JP3539122B2 - アバランシェフォトダイオードのバイアス電圧制御回路 - Google Patents
アバランシェフォトダイオードのバイアス電圧制御回路 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は受光素子としてアバランシェフォトダイオードを用いた光受信装置におけるアバランシェフォトダイオードのバイアス電圧制御回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は例えば特開平2-126710の従来例に示された従来の光受信装置である。
図5において、1はアバランシェフォトダイオード(以下 APDと記す)、2はプリアンプ、3はAGCアンプ、4はピーク検出回路、5はAPD制御回路、51は電圧制御電流源、52はNPNトランジスタ、53、54は抵抗、55は高電圧発生回路である。
【0003】
次に図5に示す従来の光受信装置の動作について説明する。
図5において、 APD1は光ファイバから光信号が入力され、受信した光電力に比例した電流信号をプリアンプ2へ出力する。プリアンプ2は電流信号を電圧信号に変換してAGCアンプ3へ出力する。AGCアンプ3はピーク検出回路4から出力される利得制御電圧に対応した利得で電圧信号を増幅して予め設定された一定振幅のデータ信号を出力する。ピーク検出回路4はAGCアンプ3の出力信号の振幅値を検出してAGCアンプ3の出力信号が一定振幅となるような利得制御電圧をAGCアンプ3とAPD制御回路5に出力する。APD制御回路5は APD1への供給電圧を出力して APD1の増倍率を制御する。
【0004】
以下説明では、 APD1に入力される光信号電力が小さくなり、AGCアンプ3が最大利得となったのちに、 APD1の増倍率が増加されるように制御される光受信装置について説明する。この場合 APD1に入力される光信号電力が減少してゆき、AGCアンプ3の利得が最大となる光信号電力以下になると、 APD1のバイアス電圧が増加する。これにより APD1の増倍率が増加し、AGCアンプ3の出力信号振幅を一定に制御することができる。
【0005】
次に図5に示すAPD制御回路5の動作について説明する。
APD制御回路5は一端が高電圧発生回路55に接続された抵抗54と、抵抗54の他端に接続された電圧制御電流源51で構成される。電圧制御電流源51はNPNトランジスタ52と抵抗53で構成され、電圧制御電流源51の電流値はNPNトランジスタ52のベースに与えられる電圧によって制御される。また抵抗54と電圧制御電流源51との接続点から APD1のバイアス電圧を供給する。したがって APD1のバイアス電圧はNPNトランジスタ52のベースに与えられる制御電圧によって制御されることとなる。
【0006】
一方 APD1の増倍率 Mは、バイアス電圧 VRと、ブレークダウン電圧 VBによって定まり、次式の関係が成り立つことが知られている。
M = 1/(1 - (VR/VB)N) (1)
ここで Nは APD1によって定まる係数を示している。
ただし APD1は、バイアス電圧がブレークダウン電圧以上になると接合間にブレークダウンを生じて素子が破壊にいたるため、バイアス電圧の最大値が制限される。またバイアス電圧がある限度以下になると端子間容量が急増して高周波特性が劣化するため、バイアス電圧の最小値も制限される。このため、用途に応じて選択された APD1の特性に応じて定まる最大値および最小値の範囲内にバイアス電圧が出力されるようにAPD制御回路5を設計する必要がある。
【0007】
この場合バイアス電圧の最大値は、NPNトランジスタ52がカットオフしたときに与えられ、高電圧発生回路55の電圧から APD1を流れる電流による抵抗54の電圧降下分を差し引いた値となる。高電圧発生回路55の電圧を VH、 APD1に流れる電流を IAPD1、抵抗54の抵抗値を R1とすると、 APD1のバイアス電圧 の最大値VAPD-MAXは次式で与えられる。
VAPD-MAX = VH - IAPD1 x R1 (2)
したがって高電圧発生回路55の電圧 VHが与えられ、 APD1に流れる電流 IAPD1が与えられると、バイアス電圧 の最大値VAPD-MAXは抵抗54の抵抗値 R1で決定される。
【0008】
また式(2)で与えられるバイアス電圧 が最大値となる光信号電力から光信号電力が増加してゆくと、バイアス電圧を下げて増倍率を減少させることによりAGCアンプ3の出力信号振幅を一定に制御する。この場合 APD1のバイアス電圧の最小値は、トランジスタ52が飽和したときに与えられ、高電圧発生回路55の電圧から APD1を流れる電流 IAPD2と、NPNトランジスタ52に流れる電流との和による抵抗54の電圧降下分を差し引いた値となる。NPNトランジスタ52に流れる電流を ITRとすると、 APD1のバイアス電圧の最小値VAPD-MINは次式で与えられる。
VAPD-MIN = VH - (IAPD2 + ITR)x R1 (3)
【0009】
一般に APD1への電流駆動能力を考え、IAPD2 ≪ ITRとなるように回路を設計するので、NPNトランジスタ52の飽和電圧を VSAT、抵抗53の抵抗値を R2とすると、式(2)は次式のように変形できる。
VAPD-MIN = (VH - VSAT)x R2/(R1 + R2)+ VSAT (4)
従って、高電圧発生回路55の電圧 VHが与えられ、NPNトランジスタ52の飽和電圧 VSATが与えられると、 バイアス電圧の最小値 VAPD-MINは抵抗54の抵抗値 R1および抵抗53の抵抗値 R2とで決定される。しかし式(2)で示したように抵抗54の抵抗値 R1はバイアス電圧 の最大値VAPD-MAXを決定するために固定されているので、その値に合わせて抵抗53の抵抗値 R2を決定しなければならない。
【0010】
ここで光信号電力に対する連続的な利得制御を行うために、式(4)によるバイアス電圧の最小値 VAPD-MINは、AGCアンプ3が最大利得となる光信号電力以上において与えられるように設計する必要がある。AGCアンプ3が最大利得となる光信号電力におけるNPNトランジスタ52のベース電圧を VBASE、NPNトランジスタ52のベース-エミッタ間電圧を VBEとすると、AGCアンプ3が最大利得となる光信号電力でのバイアス電圧 VAPDは式(4)によるバイアス電圧の最小値 VAPD-MIN以上である必要があり、次式で与えられる。
VAPD =(VBASE - VBE)x R1/R2
≧ VAPD-MIN (5)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
図5に示す従来のAPD制御回路5では、 APD1に流れる電流 IAPD1、 IAPD2、NPNトランジスタ52の飽和電圧 VSATおよびNPNトランジスタ52のベース電圧 VBASEに対して、式(2)、式(4)、式(5)を満足するように APD1のバイアス電圧の最大値および最小値を決定しなければならず、計算条件が煩雑であるという問題点がある。また最悪の場合には条件を満たす抵抗54の抵抗値 R1および抵抗53の抵抗値 R2が存在しない問題点がある。
【0012】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、 APD1のバイアス電圧の最大値および最小値を簡易な設計方法で決定できるAPD制御回路を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係わるアバランシェフォトダイオードのバイアス制御回路は、電圧制御端子からの電圧によりアバランシェフォトダイオードのカソードに与えるバイアス電圧を制御するアバランシェフォトダイオードのバイアス制御回路において、
高電圧発生回路の出力に抵抗器を介してカソードが接続されたアバランシェフォトダイオードと、前記電圧制御端子からの電圧により前記抵抗器を流れる電流を制御する電圧制御電流源と、前記抵抗器の高位電源側端子にコレクタが接続され、前記抵抗の低位電源側端子にエミッタが接続され、所定の電圧を出力するクリップ端子にベースが接続されたNPNトランジスタとを有し、
前記クリップ端子からの電圧により前記NPNトランジスタが前記アバランシェフォトダイオードのカソードに加わる電圧の下限を決めるものである。
【0014】
第2の発明に係わるアバランシェフォトダイオードのバイアス制御回路は、電圧制御端子からの電圧によりアバランシェフォトダイオードのカソードに与えるバイアス電圧を制御するアバランシェフォトダイオードのバイアス制御回路において、
高電圧発生回路の出力に抵抗器を介して接続され、前記電圧制御端子からの電圧により前記抵抗器を流れる電流を制御する電圧制御電流源と、
前記高電圧発生回路にコレクタが接続され、前記抵抗の前記電圧制御電流源側の端子にベースが接続された第1のNPNトランジスタと、
前記高電圧発生回路にコレクタが接続され、所定の電圧を加えるクリップ端子にベースが接続された第2のNPNトランジスタと、
前記第1および第2のNPNトランジスタのエミッタにカソードが接続されたアバランシェフォトダイオードと、一端が前記第1および第2のNPNトランジスタのエミッタに接続され、他端が接地された定電流源とを有し、 前記クリップ端子からの電圧により前記第2のNPNトランジスタが前記アバランシェフォトダイオードのカソードに加わる電圧の下限を決めるものである。
【0015】
第3の発明に係わるアバランシェフォトダイオードのバイアス制御回路は、電圧制御端子からの電圧によりアバランシェフォトダイオードのカソードに与えるバイアス電圧を制御するアバランシェフォトダイオードのバイアス制御回路において、
高電圧発生回路の出力に抵抗器を介してカソードが接続されたアバランシェフォトダイオードと、前記電圧制御端子からの電圧により前記抵抗器を流れる電流を制御する電圧制御電流源と、コレクタが接地され、前記抵抗の前記電圧制御電流源側端子にエミッタが接続され、所定の電圧を加えるクリップ端子にベースが接続されたPNPトランジスタとを有
し、
前記クリップ端子からの電圧により前記PNPトランジスタが前記アバランシェフォトダ
イオードのカソードに加わる電圧の上限を決めるものである。
【0016】
第4の発明に係わるアバランシェフォトダイオードのバイアス制御回路は、電圧制御端子からの電圧によりアバランシェフォトダイオードのカソードに与えるバイアス電圧を制御するアバランシェフォトダイオードのバイアス制御回路において、
高電圧発生回路の出力に抵抗器を介して接続され、前記電圧制御端子からの電圧により前記抵抗器を流れる電流を制御する電圧制御電流源と、
前記高電圧発生回路に一端が接続された定電流源と、
コレクタが接地され、前記抵抗の前記電圧制御電流源側の端子にベースが接続された第1のPNPトランジスタと、
コレクタが接地され、所定の電圧を加えるクリップ端子にベースが接続された第2のPNPトランジスタと、
前記第1および第2のPNPトランジスタのエミッタにカソードが接続されたアバランシェフォトダイオードと、一端が前記第1および第2のPNPトランジスタのエミッタに接続され、他端が前記高電圧発生回路に接続された定電流源とを有し、前記クリップ端子からの電圧により前記第2のPNPトランジスタが前記アバランシェフォトダイオードのカソードに加わる電圧の上限を決めるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本実施の形態によるAPD制御回路を光受信装置に用いた場合の構成例を示す図である。
図において、5は本実施の形態によるAPD制御回路、50は電圧制御電流源の制御端子、51は電圧制御電流源、52はNPNトランジスタ、53、54は抵抗、55は高電圧発生回路、56はAPDのカソードに加わる電圧、即ちバイアス電圧の出力端子である。57はクリップ電圧入力端子、58はNPNトランジスタである。
他は従来例の図5に示したものと同じで説明を省く。
図1に示すAPD制御回路5は、電圧制御電流源51と抵抗54から成る従来のAPD制御回路に、抵抗54の両端にNPNトランジスタ58を接続した構成になっている。ここでNPNトランジスタ58のコレクタは高電圧発生回路55に接続され、エミッタは抵抗54と電圧制御電流源51の接続点およびバイアス電圧出力端子56に接続され、ベースにはAPDのバイアス電圧の最小値に対応する電圧、即ちクリップ電圧が与えられている。
【0018】
次に動作について説明する。
図1に示す光受信装置の動作は従来例と同じである。また、APD制御回路5の電圧制御電流源51と抵抗54から成る回路の動作は従来のAPD制御回路と同一であり、バイアス電圧の最大値VAPD-MAXは式(2)で与えられる。
クリップ電圧入力端子57にはバイアス電圧の最小値に対応する電圧が与えられているので、この場合NPNトランジスタ58は非導通状態になっている。
【0019】
バイアス電圧出力端子56の電圧が式(2)で与えられるバイアス電圧の最大値となる光信号電力から光信号電力が増加すると、電圧制御電流源51の電流の増加によりバイアス電圧出力端子56の電圧が降下する。このときバイアス電圧出力端子56の電圧がクリップ電圧入力端子57に与えられた電圧よりも低くなるとNPNトランジスタ58は導通状態になる。この状態でのバイアス電圧出力端子56の電圧VAPD-MINは、クリップ電圧入力端子57の電圧をVLCLIP、NPNトランジスタ58のベース-エミッタ間電圧をVBEとすると次式となる。
VAPD-MIN = VLCLIP - VBE (6)
光信号電力が更に増加して電圧制御電流源51の電流が増加しても、電圧制御電流源51の電流はトランジスタ58を介して流れるので、バイアス電圧出力端子56の電圧は式(6)で与えられる電圧にクリップされる。したがって本回路構成によれば、APDのバイアス電圧の最小値は、適用するNPNトランジスタ58のベース-エミッタ間電圧が決まれば、クリップ電圧入力端子57に与えられる電圧によってのみ決定することができる。
また上記例では、電圧制御電流源51がNPNトランジスタ52と抵抗53で構成されるとして動作を説明したが、差動形式等の他の構成の電圧制御電流源でも同様の動作となる。
【0020】
実施の形態2.
図2は本実施の形態によるAPD制御回路の構成図である。なお、図1の実施の形態1によるAPD制御回路を図2のAPD制御回路に置き換えれば本実施の形態による光受信装置を構成できる。
図2において、50は電圧制御電流源の制御端子、51は電圧制御電流源、52はNPNトランジスタ、53、54は抵抗、55は高電圧発生回路、56はバイアス電圧出力端子、57はクリップ電圧入力端子、59は定電流源、60、61はNPNトランジスタである。
図2に示すAPD制御回路は、電圧制御電流源51と抵抗54から成る従来のAPD制御回路に、定電流源59、NPNトランジスタ60、61から成るクリップ回路を接続した構成になっている。ここでNPNトランジスタ60、61のコレクタは共に高電圧発生回路55に接続され、エミッタは共に定電流源59およびバイアス電圧出力端子56に接続されている。NPNトランジスタ60のベースは電圧制御電流源51と抵抗54との接続点に接続され、NPNトランジスタ61のベースはAPDのバイアス電圧の最小値に対応する電圧、即ちクリップ電圧が与えられている。
【0021】
次に図2に示すAPD制御回路の動作について説明する。
電圧制御電流源51と抵抗54から成る回路の動作は従来のAPD制御回路と同一であり、NPNトランジスタ60のベース電圧の最大値はNPNトランジスタ52がカットオフしたときに与えられる。このときNPNトランジスタ60のベース電圧はNPNトランジスタ61のベースに与えられているAPDのバイアス電圧の最小値に対応する電圧よりも高位であるので、NPNトランジスタ60が導通状態となる。したがってバイアス電圧出力端子56の最大値VAPD-MAXは、高電圧発生回路55の電圧を VH、NPNトランジスタ60のベース-エミッタ電圧をVBE1とすると抵抗54の抵抗値を R1とすると、次式で与えられる。
VAPD-MAX = VH - VBE1 (7)
【0022】
バイアス電圧出力端子56の電圧が式(7)で与えられるバイアス電圧の最大値となる光信号電力から光信号電力が増加すると、電圧制御電流源51の電流の増加によりNPNトランジスタ60のベース電圧が降下する。このときNPNトランジスタ60のベース電圧がクリップ電圧入力端子57に与えられた電圧よりも低くなるとNPNトランジスタ61は導通状態になる。この状態でのバイアス電圧出力端子56の電圧VAPD-MINは、クリップ電圧入力端子57の電圧をVLCLIP、NPNトランジスタ61のベース-エミッタ間電圧をVBE2とすると次式となる。
VAPD-MIN = VLCLIP - VBE2 (8)
光信号電力が更に増加して電圧制御電流源51の電流が増加しても、定電流源59の電流はNPNトランジスタ61を介して流れるので、バイアス電圧出力端子56の電圧は式(8)で与えられる電圧にクリップされる。したがって本回路構成によれば、APDのバイアス電圧の最小値は、適用するNPNトランジスタ61のベース-エミッタ間電圧が決まれば、クリップ電圧入力端子57に与えられる電圧によってのみ決定することができる。
また上記例では、電圧制御電流源51がNPNトランジスタ52と抵抗53で構成されるとして動作を説明したが、差動形式等の他の構成の電圧制御電流源でも同様の動作となる。
【0023】
実施の形態3.
図3は本実施の形態によるAPD制御回路の構成図である。なお、図1の実施の形態1によるAPD制御回路を図3のAPD制御回路に置き換えれば本実施の形態による光受信装置を構成できる。
図3において、50は電圧制御電流源の制御端子、51は電圧制御電流源、52はNPNトランジスタ、53、54は抵抗、55は高電圧発生回路、56はバイアス電圧出力端子、57はクリップ電圧入力端子、62はPNPトランジスタである。
図3に示すAPD制御回路は、電圧制御電流源51と抵抗54から成る従来のAPD制御回路に、バイアス電圧出力端子56にPNPトランジスタ62を接続した構成になっている。ここでPNPトランジスタ62のエミッタがバイアス電圧出力端子56に接続され、コレクタが接地され、ベースにはAPDのバイアス電圧の最大値に対応する電圧、即ちクリップ電圧が与えられている。
【0024】
次に図3に示すAPD制御回路の動作について説明する。
電圧制御電流源51と抵抗54から成る回路の動作は従来のAPD制御回路と同一であり、バイアス電圧の最小値は式(4)で与えられる。クリップ電圧入力端子57にはバイアス電圧の最大値に対応する電圧が与えられているので、この場合PNPトランジスタ62は非導通状態になっている。
【0025】
バイアス電圧出力端子56の電圧が式(4)で与えられるバイアス電圧の最小値となる光信号電力から光信号電力が減少すると、電圧制御電流源51の電流の減少によりバイアス電圧出力端子56の電圧が上昇する。このときバイアス電圧出力端子56の電圧がクリップ電圧入力端子57に与えられた電圧よりも大きくなるとPNPトランジスタ62は導通状態になる。この状態でのバイアス電圧出力端子56の電圧VAPD-MAXは、クリップ電圧入力端子57の電圧をVLCLIP、PNPトランジスタ62のベース-エミッタ間電圧をVBEとすると次式となる。
VAPD-MIN = VLCLIP + VBE (9)
光信号電力が更に減少して電圧制御電流源51の電流が減少しても、高電圧発生回路55から抵抗54を介してPNPトランジスタ62に電流が流れるので、バイアス電圧出力端子56の電圧は式(9)で与えられる電圧にクリップされる。したがって本回路構成によれば、APDのバイアス電圧の最大値は、適用するPNPトランジスタ62のベース-エミッタ間電圧が決まれば、クリップ電圧入力端子57に与えられる電圧によってのみ決定することができる。
また上記例では、電圧制御電流源51がNPNトランジスタ52と抵抗53で構成されるとして動作を説明したが、差動形式等の他の構成の電圧制御電流源でも同様の動作となる。
【0026】
実施の形態4.
図4は本実施の形態によるAPD制御回路の構成図である。なお、図1の実施の形態1によるAPD制御回路を図4のAPD制御回路に置き換えれば本実施の形態による光受信装置を構成できる。
図4において、50は電圧制御電流源の制御端子、51は電圧制御電流源、52はNPNトランジスタ、53、54は抵抗、55は高電圧発生回路、56はバイアス電圧出力端子、57はクリップ電圧入力端子、63は定電流源、64、65はPNPトランジスタである。
図2に示すAPD制御回路は、電圧制御電流源51と抵抗54から成る従来のAPD制御回路に、定電流源63、PNPトランジスタ64、65から成るクリップ回路を接続した構成になっている。ここで定電流源63の一端は高電圧発生回路55に接続され、他端はPNPトランジスタ64、65のエミッタおよびバイアス電圧出力端子56に接続されている。PNPトランジスタ64、65のコレクタは共に接地され、PNPトランジスタ64のベースは電圧制御電流源51と抵抗54との接続点に接続され、PNPトランジスタ65のベースはAPDのバイアス電圧の最大値に対応する電圧、即ちクリップ電圧が与えられている。
【0027】
次に図4に示すAPD制御回路の動作について説明する。
電圧制御電流源51と抵抗54から成る回路の動作は従来のAPD制御回路と同一であり、PNPトランジスタ64のベース電圧の最小値はNPNトランジスタ52が飽和したときに与えられる。このときPNPトランジスタ64のベース電圧はPNPトランジスタ65のベースに与えられているAPDのバイアス電圧の最大値に対応する電圧よりも低位であるので、PNPトランジスタ64が導通状態となる。したがってバイアス電圧出力端子56の最小値VAPD-MINは、PNPトランジスタ64のベース-エミッタ間電圧をVBE1、NPNトランジスタ52の飽和電圧を VSAT、抵抗54の抵抗値を R1、抵抗53の抵抗値を R2とすると、次式となる。
VAPD-MIN = (VH - VSAT)x R2/(R1 + R2)+ VSAT + VBE1 (10)
【0028】
バイアス電圧出力端子56の電圧が式(10)で与えられるバイアス電圧の最小値となる光信号電力から光信号電力が減少すると、電圧制御電流源51の電流の減少によりPNPトランジスタ64のベース電圧が上昇する。このときPNPトランジスタ64のベース電圧がクリップ電圧入力端子57に与えられた電圧よりも大きくなるとPNPトランジスタ65は導通状態になる。この状態でのバイアス電圧出力端子56の電圧VAPD-MAXは、クリップ電圧入力端子57の電圧をVLCLIP、PNPトランジスタ65のベース-エミッタ間電圧をVBE2とすると次式となる。
VAPD-MAX = VLCLIP + VBE2 (11)
光信号電力が更に減少して電圧制御電流源51の電流が減少しても、定電流源63の電流はPNPトランジスタ65を介して流れるので、バイアス電圧出力端子56の電圧は式(11)で与えられる電圧にクリップされる。したがって本回路構成によれば、APDのバイアス電圧の最大値は、適用するPNPトランジスタ65のベース-エミッタ間電圧が決まれば、クリップ電圧入力端子57に与えられる電圧によってのみ決定することができる。
また上記例では、電圧制御電流源51がNPNトランジスタ52と抵抗53で構成されるとして動作を説明したが、差動形式等の他の構成の電圧制御電流源でも同様の動作となる。
【0029】
【発明の効果】
以上のように第1および第2の発明に係わるAPDのバイアス電圧制御回路によれば、クリップ電圧入力端子に印加する電圧によりAPDのバイアス電圧の最小値を決定できるため、従来のバイアス電圧制御回路に比べて回路設計が容易となる。
【0030】
第3および第4の発明に係わるAPDのバイアス電圧制御回路によれば、クリップ電圧入力端子に印加する電圧によりAPDのバイアス電圧の最大値を決定できるため、従来のバイアス電圧制御回路に比べて回路設計が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるAPDのバイアス電圧制御回路の構成図である。
【図2】この発明の実施の形態2によるAPDのバイアス電圧制御回路の構成図である。
【図3】この発明の実施の形態3によるAPDのバイアス電圧制御回路の構成図である。
【図4】この発明の実施の形態4によるAPDのバイアス電圧制御回路の構成図である。
【図5】従来の光受信装置の構成図である。
【符号の説明】
51 電圧制御電流源
54 抵抗
55 高電圧発生回路
58 NPNトランジスタ
59 定電流源
60 第1のNPNトランジスタ
61 第2のNPNトランジスタ
62 PNPトランジスタ
63 定電流源
64 第1のPNPトランジスタ
65 第2のPNPトランジスタ
Claims (4)
- 電圧制御端子からの電圧によりアバランシェフォトダイオードのカソードに与えるバイアス電圧を制御するアバランシェフォトダイオードのバイアス制御回路において、
高電圧発生回路の出力に抵抗器を介してカソードが接続されたアバランシェフォトダイオードと、前記電圧制御端子からの電圧により前記抵抗器を流れる電流を制御する電圧制御電流源と、前記抵抗器の高位電源側端子にコレクタが接続され、前記抵抗の低位電源側端子にエミッタが接続され、所定の電圧を出力するクリップ端子にベースが接続されたNPNトランジスタとを有し、
前記クリップ端子からの電圧により前記NPNトランジスタが前記アバランシェフォトダイオードのカソードに加わる電圧の下限を決めることを特徴とするアバランシェフォトダイオードのバイアス制御回路。 - 電圧制御端子からの電圧によりアバランシェフォトダイオードのカソードに与えるバイアス電圧を制御するアバランシェフォトダイオードのバイアス制御回路において、
高電圧発生回路の出力に抵抗器を介して接続され、前記電圧制御端子からの電圧により前記抵抗器を流れる電流を制御する電圧制御電流源と、
前記高電圧発生回路にコレクタが接続され、前記抵抗の前記電圧制御電流源側の端子にベースが接続された第1のNPNトランジスタと、
前記高電圧発生回路にコレクタが接続され、所定の電圧を加えるクリップ端子にベースが接続された第2のNPNトランジスタと、
前記第1および第2のNPNトランジスタのエミッタにカソードが接続されたアバランシェフォトダイオードと、一端が前記第1および第2のNPNトランジスタのエミッタに接続され、他端が接地された定電流源とを有し、 前記クリップ端子からの電圧により前記第2のNPNトランジスタが前記アバランシェフォトダイオードのカソードに加わる電圧の下限を決めることを特徴とするアバランシェフォトダイオードのバイアス制御回路。 - 電圧制御端子からの電圧によりアバランシェフォトダイオードのカソードに与えるバイアス電圧を制御するアバランシェフォトダイオードのバイアス制御回路において、
高電圧発生回路の出力に抵抗器を介してカソードが接続されたアバランシェフォトダイオードと、前記電圧制御端子からの電圧により前記抵抗器を流れる電流を制御する電圧制御電流源と、コレクタが接地され、前記抵抗の前記電圧制御電流源側端子にエミッタが接続され、所定の電圧を加えるクリップ端子にベースが接続されたPNPトランジスタとを有し、
前記クリップ端子からの電圧により前記PNPトランジスタが前記アバランシェフォトダイオードのカソードに加わる電圧の上限を決めることを特徴とするアバランシェフォトダイオードのバイアス制御回路。 - 電圧制御端子からの電圧によりアバランシェフォトダイオードのカソードに与えるバイアス電圧を制御するアバランシェフォトダイオードのバイアス制御回路において、
高電圧発生回路の出力を抵抗器を介して接続され、前記電圧制御端子からの電圧により前記抵抗器を流れる電流を制御する電圧制御電流源と、
前記高電圧発生回路に一端が接続された定電流源と、
コレクタが接地され、前記抵抗の前記電圧制御電流源側の端子にベースが接続された第1のPNPトランジスタと、
コレクタが接地され、所定の電圧を加えるクリップ端子にベースが接続された第2のPNPトランジスタと、
前記第1および第2のPNPトランジスタのエミッタにカソードが接続されたアバランシェフォトダイオードと、一端が前記第1および第2のPNPトランジスタのエミッタに接続され、他端が前記高電圧発生回路に接続された定電流源とを有し、前記クリップ端子からの電圧により前記第2のPNPトランジスタが前記アバランシェフォトダイオードのカソードに加わる電圧の上限を決めることを特徴とするアバランシェフォトダイオードのバイアス制御回路。
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