JP3539316B2 - ラジエータ用ファンシュラウド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジエータの背面にあって冷却ファンの周囲を囲むように設けられるラジエータ用ファンシュラウドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、車両のエンジンルームに搭載されるラジエータの背面には冷却ファンが配置され、この冷却ファンによって、車両停止時(アイドリング時)や低速走行時といった走行風の少ない若しくは無い状態でのラジエータを通過する空気の流量が確保されている。
【0003】
また、ラジエータ通過後の空気を効率良く冷却ファンに導くために上記ファンシュラウドを設けて、同冷却ファンによる冷却効率を向上させるとともに、エンジンルーム内の熱気がラジエータに至らないようにしたものもよく知られている。
【0004】
ところで、このようなファンシュラウドにあっては通常、上記のように走行風の少ない状態では冷却ファンによる冷却効率が向上されるものの、車両が高速で走行するなどして、ラム圧によりラジエータに大量の空気が導入されるような場合には、同ファンシュラウドや冷却ファンが流路抵抗となってラジエータの放熱効率を低下させてしまう。
【0005】
そこで従来は、例えば特開昭56−60818号公報に見られるように、ラム圧の大きさによって開閉するダンパが設けられた通気孔を備えることによって、高速走行時における空気の流路を確保するようにしたファンシュラウド等も提案されている。このファンシュラウドでは、通常、上記ダンパは閉じられており、車両速度の上昇によってラム圧が増大したときに、この増大したラム圧の大きさに応じて上記ダンパが開かれる構造となっている。すなわち、ラム圧の大きさに応じて空気の流量が確保されるようになっている。
【0006】
また、こうしたラム圧の大きさに応じて空気の流量を確保するように構成されているファンシュラウドとしては他に、実開昭57−158928号公報に記載のものも知られている。このファンシュラウドは左右に分割できる構造とされ、この左右の分割体がラム圧の大きさに応じていわゆる観音開き状態に開かれる構造となっている。こうした構造のファンシュラウドによっても、ラム圧に応じた空気の流量は確保される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上記構成を有するファンシュラウドによれば、アイドリング時若しくは低速走行時におけるラジエータの放熱効率を確保しつつ、高速走行時には、上記ダンパあるいは上記分割構造を通じてラジエータを通過する空気の流量を確保することができるようになる。
【0008】
ところが、上記従来のファンシュラウドにあってはいずれも、その構成要素として可動部の配設が必須となっているため、構成が複雑であるとともに、同可動部の劣化も避けきれないものとなっている。特に、同可動部が劣化して例えば前記通気孔を塞ぐことができなくなったときには、アイドリング時若しくは低速走行時、冷却ファンによる冷却効率が低下するだけでなく、エンジンルーム内の熱気がこの通気孔を介してラジエータに導かれるようになり、ラジエータの冷却効率が低下してしまうこととなる。
【0009】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、可動部を設けることなく、アイドリング時若しくは低速走行時におけるラジエータの放熱効率の確保、並びに高速走行時におけるラジエータの通過空気量の確保を併せ図ることのできるラジエータ用ファンシュラウドを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段およびその作用効果について記載する。
まず、請求項1記載の発明では、ラジエータ背面に置かれる冷却ファンの周囲を囲むように設けられるラジエータ用ファンシュラウドにおいて、前記冷却ファンの側方に設けられた通気孔と、前記通気孔の少なくとも前記冷却ファン側の縁部にあって同冷却ファンにより励起される風の流動方向に突出固定された隔壁とを備え、前記隔壁は、前記通気孔の縁部全周に筒状に形成されるとともに、前記通気孔の縁部側よりもその先端側において開口面積が小となるように形成されてなることとする。
【0011】
上記構成によれば、上記隔壁を通じて通気孔付近の圧力が冷却ファンにより励起される風によって低下(負圧化)するようになる。このため、アイドリング時若しくは低速走行時には、同通気孔を通じてラジエータ側へ流入する空気の流入量を低減することができるようになる。一方、通気孔の隔壁側が負圧化されたとしても、高速走行時には、同通気孔を通じて空気の流路が確保されるようになる。従って、可動部を設けることなく、アイドリング時若しくは低速走行時におけるラジエータの放熱効率の確保、並びに高速走行時におけるラジエータの通過空気量の確保を併せ図ることができるようになる。
【0013】
さらに、隔壁が通気孔の縁部全周に筒状に形成されているため、同通気孔付近の負圧化が更に促進されて、上記アイドリング時若しくは低速走行時におけるラジエータ側への空気の流入量を更に低減することができるようになる。また、通気孔の縁部全周に筒状に隔壁を設けるようにしたことで、同隔壁並びにファンシュラウド自体が補強されることともなる。
【0015】
通気孔が設けられる場合には、その開口面積が大きいほど同通気孔に空気が流入し易い。そして上記構成によれば、通気孔の縁部側、すなわちラジエータ側においてその開口面積が大きく、また隔壁の先端側、すなわちエンジン側において同通気孔の開口面積が小さくなるように形成される。このため、上述したアイドリング時若しくは低速走行時におけるラジエータ側への空気流入の低減、並びに高速走行時におけるラジエータ通過空気量の確保も容易となる。
【0016】
また、請求項4記載の発明では、ラジエータ背面に置かれる冷却ファンの周囲を囲むように設けられるラジエータ用ファンシュラウドにおいて、前記冷却ファンの側方に設けられた通気孔と、前記通気孔の少なくとも前記冷却ファン側の縁部にあって同冷却ファンにより励起される風の流動方向に突出固定された隔壁とを備え、前記通気孔は前記ラジエータ背面に対して差交する面に設けられ、前記隔壁は前記ラジエータ背面と平行する面を有してなることとする。
【0017】
上記構成によれば、上記ラジエータ背面に対して差交する面に設けられた通気孔を通じて、高速走行時における通過空気量についてはこれを確保した上で、上述したアイドリング時若しくは低速走行時におけるラジエータ側への空気の流入をより効率的に阻止できるようになる。
【0018】
また、請求項記載の発明では、請求項記載のラジエータ用ファンシュラウドにおいて、前記ラジエータ背面と平行する面を有する隔壁は、その先端面が同ラジエータ背面から離間する方向に屈曲した形状を有してなることとする。
【0019】
上記構成によれば、冷却ファンにて励起される風は、上記隔壁のラジエータ背面と平行する面、並びに同ラジエータ背面から離間する方向に屈曲した形状を通じて上記通気孔から離間する方向に流れるようになる。従ってこの場合も、通気孔付近では上述した負圧化が促進され、アイドリング時若しくは低速走行時におけるラジエータ側への空気の流入を更に効率的に阻止できるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下に、この発明にかかるラジエータ用ファンシュラウドの第1の実施の形態について説明する。
【0021】
はじめに、車両のエンジンルーム内における同ラジエータ用ファンシュラウドの配設態様について、図1を参照して説明する。
エンジンルーム11の略中央には、エンジン12が搭載され、同エンジン12の車両前側にはラジエータ13が配置されている。このラジエータ13は、その内部をエンジン冷却水が通過する構造となっており、この冷却水は同ラジエータ13内を通過する際に、ラジエータ13に当る空気の流れ(風)により、熱を奪われて冷却される。
【0022】
上記ラジエータ13の背面には、これを覆うようにファンシュラウド14が取付けられており、同ファンシュラウド14の一部位には、同ファンシュラウド14を貫通して車両後側に円筒状に突出するファン開口部15が形成されている。また、同ファン開口部15には、例えば前記エンジン12の出力軸であるクランクシャフトに駆動連結された冷却ファン16が配置されている。このファン16により、強制的にラジエータ13を通過する空気の流れが作られ、車両が停止しているなどして、ラジエータ13にかかるラム圧が無い若しくは小さいときにも、ラジエータ13の冷却効率が確保されるようにしている。
【0023】
また、上記ファンシュラウド14により、ラジエータ13を通過した後の空気が上記冷却ファン16に導かれ、同ファン16の吸気効率が向上される。更に、上記ファンシュラウド14における冷却ファン16の側方には、同ファンシュラウド14を貫通する通気孔(ラム孔)17が設けられている。車両が走行してラジエータ13にかかるラム圧が大きくなったときには、上記ファン開口部15と併せて上記通気孔17からも空気がファンシュラウド背面側の空間(エンジンルーム11)に排出され、ラジエータ13を通過する空気の流量が確保されるようになる。
【0024】
次に、この通気孔17の形状およびその配置について、図2および図3を参照して詳述する。
図2に示されるように、上記ファンシュラウド14における冷却ファン16の側方の一部位が、上記ファン開口部15と同心円の円弧形状に開口されて通気孔17が形成されている。また、図3に示されるように、同通気孔17の周縁全周が車両後ろ方向に筒状に湾曲されて隔壁17aが形成されている。
【0025】
上記ラジエータ13にかかるラム圧が大きい場合には、主にこの通気孔17を通じてラジエータ13を通過する空気の流量が確保される。また逆に、ラジエータ13にかかるラム圧が無い若しくは小さい場合には、主にラジエータ13の背面とファンシュラウド14とで囲まれた空間内(以下、「ファンシュラウド14内」)の空気が前記冷却ファン16にて強制的に排出されることで、ラジエータを通過する空気の流量が確保される。
【0026】
ところで、アイドリング時や車両の低速走行時等、ラジエータ13にかかるラム圧が無い若しくは小さい場合、エンジンルーム11には、上記冷却ファン16によって排出される空気が導入されることとなり、同エンジンルーム11内の圧力に対して、ファンシュラウド14内の圧力が相対的に低くなる。そして、この圧力差によって、ファンシュラウド14内に、エンジンルーム11内の空気(エンジン12の稼働にて熱せられた空気;以下「熱気」)が上記通気孔17を通じて導入されることがある。このようにファンシュラウド14内に熱気が導入される場合には、ラジエータ13にもこの熱気が接するようになり、同ラジエータ13の放熱効率が低下する。
【0027】
そこで、本実施の形態では、上記通気孔17の周縁部にあって冷却ファン16により励起される風の流動方向に筒状に突出固定された隔壁17aを通じて、こうしたエンジンルーム11内からファンシュラウド14内への熱気の導入を阻止若しくは抑制するようにしている。
【0028】
以下、上記通気孔17付近でのこうした熱気の導入を阻止あるいは抑制するメカニズムについて、図4を参照して説明する。
本実施の形態において、前記冷却ファン16としては、同ファン16にて励起される空気の流れ(風)の流動方向がファン16の軸方向から離間する方向に斜流する斜流ファンが用いられている。このため、エンジンルーム11においては、同図4に矢印で示されるように、上記冷却ファン16にて励起された風によって車両斜め後ろ方向に向かう大きな空気の流れが作られる。また、この車両斜め後ろ方向に向かう空気の流れは、上記ファンシュラウド14の背面においては、これも同図4に矢印で示されるように、同ファンシュラウド14に沿って流れる空気の流れとなる。
【0029】
そして、このファンシュラウド14に沿った空気の流れは、同ファンシュラウド14の上記隔壁17aに沿う方向に流れ、通気孔17の開口部に達したところで、同開口部付近の圧力を低下若しくは負圧化するように作用する。こうして通気孔17の開口部付近における圧力が低下若しくは負圧化されることで、エンジンルーム11から同通気孔17を通じてファンシュラウド14内に流入しようとする熱気の流入が阻止若しくは抑制されるようになる。
【0030】
なお、本実施の形態にあっては、上記円弧状に開口される通気孔17の縁部全周に渡って上記隔壁17aを筒状に突出形成しているため、同通気孔17付近の負圧化が更に促進されるようになる。また、通気孔17の縁部全周に筒状に隔壁17aを設けるようにしたことで、同隔壁17a並びにファンシュラウド自体が補強される。
【0031】
また、上記隔壁17aは、通気孔17の縁部側よりもその先端側において開口面積が小となるように形成されているため、同通気孔17の先端側から縁部側へ熱気が流入しにくい形状とされる。
【0032】
更に、図2に示されるように、上記通気孔17が、上記ファン開口部15と同心円の円弧形状に開口されているため、同ファン開口部15と通気孔17との最短距離が、同通気孔17のどの部位においてもほぼ同じ距離になる。すなわち、上記ファンシュラウド14に沿う方向に流れる空気の通気孔17に到達するときの流速が、同通気孔17のどの部位においても均等にされる。従って、通気孔17の隔壁17aを通じて低下若しくは負圧化される圧力を、同通気孔17の開口全体に渡ってほぼ均等なものとすることができるようになる。
【0033】
以上説明したように本実施の形態のファンシュラウドによれば、以下に列記する多くの優れた効果を得ることができるようになる。
(1)冷却ファン16の側方に通気孔17を設けるとともに、この通気孔17の縁部には冷却ファン16により励起される風の流動方向に突出固定される隔壁17bを設けたことで、可動部を設けることなく、アイドリング時若しくは低速走行時におけるラジエータの放熱効率の確保、並びに高速走行時におけるラジエータの通過空気量の確保を併せ図ることができる。
【0034】
(2)隔壁17aを通気孔17の縁部全周に筒状に形成したことで、上記アイドリング時若しくは低速走行時におけるラジエータ側への空気の流入量を更に低減することができる。
【0035】
(3)また、通気孔17の縁部全周に筒状に隔壁17aを設けるようにしたことで、同隔壁17a並びにファンシュラウド14自体を補強できる。
(4)筒状の隔壁17aを、通気孔17の縁部側よりもその先端側において開口面積が小となるように形成したことで、アイドリング時若しくは低速走行時におけるラジエータ側への空気流入の低減、並びに高速走行時におけるラジエータ通過空気量の確保も容易となる。
【0036】
(5)上記通気孔17が、上記ファン開口部15と同心円の円弧形状に開口するように形成したことで、その隔壁17aを通じて低下若しくは負圧化される圧力を同通気孔17の開口全体に渡ってほぼ均等なものとすることができる。
【0037】
(6)冷却ファン16として上述した斜流ファンを用いるようにしたことで、通気孔17の隔壁17aに空気の流れを好適に導くことができる。
[第2の実施の形態]
以下に、この発明にかかるラジエータ用ファンシュラウドの第2の実施の形態について、上記第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0038】
図5および図6に示されるように、この実施の形態のファンシュラウド24では、先の第1の実施の形態においてファンシュラウド14の背面に開口されていた通気孔17が、ラジエータ13の背面と略直交する面24a(ファンシュラウド24側面)に通気孔(ラム孔)27として開口される構造となっている。また、この通気孔27の縁部には、ファンシュラウド24の背面が延設されるかたちで隔壁27aが形成されている。
【0039】
すなわちここでも、冷却ファン16にて励起される風により生じるファンシュラウド24に沿った空気の流れの方向とほぼ同じ方向に隔壁27aが形成されている。そしてこの隔壁27aは、図5に示されるように、ラジエータ13の背面に平行な面を有している。更に、この隔壁27aの先端部には、上記ファンシュラウド24の背面から離間する方向に屈曲した屈曲部27bが設けられている。
【0040】
次に、こうした構造を有するファンシュラウド24において、上記通気孔27付近でのエンジンルーム11からの熱気を阻止あるいは抑制するメカニズムについて、図7を参照して詳細に説明する。
【0041】
このファンシュラウド24にあって、冷却ファン16にて励起される風により生じる空気の流れは、同ファンシュラウド24の背面が延設されている上記隔壁27aを経て通気孔17付近に導かれるようになる。そして、この空気の流れは、上記ファンシュラウド24近傍の屈曲部27bに達したところで、同通気孔27の開口部付近の圧力を低下若しくは負圧化するように作用する。こうして通気孔27の開口部付近の圧力が低下若しくは負圧化されることで、前記エンジンルーム11から同通気孔27を通じてファンシュラウド24内に流入しようとする熱気の流入が阻止、若しくは抑制されるようになる。
【0042】
また本実施の形態にあっては、上記通気孔27がラジエータ13の背面に対して差交する面に設けられ、上記隔壁27aが前記ラジエータ背面と平行する面を有するように形成されるため、上記ラジエータ13の背面に対して差交する面に設けられた通気孔27を通じて、高速走行時における通過空気量が確保された上で、上述したアイドリング時若しくは低速走行時におけるラジエータ側への空気の流入が好適に阻止若しくは抑制される。
【0043】
更に、上記ファンシュラウド24の背面から離間する方向に屈曲した屈曲部27bが設けられている。このため、冷却ファン16にて励起される風が、上記隔壁27aのラジエータ背面と平行する面、並びに屈曲部27bの同ラジエータ13の背面から離間する方向に屈曲した形状を通じて上記通気孔27から離間する方向に流されるようになる。従ってこの場合も、通気孔27付近では上述した負圧化が促進され、アイドリング時若しくは低速走行時においてファンシュラウド24内への熱気の流入を効率良く阻止、若しくは抑制することができるようになる。
【0044】
以上説明したように本実施の形態のファンシュラウドによっても、以下に列記するような多くの優れた効果が得られるようになる。
(1)冷却ファン16の側方に通気孔27を設けるとともに、この通気孔27の縁部には冷却ファン16により励起される風の流動方向に突出固定される隔壁27aを設けたことで、やはり可動部を設けることなく、アイドリング時若しくは低速走行時におけるラジエータの放熱効率の確保、並びに高速走行時におけるラジエータの通過空気量の確保を併せ図ることができる。
【0045】
(2)通気孔27をラジエータ13の背面に対して差交する面に設け、隔壁27aを同ラジエータ13の背面と平行する面に形成するようにしたことで、同通気孔27を通じて、高速走行時における通過空気量についてはこれを確保した上で、上述したアイドリング時若しくは低速走行時におけるファンシュラウド24内への空気の流入をより効率的に阻止できる。
【0046】
(3)また、ラジエータ13の背面と平行する面を有する隔壁27aを、その先端面が同ラジエータ13の背面から離間する方向に屈曲させて屈曲部27bを形成するようにしたことで、アイドリング時若しくは低速走行時におけるラジエータ側への空気の流入を更に効率的に阻止できる。
【0047】
(4)冷却ファン16として上述した斜流ファンを用いるようにしたことで、通気孔27の隔壁27aおよび屈曲部27bに空気の流れを好適に導くことができる。
【0048】
なお、上記各実施の形態は、以下のようにその構成を変更して実施することもできる。
・上記第1の実施の形態では、通気孔17をファン開口部15と同心円の円弧状に開口したが、これを例えば、同ファン開口部15と同心円ではない円弧状や、その他の円あるいは長円状、直線状等、どのような形状で開口してもよい。
【0050】
・上記第1の実施の形態では、隔壁17aを通じて通気孔17の開口部をラジエータ13の背面と直交する方向に設定したが、同開口部はラジエータ13の背面に傾斜する方向に開口するものであってもよい。このように構成しても、上記第1の実施の形態に準じた効果を得ることはできる。
【0051】
・上記第1の実施の形態では、隔壁17aを通気孔の縁部全周に形成させるようにしたが、隔壁17aは通気孔17の縁部全周に形成させる必要はなく、少なくとも冷却ファン16側の縁部に設けるようにすればよい。このように構成しても、ファンシュラウド14に沿った空気の流れによる通気孔27の開口部付近での上述した圧力の低下作用、あるいは負圧化作用を得ることはできる。
【0052】
・上記第2の実施の形態では、通気孔27をラジエータ13の背面に直交する面に開口させるようにしたが、必ずしも同ラジエータ13の背面に直交している必要はなく、これに差交する面であればどのような面に開口させるようにしてもよい。
【0053】
・上記第2の実施の形態では、通気孔17付近に設けた屈曲部27bにて、同通気孔17の開口部付近の圧力を低下若しくは負圧化するようにしたが、この屈曲部27bは必ずしも設けなくてもよい。このように構成しても、ファンシュラウド14に沿った空気の流れによる通気孔27の開口部付近での上述した圧力の低下作用、あるいは負圧化作用を得ることはできる。
【0054】
・上記各実施の形態では、ラム孔を一つのみ設けるようにしたが、複数個設けるようにしてもよい。
・上記各実施の形態では、冷却ファン16としてエンジン12の出力軸であるクランクシャフトに駆動連結されたものを用いているが、同冷却ファンとしては電動ファンを用いるようにしてもよい。このように構成しても、上記各実施の形態と同様の効果を得ることはできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるファンシュラウドの第1の実施の形態についてその配設態様を示す平面図。
【図2】同実施の形態のファンシュラウドの正面構造を示す正面図。
【図3】図2のA−A線に沿った断面構造を示す断面図。
【図4】同実施の形態のファンシュラウドの通気孔付近における空気の流れを模式的に示す拡大断面図。
【図5】本発明にかかるファンシュラウドの第2の実施の形態についてその配設態様を示す平面図。
【図6】同実施の形態のファンシュラウドの正面構造を示す正面図。
【図7】同実施の形態のファンシュラウドの通気孔付近における空気の流れを模式的に示す拡大断面図。
【符号の説明】
11…エンジンルーム、12…エンジン、13…ラジエータ、14,24…ファンシュラウド、15…ファン開口部、16…冷却ファン、17,27…通気孔(ラム孔)、17a,27a…隔壁、27b…屈曲部。

Claims (3)

  1. ラジエータ背面に置かれる冷却ファンの周囲を囲むように設けられるラジエータ用ファンシュラウドにおいて、
    前記冷却ファンの側方に設けられた通気孔と、
    前記通気孔の少なくとも前記冷却ファン側の縁部にあって同冷却ファンにより励起される風の流動方向に突出固定された隔壁とを備え
    前記隔壁は、前記通気孔の縁部全周に筒状に形成されるとともに、前記通気孔の縁部側よりもその先端側において開口面積が小となるように形成されてなる
    ことを特徴とするラジエータ用ファンシュラウド。
  2. ラジエータ背面に置かれる冷却ファンの周囲を囲むように設けられるラジエータ用ファンシュラウドにおいて、
    前記冷却ファンの側方に設けられた通気孔と、
    前記通気孔の少なくとも前記冷却ファン側の縁部にあって同冷却ファンにより励起される風の流動方向に突出固定された隔壁とを備え、
    前記通気孔は前記ラジエータ背面に対して差交する面に設けられ、前記隔壁は前記ラジエータ背面と平行する面を有してなる
    ことを特徴とするラジエータ用ファンシュラウド。
  3. 請求項2記載のラジエータ用ファンシュラウドにおいて、
    前記ラジエータ背面と平行する面を有する隔壁は、その先端面が同ラジエータ背面から離間する方向に屈曲した形状を有してなる
    ことを特徴とするラジエータ用ファンシュラウド。
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