JP3531715B2 - 複合調味料 - Google Patents

複合調味料

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JP3531715B2
JP3531715B2 JP36328297A JP36328297A JP3531715B2 JP 3531715 B2 JP3531715 B2 JP 3531715B2 JP 36328297 A JP36328297 A JP 36328297A JP 36328297 A JP36328297 A JP 36328297A JP 3531715 B2 JP3531715 B2 JP 3531715B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】本発明は、昆布類及び/又は魚介類の風味
に優れ、塩かど・酢かどがなく、味なれのした熟成感の
ある複合調味料に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、調理において、醤油、みり
ん、清酒、発酵調味料及び食酢等は料理に香り、風味、
コク味を付与している。一方、昆布類及び/又は魚介類
は、特に日本料理に、味の基本として多用されている。
この昆布類及び/又は魚介類は、これらから旨味成分を
水又は熱水を用いて抽出したいわゆる「だし」が、天然
の良さと風味を有しているが、このだしを取る作業に手
間がかかるため、予め抽出・加工した昆布類エキス及び
/又は魚介類エキスが使用されている。すなわち、多く
のつゆ類(めんつゆ、丼物のつゆ、天ぷらのつゆ等)や
たれ類(焼肉用のたれ、焼鳥用のたれ、うなぎのたれ
等)は、これらの調味料や酒類、更にはだし、その他を
調合して目的の調理に合せて作られる。昆布類だし及び
/又は魚介類だし、醤油、みりん等は、古来から日本料
理の伝統的な香味を形成する上で多用されている。この
中で、醤油及びみりんは醸造製品であり、発酵及び/又
は熟成工程を経て製造、使用されるが、昆布類だし及び
/又は魚介類だしは、それらの成分を抽出して使用され
る。従来技術として、これらの組合せにより、両者の良
さを生かした複合調味料として、みりん、発酵調味料等
に昆布類成分を含有させた新規な調味料とその製造法が
開示されている(特開昭63−44865号)が、昆布
類及び/又は魚介類の風味の良さをそのまま保持し、醤
油、みりんとの組合せを基本とした複合調味料の開発や
製品化についてはいまだ検討されていない。 【0003】一方、近年種々の複合調味料が市場に出回
るようになってきているが、上記醤油等の調味料、酒類
調味料及び昆布類、魚介類のだしや、市販の昆布類、魚
介類エキス等を単に混合しても、それぞれの調味料間の
味なれやなじみは得られない。例えば、醤油とみりんか
らなる「返し」においては、両者を混合して加熱し、更
に長期間放置して味なれ(なじみ)を作り出しているの
が現状である。また、醤油とみりん中で昆布類及び/又
は魚介類からエキスを抽出すると、本来の香味と違った
ものが抽出されることにもなり、本来のだしの良さを損
なうことにもなる。すなわち、家庭や料亭で作った昆布
類だし及び/又は魚介類だし入りのめんつゆを作ると昆
布類だし及び/又は魚介類だしのよさが生きたものとな
るが、操作性や所要時間等の点でこれを工業的に生産す
ることは難しいといえる。また、工業的に製造された加
熱抽出濃縮昆布類エキス及び/又は加熱抽出濃縮魚介類
エキスを調味料や酒類調味料と混合・熟成し、加熱殺菌
してめんつゆ製品等を得ようとすると、既に昆布類エキ
ス及び/又は魚介類エキスは製造時に濃縮等のため香気
成分が飛散し、余分に加熱されているので過度の加熱香
味が付き、昆布類及び/又は魚介類の風味の良さが損な
われる。すなわち、工業的な生産による、醤油、みりん
及び昆布類だし及び/又は魚介類だしの組合せにおい
て、熟成感(例えば、塩かどがとれた状態等)があるこ
とが望ましいが、この中にあって昆布だし類及び/又は
魚介類だしの特徴である新鮮さやだしの持ち味を生かす
ことも必要である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
の矛盾する要望を解決し、昆布類及び/又は魚介類の風
味に優れ、塩かど・酢かどがなく、味なれのした熟成感
のある、工業的に生産可能な複合調味料及びその製造方
法を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
明は、醤油、みりん、並びに凍結濃縮昆布類抽出物及
び/又は凍結濃縮魚介類抽出物を主原料とする複合調味
料であって、醤油、みりんを先に混合し、次いで熟成及
び/又は加熱した後、−5〜−15℃で凍結し濃縮した
凍結濃縮昆布類抽出物及び/又は、−5〜−15℃で凍
結し濃縮した凍結濃縮魚介類抽出物を添加してなり、か
つ、複合調味料中の含量が、凍結濃縮昆布類抽出物では
昆布類由来の固形分として0.5〜3.0w/w%、凍
結濃縮魚介類抽出物では魚介類由来の固形分として0.
〜3.0w/w%であることを特徴とする塩かどの取
れた、熟成感のある複合調味料に関する。 【0006】本発明者らは、醤油、酒類調味料及び凍結
濃縮昆布類抽出物及び/又は凍結濃縮魚介類抽出物を主
体とする複合調味料において、昆布類だし及び/又は魚
介類だしの良さを生かした複合調味料を開発すべく鋭意
研究を重ねた。その結果、複合調味料中に凍結濃縮昆布
類抽出物及び/又は凍結濃縮魚介類抽出物を含有させる
ことにより、熟成感があり、塩かどがとれ、味なれが生
じ、昆布類だし及び/又は魚介類だし成分の加熱過剰に
よる風味損失のない、そして新鮮さを残した、すなわち
前記課題を解決した高品質な製品を得ることが可能であ
ることを見出した。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。ここでいう複合調味料とは、醤油、みりん、並びに
凍結濃縮昆布類抽出物及び/又は凍結濃縮魚介類抽出物
を主原料として得られる調味料、例えば、つゆ類(めん
つゆ、丼物のつゆ、天ぷらのつゆ等)や、たれ類(焼肉
用のたれ、焼鳥用のたれ、うなぎのたれ等)、調味酢及
び合せ調味料等をいう。 【0008】まず、本発明の複合調味料用の素材として
用いられる醤油としては、濃口醤油、薄口醤油、溜醤
油、白醤油及び再製醤油、更には醤油タイプの発酵調味
料等が挙げられる。みりんとしては、通常のみりん、本
直し、みりん風調味料、酒精含有甘味調味料等、更には
みりんタイプの発酵調味料・含塩発酵調味料が挙げられ
る。また、該複合調味料には、必要に応じて、食酢とし
て、通常の食酢、ドレッシング等、また、液体だしとし
て、煮干し、鰹節、イカ、カニ、エビ等を原料とし、こ
れを熱水あるいはアルコール水溶液で抽出したものを併
用してもよい。 【0009】凍結濃縮昆布類抽出物の原料として使用す
る昆布類は、褐藻類コンブ目に属し、通常食用にされる
海藻類であればよく、特に限定はないが、例えば、マコ
ンブ、リシリコンブ、オニコンブ、カキジマコンブ、ミ
ツイシコンブ、ナガコンブ、ホソメコンブ及び/又はヒ
ダカコンブ等の良品質のだし用昆布類の使用が好まし
く、昆布類そのもの、あるいは例えば粉末昆布類、細切
昆布類のような形態で使用することができる。また、凍
結濃縮魚介類抽出物の原料として使用する魚介類は、動
物分類学上の魚類、貝類以外にホヤ等の原索動物、ウ
ニ、ナマコ等の棘皮動物、えび、かに等の甲殻類、い
か、たこ等の貝類以外の軟体動物のことをいう。当該魚
介類には生及び乾燥魚介類があり、更に加工処理が施さ
れた節類も含まれる。節類としては、魚介類を煮熟後、
焙乾させたもの、又はそれにかび付けしたものであれば
よく、特にその種類は限定されない。例えば、鰹節(枯
節、荒節、裸節、なまり節等)、雑節(宗田節、鯖節、
うるめ節、まぐろ節、むろあじ節等)がある。また、乾
燥魚介類とは、魚介類を煮熟後、天火、乾燥器等で乾燥
させた物であればよく、特にその種類は限定されない。
例えは、煮干し、干しえび、干し貝柱等がある。これら
の魚介類は必要により裁断、破砕、粉砕等を行い本発明
の抽出に用いる。また、これらの原料を混合して抽出し
てもよい。 【0010】凍結濃縮昆布類抽出物及び/又は凍結濃縮
魚介類抽出物の製法は特に限定はなく、例えば水抽出又
は熱水抽出(50〜100℃)したものを、その後凍結
濃縮したものであればよい。凍結濃縮とは、例えば一般
的に昆布類抽出液及び/又は魚介類抽出液を凍結(−5
〜−15℃)し、被濃縮液中の水を氷の結晶に変え、こ
の結晶を遠心分離又は圧ろ過の方式で母液と分離するこ
とにより濃縮するものをいう。最終の凍結濃縮昆布類抽
出物及び/又は凍結濃縮魚介類抽出物の濃縮度は自由に
加減できるが、昆布類及び/又は魚介類由来の固形分と
して1〜10%程度のものがハンドリングの等の点から
好ましい。また、必要に応じて、増粘多糖類や水飴等
を、粘性と物性を整えるために添加してもよい。 【0011】凍結濃縮昆布類抽出物及び/又は凍結濃縮
魚介類抽出物の複合調味料における含有量は、凍結濃縮
昆布類抽出物の昆布類由来固形分として0.01〜10
w/w%がよく、味のバランスの点からは0.05〜
3.0w/w%、特に0.5〜3.0w/w%が好まし
く、凍結濃縮魚介類抽出物の魚介類由来固形分としても
0.01〜10w/w%がよく、味のバランスの点から
は0.05〜3.0w/w%、特に0.5〜3.0w/
w%が好ましい。 【0012】更に、昆布類と魚介類の双方を含む本発明
抽出物の製法としては、予め昆布類と魚介類の原料を混
合して抽出した後凍結濃縮する方法、魚介類抽出液と昆
布類の抽出液を混合した後凍結濃縮する方法又は凍結濃
縮昆布類抽出物と凍結濃縮魚介類抽出物を混合する方法
がある。 【0013】本発明複合調味料の製造方法は特に限定は
ないが、醤油、みりん、並びに凍結濃縮昆布類抽
出物及び/又は凍結濃縮魚介類抽出物のすべてを混合
し、熟成及び/又は加熱してもよいし、この〜の内
二つを混合し、熟成及び/又は加熱した後、残りのもの
を添加してもよく、特に、醤油、みりんを先に混合し、
熟成及び/又は加熱した後、凍結濃縮昆布類抽出物及び
/又は凍結濃縮魚介類抽出物を添加する方法が風味の面
から好ましい。凍結濃縮昆布類抽出物及び/又は凍結濃
縮魚介類抽出物を後で混合する場合は、混合後、限外ろ
過処理等により除菌することも可能である。熟成の期間
と加熱殺菌の条件は特に限定はないが、熟成の温度は1
5〜60℃、好ましくは20〜40℃、数時間以上、好
ましくは半日〜1ヵ月で味なれがよく、塩かどを取る効
果が得られる。加熱殺菌の温度は60℃以上、好ましく
は65〜120℃、更に品質の上からは、65〜90℃
が好適である。加熱殺菌の時間は、数秒から数時間であ
る。熟成と加熱を併用すると、更に、味なれがよく、塩
かどを取る効果が向上する。 【0014】本発明の複合調味料の形態は液体、粉末、
顆粒のいずれでもよく、常法により調製され得るが、風
味の面からは液体が好ましい。 【0015】 【実施例】以下、実施例によって本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 【0016】実施例1 醤油、みりん、及び凍結濃縮昆布抽出物を主原料とし
て、めんつゆを調製した。凍結濃縮昆布抽出物は、固形
分12w/w%(内、8.4w/w%は凍結濃縮昆布抽
出物由来、3.6w/w%は水飴由来)、フォルモール
態窒素32mg%(w/w)、全窒素85mg%(w/
w)、全糖(グルコースとして)4w/w%及びpH
5.5のものを使用した。まず、表1に示す配合のめん
つゆ446gを調製し、それぞれに凍結濃縮昆布抽出物
を0、30、60、90、130、160、190、2
20g添加した。これらを30℃で3日間熟成させ、7
5℃で10分間加熱殺菌して、本発明の複合調味料の一
つであるめんつゆを試作した。 【0017】 【表1】【0018】ここで使用した凍結濃縮昆布類抽出物及び
各試作複合調味料(めんつゆ)中の凍結濃縮昆布抽出物
由来の固形分量と割合は表2に示すようになる。 【0019】 【表2】 【0020】表2の各めんつゆ製品の全量を、それぞれ
水で2リットルに希釈し、パネラー10名で官能検査し
た。その結果を表3に示す。ここで対照は凍結濃縮昆布
抽出物無添加とする。官能検査は良を1点、不良を5点
として5段階評価で行った。 【0021】 【表3】【0022】表3から、本発明品の凍結濃縮昆布抽出物
を添加したものは、対照の無添加と比較して、味なれ、
塩かどの取れ具合、香味バランスにおいて、また総合的
にも顕著に向上することが認められる。凍結濃縮昆布抽
出物の添加量は、多ければ多いほどよいが、凍結濃縮昆
布抽出物由来固形分として0.01〜10w/w%が好
ましい。また、塩かどの取れ具合からすると、0.53
w/w%以上で効果が認められ、多い方が好ましい。香
味バランスの面から見ると、凍結濃縮昆布抽出物由来固
形分が2.78w/w%では評価値はやや低下する。し
たがって、これらを実用的な面も含めて総合的に見る
と、0.5〜3.0w/w%未満が好ましい範囲であ
る。 【0023】実施例2 めんつゆの製造において、原料の混合・加熱の順序を変
えることにより、製品の風味に違いが生じるかどうかを
検討した。すなわち、以下の4種類の組合せの処理でめ
んつゆを試作しそれぞれの風味について検討した。 みりん8ml、凍結濃縮昆布抽出物13g、鰹節エ
キス1.4g、上白糖7gを加え172mlにしたもの
を75℃、10分加熱し冷却後、醤油28mlを加え
た。 みりん8ml、醤油28ml、鰹節エキス1.4
g、上白糖7gを加え187mlにしたものを75℃、
10分加熱し冷却後、凍結濃縮昆布抽出物13gを加え
た。 醤油8ml、凍結濃縮昆布抽出物13g、鰹節エキ
ス1.4g、上白糖7gを加え192mlにしたものを
75℃、10分加熱し冷却後、みりん8mlを加えた。 醤油8ml、凍結濃縮昆布抽出物13g、みりん8
ml、鰹節エキス1.4g、上白糖7gを加え200m
lにしたものを75℃、10分加熱し冷却した。 次に、好ましいを1点、好ましくないを5点として、8
人のパネラーによる官能検査を行い、その合計値を評価
点として表4に示した。 【0024】 【表4】【0025】表4より、醤油、みりん、凍結濃縮昆布抽
出物の混合加熱する順序としては、凍結濃縮昆布抽出物
以外のものを混合、加熱、冷却したものに凍結濃縮昆布
抽出物を加えたものが最も昆布の風味が強く全体として
のまとまりも良いという評価であった。また、原材料す
べてを混合後加熱する方法も前者には及ばないまでも、
めんつゆ全体としてのまとまりが良いとの評価であっ
た。 【0026】実施例3 醤油、みりん、及び凍結濃縮魚介類〔鯖節:宗田節:鰹
荒節:ウルメイワシ=6:2:1.5:1(重量比)、
以下、特記する場合以外は同様である〕抽出物を主原料
として、めんつゆを調製した。凍結濃縮魚介類抽出物
は、固形分4.5w/w%(内、魚介類抽出物由来3.
6w/w%)、フォルモール態窒素95mg%(w/
w)及びpH5.8に濃度調整したものを使用した。ま
ず、表5に示す配合のめんつゆ446gを調製し、それ
ぞれに凍結濃縮魚介類抽出物を0、30、60、90、
130、160、190、220g添加した。これらを
30℃で3日間熟成させ、75℃で10分間加熱殺菌し
てめんつゆを試作した。 【0027】 【表5】 【0028】ここで使用した凍結濃縮魚介類抽出物及び
各試作複合調味料(めんつゆ)中の凍結濃縮魚介類抽出
物由来の固形分量と割合は表6に示すようになる。 【0029】 【表6】【0030】表6の各めんつゆ製品の全量を、それぞれ
水で2リットルに希釈し、パネラー10名で官能検査し
た。その結果を表7に示す。ここで対照は凍結濃縮魚介
類抽出物無添加とする。官能検査は良を1点、不良を5
点として5段階評価で行った。 【0031】 【表7】 【0032】表7から、本発明品の凍結濃縮魚介類抽出
物を添加したものは、対照の無添加と比較して、味な
れ、塩かどの取れ具合、香味バランスにおいて、また総
合的にも顕著に向上することが認められる。凍結濃縮魚
介類抽出物の添加量は、多ければ多いほどよいが、凍結
濃縮魚介類抽出物由来固形分として0.01〜10w/
w%が好ましい。また、塩かどの取れ具合からすると、
0.53w/w%以上で効果が認められ、多い方が好ま
しい。香味バランスの面から見ると、凍結濃縮魚介類抽
出物由来固形分が2.51w/w%では評価値はやや低
下する。したがって、これらを実用的な面も含めて総合
的に見ると、0.5〜3.0w/w%未満が好ましい範
囲である。 【0033】実施例4 めんつゆの製造において、原料を混合・加熱の順序を変
えることにより、製品の風味に違いが生じるかどうかを
検討した。すなわち、以下の4種類の組合せの処理でめ
んつゆを試作しそれぞれの風味について検討した。 みりん8ml、凍結濃縮魚介類抽出物15g、昆布
エキス1.5g、上白糖7gを加え172mlにしたも
のを75℃、10分加熱し冷却後、醤油28mlを加え
た。 みりん8ml、醤油28ml、昆布エキス1.5
g、上白糖7gを加え185mlにしたものを75℃、
10分加熱し冷却後、凍結濃縮魚介類抽出物15gを加
えた。 醤油8ml、凍結濃縮魚介類抽出物15g、昆布エ
キス1.5g、上白糖7gを加え192mlにしたもの
を75℃、10分加熱し冷却後、みりん8mlを加え
た。 醤油8ml、凍結濃縮魚介類抽出物15g、みりん
8ml、昆布エキス1.5g、上白糖7gを加え200
mlにしたものを75℃、10分加熱し冷却した。 次に、好ましいを1点、好ましくないを5点として、8
人のパネラーによる官能検査を行い、その合計値を評価
点として表8に示した。 【0034】 【表8】 【0035】表8より、醤油、みりん、凍結濃縮魚介類
抽出物の混合加熱する順序としては、凍結濃縮魚介類抽
出物以外のものを混合、加熱、冷却したものに凍結濃縮
魚介類抽出物を加えたものが最も魚介類の風味が強く全
体としてのまとまりも良いという意見であった。また、
原材料すべてを混合後加熱する方法も前者には及ばない
までも、めんつゆ全体としてのまとまりが良く評価がよ
かった。 【0036】実施例5 本みりん240ml、濃口醤油160ml、清酒8m
l、砂糖54g、デンプン160gを、水約240ml
に混合し、焼き鳥用のタレ計700mlを作製した。こ
れを2等分し、一方には本発明品として、凍結濃縮昆布
抽出物を7g添加し、30℃で半日置いた後、デンプン
にとろみがつくまで60〜100℃、10分程度加熱す
る。その後、この調味料の官能検査を、市販の昆布エキ
ス(昆布由来の固形分は同量)を添加したものを対照と
して行った。官能検査法は実施例1と同様である。結果
を表9に示した。 【0037】 【表9】 【0038】表9より本発明品は、対照品と比較して、
味なれがよいという顕著な品質面での特徴を有した。こ
れらの焼き鳥のタレの中に、一口大に切りそろえ、竹串
に刺した鶏肉を付け、タレをからめて、炭火で焼き上げ
た。それぞれの焼き鳥について官能検査を行い、その結
果を表10に示した。官能検査法は実施例1と同様に行
った。 【0039】 【表10】 【0040】表10より本発明のタレを使用した焼き鳥
では、みりん、醤油の良好な香味、焼き鳥本来の香りに
昆布の香りがほんのりと残り、鳥肉の臭いが穏やかにな
った。 【0041】実施例6 本みりん40ml、上白糖45g、濃口醤油225m
l、水を混合したそうめんつゆ原液計280mlを作製
した。これを2等分し、一方には、本発明品として、凍
結濃縮昆布抽出物を、他方には、市販の昆布エキス(昆
布由来の固形分は同量)を添加したものを、それぞれ2
0g添加した。熟成は実施例1と同様に行った。これら
に、常法により調製した鰹節のだし汁を200mlずつ
添加して、そうめんつゆを調製した。これらのそうめん
つゆの官能検査の結果を表11に示す。官能検査法は実
施例1と同様である。 【0042】 【表11】 【0043】表11より、本発明品は、対照品と比較し
て、そうめんつゆの昆布の良い香りが引立つことが指摘
され、外観もやや薄色に仕上っていた。また、本発明品
は、味なれが良く、味と香りのバランスがとれ、味も良
い評価が得られた。 【0044】実施例7 本みりん50ml、淡口醤油200ml、濃口醤油40
ml、上白糖60g、食塩70gをよく混合し、うどん
だし920mlを作製した。これを2等分し、一方に
は、本発明品として、凍結濃縮魚介類抽出物を、他方に
は、市販の魚介類エキス(魚介類由来の固形分は同量)
を40g添加した。熟成、加熱殺菌は実施例1と同様に
行った。これらのうどんだしを10倍に希釈し、官能検
査の結果を表12に示す。官能検査法も実施例1と同様
である。 【0045】 【表12】【0046】表12より、本発明品は対照品と比較し
て、香りにおいてうどんの香りと他の調味料の香りがよ
くなじんでおり、混合して長期間を経たときと同様の調
理効果がみられた。また、味においても塩かどがとれて
おり、総合して本発明品は高い評価が得られた。 【0047】実施例8 本みりん40ml、食酢100ml及び醤油100ml
をよく混合し、三杯酢240mlを作製した。これを2
等分し、一方には、本発明品として、凍結濃縮昆布抽出
物を、他方には、市販の昆布エキス(昆布由来の固形分
は同量)を、それぞれ10g添加した。熟成、加熱殺菌
は実施例1と同様に行った。これらの三杯酢の官能検査
の結果を表13に示す。官能検査法も実施例1と同様で
ある。 【0048】 【表13】 【0049】表13より、本発明品は対照品と比較し
て、香りにおいて食酢の香りと他の調味料の香りがよく
なじんでおり、混合して長期間を経たときと同様の調理
効果がみられた。また、味においても塩かど、酢かどが
とれており、総合して本発明品は高い評価が得られた。 【0050】実施例9 醤油、みりん、及び凍結濃縮昆布抽出物を主原料とし
て、煮物用だし醤油(濃口)を調製した。まず、表14
に示す配合の煮物用だし醤油(濃口)を調製し、これら
を30℃で3日間熟成させ、75℃で10分間加熱殺菌
して、本発明の複合調味料の一つである煮物用だし醤油
(濃口)を試作した。変性アルコール調整用の変性剤は
フレーバーH−No.11〔長谷川香料(株)製〕を使
用した(以下同様)。その後、この調味料の官能検査
を、市販の昆布エキス(昆布由来固形分は同量)を添加
したものを対照として行った。官能検査は筑前煮で行っ
た。鶏肉200g、れんこん150g、里芋150g、
こんにゃく1/2枚、干し椎茸4枚に対して調味料15
0gと水400gを入れ煮立てた。これらの煮物用だし
醤油(濃口)の官能検査の結果を表15に示す。官能検
査法は実施例1と同様である。 【0051】 【表14】【0052】 【表15】 【0053】表15より本発明品は、対照品と比較して
総合的に優れ、特に味なれが顕著によいという品質面で
の特徴を有した。 【0054】実施例10 醤油、みりん、及び実施例3と同様の方法で得た凍結濃
縮魚介類(鰹節)抽出物を主原料として、煮物用だし醤
油(濃口)を調製した。まず、表16に示す配合の煮物
用だし醤油(濃口)を調製し、これらを30℃で3日間
熟成させ、75℃で10分間加熱殺菌して、本発明の複
合調味料の一つである煮物用だし醤油(濃口)を試作し
た。その後、この調味料の官能検査を、市販の鰹節エキ
ス(鰹節由来固形分は同量)を添加したものを対照とし
て行った。官能検査は筑前煮で行った。鶏肉200g、
れんこん150g、里芋150g、こんにゃく1/2
枚、干し椎茸4枚に対して調味料150gと水400g
を入れ煮立てた。これらの煮物用だし醤油(濃口)の官
能検査の結果を表17に示す。官能検査法は実施例1と
同様である。 【0055】 【表16】【0056】 【表17】 【0057】表17より本発明品は、対照品と比較して
総合的に優れ、特に香り及び味なれが顕著によいという
品質面での特徴を有した。 【0058】実施例11 醤油、みりん、及び凍結濃縮昆布抽出物を主原料とし
て、煮物用だし醤油を調製した。まず、表18に示す配
合の煮物用だし醤油(淡口)を調製し、これらを30℃
で3日間熟成させ、75℃で10分間加熱殺菌して、本
発明の複合調味料の一つである煮物用だし醤油(淡口)
を試作した。その後、この調味料の官能検査を、市販の
昆布エキス(昆布由来固形分は同量)を添加したものを
対照として行った。官能検査は春菊としめじの煮浸しで
行った。春菊2束としめじ1パックに対して調味料50
gと水200gで煮立てて汁気を切った。これらの煮物
用だし醤油(淡口)の官能検査の結果を表19に示す。
官能検査法は実施例1と同様である。 【0059】 【表18】【0060】 【表19】 【0061】表19より本発明品は、対照品と比較し
て、総合的に優れ、特に味なれが顕著によいという品質
面での特徴を有した。 【0062】 【発明の効果】以上述べたように、本発明の、醤油、み
りん、並びに凍結濃縮昆布類抽出物及び/又は凍結濃縮
魚介類抽出物を主原料とした複合調味料は、昆布類及び
/又は魚介類の風味に優れ、味なれがよく、塩かど、酢
かどがとれており、味なれのした熟成感を有するもので
あり、また、該複合調味料を用いることにより、調理食
品の品質向上に著しい同様の効果を付与できるので、本
発明は工業的に生産可能な優れた複合調味料及びその製
造方法を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−177684(JP,A) 太田静行他,光琳テクノブックス つ ゆ類−その化学と製造−,株式会社光 琳,1991年 7月25日,p.174−187 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/22 - 1/238 A23L 1/337 A23L 1/327

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 醤油、みりん、並びに凍結濃縮昆布類抽
    出物及び/又は凍結濃縮魚介類抽出物を主原料とする複
    合調味料であって、醤油、みりんを先に混合し、次いで
    熟成及び/又は加熱した後、−5〜−15℃で凍結し濃
    縮した凍結濃縮昆布類抽出物及び/又は、−5〜−15
    ℃で凍結し濃縮した凍結濃縮魚介類抽出物を添加してな
    り、かつ、複合調味料中の含量が、凍結濃縮昆布類抽出
    物では昆布類由来の固形分として0.5〜3.0w/w
    %、凍結濃縮魚介類抽出物では魚介類由来の固形分とし
    0.5〜3.0w/w%であることを特徴とする塩か
    どの取れた、熟成感のある複合調味料。
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太田静行他,光琳テクノブックス つゆ類−その化学と製造−,株式会社光琳,1991年 7月25日,p.174−187

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