JPH10222167A - 電子楽器のピッチ制御装置 - Google Patents

電子楽器のピッチ制御装置

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JPH10222167A
JPH10222167A JP9036919A JP3691997A JPH10222167A JP H10222167 A JPH10222167 A JP H10222167A JP 9036919 A JP9036919 A JP 9036919A JP 3691997 A JP3691997 A JP 3691997A JP H10222167 A JPH10222167 A JP H10222167A
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Sayoko Hirano
佐代子 平野
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、各音色やキーナンバに対応した固
有のピッチ情報に基づいて音高周波数を設定することに
より、アコウスティックな楽器に近い響きを表現できる
音楽性の豊かな電子楽器のピッチ制御装置を提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】 本発明のピッチ制御装置は、複数種類の
音色を発音可能な電子楽器において、前記複数種類の音
色から所望の音色を設定する音色設定手段と、前記音色
設定手段で設定される各音色とキーナンバに応じた調律
曲線情報を全鍵域にわたり記憶する調律曲線情報記憶手
段と、キー入力により発音が指示された際に、前記音色
設定手段で設定された音色とキーナンバに対応した調律
曲線情報を前記調律曲線情報記憶手段から読み出してピ
ッチを決定して、音高周波数を付与する制御手段とを具
備して構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばシンセサイ
ザー、電子ピアノ、電子オルガン、シングルキーボー
ド、音源モジュール等に用いられる電子楽器のピッチ制
御装置に関し、特に発音される音色とキーナンバに応じ
たピッチ制御を可能にするピッチ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、LSI技術に代表される電子回路
技術によって、楽音信号の発生方法として「プログラム
カウンタ方式」や「周波数ナンバ方式」等を用いること
により、デジタル的にピッチを容易に制御できるように
なっている。
【0003】例えば、「周波数ナンバ方式」は、デジタ
ル的な時分割操作をすることにより、複数の発音チャン
ネルの音高周波数を単一の回路で同時に発生させたり、
周波数ナンバデータをデジタル的に演算処理することに
より実時間的な動作を表現することが可能になった。
【0004】また、音程設定の面でもデジタル処理によ
り、容易に音程設定精度の誤差を1%程度に固定できる
ので、専門家が音楽的に要求する「音律」の使い分けに
必要な1セントから数セント程度の音程差の正確な音程
の設定が実現可能になった。
【0005】さらに、デジタル的に音高周波数と鍵盤の
対応関係を制御することにより、任意の調に瞬時に移調
した上で楽音を発生することが可能となっている。
【0006】しかしながら、従来技術に見られるよう
に、各音色共通の音律データを用いた制御では、例えば
クラシックオーケストラの演奏における重厚な響きは表
現できず、電子楽器との間には大きな隔たりがあり改善
が求められている。
【0007】これは、オーケストラに用いられる個々の
アコウスティックな楽器の音律は、ある楽器は12等分
平均律に近く、他の楽器は純正律やピタゴラス音律に近
く、各楽器毎のピッチに微妙な差があり、共通した音律
による制御では重厚さや響きが表現できないためであ
る。
【0008】一方、従来の電子楽器はメモリの節約や構
造の簡略化のため、1オクターブ分の周波数情報を記憶
しておいて、他のオクターブは分周器を用いて演算して
いた。しかしながら、実際の楽器、例えば、アコウティ
ックなピアノの調律は、所定の音律より高音域の音は高
めに低音域の音は低めに設定する等、個々の楽器ごとに
調律は異なっている。
【0009】また、オルガンやハーブシコードの調律
は、ピアノの調律曲線とは異なったそれぞれの楽器に固
有の調律曲線に基づいて制御されている。従って、一部
の電子楽器で行なわれているように、ピアノの調律曲線
を用いてオルガンやハーブシコード等、他の楽器の調律
を制御すると実際の楽器の音程とは異なった音程になっ
てしまう。
【0010】このように、ピアノ以外の楽器のピッチの
制御にピアノの調律曲線情報を使用したり、あるいは、
例えば弦楽器というような各音色系列ごとの調律曲線情
報を用意し、各音色系列ごとに共通した調律曲線情報に
よりピッチを制御する従来の方法では、各音色の「らし
さ」が表現できないという問題点があった。
【0011】従って、これらの問題点を解消するために
は、個々の楽器(音色)ごとに最適な調律曲線情報を用
いて、各音色のピッチの微妙な差を表現する必要があ
る。
【0012】上記の問題点を解消するため、複数の音律
を切り換えて使用できる電子楽器が知られている。例え
ば、特開昭60−178493号公報には、オクターブ
内の音名単位でピッチを自由に設定することができる電
子楽器が開示されている。
【0013】しかしながら、この提案で示されているピ
ッチ調整値は、平均律からのピッチのズレをセント値で
表すようになっているが、該ピッチ調整値は操作パネル
から与えられるようになっており、予め各音色やキーナ
ンバに応じた固有のデータを保持するものではない。
【0014】また、特開昭61−194497号公報に
は、音色名によってピッチ情報を切り換えてピッチを制
御するものが提案されているが、本方法は各音色毎に例
えば平均律、純正律、ピタゴラス音律という代表的な音
律の中のどれに近いかを判別し、音色系列毎に音律を選
択するものであり、各音色の全鍵域にわたる調律曲線情
報を記憶しておきノートナンバごとに制御するものでは
ない。
【0015】また、従来の電子ピアノ等の電子楽器に
は、1つの鍵盤を押下したときに、複数の音色を同時に
発音することのできるデュアル演奏モードを有するもの
がある。
【0016】係るデュアル演奏モードを有する電子楽器
において、同時発音される複数音色のそれぞれの音色の
押下されたキーナンバに応じたデータに基づいて各音色
のピッチを制御すると、使用される各音色の調律曲線情
報が異なるために唸りを生じて聴きにくい場合があり、
唸りを防止する方策が求められていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたものであり、各楽器(音色)ごとの調律曲線
の違いに着目し、各音色やキーナンバに応じた固有の調
律曲線情報に基づいて音高周波数を設定することによ
り、それぞれのアコウスティックな楽器に近い響きを表
現できる音楽性の豊かな電子楽器のピッチ制御装置を提
供することを課題とする。
【0018】また、前記発明に加えてデュアル演奏モー
ドを有する電子楽器においては、同時発音される複数音
色の何れか1つの音色の調律曲線情報に基づいて同時発
音される他の各音色の音高周波数を制御することによ
り、同時発音時における唸りを防止した聴きやすい電子
楽器のピッチ制御装置を提供するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数種類の音
色を発音可能な電子楽器において、前記複数種類の音色
から所望の音色を設定する音色設定手段21と、前記音
色設定手段21で設定される各音色とキーナンバに応じ
た調律曲線情報を全鍵域にわたり記憶する調律曲線情報
記憶手段26と、キー入力により発音が指示された際
に、前記音色設定手段21で設定された音色とキーナン
バに対応した調律曲線情報を前記調律曲線情報記憶手段
26から読み出してピッチを決定して、音高周波数を付
与する制御手段23とを具備して構成される。
【0020】前記調律曲線情報記憶手段26に記憶され
る調律曲線情報は、基本となる音高からのズレであるこ
とを特徴とする。
【0021】前記調律曲線情報記憶手段26に記憶され
る調律曲線情報は、基本となる音高と、該基本となる音
高からのズレを加味した修正値であることを特徴とす
る。
【0022】また、本発明のピッチ制御装置は、前記装
置に加えてデュアル演奏モードを有し、複数種類の音色
を同時発音可能な電子楽器において、前記発明に係る構
成に加えて、更に、デュアル演奏指示手段5Aを有し、
前記デュアル演奏指示手段5Aによりデュアル演奏が指
示されると、前記音色設定手段21で設定されて同時発
音される複数の音色から、調律制御の基準となる何れか
一つの音色を選択する音色選択手段22と、押鍵するこ
とにより発音が指示されると、前記音色選択手段22で
選択された音色と、同時発音される各音のキーナンバに
基づいた調律曲線情報を前記調律曲線情報記憶手段26
から読み出して同時発音される各楽音に付与して発音を
制御する制御手段23とを具備して構成される。
【0023】前記調律曲線情報記憶手段26に記憶され
る調律曲線情報は、基本となる音高からのズレであるこ
とを特徴とする。
【0024】前記調律曲線情報記憶手段26に記憶され
る調律曲線情報は、基本となる音高と、該基本となる音
高からのズレを加味した修正値であることを特徴とす
る。
【0025】
【作用】本発明は、電子楽器において個々の楽器(音
色)ごとに最適な調律曲線情報を持ち、音色とキーナン
バに応じた調律曲線情報によって各音の音高周波数を決
定することにより、アコウスティックな楽器に近い調律
曲線情報に基づいた演奏を可能にするものである。
【0026】このため本発明は、予め各音色のキーナン
バに応じた調律の音律からのズレを全鍵にわたって調律
曲線情報記憶手段26に記憶しておき、発音が指示され
た音色の音律と、音色とキーナンバに応じた調律曲線情
報に基づいて所定の演算処理を施して音高周波数を決定
するものである。
【0027】また、他の方法は、予め各音色の音律と、
該音色における各キーナンバごとの調律のズレを加味し
た修正値を全鍵にわたって作成し、調律曲線情報記憶手
段26には該修正されたデータを記憶しておき、発音が
指示されると、指示された音色とキーナンバに応じた修
正値を調律曲線情報記憶手段26から読み出して音高周
波数を決定して発音するようにしたものである。
【0028】これにより、各音色の全鍵にわたり独立し
たピッチ調整が可能であるとともに、発音周波数の変調
も可能になっており、各音色に最適な調律での演奏が可
能となる。
【0029】また、上記発明の各構成要素に加えてデュ
アル演奏指示手段5Aを備え、該デュアル演奏指示手段
5Aによりデュアル演奏が指示されると、同時発音され
る各音色の使用する調律曲線情報を調べ、各音色の使用
する調律曲線情報が異なる場合は、同時発音される各音
色の何れか一つの音色が使用する音律及び/又は調律曲
線情報に基づいて、他の同時発音される各音色のピッチ
を制御するものである。
【0030】これにより、各音色の音程が異なるために
生じる唸りの発生が防止でき、自然で聴き易い演奏が可
能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るピッチ制御
装置を有する電子楽器の全体的な構成を示す概略ブロッ
ク図である。
【0032】図において、CPU1は、ROM2のプロ
グラムメモリ部に記憶された制御プログラムに従って当
該電子楽器の各部を制御するとともに、ROM2上に記
憶されている演奏情報(ここでは主に鍵域情報)24と
音色情報25に基づいて調律曲線情報を読み出して、波
形の読み出し速度を演算して、楽音信号発生部7に送る
制御を行なうものである。
【0033】このため、該CPU1には音色設定部2
1、音色選択部22及び制御部23が設けられている。
【0034】音色設定部21は、音色選択スイッチの操
作により指定された音色、例えばギターやピアノ等の音
色を設定しRAM3の所定の領域に記憶させるものであ
り、該音色設定部21による音色の設定状況は制御部2
3により読み取られ、ピッチの制御に使用される。
【0035】音色選択部22は、デュアル演奏時に音色
設定部21により設定された複数の同時発音される音色
から調律制御の基準となる何れか一つの音色を選択する
ものであり、該音色選択部22により選択された音色は
制御部23により読み取られ、RAM3の所定の領域に
一時記憶される。
【0036】制御部23は、押鍵されることにより発音
が指示されると、音色設定部21により設定された音色
と押下されたキーのキーナンバに対応した調律曲線情報
を調律曲線情報記憶部26から読み出す制御を行なう。
【0037】また、デュアル演奏時には該制御部23
は、音色選択部22により選択された音色と、同時発音
される各音色のキーナンバに応じた調律曲線情報を前記
調律曲線情報記憶部26から読み出す制御をする。
【0038】ROM2は、上述したCPU1を動作させ
る制御プログラムの他、音色データ、その他、種々の固
定データを記憶している。また、本発明に直接関係する
調律曲線情報は該ROM2の調律曲線情報記憶部26に
記憶される。なお、調律曲線情報記憶部26の構成につ
いては図3で詳述する。
【0039】演奏情報記憶部24はイベント情報の集合
として構成されており、該イベント情報は識別符号、鍵
番号、打鍵強度、時間情報等により構成されている。な
お、本発明においては演奏情報のうち主として鍵域情報
が使用される。
【0040】音色情報記憶部25は、各音色の楽音デー
タを記憶するものであり、音色設定部21により設定さ
れた音色は音色ポインタによって指定されている。即
ち、パネル操作や鍵盤操作、ペダル操作等により上記音
色ポインタが変更されると、変更された音色ポインタに
より指定されたデータが音色波形メモリ8から読み出さ
れて、所定の演算が施されて楽音信号発生部7に供給さ
れる。
【0041】RAM3にはCPU1の作業用領域、当該
電子楽器を制御するための各種レジスタ、カウンタ、フ
ラグ等が定義されている他、ROM2に記憶されている
必要なデータが転送されて一時格納されるデータエリ
ア、楽音信号発生部7の各楽音発生回路を未使用チャン
ネルに割り付けるためのデータを記憶するアサイナメモ
等を有している。
【0042】また、操作パネル5の各キーやスイッチの
状態に対応して放音に必要なデータがセットされた複数
のレジスタ、鍵盤4のオン/オフにより発生された演奏
情報を一時記憶する押鍵マップ、ノートオンカウンタ
も、このRAM3に設けられている。
【0043】鍵盤4は発生すべき楽音を指定するために
使用されるものであり、複数のキーと、これらキーの押
鍵・離鍵動作に連動して開閉するキースイッチとで構成
され、検出された押鍵・離鍵動作に伴う信号は制御部2
3に通知されて、該制御部23によりRAM3の所定の
領域に一時記憶され必要に応じて読み出される。
【0044】操作パネル5には、電源スイッチの他、モ
ード指定スイッチ、メロディ選択スイッチ、リズム選択
スイッチ等、各種のスイッチや表示器が設けられてい
る。なお、本発明に直接関係するデュアルスイッチ5A
や図示しない音色選択スイッチは該操作パネル5に設け
られている。
【0045】操作パネル5の各スイッチのセット/リセ
ット状態は、該操作パネル5の内部に含まれるパネルス
キャン回路によって検出され、検出されたスイッチのセ
ット状態に関するデータは制御部23の制御の下にRA
M3の所定の領域に記憶されている。
【0046】ペダル6は、電子楽器の種類に応じて例え
ばダンパーペダル、ソフトペダル、ラウドペダル等があ
り、ペダルの踏込み量に応じて音量を制御したり、音色
を変化させて弱音効果を発揮したり、ディケイスピード
を制御して、発音状態や発音後の音響状態に変化を与え
るものである。
【0047】楽音信号発生部7は、CPU1から送られ
た信号に対応する楽音波形データを音色波形メモリ8か
ら読み出してエンベロープを付与することにより、各種
楽器に対応した楽音信号を生成出力するものである。
【0048】このため、該楽音信号発生部7には、音色
波形メモリ8の記憶内容に基づいて楽音を生成する楽音
生成部7aと、エンベロープ情報メモリ9の記憶内容に
基づいてエンベロープを設定するエンベロープ設定部7
bと、波形にエンベロープを掛け合わせる乗算部7d
と、打撃成分情報メモリ10の記憶内容に基づいて打撃
成分を設定する打撃成分設定部7cと、上記乗算部7d
の乗算結果に、この打撃成分設定部7cにより設定され
た打撃成分の波形を加算する加算部7eが設けられてい
る。
【0049】音色波形メモリ8は、例えばROM2で構
成されて楽音信号を生成するためのデータである周波数
ナンバ、波形ナンバ、モードデータ等の楽音の波形デー
タを記憶するものである。
【0050】弱打、強打等の波形データも該音色波形メ
モリ8に記憶されており、楽音生成部7aの図示しない
弱打成分楽音信号生成部や強打成分楽音信号生成部等に
よりアクセスされる。
【0051】エンベロープ情報メモリ9は、楽音成分に
応じた種々のエンベロープデータを記憶するものであ
り、各鍵を押鍵したときに得られる楽音波形のエンベロ
ープが記憶されている。
【0052】このエンベロープ情報メモリ9には、例え
ば同一鍵が押下された場合でも、ペダルがOFFのと
き、ONのとき、その他、中間の複数位置のとき等に分
けてエンベロープデータが記憶されており、楽音成分選
択レジスタ(図示しない)の内容をアドレスとして所定
のエンベロープデータが選択され、エンベロープ設定部
7bに送られる。
【0053】打撃成分情報メモリ10は、周波数が音高
に応じて変化しない楽音成分の波形データ、即ち、打撃
成分の波形データを記憶するものであり、各鍵を押鍵し
たときに得られる各音色の楽音波形から、打撃音に関す
る成分を抽出した結果が記憶されている。
【0054】楽音信号発生部7が出力した楽音信号はD
/A変換器11でアナログ変換されたのち音響システム
12に送られ、増幅器で所定のレベルに増幅されたのち
スピーカから放音される。
【0055】図2は波形の読み出し速度を制御する各要
因の関係を説明する図である。図のような構成において
所定のタイミングになると制御部23は、演奏情報記憶
部24より押鍵されたキーのキーナンバを読み取り、こ
れに基づいて図示しない音律記憶部より例えば平均律に
基づく当該キーナンバに応じたデータを読み取る。
【0056】続いて、音色情報記憶部25に設定されて
いる音色が読み取られ、前記キーナンバと設定されてい
る音色に基づき調律曲線情報記憶部26よりピッチを補
正する調律曲線情報が読み出されて前記ピッチが補正さ
れて楽音信号発生部7に送られる。
【0057】楽音信号発生部7の楽音生成部7aが使用
する周波数ナンバは発音周波数に比例する値(Fナンバ
という)であり、例えば平均律におけるC,C♯,D,
D♯,E,F,F♯,G,G♯,A,A♯,Bという1
2個のデータを有した構成となっている。
【0058】従って、キーナンバや音色に応じたピッチ
の補正は、これらのデータに対するピッチ調整値として
のセント値に対応した所定値(周波数比)を乗算器7d
で乗算し、該乗算により変更されたピッチを加算器7e
で累算して所望の音高の楽音を生成するようになってい
る。
【0059】図3は調律曲線情報記憶部26に記憶され
ている調律曲線情報の一例を示す図である。図のよう
に、調律曲線情報記憶部26には調律曲線情報が各音色
とキーナンバ(鍵域)に対応して、A,B,C・・と発
音可能な複数の音色に応じて用意されており、演奏され
る音色やキーナンバに応じた調律曲線情報が選択される
ようになっている。
【0060】なお、調律曲線情報記憶部26に記憶され
ている調律曲線情報は、各音色に共通して設けられてい
る基準となる音律(例えば、平均律、純正律、ピタゴラ
ス音律等)からのズレであり、例えばセント値で記憶さ
れている。
【0061】従って、キーナンバと音色に応じた調律曲
線情報を該調律曲線情報記憶部26から読み出して基準
となる音律に修正を加えることにより、各音色やキーナ
ンバに応じた微妙な読み出し速度の調整が行なわれるよ
うになっている。
【0062】図4は、各音色とキーナンバに応じてピッ
チを制御する本発明のピッチ制御装置の動作を説明する
フローチャートである。以下図面を参照しながら本実施
例の動作について説明する。
【0063】操作パネル5に設けられている電源スイッ
チまたはリセットスイッチがオンされると初期化処理が
行われる(ステップS11)。
【0064】この初期化処理は、CPU1内部のレジス
タやRAM3内部に定義されているレジスタの初期設定
をしたり、ROM2に記憶されている所定データやプロ
グラムをRAM3に移動したり、さらには、音色ポイン
タを初期化し、初期音色を設定する等の処理である。
【0065】次いで、操作パネル5の音色選択スイッチ
の設定に変更があるか否かが調べられる(ステップS1
2)。そして、音色選択スイッチの設定に変更がある場
合には、音色選択スイッチで設定されている音色に応じ
て音色ポインタを変更する(ステップS13)。
【0066】次いで、押鍵された鍵のキーナンバが調べ
られ、基準となる音律とともに設定されている音色とキ
ーナンバに応じた調律曲線情報が調律曲線情報記憶部2
6より読み出されてRAM3の所定の領域に記憶された
のちステップS12に戻る。
【0067】これにより、音色を変更するイベントがあ
った際のメインルーチンの発音処理においては、該音色
とキーナンバに応じた調律曲線情報によりピッチが制御
される。
【0068】一方、音色選択スイッチの設定に変更がな
い場合には、鍵盤4のキーが押鍵されたか否かが調べら
れる(ステップS14)。キーが押鍵された場合には、
押鍵されたキーに応じたアサイン処理を行ない、所定の
波形を読み出したのちステップS12に戻る(ステップ
S15)。
【0069】このアサイン処理は、楽音信号発生部7に
ポリフォニック数分備えられている楽音生成部7aのい
ずれを使用して楽音信号を生成するかを、空きチャンネ
ルの状況に応じて割り当てるための処理である。
【0070】この割り当て処理により割り当てられた楽
音生成部7aに設定されている音色や、タッチセンサで
検出したキータッチ、キーナンバ等のデータが制御部2
3に送られ、押鍵状態に応じた楽音信号の生成が指示さ
れる。
【0071】一方、押鍵されたキーがなかった場合に
は、次いで離鍵されたキーがあるか否かが調べられ(ス
テップS16)、離鍵されたキーがなかった場合には、
そのままステップS12に戻り同様の処理が繰り返され
る。
【0072】一方、離鍵されたキーがあった場合には離
鍵処理が行われる(ステップS17)。この離鍵処理と
は、離鍵された鍵のキーナンバーや、その時のペダル情
報等に応じて、既に作動しているエンベロープ設定部7
bに所定のエンベロープ情報を送出する処理である。
【0073】例えば、ペダル情報がOFFならば、所定
のリリースデータを送出し、エンベロープを速やかに
「0」に収束させて発音を打ち切る処理を行なったの
ち、ステップS12に戻り、以下同様の処理を繰り返
す。
【0074】このようにして上記ステップS13におい
て、選択されている音色とキーナンバに応じた最適の調
律曲線情報が選択されて音高周波数が決定されるので、
各音色とキーナンバに応じた制御が可能となり、アコウ
スティックな楽器に近い良好な響きを持った電子楽器が
提供できる。
【0075】図5は、デュアル演奏モードを有するピッ
チ制御装置の動作を説明するフローチャートである。以
下、図面を参照しながら複数音色の同時発音時における
音色変更に伴う調律曲線情報の選択動作について説明す
る。
【0076】操作パネル5に設けられている電源スイッ
チまたはリセットスイッチがオンされると初期化処理が
行われる(ステップS21)。
【0077】この初期化処理は、CPU1内部のレジス
タやRAM3内部に定義されているレジスタの初期設定
をしたり、ROM2に記憶されている所定データやプロ
グラムをRAM3に移動したり、さらには、音色ポイン
タを初期化し、初期音色を設定する等の処理である。
【0078】次いで、操作パネル5の音色選択スイッチ
の設定に変更があるか否かが調べられる(ステップS2
2)。その結果、音色選択スイッチの設定に変更のない
場合は分岐してステップS26に進む。
【0079】一方、音色選択スイッチの設定に変更があ
った場合は、RAM3のパネルイベントバッファが調べ
られ、デュアル演奏モードであるか否かが判定される
(ステップS23)。
【0080】その結果、デュアル演奏モードの場合に
は、同時発音される複数音色が同じ調律曲線情報を用い
てピッチを制御するか否かが調べられ、音色ごとに複数
の異なる調律曲線情報が選択されている場合には、同時
発音される複数音色の何れか一つの基準となる音色を選
択する(ステップS24)。
【0081】そして、選択された音色と押鍵された鍵の
キーナンバに応じた調律曲線情報が、制御部23により
調律曲線情報記憶部26より読み出されて、基本となる
音高に所定の修正が加えられて(ステップS25)、R
AM3の所定の領域に一時記憶されたのちステップS2
2に戻り、以下同様の処理を繰り返す。
【0082】これにより、デュアル演奏の際には、音色
選択部22により選択された音色と、同時発音される各
音色のキーナンバに基づいて調律曲線情報が読み出され
て各音色のピッチの制御が行なわれるので唸りが防止で
きる。
【0083】一方、上記ステップS23でデュアル演奏
モードではない場合には分岐してステップS25に進
み、キーナンバが調べられ、設定されている音色とキー
ナンバに応じた調律曲線情報が調律曲線情報記憶部26
より読み出されてRAM3の所定の領域に記憶されたの
ちステップS22に戻る。
【0084】ステップS26〜ステップS29までの処
理動作は、前記図4のステップS14〜ステップS17
の処理と同じであるので説明を省略する。
【0085】これにより、複数音色が同時発音される際
には、何れの音色も同じ音律に基づいて制御されるの
で、唸りの発生を防止でき、聴きやすい電子楽器のピッ
チ制御装置が提供できる。
【0086】なお、音色選択部22が、同時発音される
音色の何れか一つの音色を選択する際の選択基準につい
ては特に規定するものではなく、製造段階でメーカーが
任意に設定してもよい。
【0087】また、本実施例は基本となる音高と、調律
曲線情報記憶部26から読み出した基本となる音高に対
する音色とキーナンバに応じた補正値に基づいて演算を
施してピッチを制御する場合を例に説明しているが、本
発明はこれに限定されるものではない。
【0088】調律曲線情報作成時に、基本となる音高
と、該基本となる音高に対する各音色とキーナンバに応
じた補正値を加味した演算処理を行ない、該演算処理の
結果を調律曲線情報記憶部26に記憶させ、該調律曲線
情報記憶部26から読み出したデータに基づいてピッチ
を制御するように構成してもよい。
【0089】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明のピッチ
制御装置によれば、各音色のキーナンバに応じて全鍵独
立したピッチ調整ができるので、常に選択された音色に
応じた最適な調律曲線情報でピッチが制御される。従っ
て、各音色の特性を生かし、自然で違和感のない良好な
音響効果が得られる。
【0090】また、デュアル演奏モードの際に同時発音
される各音色は、同時発音される各音色の何れか一つの
音色に固有の調律曲線情報により制御されるので、唸り
を生じることはなく聴きやすい電子楽器が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るピッチ制御装置を適用した電子楽
器の全体構成を示す概略ブロック図である。
【図2】本発明に係る電子楽器の波形の読み出し速度制
御を説明するブロック図である。
【図3】本発明に係る電子楽器の調律曲線情報記憶部の
構成を説明する図である。
【図4】本発明に係る各音色とキーナンバごとのピッチ
制御の動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明に係る電子楽器のデュアル演奏モード時
のピッチ制御の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 CPU 2 ROM 3 RAM 4 鍵盤 5 操作パネル 5A デュアルスイッチ(デュアル演奏指示手段) 6 ペダル 7 楽音信号発生部 7a 楽音生成部 7b エンベロープ設定部 7c 打撃成分設定部 7d 乗算器 7e 加算器 8 音色波形メモリ 9 エンベロープ情報メモリ 10 打撃成分情報メモリ 11 D/A変換器 12 音響システム 21 音色設定部(音色設定手段) 22 音色選択部(音色選択手段) 23 制御部(制御手段) 24 演奏情報記憶部 25 音色情報記憶部 26 調律曲線情報記憶部(調律曲線情報記憶手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数種類の音色を発音可能な電子楽器に
    おいて、 前記複数種類の音色から所望の音色を設定する音色設定
    手段と、 前記音色設定手段で設定可能な各音色とキーナンバに応
    じた調律曲線情報を全鍵域にわたり記憶する調律曲線情
    報記憶手段と、 キー入力により発音が指示された際に、前記音色設定手
    段で設定された音色とキーナンバに対応した調律曲線情
    報を前記調律曲線情報記憶手段から読み出してピッチを
    決定して、音高周波数を付与する制御手段とを具備した
    ことを特徴とする電子楽器のピッチ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記調律曲線情報記憶手段に記憶される
    調律曲線情報は、基本となる音高からのズレであること
    を特徴とする請求項1記載の電子楽器のピッチ制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記調律曲線情報記憶手段に記憶される
    調律曲線情報は、基本となる音高と、該基本となる音高
    からのズレを加味した修正値であることを特徴とする請
    求項1記載の電子楽器のピッチ制御装置。
  4. 【請求項4】 デュアル演奏モードを有し、複数種類の
    音色を同時発音可能な電子楽器において、 請求項1記載の装置に加えて、 前記電子楽器はデュアル演奏指示手段を有し、 前記デュアル演奏指示手段によりデュアル演奏が指示さ
    れると、前記音色設定手段で設定され同時発音される複
    数の音色から、調律制御の基準となる何れか一つの音色
    を選択する音色選択手段と、 押鍵することにより発音が指示されると、前記音色選択
    手段で選択された音色と、同時発音される各音のキーナ
    ンバに基づいた調律曲線情報を前記調律曲線情報記憶手
    段から読み出して、同時発音される各楽音に付与して発
    音を制御する制御手段とを具備したことを特徴とする電
    子楽器のピッチ制御装置。
  5. 【請求項5】 前記調律曲線情報記憶手段に記憶される
    調律曲線情報は、基本となる音高からのズレであること
    を特徴とする請求項4記載の電子楽器のピッチ制御装
    置。
  6. 【請求項6】 前記調律曲線情報記憶手段に記憶される
    調律曲線情報は、基本となる音高と、該基本となる音高
    からのズレを加味した修正値であることを特徴とする請
    求項4記載の電子楽器のピッチ制御装置。
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CN111435591A (zh) * 2020-01-17 2020-07-21 珠海市杰理科技股份有限公司 声音合成方法及系统、音频处理芯片、电子设备

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