JP3534403B2 - 音程制御装置及び方法 - Google Patents

音程制御装置及び方法

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JP3534403B2 JP2002300473A JP2002300473A JP3534403B2 JP 3534403 B2 JP3534403 B2 JP 3534403B2 JP 2002300473 A JP2002300473 A JP 2002300473A JP 2002300473 A JP2002300473 A JP 2002300473A JP 3534403 B2 JP3534403 B2 JP 3534403B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は音程制御装置に関し、特にオーデ
ィオ信号の周波数を所望の周波数に変化させることによ
って原音と再生音との間の音程を制御する音程制御装置
及び方法に関する。
【0002】
【背景技術】従来の音程制御装置としては、アナログ入
力信号をサンプリングして得られたディジタル化データ
をリングバッファに順次書込み、その書込み周期とは異
なる周期でデータを読出して読出したデータを順次復調
することにより、該信号の音程を変えるようにしたもの
がある。かかる装置においては音程を下げる場合にはリ
ングバッファからのデータの読出し周期を書込み周期よ
り長くし、音程を上げる場合にはリングバッファからの
データの読出し周期を書込み周期より短くする。従って
リングバッファにデータを書込む書込みアドレスに対
し、データを読出す読出しアドレスは相対的に回転し、
予め定められた周期で追い越したり追い越されたりす
る。ここで、リングバッファのデータの書込み位置にお
いては前回書込んだデータが逐次書き換えられているか
ら、そこでデータの内容は不連続となっている。そし
て、書き換えられた位置が読出し位置になるとき、再生
される音に不連続点が生じる。これを軽減するためにい
わゆるクロスフェードという方法が用いられる。読出し
周期が書込み周期より短いときについて説明すると、図
1(a) に示すように通常、リングバッファの書込み位置
Wと読出し位置Rとの間の差を示すdR-Wは所定値dth
より大である。なお、リングバッファの各位置が時計回
りに進み、読出し位置Rがそれより早く時計回りに進む
とする。dR-W<dt hとなると、図1(b) に示すように
読出し位置Rより時計回り方向に所定値dthだけ離れた
もう一つの読出し位置R’からも読出し、読出し位置R
からのデータ値を直線的にフェードアウト処理し、読出
し位置R’からのデータ値を直線的にフェードイン処理
して各データ値を加算することでクロスフェードが行な
われる。これにより常に、不連続点を通過しない方の読
出し位置からのデータを出力するようにする。なお、d
thは通常、リングバッファサイズの1/2に設定され
る。
【0003】クロスフェードの期間では読出し位置の数
が1つから2つに変化するので、一種のくし型フィルタ
の効果が働き信号中の周波数成分によっては互いに逆相
の関係になりその周波数成分が打ち消されたり、互いに
同相関係では周波数成分レベルが上昇し、いわゆるくし
型特性(図2のB)となる。クロスフェードが行なわれ
ていない期間では平坦特性(図2のA)であるから、ク
ロスフェードの周期に合わせて周波数特性の変動が図2
の矢印部分(周波数f1,f3,f5,…)で大きくなりい
わゆるトレモロ音が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の音程制御装置の上記のリングバッファに対するデ
ータの書込み及び読出し方法では、書込みタイミングの
クロックと読出しのタイミングのクロックとを個別に発
生する必要があった。そこで、本発明の目的は、リング
バッファに対するデータの書込み及び読出しのタイミン
グの基準となるクロックを共通にすることができる音程
制御装置及び方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の音程制御装置
は、所定のサンプリング間隔でサンプリングされた入力
ディジタル化オーディオ信号データに対する再生音の音
程を制御する音程制御装置であって、入力ディジタル化
オーディオ信号データの所定の連続する複数個のデータ
からなるデータ群毎に音程上昇時にはデータ数を所定数
だけ減らし音程下降時にはデータ数を所定数だけ増やす
補間手段と、リングバッファを構成するメモリと、サン
プリング間隔に等しい周期にてメモリの少なくとも1つ
の書込み記憶位置と少なくとも1つの読出し記憶位置と
を順次指定する記憶位置指定手段と、サンプリング間隔
に等しい周期にて、補間手段の補間後のデータ群のデー
タを記憶位置指定手段によって指定されたメモリの書込
み記憶位置に書込み、サンプリング間隔に等しい周期に
て、記憶位置指定手段によって指定されたメモリの読出
し記憶位置からデータを読出す書込読出手段と、を備
え、音程上昇時にはデータ群毎に所定数の回数だけ記憶
位置指定手段は今回の書込み記憶位置を前回の書込み記
憶位置に戻して指定し、書込読出手段はその前回の書込
み記憶位置のデータを維持させ、音程下降時にはデータ
群毎に所定数の回数だけ記憶位置指定手段は今回の書込
み記憶位置を次回の書込み記憶位置に進めて指定し、書
込読出手段はその次回の書込み記憶位置へデータの書き
込みを行うことを特徴としている。
【0006】本発明の音程制御方法は、所定のサンプリ
ング間隔でサンプリングされた入力ディジタル化オーデ
ィオ信号データに対する再生音の音程を制御する音程制
御方法であって、入力ディジタル化オーディオ信号デー
タの所定の連続する複数個のデータからなるデータ群毎
に音程上昇時にはデータ数を所定数だけ減らし音程下降
時にはデータ数を所定数だけ増やす補間行程と、サンプ
リング間隔に等しい周期にてリングバッファを構成する
メモリの少なくとも1つの書込み記憶位置と少なくとも
1つの読出し記憶位置とを順次指定する記憶位置指定行
程と、サンプリング間隔に等しい周期にて、補間行程の
補間後のデータ群のデータを記憶位置指定行程において
指定されたメモリの書込み記憶位置に書込み、サンプリ
ング間隔に等しい周期にて、記憶位置指定行程において
指定されたメモリの読出し記憶位置からデータを読出す
書込読出行程と、を備え、音程上昇時にはデータ群毎に
所定数の回数だけ記憶位置指定行程は今回の書込み記憶
位置を前回の書込み記憶位置に戻して指定し、書込読出
行程はその前回の書込み記憶位置のデータを維持させ、
音程下降時にはデータ群毎に所定数の回数だけ記憶位置
指定行程は今回の書込み記憶位置を次回の書込み記憶位
置に進めて指定し、書込読出行程はその次回の書込み記
憶位置へデータの書き込みを行うことを特徴としてい
る。
【0007】かかる本発明の音程制御装置及び方法にお
いては、音程の上下量に応じて入力ディジタル化オーデ
ィオ信号の連続する所定数の原サンプルデータが補間に
より必要数のデータに合成された上で原サンプリングの
タイミングに合わせてリングバッファに書込まれる。す
なわち、音程上昇時にはデータ数が減少され、データ書
込み記憶位置が戻されてデータが書込まれ、音程下降時
にはデータ数が増加され、データ書込み記憶位置が進め
られてデータが書込まれる。これによりデータに過不足
を生じないようにされる。データの読出しは所定の読出
し記憶位置において原サンプリングのタイミングに合わ
せて行なわれる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照しつつ詳細に説明する。図3に示した本発明による音
程制御装置においては、ディジタルオーディオ信号が供
給される入力端子INにはLPF(ローパスフィルタ)
1が接続されている。LPF1はエイリアシング(alia
sing)を防止するために設けられており、例えば、2次
IIR型フィルタからなる。LPF1には補間回路2が
接続されている。補間回路2は供給されるディジタルオ
ーディオ信号のサンプリングタイミングに従ったk(k
は正の整数で定数)個のデータからk+1又はk−1個
のデータを直線補間により作成する。補間回路2は2つ
の連続するデータの出力を有し、その2つの出力はリン
グバッファ3に接続されている。リングバッファ3から
はリングバッファの1巡期間内に異なるアドレスから3
つの読出しが行なわれる。リングバッファ3の読出しア
ドレスは例えば、マイクロコンピュータからなるアドレ
ス制御回路4によって制御される。3つの読出し出力に
は乗算器5,6,7が接続されている。乗算器5,6,
7は読出された信号に対し係数を乗算する。乗算器5,
6,7の各係数ka,kb,kcはクロスフェード係数設
定回路8によって設定される。クロスフェード係数設定
回路8には、アドレス制御回路4の出力が接続されてい
る。また、乗算器5,6,7の各出力には加算器9が接
続され、乗算器5,6,7の各出力信号が合算されるよ
うになっている。加算器9の出力が出力端子OUTに接
続されている。
【0009】クロック発生器11の出力にはカウンタ1
2が接続されている。クロック発生器11は原入力ディ
ジタルオーディオ信号のサンプリングタイミングに同期
したクロックパルスを発生し、カウンタ12はクロック
発生器11から出力されるクロックパルスを0からk−
1又はk+1までを繰り返し計数する。カウンタ12の
出力には補間係数設定回路13及び補間タイミング検出
回路14が接続されている。補間係数設定回路13はカ
ウンタ12の計数値に応じて補間係数gを設定し、その
補間係数gは補間回路2に供給される。補間タイミング
検出回路14はカウンタ12の計数値に応じて補間タイ
ミング信号を発生する。この補間タイミング信号は補間
回路2と共にアドレス制御回路4に供給されるようにな
っている。アドレス制御回路4は補間回路2の2つの出
力データを書込むべき2つの連続する書込みアドレスを
指定する。アドレス制御回路4にはキーボード15が接
続されており、キーボード15はキーアップ(音程上
昇)時のキーアップ量又はキーダウン(音程降下)時の
キーダウン量を操作により入力できるようになってい
る。更にアドレス制御回路4はカウンタ12に接続さ
れ、計数値を指定する。
【0010】なお、LPF1、補間回路2、アドレス制
御回路4、乗算器5,6,7、加算器9、クロスフェー
ド係数設定回路8、カウンタ12、補間係数設定回路1
3及び補間タイミング検出回路14をDSPによって構
成することもできる。また、リングバッファのメモリサ
イズ(一巡のメモリ数)及び定数kは音程の上下量に応
じて所定の値に設定されるようになっている。
【0011】かかる構成において、補間回路2はk個の
サンプルデータを1つの単位としてデータを補間する。
すなわち、キーアップ時にはk個のサンプルデータから
k−1個のデータを作成し、キーダウン時にはk個のサ
ンプルデータからk+1個のデータを作成する。この補
間動作について具体的に説明する。キーアップ時にはサ
ンプルデータをxpとすると、サンプルデータxp
0,x1,……,xk-1のk個である。補間の結果、得
られる補間デ―タをxp’とすると、補間データxp’は
1’,……,xk-1’のk−1個であり、x0’は存在
しない。補間データの算出式は次式の如くなる。
【0012】 xp’=g・xp+(1−g)・xp-1 (1) このとき係数gは g=(p−1)/(k−1) (2) であり、補間係数設定回路13から順次出力される。例
えば、k=4とすると、連続する4つのサンプルデータ
0,x1,x2,x3から補間データx1’,x2’,x 3’を
作成する場合にはその補間データは次表の如くなる。
【0013】
【表1】 キーダウン時にはx0,x1,……,xk-1のk個のサンプル
データxpからの補間の結果、補間データxp’は
0’,x1’,……,xk’のk+1個である。補間デ
ータの算出式は上記の式(1) と同じである。このとき係
数gは g=1−p/(k+1) (3) であり、補間係数設定回路13から順次出力される。例
えば、k=4とすると、連続する4つのサンプルデータ
0,x1,x2,x3 から補間データx0’,x1’,
2’,x3’,x4’を作成する場合にはその補間デー
タは次表の如くなる。
【0014】
【表2】 ただし、P=4の時点は次の単位のP=0の時点である
から、この時点においては両者の演算結果が存在するこ
とになる。次に、アドレス制御回路4の動作を図4に示
したフロー図に従って説明する。アドレス制御回路4
は、キーボード15からキーアップ量及びキーダウン量
のいずれか1が指定されると、リングバッファ3のメモ
リ数(メモリサイズ)m、読出しアドレスRa,Rb,R
c及び計数値k+1又はk−1を設定する(ステップS
1)。アドレスは0〜m−1とし、図3の反時計回り方
向に増加するものとする。なお、データの回転方向は矢
印で示す時計回り方向である。またデ−タの回転とはデ
ータが転送されるものとする。リングバッファ3のメモ
リ数m、読出しアドレスRa,Rb,Rc及び計数値k+
1又はk−1はキーアップ量及びキーダウン量に応じた
値としてアドレス制御回路4内のROM(図示せず)に
予め記録されているので、指定されたキーアップ量又は
キーダウン量に応じてROMから読出される。
【0015】リングバッファ3のメモリ数m、読出しア
ドレスRa,Rb,Rcにおいて隣接する読出しアドレス
の差分の合計は次式で示される。なお、m−1≧Ra
b>Rc≧0とする。 |Ra−Rb|+|Rb−Rc|+|m+(Rc−Ra)|=m (4) ただし、|Ra−Rb|≠|Rb−Rc|,|Rb−Rc|≠|m+
(Rc−Ra)|,|m+(Rc−Ra)|≠|Ra−Rb|であ
る。読出しアドレスRa,Rb,Rcは例えば、これら差
分が互いに素となるように設定される。
【0016】これより各2相間でトレモロを起こす周波
数が異なるようになり、トレモロ感を軽減することがで
きる。アドレス制御回路4は補間タイミング信号に同期
してリングバッファ3の連続するアドレスWn,Wn-1
書込みアドレスとして指定する(ステップS2)。キー
アップ量又はキーダウン量が指定された直後のステップ
S2の実行時にはアドレスWn,Wn-1には初期値が設定
されるが、その後は後述する如く変数nに1が加算され
るので、新たな書込みアドレスWn,Wn-1が指定され
る。次いで、データxpのp、すなわち、カウンタ12
の計数値が0であるか否かを判別し(ステップS3)、
p=0ならば、キーダウン及びキーアップのいずれの動
作時であるか否かを判別する(ステップS4)。キーア
ップ時の場合には変数nから1を減算し(ステップS
5)、キーダウン時の場合には変数nに更に1を加算す
る(ステップS6)。
【0017】ステップS3においてp≠0ならば、リン
グバッファ3のアドレスWnの記憶位置に今回の補間デ
ータxp’を書込み、アドレスWn-1の記憶位置に前回の
補間データxp-1’を書込む(ステップS7)。ステッ
プS5の実行後においては、アドレスWnの記憶位置に
前回の補間データxp-1’を書込み、アドレスWn-1の記
憶位置に前前回の補間データxp-2’を書込む(ステッ
プS8)。ステップS6の実行後においては、アドレス
nの記憶位置にx0’=x0すなわち補間回路2への入
力データをxpそのまま書込み、アドレスWn-1の記憶位
置に補間データxk’を書込む(ステップS9)。
【0018】よって、p≠0のキーアップ時及びキーダ
ウン時にはリングバッファ3のアドレスWnの記憶位置
に今回の補間データが書込まれ、アドレスWn-1の記憶
位置に前回の補間データが書込まれるので、例えば、上
記の補間データx1’,x2’,x3’のいずれか1がア
ドレスWnの記憶位置に書込まれ、アドレスWn-1の記憶
位置すなわち前回アドレスWnであった記憶位置には前
回と同じデータが再度書込まれるのである。p=0のキ
ーアップ時にはステップS5で前回の書込みアドレスに
戻されるので、前回の2つの書込み補間データが再び前
回と同じ記憶位置に書込まれ、重複した動作が行なわれ
る。これは上記したようにキーアップ時にはp=0のと
きの補間データx0’が存在しないのでデータを詰めて
空きが生じないようにするためである。p=0のキーダ
ウン時にはステップS6で書込みアドレスが更に1だけ
進められるので、アドレスWn,Wn-1共に新たなデータ
が書込まれる。すなわちキーダウン時には補間データが
1つだけ増えるので、p=0のときだけは補間データx
4’がアドレスWn-1の記憶位置に書込まれ、次のデータ
群の補間データx0’(=x0)がアドレスWnの記憶位
置に書込まれる。この実施例では重複書込みを行ってい
るが、重複書込み自体、元来無駄な動作なので、重複書
込みを検出して、書込みを行わないという制御方法もあ
る。
【0019】アドレス制御回路4は読出しアドレス
a,Rb,Rcの記憶位置からデータを各々読出す(ス
テップS10)。読出された各データは乗算器5,6,
7に供給される。ステップS10の実行後、リングバッ
ファ3のメモリに記憶されたm個のデータを各々アドレ
スの1つ小さい記憶位置に転送する(ステップS1
1)。この際、アドレス0の記憶位置のデータはアドレ
スm−1の記憶位置に転送される。その後、補間タイミ
ング信号が供給されたか否かを判別し(ステップS1
2)、補間タイミング信号が供給されたならば、ステッ
プS3に戻る。
【0020】なお、ステップS5で変数nから1を減じ
た場合にn=−1となったならば、変数nをm−1に設
定し、変数nから1を減じた場合にn=0となったなら
ば、n−1をm−1に設定する。また、ステップS9で
n=0の場合のWn-1のn−1としてはm−1と読み替
える。アドレス制御回路4の上記した動作はキーボード
15の操作によりキーアップ量又はキーダウン量が指定
又は変化されるとステップS1から実行されるようにな
っている。
【0021】このように書込みの前にデータを補間して
おくことにより、書込みのタイミングと読出しタイミン
グとを共通化することができ、クロック周波数が1つで
済む。次に、クロスフェード係数設定回路8は、読出し
アドレスRa,Rb,Rcと書込みアドレスWnとの差Ra
−Wn,Rb−Wn,Rc−Wnによって係数ka,kb,kc
設定する。差が0のときka=0であり、差が増加する
に従ってkaも増加し、差がm/2のときkaは最大値1
をとる。その後、差が増加するに従ってkaは減少し、
差がmのときka=0となり、差が3m/2のときka
最小値(負の最大値)−1となる。その後、再び増加
し、差が2mで初期値0に戻る。すなわち、書込みアド
レスが読出しアドレスを通過するときに係数が0となり
最も離れたときに+1又は−1の値を交互にとる。従っ
て、係数kaの変化は書込みアドレスと読出しアドレス
の交差2回を1サイクルとした波形となる。kb,kc
おいても同様であるが、書込みアドレスと交差する時期
がずれているから波形は互いにずれる。一例として変化
特性が直線である場合の係数ka,kb,kcと時間との関
係を示すと図5の如くなる。なお、クロスフェード係数
設定回路8においては補間タイミング信号に同期して所
定の関数式を用いて読出しアドレスRa,Rb,R cと書
込みアドレスWnと、メモリ数mとから係数ka,kb,kc
を算出するようにしても良いが、ROM等のメモリに読
出しアドレスRa,Rb,Rcと書込みアドレスWnと、ア
ドレス数mとから定まる係数の値を予め記憶させてお
き、そのときのRa,Rb,Rc、Wn及びmの各値から対
応する係数をメモリから読出してk a,kb,kcを定める
ようにしても良い。また、係数ka,kb,kcの変化特性
は図5の如く直線でなく、曲線であっても良い。
【0022】このように設定された係数ka,kb,kc
ディジタル信号として乗算器5,6,7に供給される。
乗算器5は読出しアドレスRaから読出されたデータに
係数kaを乗算し、乗算器6は読出しアドレスRbから読
出されたデータに係数kbを乗算し、乗算器7は読出し
アドレスRcから読出されたデータに係数kcを乗算す
る。乗算器5,6,7の各出力信号は加算器9に供給さ
れて合算される。加算器9から音程制御されたディジタ
ル信号が出力される。
【0023】係数ka,kb,kcを−1から+1の範囲で
変化させたことにより、特定の2相間で考えれば図6よ
うに同相でのクロスフェードと逆相でのクロスフェード
とが交互に生ずることとなり、同相時は実線、逆相時は
破線の各くし型特性が時間経過に従って交互に生じて、
矢印で示したレベル変化によるトレモロ音が生ずる周波
数が分散されることとなり、その部分の平均レベルが上
昇し、トレモロ感が軽減する。上記の実施例の場合には
3相のクロスフェードが行なわれるのでトレモロ音が生
ずる周波数はさらに多く分散される。
【0024】なお、上記した実施例においては、補間回
路2がk+1又はk−1個のデータを作成するようにし
たが、これに限らず、書込み位置を2位置以上として他
の個数のデータを作成しても良い。また、リングバッフ
ァの読出し箇所は3箇所でなく、例えば、2箇所や4箇
所でも良い。また、図3の装置では、読出し位置を3箇
所(3相)とし、互いのアドレス間隔を異ならせたから
トレモロ音が生ずる基本周波数は各組合せごとにあり多
数となる。従って、くし型フィルタの周波数特性はこの
うちの1つに設定しても良いし、周波数特性を適宜変化
させるか、或いは異なる周波数特性のくし型フィルタを
複数設けても良い。ただし、従来のようにアドレス間隔
を等しくした場合は1つで良いことはもちろんである。
【0025】更に、図3の装置ではトレモロ音が生ずる
周波数が図6に示した特性の如くクロスフェードが1回
行なわれる毎に変化するので、それに合せて遅延素子1
7の遅延時間を変化させることによりくし型フィルタ1
6の周波数特性を変化させても良いし、いずれかのみに
設定してもよい。しかしながら、係数ka,kb,kcが負
の値をとらず0〜+1の間で変化するならば、くし型フ
ィルタ16の周波数特性を変化させる必要はない。或い
はトレモロを起こす複数の基本周波数にそれぞれ対応す
るくし型フィルタを挿入しても良い。
【0026】上記した実施例においては、入力ディジタ
ル化オーディオ信号データを所定のサンプリング数単位
で音程上昇時にデータ数を間引き音程降下時にデータ数
を増やす補間を行なうことにより書込みタイミングと読
出しタイミングとを共通にできるようにした装置を示し
た。その実施例の装置では、リングバッファとしてメモ
リの内容が実際に転送される方式の場合について説明し
たが、アドレス値を演算により読み替えることで転送と
同等の効果を得るようにしても良い。
【0027】以上の如く、本発明によれば、リングバッ
ファに対するデータの書込み前にデータを補間し、書込
み記憶位置のアドレスを音程上昇時と音程下降時とで各
々制御しながら書込むようにしたので、データの過不足
を生じることなく1つのクロックを基準としたタイミン
グで書込みと読出しとを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の音程制御装置におけるリングバッファの
書込みアドレスと読出しアドレスとの位置関係を示す図
である。
【図2】従来の音程制御装置のクロスフェード時の周波
数特性を示す図である。
【図3】本発明の実施例を示すブロック図である。
【図4】図3の装置中のアドレス制御回路の動作を示す
フロー図である。
【図5】各係数の変化を示す図である。
【図6】係数を−1から+1の範囲で変化させた場合の
クロスフェード時の周波数特性を示す図である。
【主要部分の符号の説明】
2 補間回路 3 リングバッファ 4 アドレス制御回路 5,6,7 乗算器 8 クロスフェード係数設定回路 9 加算器 13 補間係数設定回路
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10L 21/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のサンプリング間隔でサンプリング
    された入力ディジタル化オーディオ信号データに対する
    再生音の音程を制御する音程制御装置であって、 前記入力ディジタル化オーディオ信号データの所定の連
    続する複数個のデータからなるデータ群毎に音程上昇時
    にはデータ数を所定数だけ減らし音程下降時にはデータ
    数を所定数だけ増やす補間手段と、 リングバッファを構成するメモリと、 前記サンプリング間隔に等しい周期にて前記メモリの少
    なくとも1つの書込み記憶位置と少なくとも1つの読出
    し記憶位置とを順次指定する記憶位置指定手段と、 前記サンプリング間隔に等しい周期にて、前記補間手段
    の補間後のデータ群のデータを前記記憶位置指定手段に
    よって指定された前記メモリの前記書込み記憶位置に書
    込み、前記サンプリング間隔に等しい周期にて、前記記
    憶位置指定手段によって指定された前記メモリの前記読
    出し記憶位置からデータを読出す書込読出手段と、を備
    え、 前記音程上昇時には前記データ群毎に前記所定数の回数
    だけ前記記憶位置指定手段は今回の書込み記憶位置を前
    回の書込み記憶位置に戻して指定し、前記書込読出手段
    はその前回の書込み記憶位置のデータを維持させ、 前記音程下降時には前記データ群毎に前記所定数の回数
    だけ前記記憶位置指定手段は今回の書込み記憶位置を次
    回の書込み記憶位置に進めて指定し、前記書込読出手段
    はその次回の書込み記憶位置へデータの書き込みを行う
    ことを特徴とする音程制御装置。
  2. 【請求項2】 前記書込読出手段は、前記音程上昇時に
    前記記憶位置指定手段によって前記今回の書込み記憶位
    置が前記前回の書込み記憶位置に戻されて指定されたと
    きには、前記前回の書込み記憶位置へのデータの書き込
    みを行わないことを特徴とする請求項1記載の音程制御
    装置。
  3. 【請求項3】 所定のサンプリング間隔でサンプリング
    された入力ディジタル化オーディオ信号データに対する
    再生音の音程を制御する音程制御方法であって、 前記入力ディジタル化オーディオ信号データの所定の連
    続する複数個のデータからなるデータ群毎に音程上昇時
    にはデータ数を所定数だけ減らし音程下降時にはデータ
    数を所定数だけ増やす補間行程と、 前記サンプリング間隔に等しい周期にてリングバッファ
    を構成するメモリの少なくとも1つの書込み記憶位置と
    少なくとも1つの読出し記憶位置とを順次指定する記憶
    位置指定行程と、 前記サンプリング間隔に等しい周期にて、前記補間行程
    の補間後のデータ群のデータを前記記憶位置指定行程に
    おいて指定された前記メモリの前記書込み記憶位置に書
    込み、前記サンプリング間隔に等しい周期にて、前記記
    憶位置指定行程において指定された前記メモリの前記読
    出し記憶位置からデータを読出す書込読出行程と、を備
    え、 前記音程上昇時には前記データ群毎に前記所定数の回数
    だけ前記記憶位置指定行程は今回の書込み記憶位置を前
    回の書込み記憶位置に戻して指定し、前記書込読出行程
    はその前回の書込み記憶位置のデータを維持させ、 前記音程下降時には前記データ群毎に前記所定数の回数
    だけ前記記憶位置指定行程は今回の書込み記憶位置を次
    回の書込み記憶位置に進めて指定し、前記書込読出行程
    はその次回の書込み記憶位置へデータの書き込みを行う
    ことを特徴とする音程制御方法。
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