JP3538239B2 - 糸体巻成装置 - Google Patents

糸体巻成装置

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JP3538239B2 JP26062094A JP26062094A JP3538239B2 JP 3538239 B2 JP3538239 B2 JP 3538239B2 JP 26062094 A JP26062094 A JP 26062094A JP 26062094 A JP26062094 A JP 26062094A JP 3538239 B2 JP3538239 B2 JP 3538239B2
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  • Textile Engineering (AREA)
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  • Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各糸体を、回転子と該
回転子の周囲に配置された固定子巻線から成る独自の駆
動モータによって駆動される摩擦ローラを介して駆動
し、前記の駆動モータと摩擦ローラとを、巻成部の作業
ユニット用のケーシング内に支承した形式の、パッケー
ジを形成する繊維機械の巻成部における糸体巻成装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】パッケージを巻成する場合、糸体の巻成
される巻管(スリーブ)を直接駆動して糸を巻き上げる
方式か、或いは糸体を摩擦ローラに接触させかつ該糸体
を摩擦ローラによって回転させて糸を巻き上げる方式が
ある。特にオープンエンド紡績機及び糸巻返し機では、
糸体は摩擦ローラによって駆動される。糸巻返し機では
摩擦ローラは大抵は溝付きドラムとして構成されてお
り、かつ給糸シフトのために同時に併用される。摩擦ロ
ーラは概ね駆動モータから、中間に連結された変速機を
介してか又はベルト伝動装置を介して駆動される。駆動
モータは、パッケージ巻成部のケーシング内に収容され
ている。このような駆動装置は例えばドイツ連邦共和国
特許出願公開第3916918号明細書に基づいて公知
になっている。この場合摩擦ローラと駆動モータとの軸
支を空間的に分離しているために、中間変速機又はベル
ト伝動装置が当然必要になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、糸体
巻成装置の構造を単純化すると共に保守がし易くなるよ
うに構成することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の構成手段は、巻成部のケーシング壁内で駆
動軸がラジアル軸受に軸受されており、摩擦ローラが解
離可能に前記駆動軸に固定されているのに対して、回転
子が前記駆動軸に固着されており、摩擦ローラがケーシ
ングの壁及びラジアル軸受の一方の側に配置されてお
り、かつ駆動モータが他方の側に配置されており、固定
子巻線がケーシング凹設部内に直接に収容されてお
り、回転子がさらにスラスト軸受に支承されており、ス
ラスト軸受が、ケーシングに解離可能に設けられたケー
シング蓋に配置されている点にある。
【0005】
【作用】1本の一貫した軸上に摩擦ローラと駆動モータ
の回転子とを共に支承したことによって得られる利点
は、摩擦ローラの駆動軸と駆動モータの駆動軸とを組付
ける際、特にフランジ締結時に通常生じる組立作業及び
調整作業の必要がなくなることである。構成部品数の減
少は、保守と、場合によって生じる軸交換とを簡便にす
る。その上に、巻成部の作業ユニット用のケーシング壁
内には専らラジアル軸受を設け、軸方向の支承を、摩擦
ローラから離反した方の駆動モータ側で、殊に有利には
駆動モータのケーシング蓋によって行うことによって、
駆動軸の軸支は更に簡単になる。従って駆動モータのケ
ーシング蓋を外しかつ駆動軸から摩擦ローラを解離した
のち駆動軸を、該駆動軸上に位置している回転子と一緒
に駆動モータの固定子巻線から引出すことが可能であ
る。また駆動モータの固定子巻線は巻成部の作業ユニッ
トのためのケーシング壁内に形成された凹設部に直接挿
嵌されているので、駆動ユニットの交換を容易に行うこ
とが可能になる。本発明のようにケーシング壁内に固定
子巻線を直接組込みかつ駆動モータ軸と摩擦ローラ軸と
を連続的に一貫構成することは、例えばドイツ連邦共和
国特許第593358号明細書に基づいて公知になって
いるような外設回転子形モータとして摩擦ローラを構成
する技術に対比すれば、摩擦ローラの交換時にモータ全
体を同じく交換する必要が生じることはないという利点
を有している。
【0006】本発明の有利な構成によれば摩擦ローラ自
体が、糸をシフトさせるための溝付きドラムであっても
よい。このことが該当するのは大抵は糸巻返し機の場合
である。トラバース運動する溝付きドラムは、パッケー
ジの両エッジを均等に形成するためにパッケージの両エ
ッジで糸のシフト量を変換する有利な可能性を提供す
る。駆動軸に、ひいては溝付きドラムにトラバース運動
を与えるために、本発明では制御可能な電動モータを有
する付加的な偏心輪式駆動装置が設けられている。これ
によって所望の各トラバース運動を無段階に調整するこ
とができるという利点が得られる。
【0007】溝付きドラムのトラバース時の軸方向運動
を発生させるためには本発明によれば、駆動軸のスラス
ト軸受は、ばねを介して駆動モータのケーシング蓋に支
持されており、かつ、制御可能な電動モータによって駆
動される偏心輪式駆動装置は前記スラスト軸受と作用結
合されている。この場合のトラバース運動量は微小であ
り約3mmである。該トラバース運動は例えば、前記電
動モータによって駆動される偏心輪から取り出されて機
械的に摩擦ローラの駆動軸に伝達される。これによって
得られる利点は、発生されるトラバース運動を駆動軸の
回転運動とは無関係にして、ひいてはトラバース周期と
トラバース行程を任意に設定できることである。フラン
ス国特許出願公開第1436308号明細書に基づいて
公知になっている装置では、摩擦ローラのトラバース運
動は、該摩擦ローラのスラスト軸受内に組込まれた斜向
したボール循環路によって発生される。この場合トラバ
ース運動がドラム回転数に関連している点は無視すると
しても、前記公知の装置は、回転数が高いと強い摩耗を
受け、従って故障発生率も高くなる。
【0008】トラバース運動を行う駆動軸を駆動モータ
のケーシング蓋内において軸方向で軸受する場合、不動
のケーシング蓋に代えて、ばねを介して駆動軸のスラス
ト軸受を支持するシフト可能なケーシング蓋が用いられ
る。駆動軸のトラバース駆動装置を組込むことによって
巻成部は、トラバース運動式摩擦ローラを備えた糸巻返
し部に簡単に組換えられる。
【0009】本発明の別の構成では、摩擦ローラの駆動
モータは、電子整流式の三相同期電動機である。このよ
うな電動機は、構造が単純でありかつホールセンサを用
いた整流に基づいて正確に制御可能である。
【0010】
【実施例】次に図面に基づいて本発明の実施例を詳説す
る。
【0011】図1には、糸パッケージを形成するための
繊維機械の巻成部1が、本発明を理解するのに寄与する
構成部分と共に略示されている。図示を省いた給糸部
(これは巻戻しコップであっても或いは紡績部であって
もよい)から糸2は糸ガイド3を通って矢印4の方向で
摩擦ローラ5へ導かれ、該摩擦ローラは、溝付きドラム
として構成されておりかつ糸をシフトさせるためにも併
用される。摩擦ローラ5、つまり溝付きドラムの上に
は、綾巻パッケージ7の糸体6がその周面でもって載っ
ている。該糸体6に糸2は摩擦ローラ5から給糸されて
綾巻層8を形成する。綾巻パッケージ7はその巻管(ス
リーブ)9を介して、ここでは略示したにすぎないボビ
ンフレーム10に公知のように支持される。綾巻パッケ
ージの巻成動作自体は従来技術に基づいて公知であり、
従ってこれについての詳細な説明は本明細書では割愛す
る。
【0012】摩擦ローラ5は、巻成部1の作業ユニット
のためのケーシングの壁12内にラジアル軸受13を介
して軸支された駆動軸11に固定されている。駆動軸1
1の端部は円錐形に構成されている。該円錐部11kに
は、摩擦ローラ5の対応成形された凹面円錐部が差し嵌
められている。摩擦ローラ5はねじ締結部11vによっ
て駆動軸11上に固定されている。
【0013】ケーシングの壁12は、摩擦ローラ5の駆
動モータ15のためのケーシングとして同時に構成され
ている。駆動モータ15は前記壁12の凹設部14内に
嵌装されている。この場合、固定子巻線束16はケーシ
ングの凹設部14内に挿入されている。前記駆動軸11
には駆動モータ15の回転子17が固着されている。
【0014】駆動軸11は駆動モータ15のケーシング
蓋18内において軸方向で軸受されており、該ケーシン
グ蓋は、略示した複数本のねじ19によって壁12に固
定されている。
【0015】ケーシング蓋18は本実施例では2部分か
ら構成されている。前記壁12に直接ねじ締結された蓋
部分18aは深溝玉軸受20を保持し、該深溝玉軸受内
で駆動軸11は回転する。前記深溝玉軸受20は蓋部分
18a内で別の蓋部分18bによって位置決めされてお
り、該蓋部分は、略示した複数本のねじ21によって蓋
部分18aと締結されている。深溝玉軸受20は駆動軸
11上で安全リング22によって位置決めされている。
なお図1では、定置の非トラバース式摩擦ローラ5が略
示されている。
【0016】摩擦ローラ5を駆動軸11から解離して、
ねじ19を弛めたのちケーシング蓋18を取り除くと、
駆動軸11は、該駆動軸上に支承された回転子17と一
緒に駆動モータ15の固定子巻線束16から引出され
る。この場合、深溝玉軸受20は駆動軸11上に残留し
ている。
【0017】駆動軸11を取り除けば次いで固定子巻線
束16を壁12内の凹設部14から引出すことも可能に
なる。前記の処置方式によって目下の回転子を、より高
級の磁石材料から成る回転子と交換することによって駆
動モータの出力を高めることが可能である。また駆動モ
ータ全体を極く短時間で交換することも可能である。こ
のことが重要になるのは、より高出力の駆動モータを例
えば10″巻き、つまり極度に高い巻成速度のために使
用しようとする場合である。要するにケーシング寸法を
変更することなく新たな駆動モータを組付けることが可
能になる。
【0018】本発明において採用されるような電子整流
式三相同期電動機では、回転子は複数の永久磁石から構
成されている。例えば、より強力な永久磁石を使用する
と共に、固定子巻線のコイル束を相応に適合させること
によって出力アップを得ることが可能である。
【0019】図2には、糸パッケージを形成する繊維機
械の巻成部1における本発明による糸体巻成装置の詳細
な断面図が示されている。図2では、摩擦ローラ用の駆
動装置の構成を明示するために摩擦ローラ自体の図示は
省かれている。駆動軸11の円錐部11kは、摩擦ロー
ラの内部に相応に成形された対応成形部を受入れる。ね
じ11vによって摩擦ローラは駆動軸11にねじ締結さ
れる。摩擦ローラの領域では駆動軸11は管23によっ
て支持され、該管内で駆動軸はニードル軸受24を介し
て摺動可能に軸支されており、該ニードル軸受は安全リ
ング25によって管23内で位置決めされている。該管
23は巻成部1の作業ユニット用のケーシングの壁12
内で片持ち式に支承されている。壁12の領域におい
て、該壁12内でも駆動軸11を支持するためにラジア
ル軸受13が前記管23の内部にも設けられている。
【0020】駆動軸11には、永久磁石成層体から成る
回転子17が焼嵌めされている。永久磁石から成る回転
子は、構造が単純でリード線を必要としないという利点
を有している。コイルを有する慣用の回転子と定置ケー
シング部分との間の給電は、摩耗を伴うスリップリング
とブラシとによってしか可能でない。
【0021】壁12の凹設部14内に固定子巻線束16
は、固定子巻線束をそっくり内包した周壁26と共に巻
線パッケージとして挿入されている。凹設部14内にお
ける固定子巻線束16の回動防止は、図3の図示から判
るように固定子巻線束の周壁26から側方に突出させた
複数のセンタリング突起27によって行なわれる。ケー
シングの凹設部内への固定子巻線束の押込めを廃したこ
とによって固定子巻線束の組込み及び組外しが容易にな
る。
【0022】摩擦ローラの駆動モータ15は、電子整流
式の直流電動機である。固定子巻線は、三相同期電動機
の場合のように結線されている。駆動モータの整流は磁
極リング28と3つのホールセンサ29とによって行な
われ、該ホールセンサは、図2では1つしか図示されて
いないが、固定子巻線束の外周に特定の間隔で分配され
ている。ホールセンサ29は、駆動軸11上における磁
極リング28の位置、ひいては回転子17の位置を検出
して、この検出位置に基づいて固定子巻線束の個々のコ
イルへの給電を制御する。ホールセンサ29の信号は信
号導線29aを介して制御装置30に電送される。制御
装置30は商用回路網31と接続されており、かつ、固
定子コイルに給電する個々の巻線ケーブル32への電流
分配を制御する。独自の磁極リング28による代りに、
ホールセンサは固定子電流を整流するために回転子17
の磁石によって直接励磁されてもよい。
【0023】巻成された糸を測長するために、図2で見
て駆動軸11の右端部には、駆動モータ15の後方に付
加的な磁極車33が固定されている。該磁極車は駆動軸
11の条溝部11rに焼嵌めされている。該磁極車33
は、ケーシング蓋18内に組込まれたホールセンサ34
と相俟って糸の測長と回転数検出のために使用される。
磁極リング28が過度に小さな直径を有しかつ回転子1
7が過度に少ない磁極を有しているので、前記磁極リン
グと回転子は正確な測長のためにはあまり適していな
い。センサ信号は、信号導線34aを介して評価のため
に巻成部コンピュータ35に供給される。該巻成部コン
ピュータ35自体は、設定回転数に関して摩擦ローラ用
の駆動モータ15の制御装置30を規定の信号によって
制御することができる。この理由から巻成部コンピュー
タ35は信号導線35aを介して制御装置30と接続さ
れている。
【0024】図2に示した本実施例は、溝付きドラムを
軸方向にトラバース運動させる摩擦ローラ駆動装置を備
えた糸体巻成装置を示すものである。二重矢印36によ
って示したトラバース運動は偏心輪式駆動装置37によ
って発生させられる。該偏心輪式駆動装置37はシーソ
ー型の揺動レバー38から成り、該揺動レバーの一方の
屈曲端部39はシフト可能な蓋部分18sに当接してい
る。該シフト可能な蓋部分18sは多部分から構成され
ており、その一部分を構成するキャップ18skに前記
レバー38の屈曲端部39は当接している。該キャップ
18sk自体はリング状部分18srに支持されてい
る。このリング状部分18sr内に深溝玉軸受20、つ
まり駆動軸11のスラスト軸受が支承されている。リン
グ状部分18srはその外周面でもってケーシング蓋部
分18a内を摺動する。この場合該リング状部分18s
rは、壁12と固着結合されたケーシング蓋部分18a
に対して押圧ばね40によって支持されている。該押圧
ばね40によってリング状部分18srが、これに伴っ
てキャップ18skも、揺動レバー38の屈曲端部39
に圧着される。深溝玉軸受20はシフト可能なリング状
部分18srと固定的に結合されているので、駆動軸1
1は、該駆動軸に固着されている摩擦ローラ(図示せ
ず)と共に、安定した終端位置に達するまで右手へ向か
って押圧される。キャップ18skに嵌合すると同時に
蓋部分18sを抱き囲む弾性的な蓋41は軸受及びシフ
ト可能なキャップ18skを汚れやダストから防護す
る。
【0025】シーソー型の揺動レバー38は、巻成部の
ケーシングの壁12に設けた枢支点42で支承されてい
る。該揺動レバー38は他端部43に従動ローラ44を
支持している。該従動ローラ44はホイール45に支持
されている。鎖線で示した軸線46の位置から判るよう
にホイール45は軸47に偏心支承されており、該軸
は、巻成部2の作業ユニット用のケーシング内部で軸支
されている(図示せず)。また軸47は、該軸に同心的
に装着された歯車48を保持している。該歯車48はモ
ータ50の駆動ピニオン49と噛み合っている。巻成部
2のケーシング内で軸支されたモータ50は信号導線5
0aを介して巻成部コンピュータ35と接続されてお
り、該巻成部コンピュータはモータ50の回転数、ひい
ては駆動軸11のトラバース回数を規定する。
【0026】モータ50によって駆動される駆動ピニオ
ン49が回転すると、該駆動ピニオンと噛み合っている
歯車48も回転する。これによってホイール45もやは
り駆動される。今や図2に示した起点位置からホイール
45の軸線46は軸47の中心線51をめぐって周回し
偏心的な円運動を行なう。ホイール45が最初の半回転
つまり180°回転すると、ホイール45の軸線46は
鎖線位置46′にあり、ホイール45は鎖線輪郭45′
を占め、これによって従動ローラ44を距離52分だけ
シフトする。従動ローラ44がこの距離分だけ右手へ向
かって位置44′へシフトされる間に、揺動レバー38
は枢支点42を中心として旋回し、かつ該揺動レバーの
屈曲端部39は矢印53の方向へキャップ18skを押
圧する。該キャップ18skはリング状部分18rのシ
フト可能な蓋部分を押圧する。このリング状部分18s
rのシフトによって深溝玉軸受20は矢印53の方向に
左手へ向かってシフトされ、これに連動して駆動軸11
も同方向にシフトされる。従動ローラ44がシフト位置
44′を占めると、梃子の原理に基づいてシーソー型の
揺動レバー38の屈曲端部39は、予め設定可能な所定
の距離だけ矢印53の方向に左手へ向かって運動した状
態にある。これに伴って回転子17を有する駆動軸11
及び該駆動軸に固着された摩擦ローラは共に、鎖線位置
に達するまで左手へ向かってシフト運動する。このシフ
ト量は実際には約3mmである。これによって、綾巻パ
ッケージの均等なエッジ構成を生ぜしめるようにエッジ
の糸シフト量を制御することが可能である。トラバース
運動回数は巻成部コンピュータ35によって駆動モータ
の回転数を介して設定することができる。
【0027】トラバース運動中に注意すべきことは、ホ
ールセンサが、該ホールセンサに与えられる磁極リング
28の信号を充分にキャッチできるようにすることであ
る。この理由から、磁極リング28と磁極車33とは、
そのトラバース運動中にホールセンサをカバーするため
にそれ相応に幅広に構成されている。
【0028】ホイール45が次の半回転つまり残りの1
80°回転すると、ホイール45は実線で示した起点位
置へ再び戻る。これに伴って従動ローラ44も実線図示
位置へ戻り、揺動レバー38は押圧ばね40の押圧力に
よって右手へ向かって退避する。駆動軸11は、実線で
図示した起点位置へ復帰する。駆動軸11のトラバース
運動のあいだ揺動レバー38は常時、二重矢印54で示
したように枢支点42を中心とするシーソー運動を行な
う。
【0029】フランス国特許出願公開第1436308
号明細書に基づいて公知になっているような摩擦ローラ
のトラバース運動に対比した場合、本実施例によって発
生されるトラバース運動の相違点は、トラバース運動が
摩擦ローラの回転運動には無関係であることである。巻
成部コンピュータを介して例えばトラバース運動を摩擦
ローラの回転運動には無関係に、糸パラメータ又はパッ
ケージ直径に応じて制御することが可能である。
【0030】図3には、ケーシング蓋18(図面では省
かれている)の方に向かって見た駆動モータ15が示さ
れている。磁極車33以外に、壁12の凹設部14内に
嵌装された駆動モータ15の周壁26に設けたセンタリ
ング突起27の配置形式を図面から見ることができる。
センタリング突起27は、ケーシング内における固定子
巻線束の回動を阻止する。また図3では、磁極車33に
対するホールセンサ34の位置ばかりでなく、巻線ケー
ブル32及びステータ巻線への給電線の位置並びにホー
ルセンサの信号導線29aの位置も略示されている。
【0031】図4には、トラバース運動を行わない駆動
軸11が、駆動モータ15のケーシング蓋18内で深溝
玉軸受20を介して軸方向で軸支されている状態が図示
されている。図1における図示とは異なって、この場合
は、糸測長のため及び糸クリーナーにおける糸切れ時の
屑糸長の測定のために駆動軸11の条溝部11r上に焼
嵌めによって配置された磁極車33も図示されている。
ケーシング蓋を、図2に示したようなケーシング蓋と交
換することによって、駆動軸はトラバース運動可能であ
る。トラバース運動用駆動装置を組込むことによって、
前記のように装備された巻成部は、トラバース運動を行
う摩擦ドラムを備えた巻成部に簡便に組換えることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一部断面して示した本発明による糸体巻成装置
の実施例の概略図である。
【図2】一部概略的に示した本発明の糸体巻成装置の摩
擦ローラのトラバース運動用駆動装置の断面図である。
【図3】ケーシング蓋を取外した状態でモータを摩擦ロ
ーラに方に向かって見た図である。
【図4】トラバース運動を行なわない摩擦ローラの軸駆
動のスラスト軸受装置の断面図である。
【符号の説明】
1 巻成部、 2 糸、 3 糸ガイド、 4
糸案内方向を示す矢印、 5 摩擦ローラ、 6
糸体、 7 綾巻パッケージ、 8 綾巻層、
9 巻管、 10 ボビンフレーム、 11 駆
動軸、 11k円錐部、 11r 条溝部、 11v
ねじ締結部、 12 壁、13 ラジアル軸
受、 14 凹設部、 15 駆動モータ、 16
固定子巻線束、 17 回転子、 18 ケーシン
グ蓋、 18a 蓋部分、 18b 蓋部分、 1
8s シフト可能な蓋部分、 18sk キャッ
プ、 18sr リング状部分、 19 ねじ、
20 深溝玉軸受、 21 ねじ、 22 安全
リング、 23 管、 24 ニードル軸受、 2
5 安全リング、 26 固定子巻線束パケットの
周壁、 27センタリング突起、 28 磁極リン
グ、 29 ホールセンサ、 29a 信号導線、
30 制御装置、 31 商用回路網、 32
巻線ケーブル、 33 磁極車、 34 ホール
センサ、 35 巻成部コンピュータ、 36 ト
ラバース運動を示す二重矢印、 37 偏心輪式駆動
装置、 38 シーソー型の揺動レバー、 39
揺動レバーの一方の屈曲端部、 40 押圧ばね、
41 弾性的な蓋、 42 枢支点、 43 揺
動レバーの他端部、 44 従動ローラ、 44′
従動ローラのシフト位置を示す鎖線、 45 ホイ
ール、 45′ 鎖線輪郭、 46ホイールの軸線を
示す鎖線、 46′ 180°回転時のホイール軸線
位置を示す鎖線、 47 軸、 48 歯車、 4
9 駆動ピニオン、 50モータ、 50a 信号
導線、 51 中心線、 52 距離、 53
シフト方向を示す矢印、 54 揺動運動方向を示す
二重矢印
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウルリッヒ ヴィルツ ドイツ連邦共和国 メンヒェングラート バッハ アム グローテラーター ベル ク 89 (56)参考文献 特開 昭54−160837(JP,A) 特開 昭62−280170(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 54/42

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各糸体を、回転子と該回転子の周囲に配
    置された固定子巻線から成る独自の駆動モータによって
    駆動される摩擦ローラを介して駆動し、前記の駆動モー
    タと摩擦ローラとを、巻成部の作業ユニット用のケーシ
    ング内に支承した形式の、パッケージを形成する繊維機
    械の巻成部における糸体巻成装置において、 巻成部(1)のケーシング(14)の壁(12)内で駆
    動軸(11)がラジアル軸受(13)に軸受されてお
    り、摩擦ローラ(5)が解離可能に前記駆動軸(11)に固
    定されているのに対して、回転子(17)が前記駆動軸
    (11)に固着されており、 摩擦ローラ(5)がケーシングの壁(12)及びラジア
    ル軸受(13)の一方の側に配置されており、かつ駆動
    モータ(5)が他方の側に配置されており、 固定子巻線(16)がケーシング(14)の凹設部内に
    直接に収容されており、回転子(17)がさらにスラスト軸受(20)に支承さ
    れており、スラスト軸受が、ケーシング(14)に解離
    可能に設けられたケーシング蓋(18) に配置されてい
    ることを特徴とする、糸体巻成装置。
  2. 【請求項2】 摩擦ローラ(5)が、パッケージ(7)
    の糸体(6)上で糸(2)をシフトさせるための溝付き
    ドラムである、請求項1記載の糸体巻成装置。
  3. 【請求項3】 摩擦ローラ(5)によりパッケージ
    (7)の両エッジで糸(2)のシフト量を変換させるた
    めに駆動軸(11)が、該駆動軸(11)にトラバース
    運動(36)を与える駆動装置(37)を有している、
    請求項記載の糸体巻成装置。
  4. 【請求項4】 駆動軸(11)のスラスト軸受(20)
    が、ばね(40)を介して駆動モータ(15)のケーシ
    ング蓋(18a)に支持されており、かつ、トラバース
    運動(36)を与える駆動装置(37)がスラスト軸受
    (20)と作用結合している、請求項記載の糸体巻成
    装置。
  5. 【請求項5】 摩擦ローラ(5)の駆動モータ(15)
    が、電子整流式の直流電動モータである、請求項1記
    の糸体巻成装置。
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