れる。
【0030】
これとは逆に、クラブヘッドの重心深度を、37.0mm以上、好ましくは38.5mm以上とした場合、それに取り付けられるシャフトは、そのたわみ角θを10.4度〜11.6度、好ましくは10.8度〜11.6度に設定し、ライ角も55度〜58度、好ましくは56度〜57度程度に設定することで、インパクト時においてフェース面を上向き傾向とすることができる。
【0031】
なお、上記表において、レディース用Xは、女性向けのゴルフクラブであり、メンズアベレージ用Yは、一般的男性向け(シニア向けを含む)ゴルフクラブ(目安として、クラブトータル重量300g未満、R,RSフレックス)であり、メンズハードヒッター用Zは、上級者男性向けゴルフクラブ(目安として、クラブトータル重量300g以上、Sフレックス)である。
【0032】
実際に、上記したような構成に基づいて設計したゴルフクラブと、従来のゴルフクラブとを、同一の条件で比較試験した結果を以下に示す。なお、試験は、メンズ・アベレージ用、メンズ・ハードヒッター用、レディース用すべてについて行った。
【0033】
【表2】
Figure 0003539874
【0034】
上記試験結果から明らかなように、シャフトのたわみ角を11.8度とし、クラブヘッドのリアルロフト角を従来例よりも小さくし、かつ重心深度を深くしたものは、いずれのゴルフクラブも従来例と比較して飛距離の向上が得られた。
【0035】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されることは無く、以下のように種々変更することが可能である。
第1変形例として、例えば図5に示すように、ネック10b(図3参照)を取り除いたクラブヘッド10にシャフト1が差込可能な凹部20を設けることによって、上記実施の形態と同様の作用効果を実現することができる。
【0036】
具体的には、凹部20は、クラブヘッド10のシャフト保持用穴22から連続して形成されており、その内径は、シャフト保持用穴22からヘッド表面に向かうに従って連続的に拡大されている。即ち、凹部20は、全体的に、円錐形を成している。従って、シャフト保持用穴22にシャフト1を差し込んだとき、このシャフト1と凹部20との間には、テーパ状に広がった僅かな隙間が介在することになる。このため、符号T2(図5(c)参照)で示す領域に亘るシャフト1の部分(シャフト1の先端領域)は、スイング中において、凹部20とシャフト1との間の隙間に対応してたわみ量が増大する。
【0037】
この第1変形例において、凹部20の形状・寸法は、プレーヤーの好みや力量に応じて種々変更することが可能であるが、特に、凹部20の長さ寸法T1(図5(b)参照)は、10〜25mm程度に設定することが好ましい。
【0038】
第1変形例によれば、凹部20によって、シャフト1の先端領域のたわみ量を所望の値まで容易に増大させることができるため、たわみ角が比較的小さいシャフト1を用いた場合でも、上記実施の形態と同様の作用効果を実現することができる。なお、たわみ角の大きなシャフト1は、スイング中の違和感が従来品に比べて強くなる傾向にあるが、第1の変形例のような凹部20を設けることによって、たわみ角の小さなシャフト1を用いることが可能となる。この結果、スイング中の違和感を可能な限り減少させることができる。
上記したような構成を有して作成された第1変形例に係るゴルフクラブの実施の形態を以下の表に示す。
【0039】
【表3】
Figure 0003539874
【0040】
この表に示されるゴルフクラブは、たわみ角θを10.9度以上、望ましくは11.3度以上とした場合の実施の形態を示したものである。したがって、上述したように、クラブヘッドの重心深度が多少浅くても、インパクト時にフェース面を上向き傾向にすることができ、飛距離の増大が図れる。
【0041】
第2の変形例として、例えば図6(a)に示すように、ネック10bを有する標準型のクラブヘッド10の重心深度Dを比較的大きくすることによって、上記実施の形態と同様の作用効果を実現することができる。
【0042】
この第2の変形例によれば、重心深度Dをプレーヤーの好みや力量に応じて適宜調節することによって、シャフト1の先端領域のたわみ量を所望の値まで容易に増大させることができるため、たわみ角が比較的小さいシャフト1を用いた場合でも、上記実施の形態と同様の作用効果を実現することができる。なお、たわみ角の大きなシャフト1は、スイング中の違和感が従来品に比べて強くなる傾向にあるが、第2の変形例のように重心深度Dを比較的大きくすることによって、たわみ角の小さなシャフト1を用いることが可能となる。この結果、スイング中の違和感を可能な限り減少させることができる。
上記したような構成を有して作成された第2変形例に係るゴルフクラブの実施の形態を以下の表に示す。
【0043】
【表4】
Figure 0003539874
【0044】
この表に示されるゴルフクラブは、重心深度Dを35.5mm以上、望ましくは、37.0mm以上とし、更に、たわみ角θを11.0度以上、望ましくは11.4度以上とした場合の実施の形態を示したものである。この場合、インパクト時にフェース面を上向き傾向にすることができ、飛距離の増大が図れる。
【0045】
第3の変形例として、ネック10b(図3参照)を取り除いたクラブヘッド10にシャフト1が差込可能な凹部20(図5参照)を設けると共に、クラブヘッド10の重心深度Dを比較的大きくすることによって、上記実施の形態と同様の作用効果を実現することができる。
【0046】
この第3の変形例によれば、凹部20の形状・寸法並びに重心深度Dをプレーヤーの好みや力量に応じて適宜調節することによって、シャフト1の先端領域のたわみ量を所望の値まで容易に増大させることができるため、たわみ角が更に小さいシャフト1を用いた場合でも、上記実施の形態と同様の作用効果を実現することができる。なお、たわみ角の大きなシャフト1は、スイング中の違和感が従来品に比べて強くなる傾向にあるが、第3の変形例のように凹部20を設けると共に重心深度Dを比較的大きくすることによって、たわみ角の更に小さなシャフト1を用いることが可能となる。この結果、スイング中の違和感を可能な限り減少させることができる。
上記したような構成を有して作成された第3変形例に係るゴルフクラブの実施の形態を以下の表に示す。
【0047】
【表5】
Figure 0003539874
【0048】
この表に示されるゴルフクラブは、重心深度Dを35.5mm以上、望ましくは、37.0mm以上とし、更に、たわみ角θを10.7度以上、望ましくは11.1度以上とした場合の実施の形態を示したものである。この場合、インパクト時にフェース面を上向き傾向にすることができ、飛距離の増大が図れる。
【0049】
ここで、上記の第1〜第3変形例に係る各々のゴルフクラブと、従来のゴルフクラブとを、同一の条件で比較試験した結果を以下に示す。なお、試験は、メンズ・アベレージ用、メンズ・ハードヒッター用、レディース用すべてについて行った。
【0050】
【表6】
Figure 0003539874
【0051】
上記試験結果から明らかなように、第1〜第3変形例に係るゴルフクラブは、いずれも、従来例と比較して飛距離が向上していることが分かる。
ところで、上記一実施の形態並びに第1〜第3変形例に係る各々のゴルフクラブにおいて、たわみ角の大きなシャフトには、トウダウン現象が強く現れる。
【0052】
具体的には、図6(b)及び図7に示すように、クラブヘッド10の重心距離Eのトウ側方向成分の長さKに比例してトウダウン現象が増減し、この長さKが大きくなるに従ってトウダウン現象が大きく現れる。この場合、ライ角γ(図6(b)参照)を予めアップライトに設定すれば、トウダウン現象を小さくすることが可能であるが、これでは、アドレス時にプレーヤーに見た目の違和感を与えると共に、スイング時にライ角γの変化等が大きくなってしまうといった問題が残る。
【0053】
このような問題を解消しつつ同時にトウダウン現象を小さくするためには、長さKが小さくなるように重心Gの位置を設定すれば良い。
以下、クラブヘッド10の重心距離Eのトウ側方向成分の長さKを設定する方法について説明する。
【0054】
まず、図6(b)に示すように、重心Gからシャフト軸線Sに垂線Hを立て、この垂線Hとシャフト軸線Sとの交点Nを求める。この場合、重心距離Eは、交点Nと重心Gとの間の長さとなる。
【0055】
次に、重心アングルεを測定する。
図8には、重心アングルεを測定するための装置が示されており、ゴルフクラブのシャフト1を回転自在に支持する一対の支持部24と、重心アングルεを測定する角度検出装置(図示しない)とを備えている。
【0056】
まず、シャフト1を一対の支持部24上に載置すると、シャフト1は回転フリー状態になるため、ゴルフクラブは、クラブヘッド10の重心Gが重力によって引かれる方向に、回転して安定する。
【0057】
この状態において、重心Gは、装置の水平基準面V1から垂直方向に延出する重心アングル基準面V2上に位置付けられる。
このとき、クラブヘッド10のフェース面10aと重心アングル基準面V2との間には、所定の傾斜角度εが形成され、この傾斜角度εを重心アングルとして測定する。なお、重心アングルεは、例えばフォーティーン社製の重心アングル測定器(FG104RM)を用いても測定することができる。
【0058】
この場合、重心アングル基準面V2と重心アングルεとは、図7に示すような位置関係に規定されるため、クラブヘッド10の重心距離Eのトウ側方向成分の長さKは、
【0059】
【数1】
Figure 0003539874
なる関係式によって求めることができる。
【0060】
従って、この長さKが小さくなるように重心Gの位置を設定すれば、上記一実施の形態並びに第1〜第3変形例に係る各々のゴルフクラブにおいて、トウダウン現象を減少させることができる。なお、長さKは、ヒール側のフェース面10aが小さくなり過ぎないように、25.0mm〜34.0mm、望ましくは、25.0mm〜30.0mmに設定することが好ましい。
【0061】
トウダウン現象を減少させる他の方法としては、例えば図9(a)に示すように、凹部20をフェース側方向のみに延出させることによって、ヒール側方向のシャフト1のしなりを規制するように構成しても良い。この構成によれば、シャフト1は、フェース側方向にしなり易くなり、インパクトエリアにおいて、フェース面10aが上向き傾向となり、更に、トウダウン現象を抑えたゴルフクラブを実現することができる。
【0062】
また、例えば図9(b)に示すように、凹部20をフェース側及びバック側の両方向に延出させても良い。この構成によれば、シャフト1は、フェース側及びバック側の両方向にしなり易くなり、インパクトエリアにおいて、フェース面10aが上向き傾向となり、更に、トウダウン現象を抑えたゴルフクラブを実現することができる。
【0063】
更に、例えば図9(c)に示すように、凹部20を略扇形状に形成することによって、ヒール側及びバック側のシャフト1のしなりを規制するように構成しても良い。この構成によれば、シャフト1は、フェース側及びトウ側に亘って略扇形方向にしなり易くなるため、トップでの切り返しが容易になると共に、インパクトエリアにおいて、フェース面10aが上向き傾向となり、更に、トウダウン現象を抑えたゴルフクラブを実現することができる。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、ボールの打ち出し角度を最適化し、且つ、インパクト時にボールに与えられるスピン量を減少させることによって、ボールの初速度を減少させること無く、飛距離を増大させることが可能なゴルフクラブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は、シャフトのたわみ角が相互に異なるゴルフクラブのインパクト前後のシャフトの状態を示す図。
【図2】(a),(b)は、クラブヘッドの重心深度が相互に異なるゴルフクラブのインパクト時のシャフトの状態を示す図。
【図3】(a)は、クラブヘッドのリアルロフト角及び重心深度を説明するための図、(b)は、クラブヘッドのライ角を説明するための図。
【図4】たわみ角の測定方法を示す図であり、(a)は、ゴルフクラブの全体構成を示す図、(b)は、ヘッドを取り外して片持ち支持した状態を示す図、(c)は、ヘッドの嵌合端部である基準点にて、荷重を付加した状態を示す図。
【図5】本発明の第1の変形例に適用したクラブヘッドの構成を示す図であり、(a)は、クラウン側から見た図、(b)は、フェース側から見た図、(c)は、凹部にシャフトが差し込まれた状態を示す部分断面図。
【図6】(a)は、本発明の第2の変形例に適用したクラブヘッドの構成を示す図、(b)は、クラブヘッドの重心距離のトウ側方向成分を規定した状態を示す図。
【図7】重心距離と重心アングルとに基づいて、重心距離のトウ側方向成分の長さを設定する方法を説明するための図。
【図8】重心アングルを測定する方法を説明するための図であり、(a),(b)は、夫々、重心アングルを測定するための装置にゴルフクラブがセットされた状態を示す図、(c)は、重心アングルを測定している状態を説明するための図。
【図9】(a),(b),(c)は、夫々、クラブヘッドに形成された凹部の種々の変形例を示す図。
【符号の説明】
1 シャフト
5 グリップ
10 クラブヘッド

Claims (2)

  1. 先端にヘッドが固定されるシャフトを、強化繊維を引き揃えたシートに合成樹脂を含浸させたプリプレグシートを巻回して形成し、このシャフトを基端部を固定して片持ち支持し、ヘッドの嵌合端部を基準点として、この基準点で、前記固定した位置と基準点との間の長さに対して一定比率となるように前記固定した位置と基準点との間の長さの0.1倍の量だけたわませたときに、前記基準点における接線と前記片持ち支持したときの軸線との間のたわみ角を11.0度以上で13.8度以内に形成すると共に、ヘッドの重心とこの重心からフェース面に垂線を下ろしたときの交点との間の距離である重心深度を35.5mm以上に形成したことを特徴とするゴルフクラブ。
  2. 前記ヘッドの重心距離のトウ側方向成分の長さは、34.0mm以下で25.0mm以上に形成したことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ。
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