JP3537708B2 - 不斉アルドール反応方法 - Google Patents
不斉アルドール反応方法Info
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Description
ドール反応方法に関するものである。さらに詳しくは、
この出願の発明は、回収処理の負担の少ない水性溶媒中
において、より温和な条件下で高い選択性で不斉合成を
可能とする、新しい不斉アルドール反応方法に関するも
のである。
ル反応は、新たな炭素−炭素結合の生成による、キラル
β−ヒドロキシケトン化合物そしてエステル化合物等の
生成反応として有用なものである。従来、このような触
媒不斉アルドール反応のための方法としてはキラルルイ
ス酸触媒を用いたものが知られており、代表的な方法と
しては、キラル錫(II)触媒を用いる方法が知られてい
る。
ル反応方法の場合には、通常、ジクロロメタン、トルエ
ン、プロピオニトリル等の無水の非プロトン性溶媒を用
いなければならず、しかも反応温度は、たとえば−78
℃と極めて低い温度とすることが必要とされており、ま
た、反応収率、反応の選択性の点でも満足のできるもの
ではなかった。
な無水の有機溶媒の使用は、その回収処分が欠かせず、
実際的な負担が大きいという問題があり、また−70℃
以下の極めて低い温度での反応は、反応装置、そして反
応操作の点で大きな制約となるものであった。そこで、
この出願の発明は、以上のとおりの従来の問題点を解消
し、溶媒の回収処理の負担が少なく、反応温度の点でも
より温和な条件が採用でき、しかも反応の収率、選択性
ともに高い、新しい不斉アルドール反応方法を提供する
ことを課題としている。
の課題を解決するものとして、第1には、アルデヒド化
合物とシリルエノールエーテル化合物とのアルドール反
応方法において、水性プロトン性溶媒中でキラル銅(I
I)触媒の存在下に反応させて不斉アルドール化合物を
生成させることを特徴とする不斉アルドール反応方法を
提供する。
性プロトン性溶媒は、含水アルコール溶液である前記の
不斉アルドール反応方法を、第3には、キラル銅(II)
触媒は、銅(II)化合物とキラル配位子化合物とによっ
て構成される不斉アルドール反応方法を、第4には、不
斉アルドール化合物がキラルβ−ヒドロキシケトン化合
物である不斉アルドール反応方法を提供する。
発明者らによって提案されている水性溶媒中でのルイス
触媒によるアルデヒド化合物とシリルエノールエーテル
化合物とのアルドール反応方法をさらに発展させたもの
として画期的なものである。シリルエノールエーテル化
合物やルイス酸は水の存在によって分解されると考えら
れてきた常識からすれば水性溶剤を使用することは従来
考えられなかったことであり、しかも、不斉アルドール
反応を水性溶媒中で可能とすることは全く着想も、予期
もできなかったことである。
の条件が要求されてきた非プロトン性有機溶媒を一切使
用することなしに、溶媒の回収処理の負担が著しく軽減
されるとともに、反応温度はたとえば後述のように−1
5℃〜常温程度と、はるかに温和な条件でよい。そして
反応の収率、選択性も高いものとなる。
の特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態につ
いて説明する。まず、この発明の不斉アルドール反応方
法における原料化合物としては、アルデヒド化合物とシ
リルエノールエーテル化合物の各種のものであってよ
い。
環または多環の脂環式炭化水素基、単環または多環の芳
香族もしくは芳香脂族炭化水素基、あるいは複素環基を
示し、これらは置換基を有していてもよい。)で表わさ
れるものであってよい。また、シリルエノールエーテル
化合物としては、たとえば次式
のものの1種であってよく、R4 ,R 5 およびR6 は、
各々炭化水素基を示す。)で表わされるものであってよ
い。不斉アルドール合成に際し、このシリルエノールエ
ーテル化合物のE/Z比は所望のものに定められてよ
い。
るいは複素環基としては、たとえば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル等のアルキル基、シク
ロヘキシル基、フェニル基、フェニルエチル基、フェニ
ルビニル基、ナフチル基、フリル基、チオフェン基等が
例示される。またこれらの有してもよい置換基として
は、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、炭
化水素基等の各種のものであってよい。
びにシリルエノールエーテル化合物のアルドール反応に
よって、次式
になる。反応により、たとえば後述の実施例に示したよ
うに、syn/anti比は1.5以上で、約6程度ま
でのものが、ee%(syn)85%程度までのものと
して、高い収率と選択性で合成される。生成される不斉
アルドール化合物は、この式では、β−ヒドロキシケト
ン化合物である。
おいては、水性プロトン性溶媒中において行われる。水
性プロトン性溶媒は、たとえば水もしくは含水溶液とし
て構成されてよく、この際の水との混合溶液を構成する
媒体としては代表的にはアルコール化合物が挙げられ
る。好適にはメタノール、エタノール、プロピルアルコ
ール等が例示される。水との混合比については特に限定
はなく、一般的には、水を1重量%以上、より好ましく
は5重量%以上含むものとして例示される。
法には、触媒として、キラル銅(II)触媒が用いられ
る。この触媒は、あらかじめ形成されたものとして反応
系に添加されてもよいし、もしくは反応系において形成
されるものとして使用してもよい。キラル銅(II)触媒
としては、たとえばCuX2 (Xはアニオンを示す)と
して表わされる銅(II)化合物とキラル配位子化合物と
によって構成されるものとすることができる。
は、トリフレート基(OTf)がある。もちろん、その
他、たとえばClO4 、SbF6 、PF6 等の各種であ
ってよい。また、キラル配位子化合物としては、含窒素
複素環化合物、ジアミン化合物、ホスフィン化合物等と
してのキラル化合物が挙げられる。たとえば次式
基である)で表わされるビス(オキゾリン)化合物がそ
の好適なものの一つとして例示される。原料化合物等の
使用割合は、特に厳密な制約はないが、アルデヒド化合
物/シリルエノールエーテル化合物のモル比として、
0.1〜10、より好ましくは0.5〜2程度とするこ
とが考慮される。また触媒としてのキラル銅(II)触媒
は、反応系のモル%として1〜50モル%、より好まし
くは5〜20モル%とすることが考慮される。
用量は、適宜に考慮されるものであるが、通常は、原料
物質並びに触媒の溶解に必要とされる量として、たとえ
ばこれらの2〜50重量倍の割合での使用が考慮され
る。反応温度は、この発明の方法においては従来の−7
0℃以下という厳しい低温条件は全く必要としていな
い。−15℃〜常温、より好適には−15℃〜0℃の範
囲であってよい。
に定めればよく、たとえば0.5〜50時間という範囲
のうちで考慮される。そこで、以下に実施例を示し、さ
らに詳しくこの出願の発明について説明する。
リルエノールエーテル化合物のアンドール反応を行っ
た。
種類と触媒モル%、並びにシリルエノールエーテル化合
物のE/Z比は表1に示したとおりである。また、配位
子としては、キラルなビス(オキサゾリン)を用いた。
反応は、アルデヒド化合物(0.5mmol)、シリル
エノールエーテル化合物(0.75mmol)並びにキ
ラル銅(II)触媒(5〜20mol%)を用い、水−エ
タノール溶液(1/9,1.5ml)溶媒中において、
表1に示した温度で20時間実施した。反応液はこの時
間攪拌した。
終了させた。粗生成物は、シリカゲルによるカラムクロ
マトグラフィーで生成した。ジアステルオマーを分離
し、キラルカラムを用いてのHPLC分析によってee
%を決定した。以上の結果として、反応収率、syn/
anti比、ee%(syn)の値をも表1に示した。
が実現されていることがわかる。
ark, K.T.Wong and R.A.Stavenger,J. Am. chem. Soc.,
119, 2333(1987) を示している。比較のために、ベン
ズアルデヒドを原料としたこの発明の方法(水−エタノ
ール溶媒(1/9)使用、−15℃の反応温度)で、8
0%収率、syn/anti=3.3/1,syn=7
5%eeの結果を得た場合について、水を含有しないエ
タノールのみを溶媒として同様に反応させたところ、収
率は10%、syn/anti=2.3/1,syn=
41%eeの結果しか得られなかった。
用いて反応させた場合には、収率は11%、syn/a
nti=2.1/1,syn=20%eeの結果しか得
られなかった。
発明によって、溶媒の回収処理の負担が少なく、反応温
度の点でもより温和な条件が採用でき、しかも反応の収
率、選択性ともに高い、新しい不斉アルドール反応方法
が提供される。
Claims (4)
- 【請求項1】 アルデヒド化合物とシリルエノールエー
テル化合物とのアルドール反応方法において、水性プロ
トン性溶媒中でキラル銅(II)触媒の存在下に反応させ
てβ−ヒドロキシケトン不斉アルドール化合物を生成さ
せることを特徴とする不斉アルドール反応方法。 - 【請求項2】 水性プロトン性溶媒は、含水アルコール
溶液である請求項1の不斉アルドール反応方法。 - 【請求項3】 キラル銅(II)触媒は、銅(II)化合物
とキラル配位子化合物とによって構成される請求項1ま
たは2の不斉アルドール反応方法。 - 【請求項4】 不斉アルドール化合物がキラルβ−ヒド
ロキシケトン化合物である請求項1ないし3のいずれか
の不斉アルドール反応方法。
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