JP3535919B2 - 発泡性ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

発泡性ポリアミド樹脂組成物

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ポリアミド樹脂、特定
のフッ素雲母系鉱物及び発泡剤からなり、軽量で機械的
特性に優れた高剛性樹脂発泡体とすることができる樹脂
組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】ポリアミド樹脂成形体は、機械的特性や
耐熱性に優れているので、自動車や電気製品などの部品
として幅広く利用されている。しかし、ポリアミド樹脂
に発泡剤を添加して成形すると、軽量化はされるもの
の、引張強度や衝撃強度、初期弾性率などの機械的特性
が低下し、実用に供する発泡体を得ることができなかっ
た。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、軽量で機械
的特性に優れた高剛性発泡体を得るための発泡性ポリア
ミド樹脂組成物を提供しようとするものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリア
ミド樹脂と特定の膨潤性フッ素雲母系鉱物と発泡剤とか
らなる発泡性樹脂組成物とすることで、この目的が達成
されることを見出し、本発明に到達した。 【0005】すなわち本発明の要旨は、(a) ポリアミド
樹脂又はポリアミド樹脂を含む樹脂混合物 100重量部、
(b) 膨潤性フッ素雲母系鉱物 0.01 〜 100重量部、及び
(c)発泡剤 0.01 〜20重量部からなる発泡性ポリアミド
樹脂組成物にある。 【0006】以下、本発明について詳細に説明する。 【0007】本発明で用いるポリアミド樹脂は、アミノ
酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸とから形
成されるアミド結合を有する重合体を意味する。このよ
うなポリアミド樹脂を形成するモノマーの例を挙げる
と、次のようなものがある。 【0008】アミノ酸としては 6−アミノカプロン酸、
11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラ
アミノメチル安息香酸などがある。 【0009】ラクタムとしてはε−カプロラクタム、ω
−ラウロラクタムなどがある。 【0010】ジアミンとしてはテトラメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミン、 2,2,4−/ 2,4,4−トリ
メチルヘキサメチレンジアミン、 5−メチルノナメチレ
ンジアミン、 2,4−ジメチルオクタメチレンジアミン、
メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,
3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、 1−アミノ
− 3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、 3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロデカン、ビ
ス( 4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス( 3−メ
チル− 4−アミノシクロヘキシル)メタン、 2,2−ビス
( 4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノ
プロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどが
ある。 【0011】ジカルボン酸としてはアジピン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、 2
−クロロテレフタル酸、 2−メチルテレフタル酸、 5−
メチルイソフタル酸、 5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタ
ル酸、ジグリコール酸などがある。 【0012】本発明に用いるポリアミド樹脂として好ま
しいものとしては、ポリカプロアミド(ナイロン 6)、
ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘ
キサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメ
チレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレ
ンドデカミド(ナイロン 612)、ポリウンデカメチレン
アジパミド(ナイロン 116)、ポリウンデカンアミド
(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、
ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイ
ロンTMHT)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナ
イロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタル/イソフタ
ルアミド(ナイロン6T/6I)、ポリビス(1−アミノシ
クロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、
ポリビス(3−メチル− 4−アミノシクロヘキシル)メ
タンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリメタ
キシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリウンデカ
メチレンテレフタルアミド(ナイロン 11T)、ポリウン
デカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ナイロン
11T(H))及びこれらの共重合ポリアミド、混合ポリアミ
ドなどがある。中でも特に好ましいものはナイロン 6、
ナイロン46、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12及び
これらの共重合ポリアミド、混合ポリアミドである。 【0013】ここで用いられるポリアミド樹脂は、通常
公知の溶融重合法で、あるいはさらに固相重合法を併用
して製造される。 【0014】本発明で用いられるポリアミド樹脂の相対
粘度としては特に制限はないが、溶媒としてフェノール
/テトラクロルエタン=60/40(重量比)を用い、温度
25℃、濃度1g/dlの条件で求めた相対粘度で 1.5〜5.0
の範囲であることが好ましい。相対粘度が 1.5未満では
発泡体の機械的特性が低下するので好ましくない。逆に
これが 5.0を超えると樹脂組成物の成形性が急速に低下
するので好ましくない。 【0015】本発明おける(a) 成分がポリアミド樹脂を
含む樹脂混合物の場合には、ポリアミド樹脂以外の樹脂
としては、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレー
トなどが好ましく用いられ、この場合には、ポリアミド
樹脂の含有量が40重量%以上であることが好ましい。 【0016】本発明で用いられる膨潤性フッ素雲母系鉱
物は、タルクとナトリウム及び/又はリチウムの珪フッ
化物又はフッ化物の混合物を加熱処理して得られる。そ
の具体的方法としては特開平 2−149415号公報に開示さ
れた方法がある。すなわち、タルクを出発物質として用
い、これにナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン
をインターカレーションして膨潤性フッ素雲母系鉱物を
得る方法である。この方法ではタルクに珪フッ化物及び
/又はフッ化物を混合し、磁性ルツボ内で約 700〜1200
℃で短時間加熱処理することによってフッ素雲母系鉱物
が得られる。本発明で用いる膨潤性フッ素雲母系鉱物は
特にこの方法で製造されたものが好ましい。 【0017】膨潤性フッ素雲母系鉱物を得るためには、
珪フッ化物あるいはフッ化物を構成する金属はアルカリ
金属のうち、ナトリウムあるいはリチウムとすることが
必要である。これらのアルカリ金属は単独で用いてもよ
いし併用してもよい。アルカリ金属のうち、カリウムの
場合には膨潤性フッ素雲母系鉱物が得られないので好ま
しくないが、ナトリウムあるいはリチウムと併用し、か
つ限定された量であれば膨潤性を調節する目的で用いる
ことも可能である。また、タルクと混合する珪フッ化物
及び/又はフッ化物の量は混合物全体の10〜35重量%の
範囲が好ましく、この範囲を外れる場合は膨潤性フッ素
雲母系鉱物の生成收率が低下する。 【0018】上記方法で製造された膨潤性フッ素雲母系
鉱物は一般式として下記式(1)で表される構造を有す
る。 α(MF)・β(aMgF2 ・bMgO)・γSiO2 (1) (式中、Mはナトリウムまたはリチウムを表し、α、
β、γ、a及びbはそれぞれ係数を表し、 0.1≦α≦2
、 2≦β≦3.5 、 3≦γ≦4 、 0≦a≦1 、 0≦b≦1
、a+b=1 である。) 【0019】本発明でいう膨潤性とは、フッ素雲母系鉱
物がアミノ酸、ナイロン塩、水分子などの極性分子ある
いは陽イオンを層間に吸収することにより、層間距離が
拡がり、あるいはさらに膨潤へき開して、超微細粒子と
なる特性である。式(1)で表されるフッ素雲母系鉱物
はこのような膨潤性を示す。 【0020】本発明で用いる膨潤性フッ素雲母系鉱物
は、X線粉末法で測定してc軸方向の層厚みが 9〜20Å
のものである。 【0021】また本発明で用いる膨潤性フッ素雲母系鉱
物を製造する工程において、アルミナ(Al2 3 )を
少量配合し、生成する膨潤性フッ素雲母系鉱物の膨潤性
を調整することも可能である。 【0022】膨潤性フッ素雲母系鉱物を、ポリアミド樹
脂又はポリアミド樹脂を含む樹脂混合物中に分散させる
には、種々の方法を用いることができるが、ポリアミド
樹脂を形成するモノマー中に膨潤性フッ素雲母系鉱物を
所定量存在させた状態で重合する方法が特に好ましい。
この場合には、膨潤性フッ素雲母系鉱物がポリアミド樹
脂中に十分に細かくかつ均一に分散し、本発明の効果が
最も顕著に現れる。 【0023】膨潤性フッ素雲母系鉱物の配合量は、ポリ
アミド樹脂又はポリアミド樹脂を含む樹脂混合物 100重
量部に対して0.01〜 100重量部、好ましくは 0.1〜20重
量部である。配合量が0.01重量部未満では機械的強度、
耐熱性、寸法安定性の改良効果が得られず、100 重量部
を超えると靭性の低下が大きくなるので好ましくない。 【0024】本発明で用いられる発泡剤とは、膨潤性フ
ッ素雲母系鉱物が均一に分散されたポリアミド樹脂又は
ポリアミド樹脂を含む樹脂混合物に配合させ、実質的に
その樹脂組成物を発泡させることができる成分である。 【0025】発泡剤の配合量は、ポリアミド樹脂又はポ
リアミド樹脂を含む樹脂混合物 100重量部に対して 0.0
1 〜20重量部が好ましい。配合量が0.01重量部未満では
低比重の発泡体が得られにくく、20重量部を超えると十
分な強度を有する発泡体が得られにくい。 【0026】発泡剤としては、アゾ、 N−ニトロソ、複
素環式窒素含有及びスルホニルヒドラジド基の如き分解
しうる基を含有する化合物を挙げることができる。 【0027】その具体例としては、アゾジカルボンアミ
ド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシル
ニトリル、ジアゾアミノベンゼン、ジニトロソペンタメ
チレンテトラミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジニトロソ
テレフタルアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、4,
4'−オキシ−ビス(ベンゼンスルホニル)ヒドラジド、
ジフェニルスルホン−3,3'−ジスルホニルヒドラジド、
4−トルエンスルホニルヒドラジド、4,4'−オキシ−ビ
ス(ベンゼンスルホニル)セミカルバジド、 4−トルエ
ンスルホニルセミカルバジド、バリウムアゾジカルボキ
シレート、 5−フェニルテトラゾール、トリヒドラジノ
トリアジン、 4−トルエンスルフォニルアザイド、4,4'
−ジフェニルジスルフォニルアザイドなどである。 【0028】発泡剤としては、ガス状フルオロカーボ
ン、窒素、二酸化炭素、空気、ヘリウム、アルゴンなど
常温で気体のものや、液状フルオロカーボン、ペンタン
などの常温で液体のものも使用できる。 【0029】発泡剤を含有した樹脂組成物は、常法によ
り成形して発泡体とされる。例えば、膨潤性フッ素雲母
系鉱物を含有したポリアミド樹脂又はポリアミド樹脂
を、ペレット状もしくは粉末状にした後、発泡剤と混合
し、次いでこの混合物を成形機中に供給し、射出成形し
て発泡体を得ることができる。 【0030】また、発泡剤が気体や液体であるときに
は、溶融樹脂中に発泡剤を直接加えて均一分散液を得、
次いで射出成形により発泡体とすることができる。 【0031】本発明の発泡性ポリアミド樹脂組成物に
は、必要に応じて、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、
可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、成形性改良剤、難燃剤な
どの添加剤を含有させることができる。 【0032】 【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、実施例及び比較例の評価に用いた原料
及び測定法は次のとおりである。 (1)原料 1.膨潤性フッ素雲母系鉱物 ボールミルにより平均粒径が2μmとなるように粉砕し
たタルクに対し、平均粒径が同じく2μmの表1に示す
珪フッ化物を全量の20重量%となるように混合し、これ
を磁性ルツボに入れ、電気炉で1時間 800℃に保持し、
M−1及びM−2のフッ素雲母系鉱物を合成した。生成
したフッ素雲母系鉱物をX線粉末法で測定した結果、原
料タルクのc軸方向の厚み 9.2Åに対応するピークは消
失し、膨潤性フッ素雲母系鉱物の生成を示す12〜16Åに
対応するピークが認められた。 【0033】 【表1】【0034】2.発泡剤 アゾジカルボンアミド(ビニホール AC3、永和化成工業
社製)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(セルラ
ー D、永和化成工業社製) 【0035】(2)測定法 1.曲げ強度及び曲げ弾性率 ASTM D−790 に基づいて測定した。 2.アイゾット衝撃強度 ASTM D−256 に基づいて、3.2 mm厚みの試験片を用いて
測定した。 【0036】実施例1〜4及び比較例1 ε−カプロラクタム10kgに対して、1kgの水と400gの膨
潤性フッ素雲母系鉱物(M−1)を配合し、これを内容
量30リットルの反応缶に入れ、ε−カプロラクタムを重
合し、ナイロン6樹脂組成物を得た。重合反応は以下の
ごとく行った。すなわち、攪拌しながら原料混合物を 2
50℃に加熱し、徐々に水蒸気を放出しつつ15kg/cm2
圧力まで昇圧し、次いで常圧まで放圧した後、 260℃で
3時間重合した。重合の終了した時点で反応缶からナイ
ロン6樹脂組成物を払い出し、これを切断してペレット
とした。得られたナイロン6樹脂組成物のペレットを95
℃の熱水で処理して精練を行った後、真空乾燥した。こ
のペレット(相対粘度 2.5)100 重量部と発泡剤(ビニ
ホール AC3)0 〜 2.0重量部とを混合し、シリンダ温度
250℃、成形時間6秒、冷却時間6秒で射出成形を行
い、厚み 1/8 インチの試験片を作製し、物性試験を行
った。得られた結果を表2に示す。 【0037】 【表2】 【0038】比較例2〜6 相対粘度 2.5のナイロン6 100重量部と発泡剤(ビニホ
ール AC3)0 〜 2.0重量部とを混合し、実施例1〜4と
同様にして試験片を作製し、物性試験を行った。得られ
た結果を表3に示す。 【0039】 【表3】【0040】実施例5〜8及び比較例7 M−1の代わりにM−2を用い、ビニホール AC3の代わ
りにセルラー Dを用いた以外は、実施例1〜4と同様に
して試験片を作製し、物性試験を行った。得られた結果
を表4に示す。 【0041】 【表4】 【0042】比較例8〜12 ビニホール AC3の代わりにセルラー Dを用いた以外は、
比較例2〜6と同様にして試験片を作製し、物性試験を
行った。得られた結果を表5に示す。 【0043】 【表5】 【0044】 【発明の効果】本発明によれば、軽量で機械的特性に優
れた高剛性発泡体とすることができる発泡性ポリアミド
樹脂組成物を得ることができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−228435(JP,A) 特開 平2−305828(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/04 C08L 77/00 - 77/12

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (a) ポリアミド樹脂又はポリアミド樹脂
    を含む樹脂混合物 100重量部、(b) 膨潤性フッ素雲母系
    鉱物 0.01 〜 100重量部、及び(c) 発泡剤 0.01 〜20重
    量部からなる発泡性ポリアミド樹脂組成物。
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