JP3532047B2 - 楽音信号発生装置及び楽音信号発生方法 - Google Patents

楽音信号発生装置及び楽音信号発生方法

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JP3532047B2
JP3532047B2 JP30561796A JP30561796A JP3532047B2 JP 3532047 B2 JP3532047 B2 JP 3532047B2 JP 30561796 A JP30561796 A JP 30561796A JP 30561796 A JP30561796 A JP 30561796A JP 3532047 B2 JP3532047 B2 JP 3532047B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共鳴音を含んだ楽
音に対応する楽音信号を発生するための楽音信号発生装
置及び楽音信号発生方法に関し、特に、ピアノのダンパ
ペダルを踏んだ時の弦同士の共鳴による楽音効果を模擬
する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子ピアノ、電子キーボード等と
いった電子楽器が広く普及している。これらの電子楽器
で使用される音色は、一般に、アコースティック楽器の
音色を模擬することによって作成される。また、これら
の電子楽器は、そのアコースティック楽器に固有の機能
に基づいて発生される音色を模擬できるように構成され
ている。例えば、電子ピアノにおいては、ピアノの音色
はアコースティックピアノの音色を模擬することにより
作成される。加えて、電子ピアノは、一般に、アコース
ティックピアノにおけるダンパペダル、ソフトペダル、
あるいはソステヌートペダルが踏まれた場合の音色をも
模擬できるように構成されている。
【0003】ここでアコースティックピアノにおける
「共鳴効果」を簡単に説明する。ダンパペダルが踏まれ
ることによりダンパが弦から強制的に離間され、全ての
弦が開放される。この状態で、一つの鍵が押されると、
その鍵に対応する弦が振動する。すると、その弦の基音
あるいは倍音を、基音(あるいは、倍音)とする弦が共
鳴する共鳴効果が生じる。例えば、基音が440Hzの
弦が打弦された場合、この基音(440Hz)と、この
基音(440Hz)よりも1オクターブ下の音(220
Hz)を基音としている弦の2倍音とが共鳴する。ま
た、この打鍵された弦の2倍音(880Hz)と、1オ
クターブ上の弦の基音(880Hz)とが共鳴する。
【0004】このような共鳴現象がさらに他の弦でも生
じることで、複雑な共鳴効果が発揮され、広がりのある
豊かな音色を有する音が発生される。従来の電子楽器で
はこのようなダンパペダルによる共鳴効果を模擬するた
めに、以下の方法が採用されている。 ダンパペダルが踏まれた状態で打鍵がなされた場合、
ピアノ音にリバーブ効果をかけることにより共鳴効果を
模擬する。 ダンパペダルが踏まれた状態で発音されたアコーステ
ィックピアノ音の波形データを記憶しておき、ダンパペ
ダルが踏まれた状態で打鍵がなされた場合にその波形デ
ータを読み出して発音する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】アコーステックピアノ
では、発音中にダンパペダルを踏んでも共鳴効果が得ら
れる。しかし、上述した従来技術では、このような場合
の共鳴効果を十分には再現できなかった。
【0006】本発明の目的は、ピアノのダンパペダルを
踏んだ状態で発音した場合における共鳴効果を模擬する
ことのできる楽音発生装置及び楽音信号発生方法を提供
することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】本発明の楽音信号発生装置は、上記目的を
達成するために、楽音の音程を指定する発音操作を受け
付ける鍵盤と、共鳴音の発生を指示する共鳴操作を受け
付けるペダルと、上記鍵盤で指定された音程の楽音の原
音データを出力する原音データ生成手段と、上記共鳴音
を模した模擬共鳴音データを生成する模擬共鳴音データ
生成手段と、上記原音データと上記模擬共鳴音データと
を加算し出力する混合手段と、上記鍵盤及び上記ペダル
の操作状態を監視する監視手段とを備え、上記模擬共鳴
音データ生成手段は、上記原音データに所定の残響音生
成処理を施すことで残響音データを出力するリバーブ手
段と、上記模擬共鳴音の各時刻における振幅値を規定し
たエンベロープデータを、上記監視手段の監視結果に応
じて生成するエンベロープデータ生成手段と、上記エン
ベロープデータを上記残響音データに乗算することで、
上記模擬共鳴音データを生成する乗算手段と、を備えた
ものであること、を特徴とする。
【0008】上記エンベロープデータ生成手段は、上記
ペダルが上記共鳴操作を受け付けている状態において上
記鍵盤が上記発音操作を新たに受け付けた場合と、上記
鍵盤が上記発音操作を受け付けてから上記ペダルが上記
共鳴操作を受け付けた場合とで、上記エンベロープデー
タを変更するものであることが好ましい。
【0009】上記ペダルが上記共鳴操作を受け付けてい
る状態において上記鍵盤が上記発音操作を受け付けた場
合における上記エンベロープデータは、上記鍵盤が上記
発音操作を受け付けてから上記ペダルが上記共鳴操作を
受け付けた場合におけるエンベロープデータよりも、上
記模擬共鳴音を急速に立ち上げさせるものであることが
好ましい。
【0010】上記エンベロープデータ生成手段は、上記
模擬共鳴音の立ち上がり時間、最大振幅値、減衰時間の
うちの少なくとも一つを含んで構成されるエンベロープ
係数を複数組分だけ予め格納したメモリと、上記メモリ
に格納された上記エンベロープ係数のうちのいずれか一
組を、上記監視手段の監視結果に応じて選択する制御回
路と、上記制御回路によって選択された上記エンベロー
プ係数に基づいて、上記エンベロープデータを算出する
演算回路とを有するものであってもよい。
【0011】本発明の楽音信号発生方法は、アコーステ
ィックピアノのダンパペダルの操作に起因して発生する
共鳴音を模した模擬共鳴音を、該アコースティックピア
ノの原音データに所定の残響音生成処理を施すとともに
予め用意されたエンベロープデータを乗算することで発
生させる楽音信号発生方法であって、ダンパペダル及び
鍵盤の状態を監視し、該監視結果に応じて上記エンベロ
ープデータを変更すること、を特徴とする。
【0012】本発明の楽音信号発生装置の原音データ生
成手段は、鍵盤の受け付けた音程の原音データを出力す
る。模擬共鳴音データ生成手段は、この原音データに予
め定められた処理を施すことで共鳴音を模した模擬共鳴
音データを生成する。この模擬共鳴音データの生成は例
えば、以下のようにして行われる。模擬共鳴音データ生
成手段のリバーブ手段は、原音データに所定の残響音生
成処理を施すことで残響音データを出力する。エンベロ
ープデータ生成手段は、監視手段の監視結果に応じたエ
ンベロープデータを生成する。このエンベロープデータ
は、実際のアコースティックピアノの特性に合わせたも
のとする。すなわち、ペダルが共鳴操作を受け付けてい
る状態において鍵盤が発音操作を受け付けた場合におけ
るエンベロープデータは、鍵盤が発音操作を受け付けて
からペダルが共鳴操作を受け付けた場合におけるエンベ
ロープデータよりも、模擬共鳴音を急速に立ち上げさせ
るようにしておく。
【0013】乗算手段は、このエンベロープデータを残
響音データに乗算することで、模擬共鳴音データを生成
する。混合手段は、原音データと模擬共鳴音データとを
加算し出力する。
【0014】上述のエンベロープデータは、例えば、以
下のようにして生成する。監視手段は、鍵盤及びペダル
の操作状態を監視している。制御回路は、メモリに格納
されたエンベロープ係数のうちのいずれか一組を、監視
手段の監視結果に応じて選択する。演算回路は、制御回
路によって選択されたエンベロープ係数に基づいて、エ
ンベロープデータを算出する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。本実施の形態の電子楽器は、
アコースティックピアノを模したものであり、特に、ダ
ンパペダルと鍵盤との操作手順の違いに起因した共鳴効
果の違いをも正確に再現できる点を特徴としている。
【0016】該電子楽器では、図1に示すように、ダン
パペダル1、鍵盤2、ROM3、RAM4、CPU5及
び音源回路6が、バス10によって互いに接続されてい
る。また、音源回路6には、DSP7が接続されてお
り、このDSP7にはDAC8を介して出力回路9が接
続されている。
【0017】ダンパペダル1は、演奏者からの共鳴効果
の発生指示を受け付けるためのものであり、通常のアコ
ースティックピアノにおけるダンパペダルに相当する。
該ダンパペダル1は、外見上は通常のアコースティック
ピアノにおけるダンパペダルを模しているが、機構的に
は電子的なスイッチによって構成されている。そして、
該ダンパペダル1の状態は、バス10を通じてCPU5
へ逐次報告されている。
【0018】鍵盤2は、演奏者からの所定の楽音の発音
指示を受け付けるためのものであり、通常のアコーステ
ィックピアノにおける鍵盤に相当する。該鍵盤2は、外
見上は通常のアコースティックピアノにおける鍵盤を模
しているが、機構的には電子的なスイッチによって構成
されている。そして、鍵それぞれの状態は、バス10を
通じてCPU5へ逐次報告されている。
【0019】ROM3及びRAM4は、該電子楽器の制
御上必要となる様々なプログラム、データ(例えば、エ
ンベロープ係数)を格納するためのものである。ここで
言うエンベロープ係数とは、DSP7において模擬共鳴
音を生成する際に、その減衰状態(振幅の時間変化)を
制御するのに使用される。エンベロープ係数としては、
例えば、リバーブの立ち上がり時間(ゼロから最大振幅
に到達するまでの時間)、最大振幅値、減衰時間(最大
振幅値からゼロ近辺の所定値に到達するまでの時間)が
挙げられる。特に、本実施の形態においては、このエン
ベロープ係数を2組備えている。該2組のうち、一方
は、ダンパペダル1が踏まれた状態で鍵盤2が操作され
た場合に使用されるエンベロープ係数(以下“立ち上が
り係数a”と呼ぶ)であり、他方は、鍵盤2が操作され
た後でダンパペダル1が踏まれた場合に使用されるエン
ベロープ係数(以下“立ち上がり係数b”と呼ぶ)であ
る。なお、ダンパペダル1が離された場合にエンベロー
プを立ち下げるために使用されるエンベロープ係数を減
衰係数cと呼ぶ。
【0020】CPU5は、該電子楽器全体を制御統括す
る。該CPU5は、例えば、鍵盤2の打鍵状態に基づい
て、そのとき打鍵された鍵の原音データの出力を音源回
路6へ指示する機能を備えている。また、該CPU5
は、上述のエンベロープ係数をROM3から読み出して
DSP7に出力することで、共鳴効果の生成を制御して
いる。本実施の形態では特に、ダンパペダル1と鍵盤2
との状態を監視し、その監視結果に応じて、DSP7へ
出力するエンベロープ係数を変更することで、DSP7
による共鳴効果の付与の仕方を変更させるようになって
いる。
【0021】音源回路6は、楽音の元になる原音データ
を出力する。本実施の形態における音源回路6は、主と
して各楽音の原音データを格納したメモリと、このメモ
リから楽音データを読み出す読み出し回路とで構成され
ている。該原音データは、例えばアコースティックピア
ノの各鍵を操作した場合に発生する楽音の波形データを
サンプリングすることで得たものである。該音源回路6
は、バス10を通じて入力されるCPU5からの指示に
従って、所定の楽音の原音データをDSP7へ出力する
ように構成されている。
【0022】DSP7は、音源回路6から入力される原
音データに所定の処理を施すことで、共鳴効果を模した
模擬共鳴音データを生成して原音データに付与する。後
述するように、本実施の形態では、遅延処理等によって
作成される残響音データを利用して模擬共鳴音を作成し
ている。DSP7の具体的構成は、図2に示すように、
リバーブ回路71と、エンベロープジェネレータ72
と、乗算器73と、加算器74とからなる。
【0023】リバーブ回路71は、原音データに基づい
て残響音データを生成するものであり、本実施の形態に
おいては遅延回路、増幅器及び加算器で構成している。
この場合、遅延時間及び増幅率を決定するために必要な
演算係数は、予めCPU5から入力されるようになって
いる。該リバーブ回路71は生成した波形データを乗算
器73へ出力している。但し、リバーブ回路71の出力
している残響音データでは、実際の共鳴音のエンベロー
プ(振幅の時間変化)は模されていない。エンベロープ
については、この後述べるエンベロープデータを乗算器
73によって乗算することで、再現している。
【0024】エンベロープジェネレータ72は、模擬共
鳴音のエンベロープを規定したエンベロープデータを生
成する。該エンベロープジェネレータ72は、CPU5
から与えられるエンベロープ係数に基づいて該エンベロ
ープデータを生成している。図4に示すように、立ち上
がり係数aが入力されている場合(ダンパペダル1が先
に踏まれている場合)には、模擬共鳴音が急速に立ち上
がるようなエンベロープデータが生成される。一方、立
ち上がり係数bが入力されている場合には、模擬共鳴音
が緩やかに立ち上がるようなエンベロープデータが生成
される。
【0025】乗算器73は、リバーブ回路71の生成し
た残響音データに、上述したエンベロープデータを乗算
することで、模擬共鳴音データを生成する。該模擬共鳴
音データにおいては、共鳴音の振幅の時間変化もが再現
されている。
【0026】加算器74は、音源回路6から入力された
原音データと、乗算器7の出力する模擬共鳴音データと
を加算することで、両者を混合する。該加算器74は、
加算した後のデータを、DAC8へ出力している。
【0027】図1におけるDAC8は、DSP7の出力
するデジタル信号の波形データをアナログデータに変換
する。出力回路9は、DAC8によってアナログデータ
に変換された波形データを楽音として実際に出力する。
該出力回路9は、アンプ、スピーカ等から構成されてい
る。
【0028】特許請求の範囲において言う“発音操作”
とは、鍵盤2を構成する各鍵のそれぞれを押す操作に相
当する。“共鳴操作”とは、ダンパペダル1を踏む操作
に相当する。“原音データ生成手段”とは、本実施の形
態においては、CPU5、音源回路6に相当する。“模
擬共鳴音データ生成手段”とは、本実施の形態において
は、リバーブ回路71、エンベロープジェネレータ7
2、乗算器73、CPU5によって実現されている。
“リバーブ手段”とは、リバーブ回路71に相当する。
“エンベロープデータ生成手段”とは、ROM3、RA
M4、CPU5、エンベロープジェネレータ72によっ
て実現されている。“乗算手段”とは、乗算器73に相
当する。“混合手段”とは、本実施の形態においては加
算器74に相当する。“監視手段”は、本実施の形態に
おいてはダンパペダル1、鍵盤2の備える電子スイッチ
及びその出力信号を監視するCPU5によって実現され
ている。
【0029】本実施の形態の電子楽器の動作を説明す
る。ダンパペダル1及び鍵盤2の備える電子スイッチ
は、これらの状態を検出し、その検出結果をバス10を
通じてCPU5に出力している。CPU5は、この検出
結果に基づいて、立ち上がり係数a又はbのうちのいず
れか一方を選択する。そして、選択した立ち上がり係数
a(あるいは、立ち上がり係数b)の値をROM3から
読み出して、DSP7へ出力する。DSP7のエンベロ
ープジェネレータ72は、その時入力されている立ち上
がり係数に応じてエンベロープデータを生成し出力す
る。なお、該立ち上がり係数の選択については、この後
図3を用いてさらに詳細に説明する。
【0030】これと並行して、CPU5は、打鍵された
鍵の原音データの出力を音源回路6へ指示する。音源回
路6は、これに応じて指示された音程の原音データをD
SP7へ出力する。DSP7のリバーブ回路71は、こ
の原音データに遅延処理などを施して残響音データを作
成する。
【0031】乗算器73は、その時、エンベロープジェ
ネレータ72の出力しているエンベロープデータと、リ
バーブ回路71の出力する残響音データとを乗算するこ
とで、模擬共鳴音データを作り出す。加算器74は、こ
の乗算器73の出力する模擬共鳴音データと、原音デー
タとを加算することで、両者を混合する。そして、混合
後のデータを、DAC8へ出力する。
【0032】DAC8は、DSP7からのデジタルの波
形データをアナログデータに変換した上で、出力回路9
へ出力する。出力回路9は、これを音に変換して出力す
る。
【0033】次に、CPU5によるエンベロープ係数の
選択・設定動作を図3のフローチャートを参照しながら
説明する。電源が投入されると、CPU5は、鍵盤2と
ダンパペダル1との状態を交互に確認しつづけている
(ステップS302、S304)。該確認の結果ステッ
プS302において鍵盤2が押されていると判定された
場合には、ステップS306に進み、ダンパペダル1が
踏まれたか否かを判定する。
【0034】ステップS306における判定の結果、ダ
ンパペダル2が踏まれたと判断された場合、すなわち、
鍵盤2が先に押され、その後、ダンパペダル1が踏まれ
た場合は、ステップS308に進む。ステップS308
において、CPU5は、立ち上がり係数bを選択すると
ともにその具体値をROM3から読み出してDSP7の
エンベロープジェネレータ72へ出力する。
【0035】ステップS308の後、CPU5は、鍵盤
2が新たに押されたか否かを再び判定する(ステップS
310)。該判定の結果、新たに押された鍵があった場
合、すなわち、ダンパペダル1が踏まれた状態において
鍵盤2が新たに押された場合には、CPU5は立ち上が
り係数aを選択するとともにその具体値をROM3から
読み出して、DSP7のエンベロープジェネレータ72
へ出力する(ステップS312)。その後は、ステップ
S314へ進む。なお、ステップS310において、鍵
盤2の新たな操作が検出されなかった場合には、ステッ
プS312を行うことなく、直接、ステップS314へ
進む。
【0036】ステップS314において、CPU5はダ
ンパペダル1が離されているか否かを判定する。該判定
の結果、ダンパペダル1が離されていない場合には、ス
テップS310に戻る。つまり、ダンパペダル1が踏ま
れたままの状態が続いている間、CPU5は鍵盤2が新
たに押されたか否かを監視し続けている。
【0037】ステップS314において、ダンパペダル
1が離されていた場合には、減衰係数cを選択するとと
もにその具体値をROM3から読み出してDSP7のエ
ンベロープジェネレータ72へ出力する(ステップS3
16)。その後、ステップS302に戻り同様の処理を
繰り返す。ところで、ステップS304においてダンパ
ペダル1が踏まれていることが検出された場合にも、C
PU5は、ステップS312に進み、立ち上がり係数a
を設定する。それ以降は、上述した場合と同様の処理を
行うことになる。
【0038】なお、このフローチャートに示した処理
は、人間による鍵盤などの操作に較べて非常に高速に行
われている。また、これまで特に説明しなかったが、検
出・判定された、各鍵の状態は次回の判定が行われるま
でRAM4に保持されるようになっている。従って、ス
テップS310における判定の際に、その鍵が新たに押
されたものであるか、あるいは、ステップS302(あ
るいは、前回実行したステップS310)を実行した際
に押されていた鍵がそのまま押されたままの状態が続い
ているかは、明確に区別できるようになっている。押さ
れたままの状態が続いている場合には、新たな操作とは
みなさずステップS310から直接ステップS314に
進むようになっている。
【0039】図3に示した処理によって設定される模擬
共鳴音のエンベロープの立ち上がりの様子を図4、図5
に示した。図3のステップS308において、立ち上が
り係数bが設定された場合におけるエンベロープの変化
の様子が、図4における実線である。一方、ステップS
304から直接ステップS312に進んだ場合における
エンベロープの変化の様子が、図4における破線であ
る。また、図3のステップS316において、減衰係数
cが設定された場合におけるエンベロープの変化の様子
が、図4における一点鎖線である。ステップS308に
おいて 立ち上がり係数bを設定した後、ステップS3
12において立ち上がり係数aが設定された場合におけ
るエンベロープの変化の様子が、図5である。この図5
の場合には、当初は立ち上がり係数bに基づいたエンベ
ロープ(すなわち、立ち上がりの緩やかなエンベロー
プ)になっている。しかしこの立ち上がりの途中(時刻
T1)で、立ち上がり係数aに切り換えられたことに起
因して、その立ち上がりの傾斜も途中(時刻T1)から
急になっている。従って、ステップS302のキーON
に対応する音に対するリバーブ音のエンベロープは図5
に示したような形状になるが、次回のステップS310
の新たなキーONによってマスクされるため演奏上の影
響は少ない。
【0040】以上説明した実施の形態によれば、鍵盤2
が押されてからダンパペダル1が踏まれた場合における
共鳴効果を、ダンパペダル1が踏まれた状態において鍵
盤2を押した場合の共鳴効果と区別して、より正確に模
擬できる。
【0041】
【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、簡単
な構成で、本物のアコースティックピアノにより近いダ
ンパペダルの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である電子楽器の全体構成
を示すブロック図である。
【図2】DSP7の構成を示すブロック図である。
【図3】CPU5によるエンベロープ係数設定動作を示
すフローチャートである。
【図4】エンベロープ係数とエンベロープの立ち上がり
との関係を示すグラフである。
【図5】エンベロープの立ち上がり途中でエンベロープ
係数が切り換えられた場合におけるエンベロープを示す
グラフである。
【符号の説明】
1 ダンパペダル 2 鍵盤 3 ROM 4 RAM 5 CPU 6 音源回路 7 DSP 8 DAC 9 出力回路 10 バス 71 リバーブ回路 72 エンベロープジェネレータ 73 乗算器 74 加算器
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−59391(JP,A) 特開 平6−214563(JP,A) 特開 平1−101590(JP,A) 特開 平5−94186(JP,A) 特開 平7−271371(JP,A) 特開 平7−175475(JP,A) 特開 平7−20866(JP,A) 特開 平7−219530(JP,A) 特開 昭63−267999(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 1/00 - 7/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】楽音の音程を指定する発音操作を受け付け
    る鍵盤と、 共鳴音の発生を指示する共鳴操作を受け付けるペダル
    と、 前記鍵盤で指定された音程の楽音の原音データを出力す
    る原音データ生成手段と、 前記共鳴音を模した模擬共鳴音データを生成する模擬共
    鳴音データ生成手段と、 前記原音データと前記模擬共鳴音データとを加算し出力
    する混合手段と、 前記鍵盤及び前記ペダルの操作状態を監視する監視手段
    とを備え、 前記模擬共鳴音データ生成手段は、 前記原音データに所定の残響音生成処理を施すことで残
    響音データを出力する手段と、 前記模擬共鳴音の各時刻における振幅値を規定したエン
    ベロープデータを生成するエンベロープデータ生成手段
    と、 前記エンベロープデータを前記残響音データに乗算する
    ことで、前記模擬共鳴音データを生成する乗算手段とを
    え、 前記エンベロープデータ生成手段は、前記操作状態が
    記ペダルが前記共鳴操作を受け付けている状態において
    前記鍵盤が前記発音操作を新たに受け付けた場合を示す
    ときと、前記操作状態が前記鍵盤が前記発音操作を受け
    付けてから前記ペダルが前記共鳴操作を受け付けた場合
    を示すときとで、互いに異なる前記エンベロープデータ
    生成するものであること、 を特徴とする楽音信号発生装置。
  2. 【請求項2】前記ペダルが前記共鳴操作を受け付けてい
    る状態において前記鍵盤が前記発音操作を受け付けた場
    合における前記エンベロープデータは、前記鍵盤が前記
    発音操作を受け付けてから前記ペダルが前記共鳴操作を
    受け付けた場合におけるエンベロープデータよりも、前
    記模擬共鳴音を急速に立ち上げさせるものであること、 を特徴とする請求項記載の楽音信号発生装置。
  3. 【請求項3】前記エンベロープデータ生成手段は、 前記模擬共鳴音の立ち上がり時間、最大振幅値、減衰時
    間のうちの少なくとも一つを含んで構成されるエンベロ
    ープ係数を複数組分だけ予め格納したメモリと、 前記メモリに格納された前記エンベロープ係数のうちの
    いずれか一組を、前記監視手段の監視結果に応じて選択
    する制御回路と、 前記制御回路によって選択された前記エンベロープ係数
    に基づいて、前記エンベロープデータを算出する演算回
    路とを有するものであること、 を特徴とする請求項記載の楽音信号発生装置。
  4. 【請求項4】前記発音操作は、前記鍵盤を構成する各鍵
    のそれぞれを押す操作であり、 前記共鳴操作は、前記ペダルを踏む操作であることを特
    徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の楽音信
    号発生装置。
  5. 【請求項5】アコースティックピアノのダンパペダルの
    操作に起因して発生する共鳴音を模した模擬共鳴音を、
    該アコースティックピアノの原音データに所定の残響音
    生成処理を施すとともに予め用意されたエンベロープデ
    ータを乗算することで発生させる楽音信号発生方法であ
    って、 ダンパペダル及び鍵盤の状態を監視することと、 該監視結果に応じて前記エンベロープデータを変更する
    こととを備え、 前記エンベロープデータは、前記操作状態が前記ダンパ
    ペダルが前記共鳴操作を受け付けている状態において前
    記鍵盤が前記発音操作を新たに受け付けた場合を示すと
    きと、前記操作状態が前記鍵盤が前記発音操作を受け付
    けてから前記ダンパペダルが前記共鳴操作を受け付けた
    場合を示すときとで、互いに異なる こと、 を特徴とする楽音信号発生方法。
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