JP3535096B2 - 磁気モジュレータの電圧および温度タイミング補償回路 - Google Patents

磁気モジュレータの電圧および温度タイミング補償回路

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全体としてパルス
電源、特に磁気モジュレータ回路におけるパルス伝搬遅
延とジッタとを制御するための装置と方法に関し、より
詳細には、エキシマ・レーザや他のガス放電レーザに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、高電圧、高電流、短時間持続電気
パルスを作り出すために磁気パルス圧縮回路(磁気モジ
ュレータ)を使用することが十分に論じられてきた(例
えば、1950年9月15日付け、Radio Sec
tion論文第1034号、ページ185−207、
W.S.メルヴィルの“パルス発生器用放電装置として
の可飽和リアクタの使用”を参照のこと)。特に、磁気
モジュレータは、エキシマ・レーザや他のパルス・ガス
放電レーザについて、パルス・ガス放電を駆動するため
に有利に応用されてきた(例えば、1993年1月5日
付けのボール他による米国特許第5,177,754号
を参照のこと)。
【0003】磁気モジュレータにおけるパルス伝搬遅延
は、それぞれの磁気スイッチ要素のコアを飽和させるの
に必要な電圧−秒積特性に依存する。どのコアにとって
も、電圧−秒積はほぼ不変であるので、異なる電圧レベ
ルで作動すると、一般的に、マスタ・トリガからのトリ
ガ信号に対して異なるパルス伝播またはスループットの
遅延が生じる(より高電圧では、より短い遅延、より低
い電圧では、より長い遅延)。しかしながら、ある用途
においては、測定事象がマスタ・トリガからのトリガ信
号に対して時間を決めることができるように、可変作動
電圧レベルに関係なく一定の伝搬遅延を維持することが
重要である。また、マスタ・トリガからのトリガ信号に
対する出力パルスのタイミングにおけるジッタもしくは
変動も、これらの用途において重要な場合がある。加え
て、温度変動が、パルスタイミングにおける伝搬遅延お
よび/またはジッタ中の変動となる場合がある。
【0004】従来、磁気モジュレータにおけるパルス伝
搬遅延とジッタを制御するための回路が使用されてきた
が、一般的にこれらがもたらす補償は、複雑かつ柔軟性
がなく、および/または比較的未完成で、さらに不正確
であった(例えば、1991年、カリフォルニァ州サン
ディエゴで開催の第8回IEEE国際パルス電源会議に
おける、カタログ#91CH3052−8、ヒル他によ
る、「磁気モジュレータに使用される信頼性のある高繰
り返し速度サイラトロン・グリッド・ドライバ」を参照
のこと)。
【0005】従来技術における電圧タイミング補償回路
(例えば、サイマELS5600データDOC.ID:
ICLACY00.EPS参照のこと)は、磁気モジュ
レータが高電圧の下で作動する場合、マスタ・トリガか
らのトリガ信号に低レベルの遅延を加算することで、異
なる電圧での遅延変動を補償する。
【0006】従来技術の電圧タイミング補償回路は、磁
気モジュレータの初期作動段電圧を、マスタ・トリガ開
始直前にサンプリングすることにより作動する。サンプ
リングされた電圧は、その後ディジタル化されてディジ
タル遅延発生器を駆動するために使用され、これはサン
プリング電圧に比例するタイミング遅延を低レベルのト
リガ信号に対して加算する。つまり、前記従来技術によ
れば、電圧に関するパルス伝搬遅延の実際の依存関係が
非線形であるのに対して、遅延補償は作動電圧に対して
線形である。
【0007】磁気スイッチ要素の電圧−秒積特性が温度
依存性であることから、特定の従来技術の装置は、公称
設計周囲温度に関連する作動温度での変動により引き起
こされる遅延変動を修正するための、温度タイミング補
償回路を備えている。
【0008】特定の従来技術の実施の形態によれば、こ
の温度タイミング補償回路は、システムの概略温度特性
を合成するRC要素を備えている。
【0009】この技術に必要なことは、従来技術に比べ
てより正確に電圧および/または温度の影響の補償を行
う、磁気モジュレータのタイミング補償用の簡単かつ信
頼性のある回路である。この技術において更に必要なこ
とは、簡単、正確かつ信頼性のある、他の独立変数に応
じた磁気モジュレータのパルスタイミングを制御をする
ための回路である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、全体としてパ
ルス電源、特に磁気モジュレータ回路におけるパルス伝
搬遅延とジッタとを制御するための装置と方法に関し、
より詳細には、エキシマ・レーザや他のガス放電レーザ
に関する。
【0011】本発明のある実施の形態において、一般的
には電圧について線形関数でなく非線形関数である、パ
ルス・タイミング遅延に対するより正確な非線形補償を
もたらす関数発生器を組み合わせることで従来技術の電
圧タイミング補償回路に対する改良が達成される。
【0012】本発明の他の実施の形態において、比較的
簡単な補償回路を使用しながら、従来技術の温度合成で
もたらされるものより正確な温度タイミング補償を行う
ためのタイミング補償回路を駆動する目的で行われ使用
される、実温度測定をもたらすことで、従来技術の温度
タイミング補償回路に関する改良が達成される。
【0013】更なる実施の形態において、タイミング補
償回路は、電圧と温度とのタイミング補償の両方を兼ね
備える。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、全体としてパルス電
源、特に磁気モジュレータ回路におけるパルス伝搬遅延
とジッタとを制御するための装置と方法に関し、より詳
細には、エキシマ・レーザや他のガス放電レーザに関す
る。
【0015】図1は、この技術分野でよく知られた、一
般的な磁気モジュレータ回路10の簡単化された概略図
である(例えば、これらの全てが本明細書に参照として
組み込まれている、バークス他による米国特許出願番号
08/739,873、1996年10月31日出願、
およびパートロ他による米国特許出願番号[代理人整理
番号97−0078−1号]、1997年12月15日
出願を参照のこと)。回路10は、直流充電電源12
と、初期作動段コンデンサC0と、半導体トリガ・スイ
ッチSと、持続時間を圧縮し、一般的にはエキシマ・レ
ーザ等のパルス・ガス放電である、負荷18に印加され
るパルスのピーク・パワーを増大するためのパルス圧縮
回路16とから構成される。
【0016】圧縮回路16は、コンデンサ群C1
2,...、Cn-1およびCnと、可飽和インダクタ
1,L2,...、Ln-1で示される1つ以上の磁気ス
イッチ要素を含む磁気パルス圧縮段の梯子型回路網から
構成される。つまり、第1の可飽和インダクタL1は、
コンデンサC1とC2との間に接続され、第2の可飽和イ
ンダクタL2はコンデンサC2とC3...、との間に直
列に接続でき、可飽和インダクタLn-1はCn-1とCn
の間に直列に接続される。
【0017】回路10はさらに、回路10が逆方向電流
に対しては非導通であることを確実なものにするため、
トリガ・スイッチSに直列に接続されるダイオードDS
を備えることが好ましい。例示的に回路10はさらに、
トリガ・スイッチSの破損を防ぐために、トリガ・スイ
ッチSを通る電流の増大を緩やかにするためのLC時定
数を定める目的で、コンデンサC1に関連して選択され
たインダクタL0から構成される。トリガ・スイッチS
は一般的に、例示的にはトリガ入力回路24とスイッチ
・トリガ回路26である本技術分野ではよく知られてい
る低レベル・トリガ回路に相互接続されている。
【0018】作動において、トリガ入力回路24は、低
レベルのトリガ信号を発生し、これはその後にトリガ・
スイッチSを閉成し、充電電源12により初期電圧VC
0に充電されている初期作動段コンデンサC0からのパル
ス電力を放電する。パルス電力は圧縮回路16に入り、
パルスが圧縮回路16の梯子型回路網にある可飽和イン
ダクタL1,L2,...,Ln-1,を通り負荷18へと
伝搬するにつれて、そのパルス幅は狭くなり、パルス振
幅は大きくなる。
【0019】磁気モジュレータの全体的なパルス伝搬遅
延は、低レベル・スイッチ・トリガの遅延に、磁気パル
ス圧縮段を通るそれぞれのパルス伝搬遅延の合計を加え
たものになる。磁気モジュレータにおけるパルス伝搬
は、それぞれの磁気スイッチ要素のコアを飽和するのに
必要な比較的一定の電圧−秒積特性に依存するので、一
般的に異なる電圧レベルでの作動は、トリガ入力回路2
4によるトリガ開始に比べて、異なるパルス伝搬遅延ま
たはスループット遅延(より高い電圧においてはより短
い遅延であり、より低い電圧においてはより長い遅延)
を結果としてもたらす。
【0020】図2Aは、電圧タイミング補償がない場合
の磁気モジュレータにおける電圧に関するタイミング遅
延の一般的な依存関係を示すグラフである。依存関係は
線形でなく、タイミング遅延の平均変動は、定温におい
て電圧範囲が550Vから800Vの電圧範囲に亘って
約2μ秒である。グラフは、25℃から55℃の温度範
囲に亘り、温度に対するタイミング遅延の依存関係が約
3.3μ秒であることを示している。
【0021】特定の磁気モジュレータの用途において、
測定事象がトリガ開始に対して時間決めできるように、
可変作動電圧レベルに関係なく一定の伝搬遅延を維持す
ることが望ましい。また、トリガ開始に対する出力パル
スタイミングにおけるタイミングのジッタもしくは変動
がこの用途では重要な場合もある。
【0022】図2Bは、従来型の線形電圧タイミング補
償回路用電圧についての、電圧に対するパルスタイミン
グ遅延の測定依存関係を示すグラフである。時間遅延変
動が、図2A(図2Aと図2Bとの間の垂直方向スケー
ルの変化に注意されたい)に示される補償がない状態に
比べて小さくなっているが、非直線性が補償されていな
いので、なお温度と電圧に対して実質的な時間遅延変動
がある。
【0023】本発明によれば、磁気モジュレータのそれ
ぞれの磁気パルス圧縮ステージを通る伝搬遅延の総計
が、高電圧での作動に対してはより短くなっているが、
モジュレータの全体的な伝搬遅延は、低レベル・スイッ
チのトリガ遅延に正確な非直線性の補償遅延を加算する
ことによって実質的に一定に保たれる。
【0024】図3は、本発明による、電圧タイミング補
償回路120を組み込んだ磁気モジュレータ回路110
のブロック図である。磁気モジュレータ回路10(図1
を参照)と同様に、磁気モジュレータ110は、初期作
動段コンデンサに接続される充電電源を含み、それは順
にトリガ・スイッチと磁気パルス圧縮段を通って負荷に
相互接続される。特定の実施の形態において、磁気モジ
ュレータ回路110はさらに、1つ以上のインダクタ
(明瞭化のために図示せず)と、1つ以上のダイオード
(明瞭化のために図示せず)をトリガ・スイッチに直列
に含んでもよい。さらに、トリガ・スイッチは、例示的
にはトリガ入力回路とスイッチ・トリガ回路である、こ
の技術分野ではよく知られている低レベル・トリガ回路
に相互接続されている。
【0025】磁気モジュレータ回路110の電圧タイミ
ング補償回路120は、初期作動段コンデンサの高電圧
端子に接続された入力端子を有する電圧モニタ回路を含
む。電圧モニタ回路は、この技術分野ではよく知られて
いるで電圧デバイダおよび/または、他の回路から構成
される。電圧モニタ回路の出力端子は、従来型のアナロ
グ/ディジタル(A/D)コンバータの入力端子に、関
数発生器回路を介して相互接続される。A/Dコンバー
タの出力端子は、順に、従来型のディジタル遅延発生器
の制御用端子に接続され、ディジタル遅延発生器は、ト
リガ入力回路と磁気モジュレータ回路110のスイッチ
・トリガ回路との間に直列に接続される。ディジタル遅
延発生器は、トリガ入力回路の出力端子に接続される入
力端子とスイッチ・トリガ回路の入力端子に接続される
出力端子とを有する。
【0026】作動において、電圧タイミング補償回路1
20は、トリガ入力回路によるトリガ開始に先立って磁
気モジュレータ回路110の初期作動段コンデンサ電圧
VC0をサンプリングする。サンプリングされた電圧は
その後処理をされ、ディジタル化され、ディジタル遅延
発生器を駆動するために印加されて、サンプリング電圧
に応じてタイミング補償遅延を低レベル・トリガ信号へ
加算する。
【0027】電圧モニタ回路は、トリガ入力回路による
低レベル・トリガ信号の開始に先立ってトリガ・スイッ
チが開である期間に、初期作動段コンデンサ上の電圧V
0をサンプリングする。その後、サンプリング電圧は
関数発生器回路に印加され、サンプリング電圧に応じ
て、実際の非線形遅延に対する電圧の関数の逆数を正確
に表す所定信号を発生させることで非線形補償を行う
(図2A参照)。
【0028】関数発生器の出力信号はその後、A/Dコ
ンバータに印加されてディジタル化され、ディジタル遅
延発生器を駆動するよう印加される。ディジタル遅延発
生器はその後、サンプリング電圧に応じてタイミング補
償遅延をトリガ入力回路からの低レベル・トリガ信号へ
加算する。遅延トリガ信号はその後、スイッチ・トリガ
回路に印加されてトリガ・スイッチを閉じる。磁気モジ
ュレータ回路110はその後、従来通りに作動する。
【0029】磁気スイッチ要素の電圧−秒積特性が温度
に依存するので、特定の実施の形態は、公称設計周囲温
度に関する作動温度の変動により引き起こされる遅延変
動を補正するための温度タイミング補償回路を備える。
図4は、本発明による温度タイミング補償回路220が
組み込まれている磁気モジュレータ210のブロック図
である。
【0030】磁気モジュレータ回路110(図3参照)
と同様に、磁気モジュレータ210は、初期作動段コン
デンサに接続される充電電源を含み、それは順に、トリ
ガ・スイッチと磁気パルス圧縮段とを通して負荷に相互
接続される。特定の実施の形態において、磁気モジュレ
ータ回路210はさらに、1つ以上のインダクタ(明瞭
化のために図示せず)と、1つ以上のダイオード(図示
せず)とをトリガ・スイッチに直列に含んでもよい。さ
らに、トリガ・スイッチは、例示的にはトリガ入力回路
とスイッチ・トリガ回路である、本技術分野ではよく知
られている低レベル・トリガ回路に相互接続されてい
る。
【0031】磁気モジュレータ回路210の温度タイミ
ング補償回路220は、従来型の温度センサに接続され
た入力端子を有する温度モニタ回路を含む。温度モニタ
回路は、従来よく知られているインピーダンス変成器、
増幅器、比較器および/または他の回路から構成され
る。
【0032】温度モニタ回路の出力端子は、従来型のA
/Dコンバータの入力端子に随意的なリミッタもしくは
関数発生器回路を介して相互接続される。A/Dコンバ
ータの出力端子は、順に従来型のディジタル遅延発生器
の制御用端子に接続され、ディジタル遅延発生器はトリ
ガ入力回路と磁気モジュレータ回路210のスイッチ・
トリガ回路との間に直列接続される。ディジタル遅延発
生器は、トリガ入力回路の出力端子に接続された入力端
子と、スイッチ・トリガ回路の入力端子に接続された出
力端子とを有する。
【0033】作動において、温度タイミング補償回路2
20は温度を検知し、入力電圧を生成する。この入力電
圧はその後ディジタル化され、ディジタル遅延発生器を
駆動するために印加され、ディジタル遅延発生器は、温
度変化に起因する遅延変動を補償するタイミング遅延を
低レベル・トリガ信号に加算する。
【0034】温度モニタ回路は温度センサからの出力を
サンプリングする。温度モニタ回路はその後サンプリン
グ出力を増幅された電圧に変換して、公称設計温度を表
す基準電圧と比較し、差電圧を発生する。差電圧はその
後、温度モニタ回路の出力端子から随意的なリミッタま
たは関数発生器回路に印加されて、さらに処理されて、
A/Dコンバータの入力端子に印加される。特定の実施
の形態において、差電圧は、温度モニタ回路の出力端子
から直接A/Dコンバータの入力端子に印加される。
【0035】A/Dコンバータへの入力電圧は、ディジ
タル化されてディジタル遅延発生器を駆動するために印
加される。ディジタル遅延発生器はその後、磁気モジュ
レータ110と同様に、トリガ入力回路からの低レベル
・トリガ信号に対してタイミング遅延を加算する。この
遅延トリガ信号はその後スイッチ・トリガ回路に印加さ
れてトリガ・スイッチを閉じる。
【0036】公称設計温度未満の温度では、一般的に如
何なる温度補償遅延も回路に加算されない。公称設計温
度もしくはそれを超える温度においては、磁気飽和磁束
密度(すなわち電圧−秒積特性)が温度上昇に伴って降
下するので、一般に磁気スイッチは低い温度の場合より
も早期に飽和する。結果として、温度が上昇すると、よ
り短い飽和時間(一定電圧に対して)に対する補償を行
うよう余分な遅延が加算される。
【0037】従来技術に比べて、やはり比較的簡単な補
償回路を使用しながら、より正確なタイミング遅延補償
のためのタイミング補償回路を駆動するように実温度の
計測が行われて使用される。
【0038】別の実施の形態において、タイミング補償
回路は電圧および温度タイミング補償の両者を備えてい
る。図5は、電圧および温度タイミング補償回路320
が組み込まれた磁気モジュレータ回路310のブロック
図である。
【0039】磁気モジュレータ回路110および210
(図3および図4参照)と同様に、磁気モジュレータ回
路310は、初期作動段コンデンサに接続される充電電
源を含み、順に、トリガ・スイッチと磁気パルス圧縮段
とを介して負荷に相互接続される。特定の実施の形態に
おいて、磁気モジュレータ回路310はさらに、1つ以
上のインダクタ(明瞭化のために図示せず)と、1つ以
上のダイオード(明瞭化のために図示せず)とをトリガ
・スイッチに直列に含むことができる。さらに、トリガ
・スイッチは、例示的にはトリガ入力回路とスイッチ・
トリガ回路である、本技術分野ではよく知られている低
レベル・トリガ回路に相互接続されている。
【0040】磁気モジュレータ回路310の電圧および
温度タイミング補償回路320は、従来型の温度センサ
に接続された入力端子を有する温度モニタ回路を含む。
温度モニタ回路の出力端子は、加算器回路の入力端子に
随意的なリミッタまたは関数発生器回路を介して相互接
続されている。
【0041】電圧および温度タイミング補償回路320
はさらに、初期作動段コンデンサの高電圧端子に接続さ
れた入力端子を有する電圧モニタ回路を含む。この電圧
モニタ回路の出力端子は、加算器回路の入力端子に関数
発生器回路を介して相互接続されている。
【0042】加算器回路の出力端子は、従来型のA/D
コンバータの入力端子に接続される。A/Dコンバータ
の出力端子は、従来型のディジタル遅延発生器の制御端
子に接続され、ディジタル遅延発生器はトリガ入力回路
と磁気モジュレータ回路310のスイッチ・トリガ回路
との間に直列接続される。ディジタル遅延発生器は、ト
リガ入力回路の出力端子に接続された入力端子と、スイ
ッチ・トリガ回路の入力端子に接続された出力端子とを
有する。
【0043】作動において、電圧および温度タイミング
補償回路320は、電圧タイミング補償回路120と温
度タイミング補償回路220とが組み合わされた機能を
達成する(図3および図4参照)。
【0044】温度モニタ回路は温度センサからの出力を
サンプリングする。温度モニタ回路はその後、サンプリ
ング出力を増幅された電圧に変換し、公称設計温度を表
す基準電圧と比較して差電圧を発生する。差電圧はその
後、温度モニタ回路の出力端子から、リミッタもしくは
関数発生器回路に印加されて更に処理され、その後加算
器回路の入力端子に印加される。特定の実施の形態にお
いて、差電圧は、温度モニタ回路の出力端子から直接加
算器回路の入力端子に印加される。
【0045】電圧モニタ回路は、初期作動段コンデンサ
が充電され、トリガ・スイッチが開である期間に、初期
作動段コンデンサ上の電圧VC0をサンプリングする。
サンプリング電圧は、電圧モニタ回路の出力から関数発
生器回路に印加されて、加算器回路の入力端子に印加さ
れる前に更に処理される。
【0046】加算器回路は、電圧モニタ回路の処理出力
を温度モニタ回路の出力(随意的なリミッタまたは関数
発生器回路によって更に処理されるか否かによらず)に
加算し、加算信号をA/Dコンバータの入力端子に印加
してディジタル化し、ディジタル遅延発生器を駆動する
よう印加される。特定の実施の形態にあっては、電圧モ
ニタ回路と温度モニタ回路との出力は個別にディジタル
化され、その後ディジタル遅延発生器を駆動するために
ディジタル的に加算される。ディジタル遅延発生器はそ
の後、電圧と温度との両方に起因する遅延変動とジッタ
とに対して補償を行うタイミング遅延を、トリガ入力回
路からの低レベル・トリガ信号に加算する。遅延トリガ
信号はその後、スイッチ・トリガ回路に印加されてトリ
ガ・スイッチを閉成する。
【0047】本発明は、タイミング補償回路が温度およ
び/または電圧を独立変数としてサンプリングし、磁気
モジュレータを作動させるために適切なトリガ遅延を発
生させる実施の形態に関連して説明されているが、当業
者であれば、ここで教示される装置と方法とは異なる用
途に適用できることが分かる。例えば、簡単な変更を行
うことで、他の独立変数を個別に、または組み合わせて
サンプリングすることができ、装置またはシステムのタ
イミングを制御するためにタイミング遅延を発生させる
よう印加することができる。他の独立変数としては、環
境、条件、およびプロセスのパラメータの値域を挙げる
ことができる。
【0048】本発明は、特定の好適な実施の形態に関連
して説明されているが、さらに当業者には明らかな他の
実施の形態も本発明の範囲に含まれる。つまり、本発明
の範囲は請求範囲によってのみ定義されるよう意図され
ている。 [図面の簡単な説明]
【図1】本技術分野でよく知られた、一般的な磁気モジ
ュレータ回路の単純化された概略図である。
【図2A】電圧タイミング補償されていない磁気モジュ
レータについての、電圧に対するタイミング遅延の一般
的な依存関係を示すグラフである。
【図2B】従来技術による、従来型の線形電圧タイミン
グ補償についての、電圧に対するパルス・タイミング遅
延の測定された依存関係を示すグラフである。
【図3】本発明による、電圧タイミング補償回路が組み
込まれた磁気モジュレータ回路のブロック図である。
【図4】本発明による、温度タイミング補償回路が組み
込まれている磁気モジュレータ回路のブロック図であ
る。
【図5】本発明による、電圧および温度タイミングとが
組み合わされた補償回路が組み込まれている磁気モジュ
レータ回路のブロック図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ネス リチャード エム アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92126 サン ディエゴ シトラス ヴ ィュー コート 9248 (72)発明者 パートロ ウィリアム エヌ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92064 ポーウェイ ペドリザ ドライ ヴ 12634 (72)発明者 サンドストローム リチャード エル アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92024 エンシニタス トレイルヴィュ ー ロード 305 (56)参考文献 特表 平10−503078(JP,A) 国際公開96/032770(WO,A1) Daniel Brix,FERRI TE RESEARCH AIME D AT IMPROVING INDU CTION,1992年10月15日 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 3/00 H01S 3/097 H03K 3/45

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 初期作動段コンデンサにおける電圧変動
    のためにタイミング補償を与える、ガス放電レーザの磁
    気モジュレータのパルス遅延タイミング補償用の回路で
    あって、 磁気モジュレータの初期作動段コンデンサの端子と相互
    接続された電圧プローブに接続される第1モニタ入力端
    子と、第1モニタ出力端子とを有する第1モニタと; 前記第1モニタ出力端子と相互接続されるディジタイザ
    入力端子と、ディジタイザ出力端子とを有するディジタ
    イザと;前記第1モニタからの電圧信号に応答して遅延を表す信
    号を生成するための関数発生器であって、 前記第1モニ
    タ出力端子と前記ディジタイザ入力端子との間に相互接
    続される関数発生器と; 別個の第1端子、第2端子、および第3端子を有し、前
    記第1端子は前記ディジタイザ出力端子に接続され、前
    記第2端子はトリガ入力回路に相互接続され、前記第3
    端子は前記磁気モジュレータのトリガ・スイッチに相互
    接続されているディジタル・タイミング遅延発生器とを
    備え、前記初期作動段コンデンサにおける電圧変動を補償し
    て、前記トリガースイッチ及びパルス放電を作動させる
    ための信号の間にほぼ一定の遅延を生成する 回路。
  2. 【請求項2】 前記第1モニタとは異なっており、入力
    装置に接続される第2モニタ入力端子と、第2モニタ出
    力端子を有する少なくとも1つの第2モニタと; 加算器出力端子、第1加算器入力端子および前記第1加
    算器入力端子とは異なる第2加算器入力端子とを有し、
    前記第1および第2加算器入力端子が前記関数発生器お
    よび前記第2モニタ出力端子にそれぞれ相互接続され、
    前記加算器出力端子が前記ディジタイザ入力端子に接続
    されている、少なくとも1つの加算器回路と; をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の回
    路。
  3. 【請求項3】 前記入力装置が温度センサを備えること
    を特徴とする請求項2に記載の回路。
  4. 【請求項4】 更に、前記第2モニタ出力端子と前記第
    2加算器入力端子との間に相互接続される信号処理装置
    を備えることを特徴とする請求項2に記載の回路。
  5. 【請求項5】 前記信号処理装置が、関数発生器とリミ
    ッタからなるグループから選択されることを特徴とする
    請求項4に記載の回路。
  6. 【請求項6】 磁気モジュレータにおける温度変動のた
    めにタイミング補償を与える、ガス放電レーザの磁気モ
    ジュレータのパルス遅延タイミング補償用の回路であっ
    て、 入力装置に接続されるモニタ入力端子と、モニタ出力端
    子とを有するモニタと; 前記モニタ出力端子に相互接続されるディジタイザ入力
    端子と、ディジタイザ出力端子とを有するディジタイザ
    と;前記モニタからの信号に応答して遅延を表す信号を生成
    するための関数発生器であって、前記モニタ出力端子と
    前記ディジタイザ入力端子との間に相互接続される関数
    発生器と; 別個の第1端子、第2端子、および第3端子を有し、前
    記第1端子が前記ディジタイザ出力端子に接続され、前
    記第2端子がトリガ入力回路に相互接続され、前記第3
    端子が前記磁気モジュレータのトリガ・スイッチに相互
    接続されるディジタル・タイミング遅延発生器とを備
    え、前記磁気モジュレータにおける温度変動を補償して、前
    記トリガースイッチ及びパルス放電を作動させるための
    信号の間にほぼ一定の遅延を生成する 回路。
  7. 【請求項7】 前記入力装置が、温度センサを備えるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の回路。
  8. 【請求項8】 更に、前記モニタ出力端子と前記ディジ
    タイザ入力端子との間に相互接続される信号処理装置を
    備えることを特徴とする請求項6に記載の回路。
  9. 【請求項9】 前記信号処理装置が、関数発生器とリミ
    ッタからなるグループから選択されることを特徴とする
    請求項8に記載の回路。
  10. 【請求項10】 トリガ・スイッチに直列に相互接続さ
    れた初期作動段コンデンサを有するガス放電レーザの
    気モジュレータのパルス遅延タイミングを制御する方法
    であって、 前記トリガ・スイッチが開成され、前記初期作動段コン
    デンサが充電される期間に、前記初期作動段コンデンサ
    の端子における電圧をサンプリングする段階と; 前記サンプリング電圧に応じて非線形関数を発生する段
    階と; タイミング遅延を発生する段階と; トリガ信号を開始する段階と; 遅延トリガ信号を生成するために、前記タイミング遅延
    を前記トリガ信号に加算する段階と; 前記遅延トリガ信号を、前記トリガ・スイッチを閉成す
    るために印加する段階と; を備え、前記初期作動段コンデンサにおける電圧変動の
    ために前記ガス放電レーザの放電パルスのタイミングを
    補償する方法。
  11. 【請求項11】 前記タイミング遅延を発生する段階が
    さらに、ディジタル信号を生成するよう前記非線形関数
    をディジタル化することを含み、前記タイミング遅延が
    前記ディジタル信号に応じて発生されることを特徴とす
    る請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記タイミング遅延を発生する段階が
    さらに、 独立変数をサンプリングする段階と; 前記独立変数に応じて第2電圧を発生する段階と; 合成電圧を生成するため、前記第2電圧を前記非線形関
    数に加算する段階と; ディジタル信号を生成するよう前記合成電圧をディジタ
    ル化する段階と; を備え、前記タイミング遅延は前記ディジタル信号に応
    じて発生されることを特徴とする請求項10に記載の方
    法。
  13. 【請求項13】 前記独立変数が温度であることを特徴
    とする請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 さらに、前記非線形関数に前記第2電
    圧を加算することに先立って、前記第2電圧を信号処理
    することを備える請求項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記信号処理が、リミットすることと
    関数を発生させることとからなるグループから選択され
    ることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 トリガ・スイッチに直列に相互接続さ
    れた初期作動段コンデンサを有する、ガス放電レーザの
    磁気モジュレータのパルス遅延タイミングを制御する方
    法であって、前記磁気モジュレータの 独立変数をサンプリングする段
    階と; 前記独立変数に応じて非線形関数を発生する段階と; タイミング遅延を発生する段階と; トリガ信号を開始する段階と; 遅延トリガ信号を生成するように前記タイミング遅延を
    前記トリガ信号に加算する段階と; 前記トリガ・スイッチを閉成するために前記遅延トリガ
    信号を印加する段階とを備え、前記独立変数における変動のために前記ガス放電レーザ
    の放電パルスのタイミングを補償して、前記トリガース
    イッチ及びパルス放電を作動させるための信号の間にほ
    ぼ一定の遅延を生成する 方法。
  17. 【請求項17】 前記独立変数が温度であることを特徴
    とする請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記タイミング遅延を発生する段階が
    さらに、ディジタル信号を生成するように前記電圧をデ
    ィジタル化することを備え、前記タイミング遅延が前記
    ディジタル信号に応じて発生されることを特徴とする請
    求項16に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記タイミング遅延を発生する段階が
    さらに、処理信号を生成するように前記電圧を信号処理
    することを備え、前記タイミング遅延は前記処理信号に
    応じて発生されることを特徴とする請求項16に記載の
    方法。
  20. 【請求項20】 前記信号処理が、リミットすることと
    関数を発生させることとからなるグループから選択され
    ることを特徴とする請求項19に記載の方法。
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