JP3539590B2 - 検証機能付ホログラムカード及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、情報記録媒体,特にプリベイトカード,キャシュカードのように偽造防止と装飾効果の高いホログラムを有するホログラムカードに係り、詳しくは機械および目視による検証機能を具備し容易に作製し得る検証機能付ホログラムカード及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種のホログラムは公知技術であり、その優れた立体的美観を有することと複製や偽造が困難であることからカードを始め各種の商品の偽造防止手段としてこれ等に貼着され広く利用されている。また、検証機能を有するホログラムとしては、可視波長領域のレーザ光を照射することによって情報が再生し、目視で確認出来る単一光再生型ホログラムがある。また、画像の美しいレインボーホログラムと組み合わせて装飾効果を得ることの出来るホログラムカードもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記の単一光再生型ホログラムの場合、情報の目視確認が可能であるが、このホログラムは見た目には画像のない無地柄のもので装飾効果が失われる問題点を有する。また、レインボーホログラムと組み合わせたホログラムの場合には優れた装飾効果を得ることが出来るが取り扱われる画像の内容が制限され、広範囲の用途に供することが出来ない問題点がある。いずれにしても、近年の加工技術の進歩によりホログラムは容易に複製可能となってきており、検証機能も固定情報のみでは必ずしも偽造防止が万全でなくなってきている。
【0004】
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑み為されたもので、その目的とするところは、ホログラムの偽造防止効果および装飾効果を損なうことなく、更に任意情報の記録・消去が可能な検証機能を付与したホログラムカード及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、所定の形状を有する基板の片面もしくは両面に少なくとも、反射型ホログラム層と、光透過性の光磁気層とを順に設けたホログラムカードにおいて、前記基板と前記反射型ホログラム層との間に磁気層を設けたことを特徴とする検証機能付ホログラムカードである。
【0006】
また、請求項2の発明は、前記光磁気層が、ビスマス希土類鉄ガーネット結晶の磁性粉末を含有していることを特徴とする検証機能付ホログラムカードである。
【0007】
また、請求項3の発明は、前記ビスマス希土類鉄ガーネット結晶の磁性粉末が、R3-x BixFe5-yMyO12(1.8≦x≦3.0,0≦y≦5)で表わされる組成を有するものであることを特徴とする検証機能付ホログラムカードである。但し、Rは、Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Ea,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびLaからなる群より選ばれる一種以上の希土類元素を示し、BiはRと置換する元素、FeはMと置換する元素、MはAl,Ga,Cr,Mn,Sc,In,Ru,Rh,Co,Fe(II),Cu,Ni,Zn,Li,Si,Ge,Zr,Ti,Hf,Sn,Pb,Mo,VおよびNbからなる群より選ばれる一種以上の元素を示し、RおよびBiはガーネット結晶構造においてcサイトを占め、FeおよびMはガーネット結晶構造においてa及び/又はdサイトを占め、Oはガーネット結晶構造においてhサイトを占めるものである。
【0008】
さらに、請求項4の発明は、支持体上に剥離性保護層、光透過性の光磁気層、ホログラム形成面を有する透明なホログラム形成層、反射性薄膜層、磁気層および接着層を順に形成する工程と、該接着層を介して前記剥離性保護層、光磁気層、ホログラム形成層、反射性薄膜層および磁気層からなる積層体を前記支持体から別の基板に転写する工程とを行うことを特徴とする検証機能付ホログラムカードの製造方法である。
【0009】
【作用】
本発明によると、基板上に磁気層と反射型ホログラム層と光透過性の光磁気層とを積層してなるホログラムカードに磁気ヘッドにより任意の磁界パターンを記録し、検証装置により観察すると、前記光磁気層に印加された磁界パターンが明瞭なコントラストパターンとして検知され、しかもこの記録された磁気情報は磁気ヘッド等により消去可能であり、異なる任意の磁界パターンを何度でも記録・消去することができるため、ポイントカード的な情報の記録保持ができる他、カードの偽造防止手段として、真偽判定を行う時のみに情報の記録・検証・消去を行えば、磁界パターンの存在を察知されることも無いので、これにより効果的に偽造防止が図れる。
【0010】
また、前記光磁気層に1.8≦x≦3.0を満足するビスマス希土類鉄ガーネット微粒子を使用することにより、淡色で光透過性がよく、ホログラム形成層のホログラムを観察することが可能で、ホログラムカードとしての通常の機能を果たすことが出来る。
【0011】
また、このような検証機能を具備したホログラムカードは転写法により容易に作製することが可能である。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面に基づき詳しく説明する。
【0013】
図1は本発明の一実施例のホログラムカードの検証方法を説明するための構成図、図2は図1における磁気層に記録された磁界パターンを示す平面図、図3は本実施例のホログラムカードの具体的な積層構造を示す断面図、図4は本実施例のホログラムカードの製造方法を説明するためのフローチャート、図5は本実施例のホログラムカードを製造する際に用いられる転写箔の構造を示す断面図、図6は本実施例のホログラムカードの最終製造工程における転写処理を示す断面図、図7はホログラム形成層のホログラム加工方法を説明するための断面図、図8は本実施例に使用される高濃度ビスマス置換鉄ガーネット微粒子の製造方法の一例を示すフローチャートである。
【0014】
まず、図3により本実施例のホログラムカード1の積層構造を説明する。
【0015】
これによれば、本実施例のホログラムカード1は、基板2の上には接着層3が積重され、その上に磁気層4が積重され、その上に反射性薄膜層5が積重され、その上にホログラム形成面11(図7参照)を有するホログラム形成層6が積重され、その上に高濃度ビスマス置換鉄ガーネット微粒子を分散した光磁気層7が積重され、更にその上に剥離性保護層8が積重されており、上記基板2から剥離性保護層8までの積層構造のものからなっている。なお、光磁気層7は透過性に優れるためホログラム形成層5の上層に形成されてもホログラム形成層のホログラムを認識することの障害にはならない。
【0016】
次に、図4のフローチャートおよび図5乃至図7により、本実施例のホログラムカード1の製造方法を説明する。
【0017】
まず、図5に示すように厚さ25[μm]のポリエチレンテレフタレートフイルムの支持体9を最下層に配置する(ステップ200)。支持体9としては、転写時の熱圧で軟化変形しない耐熱性を有するものが望ましく、他にはポリエチレンナフタレートフィルム等が挙げられる。
【0018】
その上にまず、たとえばアクリル樹脂30部と、ポリエチレンワックス5部と、トルエン40部と、メチルエチルケトン40部と、メチルイソブチルケトン20部の配合比からなる組成物をグラビアコーティング法により塗布厚さ2.0[μm]で塗布し(ステップ201)、乾燥温度110[℃]で乾燥させて剥離性保護層8を形成する(ステップ202)。剥離性保護層8は、ホログラムカードの基材となる基板2に接着層3を介して熱転写させる際に、上記支持体9から容易に剥離するとともに、転写された接着層3やホログラム形成層6や光磁気層7等について外部からの化学的、機械的損傷を防止する保護膜の機能を有することが必要であり、通常樹脂と滑材、及び各種充填剤からなるものである。使用できる樹脂としては、熱可塑性アクリル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、耐熱性アクリル系エマルジョン樹脂、各種UV硬化型樹脂等の耐熱性を有する硬い樹脂が用いられる。滑材には、シリコン系、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸、フッ素系等のものも使用できるが、耐摩擦性と加熱時の塗膜保護性や滑り性能を考えるとワックス系の滑材を用いるのが好ましく、融点としては30〜150℃の範囲のパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、モンタンワックス、低分子ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、低分子ポリプロピレンワックス、各種脂肪酸、モノアマイド系、ビスアマイド系、牛脂系等の各種天然及び合成ワックスを単独もしくは混合系で添加するのが良い。
【0019】
次に、その剥離性保護層8の上に高濃度ビスマス置換鉄ガーネット微粒子からなる鉄ガーネット粉末20部と、ポリエステル20部と、分散剤5部と、メチルエチルケトン40部と、トルエン15部の配合比の組成物からなる光磁気組成物をグラビアコーティング法により塗布厚さ2.0[μm]で塗布し(ステップ203)、乾燥温度110[℃]で乾燥させて光磁気層7を形成する(ステップ204)。上記高濃度ビスマス置換鉄ガーネット微粒子については後でさらに詳しく説明する。
【0020】
次に、その上にアクリルポリオール20部と、トリレンジイソシアネート5部と、メチルエチルケトン60部と、トルエン20部の配合比の組成物からなるホログラム形成組成物をグラビアコーティング法により塗布厚さ2.0[μm]で塗布し(ステップ205)、乾燥温度110[℃]で乾燥させてホログラム形成層6を形成する(ステップ206)。ホログラム形成層6としては、エンボス成形性が良好でプレスムラが生じ難く明るい再生像が得られるものが望ましく、上記のような2液反応型ウレタン樹脂を使用することにより良い結果が得られる。この様な2液反応型ウレタン樹脂は、耐熱性、耐溶剤性、加工性等の諸物性から、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等のポリオール成分と、イソシアネート基を持つプレポリマーとから成るポリオール硬化型ウレタン樹脂が適している。上記イソシアネート成分としては、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が適用できる。
【0021】
この場合、図7に示すように、ホログラム形成層6に、約160[℃]で加熱した微細なホログラムの凹凸パターンが形成されたニッケル製のプレス版12を押圧し、ホログラム形成面11を形成する(ステップ207)。
【0022】
次いで、上記ホログラム形成層6のホログラム形成面上に真空蒸着法等によって膜厚約500オングストロームのアルミニウムによる反射性薄膜層5を形成する(ステップ208)。
【0023】
反射性薄膜層5としては、上記Alの他にSn、Te、In、Cu、Bi、Zn、Pb等の金属単体あるいはこれらの金属の合金、化合物等を真空蒸着、スパッタリング、メッキ、転写、ラミネート等の方法によって形成することができるが、反射性薄膜層5の厚さは100〜10000オングストロームの範囲が適当である。
【0024】
次に、その反射性薄膜層5の上に、磁性粉(1750エルステッド(Oe)、バリウムフェライト)100部と、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体20部と、ポリウレタン樹脂15部と、着色カーボンブラック5部と、分散剤3部と、トルエン40部と、メチルエチルケトン40部と、メチルイソブチルケトン20部の配合比の組成物からなる磁気塗料をグラビアコーティング法により塗布厚さ12[μm]で塗布し(ステップ209)、乾燥温度140[℃]で乾燥させて磁気層4を形成する(ステップ210)。
【0025】
次に、ポリエステル10部と、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体15部と、メチルエチルケトン30部と、トルエン30部の配合比からなる組成物をグラビアコーティング法により塗布厚さ2.0[μm]で塗布し(ステップ211)、乾燥温度110[℃]で乾燥させて接着層3を形成する(ステップ212)。
【0026】
以上により支持体9,剥離性保護層8,光磁気層7,ホログラム形成層6,反射性薄膜層5,磁気層4および接着層3の積層体からなる転写箔10が完成する(ステップ213)。
【0027】
次に、図6に示すように、上記転写箔10の接着層3を、たとえばポリエチレンテレフタレートからなる、厚みが188[μm]の基板2上に熱圧接着し(ステップ214)、支持体9を剥離性保護層8から剥離することにより(ステップ215)、本実施例のホログラムカード1を作製することが出来る(ステップ216)。この場合の基板2としては上記の他に、ポリカーボネートやポリ塩化ビニル、その他の高分子材料からなるプラスチックフィルムや情報記録用紙・アート紙・コート紙等の紙類、金属板やガラス板等が必要に応じて用いられる。
【0028】
次に、本実施例のホログラムカード1の検証手段乃至は検証方法について説明する。
【0029】
図1に示すように、ホログラムカード1の磁気層4には、磁気ヘッド等により例えば図2に示すような磁界パターン13が記録される。この磁界パターン13は光磁気層7に印加され磁気マークを形成する。ホログラムカード1の真上にはハーフミラー14が設けられ、その真上には検光子15が配置される。ハーフミラー14の真横には偏光子16が配置される。このような配置において、光源17より発した光18は偏光子16により直線偏光となった後、ハーフミラー14を通りホログラムカード1に達する。光18はホログラムカード1で磁気光学効果(磁気ファラデー効果)により偏光面の回転を受けた後、反射してハーフミラー14を通過し、検光子15を経て観察者の目19に入り、目視観察される。この時、磁気層4に記録された磁界パターン13に従って光の濃淡のコントラストが生じ磁気マークを目視で観察することが出来る。磁気マークを特別なものに設定することにより、ホログラムカード1の真偽の判定が正確に出来る。勿論、磁気層4の磁界パターン13は図2に示すものには限られず、任意のマーク,文字,パターンでよい。
【0030】
また、磁気層4に記録された磁気情報は磁気ヘッド等により消去も可能であり、異なる任意の磁界パターンを何度でも記録・消去することができるため、ポイントカード的な情報の記録保持ができる他、真偽判定を行う時のみに情報の記録・検証・消去を行えば、磁界パターンの存在を察知されることも無いので、これにより更に偽造防止効果の向上が図れる。
【0031】
図1は目視観察の場合であるが、検光子15を通過した光を光検出器で電気信号に変換し、再生信号を出力することにより機械的な自動検証が可能である。
【0032】
以上の説明によって明らかなように、本発明のホログラムカード1を用いることにより偽造防止が確実に行われると共に、光磁気層7の良好な光透過性により各種の画像のホログラムを明瞭に観察することが出来、装飾効果を上げることが出来る。
【0033】
ところで従来より、ビスマス希土類鉄ガーネット結晶の微粒子が磁気光学効果が優れる材料として認識され、この微粒子を利用した薄膜媒体が広く使用されている。例えば、この微粒子を用いた磁性インキを塗布して薄膜層を形成する技術は広く利用されている。一般に、ビスマスBiの量が増す程、光透過性が高くなる。しかしながら、従来は一般式R3-xBixFe5-yMyO12で表わされる結晶構造のビスマス鉄ガーネットは化学量論により限界とされているx=1.8を越えるものを作製することが困難であった。例えば、第16回日本応用磁気学会学術講演概要集(1992)の9PG−1に記載される「塗布型光磁気記録媒体の基本特性」に関する論文に明記されるように、各Bi置換量の生成相にはBi=1.8置換の範囲までガーネット単相領域が存在したが、それ以上のBi置換ではガーネット相の他にオルソフィライトおよびBi2Fe4O3の生成が観測され、Bi置換の限界はx=1.8であると考えられると記載されている。一方、前記したようにビスマス鉄ガーネット微粒子は磁気光学効果に優れるが、これを利用する際には結着剤(バインダ)が必要になり、このために磁気光学特性が低下すると共に、光透過性に関しても無機結晶の鉄ガーネット微粒子と有機物である結着剤との混合系からなるため屈折率の差が存在し、この差が光の透過過程に大きく影響するためエピタキシャル薄膜などの単相膜に比較して透過性が低下する問題点がある。そのため、ビスマス希土類鉄ガーネット微粒子のxの値を1.8≦x≦3.0とする高濃度ビスマス置換鉄ガーネット微粒子またはx=3.0の完全ビスマス置換鉄ガーネット微粒子を製作し、磁気光学特性および光透過性を向上することが本発明において有利である。
【0034】
本出願人らは、前記したように化学量論において困難とされていた1.8≦x≦3.0のビスマス希土類鉄ガーネット微粒子を作製することに成功し、光磁気層にこの高濃度ビスマス置換鉄ガーネット微粒子を分散させてことにより、その磁気光学特性および光透過性の高い性質を利用したホログラムカード及びその製造方法を完成したものである。すなわち、本発明は、磁気光学特性および光透過性の高いビスマス希土類鉄ガーネット微粒子を含有する光磁気層を具備せしめて偽造防止を図り、かつ装飾効果のある各種のホログラム画像を得ることの出来る検証機能付ホログラムカード及びその製造方法を提供している。
【0035】
ここで、高濃度ビスマス置換鉄ガーネット微粒子の製造方法の概要を図8のフローチャートにより説明する。
【0036】
この場合、RとしてはY(イットリウム)を採用し、y=0の結晶構造を採用した。すなわち、一般式で表示するとY3-xBixFe5O12の結晶構造となる。
【0037】
まず、x<1.8の範囲従来技術で作製可能なビスマス置換鉄ガーネット微粒子である種微粒子を製造する。すなわち、硝酸イットリウム(Y)46[g]と硝酸ビスマス(Bi)87[g]と硝酸鉄(Fe)202[g]の組成で混合水溶液を調製し(ステップ100)、アンモニア水(NH4OH)と混合する(ステップ101)。これにより、共沈反応で水酸化物の沈殿物を生成し(ステップ102)、これを濾過,分離しスラリと濾液とに分ける(ステップ103)。次に、このスラリを水で洗浄し(ステップ104)、この工程を数回繰り返し行う。次に、乾燥し(ステップ105)、ケーキを微粉化し(ステップ106)、適温で焼成処理を行い(ステップ107)、種微粒子を結晶成長させる(ステップ108)。一方、1.8≦x≦3.0の範囲で硝酸イットリウム,硝酸ビスマス,硝酸鉄の混合水溶液を調製する(ステップ109)。具体的に、x=2.2とし硝酸イットリウム31[g]と、硝酸ビスマス106[g]と、硝酸鉄202[g]を混合する。次に、この混合体に前記(ステップ108)で得られた種微粒子を混合し(ステップ110)、前記工程と同様にアンモニア水と混合し(ステップ111)、沈殿物を生成し(ステップ112)、濾過,分離を行い(ステップ113)、水洗浄(ステップ114)を繰り返し行い、乾燥(ステップ115)、微粉化(ステップ116)および焼成処理を行い(ステップ117)、高濃度ビスマス置換鉄ガーネット微粒子が種微粒子を核としてエピタキシャル的に結晶成長される。すなわち、従来困難であった高濃度ビスマス置換鉄ガーネット微粒子はx<1.8の組成物のビスマス置換鉄ガーネット微粒子を核としてそれと1.8≦x≦3.0の組成物を混合し、所定の熱処理を行うことにより作製することが出来る。
【0038】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0039】
1)本発明のホログラムカードを磁気層と反射型ホログラム層と光透過性のある光磁気層とを含むものから形成し、当該光磁気層を介して所望の記録した磁界パターンを検出することによりカードの真偽の検証を行えるのでカードの偽造防止が確実に行われる。
【0040】
2)本発明のホログラムカードは磁気層に任意の情報を何度でも記録・消去できるので、カードの真偽判定時のみに任意の磁界パターンの記録・検証・消去を行えば、検証機能の存在を察知されることが無いため、更に偽造防止効果が向上する。
【0041】
3)本発明のホログラムカードに光を照射することにより機械および目視のいずれの方法によってもカードの検証が簡単に行える。
【0042】
4)本発明のホログラムカードは光磁気層がほぼ透明に形成されるため、ホログラム形成層のホログラムを観察することが出来るので、ホログラムの装飾効果は損なわれない。
【0043】
5)本発明のホログラムカードは転写箔を利用した転写法により容易に作製が可能である。
【0044】
6)本発明のホログラムカードはプリベイトカード,キャシュカード,IDカード,ICカード,光カード,ポイントカード,入場券等の広範囲な媒体に適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るホログラムカードの検証方法を説明するための構成図である。
【図2】ホログラムカードの磁気層に記録される磁界パターンの一例を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施例のホログラムカードの積層構造を示す断面図である。
【図4】同実施例のホログラムカードの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図5】同実施例のホログラムカードを製造する際に用いられる転写箔の構造を説明するための断面図である。
【図6】同実施例のホログラムカードの最終製造工程における転写処理を示す断面図である。
【図7】同実施例におけるホログラム形成層のホログラム加工方法を説明するための断面図である。
【図8】同実施例のホログラムカードの光磁気層に使用される高濃度ビスマス置換鉄ガーネット微粒子の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 ホログラムカード
2 基板
3 接着層
4 磁気層
5 反射性薄膜層
6 ホログラム形成層
7 光磁気層
8 剥離性保護層
9 支持体
10 転写箔
11 ホログラム形成面
12 プレス版
13 磁界パターン
14 ハーフミラー
15 検光子
16 偏光子
17 光源
18 光
19 観察者の目
Claims (4)
- 所定の形状を有する基板の片面もしくは両面に少なくとも、反射型ホログラム層と、光透過性の光磁気層とを順に設けたホログラムカードにおいて、前記基板と前記反射型ホログラム層との間に磁気層を設けたことを特徴とする検証機能付ホログラムカード。
- 前記光磁気層は、ビスマス希土類鉄ガーネット結晶の磁性粉末を含有していることを特徴とする請求項1記載の検証機能付ホログラムカード。
- 前記ビスマス希土類鉄ガーネット結晶の磁性粉末は、R3-x BixFe5-yMyO12(1.8≦x≦3.0,0≦y≦5)で表わされる組成を有するものであることを特徴とする請求項2記載の検証機能付ホログラムカード。但し、Rは、Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Ea,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびLaからなる群より選ばれる一種以上の希土類元素を示し、BiはRと置換する元素、FeはMと置換する元素、MはAl,Ga,Cr,Mn,Sc,In,Ru,Rh,Co,Fe(II),Cu,Ni,Zn,Li,Si,Ge,Zr,Ti,Hf,Sn,Pb,Mo,VおよびNbからなる群より選ばれる一種以上の元素を示し、RおよびBiはガーネット結晶構造においてcサイトを占め、FeおよびMはガーネット結晶構造においてa及び/又はdサイトを占め、Oはガーネット結晶構造においてhサイトを占めるものである。
- 支持体上に剥離性保護層、光透過性の光磁気層、ホログラム形成面を有する透明なホログラム形成層、反射性薄膜層、磁気層および接着層を順に形成する工程と、該接着層を介して前記剥離性保護層、光磁気層、ホログラム形成層、反射性薄膜層および磁気層からなる積層体を前記支持体から別の基板に転写する工程とを行うことを特徴とする検証機能付ホログラムカードの製造方法。
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