JP3538799B2 - ハロゲン化銀乳剤及びハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤及びハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JP3538799B2
JP3538799B2 JP17044697A JP17044697A JP3538799B2 JP 3538799 B2 JP3538799 B2 JP 3538799B2 JP 17044697 A JP17044697 A JP 17044697A JP 17044697 A JP17044697 A JP 17044697A JP 3538799 B2 JP3538799 B2 JP 3538799B2
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達夫 田中
宣明 香川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀感光材
料乳剤に関し、カブリ/感度及び感度/粒状性の関係に
優れ、保存性が改良されたハロゲン化銀乳剤及びそれを
用いたハロゲン化銀カラー写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀カラ−写真感光材料(以
下、単に、カラー感光材料、感光材料ともいう)は極め
て完成度の高い成熟製品と言われている一方、要求され
る性能は、高感度、高画質、保存条件による性能変動が
少ない等多岐にわたり、更に今後は現像進行性などを早
めた迅速処理適性を加味する必要があり、その要求レベ
ルは近年益々高まってきている。
【0003】特に高感度化という点では、昨今のデジタ
ルカメラの技術進歩により、ハロゲン化銀感光材料の優
位性を保持するためにはカブリを低く抑えたままかつ保
存性と両立する更なる高感度化が必要である。
【0004】ハロゲン化銀乳剤の高感度化技術、すなわ
ち増感技術はハロゲン化銀乳剤の製造方法に関するも
の、ハロゲン化銀乳剤の化学増感に関するもの、ハロゲ
ン化銀乳剤の分光増感に関するもの、ハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料の設計方法によるもの、ハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料の現像プロセスに関するもの等々、各
種の方法が知られているが、その中でも最も好ましく且
つ本質的な方法はハロゲン化銀結晶の感光過程での非効
率を軽減させ量子効率を向上させることである。その手
段の一つとして化学増感があり、硫黄増感、セレン増
感、テルル増感などのカルコゲン増感や、金などの貴金
属を用いる貴金属増感や、還元剤を用いる還元増感があ
り、これらを単独あるいは組み合わせて用いられてい
る。
【0005】中でも硫黄増感やセレン、テルル増感に金
増感を併用すると、ともに著しい感度増加が得られる
が、同時にカブリも上昇する。特に金−硫黄増感に比べ
金−セレン、テルル増感は特にカブリ上昇が大きく、カ
ブリの発生を抑える技術、更に保存時のカブリ、感度変
動の少ない増感技術開発が望まれていた。
【0006】この様な要望に関して、ハロゲン化銀への
吸着基とカルコゲン部位を有する化合物により化学増感
を施し、カブリの発生を抑えるという技術が、硫黄に関
して特開平9−50088号、セレンに関して特公平5
−18091号、特開平9−15777号、同6−20
8186号、同6−208184号、同6−31786
7号、同6−175258号、同6−43576号、同
4−25832号、同4−109240号、同4−14
7250号等に開示されている。しかしながら未だカブ
リ/感度という点において不十分であったり、ハロゲン
化銀への抑制力が強いと予想されるが、到達感度と言う
点で若干劣っており更なる改良が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はカブリ
/感度及び感度/粒状性の関係に優れ、保存性が改良さ
れたハロゲン化銀乳剤及びそれを用いたハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料を提供する事にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
によって達成された。
【0009】1.分子内にメソイオン構造を含む置換基
と不安定カルコゲン原子部位を有する化合物を用いて化
学増感を施したことを特徴とするハロゲン化銀乳剤。
【0010】2.前記分子内にメソイオン構造を含む置
換基と不安定カルコゲン原子部位を有する化合物が、下
記一般式(1)で表される化合物である事を特徴とする
前記1に記載のハロゲン化銀乳剤。
【0011】
【化2】
【0012】式中、A1はメソイオン構造を含む置換基
を表し、L1は(n1+l2+1)価の連結基を表し、Z
1は不安定カルコゲン原子部位を含む原子群を表し、
1、W2及びW3はカルボン酸基、スルホン酸基、スル
フィン酸基、リン酸基、亜リン酸基又はホウ酸基を表
す。m1は0又は1を表し、n1は1〜3の整数を表
し、l1、l2及びl3は各々0〜2の整数を表す。
【0013】3.支持体上に少なくとも1層の感光性ハ
ロゲン化銀乳剤層を有し、少なくとも1層の該ハロゲン
化銀乳剤層中に前記1又は2に記載のハロゲン化銀乳剤
を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感
光材料。
【0014】以下本発明を詳細に説明する。
【0015】メソイオン構造を含む置換基とは、W.B
akerとW.D.Ollisがクオータリー・レビュ
ー(Quart.Rev.)11、15(1957)、
アドバンシイズ・イン・ヘテロサイクリック・ケミスト
リー(Advances in Heterocycl
ic Chemistry)19、1(1976)で定
義している化合物群の残基であり「5または6員の複素
環状化合物で、一つの共有結合構造式または局性構造式
では満足に表示することができず、また環を構成するす
べての原子に関連したπ電子の六偶子を有する化合物で
環は部分的正電荷を帯び、環外原子または原子団上の等
しい負電荷と釣り合いを保っている」ものの残基をい
う。メソイオン構造のメソイオン環としては、イミダゾ
リウム環、ピラゾリウム環、オキサゾリウム環、チアゾ
リウム環、トリアゾリウム環、テトラゾリウム環、チア
ジアゾリウム環、オキサジアゾリウム環、チアトリアゾ
リム環、オキサトリアゾリウム環等があげられる。
【0016】不安定カルコゲン原子部位を有する化合物
とは、硝酸銀の存在下でカルコゲナイト銀形成する化合
物をいう。カルコゲン原子とは硫黄原子、セレン原子、
テルル原子を意味する。不安定硫黄部位を含む原子群の
具体例としては、チオ尿素基を有する原子群(例えば、
N,N′−ジエチルチオ尿素、N−エチル−N′−(2
−チアゾリル)チオ尿素、N,N−ジメチルチオ尿素、
N−フェニルチオ尿素等の各基)、チオアミド基を有す
る原子群(例えば、チオベンズアミド、チオアセトアミ
ド等の各基)、ポリスルフィド、フォスフィンスルフィ
ド基を有する原子群(例えば、ビス(ペンタフルオロフ
ェニル)フェニルフォスフィンスルフィド、ジエチルフ
ォスフィンスルフィド、ジメチルフェニルフォスフィン
スルフィド等の各基)、チオキソアゾリジノン基を有す
る原子群(例えば、エチルローダニン、5−ベンジリデ
ン−3−エチルローダニン、1,3−ジフェニル−2−
チオヒダントイン、3−エチル−4−オキソオキサゾリ
ジン−2−チオン等の各基)等の各原子群が挙げられ
る。不安定セレン部位を含む原子群の具体例としては、
セレノ尿素基を有する原子群(例えば、N,N−ジメチ
ルセレノ尿素、セレノ尿素、N−アセチル−N,N′−
ジエチルセレノ尿素、N−トリフルオロアセチル−
N′,N′−ジメチルセレノ尿素、N−エチル−N′−
(2−チアゾリル)セレノ尿素、N,N′−ジフェニル
セレノ尿素等の各基)、セレノアミド基を有する原子群
(例えば、N−メチル−セレノベンズアミド、N−フェ
ニル−セレノベンズアミド、N−エチル−セレノベンズ
アミド等の各基)、フォスフィンセレニド基を有する原
子群(例えば、トリフェニルフォスフィンセレニド、ジ
フェニル−(ペンタフルオロフェニル)フォスフィンセ
レニド、トリス(m−クロロフェニル)フォスフィンセ
レニド等の各基)、セレノフォスフェート基を有する原
子群(例えば、トリス(p−トリル)セレノフォスフェ
ート等の各基)、セレノエステル基を有する原子群(例
えば、p−メトキシセレノベンゾイックアシド=O−イ
ソプロピルエステル、セレノベンゾイックアシド=Se
−(3′−オキソブチル)エステル、p−メトキシセレ
ノベンゾイックアシド=Se−(3′−オキソシクロヘ
キシル)エステル等の各基)、セレニド基を有する原子
群(例えば、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)セ
レニド、ビス(n−ブトキシカルボニル)セレニド、ビ
ス(ベンジルオキシカルボニル)セレニド、ビス(N,
N−ジメチルカルバモイル)セレニド等の各基)、トリ
セレナン基を有する原子群(例えば、2,4,6−トリ
ス(p−メトキシフェニル)トリセレナン等の基)、セ
レノケトン基を有する原子群(例えば、4−メトキシセ
レノアセトフェノン、4,4−メトキシセレノベンゾフ
ェノン等の各基)等の原子群が挙げられる。
【0017】不安定テルル部位を含む原子群の具体例と
しては、フォスフィンテルリド基を有する原子群(例え
ば、ブチル−ジ−イソプロピルフォスフィンテルリド、
トリスシクロヘキシルフォスフィンテルリド等の基)、
テルロ尿素基を有する原子群(例えば、N,N′−ジエ
チル−N,N′−ジエチレンテルロ尿素、N,N′−ジ
メチレン−N,N′−ジメチルテルロ尿素等の基)、テ
ルロアミド基を有する原子群(例えば、N,N−ジメチ
ル−テルロベンズアミド、N,N−テトラメチレン−
(p−トリル)テルロベンズアミド等の基)、テルロフ
ォスフェート基を有する原子群(例えば、トリス(p−
トリル)テルロフォスフェート、トリスブチルテルロフ
ォスフェート等の基)、テルロフォスフォリックアミド
基を有する原子群(例えば、ヘキサメチルテルロフォス
フォリックアミド等の各基)等の原子群が挙げられる。
【0018】不安定セレン及びテルル部位を有する原子
群としてはその他に、特開平4−25832号、同4−
109240号、同4−147250号、同4−330
43号、同5−40324号、同5−24332号、同
5−24333号、同5−303157号、同5−30
6268号、同5−306269号、同6−27573
号、同6−43576号、同6−75328号、同6−
17528号、同6−180478号、同6−1752
9号、同6−208184号、同6−208186号、
同6−317867号、同7−92599号、同7−9
8483号、同7−104415号、同7−14057
9号、同7−301880号等に開示された化合物群か
ら選択する事が出来る。
【0019】本発明の化合物はメソイオン構造を含む置
換基と不安定カルコゲン原子部位をそれぞれ少なくとも
1つ有するものであり、メソイオン構造を含む置換基と
不安定カルコゲン原子部は直接結合していても、連結基
を介して結合していてもよい。
【0020】本発明の化合物の中でも好ましいものは、
前記一般式(1)で示されるものである。
【0021】一般式(1)において、A1で表されるメ
ソイオン構造を含む置換基及びZ1で表される不安定カ
ルコゲン原子部位を含む原子群の例として前述したもの
が挙げられる。
【0022】本発明のカルコゲン増感剤は分子内に水溶
性基を有することが好ましく、特にメソイオン構造を含
む置換基に該水溶性基が結合しているほうが本発明の効
果が大きく、より好ましい。水溶性基としては、後述す
るW1で表される基が挙げられる一般式(1)中L1で表
される2価の連結基は、炭素原子、水素原子、酸素原
子、窒素原子、硫黄原子から構成される基であり、具体
的には、炭素数1〜20のアルキレン基(例えば、メチ
レン、エチレン、プロピレン、ヘキシレン等の各基)、
アリーレン基(例えば、フェニレン、ナフチレン等の各
基)、−CONR1−、−SO2NR2−、−O−、−S
−、−NR3−、−NR4CO−、−NR5SO2−、−N
6CONR7−、−CO−O−、−O−CO−、−CO
−等の基が挙げられる。
【0023】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7は各
々水素原子、脂肪族基、脂環式基、芳香族基または複素
環基を表す。R1〜R7で表される脂肪族基としては炭素
数1〜20の直鎖又は分岐のアルキル基(例えば、メチ
ル、エチル、イソプロピル、2−エチル−ヘキシル等の
各基)、アルケニル基(例えば、プロペニル、3−ペン
テニル、2−ブテニル、シクロヘキセニル等の各基)、
アルキニル基(例えば、プロパルギル、3−ペンチニル
等の各基)、アラルキル(例えば、ベンジル、フェネチ
ル等の各基)が挙げられる。脂環式基としては。炭素数
5〜8の脂環式基(例えば、シクロペンチル、シクロヘ
キシル等の各基)、芳香族基としては、炭素数6〜10
の単環または縮合環の基であり、具体的には、フェニル
基またはナフチル基が挙げられ、複素環基としては酸素
原子、硫黄原子、窒素原子を含む5員〜7員の単環又は
更に他の環が縮合した縮合環の基であり、具体的には、
フリル、チエニル、ベンゾフリル、ピロリル、インドリ
ル、チアゾリル、イミダゾリル、モルフォリル、ピペラ
ジル、ピラジル等の各基が挙げられる。R1〜R7で表さ
れる各基は任意の位置に任意の原子、基が置換でき、置
換原子、置換基の例としては、ヒドロキシ基、ハロゲン
原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素
原子)、シアノ基、アミノ基(例えば、メチルアミノ、
アニリノ、ジエチルアミノ、2−ヒドロキシエチルアミ
ノ等の各基)、アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイ
ル、プロパノイル等の各基)、カルバモイル基(例え
ば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−
テトラメチレンカルバモイル、N−メタンスルホニルカ
ルバモイル、N−アセチルカルバモイル等の各基)、ア
ルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−ヒドロ
キシエトキシ、2−メトキエトキシ等の各基)、アルコ
キシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキ
シカルボニル、2−メトキシエトキシカルボニル等の各
基)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、トリ
フルオロメタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、p−
トルエンスルホニル等の各基)、スルファモイル基(例
えば、スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイ
ル、モルフォリノスルホニル、N−エチルスルファモイ
ル等の各基)、アシルアミノ基(例えば、アセトアミ
ド、トリフルオロアセトアミド、ベンズアミド、チエノ
カルボニルアミノ、ベンゼンスルフォンアミド等の各
基)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキ
シカルボニルアミノ、N−メチル−エトキシカルボニル
アミノ等の各基)等の基が挙げられる。W1、W2、W3
で表されるカルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸
基、リン酸基、亜リン酸基及びホウ酸基はフリーの形態
でもアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、
有機アミンと対塩を形成していても良い。
【0024】以下に本発明の化合物の具体例を示すが、
本発明の化合物はこれらに限定されるものではない。
【0025】
【化3】
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】
【化9】
【0032】
【化10】
【0033】
【化11】
【0034】
【化12】
【0035】上記本発明の化合物は公知の置換反応を利
用して合成する事が出来る。例えば以下の式に示す方法
が用いられる。
【0036】 縮合剤 (W)−[A]−COOH+Z−NH2 → (W)−[A]−CONH−Z+H2O (式1) 縮合剤 (W)−[A]−NH2+Z−COOH → (W)−[A]−NHCO−Z+H2O (式2) 塩基 (W)−[A]−COCl+Z−NH2 → (W)−[A]−CONH−Z+H2Cl (式3) 塩基 (W)−[A]−NH2+Z−COCl → (W)−[A]−NHCO−Z+H2Cl (式4) 塩基 (W)−[A]−X+Z−NRH → (W)−[A]−N(R)−Z+HX (式5) 塩基 (W)−[A]−NRH+Z−X → (W)−[A]−N(R)−Z+HX (式6) 塩基 (W)−[A]−X+Z−OH → (W)−[A]−O−Z+HX (式7) 塩基 (W)−[A]−OH+Z−X → (W)−[A]−O−Z+HX (式8) 式5、6、7、8においてXは反応後、脱離する基であ
り、例えばハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、沃素原子)、スルホン酸エステル基(例
えば、p−トルエンスルホナート、トリフルオロメタン
スルホナート、m−クロロベンゼンスルホナート等の各
基)が挙げられる。
【0037】 塩基 (W)−[A]−CHO+Z−H2 → (W)−[A]−CH=Z+H2O (式9) 塩基 (W)−[A]−H2+Z−CHO → (W)−[A]=CH−Z+H2O (式10) 式1、式2における縮合剤としては、例えば、1,3−
ジシクロヘキシルカルボジイミド、2−クロロ−1,3
−ジメチルイミダゾリウムクロライド等を挙げることが
でき、また、式3〜10おける塩基としては、無機塩基
(例えば、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム等)、
有機塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン等)等
が好ましい。
【0038】式1〜10において、W、A及びZは一般
式(1)におけるW1,W2,W3,A1,Z1と同義であ
る。更に、式5,6のRは水素原子、ハロゲン原子、一
価の置換基を表し、前述したR1〜R7と同義である。
【0039】本発明のカルコゲン化合物の使用量は、使
用するカルコゲン化合物、ハロゲン化銀粒子、化学増感
環境などにより変わるが、ハロゲン化銀1モル当たり、
10-8〜10-2モルが好ましく、より好ましくは10-7
〜10-3モル程度を用いる。
【0040】本発明における化学増感環境として特に制
限はないが、pAgとしては6〜11が好ましく、より
好ましくは7〜10であり、pHは4〜10が好まし
く、より好ましくは5〜8、温度としては40℃〜90
℃が好ましく、より好ましくは45℃〜80℃である。
【0041】化学増感に際しては本発明の化合物を併用
してもよく、また、本発明の化合物が硫黄部位を有する
ならばセレン増感、テルル増感や、還元増感及び貴金属
増感を組合わせたり、セレン部位を有するならば硫黄増
感、テルル増感や、還元増感及び貴金属増感を組合わせ
たり、またテルル部位を有するならば硫黄増感、セレン
増感や、還元増感及び貴金属増感を組合わせて用いるの
が好ましい。
【0042】硫黄増感においては不安定硫黄化合物を用
いる事が出来、具体的には、1,3−ジフェニルチオ尿
素、トリエチルチオ尿素、1−エチル−3−(2−チア
ゾリル)チオ尿素などのチオ尿素誘導体、ローダニン誘
導体、ジチカルバミン酸類、ポリスルフィド有機化合
物、チオ硫酸塩、硫黄単体などが好ましい。尚、硫黄単
体としては、斜方晶系に属するα−硫黄が好ましい。そ
の他米国特許第1,574,944号、同2,410,
689号、同2,278,947号、同2,728,6
68号、同3,501,313号、同3,656,95
5号等の各明細書、西独出願公開(OLS)1,42
2,869号、特開昭56−24937号、同55−4
5016号公報等に記載されている硫黄増感剤を用いる
事が出来る。
【0043】セレン増感においては不安定セレン化合物
を用いることが出来、例えば米国特許第1,574,9
44号、同1,602,592号、同1,623,49
9号、特開昭60−150046号、特開平4−258
32号、同4−109240号、同4−147250号
等に記載されている。有用なセレン増感剤としては、コ
ロイドセレン金属、イソセレノシアネート類(例えば、
アリルイソセレノシアネート等)、セレノ尿素類(例え
ば、N,N−ジメチルセレノ尿素、N,N,N′−トリ
エチルセレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−
ヘプタフルオロセレノ尿素、N,N,N′−トリメチル
−N′−ヘプタフルオロプロピルカルボニルセレノ尿
素、N,N,N′−トリメチル−N′−4−ニトロフェ
ニルカルボニルセレノ尿素等)、セレノケトン類(例え
ば、セレノアセトン、セレノアセトフェノン等)、セレ
ノアミド(例えば、セレノアセトアミド、N,N−ジメ
チルセレノベンズアミド等)、セレノカルボン酸類及び
セレノエステル類(例えば、2−セレノプロピオン酸、
メチル−3−セレノブチレート等)、セレノフォスフェ
ート類(例えば、トリ−p−トリセレノフォスフェート
等)、セレナイド類(ジメチルセレナイド、トリフェニ
ルフォスフィンセレナイド、ペンタフルオロフェニル−
ジフェニルフォスフィンセレナイド等)が挙げられる。
特に好ましいセレン増感剤はセレノ尿素、セレノアミド
類、セレナイド類である。
【0044】これらのセレン増感剤の使用技術の具体例
は下記特許に開示されている。米国特許第1,574,
944号、同1,602,592号、同1,623,4
99号、同3,297,466号、同3,297,44
7号、同3,320,069号、同3,408,196
号、同3,408,197号、同3,442,653
号、同3,420,670号、同3,591,385
号、フランス特許第2,693,038号、同2,09
3,209号、特公昭52−34491号、同52−3
4492号、同53−295号、同57−22090
号、特開昭59−180536号、同59−18533
0号、同59−181337号、同59−187338
号、同59−192241号、同60−150046
号、同60−151637号、同61−246738
号、特開平3−4221号、同3−24537号、同3
−111838号、同3−116132号、同3−14
8648号、同3−237450号、同4−16838
号、同4−25832号、同4−32831号、同4−
96059号、同4−109240号、同4−1407
38号、同4−140739号、同4−147250
号、同4−184331号、同4−190225号、同
4−191729号、同4−195035号、英国特許
第255,846号、同861,984号、尚、H.
E.Spencer等著Journal of Pho
tographic science誌、31巻、15
8〜169(1983)等の研究論文にも開示されてい
る。
【0045】テルル増感においては不安定テルル化合物
を用いることが出来、テルル増感剤及び増感方法につい
ては、米国特許第1,623,499号、同3,32
0,069号、同3,772,031号、同3,53
1,289号、同3,655,394号、英国特許第2
35,211号、同1,121,469号、同1,29
5,462号、同1,396,696号、カナダ特許第
800,958号。特開平4−20464号等に開示さ
れている。具体的にはフォスフィンテルリド類(例え
ば、ブチル−ジイソプロピルフォスフィンテルリド、ト
リブチルフォスフィンテルリド等)、テルロ尿素類(例
えば、N,N−ジメチルエチレンテルロ尿素、N,N−
ジフェニルエチレンテルロ尿素等)、テルロアミド類等
が挙げられる。
【0046】貴金属増感においては、Research
Disclosure誌307巻307105号など
に記載されている金、白金、パラジウム、イリジウムな
どの貴金属塩を用いる事が出来、中でも特に金増感が好
ましい。有用な金増感剤としては、塩化金酸、チオ硫酸
金、チオシアン酸金等の他に米国特許第2,597,8
56号、同5,049,485号、特公昭44−157
48号、特開平1−147537号、同4−70650
号等に開示されている有機金化合物などが挙げられる。
【0047】還元増感においては、Research
Disclosure誌307巻307105号や特開
平7−78685号などに記載されている還元性化合物
を用いる事が出来る。具体的には、アミノイミノメタン
スルフィン酸(別名二酸化チオ尿素)、ボラン化合物
(例えば、ジメチルアミンボラン等)、ヒドラジン化合
物(例えば、ヒドラジン、p−トリルヒドラジン等)、
ポリアミン化合物(例えば、ジエチレントリアミン、ト
リエチレンテトラミン等)、塩化第1スズ、シラン化合
物、レダクトン類(例えば、アスコルビン酸等)、亜硫
酸ナトリウム、アルデヒド化合物、水素ガスなどが挙げ
られる。また特願平8−277938号、同8−251
486号、同8−182035号等に開示されている高
pHや銀イオン過剰の雰囲気下で還元増感を施してもよ
い。
【0048】これらの化学増感のうち、金増感と組み合
わせるのが好ましい。
【0049】前記の種々の増感剤の添加方法は、使用す
る化合物の性質に応じて、水またはメタノ−ル等の有機
溶媒の単独または混合溶媒に溶解して添加する方法で
も、あるいはゼラチン溶液と予め混合して添加する方法
でも特開平4−140739号に開示されている方法、
すなわち有機溶媒可溶性の重合体との混合溶液の乳化分
散物の形態で添加する方法でもよい。
【0050】次に本発明のハロゲン化銀乳剤について説
明する。
【0051】本発明で用いられるハロゲン化銀粒子はそ
の形状及びハロゲン組成などについて特に限定されな
い。但し、その用途によってハロゲン化銀粒子の好まし
い形態は異なる。例えば、カラーネガフィルムで用いら
れるハロゲン化銀粒子としては以下のような平板状の粒
子が好ましい。
【0052】本発明において平板(状)粒子というの
は、2つの平行な主平面を有し、該主平面の円相当直径
(該主平面と同じ投影面積を有する円の直径)と主平面
間の距離(即ち粒子の厚み)の比、即ちアスペクト比2
以上の粒子を言う。平板粒子の全粒子の投影面積の総和
の50%以上がアスペクト比3以上であることが好まし
く、アスペクト比5以上であることが更に好ましい。平
板状粒子の直径は0.3〜10μmが好ましく、より好
ましくは0.5〜5.0μm、更に好ましくは0.5〜
2.0μmである。粒子の厚みは好ましくは0.05〜
0.8μmである。本発明における粒子直径、粒子厚み
の測定は米国特許第4,434,226号に記載の方法
で求めることができる。
【0053】平板状粒子のサイズ分布は、主平面の円相
当直径(該主平面と同じ投影面積を有する円の直径)の
変動係数(直径分布の標準偏差を平均直径で割ったもの
×100(%))が30%以下であることが好ましく、
20%以下であることが更に好ましい。
【0054】平板状粒子のハロゲン組成としては、臭化
銀または沃臭化銀であることが好ましく、沃化銀含有率
は0.1モル%以上15モル%未満であることが好まし
く、0.5モル%以上〜3モル%未満であることが更に
好ましい。平板状粒子は塩化銀を含有してもよい。
【0055】平板状粒子の沃化銀含有率の粒子間分布
は、沃化銀含有率の変動係数(沃化銀含有率粒子間分布
の標準偏差を平均沃化銀含有率で割ったもの×100
(%))が30%以下であることが好ましく、20%以
下であることが更に好ましい。
【0056】平板状粒子は、粒子内部にハロゲン組成の
異なる少なくとも2つ以上の相を有していてもよい。最
表層を除いたハロゲン化銀粒子内の最大沃化銀含有相の
沃化銀含有率は15モル%未満であることが好ましく、
更に好ましくは、10モル%未満である。また、該相の
粒子内に占める体積分率は30%以上90%以下である
ことが好ましい。
【0057】粒子内のハロゲン組成に関する構造は、X
線回折法、EPMAによる組成分析法等により調べるこ
とができる。
【0058】上述のハロゲン化銀粒子最表層の沃化銀含
有率とは、以下の方法によって求めるられる値のことを
言う。粒子最表層の沃化銀含有率は、XPS法(X−r
ayPhotoelectron Spectrosc
opy:X線光電子分光法)によって次のようにもとめ
られる。試料を1×10-8torr以下の超高真空中で
−115℃以下まで冷却し、プローブ用X線としてMg
KαをX線源電圧15kV、X線源電流40mAで照射
し、Ag3d5/2、Br3d、I3d3/2電子につ
いて測定する。測定されたピークの積分強度を感度因子
(Sensitivity Factor)で補正し、
これらの強度比から最表層の沃化銀含有率を求める。
【0059】平板状粒子の最表層の沃化銀含有率は5モ
ル%以上であることが好ましいが、10モル%以上であ
ることが更に好ましい。
【0060】また、上述の粒子内部の最大沃化銀含有相
とは、転位線を形成するために行われた後述するような
操作により生じた高沃度局在領域は含まない。
【0061】平板状粒子の製法としては、当業界で知ら
れた方法を適宜組み合わせることができる。例えば、特
開昭61−6643号、同61−146305号、同6
2−157024号、同62−18556号、同63−
92942号、同63−163451号、同63−22
0238号、同63−311244号等による公知の方
法を参考にする事ができる。例えば、同時混合法、ダブ
ルジェット法、同時混合法のひとつの形式であるハロゲ
ン化銀の生成される液相中のpAgを一定に保ついわゆ
るコントロールダブルジェット法、異なる組成の可溶性
ハロゲン化銀をそれぞれ独立に添加するトリプルジェッ
ト法も用いる事ができる。順混合法を用いることもで
き、また粒子を銀イオン過剰の下において形成する方法
(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。必要に応
じてハロゲン化銀溶剤を用いることができる。しばしば
用いられるハロゲン化銀溶剤としては、アンモニア、チ
オエーテル、チオ尿素類を挙げることができる。チオエ
ーテルに関しては米国特許第3,271,157号、同
第3,790,387号、同第3,574,628号等
を参考にすることができる。また、混合法としては特に
限定はなく、アンモニアを使わない中性法、アンモニア
法、酸性法などを用いることができるが、ハロゲン化銀
粒子のかぶりを少なくするという点で、好ましくはpH
(水素イオン濃度の逆数の対数値)5.5以下、更に好
ましくは4.5以下である。
【0062】平板状粒子は、少なくともその一部をハロ
ゲン化銀微粒子を用いて形成するのが粒子間のハロゲン
組成分布をより均一にし感光量子効率の不均一性を減少
させるという点で好ましく、粒子成長全体に渡って、ハ
ロゲン化銀微粒子を用いて成長するのが更に好ましい。
【0063】ハロゲン化銀微粒子を用いた粒子形成は、
特開平1−183417号、同1−183644号、同
1−183645号等に開示された粒子と同様にハロゲ
ン化銀微粒子のみを用いて粒子成長を行なってよいが、
少なくともハロゲン元素の一つをハロゲン化銀微粒子に
よって供給するものであればよい。この場合、沃素イオ
ンは、ハロゲン化銀微粒子によって供給されるのが好ま
しい。特開平5−5966号に記載のように粒子成長に
用いるハロゲン化銀微粒子は、2種以上であり、そのう
ちの少なくとも1種が1種類のハロゲン元素のみからな
るものであってもよい。
【0064】また、特開平2−167537号特許請求
範囲と同様に成長中のハロゲン化銀粒子よりも溶解度の
小さいハロゲン化銀粒子を用いることが望ましく、溶解
度積の小さいハロゲン化銀粒子としては沃化銀を用いる
ことが特に望ましい。
【0065】平板状粒子には転位を導入することが好ま
しい。
【0066】平板状粒子の転位は、例えばJ.F.Ha
milton、Photo.Sci.Eng.、11
(1967)、57やT.Shiozawa、J.Sc
i.Phot.Sci.Japan、35(197
2)、213に記載の方法、即ち低温での透過型電子顕
微鏡を用いた直接的な方法により観察することができ
る。即ち、乳剤から粒子に転位が発生するほどの圧力を
かけないように注意して取りだしたハロゲン化銀粒子
を、電子顕微鏡用のメッシュにのせ、電子線による損傷
(プリントアウト等)を防ぐように試料を冷却した状態
で透過法により観察を行う。このとき、粒子の厚みが厚
いほど電子線が透過しにくくなるので、高圧型(0.2
5μmの厚さに対して200kV)の電子顕微鏡を用い
た方がより鮮明に観察することができる。このような方
法によって得られた粒子写真より、主平面に対し垂直な
方向から見た場合の各粒子についての転位の位置及び数
を求めることができる。
【0067】平板状粒子の転位は、特に特定の箇所に導
入しなければならないということではないが、平板状粒
子のフリンジ部に存在していることが好ましい。
【0068】本発明における平板状粒子のフリンジ部と
は平板状粒子の外周のことを指し、詳しくは主平面側か
ら見た平板粒子投影面の重心から粒子の各辺に降ろした
垂線において、該垂線の長さの50%より外側(辺側)
の領域のことをいう。
【0069】平板状粒子の転位の数については10本以
上の転位を含む粒子が乳剤中のハロゲン化銀粒子の全投
影面積の50%以上であることが好ましく、80%以上
であることが更に好ましい。
【0070】上述の転位の導入方法については特に限定
はないが、転位を導入したい位置で沃化カリウムのよう
な沃素イオン水溶液と水溶性銀塩溶液をダブルジェット
で添加する方法、もしくは沃化銀微粒子を添加する方
法、沃素イオン溶液のみを添加する方法、特開平6−1
1781号に記載されているような沃化物イオン放出剤
を用いる方法等で行うことができる。沃素イオン水溶液
と水溶性銀塩溶液をダブルジェットで添加する方法、沃
化銀微粒子を添加する方法、沃化物イオン放出剤を用い
る方法が好ましく、沃化銀微粒子を用いる方法が更に好
ましい。沃素イオン水溶液としては沃化アルカリ水溶液
が好ましく、水溶性銀塩水溶液としては硝酸銀溶液が好
ましい。
【0071】本発明のハロゲン化銀乳剤はメチン色素類
またはその他の増感色素によって分光増感されているこ
とが好ましい。増感色素は単独で用いてもよいが、2種
類以上を組み合わせて用いても良い。増感色素と共にそ
れ自身分光増感作用をもたない色素、あるいは可視光を
実質的に吸収しない化合物であって、増感色素の増感作
用を強める強色増感剤を乳剤中に含有させてもよい。増
感色素としてはシアニン色素、メロシアニン色素、複合
シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシ
アニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素、ヘミオ
キソノール色素、オキソノール、メロスチリル及びスト
レプトシアニンを含むポリメチン染料等を挙げることが
出来る。
【0072】本発明のハロゲン化銀乳剤は、感光材料の
製造工程、保存中あるいは処理中のカブリを防止し、写
真性能を安定化する事を目的として、種々のカブリ防止
剤、安定剤を含有させることができる。具体的には、テ
トラザインデン類、アゾール類、ベンゾチアゾリウム
塩、ニトロインダゾール類、ニトロベンズイミダゾール
類、クロロベンズイミダゾール類、プロモベンズイミダ
ゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベンズ
イミダゾール類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリア
ゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、メルカプトテ
トラゾール類、メルカプトピリミジン類、メルカプトト
リアジン類、チオケト化合物、さらにはベンゼンチオス
ルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフォ
ン酸アミド、ハイドロキノン誘導体、アミノフェノール
誘導体、没食子酸誘導体、アスコルビン酸誘導体を挙げ
ることが出来る。
【0073】本発明においては、ハロゲン化銀溶剤共存
下で化学増感を施してもよい。本発明で用いられるハロ
ゲン化銀溶剤としては、米国特許第3,271,157
号、同3,574,628号、特開昭54−1019
号、同54−158917号各公報等に記載された有機
チオエーテル類、特開昭53−82408号、同55−
77737号、同55−2982号各公報等に記載され
たチオ尿素誘導体、特開昭53−144319号公報に
記載された酸素または硫黄原子と窒素原子とに挟まれた
チオカルボニル基を有するハロゲン化銀溶剤、特開昭5
4−100717号公報に記載されたイミダゾール類、
亜硫酸塩、チオシアネート等が挙げられる。
【0074】本発明のカラー感光材料に使用できる公知
の写真用添加剤は、RD17643,25頁VIII−A項
〜27頁XIII項、RD18716,650〜651頁、
RD308119,1003頁VIII−A項〜1012頁
XXI−E項に、又、各種カプラーの具体例は、RD17
643,25頁VII−C〜G項、RD308119,1
001頁VII−C〜G項に記載されている。
【0075】本発明においては、前述RD17643,
28頁XVII項、RD18716,647〜8頁及びRD
308119,1009頁XVII項に記載される支持体
を使用することができる。
【0076】感光材料には、前述RD308119,1
002頁VII−K項に記載されるフィルター層や中間層
等の補助層を設けることができる。
【0077】感光材料は、前述RD308119,VII
−K項に記載の順層、逆層、ユニット構成等の様々な層
構成を採ることができる。
【0078】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて更に具体的に
説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるも
のではない。
【0079】実施例1 [種乳剤の調製]以下に示す方法によって、2枚の平行
な双晶面を有する種乳剤を調製した。
【0080】 (E−5液) 脱イオン化アルカリ処理ゼラチン(平均分子量15,000)244.0g 臭化カリウム 156.6g HO(CH2CH2O)m(CH(CH3)CH2O)19.8(CH2CH2O)nH (m+n=9.77) の10%メタノール溶液 0.48mL 水で 34.0L (F−5液) 硝酸銀 1200g 水で 3716mL (G−5液) 脱イオン化アルカリ処理ゼラチン(平均分子量15,000) 31.6g 臭化カリウム 906.0g 水で 4.0L (H−5液) アンモニア水(28%) 299mL (I−5液) 水 8.0L (J−5液) オセインゼラチン 400.0g 水で 4832mL (K−5液) 臭化カリウム 69.2g 水で 386mL (L−5液) 56重量%酢酸水溶液 1000mL 特開昭62−160128号記載の撹拌装置を用い、3
0℃で激しく撹拌したE−5液にK−5液を添加し、そ
の後F−5液とG−5液とをダブルジェット法により2
分で添加し、ハロゲン化銀核の生成を行った。
【0081】その後J−5液を添加し、41分かけて温
度を68℃に上げ、さらにH−5液を添加し、7分間熟
成を行った。その後、さらにI−5液を添加し、1分後
にL−5液を用いてpHを4.7に調整し、直ちに常法
にて脱塩を行った。この種乳剤を電子顕微鏡にて観察し
たところ、互いに平行な2枚の双晶面をもつ平均粒径
(投影面積円換算粒径)0.31μm、粒径分布16%
の単分散球型乳剤であった。
【0082】[乳剤Em−1の調製]以下に示す溶液を
用い、乳剤Em−1を調製した。
【0083】 (H−6液) オセインゼラチン 223.6g HO(CH2CH2O)m(CH(CH3)CH2O)19.8(CH2CH2O)nH (m+n=9.77) の10%メタノール溶液 3.6mL 種乳剤 0.774モル相当 水で 5904mL (I−6液) 3.5N硝酸銀水溶液 6490mL (J−6液) 3.5N臭化カリウム水溶液 7500mL (K−6液) 3.0重量%のゼラチンと沃化銀微粒子(平均粒径0.05μm) 必要量 から成る微粒子乳剤 (L−6液) 1.75N臭化カリウム水溶液 必要量 (M−6液) 56重量%酢酸水溶液 必要量 (N−6液) 3.5N臭化カリウム水溶液 500mL 反応容器内にH−6液を添加し、激しく撹拌しながら、
I−6液、J−6液、K−6液を表1に示した組み合わ
せに従って同時混合法によって添加を行い、種晶を成長
させ、コア/シェル型ハロゲン化銀乳剤を調製した。
【0084】ここで、I−6液、J−6液、K−6液の
添加速度は、臨界成長速度を考慮し、添加時間に対して
関数様に変化させ、成長している種粒子以外の小粒子の
発生や、成長粒子間のオストワルド熟成による粒径分布
の劣化が起こらないようにした。
【0085】結晶成長はまず、第1添加を反応容器内の
溶液温度を75℃、pAgを8.8にコントロールして
行った後15分間で反応容器内の溶液温度を60℃に下
げ、N−6液を4分間で添加し、K−6液を総使用銀量
に対し2%相当量添加した後、第2添加を行った。第2
添加は反応容器内の溶液温度を60℃、pAgを9.
8、pHを5.8にコントロールして行った。pAg及
びpHのコントロールの為に、必要に応じてL−6液、
M−6液を添加した。
【0086】粒子形成後に、特開平5−72658号に
記載の方法に従い脱塩処理を行い、その後ゼラチンを加
えて分散し、40℃においてpAg8.06、pH5.
8の乳剤を得た。
【0087】この乳剤中のハロゲン化銀粒子を電子顕微
鏡にて観察したところ、平均粒径1.30μm、粒径分
布17%の平均アスペクト比8.0の六角平板状単分散
ハロゲン化銀粒子であった。また、この平板状ハロゲン
化銀粒子は、フリンジ部に転位線を有していた。
【0088】
【表1】
【0089】この乳剤Em−1を小分けして、以下に示
す方法により、乳剤A〜乳剤Hを作製した。58℃に昇
温したあと、SD−1を4×10-4モル/モルAg、S
D−2を8×10-5モル/モルAg、SD−3を5×1
-5モル/モルAg添加し、20分後、表2に示す硫黄
増感剤、塩化金酸3.2×10-6モル/モルAg、チオ
シアン酸カリウム3.5×10-4モル/モルAg、トリ
フェニルホスフィンセレニド2.5×10-6モル/モル
Ag添加して1/100秒感度が最適となるように熟成
した。熟成終了時に安定剤ST−1及びかぶり防止剤A
F−1を添加して降温し、冷却固化させてそれぞれの乳
剤を作製した。
【0090】得られた乳剤各々に酢酸エチル、トリクレ
ジルホスフェ−ト(OIL−1)に溶解したマゼンタカ
プラー(M−1)を加え、分散助剤(SU−1)、ゼラ
チンを含む水溶液中に乳化分散した分散物、延展剤(S
U−2)及び硬膜剤(H−1、H−2)を加えて塗布液
を調整し、それぞれを下引きされた三酢酸セルロ−ス支
持体上に常法により塗布、乾燥して試料101〜108
を作製した。
【0091】以下に単一乳剤層塗布試料の作製方法を示
す。
【0092】〈塗布処方〉 順次、支持体側から 第1層:緑感性ハロゲン化銀乳剤層 乳剤 塗布銀量1.5g/m2 マゼンタカプラー(M−1) 0.33g/m2 トリクレジルホスフェート(OIL−1) 0.50g/m2 ゼラチン 5g/m2 第2層:表面保護層 PM−1 0.15g/m2 PM−2 0.04g/m2 ゼラチン 0.65g/m
【0093】
【化13】
【0094】
【化14】
【0095】以上のようにして得られた試料を5400
Kの光源を用い東芝ガラスフィルターY−48を通して
ウエッジ露光を行い、下記処理工程に従って現像処理を
行った。
【0096】各試料の感度は、緑色濃度がカブリ+0.
15の光学濃度を与える露光量の逆数で表し、試料N
o.101の値を100とした相対値で示した。
【0097】更にマゼンタ色像の粒状性についてRMS
粒状度で評価した。RMS粒状度は緑色濃度のカブリ+
0.3及の部分を開口走査面積1800μm2(スリッ
ト巾10μm、スリット長180μm)のマイクロデン
シトメーターで走査し、濃度測定サンプリング数100
0以上の濃度値の変動の標準偏差の1000倍値を求
め、試料101を100としたときの相対値で表2に示
した。数値が小さいほど粒状性が良好である。
【0098】更に、保存時に発生するカブリを評価する
ために試料を温度23℃・相対湿度65%の条件下で2
4時間調湿した後、樹脂缶に密封し、55℃の温度下で
5日間経時させた。
【0099】この試料をそれぞれ冷蔵保存しておいた試
料と共に処理を行った後、得られた特性曲線の最小濃度
値の差を保存時のカブリ上昇巾として評価した。結果を
表2に示す。
【0100】 (処理工程) 処理工程 処理時間 処理温度 補充量* 発色現像 3分15秒 38± 0.3℃ 780cc 漂 白 45秒 38± 2.0℃ 150cc 定 着 1分30秒 38± 2.0℃ 830cc 安 定 60秒 38± 5.0℃ 830cc 乾 燥 1分 55± 5.0℃ − *補充量は感光材料1m2当たりの値である。
【0101】発色現像液、漂白液、定着液、安定液及び
その補充液は、以下のものを使用した。
【0102】発色現像液 水 800cc 炭酸カリウム 30g 炭酸水素ナトリウム 2.5g 亜硫酸カリウム 3.0g 臭化ナトリウム 1.3g 沃化カリウム 1.2mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.5g 塩化ナトリウム 0.6g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N− (β−ヒドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 4.5g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水酸化カリウム 1.2g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウムまたは20%硫酸を用いてpH1 0.06に調整する。
【0103】発色現像補充液 水 800cc 炭酸カリウム 35g 炭酸水素ナトリウム 3g 亜硫酸カリウム 5g 臭化ナトリウム 0.4g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.1g 4−アミノ−メチル−N−エチル−N− (β−ヒドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 6.3g 水酸化カリウム 2g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウムまたは20%を用いてpH10. 18に調整する。
【0104】漂白液 水 700cc 1,3−ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 125g エチレンジアミン四酢酸 2g 硝酸ナトリウム 40g 臭化アンモニウム 150g 氷酢酸 40g 水を加えて1リットルとし、アンモニア水または氷酢酸を用いてpH4.4に 調整する。
【0105】漂白補充液 水 700cc 1,3−ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 175g エチレンジアミン四酢酸 2g 硝酸ナトリウム 50g 臭化アンモニウム 200g 氷酢酸 56g アンモニア水または氷酢酸を用いてpH4.4に調整後水を加えて1リットル とする。
【0106】定着液 水 800cc チオシアン酸アンモニウム 120g チオ硫酸アンモニウム 150g 亜硫酸ナトリウム 15g エチレンジアミン四酢酸 2g アンモニア水または氷酢酸を用いてpH6.2に調整後水を加えて1リットル とする。
【0107】定着補充液 水 800cc チオシアン酸アンモニウム 150g チオ硫酸アンモニウム 180g 亜硫酸ナトリウム 20g エチレンジアミン四酢酸 2g アンモニア水または氷酢酸を用いてpH6.5に調整後水を加えて1リットル とする。
【0108】安定液及び安定補充液 水 900cc パラオクチルフェニルポリオキシエチレンエーテル (n=10) 2.0g ジメチロール尿素 0.5g ヘキサメチレンテトラミン 0.2g 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.1g シロキサン(UCC製L−77) 0.1g アンモニア水 0.5cc 水を加えて1リットルとした後、アンモニア水または50%硫酸を用いてpH 8.5に調整する。
【0109】
【表2】
【0110】
【化15】
【0111】表2から明らかなように、本発明の化合物
を用いた試料は、比較化合物を用いた試料に比して、カ
ブリ/感度、感度/粒状性の関係に優れ、保存時のカブ
リも比較化合物を用いた試料に比して小さくなり、更に
低カブリ、高感度を達成することができた。
【0112】実施例2 乳剤Em−1を小分けして、以下に示す方法により、乳
剤I〜乳剤Oを作製した。
【0113】小分けしたそれぞれの乳剤を55℃に昇温
したあと、SD−1を4×10-4モル/モルAg、SD
−2を8×10-5モル/モルAg、SD−3を5×10
-5モル/モルAg添加し、20分後、チオ硫酸ナトリウ
ム五水塩5×10-6モル/モルAg、表3に示すセレン
増感剤、塩化金酸3.5×10-6モル/モルAg、チオ
シアン酸カリウム3.5×10-4モル/モルAgを添加
して1/100秒感度が最適となるように熟成した。熟
成終了時に安定剤ST−1及びかぶり防止剤AF−1を
添加して降温し、冷却固化させてそれぞれの乳剤を作製
した。得られた乳剤に実施例1と同様にして試料201
〜207を作製し、処理及び評価した。感度、粒状性に
ついては試料201を100とした時の相対値の結果を
表3に示す。
【0114】
【表3】
【0115】
【化16】
【0116】表3から明らかなように、本発明の化合物
のカルコゲン部位をセレンに変えた場合でも、分子内に
メソイオン構造を有する本発明の化合物を用いた試料は
カブリ/感度、感度/粒状の関係に優れ、保存時のカブ
リも比較化合物を用いた試料に比べて小さくなり改良さ
れていた。
【0117】実施例3 乳剤Em−1を小分けして、以下に示す方法により、乳
剤P〜乳剤Sを作製した。
【0118】52℃に昇温したあと、SD−1を4×1
-4モル/モルAg、SD−2を8×10-5モル/モル
Ag、SD−3を5×10-5モル/モルAg添加し、2
0分後、チオ硫酸ナトリウム五水塩8.5×10-6モル
/モルAg、表4に示すテルル増感剤、塩化金酸4×1
-6モル/モルAg、チオシアン酸カリウム3.5×1
-4モル/モルAgを添加して1/100秒感度が最適
となるように熟成した。熟成終了時に安定剤ST−1及
びかぶり防止剤AF−1を添加して降温し、冷却固化さ
せてそれぞれの乳剤を作製した。得られた乳剤を実施例
1と同様にして試料301〜304を作製し、処理及び
評価した。感度、粒状性については試料301を100
とした時の相対値の結果を表4に示す。
【0119】
【表4】
【0120】
【化17】
【0121】表4から明らかなように、本発明の化合物
のカルコゲン部位をテルルに変えた場合でも、分子内に
メソイオン構造を有する本発明の化合物を用いた試料は
カブリ/感度、感度/粒状の関係に優れ、保存時のカブ
リも比較化合物を用いた試料に比べて小さくなり改良さ
れていた。
【0122】実施例4 下引き層を施したトリアセチルセルロースフィルム支持
体上に下記に示すような組成の各層を順次支持体側から
形成して多層カラー写真感光材料試料401を作製し
た。
【0123】添加量は1m2当たりのグラム数で表す。
但し、ハロゲン化銀とコロイド銀は銀の量に換算し、増
感色素(SDで示す)は銀1モル当たりのモル数で示し
た。
【0124】 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 0.16 UV−1 0.3 CM−1 0.123 CC−1 0.044 OIL−1 0.167 ゼラチン 1.33 第2層(中間層) AS−1 0.160 OIL−1 0.20 ゼラチン 0.69 第3層(低感度赤感色性層) 沃臭化銀a 0.20 沃臭化銀b 0.29 SD−1 2.37×10-5 SD−2 1.2×10-4 SD−3 2.4×10-4 SD−4 2.4×10-6 C−1 0.32 CC−1 0.038 OIL−2 0.28 AS−2 0.002 ゼラチン 0.73 第4層(中感度赤感色性層) 沃臭化銀c 0.10 沃臭化銀d 0.86 SD−1 4.5×10-5 SD−2 2.3×10-4 SD−3 4.5×10-4 C−2 0.52 CC−1 0.06 DI−1 0.047 OIL−2 0.46 AS−2 0.004 ゼラチン 1.30 第5層(高感度赤感色性層) 沃臭化銀c 0.13 沃臭化銀d 1.18 SD−1 3.0×10-5 SD−2 1.5×10-4 SD−3 3.0×10-4 C−2 0.047 C−3 0.09 CC−1 0.036 DI−1 0.024 OIL−2 0.27 AS−2 0.006 ゼラチン 1.28 第6層(中間層) OIL−1 0.29 AS−1 0.23 ゼラチン 1.00 第7層(低感度緑感色性層) 沃臭化銀a 0.19 沃臭化銀b 0.062 SD−4 3.6×10-4 SD−5 3.6×10-4 M−1 0.18 CM−1 0.033 OIL−1 0.22 AS−2 0.002 AS−3 0.05 ゼラチン 0.61 第8層(中間層) OIL−1 0.26 AS−1 0.054 ゼラチン 0.80 第9層(中感度緑感色性層) 沃臭化銀e 0.54 沃臭化銀f 0.54 SD−6 3.7×10-4 SD−7 7.4×10-5 SD−8 5.0×10-5 M−1 0.17 M−2 0.33 CM−1 0.024 CM−2 0.029 DI−2 0.024 DI−3 0.005 OIL−1 0.73 AS−3 0.035 AS−2 0.003 ゼラチン 1.80 第10層(高感度緑感色性層) 沃臭化銀f 1.19 SD−6 4.0×10-4 SD−7 8.0×10-5 SD−8 5.0×10-5 M−1 0.065 CM−2 0.026 CM−1 0.022 DI−3 0.003 DI−2 0.003 OIL−1 0.19 OIL−2 0.43 AS−3 0.017 AS−2 0.014 ゼラチン 1.23 第11層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 0.05 OIL−1 0.18 AS−1 0.16 ゼラチン 1.00 第12層(低感度青感色性層) 沃臭化銀b 0.22 沃臭化銀a 0.08 沃臭化銀h 0.09 乳剤jを当該Ag付量に対し7モル%量 SD−9 6.5×10-4 SD−10 2.5×10-4 Y−A 0.77 DI−4 0.017 OIL−1 0.31 AS−2 0.002 ゼラチン 1.29 第13層(高感度青感色性層) 沃臭化銀h 0.41 沃臭化銀i 0.61 乳剤jを当該Ag付量に対し3モル%量 SD−9 4.4×10-4 SD−10 1.5×10-4 Y−A 0.23 OIL−1 0.10 AS−2 0.004 ゼラチン 1.20 第14層(第1保護層) 沃臭化銀j 0.30 UV−1 0.055 UV−2 0.110 OIL−2 0.30 ゼラチン 1.32 第15層(第2保護層) PM−1 0.15 PM−2 0.04 WAX−1 0.02 D−1 0.001 ゼラチン 0.55 上記沃臭化銀の特徴を下記に表示する(平均粒径とは同
体積の立方体の一辺長)。
【0125】 乳剤No. 平均粒径(μm) 平均AgI量(mol%) 直径/厚み比 沃臭化銀a 0.30 2.0 1.0 b 0.40 8.0 1.4 c 0.60 7.0 3.1 d 0.74 7.0 5.0 e 0.60 7.0 4.1 f 0.65 8.7 6.5 g 0.40 2.0 4.0 h 0.65 8.0 1.4 i 1.00 8.0 2.0 j 0.05 2.0 1.0 k 0.10 2.0 1.0 l 0.15 2.0 1.0 なお、代表的なハロゲン化銀粒子の形成例として、沃臭
化銀d,fの製造例を以下に示す。また、沃臭化銀j,
k,l(以下、乳剤j,k,lともいう)については特
開平1−183417号、同1−183644号、同1
−183645号、同2−166442号に関する記載
を参考に作成した。
【0126】ハロゲン化銀乳剤は下記のように、まず種
晶乳剤−1の調製作製した。
【0127】種晶乳剤−1の調製 以下のようにして種晶乳剤を調製した。
【0128】特公昭58−58288号、同58−58
289号に示される混合攪拌機を用いて、35℃に調整
した下記溶液A1に硝酸銀水溶液(1.161モル)
と、臭化カリウムと沃化カリウムの混合水溶液(沃化カ
リウム2モル%)を、銀電位(飽和銀−塩化銀電極を比
較電極として銀イオン選択電極で測定)を0mVに保ち
ながら同時混合法により2分を要して添加し、核形成を
行った。続いて、60分の時間を要して液温を60℃に
上昇させ、炭酸ナトリウム水溶液でpHを5.0に調整
した後、硝酸銀水溶液(5.902モル)と、臭化カリ
ウムと沃化カリウムの混合水溶液(沃化カリウム2モル
%)を、銀電位を9mVに保ちながら同時混合法によ
り、42分を要して添加した。添加終了後40℃に降温
しながら、通常のフロキュレーション法を用いて直ちに
脱塩、水洗を行った。
【0129】得られた種晶乳剤は、平均球換算直径が
0.24μm、平均アスペクト比が4.8、ハロゲン化
銀粒子の全投影面積の90%以上が最大辺長比率(各粒
子の最大辺長と最小辺長との比)が1.0〜2.0の六
角状の平板状粒子からなる乳剤であった。この乳剤を種
晶乳剤−1と称する。
【0130】 〔溶液A1〕 オセインゼラチン 24.2g 臭化カリウム 10.8g HO(CH2CH2O)m(CH(CH3)CH2O)19.8(CH2CH2O)nH (m+n=9.77)(10%エタノール溶液) 6.78ml 10%硝酸 114ml H2O 9657ml 沃化銀微粒子乳剤SMC−1の調製 0.06モルの沃化カリウムを含む6.0重量%のゼラ
チン水溶液5リトッルを激しく攪拌しながら、7.06
モルの硝酸銀水溶液と7.06モルの沃化カリウム水溶
液、各々2リトッルを10分を要して添加した。この間
pHは硝酸を用いて2.0に、温度は40℃に制御し
た。粒子調製後に、炭酸ナトリウム水溶液を用いてpH
を5.0に調整した。得られた沃化銀微粒子の平均粒径
は0.05μmであった。この乳剤をSMC−1とす
る。
【0131】沃臭化銀dの調製 0.178モル相当の種晶乳剤−1とHO(CH2CH2
O)m(CH(CH3)CH2O)19.8(CH2CH2O)n
H(m+n=9.77)の10%エタノール溶液0.5
mlを含む、4.5重量%の不活性ゼラチン水溶液70
0mlを75℃に保ち、pAgを8.4、pHを5.0
に調整した後、激しく攪拌しながら同時混合法により以
下の手順で粒子形成を行った。
【0132】1) 3.093モルの硝酸銀水溶液と
0.287モルのSMC−1、及び臭化カリウム水溶液
を、pAgを8.4、pHを5.0に保ちながら添加し
た。
【0133】2) 続いて溶液を60℃に降温し、pA
gを9.8に調製した。その後、0.071モルのSM
C−1を添加し、2分間熟成を行った(転位線の導
入)。
【0134】3) 0.959モルの硝酸銀水溶液と
0.03モルのSMC−1、及び臭化カリウム水溶液
を、pAgを9.8、pHを5.0に保ちながら添加し
た。
【0135】尚、粒子形成を通して各溶液は、新核の生
成や粒子間のオストワルド熟成が進まないように最適な
速度で添加した。上記添加終了後に40℃で通常のフロ
キュレーション法を用いて水洗処理を施した後、ゼラチ
ンを加えて再分散し、pAgを8.1、pHを5.8に
調整した。
【0136】得られた乳剤は、粒径(同体積の立方体1
辺長)0.74μm、平均アスペクト比5.0、粒子内
部からヨウ化銀含有率2/8.5/X/3モル%(Xは
転位線導入位置)のハロゲン組成を有する平板状粒子か
らなる乳剤であった。この乳剤を電子顕微鏡で観察した
ところ乳剤中の粒子の全投影面積の60%以上の粒子に
フリンジ部と粒子内部双方に5本以上の転位線が観察さ
れた。表面沃化銀含有率は、6.7モル%であった。
【0137】沃臭化銀fの調製 沃臭化銀dの調製において、1)の工程でpAgを8.
8かつ、添加する硝酸銀量を2.077モルSMC−1
の量を0.218モルとし、3)の工程で添加する硝酸
銀量を0.91モル、SMC−1の量を0.079モル
とした以外は沃臭化銀dと全く同様にして沃臭化銀fを
調製した。
【0138】得られた乳剤は、粒径(同体積の立方体1
辺長)0.65μm、平均アスペクト比6.5、粒子内
部からヨウ化銀含有率2/9.5/X/8.0モル%
(Xは転位線導入位置)のハロゲン組成を有する平板状
粒子からなる乳剤であった。この乳剤を電子顕微鏡で観
察したところ乳剤中の粒子の全投影面積の60%以上の
粒子にフリンジ部と粒子内部双方に5本以上の転位線が
観察された。表面沃化銀含有率は、11.9モル%であ
った。
【0139】上記各乳剤に前述の増感色素を添加、熟成
した後、トリフォスフィンセレナイド、チオ硫酸ナトリ
ウム、塩化金酸、チオシアン酸カリウムを添加し、常法
に従い、かぶり、感度関係が最適になるように化学増感
を施した。
【0140】また、沃臭化銀a,b,c,e,g,h,
iについても、上記沃臭化銀d,fに準じて作製し、分
光増感、化学増感を施した。
【0141】尚、上記の組成物の他に、塗布助剤SU−
1、SU−2、SU−3、分散助剤SU−4、粘度調整
剤V−1、安定剤ST−1、ST−2、カブリ防止剤A
F−1、重量平均分子量:10,000及び重量平均分
子量:1,100,000の2種のポリビニルピロリド
ン(AF−2)、抑制剤AF−3、AF−4、AF−
5、硬膜剤H−1、H−2及び防腐剤Ase−1を添加
した。
【0142】上記で用いた化合物の構造を以下に示す。
【0143】
【化18】
【0144】
【化19】
【0145】
【化20】
【0146】
【化21】
【0147】
【化22】
【0148】
【化23】
【0149】
【化24】
【0150】
【化25】
【0151】
【化26】
【0152】以上で感光材料の試料401とした。
【0153】実施例1で得られた乳剤B、Dを上記試料
No.401の感光材料構成中第10層に用い、実施例
1と同様な処理及び評価をしたところ、本発明の乳剤D
は良好な結果を示した。
【0154】
【発明の効果】本発明によるハロゲン化銀乳剤及びそれ
を用いたハロゲン化銀感光材料は、カブリ/感度及び感
度/粒状性の関係に優れ、保存性が改良され、優れた効
果を有する。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−118685(JP,A) 特開 平9−50088(JP,A) 特開 平9−15777(JP,A) 特開 平4−267249(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/09

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内にメソイオン構造を含む置換基と
    不安定カルコゲン原子部位を有する化合物を用いて化学
    増感を施したことを特徴とするハロゲン化銀乳剤。
  2. 【請求項2】 前記分子内にメソイオン構造を含む置換
    基と不安定カルコゲン原子部位を有する化合物が、下記
    一般式(1)で表される化合物である事を特徴とする請
    求項1に記載のハロゲン化銀乳剤。 【化1】 (式中、A1はメソイオン構造を含む置換基を表し、L1
    は(n1+l2+1)価の連結基を表し、Z1は不安定カ
    ルコゲン原子部位を含む原子群を表し、W1、W2及びW
    3はカルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、リ
    ン酸基、亜リン酸基又はホウ酸基を表す。m1は0又は
    1を表し、n1は1〜3の整数を表し、l1、l2及びl
    3は各々0〜2の整数を表す。)
  3. 【請求項3】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層を有し、少なくとも1層の該ハロゲン化
    銀乳剤層中に請求項1又は2に記載のハロゲン化銀乳剤
    を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感
    光材料。
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