JP3538312B2 - レーザ測量装置 - Google Patents

レーザ測量装置

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JP3538312B2
JP3538312B2 JP08770698A JP8770698A JP3538312B2 JP 3538312 B2 JP3538312 B2 JP 3538312B2 JP 08770698 A JP08770698 A JP 08770698A JP 8770698 A JP8770698 A JP 8770698A JP 3538312 B2 JP3538312 B2 JP 3538312B2
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栄一 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザビームを所
定の走査面内で走査しつつ投射するとともに、レーザ光
からなる第1直線ビームと第2直線ビームとを前記走査
面に直交し且つ互いに逆となる方向に出射するレーザ測
量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、土木、建築などの分野では、
水平線や垂直線の墨出しを行うためのレーザ測量装置
(いわゆるレーザプレーナ)が使用されている。このレ
ーザ装置はレーザ光を出射する投光部を回転させてこの
レーザ光を周方向に走査し、レーザ光の軌跡によって壁
面などの被投射面に垂直または水平方向の基準線を投射
するものである。
【0003】図4にレーザ測量装置の外観図を示す。こ
の図4は水平方向のレーザ光走査を行うために、レーザ
測量装置11を鉛直に立てて使用している状態を示して
いる。このレーザ測量装置11の上端部からは、天井な
どに測量基準点を形成するためのレーザ光(以下、上部
直線ビームという)L4が鉛直上方向に出射されてい
る。また、このレーザ測量装置の下端部からは床などに
測量基準点を形成するためのレーザ光(以下、下部直線
ビームという)L2が鉛直下方向に出射している。
【0004】レーザ測量装置11の上部ハウジング16
の側面からは、このレーザ測量装置11内に設置された
図示せぬ回転投光部からのレーザ光L3が出射してお
り、図4の状態において回転投光部が鉛直方向を軸とし
て回転されることに伴って、このレーザ光L3が上下各
直線ビームL2,L4に対して直交する面内で走査され
る。このようにレーザ光L3を周方向に走査させること
により、壁面などに水平線や水平面を形成することがで
きる。
【0005】このようなレーザ測量装置11において、
上部直線ビームL2および下部直線ビームL4は、鉛直方
向に正確に基準点を形成するために、互いに平行となる
ように設計されている。しかしながら、各光学部材の誤
差や、装置の組み上げの際の設計値からの僅かなズレに
より、これら上下各直線ビームL2,L4の向きが設計値
通りの平行にならない場合がある。そこで、これら上下
各直線ビームL2,L4の向きを互いに平行に調節するた
めのビーム軸平行調整部がレーザ測量装置11内に組み
込まれている。
【0006】図17は、従来のビーム軸平行調整部の断
面図である。このビーム軸平行調整部は、レーザ測量装
置11の下方の下部直線ビームL2の出射口付近に設け
られている。以下、図17を用いて、従来のビーム軸平
行調整部について説明する。
【0007】レーザ測量装置11の光学系が納められて
いる鏡筒90の下部には、楔ガラス92を保持するため
の略輪環形状の楔枠91がはめ込まれている。この楔枠
91の図面中下面側には、楔ガラス92とほぼ同形状の
凹部91aが、楔枠91と同軸に形成されている。そし
て、この凹部91a内に、楔ガラス92が固着されてい
る。また、楔枠91において、楔ガラス92が固着され
た側の面の外周部分には、リブ91bが形成されてい
る。
【0008】楔枠91の下面側には、リブ91bの内周
とほぼ同径の輪環形状を有する楔枠93が、このリブ9
1bに嵌合するようにはめ込まれている。この楔枠93
の下面側にも、凹部93と同軸な円形の凹部93aが形
成されている。この凹部93a内には、凹部93aの内
径とほぼ同径で、その厚さは凹部93aの深さよりもや
や小さい楔ガラス94が固着されている。また、楔ガラ
ス94が固着された楔枠93下面の外周部分には、環状
凹部93bが形成されている。
【0009】また、鏡筒90の下端部の内周面には雌ね
じが形成されている。そして、外周が鏡筒90の内周と
ほぼ同径で、内周が楔枠93の外周よりも小さい楔押さ
え環95が、この鏡筒90内にはめ込まれている。この
楔押さえ環95の外周面上には、鏡筒90の内周面の雌
ねじに螺合する雄ねじが形成されている。これにより、
楔押さえ環95は鏡筒90内部の雌ねじに螺合した状態
で鏡筒90内部で固定されている。そして、楔枠91お
よび楔枠93は、楔押さえ環95により鏡筒90内で固
定された状態となっている。
【0010】以下、このビーム軸平行調整部を用いた従
来のビーム軸平行調整方法を説明する。楔ガラス92,
94は互いの面が平行より僅かに角度を持って相対した
平面からなる円板状の光学素子であるため、光がこれら
楔ガラス92,94を透過するとその光の向きが僅かに
変化する。よって、2枚の楔ガラス92,94を、楔枠
91,93ごと鏡筒90の中心軸に直交する面内で回転
させることにより、これら楔ガラス92,94を透過す
る下部直線ビームL2の向きを上部直線ビームL4の向き
に平行になるように調整することができる。
【0011】従来のビーム軸平行調整構造においては、
まず、楔ガラス94がはめ込まれた楔枠93と楔押さえ
環95を取り外した状態で、楔枠91を回転させて下部
直線ビームL2のビーム軸の向きを調整する。次に、楔
枠93を楔枠91の下面に嵌合させ、この楔枠93を鏡
筒90内で回転させることにより、下部直線ビームL 2
の向きを調整する。そして、楔押さえ環95を鏡筒90
内部に螺合させることにより、楔枠91,93を鏡筒9
0内で固定する。このようにして、下部直線ビームL2
の平行調整が完了する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このように、レーザ測
量装置における従来のビーム軸平行調整部では、2枚の
楔ガラス92,94を用いて下部直線ビームL2の向き
を調整した後に、楔押さえ環95によりこれら各楔ガラ
ス92,94を同時に鏡筒90内に固定している。
【0013】しかしながら、このような従来のビーム軸
平行調整部では、楔押さえ環95が鏡筒90から取り外
された状態で下部直線ビームL2の向きが調整されるの
で、各楔ガラス92,94が固着された各楔枠91,9
3は鏡筒90内に固定されていない状態で鏡筒90内に
はめ込まれていることになる。従って、ビーム軸の平行
調整作業時に、各楔枠91,93が鏡筒から脱落してし
まうという問題があった。
【0014】また、従来のビーム軸平行調整部の構造で
は、先に楔枠91の回転調整を行った後に、楔ガラス9
4の回転調整を行うので、楔枠93の回転に伴って楔枠
91も回転してしまう場合がある。これにより、既に調
整の済んだ楔ガラス92の向きがずれてしまうという問
題があった。
【0015】さらに、各楔枠91,93の回転調整が完
了し、楔押さえ環95により各楔枠91,93を固定す
る際に、楔押さえ環95を鏡筒90内に螺合させるた
め、楔枠93に円周方向の力が加わって楔枠91,93
が動いてしまうという問題があった。
【0016】そこで、ビーム軸の平行調整作業時に2枚
の楔ガラスの向きがずれたり、楔枠が鏡筒から脱落する
ことがなく、容易に調整作業を行うことができるレーザ
測量装置を提供することを、本発明の課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のレーザ測量装置の第1の態様は、レーザ光
を出射する投光部を回転させてこのレーザ光を所定の走
査面内で走査するとともに、レーザ光からなる第1直線
ビームと第2直線ビームとを前記走査面に直交し且つ互
いに逆となる方向に出射するレーザ測量装置において、
第1直線ビームの光路を囲む筒部材と、前記第1直線ビ
ームのビーム軸の向きを屈曲させるために前記筒部材内
に納められた第1および第2の光学楔と、前記筒部材の
内部において同軸に回転可能に保持された筒状部材から
なり、前記第1の光学楔をその内部に保持する第1楔枠
と、前記第1楔枠を前記筒部材に対して固定する第1固
定部材と、前記第1楔枠の内部において同軸に回転可能
に保持された環状部材からなり、前記第2の光学楔をそ
の内部に保持するための第2楔枠と、前記第2楔枠を前
記第1楔枠に対して固定する第2固定部材とを備えるこ
とを特徴とする。
【0018】このような構成のレーザ測量装置を採用す
ることにより、第1直線ビームのビーム軸の向きを第2
直線ビームに対して平行になるように調整する際に、第
1楔枠と第2楔枠とをそれぞれ別個に回転させて光学楔
の向きを調整することができ、第1,第2固定部材によ
り各楔枠を別個に固定することができる。従って、従来
よりもビーム軸の平行調整作業を円滑に行うことができ
る。
【0019】このような構成のレーザ測量装置は、前記
筒部材の内周面上に雌ねじが形成されており、前記第1
楔枠の外周面上に前記雌ねじに螺合する雄ねじが形成さ
れているものであってもよい。また、上記構成のレーザ
測量装置は、前記第1楔枠の内周面上に雌ねじが形成さ
れており、前記第2楔枠の外周面上に前記雌ねじに螺合
する雄ねじが形成されているものであってもよい。
【0020】また、上記構成のレーザ測量装置におい
て、前記第1楔枠における前記第1直線ビームの出射側
の端面には溝状のスリ割りが形成されていてもよいし、
前記第2楔枠における前記第1直線ビームの出射側の端
面には溝状のスリ割りが形成されていてもよい。
【0021】また、本発明によるレーザ測量装置の第2
の態様は、レーザ光を出射する投光部を回転させてこの
レーザ光を所定の走査面内で走査するとともに、レーザ
光からなる第1直線ビームと第2直線ビームとを前記走
査面に直交し且つ互いに逆となる方向に出射するレーザ
測量装置において、第1直線ビームの光路を囲む筒部材
と、前記第1直線ビームのビーム軸の向きを屈曲させる
ために前記筒部材内に納められた第1および第2の光学
楔と、前記第1の光学楔を前記筒部材内で前記光路に対
して直交する面内で回転可能に保持する環状の第1楔枠
と、前記第1楔枠を前記筒部材に対して固定する第1固
定部材と、前記第2の光学楔を前記筒部材内で前記光路
に対して直交する面内で回転可能に保持する環状の第2
楔枠と、前記第2楔枠を前記筒部材に対して固定する第
2固定部材とを備えることを特徴とする。
【0022】このような構成のレーザ測量装置を用いれ
ば、第1態様のレーザ測量装置と同様に、第1,第2の
光学楔を保持する第1,第2の楔枠をそれぞれ筒部材内
で別個に回転調整することができ、かつ、各楔枠を筒部
材に対して別個に固定することができるので、従来より
も平行調整時の作業性を向上することができる。
【0023】なお、このような構成のレーザ測量装置に
おいて、前記第1楔枠における前記第1直線ビームの出
射側の端面には複数の回転調整用凹部が形成され、前記
第2楔枠には前記第1楔枠と前記第2楔枠との相対位置
に関わらず常に少なくとも1つの回転調整用凹部に重な
る長さを有する回転調整用スリットが形成されていても
よい。その場合には、前記回転調整用凹部は前記第1楔
枠の中心から周縁に向かって放射線状に形成された溝で
あってもよいし、前記第1楔枠の同心円周上に等間隔に
形成された円形の凹部であってもよい。また、前記回転
調整用スリットは前記第2楔枠に円弧状に形成されてい
てもよいし、前記第2楔枠に直線状に形成されていても
よい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
実施の形態を説明する。 <第1実施形態>図1は、本発明の第1実施形態による
レーザ測量装置の構成を示す断面図である。この図1
は、水平方向へのレーザ光走査を行うためにレーザ測量
装置を鉛直方向に立てた状態を示している。
【0025】図1に示すように、レーザ測量装置11
は、略角筒状の本体ハウジング12と、この本体ハウジ
ング12の上端面12bからその回転投光部15を突出
させた状態でこの本体ハウジング12内に格納された投
光装置13と、この投光装置13の回転投光部15を囲
繞する上部ハウジング16と、投光装置13の駆動用バ
ッテリを収容するために本体ハウジング12の底部に設
けられたバッテリケース17とから構成されている。
【0026】(本体ハウジング)略角筒状である本体ハ
ウジング12の上端面12bには、その中心軸と同軸
に、すり鉢状の摺動案内部19が形成されている。この
摺動案内部19の底面には、円形の摺動穴19aが、そ
の中心軸と同軸に形成されている。また、本体ハウジン
グ12の下端面には、その中心軸と同軸に、円孔12a
が形成されている。
【0027】(バッテリケース)バッテリケース17
は、本体ハウジング12の外径と同径の角筒形状を有し
ている。このバッテリケース17の上端面および下端面
の中心には、本体ハウジング12の下端面に形成された
円孔12aと同軸同径の円孔17a,17bが形成され
ている。
【0028】(上部ハウジング)上部ハウジング16は
本体ハウジング12の中心軸と同軸の箱型を成し、中心
軸に平行な4つの側面は、透明部材からなる窓16bと
して構成され、さらに、中心軸に直交する端面には不透
明部材からなる蓋16cが組み付けられている。この蓋
16cの中心には、透明部材36がはめ込まれている円
孔16aが形成されている。
【0029】(投光装置)投光装置13は、回転投光部
15と、ベアリング10を介してこの回転投光部15を
回転自在かつ同軸に保持する鏡筒20とから構成されて
いる。この鏡筒20には、その中心軸に沿ってその全体
を貫通する中空のレーザ光光路20bと、このレーザ光
光路20bから直角に分岐したレーザ光光路20aと
が、形成されている。また、回転投光部15には、この
レーザ光光路20bと同軸に連通するとともにその回転
軸と同軸に形成された中空のレーザ光光路15a,およ
びこのレーザ光光路15aに連通するとともに端面方向
および側方に開口を有するペンタプリズム収納部15b
が、形成されている。
【0030】また、投光装置13は、後述する上部直線
ビームL4および下部直線ビームL2の出射方向を調整す
るために、傾動機構38により本体ハウジング12内に
おいてあらゆる方向に傾動可能となっている。
【0031】(レーザ出射光学系)図2は、レーザ測量
装置11を構成する投光装置13の鏡筒20の外観を示
す斜視図であり、図3は、この鏡筒20に内蔵されてい
るレーザ出射光学系の光学構成を説明するための、鏡筒
20の断面図である。以下、レーザ出射光学系の光学構
成を、図1から図3を参照して説明する。
【0032】鏡筒20内のレーザ光光路20aおよび2
0bの交点には、偏光ビームスプリッタ27が固定され
ている。また、このレーザ光光路20aの端面には、レ
ーザダイオード23が固定されており、その中間部に
は、コリメータレンズユニット24およびアナモプリズ
ム18が固定されている。また、レーザ光光路20b内
のバッテリケース17側端部には、楔ガラス41,44
が格納された下部直線ビーム平行調整部29が固定され
ている。また、レーザ光光路20b内の回転投光部15
側には、偏光ビームスプリッタ27側から順に、λ/4
板28,前群レンズ31,および後群レンズ32が固定
されている。また、回転投光部15のペンタプリズム収
容部15b内には、ペンタプリズム35および楔型プリ
ズム34が固定されている。
【0033】レーザ光源としてのレーザダイオード23
は、偏光ビームスプリッタ27の偏光分離面27aに対
するS偏光面(図1の紙面に垂直な面)内で直線偏光す
るレーザ光L0を発振する。コリメータレンズユニット
24は、レーザダイオード23から出射されたレーザ光
0を平行光にするレンズである。また、アナモプリズ
ム18は、コリメータレンズ24を透過したレーザ光L
0の断面形状を真円形に修正するための光学素子であ
る。
【0034】偏光ビームスプリッタ27内には、レーザ
ダイオード23からのレーザ光L0のビーム軸に対して
λ/4板28側に45度傾いた偏光分離面27aが形成
されている。この偏光分離面27aは、S偏光を100
%反射するとともにP偏光を100%透過する特性を有
している。従って、アナモプリズム18を透過したレー
ザ光L0は、100%λ/4板28側へ反射される。
【0035】λ/4板28は、光軸を中心にその光学軸
の方向を偏光分離面27aに対するP偏光面(紙面と平
行な面)に対して45度傾けた状態で、偏光ビームスプ
リッタ27に貼り付けられている。従って、λ/4板2
8は、入射した直線偏光を円偏光に変換する。このλ/
4板28のペンタプリズム35側面には、レーザ光の一
部を偏光ビームスプリッタ27に向けて反射する部分透
過膜(図示せず)が形成されている。この部分透過膜に
おいて反射された円偏光のレーザ光は、λ/4板28に
再入射し、P偏光に変換されて、偏光ビームスプリッタ
27を透過する。
【0036】この偏光ビームスプリッタ27を透過した
レーザ光(以下、下部直線ビームという)L2は、下部
直線ビーム平行調整部29に組み込まれた2枚の楔ガラ
ス41,44を透過し、投光装置13の下端から出射さ
れる。
【0037】各楔ガラス41,44は、平行より僅かに
角度を持って相対した平面からなる光学素子である。下
部直線ビームL2のビーム軸は、これら楔ガラス41,
44により僅かに屈曲される。従って、鏡筒20の中心
軸を軸として各楔ガラスをそれぞれ個別に回転させるこ
とにより、下部直線ビームL2のビーム軸の角度調整を
行うことができる。なお、この下部直線ビーム平行調整
部29の構成については、後に詳述する。
【0038】一方、λ/4板28の部分透過膜を透過し
たレーザ光L1が入射する前群レンズ31は負レンズで
あり、レーザ光光路20b内に進退自在に挿入された摺
動円筒部材30内に保持されている。また、この前群レ
ンズ31によって発散されたレーザ光L1が入射する後
群レンズ32は正レンズであり、レーザ光光路20b内
に固定されている。従って、これら前群レンズ31およ
び後群レンズ32は、入射されたレーザ光L1のビーム
径を拡大するビームエキスパンダを構成する。
【0039】この前群レンズ31は、合焦機構39によ
って進退移動されるため、ビームウェストの形成位置を
可変することができる。これにより、投射されるレーザ
光のビーム径を任意に調整することができる。
【0040】後群レンズ32を透過したレーザ光L1
入射するペンタプリズム35は、回転投光部15のペン
タプリズム収納部15b内に、この回転投光部15と一
体に回転するように固定されている。このペンタプリズ
ム35は、レーザ光L1が入射する光入射面35cと、
この光入射面35cに対して22.5度傾いているとと
もにこの光入射面35cから入射したレーザ光が反射す
る第1反射面35aと、この第1反射面35aに対して
45度傾いているとともにこの第1反射面35aで反射
されたレーザ光を再度反射する第2反射面35bと、光
入射面35cに対して直角をなしているとともに第2反
射面35bで反射されたレーザ光L3を出射する光出射
面35dとを有している。なお、第2反射面35bには
増反射膜がアルミニウム蒸着によって形成されているの
で、この第2反射面35bにおいてレーザ光は100%
内面反射する。一方、第1反射面35aには、反射率が
70〜80%の部分透過膜が形成されている。従って、
20〜30%のレーザ光(以下「上部直線ビーム」とい
う)L4がこの第1反射面を透過し、楔型プリズム34
を通って投光装置13の上端から出射される。
【0041】一方、ペンタプリズム35の光出射面35
dから出射されたレーザ光L3は、ペンタプリズム収容
部15bの側方に開口した投光用窓33,および上部ハ
ウジング16の窓16bを透過して、出射される。この
ようにして出射されたレーザ光L3は、回転投光部15
ごとペンタプリズム35がレーザ光L1に直交する面内
で回転することにより、壁面などに垂直または水平方向
の基準線を投射する。
【0042】(回転機構)次に、回転投光部15を鏡筒
20に対して回転させるための回転機構について説明す
る。
【0043】ベアリング10を介して鏡筒20に対して
回転自在に接続された回転投光部15の外周面には、ギ
ア69が固定されている。一方、鏡筒20の膨出部25
の上端面には外方に向けて突出させたブラケット65が
設けられている。このブラケット65には、投光部回転
用モータ66が固定されており、この投光部回転用モー
タ66の回転軸に取り付けられたピニオン67が回転投
光部15のギア69に噛み合っている。
【0044】すなわち、この投光部回転用モータ66を
回転させると、投光用窓33から出射されるレーザ光L
3の出射方向が回転投光部15の回転軸を中心に回転す
るので、レーザ光L1のビーム軸がこの回転軸と合致し
ている限り、この回転軸に直交する基準平面が、レーザ
光L3により形成される。
【0045】(レーザ測量装置の動作)図4は、レーザ
測量装置11の外観を示す斜視図である。この図4は図
1から図3と同様に、水平方向のレーザ走査(墨出し)
を行うために、レーザ測量装置11を立てて使用してい
る状態を示している。
【0046】上部ハウジング16の上端部からは、上部
直線ビームL4がレーザ測量装置11の上方に向かって
出射されている。また、バッテリケース17の下端部か
らは、下部直線ビームL2がレーザ測量装置11の下方
に向かって出射されている。これら上部直線ビームL4
および下部直線ビームL2はビーム軸同士が互いに平行
となっており、それぞれ天井や床に基準スポットを形成
している。また、上部ハウジング16からは、レーザ光
3が水平に出射されている。なお、上部直線ビームL4
および下部直線ビームL2が形成する2つの基準スポッ
トを結ぶ直線と、レーザ光L3のビーム軸とは、互いに
直交している。
【0047】また、回転投光部15を回転させることに
より、回転投光部15から出射されたレーザ光L3を走
査させる。すると、図4に示すように、壁面上の全周に
わたってレーザ光L3による軌跡SLが描かれる。この
ように、回転投光部15を回転させて、レーザ光L3
走査させた場合は、壁面上の一点上に投射されるレーザ
光の時間当たりの投射量が少なくなる。このため、周囲
が比較的明るい場合や、レーザ測量装置11から壁面ま
での距離が長いと、水平面を形成している軌跡SLを目
視することが困難となる。その場合は、光検出器Dを用
いて、この軌跡SLを検出する。
【0048】(ビーム軸平行調整部)上述したように、
上部直線ビームL4および下部直線ビームL2は、垂直ま
たは水平方向の基準線を投射するレーザ光L3に対して
垂直をなしており、天井や床などに基準スポットを形成
する。従って、図1,3,4に示すように、これら上下
各直線ビームL2,L4のビーム軸は、互いに平行に出射
されるよう、設計されている。しかしながら、各光学部
品の取付時に生じる機械的誤差や各光学部品の性能のバ
ラツキに起因して、実際の装置組み上げ時には下部直線
ビームL2のビーム軸は、不可避的に上部直線ビームL4
に対して僅かに傾いてしまう。図5(a)は、下部直線
ビームL2のビーム軸が上部直線ビームL4に対して傾い
た状態を示す模式的断面図である。このように、設計値
からずれてしまった下部直線ビームL2のビーム軸の向
きを調整するために、鏡筒20の下端部には図5(b)
に示すような下部直線ビーム平行調整部29が設けられ
ている。
【0049】図6は、本実施形態によるレーザ測量装置
内に組み込まれた下部直線ビーム平行調整部29の断面
図であり、図7は、図6の断面を示す斜視図である。ま
た、図8は、下部直線ビーム平行調整部29が形成され
た鏡筒20の下端部をバッテリケース17側からみた斜
視図である。以下、図1,3,6〜8を参照して、下部
直線ビーム平行調整部29の説明を行う。
【0050】下部直線ビーム平行調整部29は、鏡筒2
0下端に設けられた保持円筒22と、この保持円筒22
内に納められた2枚の楔ガラス41,44と、これら各
楔ガラス41,44をそれぞれ保持する楔枠42,45
と、各楔枠42,45を保持円筒22内に固定するため
のセットビス43,46とを備える。
【0051】鏡筒20において偏光ビームスプリッタ2
7の下方には、鏡筒20の中心軸近傍に下部直線ビーム
2の光路用の円形孔21aが形成された板状部21
が、この鏡筒20を閉じるように一体に形成されてい
る。また、板状部21の外面には、鏡筒20自体と同軸
な円筒形状を有する保持円筒22が、一体に形成されて
いる。この保持円筒22の内周面22cには、雌ねじが
形成されている。そして、この保持円筒22にはその内
外面を貫通するねじ孔47が、この保持円筒22の径方
向にそって穿たれている。
【0052】楔枠42は、保持円筒22の内径とほぼ同
径の外径を有する円筒部42a,およびこの円筒部42
aを板状部21側で閉じる楔ガラス支持部42bから構
成されている。楔枠42における円筒部42aの外側面
には、保持円筒22の内周面22cに形成された雌ねじ
に螺合する雄ねじが形成されているため、楔枠42は、
落脱することなく保持円筒22内で保持されている。ま
た、楔枠42の楔ガラス支持部42bの中心には、円形
の透孔42cが開けられている。そして、略円板形状を
有する楔ガラス41が、この透孔42c内に嵌合するよ
うに固着されている。
【0053】楔枠42において、円筒部42aの開口端
面には、図8に示すように、溝状のスリ割り48が円筒
部42aの径に沿って形成されている。そして、楔枠4
2は、保持円筒22に形成されたねじ孔47に挿通され
たセットビス43により、保持円筒22内で固定されて
いる。さらに、この楔枠42の円筒部42aの内周面上
には、雌ねじが形成されている。
【0054】楔枠45は、楔枠42の円筒部42aの内
径とほぼ同径の外径の環状形状を有している。この楔枠
45は、その外周面に、楔枠42の円筒部42aの内周
面に形成された雌ねじに螺合する雄ねじが形成されてお
り、円筒部42aの内周面に螺着している。よって、こ
の楔枠45は、落脱することなく楔枠42の内側に保持
されている。
【0055】この楔枠45において楔ガラス41と対向
しない側の内周縁には、楔ガラス44を支持するための
受け座45aが形成されており、この受け座45aに
は、楔ガラス41と同形状の楔ガラス44がはめ込まれ
て固着されている。従って、図6に示すように、これら
各楔ガラス41,44は互いにほぼ平行となるように、
保持円筒22内に納められている。また、楔枠45に
は、2個のねじ孔49が保持円筒22の中心軸に対して
平行に穿たれている。各ねじ孔49には、セットビス4
6がねじ込まれ、このセットビス46の先端が楔枠42
の楔ガラス支持部42bに押しつけられることにより、
楔枠45が楔枠42の内側で固定されている。さらに、
図8に示すように、楔枠45の下面には、溝状のスリ割
り50がこの楔枠45の径に沿って形成されている。
【0056】前述したように、楔ガラス41,44は、
平行より僅かに角度を持って相対した平面からなる光学
素子であるため、下部直線ビームL2は各楔ガラス4
1,44を透過することにより、そのビーム軸が僅かに
屈曲される。従って、各楔ガラス41,44を鏡筒20
の中心軸に直交する面内で回転させることにより、下部
直線ビームL2のビーム軸の向きを調整することができ
る。
【0057】以下、このような下部直線ビーム平行調整
部29による下部直線ビームL2のビーム軸の平行調整
方法を説明する。この調整作業は、投光装置13の組立
完了後、この投光装置13を本体ハウジング12に組み
込む前に行われる。投光装置13の組立完了時には、図
5(a)に示すように、上部直線ビームL4と下部直線
ビームL2のビーム軸同士は互いに僅かに傾いた状態と
なっている。そこで、下部直線ビームL2のビーム軸の
向きを、上述した下部直線ビーム平行調整部29により
調整する。
【0058】まず、楔枠42を保持円筒22内に螺合さ
せ、楔枠42の円筒部42aに形成されたスリ割り48
にピンなどを差し込んで、楔枠42を保持円筒22の中
心軸に直交する面内で回転させる。これにより、楔枠4
2にはめ込まれた楔ガラス41を回転させて下部直線ビ
ームL2のビーム軸の向きを調整する。そして、保持円
筒22に挿通されたセットビス43により、楔枠42を
保持円筒22内で固定する。
【0059】次に、楔枠45を楔枠42内に螺合させ、
楔枠45の下面に形成されたスリ割り50にピンなどを
差し込み、楔枠45にはめ込まれた楔ガラス44を保持
円筒22の中心軸に直交する面内で回転させる。これに
より、楔枠45にはめ込まれた楔ガラス44を回転させ
て下部直線ビームL2のビーム軸の向きを調整する。そ
して、2本のセットビス46をネジ孔49内にねじ込
み、その先端を楔枠42の楔ガラス支持部42bに当接
させることにより楔枠45を楔枠42の内側で固定す
る。このようにして、図5(b)に示すように、下部直
線ビームL2のビーム軸の向きを上部直線ビームL4のビ
ーム軸と平行になるように調整することができる。
【0060】ここで、楔枠42および楔枠45は、セッ
トビス43,46によりそれぞれ固定されている。この
ため、例えば、楔枠42がセットビス43により保持円
筒22内に完全に固定された状態で、楔枠45のみを回
転させて下部直線ビームL2のビーム軸の調整を行うこ
とができる。このように、各楔枠42,45(すなわち
各楔ガラス41,44)を互いに独立に回転させること
ができるので、従来のように、一方の楔枠を回転させる
際に他方の楔枠も同時に回転されてしまうこともなく、
ビーム軸の調整作業を円滑に行うことができる。
【0061】また、本実施形態では、セットビス43,
46により各楔枠42,45を固定している。このた
め、固定時に各楔枠42,45に回転方向の力が働いて
しまうこともないので、各楔枠42,45の位置がずれ
るのを防ぐことができる。
【0062】さらに、各楔枠42,45はネジにより回
転可能な状態で保持円筒22内部に保持されているた
め、回転調整の際に、各楔枠42,45を保持円筒22
から落脱することもない。
【0063】<第2実施形態>図9は、本発明の第2実
施形態によるレーザ測量装置の下部直線ビーム平行調整
部の断面図であり、図10は、下部直線ビーム平行調整
部を構成する各部材を示す分解斜視図である。以下、図
9,10を用いて本第2実施形態のレーザ測量装置につ
いて説明する。なお、レーザ測量装置において、下部直
線ビーム軸平行調整部29を除く他の部分は第1実施形
態と同一であるので、その部分の説明は省略する。
【0064】図9に示すように、本実施形態のレーザ測
量装置におけるビーム軸平行調整部29’は、鏡筒2
0’の保持円筒22’内に納められた2枚の楔ガラス4
1,44と、これら各楔ガラス41,44をそれぞれ支
持する楔枠52,55と、各楔枠52,55を保持円筒
22’内に固定するためのセットビス53,56とを備
える。
【0065】図9の方向において、下部直線ビームL2
の光路用の円形穴21’aを有する板状部21’の外面
には、鏡筒20’自体と同軸な円筒形状を有する保持円
筒22’が一体に突出形成されている。この保持円筒2
2’の内周面上には雌ねじが形成されている。保持円筒
22’内には、板状部21’側から順に楔枠52および
楔枠55が螺着されている。つまり、楔枠52は、保持
円筒22’の内径とほぼ同径の外径の環状形状を有して
おり、この楔枠52の外周面には、保持円筒22’の内
周面上に形成された雌ねじと螺合する雄ねじが形成され
ている。これにより、楔枠52は、落脱することなく保
持円筒22’内に納められている。楔枠52の楔枠55
と対向する開口縁には、楔ガラス41を支持するための
受け座52aが形成されており、楔ガラス41がこの受
け座52aに嵌合するように固着されている。そして、
この楔枠52は、保持円筒22’の内外面を貫通するネ
ジ孔57に螺合されたセットビス53によって、保持円
筒22’内に固定されている。
【0066】図11は、楔枠52を楔枠55側から見た
平面図である。図10,11に示すように、楔枠52に
は、この楔枠52を保持円筒22’内で回転調整する際
に用いられる複数の溝状の回転調整用スリ割り71が、
その中心から周縁に向かって放射状に形成されている。
【0067】楔枠55は、楔枠52と同じ外径を有する
環状部材であり、楔枠52と同様にその外周には保持円
筒22’の内周面に形成された雌ねじと螺合する雄ねじ
が形成されている。これにより、楔枠55は落脱するこ
となく保持円筒22’内に納められている。楔枠55に
おいて下面側の開口縁には、楔ガラス44を支持するた
めの受け座55aが形成されており、楔ガラス44がこ
の受け座55aに嵌合するように固着されている。そし
て、この楔枠55は、保持円筒22’の内外面を貫通す
るネジ孔59に螺合されたセットビス56によって、保
持円筒22’内に固定されている。
【0068】図12は、楔枠55をバッテリケース17
側から見た平面図である。図10,12に示すように、
楔枠55には、その中心oを中心とする円弧状の2個の
回転調整用孔72が、中心oに対して互いに対称に位置
するように形成されている。
【0069】図13は、バッテリケース17側からビー
ム軸平行調整部29’を見た平面図である。図13中で
は、楔枠52を点線で示し、楔枠55を回転させたとき
の回転調整用孔72の軌跡を一点鎖線で示している。以
下、図11から図13を参照して、楔枠52に形成され
た回転調整用スリ割り71と楔枠55に形成された回転
調整用孔72の位置関係を説明する。
【0070】楔枠52において、互いに隣り合う2本の
回転調整用スリ割り71がなす角をΔ1とする。そし
て、楔枠55において、円弧状の回転調整用孔72の両
端と楔枠55の中心oとをそれぞれ結んでできる直線が
なす角をΔ2とする。すると、図13から分かるよう
に、これらの間にはΔ2>Δ1という関係が成り立って
いる。
【0071】以下、このような下部直線ビーム平行調整
部29’を有するレーザ測量装置における、下部直線ビ
ームL2のビーム軸の平行調整方法を説明する。まず、
楔枠52および楔枠55を保持円筒22’内部の雌ねじ
に螺合させる。このとき、上述したように、Δ2>Δ1
の関係が成り立っているため、楔枠55において1個の
回転調整用孔72からは、楔枠52に形成された複数の
回転調整用スリ割り71のうち少なくとも1個が常に見
える状態となっている。従って、回転調整用孔72内に
露出している回転調整用スリ割り71に外部からピンな
どを差し込んで、楔枠52を保持円筒22’の中心軸に
直交する面内で回転させることができる。これにより、
楔枠52に固定された楔ガラス41の向きを変えて、下
部直線ビームL2のビーム軸の向きを調整する。そし
て、楔枠52が保持円筒22’内でずれないように、セ
ットビス53により固定する。
【0072】楔ガラス44の向きに関しては、楔枠55
に形成された回転調整孔72に外部からピンなどを差し
込んで、この楔枠55を保持円筒22’の中心軸に直交
する面内で回転させて調整する。調整が完了したら、セ
ットビス56により楔枠55を保持円筒22’内で固定
する。このように、本実施形態においては、各楔枠5
2,55をセットビス53,56によりそれぞれ別個に
固定しているため、一方の楔枠の回転調整の際にもう一
方の楔枠の位置がずれたりすることがない。このため、
各楔ガラスの調整をそれぞれ単独に行うことができ、ビ
ーム軸の平行調整時の作業性を向上させることができ
る。
【0073】また、各楔枠52,55はネジにより保持
円筒22’内に回転可能に取り付けられているため、各
楔枠52,55を回転調整する際にこれら楔枠52,5
5が鏡筒から落脱することがない。さらに、調整後の各
楔枠52,55の固定は、保持円筒22’を貫くセット
ビス53,56により行うため、固定時にこれらの楔枠
52,55に回転方向の力が働くことがない。よって、
各楔枠52,55は、ずれることなく正確な位置に固定
される。
【0074】<第3実施形態>第3実施形態のレーザ測
量装置は、第2実施形態と比較して、楔枠52に形成さ
れた回転調整用スリ割り71の代わりに回転調整用の円
形凹部を設け、楔枠55に形成された円弧状の回転調整
用孔72の形状を直線状とすることを特徴とし、その他
の部分を同一とする。
【0075】図14は、第2実施形態の楔枠52に該当
する楔枠82の平面図であり、図15は、第2実施形態
の楔枠55に該当する楔枠85の平面図である。そし
て、図16は、これら楔枠82,85を保持円筒22’
内に組み込んだときの、バッテリケース17側からビー
ム軸平行調整部29’を見た平面図である。図14に示
すように、保持円筒22’内に取り付けられた楔枠82
には、円形の凹部形状を有する複数の回転調整用凹部7
3が、同心円周上に等間隔に形成されている。
【0076】また、鏡筒20’内において楔枠82の下
方に取り付けられた楔枠85には、2本の直線的なスリ
ット状の回転調整用孔74が楔枠85の中心o2に対し
て対称に形成されている。
【0077】以下、図16を用いて、楔枠82に形成さ
れた回転調整用凹部73と楔枠85に形成された回転調
整用穴74との位置関係を示す。ここで、互いに隣り合
う2個の回転調整用凹部73と鏡筒20’の中心とをそ
れぞれ結んでできる2本の直線がなす角をΔ3とする。
また、回転調整用孔74の両端と支持円筒22’の中心
(楔枠85の中心o2に等しい)とをそれぞれ結んでで
きる直線がなす角をΔ4とする。すると、これら2つの
角の間にはΔ4>Δ3の関係が成り立つ。また、回転調
整用孔74は、楔枠82を回転させたときの回転調整用
凹部73の軌跡と常に重なるように、その形成位置およ
び幅が定められている。従って、各楔枠82,85の相
対位置がどのようであっても、1本の回転調整用孔74
内には、常に1個以上の回転調整用凹部73が存在する
ことになる。よって、回転調整用孔74内に存在する回
転調整用凹部73内に外部からピンなどを差し込んで、
楔枠82を回転調整することができるので、第2実施形
態と同様の手順で下部直線ビームL2のビーム軸の平行
調整を行うことができる。
【0078】このように、第3実施形態によれば、第2
実施形態と同様に、各楔枠82,85を別個に回転調整
することができ、かつ、別個に支持円筒22’内に固定
することができるため、ビーム軸の平行調整時の作業性
が高い。
【0079】<変形例>上記した各実施形態において
は、各種の変形が可能である。例えば、第2実施形態で
は回転調整用スリ割り71が形成された楔枠52と円弧
状の回転調整用孔72が形成された楔枠55を用いてい
るが、これに限らず、例えば、回転調整用スリ割り71
の代わりに第3実施形態で用いられた直線状の回転調整
用凹部73とを用いてもよい。同様に、第2実施形態の
回転調整用スリ割り71と第3実施形態の直線状の回転
調整用孔74とを組み合わせることも可能である。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、下部直線ビームが上部
直線ビームに対して正確に平行に出射するように調整す
る際に、楔枠が鏡筒から脱落したり、一方の楔枠を回転
調整する際にもう一方の楔枠の位置が調整位置からずれ
てしまうことがなく、平行調整時の作業性の高いレーザ
測量装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態によるレーザ測量装置
の断面図
【図2】 図1のレーザ測量装置における鏡筒20の外
観を示す斜視図
【図3】 鏡筒20の断面図
【図4】 本発明の第1実施形態によるレーザ測量装置
の外観を示す斜視図
【図5】 ビーム軸平行調整作業前後の下部直線ビーム
2の出射方向を示すための鏡筒20の模式的断面図
【図6】 本発明の第1実施形態によるレーザ測量装置
におけるビーム軸平行調整部の断面図
【図7】 図6のビーム軸平行調整部の断面を示す斜視
【図8】 図6のビーム軸平行調整部の下面図
【図9】 本発明の第2実施形態によるレーザ測量装置
におけるビーム軸平行調整部の断面図
【図10】 図9のビーム軸平行調整部を構成する各部
材の分解斜視図
【図11】 第2実施形態の楔枠52の平面図
【図12】 第2実施形態の楔枠55の平面図
【図13】 第2実施形態のレーザ測量装置の鏡筒2
0’を下部直線ビームL2の出射口側から見た平面図
【図14】 第3実施形態の楔枠82の平面図
【図15】 第3実施形態の楔枠85の平面図
【図16】 第3実施形態のレーザ測量装置の鏡筒2
0’を下部直線ビームL2の出射口側から見た平面図
【図17】 従来技術のレーザ測量装置におけるビーム
軸平行調整部の断面図
【符号の説明】
11 レーザ測量装置 20,20’ 鏡筒 22,22’ 保持円筒 29 下部直線ビーム平行調整部 41,44 楔ガラス 42,45,52,55,82,85 楔枠 43,46,53,56 セットビス 47,49,57,59 ねじ孔 48,50 スリ割り 71 回転調整用スリ割り 72,74 回転調整用孔 73 回転調整用凹部 L2 下部直線ビーム L4 上部直線ビーム

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ光を出射する投光部を回転させてこ
    のレーザ光を所定の走査面内で走査するとともに、レー
    ザ光からなる第1直線ビームと第2直線ビームとを前記
    走査面に直交し且つ互いに逆となる方向に出射するレー
    ザ測量装置において、 第1直線ビームの光路を囲む筒部材と、 前記第1直線ビームのビーム軸の向きを屈曲させるため
    に前記筒部材内に納められた第1および第2の光学楔
    と、 前記筒部材の内部において同軸に回転可能に保持された
    筒状部材からなり、前記第1の光学楔をその内部に保持
    する第1楔枠と、 前記第1楔枠を前記筒部材に対して固定する第1固定部
    材と、 前記第1楔枠の内部において同軸に回転可能に保持され
    た環状部材からなり、前記第2の光学楔をその内部に保
    持するための第2楔枠と、 前記第2楔枠を前記第1楔枠に対して固定する第2固定
    部材とを備えることを特徴とするレーザ測量装置。
  2. 【請求項2】前記筒部材の内周面上に雌ねじが形成され
    ており、 前記第1楔枠の外周面上に前記雌ねじに螺合する雄ねじ
    が形成されていることを特徴とする請求項1記載のレー
    ザ測量装置。
  3. 【請求項3】前記第1楔枠の内周面上に雌ねじが形成さ
    れており、 前記第2楔枠の外周面上に前記雌ねじに螺合する雄ねじ
    が形成されていることを特徴とする請求項1記載のレー
    ザ測量装置。
  4. 【請求項4】前記第1楔枠における前記第1直線ビーム
    の出射側の端面には溝状のスリ割りが形成されているこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載のレーザ測量装置。
  5. 【請求項5】前記第2楔枠における前記第1直線ビーム
    の出射側の端面には溝状のスリ割りが形成されているこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載のレーザ測量装置。
  6. 【請求項6】レーザ光を出射する投光部を回転させてこ
    のレーザ光を所定の走査面内で走査するとともに、レー
    ザ光からなる第1直線ビームと第2直線ビームとを前記
    走査面に直交し且つ互いに逆となる方向に出射するレー
    ザ測量装置において、 第1直線ビームの光路を囲む筒部材と、 前記第1直線ビームのビーム軸の向きを屈曲させるため
    に前記筒部材内に納められた第1および第2の光学楔
    と、 前記第1の光学楔を前記筒部材内で前記光路に対して直
    交する面内で回転可能に保持するとともに、前記第1直
    線ビームの出射側の端面には複数の回転調整用凹部が形
    成されている環状の第1楔枠と、 前記第1楔枠を前記筒部材に対して固定する第1固定部
    材と、 前記第2の光学楔を前記筒部材内で前記光路に対して直
    交する面内で回転可能に保持するとともに、回転調整用
    スリットが形成されている環状の第2楔枠と、 前記第2楔枠を前記筒部材に対して固定する第2固定部
    材とを備え、 前記回転調整用スリットは、前記第1楔枠と前記第2楔
    枠との相対位置に関わらず常に少なくとも1つの回転調
    整用凹部に重なる長さを有す ることを特徴とするレーザ
    測量装置。
  7. 【請求項7】前記回転調整用凹部は前記第1楔枠の中心
    から周縁に向かって放射線状に形成された溝であること
    を特徴とする請求項記載のレーザ測量装置。
  8. 【請求項8】前記回転調整用凹部は前記第1楔枠の同心
    円周上に等間隔に形成された円形の凹部であることを特
    徴とする請求項記載のレーザ測量装置。
  9. 【請求項9】前記回転調整用スリットは前記第2楔枠に
    円弧状に形成されていることを特徴とする請求項記載
    のレーザ測量装置。
  10. 【請求項10】前記回転調整用スリットは前記第2楔枠
    に直線状に形成されていることを特徴とする請求項
    載のレーザ測量装置。
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