JP3683964B2 - レーザ測量装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザビームによる基準線を所定の面に対して水平方向又は垂直方向に投射するレーザ測量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、土木,建築等の分野では、水平線や垂直線の墨出しを行うために、レーザ光による基準平面を形成したり、垂直方向又は水平方向の基準線(軌跡)を被投射面に投射するレーザ測量装置(いわゆるレーザプレーナ)が使用されている。
【0003】
このようなレーザ測量装置の方式としては、シリンドリカルレンズを介してレーザ光を扇型に拡散させてラインを投射する方式(以下、「ライン投射式」という)や、レーザ光を射出する投光部を回転させこのレーザ光を走査する方式(以下、「回転走査式」という)が用いられている。このようなレーザ測量機によって投射された基準線は、投射された壁面までの距離が短く周囲が比較的暗ければ、目視によって位置確認される。
【0004】
また、回転走査式のレーザ測量装置の場合、壁面までが遠距離であったり周囲が比較的明るくても、光検出器を使用すればこの基準線の位置を検知することができる。この光検出器とは、受光センサによって特定の波長(レーザ光の波長)の光を光電変換し、変換された電気信号に生じているパルス(レーザ光に相当)を検知することにより、レーザ光軌跡の通過位置を検出する装置だからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この回転走査式の場合、基準線を投射する壁面が平面であると、全周にわたって走査されるレーザ光のうちの壁面上に投射される部分の時間比が小さいために、レーザ光のエネルギーの大部分が無駄になってしまう欠点がある。そのため、回転走査式の場合、目視可能に基準線を投射できる距離が短く、殆ど常に光検出器が必要になるという煩わしさがある。
【0006】
一方、ライン投射式のレーザ測量装置の場合、レーザ光を投射する角度範囲が制限されているので、レーザ光のエネルギーを無駄にすることがない。従って、同じレーザ出力であれば、回転走査式の場合よりも、基準線を目視可能に投射できる距離は長く、周囲が多少明るくても目視可能に基準線を投射できる。しかしながら、ライン投射式のレーザ測量装置は、基準線を全周方向に投射することは不可能なので、例えば部屋の内周壁の墨出しのような作業には使用できなかった。なお、ライン投射式でも、被投射面までの距離が長くなるに従い、基準線の輝度が急速に低下して目視による識別が困難となる。このとき、ライン投射型の場合のレーザ光は直流的な光なので、光検出器で基準線を検出することも不可能である。従って、ライン投射式のレーザ測量装置は、遠距離では全く使用することができなかった。
【0007】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、全周方向への基準線投射が可能でありながら、単なる回転走査式の場合より、長距離の壁面に基準線を目視可能に投射でき、且つ周囲が明るくても基準線を目視可能に投射できるレーザ測量装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によるレーザ測量装置の第1の態様は、上記課題を解決するため、レーザ光源と、このレーザ光源から発振されたレーザ光を外部に出射する出射部と、前記レーザ光源から前記出射部までの前記レーザ光の光路においてこの光路の断面の一部のみに配置された、一方向にのみパワーを有する配光レンズと、前記出射部によるレーザ光の出射方向を一定平面内で回転させる回転手段と、この回転手段の動作及び停止を切り換える切換手段とを備えたことを特徴とする(請求項1に対応)。
【0009】
本発明によるレーザ測量装置の第2の態様は、上記課題を解決するため、レーーザ光源と、このレーザ光源から発振されたレーザ光を外部に出射する出射部と、前記レーザ光源から前記出射部までの前記レーザ光の光路を複数の光路に分離する光路分離手段と、この光路分離手段によって分離された光路の一方のみに配置された、一方向にのみパワーを有するレンズと、前記出射部によるレーザ光の出射方向を一定平面内で回転させる回転手段と、この回転手段の動作及び停止を切り換える切換手段とを備えたことを特徴とする(請求項13に対応)。
【0010】
本発明によるレーザ測量装置の第3の態様は、上記課題を解決するため、第1のレーザ光源と、第2のレーザ光源と、これら各レーザ光源から発振されたレーザ光を合成して外部に出射する出射部と、前記第1のレーザ光源から前記出射部までの前記レーザ光の光路のみに配置された、一方向にのみパワーを有するレンズと、前記出射部によるレーザ光の出射方向を一定平面内で回転させる回転手段と、この回転手段の動作及び停止を切り換える切換手段とを備えたことを特徴とする(請求項1に対応)。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
各実施例の詳細な説明を行う前に、本発明の各構成要件の概念を説明する。
(出射部)
出射部とは、レーザ光をレーザ測量装置外部に出射する部分のことである。従って、単なるケーシングの開口であっても良いし、レンズであっても良いし、透明な平行平面板が填められた窓であっても良い。また、この出射部自体が配光レンズであっても良い。また、出射部は、レーザ光の出射方向が回転される方向に沿って筒状に形成されていても良い。
(レンズ)
配光レンズは、シリンドリカルレンズであっても良いし(請求項2に対応)、グレーテッドインデックスレンズであっても良い(請求項3に対応)。また、レーザ光の光路断面の一部に配光レンズを複数個配置しても良い(請求項8に対応)。
【0012】
この配光レンズが有するパワーの方向は、回転手段によるレーザ光の出射方向の回転方向と一致していても良いし(請求項4に対応)、直交していても良い(請求項5に対応)。方向が一致していれば、回転手段によって出射部が回転している時と停止している時とで形成される基準線・基準面の方向が同じになるので、距離や周囲の明るさに応じて基準線・基準面の形成方法を使い分けることができる。一方、方向が交差していると、回転手段によって出射部が回転している時と停止している時とで、形成される基準線・基準面の方向が変わるので、異なった方向の基準線・基準面を使い分けることができる。また、配光レンズを複数設けた場合には、一部の配光レンズが有するパワーの方向が回転手段によるレーザ光の出射方向の回転方向と一致しているとともに、残りの配光レンズが有するパワーの方向が回転手段によるレーザ光の出射方向の回転方向と直交しているように構成しても良い(請求項9に対応)。このように構成すれば、上述した配光レンズが有するパワーの方向を回転方向と一致させた場合の利点と直交させた場合の利点とを、両方享受することができる。
【0013】
この配光レンズは、この配光レンズがパワーを有する方向において、この配光レンズを透過せずに出射されるレーザ光を中心としてその片側のみに前記配光レンズを透過したレーザ光を拡散させても良いし(請求項6に対応)、この配光レンズがパワーを有する方向において、この配光レンズを透過せずに出射されるレーザ光を中心としてその両側前記配光レンズを透過したレーザ光を拡散させても良い(請求項7に対応)。また、配光レンズを複数設ける場合には、前記一部の配光レンズは、前記回転手段による前記レーザ光の回転方向と一致する方向において、前記複数個の配光レンズを透過せずに出射されるレーザ光中心としてその両側に、前記一部の配光レンズを透過したレーザ光を拡散させ、前記残りの配光レンズは、前記回転手段による前記レーザ光の回転方向と直交する方向において、前記複数個の配光レンズを透過せずに出射されるレーザ光を中心としてその両側に、前記残りの配光レンズを透過したレーザ光を拡散させても良い(請求項10に対応)。
【0014】
レーザ光の光路断面における配光レンズが配置されていない部分には、何も配置されてないままであっても良いし、透明部材からなる平行平面板が配置されていても良い(請求項11に対応)。後者の場合、配光レンズと平行平面板とを一体に形成しても良い(請求項12に対応)。このようにすれば、配光レンズの取り付けが容易になる。
(回転手段)
回転手段は、出射部自体を回転させるものであっても良いし、出射部が上述したように回転方向に沿った筒状に構成されている場合にあってはその内部において光路を回転させるものであっても良い。また、レーザダイオードを含めてレーザ測量装置全体を回転させるものであっても良い。
【0015】
【実施例1】
以下、本発明の第1実施例を説明する。
<実施例の構成>
図1は、本実施例によるレーザ測量装置の構成を示す断面図である。この図1は、水平方向へのレーザ光走査を行うためにレーザ測量装置を鉛直方向に立てた状態を示している。
【0016】
図1に示すように、レーザ測量装置11は、略円筒状の本体ハウジング12と、この本体ハウジング12の上端面12bからその回転投光部15を突出させた状態でこの本体ハウジング12内に格納された投光装置13と、この投光装置13の回転投光部15を囲繞する上部ハウジング16と、投光装置13の駆動用バッテリを収容するために本体ハウジング2の底部に設けられたバッテリーケース17とから構成されている。
〔本体ハウジング〕
略円筒形状である本体ハウジング12の上端面12bには、その中心軸と同軸に、すり鉢状の摺動案内部19が形成されている。この摺動案内部19の底面には、円形の摺動穴19aが、その中心軸と同軸に形成されている。
【0017】
この摺動案内部19の側方にあたる本体ハウジング12の内面には、その中心軸に向けて突出形成されたブラケット42が形成されている。このブラケット42は、本体ハウジング12の中心軸を中心として相互に90度ずれた位置に、2個形成されている。また、これら2個のブラケット42と中心軸とでなす角を二等分する方向における摺動案内部19外面(本体ハウジング12内部の面)には、支持突起51が形成されている。
【0018】
また、本体ハウジング12の下端面には、その中心軸と同軸に、円孔12aが形成されている。
〔バッテリーケース〕
バッテリーケース17は、本体ハウジング12の外径と同径の円筒形状を有している。このバッテリーケース17の上端面及び下端面の中心には、本体ハウジング12の下端面に形成された円孔12aと重なる円孔17a,17aが形成されている。
〔上部ハウジング〕
上部ハウジング16は、本体ハウジング12の中心軸と同軸の円筒状の透明部材からなる窓(出射部)16bと、この窓16bの端面を閉じる不透明部材からなる蓋16cとから構成されている。この蓋16cの中心には、透明部材36が填め込まれている円孔16aが形成されている。
〔投光装置〕
投光装置13は、回転投光部15と、ベアリング10を介してこの回転投光部15を回転自在且つ同軸に保持する本体部20とから、構成されている。この本体部20には、その中心軸に沿ってその全体を貫通する中空のレーザ光光路20bと、このレーザ光光路から直角に分岐したレーザ光光路20aとが、形成されている。また、回転投光部15には、このレーザ光光路20bと同軸に連通するとともにその回転軸と同軸に形成された中空のレーザ光光路15a,及びこのレーザ光光路15aに連通するとともに端面方向及び側方に開口を有するペンタプリズム収納部15bが、形成されている。
(レーザ出射光学系)
これら各レーザ光光路20a,20b,15a内に内蔵されているレーザ出射光学系の光学構成を、図1及び図2を参照して説明する。
【0019】
本体部20内のレーザ光光路20a及び20bの交点には、偏光ビームスプリッタ27が固定されている。また、このレーザ光光路20aの端面には、レーザダイオード23が固定されており、その中間部には、コリメータレンズ24及びアナモフィックレンズ18が固定されている。また、レーザ光光路20b内のバッテリケース側には、ウェッジプリズム29a,29bが固定されている。また、レーザ光光路20b内の回転投光部側には、λ/4板28,半透膜28a,前群レンズ31,及び後群レンズ32が固定されている。また、回転投光部15のペンタプリズム収容部15b内には、ペンタプリズム35及び楔型プリズム34が固定されている。また、ペンタプリズム収容部15bの側方に開口した投光用窓33には、配光レンズ1が填め込まれている。
【0020】
レーザ光源としてのレーザダイオード23は、偏光ビームスプリッタ27の偏光分離面27aに対するS偏光面(紙面に垂直な面)内で直線偏光するレーザ光を発振する。コリメータレンズ24は、レーザダイオード23から出射されたレーザ光を平行光にするレンズである。また、アナモフィックレンズ18は、コリメータレンズ24を透過したレーザ光の断面形状を真円形に修正するためのレンズである。
【0021】
偏光ビームスプリッタ27内には、レーザダイオード23からのレーザ光L0の光軸に対してλ/4板側に45度傾いた偏光分離面27aが形成されている。この偏光分離面27aは、S偏光を100パーセント反射するとともにP偏光を100パーセント透過する特性を有している。従って、アナモフィックレンズ18を透過したレーザ光は、100パーセントλ/4板28側へ反射される。
【0022】
λ/4板28は、光軸を中心にその光学軸の方向を偏光分離面27aに対するP偏光面(紙面と平行な面)に対して45度傾けた状態で、偏光ビームスプリッタ27に貼付けられている。従って、λ/4板28は、入射した直線偏光を円偏光に変換する。このλ/4板28のペンタプリズム側面には、レーザ光の一部を偏光ビームスプリッタ27に向けて反射する半透膜28aが貼り付けられている。この半透膜28aにおいて反射された円偏光のレーザ光は、λ/4板28に再入射し、P偏光に変換されて、偏光ビームスプリッタ27を透過する。
【0023】
この偏光ビームスプリッタ27を透過したレーザ光L2は、ウェッジプリズム29a,29bを透過し、透光装置3の下端からその軸の延長線方向に出射される。
【0024】
一方、半透膜28aを透過したレーザ光が入射する前群レン31は負レンズであり、レーザ光光路20b内に進退自在に挿入された摺動円筒部材30内に保持されている。また、この前群レンズ31によって発散されたレーザ光が入射する後群レンズ32は正レンズであり、レーザ光光路20b内に固定されている。従って、これら前群レンズ31及び後群レンズ32は、入射されたレーザ光のビーム径を拡大するビームエキスパンダを構成する。そして、前群レンズ31を移動させることにより、ビームウェストの形成位置を可変することができる。
【0025】
後群レンズ32を透過したレーザ光が入射するペンタプリズム35は、回転投光部15のペンタプリズム収納部15b内に、この回転投光部15と一体に回転するように固定されている。このペンタプリズム35は、レーザ光が入射する光入射面35cと、この光入射面35cに対して22.5度傾いているとともにこの光入射面35cから入射したレーザ光が入射する第1の反射面35aと、この第1の反射面35aに対して45度傾いているとともにこの第1の反射面で反射されたレーザ光を再度反射する第2の反射面35bと、光入射面35cに対して直角をなしているとともに第2の反射面35bで反射されたレーザ光L3を出射する光出射面35dとを有している。従って、ペンタプリズム33が図1及び図2の面内で傾いたとしても、レーザ光L1の光軸と出射レーザ光L3の光軸との間の角度は、常に90度に保持される。なお、第2の反射面35bには増反射膜がアルミニューム蒸着によって形成されているので、この第2の反射面35bにおいてレーザ光は100パーセント内面反射する。一方、第1の反射面35aには反射率70〜80パーセントの半透膜14が形成されている。従って、20〜30パーセントのレーザ光L4が、この第1の反射面35aを透過し、楔型プリズム34を通って、投光装置13の上端からその軸の延長方向に出射される。
【0026】
一方、ペンタプリズム35の光出射面35dから出射されたレーザ光L3は、配光レンズ1に入射する。この配光レンズ1は、図3に示すような外形を有しており、図1及び図2の紙面に直交する軸方向(水平方向)のみにパワーを有する一種の負シリンドリカルレンズである。即ち、図2のA方向から見た上面図である図4に示すように、配光レンズ1は、一般的な負シリンドリカルレンズをその母線に沿って2分して離間させた形状を有する拡散部1a,1cと、それら各拡散部1a,1cの間に挟まれた平行平面の平板部1bとを、一体に形成した形状となっている。
【0027】
ペンタプリズム35から出射されたレーザ光L3は、配光レンズ1の平板部1bとともに各拡散部1a,1cにも入射する。このうち、平板部1bを透過したレーザ光は、従来の走査方式の場合と同様に、何ら拡散を受けることなく壁面87上に比較的高輝度のスポットSPを形成する。また、配光レンズとしての各拡散部1a,1cを透過したレーザ光は、従来のシリンドリカルレンズを用いる方式の場合と同様に、パワーを有する軸方向に拡散されて、壁面87上に比較的低輝度の基準線SLを静的に形成する。即ち、拡散部1aは、図4上でスポットSPよりも上側にレーザ光を拡散させて、基準線SLの上半分を形成する。また、拡散部1bは、図4上でスポットSPよりも下側にレーザ光を拡散させて、基準線SLの下半分を形成する。
(傾動機構)
次に、図1に戻り、投光装置13を本体ハウジング12内においてあらゆる方向に傾動可能とするための構成を説明する。
【0028】
この本体部20の上部には、摺動案内部19内に保持される膨出部21が形成されている。この膨出部21は、摺動孔19aの内径よりも大径の外径を有する円筒状部分とこの大径の円筒状部分と他の部分とを繋ぐ半球面部分とから構成されている。従って、この膨出部21は、その半球面部分が摺動孔19a内に当接した状態で、摺動孔19aから脱落することなく保持されている。投光装置13の本体ハウジング12への保持は、この部分の接触によってのみなされているので、摺動孔19a内で膨出部21の半球面部分を回転させることにより、投光装置13全体をその半球部分の球心を中心にあらゆる方向に傾動させることができる。
【0029】
この傾動を行うための機械構成を説明する。先ず、本体部20の突出部21よりも下方の部分と支持突起51との間には、引張りバネ52が張られている。そのため、膨出部21には、引張りバネ52による回転トルクが加えられている。
【0030】
また、摺動案内部19には、その中心軸から見て直交して設けられた各ブラケット42と同じ方向に、2本のスリット19bが形成されている。また、膨出部21の最上部には、その中心軸から見て各スリット19bと同じ方向に駆動アーム37が突出形成されている。各駆動アーム37は、下部方向に向かって傾斜しており、夫々対応するスリット19bを通って本体ハウジング内に入り込んでいる。これら各駆動アーム37の先端には、膨出部21の球心の方向を向いたピン40が形成されている。
【0031】
一方、各ブラケット42と本体ハウジング12の上端面12bとの間には、調整用スクリュー45が本体ハウジング12の中心軸と平行に回転自在に掛け渡されている。各調整用スクリュー45は、ピニオン49及び伝動ギヤ50を介して、各ブラケット42上に固定された各レベル調整用モータ44,76により回転される。また、各調整用スクリュー45には、調整用ナット46が螺合されている。調整用ナット46の外面には、ピン40と接触する作動ピン47が突出形成されており、膨出部21の回転を規制している。
【0032】
各調整用ナット46は、図示せぬ回転規制手段によって本体ハウジング12に対する回転が規制されているので、各レベル調整用モータ44,76により調整用スクリュー45が回転駆動されると、上下に昇降する。従って、各作動ピン47に弾設しているピン40がこの昇降に追従して昇降するので、膨出部21がこの昇降の方向に従って何れかの方向に回転するのである。
【0033】
マイコン82は、投光装置13のY方向(紙面に直交する方向)の傾きを検出するY方向のレベル検知センサ72,及び投光装置13のX方向(紙面方向)の傾きを検出するX方向のレベル検知センサ73からの傾き検知信号を受信して、投光装置13の軸が鉛直方向を向くようにX方向レベル調整用モータ44,及びY方向レベル調整用モータ76の回転制御を行う。
(回転機構)
次に、回転投光部15を本体部20に対して回転させるための回転手段としての機構につき説明する。
【0034】
ベアリング10を介して本体部20に対して回転自在に接続された回転投光部15の外周面には、ギア69が固定されている。一方、本体部20の膨出部21の上端面には、外方に向けて突出させたブラケット65が設けられている。このブラケット65には、投光部回転用モータ66が固定されており、この投光部回転用モータ66の回転軸に取り付けられたピニオン67が回転投光部15のギア69に噛み合っている。この投光部回転用モータ66は、マイコン82によって停止又は回転の制御がなされている。即ち、この投光部回転用モータ66を停止させると、配光レンズ1から出射されるレーザ光L3の光軸は、或る一定方向を向いたまま停止する。これに対して、投光部回転用モータ66を回転させると、配光レンズ1から出射されるレーザ光L3の出射方向が回転投光部15の回転軸を中心に回転するので、この回転軸に直交する基準平面が形成される。
(合焦機構)
次に、前群レンズ31を光軸方向に進退駆動するための構成について説明する。
【0035】
投光装置13の本体部20における摺動円筒部材30の移動範囲近傍には、その内外面を貫通するスリット63が形成されている。このスリット63を上下から挟むように、本体部20の外面には、ブラケット53及びブラケット55が突出形成されている。これらブラケット53,55の間には合焦用スクリュー56が本体部20の中心軸と平行に回転自在に掛け渡されている。この合焦用スクリュー56には、合焦用ナット57が螺合している。この合焦用ナット57には、スリット63を通り抜けてその一端が摺動円筒部材30に固定された伝達リンク62の他端が固定されている。
【0036】
合焦用スクリュー56は、ピニオン60及び伝達ギヤ61を介して、ブラケット53上に固定された合焦用モータ59によって回転駆動される。この合焦用モータ59は、マイコン82によって回転制御される。即ち、壁面87までの距離に応じて適宜この合焦用モータ59を回転制御することにより、この壁面87にビームウェストを形成することができる位置に、前群レンズ31を進退移動させることができるのである。
〔回路構成〕
次に、マイコン82等の回路部品の接続関係を説明する。
【0037】
図5に示すように、マイコン82には、Y方向のレベル検知センサ72,X方向のレベル検知センサ73,投光部回転用モータ66,合焦用モータ59,X方向のレベル調整用モータ44,Y方向レベル調整用モータ76が接続されている。また、マイコン82には、レーザダイオード駆動回路95を介してレーザダイオード23が接続されている。
【0038】
また、マイコン82には、メインスイッチ96,発光指示操作部97,回転指示操作部98,距離入力部99,及び回転位置調整釦100が接続されている。これらは、本体ハウジング12の外面に設けられたスイッチである。これらのうちメインスイッチ96は、マイコン82に電源を投入して起動させるためのスイッチである。このメインスイッチ96を投入することにより、Y方向のレベル検知センサ72及びX方向のレベル検知センサ73からの傾き検知信号がマイコン82に読み込まれ、それに応じてX方向レベル調整用モータ44及びY方向レベル調整用モータ76が駆動制御される。
【0039】
また、発光指示操作部97は、レーザダイオード駆動回路95によるレーザダイオード23の駆動を行うか否かの旨を入力するスイッチである。
また、切換手段としての回転指示操作部96は、回転投光部15を回転させるか否か,即ち投光部回転用モータ66を回転させるか否かの旨を入力するスイッチある。
【0040】
また、距離入力部99は、レーザ測量装置11から壁面87までの距離を入力するスイッチである。この距離入力部99により距離が入力されると、その距離に対応する位置に前群レンズ31を移動させる分だけ合焦用モータ59が駆動される。
【0041】
また、投光部回転用モータ66が停止している状態において回転位置調整ボタン100が押下されると、投光部回転用モータ66は、特定の微少量だけ回転駆動される。この回転位置調整ボタン100が一回押下される毎に投光部回転用モータ66が回転駆動される量は、それによって回転される回転投光部15の回転角が配光レンズ1によって拡散されるレーザ光の拡散角の角度よりも狭くなるように調整されている。
<実施例の作用>
上記構成を有する本実施例によるレーザ測量装置11の動作を説明する。まず、図6に示すように、基準線SLを投射すべき壁面87に向けて、三脚85によってレーザ測量装置11を立てる。そして、この三脚85の長さを適宜調整することにより、レーザ測量装置11の窓16bの高さを、基準線SLを形成すべき高さと同じ高さに合わせる。
【0042】
次に、メインスイッチ96を投入して、マイコン82に電源を与える。すると、マイコン82は、Y方向のレベル検知センサ72及びX方向のレベル検知センサ73からの傾き検知信号を読み込み、それに応じてX方向レベル調整用モータ44及びY方向レベル調整用モータ76を適宜駆動し、投光装置15の軸(回転投光部15の回転軸)が鉛直方向を向くように傾きの調整を行う。
【0043】
次に、発光指示操作部97を投入して、レーザダイオード23を発振させる。すると、レーザダイオード23から発振されたレーザ光L0は、レーザ出射光学系内において、投光装置13の軸に沿って鉛直方向下向きに出射されるレーザ光L2,投光装置13の軸(回転投光部15の回転軸)に沿って鉛直方向上向きに出射されるレーザ光L4,及び投光装置13の軸(回転投光部15の回転軸)に直交する方向に出射されるレーザ光L3に分割される。
【0044】
レーザ光L2は、本体ハウジング12の円孔12a,及びバッテリーケース17の円孔17a,17aを通って、床(地面)にスポットを形成する。また、レーザ光L4は、上部ハウジング16の透明部材36を透過して、天井等にスポットを形成する。従って、これらスポットを手がかりにして、レーザ測量装置11を所定の測量基準点上(又は、測量基準点下)に移動させることができる。また、レーザ光L3は、配光レンズ1を透過することによってその一部が拡散され、窓16bを通って壁面87に向けて照射される。しかし、この時点では、前群レンズ31の合焦調整は行われていないので、このレーザ光L3によって形成される基準線SLは、ぼんやりとした状態となっている。
【0045】
次に、レーザ測量装置11から壁87までの距離を目測して、距離入力部99に入力する。すると、合焦用モータ59が適宜回転駆動され、前群レンズ31が対応する位置に移動する。その結果、図6に示すように、壁面87上に、中間部分に高輝度のスポットSPを有するとともに水平方向に伸びた細い基準線SLが、明確に形成される。
【0046】
そして、室内での墨出し作業のように全周方向に基準線を形成する必要がある場合には、作業者は、回転指示操作部98によって回転投光部15の回転を指示する。すると、投光部回転用モータ66が回転駆動され、全周方向に存在する壁面上に、スポットSPの走査軌跡による線が形成される。なお、周囲が比較的暗く,且つ壁面までが極近距離であると、この線は目視によって識別できるが、周囲が比較的明るかったり壁面までが比較的長距離である場合には、目視による識別はできない。その場合には、光位置検出器を用いてスポットSPの走査軌跡を検出し、マーキング等を行う。つまり、直進するレーザ光の指向性故に、配光レンズ1の平板部1bを透過した光は、拡散することなく直線に進行する。従って、遠距離になっても光位置検出器により検出可能なシュレッショルドレベル以上のエネルギー密度が維持される。その結果、スポットSPが目視できない場合でも、光位置検出器により瞬間的に通過するスポットSPを検知することによって、その走査軌跡を検出することができるのである。
【0047】
また、一方向にのみ存在している平面状の壁面上に基準線を形成する場合には、作業者は、回転指示操作部98によって回転投光部15の停止を指示する。すると、投光部回転用モータ66が停止され、壁面上に基準線SLが形成される。この場合、基準線を形成すべき長さ範囲があまりにも広い場合には回転投光部15を回転させれば良いという理由から、基準線SLが形成される長さ,即ち、拡散部1a,1cによる拡散角は、狭い範囲に制限されている。従って、拡散部1a,1cによるレーザ光エネルギーの拡散率が低くレーザ光エネルギーを無駄にすることがないので、回転投光部15を回転させてスポットSPを走査させる場合に比較して、壁面がより遠距離にあったり周囲がより明るくても、目視可能に基準線SLを形成することができる。作業者は、基準線SLが所望の壁面上に形成されるように、回転位置調整釦100を適当な回数だけ押下して、回転投光部15の回転位置を調整する。そして、所望の壁面上に形成された基準線SLを目視して、マーキング等を行うのである。
【0048】
なお、一方向のみに存在している平面状の壁面上に基準線を形成する場合であっても、壁面までが更に遠距離になったり明るくなったりすると、基準線SLの目視は不可能になる。その場合には、作業者は、回転指示操作部98によって回転投光部15の回転を指示する。すると、投光部回転用モータ66が回転駆動され、平面上の壁面上に、スポットSPの走査軌跡による線が形成される。この場合には、スポットSPの走査軌跡は目視し得ないので、作業者は、光検知器によってスポットSPの走査軌跡を識別して、マーキング等を行う。
【0049】
本実施例によるレーザ測量装置では、基準線投影時には、モータの加減速は行わないので、レーザ測量装置自体が振動して基準線がぶれたり投光部回転用モータ66の消費電力が大きくなることもない。
【0050】
【実施例2】
本第2実施例は、第1実施例に比して、第1実施例のものと全く同じ配光レンズ1を光軸中心に90度回転して横に配置したことを特徴とし、その他の部分を同一とする。即ち、図3及び図4に示した配光レンズ1を、図1及び図2の上下方向(垂直方向)のみにパワーを有するような向きで投光用窓33にはめ込んだものである。従って、投光部回転用モータ66を停止した状態では、図7に示したように、壁面87上に、中間部分に高輝度のスポットSPを有するとともに垂直方向に伸びた細い基準線SLが形成される。
【0051】
そして、ある程度近距離且つ周囲が比較的暗いという条件下ではこの基準線SLを目視し得るので、垂直方向を向いた基準線SLによる墨出し作業を行いたい場合には、回転位置調整釦100によって基準線SLの投射方向の調整を行い、この基準線SLを目視して、マーキング等を行う。
【0052】
一方、水平方向の基準線を投射したい場合には、ある程度近距離且つ周囲が比較的明るいときでも、回転指示操作部98を投入することにより、投光回転用モータ66を回転させる。すると、高輝度のスポットSPが水平方向に走査されるので、スポットSPの残像による水平線が形成される。このスポットSPの残像による線が識別できる場合には、目視によってマーキング等を行えば良いが、識別しにくい場合には、光位置検出器を用いてスポットSPの走査軌跡を検出してマーキング等を行う。
【0053】
このように、本実施例によると、距離に応じて基準線の投射の方式を切り換えるということはできないが、投射方式を切り換えることによって、基準線を形成したい方向を垂直方向又は水平方向に切り換える事ができる。
【0054】
【実施例3】
本第3実施例は、第1実施例に比して、配光レンズ1の代わりに、図8及び図9に示すような配光レンズ101を投光用窓33にはめ込んだことを特徴とし、その他の部分を同一とする。この配光レンズ101は、図8に示すような外形を有しており、図1及び図2の紙面に直交する軸方向(水平方向)のみにパワーを有した一種の正シリンドリカルレンズである。即ち、図8のB方向から見た上面図である図9に示すように、配光レンズ101は、一般的な正シリンドリカルレンズをその母線に沿って2分して離間させた形状を有する拡散部101a,101cと、それら各拡散部101a,101cの間に挟まれた平行平面の平板部101bとを、一体に形成した形状となっている。
【0055】
そのため、第1実施例の配光レンズ1の場合と同様に、配光レンズとしての各拡散部101a,101cを透過したレーザ光は、パワーを有する軸方向に一旦収束した後で拡散されて、壁面87上に比較的低輝度の基準線SLを静的に形成する。また、平板部101bを透過したレーザ光は、何ら拡散を受けることなく基準線SLの中央に比較的高輝度のスポットSPを形成する。
【0056】
本第3実施例によると第1実施例と全く同じ作用を生じる。また、本第3実施例において、配光レンズ101を、第2実施例の場合のように、図1及び図2の上下方向(垂直方向)のみにパワーを有するような向きで投光用窓33にはめ込んでも良い。
【0057】
【実施例4】
本第4実施例は、第1実施例に比して、配光レンズ1の平板部1bのみを削除したのと等価な配光レンズ102を、図1及び図2の紙面に直交する軸方向(水平方向)のみにパワーを有するように投光用窓33にはめ込んだことを特徴とし、その他の部分を同一とする。即ち、この配光レンズ102は、図10の上面図に示すように、一般的な負シリンドリカルレンズをその母線に沿って2分した形状を有する拡散部102a,102bを、間隙を挟んで離間させたものである。
【0058】
そのため、第1実施例の配光レンズ1の場合と同様に、配光レンズとしての各拡散部102a,102bを透過したレーザ光は、パワーのある軸方向に拡散されて、壁面(測量対象物)上に比較的低輝度の基準線SLを静的に形成する。また、各拡散部102a,102bの間を通過したレーザ光は、何ら拡散を受けることなく、基準線SLの中央に比較的高輝度のスポットSPを形成する。
【0059】
本第4実施例によると第1実施例と全く同じ作用を生じる。また、本第4実施例において、配光レンズ102を、第2実施例の場合のように、図1及び図2の上下方向(垂直方向)のみにパワーを有するような向きで投光用窓33にはめ込んでも良い。
【0060】
【実施例5】
本第5実施例は、第3実施例に比して、配光レンズ101の平板部101bのみを削除したのと等価な配光レンズ103を、図1及び図2の紙面に直交する軸方向(水平方向)のみにパワーを有するように投光用窓33にはめ込んだことを特徴とし、その他の部分を同一とする。即ち、この配光レンズ103は、図11の上面図に示すように、一般的な正シリンドリカルレンズをその母線に沿って2分した形状を有する拡散部103a,103bを、間隙を挟んで離間させたものである。
【0061】
そのため、第2実施例の配光レンズ101の場合と同様に、配光レンズとしての各拡散部103a,103bを透過したレーザ光は、パワーのある軸方向に一旦収束されて、壁面(測量対象物)上に比較的低輝度の基準線SLを静的に形成する。また、各拡散部103a,103bの間を通過したレーザ光は、何ら拡散を受けることなく、基準線SLの中央に比較的高輝度のスポットSPを形成する。
【0062】
本第5実施例によると第1実施例と全く同じ作用を生じる。また、本第5実施例において、配光レンズ103を、第2実施例の場合のように、図1及び図2の上下方向(垂直方向)のみにパワーを有するような向きで投光用窓33にはめ込んでも良い。
【0063】
【実施例6】
本第6実施例は、第1実施例に比して、配光レンズ1の拡散部1cをも平板部としたのと等価な配光レンズ104を投光用窓33にはめ込んだことを特徴とし、その他の部分を同一とする。即ち、この配光レンズ104は、図12に示すような外形を有しており、図1及び図2の紙面に直交する軸方向(水平方向)のみにパワーを有した一種の負シリンドリカルレンズである。即ち、図12のC方向から見た上面図である図13に示すように、配光レンズ104は、一般的な負シリンドリカルレンズをその母線に沿って2分したものの片方を拡散部104aとするとともに、その光軸に沿った分断面に平行平面の平板部104bを一体に繋げた形状となっている。
【0064】
図13に示すように、ペンタプリズム35から出射されたレーザ光L3は、配光レンズ104の平板部104bとともに拡散部104aにも入射する。このうち、平板部104bを透過したレーザ光は、従来の走査方式の場合と同様に、何ら拡散を受けることなく壁面87上に比較的高輝度のスポットSPを形成する。また、配光レンズとしての拡散部104aを透過したレーザ光は、従来のシリンドリカルレンズを用いる方式の場合と同様に、パワーを有する軸方向に拡散されて、壁面87上に比較的低輝度の基準線SLを静的に形成する。即ち、拡散部104aは、図13上でスポットSPよりも上側にレーザ光を拡散させて、スポットSPから上側に延ばした基準線SLを形成する。
【0065】
本第6実施例によると第1実施例と全く同じ作用を生じる。また、本第6実施例において、配光レンズ104を、第2実施例の場合のように、図1及び図2の上下方向(垂直方向)のみにパワーを有するような向きで投光用窓33にはめ込んでも良い。
【0066】
【実施例7】
本第7実施例は、第2実施例に比して、配光レンズ101の拡散部101cをも平板部としたのと等価な配光レンズ105を投光用窓33にはめ込んだことを特徴とし、その他の部分を同一とする。即ち、この配光レンズ105は、図14に示すような外形を有しており、図1及び図2の紙面に直交する軸方向(水平方向)のみにパワーを有すた一種の負シリンドリカルレンズである。即ち、図14のD方向から見た上面図である図15に示すように、配光レンズ105は、一般的な正シリンドリカルレンズをその母線に沿って2分したものの片方を拡散部105aとするとともに、その光軸に沿った分断面に平行平面の平板部105bを一体に繋げた形状となっている。
【0067】
ペンタプリズム35から出射されたレーザ光L3は、配光レンズ105の平板部105bとともに拡散部105aにも入射する。この拡散部105aを透過したレーザ光は、パワーを有する軸方向に一端収束した後で拡散されて、壁面上に比較的低輝度の基準線を静的に形成する。また、平板部105bを透過したレーザ光は、従来の走査方式の場合と同様に、何ら拡散を受けることなく、基準線の端部に比較的高輝度のスポットを形成する。
【0068】
本第7実施例によると第1実施例と全く同じ作用を生じる。また、本第7実施例において、配光レンズ105を、第2実施例の場合のように、図1及び図2の上下方向(垂直方向)のみにパワーを有するような向きで投光用窓33にはめ込んでも良い。
【0069】
【実施例8】
本第8実施例は、第6実施例に比して、配光レンズ104の平板部104bのみを削除したのと等価な配光レンズ106を、図1及び図2の紙面に直交する軸方向(水平方向)のみにパワーを有するように投光用窓33にはめ込んだことを特徴とし、その他の部分を同一とする。即ち、この配光レンズ106は、図16の上面図に示すように、一般的な負シリンドリカルレンズをその母線に沿って2分したものの片方を、その軸側からレーザ光光路L3内に進入させるようにして、配置されている。
【0070】
そのため、第1実施例の配光レンズ1の場合と同様に、配光レンズ106を透過したレーザ光は、パワーを有する軸方向に拡散されて、壁面(測量対象物)上に比較的低輝度の基準線SLを静的に形成する。また、配光レンズ106の脇を通過したレーザ光は、何ら拡散を受けることなく、基準線SLの端部に比較的高輝度のスポットSPを形成する。
【0071】
本第8実施例によると第1実施例と全く同じ作用を生じる。また、本第8実施例において、配光レンズ106を、第2実施例の場合のように、図1及び図2の上下方向(垂直方向)のみにパワーを有するような向きで投光用窓33にはめ込んでも良い。
【0072】
【実施例9】
本第9実施例は、第7実施例に比して、配光レンズ105の平板部105bのみを削除したのと等価な配光レンズ107を、図1及び図2の紙面に直交する軸方向(水平方向)のみにパワーを有するように投光用窓33にはめ込んだことを特徴とし、その他の部分を同一とする。即ち、この配光レンズ107は、図17の上面図に示すように、一般的な正シリンドリカルレンズをその母線に沿って2分したものの片方を、その軸側からレーザ光L3光路内に進入させるようにして、配置されている。
【0073】
そのため、第1実施例の配光レンズ1の場合と同様に、配光レンズ107を透過したレーザ光は、パワーを有する軸方向に一旦収束された後で拡散されて、壁面(測量対象物)上に比較的低輝度の基準線SLを静的に形成する。また、配光レンズ107の脇を通過したレーザ光は、何ら拡散を受けることなく、基準線SLの端部に比較的高輝度のスポットSPを形成する。
【0074】
本第9実施例によると第1実施例と全く同じ作用を生じる。また、本第9実施例において、配光レンズ107を、第2実施例の場合のように、図1及び図2の上下方向(垂直方向)のみにパワーを有するような向きで投光用窓33にはめ込んでも良い。
【0075】
【実施例10】
本第10実施例は、第1実施例に比して、配光レンズ1の代わりに、図1及び図2の紙面に直交する軸方向(水平方向)のみにパワーを有する一般的な負シリンドリカルレンズである配光レンズ108を、図18に示すように、レーザ光光路lの一部のみが透過するように投光用窓33にはめ込んだことを特徴とし、その他の部分を同一とする。即ち、配光レンズ108は、図19の正面図に示すように、レーザ光L3の光路の下半分のみが透過するように、配置される。
【0076】
そのため、このレーザ光L3の光路の下半分においては、図19のE方向から見た上面図である図20に示すように、配光レンズ108が、そのパワーのある軸方向にレーザ光L3を拡散して、壁面(測量対象物)上に比較的低輝度の基準線SLを静的に形成する。一方、配光レンズ108の脇を通過したレーザ光は、何ら拡散を受けることなく、基準線SLの中央に比較的高輝度のスポットSPを形成する。
【0077】
本第10実施例によると第1実施例と全く同じ作用を生じる。また、本第10実施例において、配光レンズ108を、第2実施例の場合のように、図1及び図2の上下方向(垂直方向)のみにパワーを有するような向きで投光用窓33にはめ込んでも良い。
【0078】
【実施例11】
本第11実施例は、第10実施例に比して、図21に示すように、配光レンズ108の代わりに、図1及び図2の紙面に直交する軸方向(水平方向)のみにパワーを有する一般的な負シリンドリカルレンズをその軸に直交する方向に分割してなる配光レンズ109を投光用窓33にはめ込んだことを特徴とし、その他の部分を同一とする。即ち、図22に示すように、分割された配光レンズ109の各部分109a,109bを離間させて、それらの間に間隙を挟んだ状態でレーザ光L3の光路の上端部及び下端部に配置したものである。
【0079】
そのため、このレーザ光L3の光路の上端部及び下端部においては、図22のF方向から見た上面図である図23に示すように、拡散部である配光レンズ109が、そのパワーのある軸方向にレーザ光L3を拡散して、壁面上に比較的低輝度の基準線SLを静的に形成する。一方、配光レンズ109の各部分109a,109bの間の間隙を通過した、レーザ光L3の中心部分は、何ら拡散を受けることなく、基準線SLの中央に比較的高輝度のスポットSPを形成する。
【0080】
本第11実施例によると第1実施例と全く同じ作用を生じる。また、本第11実施例において、配光レンズ109を、第2実施例の場合のように、図1及び図2の上下方向(垂直方向)のみにパワーを有するような向きで投光用窓33にはめ込んでも良い。
【0081】
【実施例12】
本第12実施例は、第4実施例の配光レンズ102と第11実施例の配光レンズ109とを組み合わせたのと等価な配光レンズ110を投光用窓33にはめ込んだことを特徴とし、その他の部分を同一とする。即ち、図24に示すように、配光レンズ110は、図1及び図2の紙面に直交する軸方向(水平方向)のみにパワーを有する一般的な負シリンドリカルレンズの中央部分を、その光軸方向に沿って矩形に切除した開口部110aとして形成したものである。
【0082】
そのため、拡散部である配光レンズ110の光学部材内を透過したレーザ光の周辺部分は、パワーを有する軸方向に拡散されて、壁面(測量対象物)上に比較的低輝度の基準線SLを静的に形成する。また、配光レンズ110の開口部110aを通過したレーザ光は、何ら拡散を受けることなく、基準線SLの中央に比較的高輝度のスポットSPを形成する。
【0083】
本第12実施例によると第1実施例と全く同じ作用を生じる。また、本第12実施例において、配光レンズ110を、第2実施例の場合のように、図1及び図2の上下方向(垂直方向)のみにパワーを有するような向きで投光用窓33にはめ込んでも良い。
【0084】
【実施例13】
本第13実施例は、第12実施例に比して、第12実施例の配光レンズ110を正レンズにしたのと等価な配光レンズ111を投光用窓33にはめ込んだことを特徴とし、その他の部分を同一とする。即ち、図25に示すように、配光レンズ111は、図1及び図2の紙面に直交する軸方向(水平方向)のみにパワーを有する一般的な正シリンドリカルレンズの中央部分を、その光軸方向に沿って矩形に切除した開口部111aとして形成したものである。
【0085】
そのため、拡散部である配光レンズ111の光学部材内を透過したレーザ光の周辺部分は、パワーのある軸方向に一旦収束された後で拡散されて、壁面(測量対象物)上に比較的低輝度の基準線SLを静的に形成する。また、配光レンズ111の開口部111aを通過したレーザ光は、何ら拡散を受けることなく、基準線SLの中央に比較的高輝度のスポットSPを形成する。
【0086】
本第13実施例によると第1実施例と全く同じ作用を生じる。また、本第13実施例において、配光レンズ111を、第2実施例の場合のように、図1及び図2の上下方向(垂直方向)のみにパワーを有するような向きで投光用窓33にはめ込んでも良い。
【0087】
【実施例14】
本第14実施例は、第1実施例に比して、第1実施例の配光レンズ1を構成する拡散部1a,1cをグレーテッドインデックスレンズにしたのと等価な配光レンズ112を投光用窓33にはめ込んだことを特徴とし、その他の部分を同一とする。即ち、図26に示すように、配光レンズ112は、図1及び図2の紙面に直交する軸方向(水平方向)に3つの部分に分けられている。そして、その中央部分は、均一な屈折率を有する平板部112bとして構成されている。また、その両端部は、屈折率が外端側に向かって徐々に大きくなる様に分布しているグレーテッドインデックスレンズとして構成された拡散部112a,112cとなっている。
【0088】
そのため、第1実施例の場合と同様に、負レンズとして機能する各拡散部112a,112cを透過したレーザ光は、パワーを有する軸方向に拡散されて、壁面(測量対象物)上に比較的低輝度の基準線SLを静的に形成する。また、平板部112bを通過したレーザ光は、何ら拡散を受けることなく、基準線SLの中央に比較的高輝度のスポットSPを形成する。
【0089】
本第14実施例によると第1実施例と全く同じ作用を生じる。また、本第14実施例において、配光レンズ112を、第2実施例の場合のように、図1及び図2の紙面の上下方向(垂直方向)のみにパワーを有するような向きで投光用窓33にはめ込んでも良い。
【0090】
また、配光レンズ112の各拡散部112a,112bを、屈折率が外端側に向かって徐々に小さくなる様に分布した正レンズ相当のグレーテッドインデックス部としてもよい。このようにすると、各拡散部112a,112cを透過したレーザ光は、パワーのある軸方向に一旦収束された後で拡散されて、壁面(測量対象物)上に比較的低輝度の基準線SLを静的に形成することになる。
【0091】
また、配光レンズ112の拡散部112a,112bは、何れか一方のみであっても良い。
【0092】
【実施例15】
本第15実施例は、第1実施例に比して、図1及び図2の紙面に直交する軸方向(水平方向)のみにパワーを有する正シリンドリカルレンズと紙面の上下方向(垂直方向)のみにパワーを有する正シリンドリカルレンズとを組み合わせた配光レンズ113を投光用窓33にはめ込んだことを特徴とし、その他の部分を同一とする。
【0093】
即ち、図27に示すように、配光レンズ113は、図1及び図2の紙面に直交する軸方向(水平方向)のみにパワーを有する正シリンドリカルレンズである水平方向拡散部113aと紙面の上下方向(垂直方向)のみにパワーを有する正シリンドリカルレンズである垂直方向拡散部113bとを、図1及び図2の紙面に直交する方向に並べた構成を有している。そして、図28の正面図に示すように、この配光レンズ113を、レーザ光L3の光路の下半分のみに挿入したのである。従って、図28のG方向から見た上面図である図29に示すように、レーザ光L3の光路の下半分においては、レーザ光L3の一部が水平方向拡散部113aに入射するとともに、レーザ光L3の残りが垂直方向拡散部113bに入射する。一方、図28のH方向から見た側面図である図30に示すように、レーザ光L3の光路の上半分においては、レーザ光L3は配光レンズ113を透過することなく通過する。
【0094】
従って、投光部回転用モータ66を停止した状態では、図31に示したように、壁面87上に、水平方向拡散部113aによって拡散されたレーザ光による水平方向に伸びた水平方向基準線SL1と、垂直方向拡散部113bによって拡散されたレーザ光による垂直方向に伸びた垂直方向基準線SL2と、配光レンズ113を入射せずに投光用窓33を通過したレーザ光による高輝度のスポットSPが投射される。この水平方向基準線SL1と垂直方向基準線SL2とは互いの中間部分で互いに直交しているとともに、その交点に高輝度のスポットSPが形成される。
【0095】
そして、室内での墨出し作業のように全周方向に基準線を形成する必要がある場合には、作業者は、回転指示操作部98によって回転投光部15の回転を指示する。すると、投光部回転用モータ66が回転駆動され、全周方向に存在する壁面上に、スポットSPの走査軌跡による線が形成される。作業者は、この線を目視又は光検出器によって識別して、マーキング等を行う。
【0096】
また、一方向にのみ存在している平面状の壁面上に基準線を形成する場合には、作業者は、回転指示操作部98によって回転投光部15の停止を指示する。すると、投光部回転用モータ66が停止され、ある程度壁面までが近距離であって周囲が比較的暗い限り、壁面上に水平方向基準線SL1及び垂直方向基準線SL2が目視可能に形成される。作業者は、ドット状基準線SLが所望の壁面上に形成されるように、回転位置調整釦100を適当な回数だけ押下して、回転投光部15の回転位置を調整する。そして、所望の壁面上に形成された水平方向基準線SL1及び垂直方向基準線SL2を目視して、マーキング等を行うのである。
【0097】
なお、一方向のみに存在している平面状の壁面上に基準線を形成する場合であっても、壁面までが更に遠距離になったり明るくなったりすると、水平方向基準線SL1及び垂直方向基準線SL2の目視は不可能になる。その場合には、作業者は、回転指示操作部98によって回転投光部15の回転を指示する。すると、投光部回転用モータ66が回転駆動され、平面上の壁面上に、スポットSPの走査軌跡による線が形成される。この場合には、スポットSPの走査軌跡は目視し得ないので、作業者は、光検知器によってスポットSPの走査軌跡を識別して、マーキング等を行う。
【0098】
このように、本第15実施例によると、回転投射部15による走査を行わなくても、水平方向及び垂直方向に基準線SL1,SL2が形成される。また、遠距離の場合や周囲が暗い場合でも、回転投射部15による走査を行うことにより、水平方向の基準線をスポットSPの軌跡として形成することができる。さらに、室内での墨出し作業のように全周方向に基準線を投射する必要がある場合でも、回転投射部15による走査を行うことにより、全周方向に伸びた基準線をスポットSPの軌跡として形成することができる。
【0099】
【実施例16】
本第16実施例は、第15実施例に比して、平行平面板の4辺に図1及び図2の紙面に直交する軸方向(水平方向)のみにパワーを有する正シリンドリカルレンズと紙面の上下方向(垂直方向)のみにパワーを有する正シリンドリカルレンズとを組み合わせてなる配光レンズ114を投光用窓33にはめ込んだことを特徴とし、その他の部分を同一とする。
【0100】
即ち、図32に示すように、配光レンズ114の中心には、正面から見て正方形の平行平面ガラスからなる平板部114aが形成されている。そして、図1及び図2の紙面に直交する軸方向(水平方向)のみにパワーを有する正シリンドリカルレンズをその軸に沿って二分した形状の水平方向拡散部114bと、紙面の上下方向(垂直方向)のみにパワーを有する正シリンドリカルレンズをその軸に沿って二分した形状の垂直方向拡散部114cとが、一体成形により平板部114aを取り囲むように形成されている。
【0101】
従って、投光部回転用モータ66を停止した状態では、壁面87上に、水平方向拡散部114bによって拡散されたレーザ光による水平方向に伸びた水平方向基準線SL1と、垂直方向拡散部114cによって拡散されたレーザ光による垂直方向に伸びた垂直方向基準線SL2と、平板部114aを通過したレーザ光による高輝度のスポットSPが投射される。この水平方向基準線SL1と垂直方向基準線SL2とは互いの中間部分で互いに直交しているとともに、その交点に高輝度のスポットSPが形成される。
【0102】
本第16実施例によると第15実施例と全く同じ作用を生じる。
なお、本第16実施例において、水平方向拡散部114b及び垂直方向拡散部114cの形状を、負シリンドリカルレンズをその軸に沿って二分したものとしても良い。また、水平方向拡散部114b又は垂直方向拡散部114cは、各々1箇所のみに形成されていても良い。
【0103】
【実施例17】
本第17実施例は、第1乃至第16実施例が一つの光源(レーザダイオード34)から発振されたレーザ光を一本の光路を通して出射するのと異なり、2つの光源から発振されたレーザ光を二本の光路を通して出射するとともに、片方の光路にのみシリンドリカルレンズを配置したことを特徴とする。
<実施例の構成>
本第17実施例の構成を、図33に示す。図33において、回転投光部115は、切換手段としてON/OFF切換が自在な回転手段としての回転モータ116によって、鉛直軸方向に向いた回転軸122を中心に回転する。
【0104】
この回転投光部115内には、二つのレーザダイオード117,118,シリンドリカルレンズ119,反射ミラー120,及びビームスプリッタ121が配置されている。
【0105】
第1及び第2のレーザ光源としての各レーザダイオード117,118は、回転軸122と平行にレーザ光を発振する。このレーザダイオード117,118は、図1に示すようなシリンドリカルレンズ24及びアナモフィックレンズ18を一体に組み込んでいる。
【0106】
配光レンズとしてのシリンドリカルレンズ119は、図33の紙面に直交する軸方向のみにパワーを有する正シリンドリカルレンズであり、第1のレーザ光源としてのレーザダイオード118から発振されたレーザ光を図33の紙面に直交する軸方向に拡散する。
【0107】
反射ミラー120は、シリンドリカルレンズ119を透過したレーザ光を、回転軸122に直交する方向に反射する。
光路合成手段及び出射部としてのビームスプリッタ121は、反射ミラー120によって反射されたレーザ光とレーザダイオード117から発振されたレーザ光とを、図33の紙面内において軸合わせして、回転投光部115の側方に出射する。
<実施例の作用>
本第17実施例によると、ビームスプリッタ121において、レーザダイオード117から発振されたレーザ光は、シリンドリカルレンズ119によって拡散されたレーザ光の中央部分に合わせられる。従って、図6に示したのと同じように、シリンドリカルレンズ119において拡散されたレーザ光は、壁87上に、水平方向に伸びた基準線SLを形成する。一方、レーザダイオード117から発振されたレーザ光は、基準線SLの中央に高輝度のスポットSPを形成する。
【0108】
そして、室内での墨出し作業のように全周方向に基準線を形成する必要がある場合には、回転モータ116によって回転投光部115を回転させる。すると、全周方向に存在する壁面上に、スポットSPの走査軌跡による線が形成される。作業者は、この線を目視又は光検出器によって識別して、マーキング等を行う。
【0109】
また、一方向にのみ存在している平面状の壁面上に基準線を形成する場合には、回転モータ116を停止させる。すると、ある程度壁面までが近距離であって周囲が比較的暗い限り、壁面上に基準線SLが目視可能に形成される。そこで、作業者は、所望の壁面上に形成された基準線SLを目視して、マーキング等を行うのである。
【0110】
なお、一方向のみに存在している平面状の壁面上に基準線を形成する場合であっても、壁面までが更に遠距離になったり明るくなったりすると、ドット状基準線SLの目視は不可能になる。その場合には、回転モータ116によって回転投光部115を回転させる。その結果、高輝度のスポットSPが走査されるので、スポットSPの残像による線が形成される。作業者は、このスポットSPの残像を光位置検出器を用いて検出して、マーキング等を行う。なお、回転投光部115の回転を行う場合には、基準線SLは形成できないので、発光ダイオード118の発振を停止しても良い。
【0115】
【実施例19】
本第19実施例は、第17実施例に比して、一個のレーザダイオード126のみを配置し、このレーザダイオード126から発振されたレーザ光を第2のビームスプリッタ124によって分割したことを特徴とする。
【0116】
本第19実施例の構成を、図35に示す。図35において、レーザ光源としてのレーザダイオード126は、回転投光部115の回転軸122に直交する方向にレーザ光を発振する。レーザダイオード126から発振されたレーザ光は、光路分離手段としての第1のビームスプリッタ124において、そのまま直進するレーザ光と回転軸122に平行な方向に反射されるレーザ光とに分離される。
【0117】
回転軸22に平行な方向に反射されたレーザ光は、シリンドリカルレンズ119を透過することによって図35の紙面に直交する方向に拡散され、第1の反射ミラー120により回転軸122に直交する方向に反射される。
【0118】
一方、第1のビームスプリッタ124を透過したレーザ光は、第2の反射ミラー125により回転軸122と平行な方向に反射される。
光路分離手段としての第2のビームスプリッタ121は、第1の反射ミラー120によって反射されたレーザ光と第2の反射ミラー125によって反射されたレーザ光とを、図33の紙面内において軸合わせして、回転投光部115の側方に出射する。
【0119】
本第19実施例によると、第17実施例と全く同じ作用を生じる。
【0123】
【発明の効果】
以上のように構成した本発明のレーザ測量装置によると、シリンドリカルレンズによってレーザ光を拡散して基準面又は基準線を形成する方式とレーザ光を走査することによって基準面又は基準線を形成する方式とを組み合わせた。従って、全周方向への基準線投射が可能であり、また、単なる回転走査式の場合より、長距離の壁面に基準線を目視可能に投射でき、且つ周囲が明るくても基準線を目視可能に投射できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例によるレーザ測量装置の断面図
【図2】 図1のレーザ出射光学系の光学構成図
【図3】 図2の配光レンズの斜視図
【図4】 図2の配光レンズの機能説明図
【図5】 図1のレーザ測量装置の内部回路を示すブロック図
【図6】 本発明の第1実施例の作用説明図
【図7】 本発明の第2実施例の作用説明図
【図8】 本発明の第3実施例によるレーザ測量装置に用いられる配光レンズの斜視図
【図9】 図8の配光レンズの上面図
【図10】 本発明の第4実施例によるレーザ測量装置に用いられる配光レンズの上面図
【図11】 本発明の第5実施例によるレーザ測量装置に用いられる配光レンズの上面図
【図12】 本発明の第6実施例によるレーザ測量装置に用いられる配光レンズの斜視図
【図13】 図12の配光レンズの機能説明図
【図14】 本発明の第7実施例によるレーザ測量装置に用いられる配光レンズの斜視図
【図15】 図14の配光レンズの上面図
【図16】 本発明の第8実施例によるレーザ測量装置に用いられる配光レンズの上面図
【図17】 本発明の第9実施例によるレーザ測量装置に用いられる配光レンズの上面図
【図18】 本発明の第10実施例によるレーザ測量装置に用いられる配光レンズの斜視図
【図19】 図18の配光レンズの正面図
【図20】 図18の配光レンズの上面図
【図21】 本発明の第11実施例によるレーザ測量装置に用いられる配光レンズの斜視図
【図22】 図21の配光レンズの正面図
【図23】 図21の配光レンズの上面図
【図24】 本発明の第12実施例によるレーザ測量装置に用いられる配光レンズの斜視図
【図25】 本発明の第13実施例によるレーザ測量装置に用いられる配光レンズの斜視図
【図26】 本発明の第14実施例によるレーザ測量装置に用いられる配光レンズの斜視図
【図27】 本発明の第15実施例によるレーザ測量装置に用いられる配光レンズの斜視図
【図28】 図27の配光レンズの正面図
【図29】 図27の配光レンズの上面図
【図30】 図27の配光レンズの側面図
【図31】 本発明の第15実施例の作用説明図
【図32】 本発明の第16実施例によるレーザ測量装置に用いられる配光レンズの斜視図
【図33】 本発明の第17実施例によるレーザ測量装置の概略構成図
【図34】 本発明の第18実施例によるレーザ測量装置の概略構成図
【図35】 本発明の第19実施例によるレーザ測量装置の概略構成図
【図36】 本発明の第20実施例によるレーザ測量装置の概略構成図
【符号の説明】
1 配光レンズ
11 レーザ測量装置
12 本体ケーシング
13 投光装置
15 回転投光部
20 本体部
23 レーザダイオード
27 偏光ビームスプリッタ
35 ペンタプリズム
66 投光部回転用モータ
SL 基準線
SP スポット
101〜114 配光レンズ

Claims (16)

  1. レーザ光源と、
    このレーザ光源から発振されたレーザ光を外部に出射する出射部と、
    前記レーザ光源から前記出射部までの前記レーザ光の光路においてこの光路の断面の一部のみに配置された、一方向にのみパワーを有する配光レンズと、
    前記出射部によるレーザ光の出射方向を一定平面内で回転させる回転手段と、
    この回転手段の動作及び停止を切り換える切換手段と
    を備えたことを特徴とするレーザ測量装置。
  2. 前記配光レンズはシリンドリカルレンズである
    ことを特徴とする請求項1記載のレーザ測量装置。
  3. 前記配光レンズはグレーテッドインデックスレンズである
    ことを特徴とする請求項1記載のレーザ測量装置。
  4. 前記配光レンズが有するパワーの方向は、前記回転手段による前記レーザ光の出射方向の回転方向と一致している
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のレーザ測量装置。
  5. 前記配光レンズが有するパワーの方向は、前記回転手段による前記レーザ光の出射方向の回転方向と直交している
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のレーザ測量装置。
  6. 前記配光レンズは、この配光レンズがパワーを有する方向において、この配光レンズを透過せずに出射されるレーザ光を中心としてその片側のみに、前記配光レンズを透過したレーザー光を拡散させる
    ことを特徴とする請求項4又は5記載のレーザ測量装置。
  7. 前記配光レンズは、この配光レンズがパワーを有する方向において、この配光レンズを透過せずに出射されるレーザ光を中心としてその両側に、前記配光レンズを透過したレーザ光を拡散させる
    ことを特徴とする請求項4又は5記載のレーザ測量装置。
  8. 前記レーザ光の光路断面の一部に前記配光レンズを複数個配置したことを特徴とする
    請求項1乃至3の何れかに記載のレーザ測量装置。
  9. 前記複数個の配光レンズのうちの一部の配光レンズが有するパワーの方向が前記回転手段による前記レーザ光の出射方向の回転方向と一致しているとともに、残りの配光レンズが有するパワーの方向が前記回転手段による前記レーザ光の出射方向の回転方向と直交している
    ことを特徴とする請求項8記載のレーザ測量装置。
  10. 前記一部の配光レンズは、前記回転手段による前記レーザ光の回転方向と一致する方向において、前記複数個の配光レンズを透過せずに出射されるレーザ光中心としてその両側に、前記一部の配光レンズを透過したレーザ光を拡散させ
    前記残りの配光レンズは、前記回転手段による前記レーザ光の回転方向と直交する方向において、前記複数個の配光レンズを透過せずに出射されるレーザ光を中心としてその両側に、前記残りの配光レンズを透過したレーザ光を拡散させる
    ことを特徴とする請求項記載のレーザ測量装置。
  11. 前記レーザ光の光路断面における前記配光レンズが配置されていない部分には透明部材からなる平行平面板が配置されている
    ことを特徴とする請求項1又は8記載のレーザ測量装置。
  12. 前記配光レンズと前記平行平面板とが一体に形成されている
    ことを特徴する請求項11記載のレーザ測量装置。
  13. レーザ光源と、
    このレーザ光源から発振されたレーザ光を外部に出射する出射部と、
    前記レーザ光源から前記出射部までの前記レーザ光の光路を複数の光路に分離する光路分離手段と、
    この光路分離手段によって分離された光路の一方のみに配置された、一方向にのみパワーを有する配光レンズと、
    前記出射部によるレーザ光の出射方向を一定平面内で回転させる回転手段と、
    この回転手段の動作及び停止を切り換える切換手段と
    を備えたことを特徴とするレーザ測量装置。
  14. 前記光路分離手段によって分離された前記複数の光路を前記出射部の手前で合成する光路合成手段を
    更に備えたことを特徴とする請求項13記載のレーザ測量装置。
  15. 第1のレーザ光源と、
    第2のレーザ光源と、
    これら各レーザ光源から発振されたレーザ光を合成して外部に出射する出射部と、
    前記第1のレーザ光源から前記出射部までの前記レーザ光の光路のみに配置された、一方向にのみパワーを有する配光レンズと、
    前記出射部によるレーザ光の出射方向を一定平面内で回転させる回転手段と、
    この回転手段の動作及び停止を切り換える切換手段と
    を備えたことを特徴とするレーザ測量装置。
  16. 前記配光レンズを透過した前記レーザ光の光路と前記第2のレーザ光源から出射された前記レーザ光の光路を前記出射部の手前で合成する光路合成手段を
    更に備えたことを特徴とする請求項15記載のレーザ測量装置。
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