JP3539033B2 - 苗移植機 - Google Patents

苗移植機

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JP3539033B2
JP3539033B2 JP01483596A JP1483596A JP3539033B2 JP 3539033 B2 JP3539033 B2 JP 3539033B2 JP 01483596 A JP01483596 A JP 01483596A JP 1483596 A JP1483596 A JP 1483596A JP 3539033 B2 JP3539033 B2 JP 3539033B2
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弘和 仲
一郎 渡部
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直接表土面を掘削
して苗を移植しながら移植する不耕起移植用の苗移植
に関する。
【0002】
【従来技術】従来は、特開平4−66017号公報に開
示された田植機があった。この田植機の植付装置は、圃
場面における苗移植位置の前方を掘削するための回転輪
を伝動ケ−スの左右両側に突出した駆動軸に取付け、こ
の駆動軸の左右両端部分を軸受けするメタルを、田植機
の機枠側からリンクを介して上下揺動調節可能に取り付
けたものであり、駆動軸を介して伝動ケ−スを取り付け
た構成になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来装置では、伝動ケ
−スの左右両側へ突出する掘削回転輪を取付ける駆動軸
を伝動ケ−ス側と一体で左右側へ長く延出して、該駆動
軸を田植機体側に取り付けたメタルで確実に回転自在に
支持して、駆動軸の着脱が実用上不可能な構造になって
いた。また、伝動ケ−スの左右両側には、常に、外方へ
長く突出する駆動軸が取り付けられた状態にあり、普通
の水田圃場での田植作業時に、伝動ケ−スを取り除く分
解作業が困難になり、且つ、分解後の伝動ケ−スには長
い駆動軸が先端部側が軸受けされないフリ−のまま装着
された状態になるから、駆動軸の歪や変形が起りやす
く、格納時等に駆動軸に衝撃がかからないよう十分注意
しなければならなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、前述の課題
を解消するために次の技術的な手段を講じた。即ち、乗
用型の走行車体1の後部に昇降機構22を介して苗移植
装置27を装着し、この苗移植装置27に左右方向に所
定の間隔で移植具30が設けられると共に、該移植具3
0による苗移植位置の前方位置を所定深さに掘削する掘
削爪49を装備するロータリー装置Rが設けられた乗用
型の苗移植において、側面視で前記走行車体1の後輪
10の後側部と苗移植装置27の前側部との間に前記苗
移植装置27の機枠側に上下調節手段を介して駆動軸
5を左右両側に突出ならしめた伝動ケ−ス35を装着
し、この左右側に突出の駆動軸45に掘削爪49を取り
付けるロ−タリ−伝動用の軸48を着脱可能に設け、前
記ロ−タリ−伝動用の軸48の左右突出方向中間部
記伝動ケ−ス35に取付けられて左右側に延びる枠体4
6に左右幅の薄い支持部材55を介して回転自在に支持
し、各掘削爪49の間でロ−タリ−伝動用の軸48をカ
バーして自由に回転する筒体52を、前記支持部材55
の左右に設けたことを特徴とする苗移植とした。
【0005】
【実施例】この発明の一例を図面に基づき詳細に説明す
る。1は走行車体で、フレ−ム2の前後中間部にエンジ
ン3を搭載し、前端側にはミッションケ−ス4を取付
け、後端側には左右中心部に前後方向の軸5の回りに回
動自在な横方向枠6を設け、この枠の左右両側に後輪伝
動ケ−ス7a,7bを固着し、前記ミッションケ−ス4
の前下部側に一体状のフロントアクスルケ−スを左右側
へ突出するよう構成し、このアクスルケ−ス外端に前輪
操舵用の前輪伝動ケ−ス8a,8bを設け、この前輪伝
動ケ−スの外側部に駆動軸を介して前輪9a,9bを取
付け、前記後輪伝動ケ−ス7a,7bの外側部に駆動軸
を介して後輪10a,10bを取付けて走行車枠構成と
なし、この車枠上に搭乗台11を張設すると共に、前側
位置にはステアリングポストを内装した操縦用立設枠1
2を設けて、この上部に操縦ハンドル13を軸装し、ま
た、前記エンジン3の上部及び側周面を覆うエンジンカ
バ−14の上部に操縦座席15が設けられた構成として
いる。即ち、この走行車体1の左右後輪10a,10b
は左右にスイング自在に設けられており、圃場面での追
従性が良好になるよう設けられている。このため、該後
輪伝動ケ−ス7a,7bへの動力伝達は、前記ミッショ
ンケ−ス4側の後部に左右別れて突出する一対のPTO
軸16a,16bからユニバ−サルジョイント付きの伝
動軸17a,17bを介して駆動するよう構成してい
る。18は後述の移植装置側を駆動するPTO軸、19
は圃場の表土を掘削あるいは整地するためのロ−タリ用
作業部を駆動するためのPTO軸である。このPTO軸
19はエンジン3からミッション側を駆動するベルト伝
動機構のカウンタ−軸から伝動される伝動ケ−ス20か
ら出力され、変速伝動ケ−ス21を介して後方側へ突出
されている。
【0006】22は昇降機構で、前記走行車体のフレ−
ム2後部に立設させた支柱23に基部側を枢着した上下
リンク杆24a,24bの後部を連結枠24cで枢結
し、この連結枠24cに作業機を連結するためのヒッチ
手段を構成している。即ち、該連結枠24cに作業機側
に設けた支持ピンを受ける凹部と係止爪とが装備されて
いる。そして、この昇降用のリンク杆側に一体的に固着
したレバ−25を走行車体1側に取り付けた油圧装置2
6のピストンロッド26bに連結してピストンロッドが
突出するときにリンク杆が振り上げられて作業機連結用
の連結枠24cが上方へ作動されるように構成されてい
る。26aは油圧シリンダ−である。
【0007】27は苗移植装置で、フレ−ムを兼ねた移
植伝動ケ−ス28にマット状の土付き苗を左右に複数個
載置できる苗載置台29を左右往復移動可能に設け、そ
の後ろ側のケ−ス部に回転ケ−スを介して取り付けられ
た苗移植具30を取り付けて苗載置台29に搭載されて
繰り出される苗を1株づつ分離して圃場面に移植するよ
う構成し、この移植伝動ケ−ス28の下側部分には圃場
表面に接当して滑走し圃場面を均す整地用の橇体31が
左右に複数個並列して設けられている。そして、これら
の橇体31は、前側部分が少なくとも上下動自由に移植
伝動ケ−ス28側に取付けられ、各移植具30による苗
移植位置の前方位置に設けられている。
【0008】このように構成された苗移植装置27の移
植伝動ケ−ス28の前部をヒッチ枠体32に前後方向軸
のまわりにロ−リング自在に取付け、このヒッチ枠32
には連結用ピン33,34を設けてあり、該ヒッチ枠3
2を前記昇降機構22の連結枠24cに連結する。この
ようにして苗移植装置27が走行車体1の後部で昇降作
動されるよう構成している。
【0009】35は圃場の表土を掘削あるいは整地する
ためのロ−タリ−装置Rを駆動するための伝動ケ−ス
で、上下方向に長い構成で、上部側には前記PTO軸1
9からユニバ−サル継ぎ手を有した伝動軸36を介して
伝動される入力軸37がケ−ス35の上部側前方に突出
されていて、ケ−ス35内上部で一組みのベベルギヤ3
8,39と低速変速用のスパ−ギヤ−40,41とで駆
動側スプロケット42を回転し、下部側の従動スプロケ
ット43をチエン44を介して伝動するよう構成し、こ
の従動スプロケット43を取り付けた駆動軸45を伝動
ケ−ス35の左右側に突出ならしめ、この突出された駆
動軸端を角軸或はスプライン形状に構成している。
【0010】46は伝動ケ−ス35に左右中間部が固着
された枠体で、図例では円筒軸になっていて、左右側に
長く延びている。前記伝動ケ−ス35に装備される一例
の作業部材として、まず最初に、未耕耘圃場に苗を移植
する場合の前記苗移植具30による苗移植位置の前方位
置を所定深さに掘削する掘削爪を装備するロ−タリ−装
置Rの事例について説明すると、前記左右側に突出する
駆動軸45に雌型継手軸47を介してロ−タリ軸48を
連結する。このロ−タリ軸48には掘削爪49を固着す
るホルダ−突起板50が図例の場合には軸回りに90度
づつずれる形態で取り付けられ、このホルダ−突起板5
0に掘削爪をボルトで締結している。51は雑草や排藁
等の巻きつきを防止する鋸歯付きの輪体で、前記雌型継
手軸47の内端に固着されており、伝動ケ−ス35の左
右外側面部に接近して回転されるように構成されてい
る。
【0011】52は雑草や排藁等の巻きつきを防止する
筒体で、前記各掘削爪49と、掘削爪49との間にあっ
て、ロ−タリ軸48がカバ−されるようになっている。
そして、これらの筒体52は前記掘削爪を固着するため
のホルダ−50aに一体の鍔部材50bで外端内面部を
受けられて自由に回転できるようになっている。53は
保持体で、前記筒体52の内周面側に固着されていて、
前記ロ−タリ軸48の外周面には回転自在に嵌合するド
−ナツ型の板体からなり、該筒体52が軸48の回りに
回転自在となるよう保持している。
【0012】54はロ−タリ軸48を軸受するベアリン
グで、該軸48の左右中間部に嵌着され、このベアリン
グ54を前記枠体46から薄型の板体55を介して支持
ならしめている。56は枠体46に固着のブラケットを
示し、前記軸受部材のしてのベアリング54に取り付け
た板体55をボルト57により連結している。そして、
該薄厚の板体55が前記左右の筒体52と筒体52との
隙間t間に介在する構成になっており、軸48に雑草や
排藁等が入り込んで巻きつかない構造になっている。
【0013】前記伝動ケ−ス35に装着のロ−タリ−装
置の事例について図面から詳述すると、この伝動ケ−ス
35の左右側面部には前記枠体46固着するためのブ
ラケット58が該ケ−ス35を取り巻く形態で固着され
ており、このブラケット58と前記移植伝動ケ−ス28
とをリンク機構59で連結し、該移植伝動ケ−ス28に
対して該伝動ケ−ス35が上下動できるようになってい
る。そして、移植伝動ケ−ス28に一体状の枠体60に
取り付けた昇降規制用のノッチが形成された案内溝
(イ)を有する規制板61の当該溝(イ)に、前記リン
ク機構59のリンク杆に連結される昇降操作レバ−62
を挿通し、伝動ケ−ス35側が昇降調節できる構成とし
ている。
【0014】尚、ロ−タリ軸を有した伝動ケ−ス35を
前記実施例では、移植伝動ケ−ス28側に対してリンク
機構59で連結して操作レバ−62による手動操作で該
伝動ケ−ス35を上下調節する構造であるが、この手動
調節を自動制御する構成であってもよく、この場合の自
動制御回路機構について第7図で説明する。苗移植装置
27側の昇降制御は、昇降機構22を作動する油圧シリ
ンダ−装置26の切換弁63を前記接地用の橇体31の
接地圧変動を検出するセンサ−64の信号を制御部CP
Uに入力し、接地圧力が移植作用に適正な一定範囲から
逸脱して高くなるときピストン26bを突出させる指令
信号が制御部から発信されて電磁切換弁63を切り換え
て苗移植装置27を上昇させ、逆に、接地圧力が移植作
用に適正な一定範囲から逸脱して低くなるときピストン
26bを引っ込ませる指令信号が制御部から発信されて
電磁切換弁63を切り換えて苗移植装置27を下降させ
るようになっている。したがって、橇体31の上下動に
起因して、前記油圧装置26の切換弁63を切り換えて
当該橇体31の接地圧は移植に適正な所定の一定範囲内
に収めるよう自動制御されて移植深さが許容範囲内に保
持される。
【0015】一方、圃場面の苗移植位置を左右一定の狭
い幅で局部耕耘するロ−タリ−装置Rの伝動ケ−ス35
部分は、リンク機構59のリンク杆に一体状のレバ−6
5を油圧シリンダ−装置66で作動して昇降動される
が、このシリンダ−装置66の油圧切換弁67を電磁切
換型に構成し、圃場表土面の硬さや土質あるいは雑草、
排藁の散在状態等の状態を検出する圃場状態検出器68
の検出結果信号を制御部CPUに入力し、標準状態であ
る基準値との比較演算による出力信号で前記切換弁67
を切り換えて油圧シリンダ−装置66の作動制御を行
い、圃場状態に適した耕耘深さに制御する。この制御
は、一般に圃場面の硬さを検出する硬軟センサ−による
制御が主体であり、硬い場合には掘削爪49が深く耕耘
するよう制御する。また、別例として検出器68aを伝
動ケ−ス35側に第12図の通り装着して耕耘位置での
接地圧変化により制御し、常に耕耘深さが一定範囲内に
保持される制御構成であってもよい。
【0016】図中記号、69は油圧ポンプ、70は分流
弁、71は油圧タンクである。尚、分流弁70を使用し
ないで、切換弁63が中立位置のときのタンク側へのオ
イル戻り回路側を切換弁67の入力路に繋ぎ、苗移植装
置27側の昇降制御が優先制御されるように構成しても
よい。
【0017】前記ロ−タリ−装置を苗移植装置27側か
らリンク機構59で昇降作動可能に構成する場合におい
て、このリンク機構59とロ−タリ−装置Rの伝動ケ−
ス35との間に前後方向のロ−リング軸72を介在させ
て左右中心部でロ−タリ−装置R側が自由に回動自在に
構成し、該ロ−タリ−装置Rが常に左右水平状態に復帰
されるよう引っ張りスプリング73a,73bで付勢な
らしめている。しかも、このロ−タリ−装置Rが取り付
けられるロ−リング軸72にギヤ−74を取付け、この
ギヤ−74に噛み合うピニオンギヤ−75を正逆転モ−
タ76で摩擦ブレ−キ77を介して駆動し、前記スプリ
ング73の復元力に抗してロ−タリ−装置Rをロ−リン
グ制御可能に構成している。そして、伝動ケ−ス35側
に設けた水平状態を検出する水平検出器77による検出
信号を制御部CPUに取り入れ、この制御部から発信さ
れる指令信号でモ−タ76を正、逆回転して強制的にロ
−リングさせて左右側の耕耘深さがほぼ一定に揃うよう
に制御している。前記摩擦ブレ−キ77は、適宜そのブ
レ−キ力を調節でき、圃場の硬軟等の状態に応じて調節
設定可能にしている。尚、水平検出器は、伝動ケ−ス3
5の左右側へ突出する枠体46の左右対称位置に取り付
けられて圃場面に追随の接地体78a,78bの上下動
の量をポテンショメ−タ79a,79bで検出し、これ
を比較演算回路80で演算した信号を制御部CPUに入
力して、この演算値と制御部に予め記憶した標準値とか
ら更に演算して出力指令信号を発し、この指令信号でモ
−タ76を制御して圃場表面基準制御にしてもよい。
【0018】水田での移植作業をする場合には、前記ロ
−タリ−装置Rは、圃場全面を均平に均さなければ的確
な移植作業ができない。特に、最近では圃場を耕耘後、
代掻き作業なしで移植作業をする所謂無代掻き移植作業
をする場合が出てきた。このとき、既耕耘で未代掻き圃
場に苗を移植するために、苗移植装置27側に苗移植位
置の前方側全域の代掻をする代掻ロ−タリ−装置Sを装
備して移植時に簡単な代掻き作業を同時に行う場合があ
る。この代掻ロ−タリ−装置Sの構成を前記ロ−タリ−
装置Rの主体構成部を利用して構成する。
【0019】この実施例を説明すると、前記伝動ケ−ス
35の左右両側に突出の駆動軸45に筒軸81を固着し
たスプライン嵌合連結ボス82をピン83を介して抜け
ないように取付け、このボス82側に内側代掻ロ−タ8
4aを取り付けている。この筒軸81は、前記枠体46
からブラケット56、板体55で支持されるベアリング
85で軸受けしている。
【0020】84bは外側代掻ロ−タで、前記筒軸81
に挿通された軸86にフランジを介して取り付けられ、
ピン87で筒軸81と軸86とが一体的に回転されるよ
うに構成されれいる。この代掻ロ−タ84は、軸に連結
の円板88に設けた横桟89に外端縁が波形に形成され
た代掻歯90を取り付けた構成になっている。
【0021】上例の作用を説明すると、この苗移植装置
27による作業中においては、移植具30による移植作
業時に同時に当該移植位置の前側に移植が確実にできる
よう乾田圃場の場合には左右に狭い幅の溝が掘削爪49
によって掘られ、この溝中に苗が移植される。また、水
田での田植作業時には、前記ロ−タリ−装置Rの形態か
ら代掻ロ−タリ−Sの形態に変えると、圃場を耕耘した
だけの代掻をしていない圃場でも代掻しながら移植でき
省力になる。
【0022】何れの作業時においても、駆動軸45に連
結されて左右横方向に延びたロ−タリ−伝動用の軸4
8,81は、その中途部を伝動ケ−ス35側に取付けら
れた左右横方向に延びる枠体46から左右幅狭の板体5
5を介して軸受けされているからロ−タリ−伝動用の軸
48,81が頑丈に保持されて変形や歪等が起らず確実
なロ−タリ−回転が行われる。また、伝動ケ−ス35の
左右両側に、代掻きロ−タ84を掘削爪49の代わりに
取り付けることが可能になった。しかも、該軸48,8
1の外周に雑草や藁屑が巻きつかないように円筒52で
該軸をカバ−するような場合には、軸受用のベアリング
54(単なるメタルであってもよい。)を固定する板体
55が左右に薄いため左右の筒体52,52の隙間tを
狭くできる。
【0023】前述の乾田圃場において、耕耘作業をしな
いで稲刈り後のそのままの圃場に田植をする場合、即
ち、不耕起田植の場合に圃場をトラクタ−タイプの走行
部で走行すると、車輪後が引っ込み溝状になる。このた
め、移植作業ができない状態になってこの溝部分を埋め
戻す装置が必要になる。また、溝が形成されると稲栽培
時の稲根で形成された膨軟土壌構造が破壊されて寒冷地
での土壌保温力がなくなり栽培支障を起すことがある。
したがって、不耕起田植作業では、走行装置の車輪後が
出来るだけ傷まないようにすることが要求される。そこ
で、牽引力をもたせるために走行車体1の後輪10はラ
グ付き車輪になっているが、このラグ91の外側部に低
圧車輪92を装着する。具体的に実施例を第14図及び
第15図で説明すると、苗移植装置27を後部に装着し
た走行車体1の後輪10の外側に低圧車輪92を、水田
車輪である後輪のボス部93に連結体94により固着し
ている。95は後輪10のスポ−クを示す。このスポ−
ク95の先端に鉄製パイプをル−プにしたリム96が固
着され、このリム96とスポ−ク95の先端側とをゴム
でモ−ルドし、このゴム体に推進ラグ97を周上に所定
の間隔で形成して水田用の車輪を形成し、これを走行車
体1の後輪として取付けている。
【0024】低圧車輪92は、チュ−ブレスタイヤ99
で形成され車輪リム98の外周に嵌合固着され、内部に
空気を入れて車輪形成ならしめたもので俗にワムラス車
輪といわれるものであり、そのもの自体は周知の車輪で
あって、ロ−ントラクタ−等に装着され、芝生を走行時
に傷めないようにする車輪である。この車輪の特徴は接
地面側ほどタイヤの肉厚が厚く側面が膨らみ易いように
肉薄に構成されている。この低圧車輪92を前記後輪1
0の側面に接近させて装着するに、第14図の通り接地
させない時点では低圧車輪92の外径が後輪10の外径
が大きくなる状態となし、接地させると低圧車輪92が
接地圧で左右側に膨らむことにより同一径になるよう構
成する。このとき、水田用の後輪10の推進ラグ97が
低圧車輪のタイヤ99を押し凹ませて変形させ、ラグ9
7とタイヤ99とが密着した状態になる。
【0025】この状態で圃場面を推進すると、水田用車
輪10が一部圃場面に食い込んで推進力を与えるが、低
圧車輪92が浮力作用を及ぼして無闇に車輪10が地面
に突入せず圃場表土面を傷めないで推進される。したが
って、水田車輪としての後輪10と低圧車輪92との相
乗効果が発揮され、圃場の傷みを少なくして確実な推進
力を発揮し、しかも、後輪10のリム96外周の車輪外
周に低圧タイヤ99の横外端が接近し、ラグ97部分で
はラグ97自体とタイヤ99とが圧着しているから圃場
表面に散在する藁屑や雑草がラグ97に付着せず、泥土
の掻き上げも少なくて理想的な推進が得られる。
【0026】尚、路上走行時には、低圧車輪92の空気
圧を少なくして径小車輪に変形させ、後輪10の外径よ
りも低圧車輪92の外径を小にすればよい。
【0027】前記低圧車輪92は、タイヤ98の横側の
タイヤ肉厚を薄くしているために旋回時などの横振れに
対して大きく横側に変形することが欠点になっている
が、これを解消する手段として、第16図の通り車輪の
リム98に一体状に取り付けた規制板100をタイヤ9
9の左右側面に所定の空隙kを設けて取付け、タイヤ9
9が圧力を受けて膨らむときにこの拡がりを規制できる
ように構成するとよい。
【0028】
【発明の作用効果】この発明によれば、駆動軸45に連
結されて左右横方向に延びたロ−タリ−伝動用の軸48
は、その中途部を伝動ケ−ス35側に取付けられた左右
横方向に延びる枠体46から左右幅狭の支持部材55
介して軸受けされているから、ロ−タリ−伝動用の軸
が頑丈に保持されて変形や歪等が起らず、確実なロ−
タリ−回転が行われる。しかも、該軸48の外周に雑草
や藁屑が巻きつかないように筒体52で該軸をカバ−
ているが、軸受部54を固定する支持部材55が左右に
薄いため左右の筒体52の隙間を狭くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】側面図
【図2】要部の平面図
【図3】要部の平面図
【図4】要部の背断面図
【図5】要部の背断面図
【図6】要部の側断面図
【図7】制御回路図
【図8】要部の平面図
【図9】別例の制御回路図
【図10】別例の要部側面図
【図11】要部の斜面図
【図12】別例の要部側面図
【図13】別例の要部斜面図
【図14】別例の要部背断面図
【図15】図14の要部拡大背断面図
【図16】別例の要部背断面図
【符号の説明】
1 走行車体 10 後輪 22 昇降機構 26 油圧装置 27 苗移植装置 30 移植具 35 伝動ケ−ス 45 駆動軸 46 枠体 48 軸 49 掘削爪52 筒体 55 支持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平7−18509(JP,U) 実開 平5−48620(JP,U) 実開 平2−137811(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01B 49/04 A01B 33/08 A01C 11/00 - 11/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗用型の走行車体1の後部に昇降機構2
    2を介して苗移植装置27を装着し、この苗移植装置2
    7に左右方向に所定の間隔で移植具30が設けられると
    共に、該移植具30による苗移植位置の前方位置を所定
    深さに掘削する掘削爪49を装備するロータリー装置R
    が設けられた乗用型の苗移植において、側面視で前記
    走行車体1の後輪10の後側部と苗移植装置27の前側
    部との間に前記苗移植装置27の機枠側に上下調節手段
    を介して駆動軸45を左右両側に突出ならしめた伝動ケ
    −ス35を装着し、この左右側に突出の駆動軸45に
    削爪49を取り付けるロ−タリ−伝動用の軸48を着脱
    可能に設け、前記ロ−タリ−伝動用の軸48の左右突出
    方向中間部前記伝動ケ−ス35に取付けられて左右側
    に延びる枠体46に左右幅の薄い支持部材55を介して
    回転自在に支持し、各掘削爪49の間でロ−タリ−伝動
    用の軸48をカバーして自由に回転する筒体52を、前
    記支持部材55の左右に設けたことを特徴とする苗移植
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