JP3537535B2 - 免疫グロブリンg結合糖鎖構造に基づく臨床検査方法 - Google Patents

免疫グロブリンg結合糖鎖構造に基づく臨床検査方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体組織または体液中
の糖タンパク質免疫グロブリンGに結合している糖鎖量
の変動により疾患の状態を検査する臨床検査方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】糖鎖を有する生体に関する情報の有意義性
については、近年生化学、医学の知見より注目されてき
ており、臨床的利用についての要望がさらに一層高まっ
てきている。しかし微量な糖鎖の変化を検査する方法は
レクチン、抗体等で一部試みられてはいるが定量性に乏
しく微量の変化は検出しにくいという欠点があり、ま
た、それら疾患で変化することが明らかな糖タンパク
質、例えばアルファフェトプロテインや絨毛性ホルモン
などはその存在量が少なく、各患者より、定量性が高い
方法で分析するだけの試料を得るのが困難であった。疾
患により糖鎖が変化することが予想され、糖鎖が臨床検
査に利用できることが予想されていても各患者より試料
を精製し、その糖鎖を詳細に分析することは困難であっ
た。このような現状に鑑み発明者らは、血清中に最も多
く存在する糖タンパク質である免疫グロブリンG糖鎖に
注目し、臨床検査への利用を鋭意研究してきた。その結
果、前記のように血清数百マイクロリットルより、免疫
グロブリンGの糖鎖の量比を詳細に分析することができ
るようになった。この量は通常の臨床検査で採血した残
りの血清で糖鎖が分析でき、患者に余計な負担をかける
ことなくその糖鎖を分析するものとして画期的な方法で
ある。
【0003】生体内の免疫を担当する細胞は、基本的に
は単球/マクロファージ、Tリンパ球、Bリンパ球から
構成される。これらは各々異なる抗原特異性を有する抗
原レセプターを膜表面に持ち、多種多様な抗原に対応し
ている。このうち、Bリンパ球は免疫グロブリンを産生
し、5つの多様なクラス (M、G、A、E、D) によっ
て効果的に抗原を除去することに努めている。
【0004】血清中の糖タンパク質の成分のおよそ半分
は免疫グロブリンであり、その中で免疫グロブリンGは
約8割を占める。免疫グロブリンGは分子量15万、1分
子中の糖鎖の数は2本で糖含量は約1.4%である。免疫
グロブリンG糖鎖は免疫グロブリンG分子のFc領域に
結合しており、健常者の場合、その糖鎖の存在割合は常
に一定である。さらに中性糖で16種類以上の糖鎖構造が
確認されている。本発明者らはこの16種類の免疫グロブ
リンG糖鎖構造を高速液体クロマトグラフィーのただ一
回だけの操作ですべて単離することを目標にして研究を
進めた結果、ODS−シリカカラムを用いる高速液体ク
ロマトグラフィーの一回の操作で殆ど単離することがで
きた(Takahashi et.al. Biochemistry, 26, 1137〜1144
(1987))。
【0005】ヒト免疫グロブリンGの糖鎖は、A〜Pの
16種類であるが、その溶出パターンは図1[高橋禮子編
生物化学実験法23 糖蛋白質糖鎖研究法、p144、学会出
版センター(1989)および Takahashi et. al. Biochem
istry, 26, 1137-1144 (1987)]に示すとおりである。
このパターンによって、免疫グロブリンG糖鎖は4つの
グループに分けられる。すなわち、 α1,6結合フコース、及びバイセクティングN−アセ
チルグルコサミンを持たない複合型糖鎖群〔グループI
(A,B,C,D)〕 α1,6結合フコースを持つ複合型糖鎖群〔グループII
(E,F,G,H)〕 α1,6結合フコースをもたないがバイセクティングN
−アセチルグルコサミンを持つ複合型糖鎖群〔グループ
III(I,J,L)〕 α1,6結合フコース、及びバイセクティングを持つ複
合型糖鎖群〔グループIV(M,N,O,P)〕 である。さらにこれらグループの中にガラクトースを持
たないか、1つ持つ、あるいは2つ持つ糖鎖がそれぞれ
含まれており、それらの存在割合は、健常者の場合、各
グループで大体同じである。この免疫グロブリンG糖鎖
の全体の比率は、健常者の場合常に一定である。
【0006】しかし一旦患者になった場合、細胞内や細
胞周囲の環境の変化に伴い、免疫グロブリンG中の種々
の糖鎖含量が異なってくる。その結果、免疫グロブリン
G糖鎖分析において逆相カラムクロマトグラフィーの溶
出パターンも変化する。従って、その溶出パターンのバ
ランス変化を疾患毎に定量的に分析すれば、疾患を検査
する上で有効な方法となる。しかし現実には、単純に単
一の特定糖鎖の単一含量を測定することで、特定の疾患
を判定もしくはグルーピングすることは極めて難しく誤
判定を招く結果となる。そこで発明者は、2種類以上の
糖鎖量に注目して、その糖鎖に対応する相対的なピーク
の面積比を求めることにより、疾患を判定もしくはグル
ーピングできることを発見した。この方法を疾患の臨床
検査方法として用いることにより、疾患をより正確に判
定することができるようになった。
【0007】糖鎖は、元来タンパク質のように遺伝子に
より支配を直接受ける物質ではなく、細胞をとりまく周
囲の環境によっても支配を受けているので、疾患との関
わりが深いと考えられている。例えば、慢性関節リュウ
マチ患者の免疫グロブリンG糖鎖は、その相対比が大き
く変化することが知られており、特に糖鎖中のガラクト
ースの量に大きく変化が起こっていることが判ってい
る。
【0008】現在問題になっている人疾患の一つに肝炎
がある。特にC型肝炎は輸血を介した感染によって生
じ、慢性肝炎から肝硬変、肝癌と進行する。しかしなが
ら一般に、生化学的手法による臨床検査方法とそれに基
づく疾病の診断方法については、今日でもなお多くの努
力や研究が行われているものの、検査結果による診断の
的中率は必ずしも高くないものが多く、60〜70%ぐらい
から、30〜50%程度のものなどが含まれている。このた
め他の方法による結果と多角的に結合するなどして判定
している。このように、生体内の複雑きわまる病変の情
報を正確に捉えることは困難をきわめている。このた
め、的中率の高い検査方法の探索研究が緊急、かつ、き
わめて重要な課題になっている。
【0009】また、B型、C型肝炎の唯一の治療薬とし
てインターフェロンが注目を集めている。ところが、そ
のインターフェロンに対して著効を示す患者は、肝炎患
者全体の約3割程度であり、莫大な治療費の負担の割に
は効果がないとする患者が多く存在する。そこでこのイ
ンターフェロンによる治療を行う前に、インターフェロ
ンの著効、無効の患者の治療効果を判定することができ
れば、治療法を選択する上で不可欠なものになる。
【0010】医療技術が大きく進歩した現在において、
老齢化人口の増加が問題になって来ている。そのため加
齢に伴い体内の糖鎖がどのように変化するかが解れば、
糖鎖分析が老化度の指標となるだけでなく、疾患の原因
及び進行度が病気によるものか老化による免疫力の低下
によるものかどうか判断することができ、老人の健康管
理上特に有用である。
【0011】また現代の食生活の多様性、植物花粉、ス
トレスなどが原因で起こるアレルギー疾患は、花粉症、
アトピー性皮膚炎など大きな問題となっている。アレル
ギーは生体防御反応の一つ、免疫反応系の異常と考えら
れる。免疫系の一端を担う免疫グロブリンGの糖鎖は補
体活性など免疫系の一連の情報伝達に不可欠である。こ
の免疫グロブリンGの糖鎖構造が、アレルギーの影響で
構造変化を起こしているならば、アレルギーの診断に利
用することができる。
【0012】ところで、高血圧は心臓病、脳卒中などの
循環器系の疾患の要因となっている。老齢化人口の増加
に伴い、高血圧患者の数も増加している。ここ30年の間
で高血圧の治療のために入院している患者は約5倍、外
来通院している患者は約4倍に増加しているといわれて
いる。高血圧の中でも、悪性高血圧は特に症状の重い疾
患である。悪性高血圧は本態性高血圧のような腎機能障
害が原因の疾患であり、放置すれば半年〜1年で死亡す
る。検査方法として、血圧測定や一般検尿、血清クレア
チニンのような血液化学検査や画像診断などの腎機能を
対象とした比較的簡単な検査が挙げられるが、実際に検
査に用いられるのは、もっぱら血圧測定と画像診断のみ
である。血液化学検査は鋭敏さに欠け、生化学的指標と
なる検査方法としては十分に確立していないからであ
る。
【0013】また、免疫グロブリンA腎症(通例「Ig
A腎症」ともいう。以下IgA腎症とする。)は、腎臓
の糸球体に免疫グロブリンA及び補体C3が特異的に沈
着する糸球体腎症の一種である。IgA腎症には免疫グ
ロブリンGも比較的多く沈着することがわかっている。
このIgA腎症を調べる検査としては、一般検尿や組織
学的検査などが知られているが、検尿には尿を採る不便
さや保存尿は尿沈渣などの検査には適さないという問題
があり、組織学的検査、例えば腎生検には、患者に苦痛
と負担を与えるという問題がある。
【0014】小児疾患は成人病とは異なり、未だに原因
が解明されていない疾患が数多く存在する。しかも小児
にのみ現れる疾患もある。そのため、「症候群」と名の
付く疾患などが数多い。通常、小児疾患は血液検査、尿
検査、画像診断などと外見の症状等とを併せて総合的に
判断するが、検査方法も治療手段も不明であることが多
い。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、このよう
な事情を鑑みてなされたものであり、免疫グロブリンG
糖鎖の有する特定成分の変化量を分析することにより新
規な臨床検査方法を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、採取した体液
中の免疫グロブリンG糖鎖中のバイセクティングN−ア
セチルグルコサミン含有糖鎖量の変化を分析することに
より人疾患を検査する方法である。また、本発明は、採
取した体液中の免疫グロブリンG糖鎖中のバイセクティ
ングN−アセチルグルコサミン含有糖鎖量の変化及びガ
ラクトース含有糖鎖量の変化を求め、両者の変化量に基
づいて分析することにより人疾患を検査する方法であ
る。
【0017】さらに、本発明は、採取した体液中の免疫
グロブリンGを精製し、得られる精製免疫グロブリンG
から糖鎖を分離し、この糖鎖区分を逆相クロマトグラフ
ィーカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーにか
け、免疫グロブリンGの標識化した糖鎖中のバイセクテ
ィングN−アセチルグルコサミン含有糖鎖量の変化を分
析することを特徴とする、前記人疾患を検査する方法で
ある。
【0018】さらに、本発明は、採取した体液中の免疫
グロブリンGを精製し、得られる精製免疫グロブリンG
から糖鎖を分離し、この糖鎖区分を逆相クロマトグラフ
ィーカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーにか
け、免疫グロブリンGの標識化した糖鎖中のバイセクテ
ィングN−アセチルグルコサミン含有糖鎖量の変化及び
ガラクトース含有糖鎖量の変化を求め、両者の変化量に
基づいて分析すること特徴とする、前記人疾患を検査す
る方法である。
【0019】さらに、本発明は、人疾患が、肝疾患、悪
性高血圧疾患、免疫グロブリンA腎症又は小児疾患のい
ずれかであることを特徴とする前記人疾患を検査する方
法である。さらに、本発明は、採取した体液中の免疫グ
ロブリンG糖鎖中のガラクトース含有糖鎖量の変化及び
/又はバイセクティングN−アセチルグルコサミン含有
糖鎖量の変化を分析することにより加齢変化を検査する
方法である。
【0020】さらに、本発明は、採取した体液中の免疫
グロブリンG糖鎖中における、非還元末端のN−アセチ
ルグルコサミンにガラクトースが直接結合している2種
類のフコシルモノガラクトシル糖鎖の量比を分析するこ
とによりアレルギー疾患を検査する方法である。さら
に、本発明は、採取した体液中の免疫グロブリンGを精
製し、得られる精製免疫グロブリンGから糖鎖を分離
し、この糖鎖区分を逆相クロマトグラフィーカラムを用
いた高速液体クロマトグラフィーにかけ、免疫グロブリ
ンGの標識化した糖鎖中における、非還元末端のN−ア
セチルグルコサミンにガラクトースが直接結合している
2種類のフコシルモノガラクトシル糖鎖の量比を分析す
ることによりアレルギー疾患を検査する方法である。
【0021】さらに、本発明は、採取した体液中の免疫
グロブリンG糖鎖中のガラクトース含有糖鎖量の変化を
分析することによりインターフェロンの治療効果を検査
する方法である。さらに、本発明は、採取した体液中の
免疫グロブリンGを精製し、得られる精製免疫グロブリ
ンGから糖鎖を分離し、この糖鎖区分を逆相クロマトグ
ラフィーカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーに
かけ、免疫グロブリンGの標識化した糖鎖中のガラクト
ース含有糖鎖量の変化を分析することによりインターフ
ェロンの治療効果を検査する方法である。
【0022】さらに、本発明は、逆相クロマトグラフィ
ーカラムが、ODカラムであることを特徴とする、前記
人疾患、加齢変化、アレルギー疾患及びインターフェロ
ンの治療効果を検査する方法である。本発明において、
バイセクティングN−アセチルグルコサミンとはヒト免
疫グロブリンGの糖鎖のA〜Pの16種類のうちのI,
J,K,L,M,N,O,Pにおいてみられるβ- マン
ノースにβ1,4 で結合しているN−アセチルグルコサミ
ンである(図1において、GNで表示したN−アセチル
グルコサミンである。)。また、非還元末端のN−アセ
チルグルコサミンにガラクトースが直接結合している2
種類のフコシルモノガラクトシル糖鎖としては、免疫グ
ロブリンGの糖鎖のうちのF,Gが該当する(図1参
照)。
【0023】本発明において、採取した体液としては血
液、精液、髄液、羊水、リンパ液等が挙げられる。以
下、本発明を詳細に説明する。この発明の方法は、採取
した体液、例えば血清中の免疫グロブリンGに結合して
いる糖鎖構造の変動を検出し、これに基づいて人疾患の
有無を調べることを特徴としている。本発明でいう人疾
患とは、例えば、肝炎、肝硬変、肝細胞癌などの肝疾患
や、悪性高血圧、免疫グロブリンA腎症、小児疾患など
をいう。しかし、いうまでもなく、免疫グロブリンG糖
鎖中のバイセクティングN−アセチルグルコサミン含有
糖鎖量又はガラクトース含有糖鎖量の変化を分析するこ
とによって検査できる疾患ならば、いずれの種類であっ
ても本発明の方法を適用することができる。
【0024】人疾患の一つである肝疾患における糖タン
パク質糖鎖構造の異常は、肝癌におけるアルファフェト
プロテイン糖鎖構造の異常が報告されている。この糖タ
ンパク質は、成人では殆ど産生されないが、肝疾患では
アルファフェトプロテイン産生能が高まり、血中濃度が
高くなる。特に肝癌になると、他の肝疾患 (肝炎、肝硬
変、良性肝疾患など) に見られない糖鎖構造の増加が認
められることが知られている。しかし産生されるアルフ
ァフェトプロテインの量も少なく、わずか1cm程度の肝
癌に対してアルファフェトプロテインだけの肝癌の判定
率は70%程度であり、これだけで肝癌の判定を行うこと
は困難である。従来はこのほかに肝生検、画像診断を加
えて検査の確率の向上を図っているが、肝生検は患者の
苦痛を伴い、また画像診断はその検査が大がかりなこと
によりその検査の回数が制限され、簡単に肝癌の検査精
度を向上させるような分析法が求められていた。
【0025】これまでの臨床検査法については次のとお
りである。現在の肝炎の検査方法は、まず肝機能検査を
行うことから始まる。血液中のトランスアミナーゼ (G
OT,GPTなど) 値や乳酸脱水素酵素(LDH)値な
どの酵素活性測定による方法である。これらの値が異常
値 (GOT:40IU/l以上、GPT:50IU/l以上、LD
H:500IU/l 以上の高値) を示す場合は肝炎の可能性が
あると診断できるが、肝機能検査値が正常レベルに戻っ
ても、肝炎ウイルスが残っているために再発することも
あり、他の検査法と組み合わせた診断でないと判断でき
ない。炎症疾患が発病すれば免疫反応に異常をきたし、
ひいては糖鎖構造にも異常がおこるため、明らかに免疫
グロブリンG糖鎖の構造が変化する。本発明者らによる
免疫グロブリンG糖鎖分析法では、この性質を調べるも
のであり、より正確に診断できるものである。
【0026】悪性高血圧の検査項目としては、現在のと
ころ血圧測定、胸部X線、心電図、尿検査の他、血清ク
レアチニン、尿素窒素等の血液化学検査が必須とされ
る。悪性高血圧は腎機能障害から伴う疾患であり、1年
以内に亡くなる患者が半数以上をしめる。しかしその検
査に用いられるのは、もっぱら血圧測定と画像診断のみ
である。血液化学検査である血清クレアチニンは、腎臓
の糸球体の濾過値が50%まで低下してもなお基準範囲に
あることも多く、鋭敏さに欠け、また尿素窒素について
も同様な傾向にあるため、生化学的指標となる検査方法
としては不明である。悪性高血圧の免疫グロブリンG糖
鎖構造が健常者に対して異なっていることから、この免
疫グロブリンG糖鎖構造を調べ、かつ今までの検査方法
と組み合わせることにより、悪性高血圧に対する有効な
検査方法として利用できる。本発明では、血圧の異常な
上昇による体内の免疫グロブリンGの糖鎖量が変化する
ことを発見し、この発見が悪性高血圧の早期発見に役立
つことがわかった。
【0027】IgA腎症の検査には尿検査、血清免疫グ
ロブリンA値、腎生検などがある。これらの総合的な所
見から診断が下されるのが現状である。尿検査には尿を
採る不便さや保存尿では十分なデータが得られないとい
う欠点があり、また腎生検のような検査は患者に苦痛と
負担を与えるが、両検査ともいまだに重要視されてい
る。従来、免疫グロブリンGの糖鎖構造が、IgA腎症
により変化を起こしていることは全く知られていなかっ
たが、本発明者らは、IgA腎症患者の免疫グロブリン
G糖鎖分析を行ったところ、糖鎖量の変化が起こってい
ることがわかった。この免疫グロブリンGの糖鎖量の変
化から、IgA腎症により変化を起こしている可能性が
示された。従って、上記の診断法と併用して本発明の臨
床検査方法を用いれば、患者の苦痛を伴わずともIgA
腎症の診断をすることができる。
【0028】小児疾患は、成人病とは異なり、未だに原
因が解明されていない疾患が数多く存在する。しかも小
児にのみ現れる疾患もある。またそれら疾患に有効な検
査手段もほとんどないというのが現状であり、今後多様
に変化する社会生活の中で、原因不明な小児疾患の種類
も増えてくるものと予想される。本発明では、免疫グロ
ブリンGの糖鎖量の変化を調べることにより、多種にわ
たる小児疾患について種類をグルーピングすることがで
きることがわかった。この方法は、有効な検査方法の少
ない小児疾患に対するグルーピング検査方法として用い
ることができ、これによって従来の検査方法に加えて診
断率の向上を図ることができる。本発明によりグルーピ
ングすることのできる小児疾患としては、神経変性疾
患、大動脈炎症候群、ダウン症、多発奇形、ゴーシェ
病、プロテウス症候群、原因不明の運動障害等が挙げら
れる。
【0029】また加齢診断において検査する方法は、免
疫グロブリンGのガラクトース含有糖鎖の量的変化を調
べた研究成果(Thomas Rademacher et.al.,J.EXP.ME
D.,167, 1731〜1736(1988))があり、年齢と糖鎖中のガ
ラクトースとの相関が示されている。彼らは、ガラクト
ースの含有糖鎖の変化の違いだけで判断をしている。本
発明者らの開発した方法は、免疫グロブリンG中のガラ
クトース含有、非含有糖鎖だけでなく、バイセクティン
グN−アセチルグルコサミン含有、非含有糖鎖の量的変
化を調べるものであり、年齢における糖鎖の違いがはっ
きりと検出できる。
【0030】じんましんにはアレルギー性のものと、非
アレルギー性のものとがあり、そのうちアレルギー性の
ものは、花粉、食事、抗生物質などによる薬物が原因と
なる特異抗原過敏症である。この場合、通常血中に極微
量しか存在しない免疫グロブリンEが増加することが特
徴であり、同じ免疫グロブリンである免疫グロブリンG
も増加する。この検査法として一般的に用いられている
方法を挙げると、皮膚反応試験、つまり患者の皮膚にア
レルゲンとなる物質を皮内注射して、皮膚に現れた発赤
の大きさでアレルギーの陽性、陰性を見分ける方法であ
る。この方法は簡単にアレルギーの診断ができる一方
で、患者の皮膚を侵す可能性があり、患者に負担がかか
ることになる。もしくは、放射性同位元素を取り込ませ
た免疫グロブリンEを2次抗体とした免疫グロブリンE
の検出方法 (Radioallergosorbenttest:RAST 法) があ
る。この方法では血清数ミリリットルを必要とし、保険
適用検査ではあるが高価であり、方法も煩雑である。本
発明者の開発した免疫グロブリンG糖鎖分析では、微量
の血清 (数百マイクロリットル) で分析が可能であり、
他の検査のために採血した残りの血液を使用することか
ら患者への負担も全くない。操作的にも安全であり、機
械的に分析されるので正確にデータの検出ができる。
【0031】インターフェロン著効及び無効の判定は、
現在研究途上にある。研究例としては、肝生検診断によ
る肝組織所見とインターフェロン治療効果の相関性で、
肝繊維化の進み具合でインターフェロン治療の効果が異
なることが示されている。この場合、肝生検を行うこと
が必要であるため、先に述べたように肝生検は患者に苦
痛を伴わせる。また肝炎ウイルスのサブタイプ (I〜IV
型) とインターフェロン治療効果を調べた研究で、遺伝
子増幅法による肝炎ウイルス遺伝子 (RNA)の測定に
よる方法で調べたところ、II型のウイルス量 (つまり肝
炎ウイルス遺伝子) が少ない方は、インターフェロンの
治療効果があり、III 、IV型では平均的なウイルス量で
あっても、インターフェロン治療の効果が見られる(村
山ら、臨床消化器内科,9, 661〜670(1994))。本発明
者らが開発した免疫グロブリンG糖鎖分析は肝炎ウイル
スの有無にかかわらず検査でき、有用な方法である。
【0032】本発明による方法は、この発明者によって
行われてきた免疫グロブリンGについての一層正確な病
変の情報の取得と、的中率の高い検査法としての確立に
関する研究に基づいて完成されたものである。そしてこ
の方法は、血液中の免疫グロブリンGが人疾患時におけ
る量的変化だけでなく、質的変化、即ち免疫グロブリン
G結合糖鎖の多様性プロフィールを詳細に検討すること
によって、的確な人疾患の情報を取得し、的中率の高い
検査法として確立された方法である。
【0033】即ちこの発明の方法において、血清中の免
疫グロブリンGを精製し、糖鎖の構造差異に基づく免疫
グロブリンGの多様性プロフィールを検討する。この糖
鎖の構造多様性の研究には、たとえば、プロトン核磁気
共鳴(1H-NHR)スペクトロスコピー、質量分析(マ
ススペクトロメトリー)などの分析法も存在するが、逆
相クロマトグラフィーカラムを用いた高速液体クロマト
グラフィーもその有効手段の一つである。
【0034】逆相クロマトグラフィーには、代表的なも
のとして、オクタデシル基結合型カラム、オクチル基結
合型カラム、ブチル基結合型カラムなどがある。これら
は、担体に結合する固定相の炭素数の違いによって分け
られる。その中で、分離状態のよいオクタデシル基結合
型カラム(ODカラム)としては、現在のところシリカ
ゲル担体にオクタデシルシリル(Octadecylsilyl、以下
ODSと記載する)基を結合させたシリカ系逆相クロマ
トグラフィーカラム(ODS−シリカカラム)とビニル
アルコールポリマー担体にオクタデシル基を結合させた
ポリマー系逆相クロマトグラフィーカラム(ODP−カ
ラム)が開発されている。特にODS−シリカカラム
は、その基本構造として、直径5μmのシリカゲルにO
DS化合物を共有結合させて調製することができる。こ
れら逆相クロマトグラフィーカラムのうち、ODS−シ
リカカラムが特に糖鎖の分離がよく、本発明における糖
鎖分析に有効に使用することができる。ODS−シリカ
カラムとしては、例えば Nakanopak ODS-A(中埜酢店
製)、Shim-pack HRC-ODS(島津製作所製)、Cosmosil1
5C18(ナカライテスク製)など市販されているものが使
用できる。
【0035】この高速液体クロマトグラフィーにおいて
は、短時間で多種類の糖鎖パターンが分離でき、この分
離した糖鎖のピークパターンをプロフィールとして見る
ことにより、生体の免疫グロブリンG糖鎖が関与してい
ると思われる病態学的情報を正常コントロール群と比較
しつつ、特異性の高い臨床医学的知見として観察する。
【0036】糖鎖を調製する方法としては、酵素を用い
て糖鎖を遊離する方法と、無水ヒドラジンにより化学的
に糖鎖を切り出す方法とがある。何れの方法を用いても
本分析結果に影響はしないが、酵素を用いた方法は熟練
を必要とせず、危険物5類に分類される無水ヒドラジン
を使用しないで済むため有利である。しかし、近年この
無水ヒドラジンによる糖鎖の遊離を行う装置が市販され
ており、それらを利用しても差し支えない。
【0037】糖鎖を標識する方法としては、2アミノピ
リジンで蛍光標識する方法と、トリチウムラベルで放射
線標識する方法が一般的である。我々は、一般の研究室
で取り扱いやすいことと、また高速液体クロマトグラフ
で検出しやすいこと、分離が良くなることにより、2ア
ミノピリジンで蛍光標識する方法を行っている。2アミ
ノピリジンで蛍光標識する方法(Hase, et.al. Bioche
m. Biophys. Res. Commun. 85, 257-263 (1978)) とし
ては長谷等によって開発された2アミノピリジン塩酸溶
液を蛍光標識剤として、水素化シアノホウ素ナトリウム
を還元剤として使用する方法と、近藤等が開発した2ア
ミノピリジン無水酢酸溶液を蛍光標識剤として、ボラン
ジメチルアミンコンプレックスを還元剤として使用する
方法(Kondo,et.al. Agric. Biol. Chem. 54, 2169 〜2
170 (1990) )があるが、何れの方法でも本分析結果に
影響しないが、長谷等の方法は使用する装置が少なく、
手軽にできる。近藤等の方法はその方法を行う装置(宝
酒造製)が市販されており、それを利用しても良い。蛍
光標識化した糖鎖は安定であり、高速液体クロマトグラ
フィー分析により短時間で高感度に分析できるという利
点がある。
【0038】調製された糖鎖区分の高速液体クロマトグ
ラフィー分析は次のとおり行う。高速液体クロマトグラ
フィーに用いる溶出液を作成する。次に高速液体クロマ
トグラフィー装置を稼働状態にした後、作成した溶出液
でポンプ及びカラムを平衡化し、蛍光標識化したスタン
ダード糖鎖をカラムにかけて装置及びカラムの状態が正
常な状態であることを確かめる。それから分析サンプル
をカラムにかけて分析する。プロトン核磁気共鳴スペク
トロスコピーでは、高分解能核磁気共鳴装置による測定
方法であり、溶液状態での分子中のスピン−スピン結合
定数、化学シフト、シグナルの線幅を観測し、それらの
値を既知の糖鎖構造と比較することにより、試料の糖鎖
の構造決定を行う。また、質量分析では、試料を真空中
で電子衝撃によりイオン化し、このイオンを質量数/電
荷数に従って分離し、各イオンの強度により質量数/電
荷数の順に並べて分析する方法である。
【0039】次に、本発明の方法を包括的に説明する。
被験者から採取した血液をファルマシア社製プロテイン
Gカラムにかけて免疫グロブリンGを溶出させ、濃縮後
0.01N塩酸(pH2) に溶解した後、加熱処理してシアル
酸を除く。次にプロテアーゼ、グリコアミダーゼAの順
で酵素消化を行い、糖鎖を遊離させる。陽及び陰イオン
交換樹脂により脱塩精製し、糖鎖を2アミノピリジンを
用いた蛍光標識を行う。セファデックスG−15のカラ
ムを用いて糖鎖を精製し、高速液体クロマトグラフィー
分析に供する。
【0040】
【発明の効果】本発明により、検査法として有効な情報
を実用的な処理に適応しうる方法で取得し、肝疾患、ア
レルギー疾患、悪性高血圧疾患、免疫グロブリンA腎
症、小児疾患の他に加齢による変化やアレルギー診断や
インターフェロンの治療効果予測を高い精度で行うこと
ができる。さらに他の検査方法と併用することにより、
診断率を向上させることができ、臨床検査方法として極
めて有用である。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに具体的
に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。 〔実施例1〕ヒト血清を用いて免疫グロブリンG糖鎖を
精製し、高速液体クロマトグラフィー分析した。バイセ
クティングN-アセチルグルコサミン含有糖鎖の変化量を
調べた。
【0042】調製方法 ヒト血清 250μlを用いて免疫グロブリンGを精製す
る。ヒト血清 250μlをファルマシア製プロテインGカ
ラムにかけ緩衝液A(20mMリン酸ナトリウム溶液pH7)
緩衝液B(50mM酢酸溶液pH3)で溶出した。溶出される
免疫グロブリンGは約3.3mg である。精製後、溶出液を
濃縮する。
【0043】濃縮した免疫グロブリンGを0.01N 塩酸
(pH2)に溶解し、pH2に調整し、加熱処理(90℃×1
hr)により糖鎖非還元末端に結合しているシアル酸を除
去し、その後ペプシンを加え酵素消化を行う。反応溶液
をpH4〜6に調整し、グリコアミダーゼAを加え酵素に
より糖鎖を遊離させる。固形物を遠心分離により除く。
上清を、予めイオン交換水で平衡化させた、陽イオン交
換樹脂及び陰イオン交換樹脂で脱塩する。
【0044】乾固した糖鎖 100nmolに対し、反応試薬
(2アミノピリジン−塩酸溶液 pH 6.8 )を 100μl加
え、20分間 100℃に保つ。還元剤溶液を加え、90℃で12
時間反応させる。セファデックスG−15のカラムを用
いて糖鎖を精製する。2-アミノピリジン-糖鎖分画を集
め、乾固した後、高速液体クロマトグラフィー分析に供
する。
【0045】高速液体クロマトグラフィーの分析条件 ・溶出液A:10mM リン酸一ナトリウム溶液(pH3.8 ) ・溶出液B:溶出液Aにn-ブタノールを最終濃度0.5 %
になるように加えた液 ・蛍光検出器:SHIMADZU RF-550 (島津製作所製) ・検出:蛍光検出(励起波長:320nm、蛍光波長:400n
m) ・溶出液流速:1ml/分 ・糖鎖の溶出条件:溶出液Bの濃度を分析開始から60分
までに、20%から50%に上昇させる条件 結果 使用した糖鎖はヒト健常者(8名)、肝疾患患者(肝炎
8名、肝硬変6名、肝癌7名)の血清由来の免疫グロブ
リンGである。添付した図1は、上記のようにして得ら
れた高速液体クロマトグラフィー溶出パターンを示し、
これは免疫グロブリンGの糖鎖構造による多様性が、O
DS−シリカカラムへの微妙な親和性の差異に基づいて
得られた溶出プロフィールを示している。先に述べたよ
うに、健常者の免疫グロブリンG糖鎖の量比は一定であ
るので、バイセクティングN−アセチルグルコサミン含
有糖鎖の量的変化に注目して、次のように面積比をと
る。
【0046】バイセクティングN−アセチルグルコサミ
ン含有糖鎖量の変化:ピークEFGH(グループII)の
面積の和とピークMNOP(グループIV)の面積の和の
比この検査結果をもとに統計的に、健常者と肝疾患患者
との有意差を検討した結果、図2に示すとおりバイセク
ティングN−アセチルグルコサミン含有糖鎖については
p<0.001(危険率 0.1%以下)で健常者と肝炎患者との
間で有意に差が見られた。図2において、縦軸はODS
−シリカカラムによる溶出パターンA〜Pのうち、ピー
クMからPまでの面積の和とピークEからHまでの面積
の和との比(ピークM−Pの面積の和/ピークE−Hの
面積の和)を、横軸は健常者および各肝疾患患者を表
す。nは被験者数を、点は各被験者のピークM−Pの面
積の和/ピークE−Hの面積の和の値を示す。ここに示
されるように、このバイセクティングN−アセチルグル
コサミン糖鎖の量的変化は、肝疾患患者において健常者
と比べて明らかに増加し、免疫グロブリンG糖鎖分析が
肝疾患患者の診断の情報とすることができることを示し
ている。
【0047】〔実施例2〕実施例1と同様にして、ヒト
健常者、および肝疾患者に対してガラクトース含有糖鎖
の量的変化に着目した免疫グロブリンG糖鎖分析を行っ
た。使用した免疫グロブリンGは、実施例1に同様に健
常者(8名)と肝疾患患者(肝炎8名、肝硬変6名、肝
癌7名)である。
【0048】ガラクトースの量的変化について次のよう
に算出した。 ガラクトース:ピークEとMの面積の和と、ガラクトー
スを持つ糖鎖のピークの面積の和の比 つまり ガラクトース:(E+M)/(F+G+2H+N+O+
2P) H,Pは一つの糖鎖にガラクトースを2つ持つ
ため、2倍した。
【0049】ガラクトース含有糖鎖量の変化について、
実施例1と同様に統計処理を行った結果、図3におい
て、縦軸はピークEとMの面積の和とガラクトースを持
つピークの面積の和の比(ガラクトース(−)/ガラク
トース(+))を、横軸は健常者および各肝疾患患者を
表す。nは被験者数を、点は各被験者のガラクトース
(−)/ガラクトース(+)の値を示す。p<0.05(危
険率5%以下)で健常者と肝炎患者との間で有意に差が
見られた。さらに、肝炎患者と肝硬変及び肝癌患者との
間にp<0.001 で有意差が見られた。従ってガラクトー
ス糖鎖の量的変化は、肝疾患患者において健常者と比べ
て明らかに増加し、免疫グロブリンG糖鎖分析が肝疾患
患者の診断の情報とすることができることを示してい
る。
【0050】〔実施例3〕実施例1と同様にして、アレ
ルギー患者(症例数2)に対して免疫グロブリンG糖鎖
分析を行った。本実施例では、健常者6名、神経性じん
ましん患者2名により行った。図4に高速液体クロマト
グラフィーの溶出パターンを示した。疲労による神経性
ジンマシン患者の免疫グロブリンGは、ピークFとGの
面積値が健常者のものと比べて逆転している。このピー
クFとGの逆転、つまりガラクトース結合部位の異常
は、アレルギー患者の持つ免疫グロブリンGの糖鎖に特
有であり、免疫グロブリンG糖鎖分析により、アレルギ
ー患者の診断の情報が得られることを示している。
【0051】〔実施例4〕実施例1と同様にして、慢性
C型肝炎患者に対するインターフェロン著効または無効
の差を免疫グロブリンG糖鎖分析によって診断する。本
実施例では、慢性C型肝炎患者でインターフェロン投与
前に血清を採取し、投与後再び血清を採取した。次にイ
ンターフェロン著効者3名、無効者4名を選び、血清よ
り精製した免疫グロブリンGより、糖鎖の分析を行っ
た。
【0052】図5に、インターフェロン著効、無効の患
者より分析した免疫グロブリンG糖鎖構造の高速液体ク
ロマトグラフィーの溶出パターンを示した。さらに図6
には、バイセクティングN−アセチルグルコサミン含有
糖鎖及びガラクトース含有糖鎖の量的変化を示した。な
お、算出方法は バイセクティングN−アセチルグルコサミン含有糖鎖の変化:ピークP/ ピークH ガラクトース含有糖鎖の変化 :ピークH/ピークE で行った。nは被験者数を示す。
【0053】この結果、得られたインターフェロン著効
者、無効者との間に有意に差が見られ、インターフェロ
ン著効者は、無効者と比べてバイセクティングN−アセ
チルグルコサミン糖鎖が多く、かつガラクトースを持た
ない糖鎖が多いことを示しており、免疫グロブリンG糖
鎖分析によって、診断の情報とすることができる。 〔実施例5〕実施例1と同様にして、ヒトの加齢の変化
における老化の指標を免疫グロブリンG糖鎖分析によっ
て診断する。
【0054】健常者8名の免疫グロブリンG糖鎖の分析
結果を図7に示す。計算方法は バイセクティングN−アセチルグルコサミン含有糖鎖量の変化: (M+N+O+P)/(E+F+G+H) ガラクトース含有糖鎖量の変化 :H/E 図7Aおよび図7Bについて、それぞれ曲線回帰を行っ
た。各曲線の式は以下の通りである。
【0055】(図7A) (ピークM−Pの面積の和/ピークE−Hの面積の和)
=1.07×10-4(年齢)2 −6.45×10-3(年齢)+0.23 重相関係数 0.976 (図7B) (ピークH/ピークE)=6.56×10-4(年齢)2 −0.10
(年齢)+4.03 重相関係数 0.923 バイセクティングN−アセチルグルコサミン糖鎖量の変
化値は加齢に対応して増加する。また、ガラクトース:
ピークH/ピークEの値は、加齢に応じて減少すること
から、老化するに従い、バイセクティングN−アセチル
グルコサミン含有糖鎖量の増加と、ガラクトース含有糖
鎖量の減少が認められる。このことは免疫グロブリンG
糖鎖分析により、加齢の変化に伴う糖鎖構造の変化を示
しており、老化診断及び疾患の予防診断及び疾患の予防
診断の情報とすることができる。
【0056】〔実施例6〕実施例1と同様にして、悪性
高血圧患者(3名)に対して免疫グロブリンG糖鎖分析
を行った。但し、本実施例では、2種類の高速液体クロ
マトグラフィーカラム(ODP−カラム及びODS−シ
リカカラム)を用いて分析した。 高速液体クロマトグラフィーの分析条件 ・溶出液A:10mM リン酸一ナトリウム溶液(pH3.8 ) ・溶出液B:溶出液Aにn-ブタノールを最終濃度0.5 %
になるように加えた液 ・蛍光検出器:SHIMADZU RF-550 (島津製作所製) ・検出:蛍光検出(励起波長:320nm、蛍光波長:400n
m) ・溶出液流速:1ml/分 ・糖鎖の溶出条件: ODP−カラム…溶出液Bの濃度を分析開始から60分ま
でに、0%から15%に上昇させる条件 ODS−シリカカラム…溶出液Bの濃度を分析開始から
60分までに、20%から50%に上昇させる条件 ・使用カラム: ODP−カラム…Asahipak ODS-50 (4.6φ×150mm)(旭
化成工業製) ODS−シリカカラム…Nakanopak-ODS (6.0φ×150mm)
(中埜酢店製) 結果 上記の2カラムで分析した溶出パターンを図8A及びB
に示す。図8AとBとの比較から明らかなように、いず
れのカラムを使用した場合においても健常者と悪性高血
圧患者とでは溶出パターンが異なっている。従って、両
カラムとも健常者と疾患患者とを区別する検査に適して
おり、十分使用することができることが分かる。
【0057】特に図8Bにおいて、健常者と悪性高血圧
患者の結果を比較することにより、以下のことが分か
る。即ち、悪性高血圧患者の免疫グロブリンGは、健常
者の溶出パターンに比べてピークEとHが大きく逆転し
ており、またバイセクティングN−アセチルグルコサミ
ン含有糖鎖量が全体に占める割合は多い。さらに、ピー
クのメイングループであるピークE、F、G及びHが右
下がりにあるにも関わらず、バイセクティングN−アセ
チルグルコサミン含有糖鎖量のピークM、N、O及びP
は右上がりの傾向にある。このピークパターンの特徴
は、悪性高血圧患者の有する免疫グロブリンGの糖鎖に
特有である。ここで、ガラクトース含有糖鎖量の変化
と、バイセクティングN−アセチルグルコサミン含有糖
鎖量の変化とを2次元的に図9に示した。なお、それぞ
れの算出方法は、 ガラクトース含有糖鎖量の変化:ピークH/ピークE バイセクティングN−アセチルグルコサミン含有糖鎖量
の変化:ピークM−Pの面積の和/ピークE−Hの面積
の和 で行った。
【0058】図9に示すように、ガラクトース含有糖鎖
量の変化及びバイセクティングN−アセチルグルコサミ
ン含有糖鎖量の変化から、健常者と悪性高血圧患者とを
明らかに区別することが可能である。これらの情報は、
免疫グロブリンG糖鎖分析により、悪性高血圧患者の検
査の指標が得られることを示している。 〔実施例7〕実施例1と同様にして、IgA腎症患者に
対して免疫グロブリンG糖鎖分析を行った。本実施例で
は、IgA腎症5名により行った。
【0059】図10にIgA腎症の高速液体クロマトグラ
フィーの溶出パターンを示した。さらに図11Aには、ガ
ラクトース含有糖鎖量の変化を示し、図11Bには、バイ
セクティングN−アセチルグルコサミン含有糖鎖量の変
化を示した。なお、算出方法は、実施例6の算出方法に
従った。縦軸はピークH/ピークEの値を、横軸は健常
者とIgA腎症患者を表す。nは被験者数を、点は健常
者とIgA腎症患者のピークH/ピークEの値を示す。
【0060】この結果、健常者とIgA腎症患者との間
にp<0.05(危険率5%以下)で有意に差が見られた。
即ち、IgA腎症患者は健常者と比べ、ガラクトース含
有糖鎖が多いことを示している。次にバイセクティング
N−アセチルグルコサミン含有糖鎖量の変化を調べた。
縦軸はピークM−Pの面積の和/ピークE−Hの面積の
和の値を、横軸は健常者とIgA腎症患者を表す。点は
健常者とIgA腎症患者のピークM−Pの面積の和/ピ
ークE−Hの面積の和の値を示す。
【0061】この結果、健常者とIgA腎症患者との間
にp<0.001 (危険率0.1 %以下)とさらに有意に差が
見られた。以上のことから、免疫グロブリンG糖鎖分析
によって、IgA腎症の診断の情報とすることができる
ことが分かる。 〔実施例8〕実施例1と同様にして、小児科医師の診断
による代表的な小児疾患について免疫グロブリンG糖鎖
分析を行った。本実施例では、以下に示す小児疾患の患
者について行った。
【0062】 発達遅滞 多発奇形 高アンモニア血症 精神発達遅滞 神経変性疾患 ホモシスチン尿症 小人症 ゴーシェ病 プラダー・ウイリ症候群 ウイルソン症 ムコ多糖症様顔貌 フェニルケトン尿症 プロテウス症候群 シスチン尿症 アイカルディ症候群 脂肪呼吸不全症 腎形成不全 小脳低形成 糖原病 原因不明の運動障害 自閉症 肝硬変による腎症 ダウン症 メープルシロップ尿症 巣状糸球体硬化症 大動脈炎症候群 ペホ症候群 免疫グロブリンG糖鎖分析によって得られた高速液体ク
ロマトグラフィーの溶出パターンのうち、健常者の溶出
パターン(図4)と比べて変化していた神経変性疾患、
大動脈炎症候群、ダウン症、多発奇形、ゴーシェ病、プ
ロテウス症候群及び原因不明の運動障害のものについて
図12及び図13に示した。上記の疾患では、パターン的に
は健常者と比べてピークEとHの逆転が起こっているこ
とが明らかである。即ち、ガラクトース非含有糖鎖量の
割合が、ジガラクトース含有糖鎖量よりも大きいことを
示している。
【0063】さらに溶出ピークの面積の値から、ガラク
トース含有糖鎖の量的変化について健常者(10例)と、
神経変性疾患、大動脈炎症候群、プロテウス症候群、ゴ
ーシェ症及び原因不明の運動障害の患者とを比較した。
結果を表1に示す。また、溶出ピークの面積の値から、
バイセクティングN−アセチルグルコサミン含有糖鎖の
量的変化について健常者とダウン症、多発奇形及び大動
脈炎症候群患者とを比較した。結果を表2に示す。算出
方法は、 ガラクトース含有糖鎖量の変化:ピークEとMの面積の
和とガラクトースを有するピークの面積の和の比 (ガラクトース(−)/ガラクトース(+)) バイセクティングN−アセチルグルコサミン含有糖鎖量
の変化:ピークM−Pの面積の和/ピークE−Hの面積
の和 で行った。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】先の特徴のあった疾患群は、溶出ピークの
面積値から糖鎖量の変化についてガラクトース含有糖鎖
量、又はバイセクティングN−アセチルグルコサミン含
有糖鎖量の2要素から数値的に比べても、健常者とは明
らかにかけ離れている。従って、この2成分の要素の利
用は、小児疾患の数少ない検査方法に対する有効なスク
リーニング検査として有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、2アミノピリジンで標識化した免疫グ
ロブリンG糖鎖を、ODS−シリカカラムにより溶出さ
せたパターン及びその糖鎖構造を示す。
【図2】健常者と肝疾患患者(肝炎、肝硬変、肝癌)の
免疫グロブリンGにおけるバイセクティングN−アセチ
ルグルコサミン糖鎖含量を示す図。
【図3】健常者と肝疾患患者(肝炎、肝硬変、肝癌)の
免疫グロブリンGにおけるガラクトース含有糖鎖含量を
示す図。
【図4】健常者とアレルギー患者(症例数2)の免疫グ
ロブリンG糖鎖のODS−シリカカラムによる溶出パタ
ーンを示す。F、Gはピーク名を示す。
【図5】慢性C型肝炎患者に対するインターフェロン著
効または無効の差を調べるために、免疫グロビンG糖鎖
分析を行った結果を示す図である。図はODS−シリカ
カラムによる溶出パターンを示す。E,H,Pはピーク
名を示す。
【図6】バイセクティング N−アセチルグルコサミン
含有糖鎖の量的変化、およびガラクトース含有糖鎖の量
的変化をインターフェロン著効者・無効者の群で比較し
た図である。
【図7】A:バイセクティング N−アセチルグルコサ
ミン含有糖鎖の量的変化とヒトの加齢との関係を示す図
である。 B:ガラクトース含有糖鎖の量的変化とヒトの加齢との
関係を示す図である。
【図8】A:健常者及び悪性高血圧患者の免疫グロブリ
ンG糖鎖を、ODP−カラムにより溶出させたパターン
を示す図。 B:健常者及び悪性高血圧患者の免疫グロブリンG糖鎖
を、ODS−シリカカラムにより溶出させたパターンを
示す図。 なお、悪性高血圧患者は症例数3のうちの1であり、
E,F,G,H,M,N,O,Pはピーク名を示す。
【図9】悪性高血圧患者の免疫グロブリンGにおけるガ
ラクトース含有糖鎖量の変化と、バイセクティングN−
アセチルグルコサミン含有糖鎖量の変化とを2次元的に
示した図。なお、それぞれの算出方法は、 ガラクトース含有糖鎖量の変化:ピークH/ピークE バイセクティングN−アセチルグルコサミン含有糖鎖量
の変化:ピークM−Pの面積の和/ピークE−Hの面積
の和 で行った。ピーク名は、図8のピーク名に従う。
【図10】IgA腎症患者の免疫グロブリンG糖鎖のO
DS−シリカカラムによる溶出パターンを示す。E,H
はピーク名を示す。
【図11】A:ガラクトース含有糖鎖量の変化を、健常
者とIgA腎症患者の群で比較した図である。 B:バイセクティングN−アセチルグルコサミン含有糖
鎖量の変化を、健常者とIgA腎症患者の群で比較した
図である。
【図12】小児疾患における原因不明の神経変性疾
患、ゴーシェ症、大動脈炎症候群及びダウン症患
者の免疫グロブリンG糖鎖のODS−シリカカラムによ
る溶出パターンを示す。
【図13】小児疾患における原因不明の運動障害、
多発奇形及びプロテウス症候群患者の免疫グロブリン
G糖鎖のODS−シリカカラムによる溶出パターンを示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚本 義則 愛知県半田市清城町3−3−23 (72)発明者 高橋 禮子 愛知県名古屋市瑞穂区松栄町1−105 (72)発明者 川村 吉也 愛知県江南市古知野町古渡132 (72)発明者 溝上 雅史 愛知県知立市長田町3−7−7 (72)発明者 佐藤 孝一 愛知県名古屋市瑞穂区下山町1−57−3 (72)発明者 吉岡 加寿夫 大阪府河内長野市晴見台1丁目3の3 (72)発明者 木部 哲也 愛知県名古屋市昭和区下構町2丁目30ハ イム明里 208号 (56)参考文献 特開 平3−73857(JP,A) 特開 昭61−170657(JP,A) 特表 平3−500925(JP,A) Biochemistry and Molecular Biology International,1994年, Vol.32, No.5,p897−902 Biochemistry,1987年, Vol.26, No.4,p1137−1144 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/48 - 33/98 G01N 30/88

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 採取した体液中の免疫グロブリンG糖鎖
    中のグループIIバイセクティングN−アセチルグルコサ
    ミン非含有糖鎖(E、F、G及びH)量とグループIVバイセク
    ティングN−アセチルグルコサミン含有糖鎖(M、N、O及
    びP)量との比を健常者の対応する比と比較した際の変化
    を分析することにより肝疾患、悪性高血圧疾患、免疫グ
    ロブリンA腎症及び小児疾患からなる群から選択される
    人疾患を検査する方法。
  2. 【請求項2】 採取した体液中の免疫グロブリンGを精
    製し、得られる精製免疫グロブリンGから糖鎖を分離
    し、この糖鎖区分を逆相クロマトグラフィーカラムを用
    いた高速液体クロマトグラフィーにかけ、免疫グロブリ
    ンGの標識化した糖鎖中のグループIIバイセクティング
    N−アセチルグルコサミン非含有糖鎖(E、F、G及びH)量
    とグループIVバイセクティングN−アセチルグルコサミ
    ン含有糖鎖(M、N、O及びP)量との比を健常者の対応する
    比と比較した際の変化を溶出パターンに基づいて分析す
    ることを特徴とする、請求項1記載の人疾患を検査する
    方法。
  3. 【請求項3】 逆相クロマトグラフィーカラムが、OD
    カラムであることを特徴とする、請求項2記載の人疾患
    を検査する方法。
  4. 【請求項4】 採取した体液中の免疫グロブリンG糖鎖
    中のグループIIバイセクティングN−アセチルグルコサ
    ミン非含有糖鎖(E、F、G及びH)量とグループIVバイセク
    ティングN−アセチルグルコサミン含有糖鎖(M、N、O及
    びP)量との比及びガラクトース非含有糖鎖(E及びM)量と
    ガラクトース含有糖鎖(F、G、H、N、O及びP)量との比
    を健常者の対応する比と比較した際の変化を分析するこ
    とにより肝疾患を検査する方法。
  5. 【請求項5】 採取した体液中の免疫グロブリンGを精
    製し、得られる精製免疫グロブリンGから糖鎖を分離
    し、この糖鎖区分を逆相クロマトグラフィーカラムを用
    いた高速液体クロマトグラフィーにかけ、免疫グロブリ
    ンGの標識化した糖鎖中のグループIIバイセクティング
    N−アセチルグルコサミン非含有糖鎖(E、F、G及びH)量
    とグループIVバイセクティングN−アセチルグルコサミ
    ン含有糖鎖(M、N、O及びP)量との比及びガラクトース非
    含有糖鎖(E及びM)量とガラクトース含有糖鎖(F、G、H、
    N、O及びP)量との比を健常者の対応する比と比較した
    際の変化を溶出パターンに基づいて分析すること特徴と
    する、請求項4記載の肝疾患を検査する方法。
  6. 【請求項6】 逆相クロマトグラフィーカラムが、OD
    カラムであることを特徴とする、請求項5記載の肝疾患
    を検査する方法。
  7. 【請求項7】 採取した体液中の免疫グロブリンG糖鎖
    中のグループIIバイセクティングN−アセチルグルコサ
    ミン非含有糖鎖(E、F、G及びH)量とグループIVバイセク
    ティングN−アセチルグルコサミン含有糖鎖(M、N、O及
    びP)量との比及びガラクトース非含有糖鎖E量とガラク
    トース含有糖鎖H量との比を健常者の対応する比と比較
    した際の変化を分析することにより悪性高血圧疾患を検
    査する方法。
  8. 【請求項8】 採取した体液中の免疫グロブリンGを精
    製し、得られる精製免疫グロブリンGから糖鎖を分離
    し、この糖鎖区分を逆相クロマトグラフィーカラムを用
    いた高速液体クロマトグラフィーにかけ、免疫グロブリ
    ンGの標識化した糖鎖中のグループIIバイセクティング
    N−アセチルグルコサミン非含有糖鎖(E、F、G及びH)量
    とグループIVバイセクティングN−アセチルグルコサミ
    ン含有糖鎖(M、N、O及びP)量との比及びガラクトース非
    含有糖鎖E量とガラクトース含有糖鎖H量との比を健常者
    の対応する比と比較した際の変化を溶出パターンに基づ
    いて分析すること特徴とする、請求項7記載の悪性高血
    圧疾患を検査する方法。
  9. 【請求項9】 逆相クロマトグラフィーカラムが、OD
    カラムであることを特徴とする、請求項8記載の悪性高
    血圧疾患を検査する方法。
  10. 【請求項10】 採取した体液中の免疫グロブリンG糖
    鎖中のグループIIバイセクティングN−アセチルグルコ
    サミン非含有糖鎖(E、F、G及びH)量とグループIVバイセ
    クティングN−アセチルグルコサミン含有糖鎖(M、N、O
    及びP)量との比及びガラクトース非含有糖鎖E量とガラ
    クトース含有糖鎖H量との比を健常者の対応する比と比
    較した際の変化を分析することにより免疫グロブリンA
    腎症を検査する方法。
  11. 【請求項11】 採取した体液中の免疫グロブリンGを
    精製し、得られる精製免疫グロブリンGから糖鎖を分離
    し、この糖鎖区分を逆相クロマトグラフィーカラムを用
    いた高速液体クロマトグラフィーにかけ、免疫グロブリ
    ンGの標識化した糖鎖中のグループIIバイセクティング
    N−アセチルグルコサミン非含有糖鎖(E、F、G及びH)量
    とグループIVバイセクティングN−アセチルグルコサミ
    ン含有糖鎖(M、N、O及びP)量との比及びガラクトース非
    含有糖鎖E量とガラクトース含有糖鎖H量との比を健常者
    の対応する比と比較した際の変化を溶出パターンに基づ
    いて分析すること特徴とする、請求項10記載の免疫グ
    ロブリンA腎症を検査する方法。
  12. 【請求項12】 逆相クロマトグラフィーカラムが、O
    Dカラムであることを特徴とする、請求項11記載の免
    疫グロブリンA腎症を検査する方法。
  13. 【請求項13】 採取した体液中の免疫グロブリンG糖
    鎖中のグループIIバイセクティングN−アセチルグルコ
    サミン非含有糖鎖(E、F、G及びH)量とグループIVバイセ
    クティングN−アセチルグルコサミン含有糖鎖(M、N、O
    及びP)量との比の変化及び/又はガラクトース非含有糖
    鎖E量とガラクトース含有糖鎖H量との比の変化を分析す
    ることにより加齢変化を検査する方法。
  14. 【請求項14】 採取した体液中の免疫グロブリンGを
    精製し、得られる精製免疫グロブリンGから糖鎖を分離
    し、この糖鎖区分を逆相クロマトグラフィーカラムを用
    いた高速液体クロマトグラフィーにかけ、免疫グロブリ
    ンGの標識化した糖鎖中のグループIIバイセクティング
    N−アセチルグルコサミン非含有糖鎖(E、F、G及びH)量
    とグループIVバイセクティングN−アセチルグルコサミ
    ン含有糖鎖(M、N、O及びP)量との比の変化及び/又はガ
    ラクトース非含有糖鎖E量とガラクトース含有糖鎖H量と
    の比の変化を溶出パターンに基づいて分析することを特
    徴とする、請求項13記載の加齢変化を検査する方法。
  15. 【請求項15】 逆相クロマトグラフィーカラムが、O
    Dカラムであることを特徴とする、請求項14記載の加
    齢変化を検査する方法。
  16. 【請求項16】 採取した体液中の免疫グロブリンG糖
    鎖中における、非還元末端のN−アセチルグルコサミン
    にガラクトースが直接結合している2種類のフコシルモ
    ノガラクトシル糖鎖FとGとの量比を健常者の対応する量
    比と比較した際の変化を分析することによりアレルギー
    疾患を検査する方法。
  17. 【請求項17】 採取した体液中の免疫グロブリンGを
    精製し、得られる精製免疫グロブリンGから糖鎖を分離
    し、この糖鎖区分を逆相クロマトグラフィーカラムを用
    いた高速液体クロマトグラフィーにかけ、免疫グロブリ
    ンGの標識化した糖鎖中における、非還元末端のN−ア
    セチルグルコサミンにガラクトースが直接結合している
    2種類のフコシルモノガラクトシル糖鎖FとGとの量比を
    健常者の対応する量比と比較した際の変化を溶出パター
    ンに基づいて分析することを特徴とする、請求項16記
    載のアレルギー疾患を検査する方法。
  18. 【請求項18】 逆相クロマトグラフィーカラムが、O
    Dカラムであることを特徴とする、請求項17記載のア
    レルギー疾患を検査する方法。
  19. 【請求項19】 採取した体液中の免疫グロブリンG糖
    鎖中のガラクトース非含有糖鎖E量とガラクトース含有
    糖鎖H量との比をインターフェロン無効者の対応する比
    と比較した際の変化を分析することによりインターフェ
    ロンの治療効果を検査する方法。
  20. 【請求項20】 採取した体液中の免疫グロブリンGを
    精製し、得られる精製免疫グロブリンGから糖鎖を分離
    し、この糖鎖区分を逆相クロマトグラフィーカラムを用
    いた高速液体クロマトグラフィーにかけ、免疫グロブリ
    ンGの標識化した糖鎖中のガラクトース非含有糖鎖E量
    とガラクトース含有糖鎖H量との比をインターフェロン
    無効者の対応する比と比較した際の変化を溶出パターン
    に基づいて分析することを特徴とする、請求項19記載
    のインターフェロンの治療効果を検査する方法。
  21. 【請求項21】 逆相クロマトグラフィーカラムが、O
    Dカラムであることを特徴とする、請求項20記載の治
    療効果を検査する方法。
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