JP3534841B2 - 導電性接着剤組成物及びこれを用いる導電性接着テープ - Google Patents
導電性接着剤組成物及びこれを用いる導電性接着テープInfo
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Description
びこれを用いる導電性接着テープに関し、詳しくは、接
着性物質と共に、所定のプロトン酸によってドープされ
た導電性ポリアニリンを導電性成分として含む導電性接
着剤組成物と、このような導電性接着剤組成物の層を基
材上に形成してなる導電性接着テープに関する。
物及び導電性接着テープは、導電性、機械的特性及び接
着特性がバランスよくすぐれており、電子機器用の導電
性部材、電子部品等の搬送材料、その他導電性が必要と
される用途に好適に用いることができる。
電性とを兼ね備えており、従来、コンピューター、通信
機器、増幅器等の電子機器を収納するプラスチック容器
の電磁波シールドや、電気部品のアース線、固定と振動
の防止とを兼ねる漏洩電流除去材、IC、LSI等の半
導体や電子部品の搬送材料、摩擦帯電により発生した静
電気の放電による発火の防止、結露や凍結を防止するた
めの微弱発熱体等に用いられている。
来、金属粉末や金属繊維、金属酸化物粉末、金属酸化物
ウィスカー、カーボンブラック、グラファイト等の導電
性充填材を接着性物質中に分散させて導電性接着剤組成
物を調製し、これを基材の片面に塗布し、層を形成させ
てなるものが用いられている。
中に分散させて、導電性を有する接着剤組成物を得るに
は種々の問題がある。即ち、接着性物質に導電性充填材
を配合して導電性とするためには、接着性物質中に分散
させた導電性充填材が相互によく接触する程度に充填材
を多量に配合するか、又は導電性充填材が粒子状である
ときは、その粒子の直径を基材上の組成物の層の厚みと
同じ程度にする必要があるが、余りに多量に配合した
り、或いは充填材の粒子の直径を大きくしすぎると、得
られる組成物の接着特性が低下して、接着テープとして
の本来の機能が損なわれることとなる。逆に、得られる
接着剤組成物の接着特性を重視して、導電性充填材の配
合量を少なくするか、或いは充填材の粒子の直径を小さ
くすると、接着特性は良好にすることができても、導電
性が低くなり、導電性接着テープとして使用するうえ
で、不都合が生じてくる。
配合することによって導電性を得ようとするとき、パー
コレーション・モデルでは、16重量%以上添加する必
要があるが、導電性充填材の配合量を高めていくと、得
られるプラスチックの機械的特性は一般に低下する。例
えば、ホットメルト型導電性接着剤の場合も同様であっ
て、接着剤中に粒子状の導電性充填材を添加していくに
つれて、接着特性が低下する。更に、導電性充填材が粒
子状の場合、配合量が上記16重量%を越えるときは、
電導度が一挙に高くなり、10-3〜10-6S/cm程度の
半導電性領域のものを得ることができない。
に用いられている導電性充填材は、金属粉末、金属繊
維、金属酸化物粉末、金属酸化物ウィスカー、カーボン
ブラック粉末、グラファイト粉末、炭素繊維等のよう
に、炭素系材料を除けば、金属又は金属酸化物からなる
無機材料が殆どである。他方、接着剤としては、従来、
天然ゴム、合成ゴム、ハードセグメントとソフトセグメ
ントを有するブロックコポリマー、アクリル系ポリマー
等の有機物質が用いられており、このような有機物質
は、上記したような無機材料との親和性に乏しく、無機
材料と均一に混合することが非常に困難である。上記炭
素系材料からなる導電性充填材も、その物性を考慮する
と、むしろ無機材料に近いものであり、従って、同様
に、接着剤と均一に混合することが非常に困難である。
以上が上述した問題の根本的な原因である。
性接着テープにおける上記した問題を解決するためにな
されたものであつて、導電性、機械的特性、接着特性が
バランスよくすぐれている導電性接着剤組成物及びこれ
を用いる導電性接着テープを提供することを目的とす
る。
剤組成物は、長鎖アルキル基を分子内に有するプロトン
酸によってドープされた導電性ポリアニリンを含むこと
を特徴とする。また、本発明による導電性接着テープ
は、基材上に導電性接着剤組成物の層が形成されてなる
導電性接着テープにおいて、導電性接着剤組成物が長鎖
アルキル基を分子内に有するプロトン酸によってドープ
された導電性ポリアニリンを含むことを特徴とする。
ニリン、即ち、ドーパントを含むポリアニリンとして
は、後述する接着性物質と均一に混和し得るものであれ
ば、従来、知られているものすべてを用いることができ
る。通常、ドープされているポリアニリンは、粉末とし
て入手することができる。しかし、電解重合法により電
極上でフィルム状態で得られるものは、一般に高度に架
橋しており、粉末にならず、接着性物質と混合すること
ができないので、本発明において用いるに適しない。電
解重合法によるポリアニリンでも、例えば、特公平5−
55533号公報に記載されているものは、電極上で粉
末状態で得られるので、本発明において用いることがで
きる。
ができるポリアニリンは、脱ドープ状態において、N−
メチル−2−ピロリドンに溶解する溶剤可溶性ポリアニ
リンであって、その製造方法及び性質等については、特
開平3−28229号公報に詳細に記載されている。そ
のようなポリアニリンは、繰返し単位がキノンジイミン
構造とフェニレンジアミン構造とからなっており、これ
ら構造の割合はほぼ1:1であって、一般に、エメラル
ディン塩基と呼ばれているものである。ここでは、酸化
脱ドープ型ポリアニリンということとする。
酸解離定数pka値が4.8以下のプロトン酸を作用させ
ることによって、本発明において好ましく用いることが
できるドープ状態の導電性のポリアニリンを得ることが
できる。本発明によれば、長鎖アルキル基を分子内に有
するプロトン酸をドーパントとして用い、上記酸化脱ド
ープ型ポリアニリンをドーピングして導電性ポリアニリ
ンとし、これを接着性物質と共に均一に混和して、導電
性接着剤組成物を得るものである。
アニリンのドーピングに際しては、用いるプロトン酸が
常温で液体であれば、これをそのまま、直接にポリアニ
リンに作用させてもよく、また、常温で固体であって
も、加熱によって溶融し、液体とするものであれば、加
熱して溶融させ、これを直接にポリアニリンに作用させ
ればよい。必要ならば、適宜の溶剤に溶解して溶液と
し、これをポリアニリンに作用させてもよい。溶液を用
いる場合は、なるべく高濃度であるのが好ましい。この
ようなドーピングの方法については、ヨーロツパ特許公
開公報第545729A1号に詳細に記載されている。
用いる導電性ポリアニリンは、このように、長鎖アルキ
ル基を分子内に有するプロトン酸によってドープされて
おり、導電性ポリアニリンがこのようなドーパントを有
するために、導電性ポリアニリンは接着性物質と高い親
和性を有する。即ち、このようなドーパントは、ポリア
ニリンのドーパントとして有効に作用して、ポリアニリ
ンに導電性を与えるのみならず、分子内に含む長鎖アル
キル基によって、ポリアニリンが配合される接着性物質
との親和性を高め、接着性物質中にポリアニリンを均一
に分散させることができるので、接着性物質に少量を配
合することによって、得られる組成物に高い導電性を与
えることができる。
電性充填材であれば、接着性物質に導電性を付与するに
は、16重量%以上の配合が必要であるが、本発明によ
れば、5〜10重量%程度の少量の配合によって、10
-6〜101 S/cm程度の高い電導度を与えることができ
る。更に、このように、接着性物質中に導電性ポリアニ
リンを配合して得られる導電性組成物において、導電性
ポリアニリンの配合量と得られる電導度との関係が緩や
かであるので、本発明によれば、導電性ポリアニリンの
配合量を適宜に調整することによって、電導度を10-6
〜10-3S/cm程度の半導電性の領域に調整することが
できる。
るプロトン酸をドーパントとし、これによってドープさ
れたポリアニリンとして、例えば、特開平3−2822
9号公報、ヨーロツパ特許公開公報第545729Al
号等に記載されているものを挙げることができる。
を有するプロトン酸としては、好ましくは、アルカンス
ルホン酸、アルキル置換基を1つ又は複数有するアルキ
ルベンゼンスルホン酸、アルキル置換基を1つ又は複数
有するアルキルナフタレンモノ又はジスルホン酸、硫酸
モノアルキルエステル、リン酸モノアルキル、アルキル
ホスホン酸、アルキルホスフィン酸等を挙げることがで
きる。
は、プロトン酸が分子内に1つのアルキル基を有すると
きは、そのアルキル基は、炭素数6以上であることが好
ましく、他方、アルキル基を複数有するときは、その複
数のアルキル基の炭素数の合計が6以上であることが好
ましく、特に好ましくは、少なくとも1つのアルキル基
の炭素数6以上である。また、アルキル基の炭素数の上
限は、特に限定されるものではないが、入手の容易さか
ら、通常、30程度である。
ば、ヘキサンスルホン酸、ヘプタンスルホン酸、オクタ
ンスルホン酸、ノナンスルホン酸、デカンスルホン酸、
ドデカンスルホン酸等を挙げることができる。
えば、ヘキシルベンゼンスルホン酸、ヘプチルベンゼン
スルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ノニルベン
ゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシ
ルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、
トリデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼン
スルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサ
デシルベンゼンスルホン酸、ヘプタデシルベンゼンスル
ホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸、ノナデシル
ベンゼンスルホン酸、エイコシルベンゼンスルホン酸等
を挙げることができる。
ホン酸としては、例えば、ヘキシルナフタレンスルホン
酸、ヘプチルナフタレンスルホン酸、オクチルナフタレ
ンスルホン酸、ノニルナフタレンスルホン酸、デシルナ
フタレンスルホン酸、ウンデシルナフタレンスルホン
酸、ドデシルナフタレンスルホン酸、ペンタデシルナフ
タレンスルホン酸、オクタデシルナフタレンスルホン
酸、ジプロピルナフタレンスルホン酸、ジブチルナフタ
レンスルホン酸、ジペンチルナフタレンスルホン酸、ジ
ヘキシルナフタレンスルホン酸、ジヘプチルナフタレン
スルホン酸、ジオクチルナフタレンスルホン酸、ジノニ
ルナフタレンスルホン酸、トリイソプロピルナフタレン
スルホン酸、ヘキシルナフタレンジスルホン酸、ヘプチ
ルナフタレンジスルホン酸、オクチルナフタレンジスル
ホン酸、ノニルナフタレンジスルホン酸、ジブチルナフ
タレンジスルホン酸、ジペンチルナフタレンジスルホン
酸、ジヘキシルナフタレンジスルホン酸、ジヘプチルナ
フタレンジスルホン酸、ジオクチルナフタレンジスルホ
ン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸等を挙げること
ができる。
酸モノヘキシル、硫酸モノヘプチル、硫酸モノオクチ
ル、硫酸モノノニル、硫酸モノデシル、硫酸モノウンデ
シル、硫酸モノドデシル、硫酸モノトリデシル、硫酸モ
ノテトラデシル、硫酸モノペンタデシル、硫酸モノヘキ
サデシル、硫酸モノヘプタデシル、硫酸モノオクタデシ
ル、硫酸モノノナデシル、硫酸モノエイコシル等を挙げ
ることができる。
モノヘキシル、リン酸モノヘプチル、リン酸モノオクチ
ル、リン酸モノノニル、リン酸モノデシル、リン酸モノ
ウンデシル、リン酸モノドデシル、リン酸モノトリデシ
ル、リン酸モノテトラデシル、リン酸モノペンタデシ
ル、リン酸モノヘキサデシル、リン酸モノヘプタデシ
ル、リン酸モノオクタデシル、リン酸モノノナデシル、
リン酸モノエイコシル等のリン酸モノエステル類、リン
酸水素ジヘキシル、リン酸水素ジヘプチル、リン酸水素
ジオクチル、リン酸水素ビス(2−エチルヘキシル)、
リン酸水素ジノニル、リン酸水素ジデシル、リン酸水素
ジドデシル、リン酸水素ジオクタデシル、リン酸水素ジ
エイコシル等のリン酸ジエステル類を挙げることができ
る。
キシルホスホン酸、ヘプチルホスホン酸、オクチルホス
ホン酸、ノニルホスホン酸、デシルホスホン酸、ウンデ
シルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、トリデシルホス
ホン酸、テトラデシルホスホン酸、ペンタデシルホスホ
ン酸、ヘキサデシルホスホン酸、ヘプタデシルホスホン
酸、オクタデシルホスホン酸、ノナデシルホスホン酸、
エイコシルホスホン酸等を挙げることができる。
ヘキシルホスフィン酸、ヘプチルホスフィン酸、オクチ
ルホスフィン酸、ノニルホスフィン酸、デシルホスフィ
ン酸、ウンデシルホスフィン酸、ドデシルホスフィン
酸、トリデシルホスフィン酸、テトラデシルホスフィン
酸、ペンタデシルホスフィン酸、ヘキサデシルホスフィ
ン酸、ヘプタデシルホスフィン酸、オクタデシルホスフ
ィン酸、ノナデシルホスフィン酸、エイコシルホスフィ
ン酸等を挙げることができる。
ルベンゼンスルホン酸等のように、炭素数6〜24のア
ルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸が好まし
く用いられる。
て、導電性ポリアニリンは、このような長鎖アルキル基
を分子内に有するプロトン酸をドーパントとして有する
が、このドーパントの量は、ポリアニリンの窒素原子1
個当りに、0.1〜4個のプロトンを供給できる程度が好
ましい。
ような導電性ポリアニリンと接着性物質とを含む。ここ
に、一般に、接着性物質は、ホットメルト型と非ホット
メルト型とに分けられ、本発明による導電性接着剤組成
物においては、いずれでも用いることができるが、特
に、従来より知られているホットメルト適性を有する接
着性物質、即ち、ホットメルト型接着剤として知られて
いるものであれば、いずれをも好適に用いることができ
る。
るように、通常、高分子弾性体と接着付与剤とを主成分
とする。上記高分子弾性体としては、溶融状態で粘度が
低く、加工や塗工が容易である熱可塑性を有することが
必要である。なかでも、素練りや加硫の必要がなく、加
熱によって流動性を示し、室温まで冷却すると架橋構造
を形成して、ゴム弾性を示す熱可塑性エラストマーが好
ましく用いられる。
は、スチレン・ブタジエンブロックコポリマー、スチレ
ン・イソプレンブロックコポリマー、スチレン・エチレ
ン・ブチレンブロックコポリマー、熱可塑性ポリエステ
ルエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、
ポリエチレン・ブチルゴムグラフトコポリマー、EPD
M−ポリオレフィンブレンド、アイオノマー、トランス
−1,4−ポリイソプレン、塩素化ポリエチレン等を挙げ
ることができる。
は、例えば、エチレン・酢酸ビニルコポリマー等を挙げ
ることができる。また、アクリル系ポリマーも、本発明
において、接着性物質として用いることができる。
ではないが、具体例として、例えば、クマロンインデン
樹脂、メチルインデン樹脂、芳香族炭化水素樹脂、脂肪
族炭化水素樹脂、変性ウッドロジン、ポリテルペン樹脂
等を挙げることができる。
して、例えば、スチレンを成分とする熱可塑性エラスト
マーを用いる場合、接着付与剤との相溶性、即ち、接着
付与剤がどのブロックに相溶するかが、得られるホット
メルト型接着剤の特性を決定する。例えば、スチレンを
成分とする熱可塑性エラストマーのポリスチレンブロッ
クに相溶する接着付与剤を配合すると、接着剤の凝集強
度や耐クリープ性が向上し、他方、ゴムブロックに相溶
する接着付与剤を添加すると、表面接着性、ゴム状モジ
ュラス、伸び等が向上する。
て、ドープされたポリアニリンは、上記接着性物質10
0重量部に対して、通常、0.05〜100重量部の範
囲、好ましくは、0.5〜50重量部、より好ましくは1
〜20重量部の範囲にて配合される。接着性物質に対す
るドープされたポリアニリンの配合量が少なすぎるとき
は、目的とする導電性を得ることができず、他方、多す
ぎるときは、得られる接着剤組成物における接着特性が
損なわれる。
着剤組成物は、上記高分子弾性体及び接着付与剤に加え
て、一般に、ホットメルト型接着剤組成物の技術分野に
おいて知られている添加剤、例えば、ナフテン系やパラ
フィン系のプロセスオイル等の軟化剤を適量含んでいて
もよい。更に、酸化防止剤、紫外線安定剤、着色剤等の
添加剤や、また、炭酸カルシウム、シリカ、タルク等の
無機充填剤を適量含んでいてもよい。
述したドープされたポリアニリンと上記接着性物質と必
要に応じて溶剤やその他の添加剤とを適宜の手段を用い
て、均一に混合混練すればよい。上記混合混練手段とし
ては、例えば、通常の槽式混合機や密閉式ニーダー等を
用いて、必要に応じて、加熱下に混合混練すればよい。
更に、必要に応じて、窒素ガス等の不活性雰囲気下に混
合混練することもできる。
電性接着剤組成物は、好ましい態様の一つであるが、そ
のようなホットメルト型導電性接着剤組成物は、例え
ば、上述した成分や添加剤を二軸混練押出機等を用いて
直接にホットメルト型接着剤組成物に溶融押出し成形す
ることもできる。
プは、適宜の基材上に上述したような導電性接着剤組成
物の層が形成されてなるものであり、通常、上述したよ
うなドープ状態のポリアニリン(通常、粉末である。)
を含む導電性接着剤組成物を基材上に層状に溶融押出し
し、或いは導電性接着剤組成物の溶液を基材上にコーテ
ィングすることによって得ることができる。
用いられるが、目的によって、絶縁性の基材を用いるこ
ともできる。導電性基材としては、例えば、金属板、金
属箔、金属焼結体、金属メッシュや、金属粉末、金属繊
維、金属酸化物粉末、金属酸化物ウィスカー、カーボン
ブラック粉末、グラファイト粉末、炭素繊維等の導電性
充填材をポリマーと混合し、これをフィルム状に成形し
た導電性プラスチックフィルムや、酸化インジウムスズ
薄膜をスパッタリング法や蒸着法によって絶縁性ポリマ
ーフィルム上に形成してなる透明導電性フィルムや、ド
ープ状態のポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェ
ン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリ(チエニレ
ンビニレン)等の導電性高分子重合体からなる自立性の
導電性フィルムや、これらドープ状態の導電性高分子重
合体が絶縁性ポリマーフィルム上に薄膜状に形成されて
なる表面導電性フィルムや、これらの導電性高分子重合
体が絶縁性ポリマーとブレンドされて成形された導電性
ポリマーブレンドフィルム等を挙げることができる。ま
た、絶縁性基材としては、例えば、通常のポリマーから
なるフィルムを用いることができる。
電性接着剤組成物は、本発明の好ましい態様の一つであ
るが、そのようなホットメルト型導電性接着テープは、
その製造段階において、有機溶剤を用いる必要がなく、
また、塗布作業においても、有機溶剤を揮散させる必要
なく、溶融状態で用いることができる。即ち、ホットメ
ルト型とした導電性接着テープは、このように、ホット
メルト型接着剤組成物を加熱溶融させることによって、
接着性が発現し、他方、常温下では接着性がないので、
一般の粘着テープ、特に、強接着用のテープにみられる
ように、テープを巻き戻す際に大きい力を必要とせず、
テープの施行を簡単に行なうことができる。一部の粘着
テープの施行に際してみられるようなセパレータを介在
させて巻き戻し力を低減させるものと比較すれば、この
ようなセパレータを必要とせず、施行作業が簡単であ
る。また、加熱するだけで、必要な箇所に適用すること
ができるので、種々の電子機器用の導電性部材、電子部
品等の搬送等において、プロセス設計が簡単であり、自
動化も容易に行なうことができる。
電性接着剤組成物及びこれを利用した導電性接着テープ
は、上述したようなホットメルト型接着剤組成物の有す
る利点に加え、接着剤組成物自体が導電性であるので、
被着体との間に直ちに電気的導通を図ることができる。
を利用した導電性接着テープにおける最も重要な特徴
は、それらに導電性を与える導電性物質がドープされた
ポリアニリンであって、しかも、このポリアニリン自体
がフィルム形成性を有する高分子量ポリマーであるの
で、本発明による導電性接着剤組成物を適宜の被着体に
塗布した場合に、ポリアニリンが連続層を形成して、導
電性の通路を確保するので、従来の金属粉や炭素材料か
らなる導電性充填材を配合してなる接着剤組成物に比べ
て、非常に少ない配合量にて高い導電性を得ることがで
き、しかも、前述したように、好ましい態様として、ホ
ットメルト型とすることができる。
剤組成物は、接着性物質と長鎖アルキル基を分子内に有
するプロトン酸によってドープされた導電性ポリアニリ
ンとを主成分として含み、接着性物質中に上記導電性ポ
リアニリンを均一に分散させることができ、しかも、少
量の配合によって、高い導電性を有すると共に、接着剤
組成物として、すぐれた接着特性をも有する。従って、
このような接着剤組成物及びこれを利用した導電性接着
テープは、電子機器用導電性部材、電子部品等の搬送材
料、電子機器を収納するプラスチック容器の電磁波シー
ルド用、電気部品のアース用、漏洩電流除去材、摩擦帯
電防止材等に好適に用いることができる。
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
って、脱ドープ状態でN−メチル−2−ピロリドン(N
MP)に可溶性であるポリアニリン粉末を調製した。こ
のポリアニリンは、繰返し単位中のキノンジイミン構造
とフェニレンジアミン構造の数がほぼ等しく、ドーパン
トを含まない。以下、このポリアニリンを酸化脱ドープ
型(又はエメラルディン塩基型)ポリアニリンという。
このポリアニリンは、NMP中、30℃にて測定した極
限粘度〔η〕は1.2dl/gであった。
塩基型)のポリアニリンを用いて、ヨーロツパ特許公開
公報545729Al号の記載に従い、ポリアニリン重
量に対して重量比で4倍量のドデシルベンゼンスルホン
酸(DBSA)を用い、160℃にて小型混練装置によ
って混合混練して、ドーピングを行ない、かくして、D
BSAにより均一にドープされた導電性ポリアニリン粉
末を得た。
リマー(シェル化学製クレイトン(Kraton))100重
量部に対して、上記ドープ状態のポリアニリン20重量
部とクマロンインデン樹脂80重量部とを加え、混練装
置内で温度160℃として、スチレン・ブタジエンブロ
ックコポリマーとクマロンインデン樹脂を溶融させ、こ
れにドープ状態の上記ポリアニリン粉末とを混合混練し
て、均一な混合物とした。これを剥離紙上に50μmの
厚さに押し出して、緑色のホットメルト型導電性接着剤
組成物のフィルムとした後、これを厚さ75μmの電解
銅箔上に転写して、導電性接着テープを調製した。
着面を倍率100倍の光学顕微鏡にて観察したところ、
接着面は均一なフィルム状であって、数μm以上の粒子
は認められなかった。また、得られたホットメルト型導
電性テープの接着剤組成物の塗布面に銀ペーストで正方
形の各頂点に位置するように銅箔を4本接続し、ファン
・デル・ポー法により四端子法電導度測定を行なった。
接着テープ特性として、接着力を測定した。
面を研磨し、溶剤で脱脂した清浄なSUS板に、80℃
熱ロールにて接着テープを25mm幅で貼付し、50℃で
5日間加温、エージングし、接着力が安定した後、引張
速度300mm/分にて180°剥離接着力を測定した。
結果を表1に示す。本発明によれば、導電性ポリアニリ
ンの配合量が10重量%でも、非常に高い電導度を有
し、しかも良好な接着特性を兼ね備えていることが理解
される。
ラック(アクゾ製ケッチェンブラックEC)を同量用い
た以外は、実施例1と全く同様にして導電性テープを調
製し、電導度と接着特性を評価した。結果を表1に示
す。得られた導電性テープの接着特性は、上記本発明に
よるものとほぼ同様であるが、しかし、電導度は非常に
低く、導電性テープとしては実用に供することができな
い。
て、リン酸水素ビス(2−エチルヘキシル)を用いた以
外は、実施例1と同様にして、導電性接着剤組成物及び
導電性接着テープを調製し、導電性接着テープの接着剤
組成物面の電導度と接着テープ特性を測定した。結果を
表1に示す。
Claims (7)
- 【請求項1】ホットメルト型接着剤と長鎖アルキル基を
分子内に有するプロトン酸によってドープされた導電性
ポリアニリンとを混合混練してなることを特徴とする導
電性接着剤組成物。 - 【請求項2】導電性ポリアニリンが脱ドープ状態におい
てN−メチル−2−ピロリドンに溶解する溶剤可溶性ポ
リアニリンとプロトン酸とを混合混練することによって
得られるものである請求項1記載の導電性接着剤組成
物。 - 【請求項3】プロトン酸がアルカンスルホン酸、アルキ
ル置換基を1つ又は複数有するアルキルベンゼンスルホ
ン酸、アルキル置換基を1つ又は複数有するアルキルナ
フタレンモノ又はジスルホン酸、硫酸モノアルキルエス
テル、リン酸モノアルキル、アルキルホスホン酸及びア
ルキルホスフィン酸から選ばれる少なくとも1種である
請求項1又は2記載の導電性接着剤組成物。 - 【請求項4】ホットメルト型接着剤100重量部に対し
て、ドープされたポリアニリンが0.05〜100重量部
の範囲にて配合されている請求項1又は2記載の導電性
接着剤組成物。 - 【請求項5】プロトン酸が炭素数6〜24のアルキル基
を有するアルキルベンゼンスルホン酸である請求項1又
は2記載の導電性接着剤組成物。 - 【請求項6】ホットメルト型接着剤における高分子弾性
体が熱可塑性エラストマーである請求項1又は4記載の
導電性接着剤組成物。 - 【請求項7】請求項1乃至6いずれかに記載の導電性接
着剤組成物からなる層が基材上に形成されてなる導電性
接着テープ。
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