JP3530407B2 - リニアモーターカー用電磁石装置 - Google Patents

リニアモーターカー用電磁石装置

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JP3530407B2 JP35316698A JP35316698A JP3530407B2 JP 3530407 B2 JP3530407 B2 JP 3530407B2 JP 35316698 A JP35316698 A JP 35316698A JP 35316698 A JP35316698 A JP 35316698A JP 3530407 B2 JP3530407 B2 JP 3530407B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リニアモーターカ
ーを浮上、推進させる電磁石コイルユニットについて、
より強力な磁束を発生させるコイルの組合わせを有する
リニアモーターカー用電磁石装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術を図7〜図9に示す。
【0003】図7は、リニアモーターカーの浮上・推進
原理の説明図、図8〜図9は、従来のリニアモーターカ
ー用電磁石のコイルユニットの説明図である。 (リニアモーターカーの浮上原理)リニアモーターカー
の永久磁石12は、図7に示すように、永久磁石用固定
台11を介して車両10に装着されている。
【0004】リニアモーターカー用電磁石の電機子コイ
ル22は、図9に示すように、電機子コイル台23を介
して軌道20に装着されている。
【0005】電機子コイル台23は、電機子コイル台ベ
ース43と電機子コイル台支柱47とを組み合わせたも
のである。
【0006】図7(A)に示すリニアモーターカーの浮
上は、図7(B)に示すように、永久磁石12と同じ極
が出来るように電機子コイル22に電流を流すことによ
り、反発力Fを発生させ、その反発力F(永久磁石12
に働く力F)により行う。
【0007】そして、リニアモーターカーの浮上力の制
御は、電機子コイル22に流す電流の振幅の制御により
行う。 (リニアモーターカーの推進原理)リニアモーターカー
の推進は、図7(C)に示すように、永久磁石12の中
心と電機子コイル22が作る磁界の中心とをずらすこと
により(すなわち、位相差を発生させることにより)、
永久磁石12に働く力Fに傾きを発生させ、その傾いた
力の進行方向成分Tにより行う。
【0008】そして、リニアモーターカーの推進力Tの
制御は位相差の制御により行い、永久磁石12に働く力
の傾いた力の垂直方向成分Lによりニアモーターカーを
浮上させる。 (従来のリニアモーターカー用電磁石)従来のリニアモ
ーターカー用電磁石のコイルユニットは、図8〜図9に
示すように、ただ単に、上段側コイル51と下段側コイ
ル52を,前後方向に半分ずらして、2段重ねにしてい
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術には、次の
ような問題がある。 (1)従来のリニアモーターカー用電磁石のコイルユニ
ットでは、図8〜図9に示すように、電機子コイル22
Aは上段側コイル51と下段側コイル52からなり、下
段側コイル52の上面位置(軌道20からの高さ)が上
段側コイル51の上面位置(軌道20からの高さ)より
離れている。 (2)そのため、下段コイル52の上面位置(軌道20
からの高さ)が、リニアモーターカーの車両側に取付け
た永久磁石12から離れすぎることになり、磁束のロス
が生じていた。
【0010】本発明は、これらの問題を解決することが
できるリニアモーターカー用電磁石装置、すなわち、下
段コイルの上面が上段コイルの上面と同じ高さ(軌道2
0からの高さ)になるようにすることにより、下段コイ
ルの上面がリニアモーターカー100の車両側に取付け
た永久磁石12から離れすぎることを防止し、前記下段
コイルの上面がリニアモーターカーの車両側に取付けた
永久磁石12から離れすぎたことによるロスを無くすこ
とが出来るリニアモーターカー用電磁石装置を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】(第1の手段)本発明に
係るリニアモーターカー用電磁石装置は、電機子コイル
保護板21と、電機子コイル22Bと、電機子コイル台
23からなるリニアモーターカー用電磁石装置におい
て、(A)前記電機子コイル22Bは、平面コイルで構
成された第1コイル41と、左右の両端を下方に曲げた
曲げコイルで構成された第2コイル42からなり、電機
子コイル台23を介して軌道20に装着され、(B)前
記第1コイル41と第2コイル42は、軌道20の前後
方向に半分ずらして、第2コイル42の左右の両端を下
方に曲げた部分で、第1コイル41と第2コイル42を
重ねるとともに、第1コイル41の上面位置と第2コイ
ル42の上面位置が同じ高さになるよう設置し、(C)
前記電機子コイル保護板21は、前記電機子コイル22
Bの上に設置されることを特徴とする。 (第2の手段)本発明に係るリニアモーターカー用電磁
石装置は、電機子コイル保護板21と、電機子コイル2
2Bと、電機子コイル台23からなるリニアモーターカ
ー用電磁石装置において、(A)前記電機子コイル22
Bは、左右の両端を上方に曲げた曲げコイルで構成され
た第1コイル41と、平面コイルで構成された第2コイ
ル42とからなり、前記電機子コイル台23を介して軌
道20に装着され、(B)前記第1コイル41と第2コ
イル42は、軌道20の前後方向に半分ずらして、第コ
イル41の左右の両端を上方に曲げた部分で、第1コイ
ル41と第2コイル42を重ねるとともに、第1コイル
41の上面位置と第2コイル42の上面位置が同じ高さ
になるよう設置し、(C)前記電機子コイル保護板21
は、前記電機子コイル22Bの上に設置されることを特
徴とする。 (第3の手段)本発明に係るリニアモーターカー用電磁
石装置は、電機子コイル保護板21と、電機子コイル2
2Bと、電機子コイル台23からなるリニアモーターカ
ー用電磁石装置において、(A)前記電機子コイル22
Bは、左右の両端を上方に曲げた曲げコイルで構成され
た第1コイル41と、左右の両端を下方に曲げた曲げコ
イルで構成された第2コイル42とからなり、前記電機
子コイル台23を介して軌道20に装着され、(B)前
記第1コイル41と第2コイル42は、軌道20の前後
方向に半分ずらして、第コイル41の左右の両端を上方
に曲げた部分と、第2コイル42の左右の両端を下方に
曲げた部分で、第1コイル41と第2コイル42を重ね
るとともに、第1コイル41の上面位置と第2コイル4
2の上面位置が同じ高さになるよう設置し、(C)前記
電機子コイル保護板21は、前記電機子コイル22Bの
上に設置されることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図1〜図6に
示す。
【0013】図1〜図2は、第1の実施の形態に係るリ
ニアモーターカー用電磁石装置の説明図、図3〜図4
は、第2の実施の形態に係るリニアモーターカー用電磁
石装置の説明図、図5〜図6は、第3の実施の形態に係
るリニアモーターカー用電磁石装置の説明図である。
【0014】図1〜図6においては、上段側コイルと下
段側コイルの上面位置(軌道20からの高さ)は同じ高
さになるので、以下においては、上段側コイルを第1コ
イル41、下段側コイルを第2コイル42ということに
する。
【0015】なお、前記電機子コイル22Bは、第1コ
イル41と第2コイル42からなり、第1コイル41と
第2コイル42は、リニアモーターカーの前後方向に、 第1コイル41、 第2コイル42、 第1コイル41、 第2コイル42、 ・・・・・ と交互に並べられるので、以下においては、奇数番目の
コイルが第1コイルであり、偶数番目のコイルが第2コ
イルである場合について説明する。
【0016】電機子コイル台23は、電機子コイル台ベ
ース43と電機子コイル台支柱47とを組み合わせたも
のである。
【0017】電機子コイル台支柱47は、電機子コイル
22Bの空気に接触する面積を多くするため(冷却しや
すくするため)、できるだけ薄い板を使用する。 (第1の実施形態)本発明の第1実施形態を図1〜図2
に示す。
【0018】本発明の電磁石装置は、図1〜図2に示す
ように、電機子コイル保護板21と、電機子コイル22
Bと、電機子コイル台23からなる。
【0019】電機子コイル22Bは、電機子コイル台2
3を介して軌道20に装着する。
【0020】電機子コイル保護板21は電機子コイル2
2Bの上に設置される。
【0021】電機子コイル保護板21とリニアモーター
カーの永久磁石12との距離dは、約5mmにする。
【0022】第1の実施形態では、第1コイル41と第
2コイル42の上面位置(軌道20からの高さ)を同じ
高さにするために、図1〜図2に示すように、第1コイ
ル(奇数番目のコイル)41は平面コイルとし、第2コ
イル(偶数番目のコイル)42は左右の両端を下方に曲
げた曲げコイルとする。
【0023】そして、第1コイル41と第2コイル42
は、軌道20の前後方向に半分ずらして、第2コイル4
2の左右の両端を下方に曲げた部分で、第1コイル41
と第2コイル42が重なる(嵌め込む)ようにする。
【0024】その場合、 コイルは急激に曲げることができないので、コイルの
上面位置(軌道20からの高さ)で同じ高さになるよう
に、第1コイル41と第2コイル42を重ねる(嵌め込
む)ようにするためには、図2のaに示す部分(曲げ部
分)が多く必要になる。
【0025】しかし、この図2のaの部分(曲げ部分)
は、全くのロスになる部分であるため、無駄な電線が多
くなり、抵抗増につながる。
【0026】そのため、図2のaの部分(曲げ部分)は
少なくなるようにする。
【0027】コイルを製作(手巻き)する時に、第1
コイル(平面コイル)と第2コイル(曲げコイル)の2
種類の型が必要になるが、第1の実施の形態では、両コ
イルの上面が平面であるため、コイルの上面保護に必要
な電機子コイル保護板21を容易に設置することが出来
る。 (第2の実施形態)本発明の第2の実施の形態を図3〜
図4に示す。
【0028】本発明の電磁石装置は、図3〜図4に示す
ように、電機子コイル保護板21と、電機子コイル22
Bと、電機子コイル台23からなる。
【0029】電機子コイル22Bは、電機子コイル台2
3を介して軌道20に装着する。
【0030】電機子コイル保護板21は電機子コイル2
2Bの上に設置される。
【0031】電機子コイル保護板21とリニアモーター
カーの永久磁石12との距離dは、約5mm前後にす
る。
【0032】第2の実施形態では、第1コイル41と第
2コイル42の上面位置(軌道20からの高さ)を同じ
高さにするために、図3〜図4に示すように、第1コイ
ル(奇数番目のコイル)41は左右の両端を上方に曲げ
た曲げコイルとし、第2コイル(偶数番目のコイル)4
2は平面コイルとする。
【0033】そして、第1コイル41と第2コイル42
は、前後方向に半分ずらして、第1コイル41の左右の
両端を上方に曲げた部分で、第1コイル41と第2コイ
ル42が重なる(嵌め込む)ようにする。
【0034】その場合、 コイルは急激に曲げることができないので、コイルの
上面位置(軌道20からの高さ)で同じ高さになるよう
に、第1コイル41と第2コイル42を重ねる(嵌め込
む)ようにするためには、図4のaに示す部分(曲げ部
分)が多く必要になる。
【0035】しかし、この図4のaの部分(曲げ部分)
は、全くのロスになる部分であるため、図4のaの部分
(曲げ部分)は少なくなるようにする。
【0036】コイルを製作(手巻き)する時には、第
1コイル(曲げコイル)と第2コイル(平面コイル)の
2種類の型が必要になるが、第2の実施の形態では、第
1コイル(曲げコイル)の両端の磁力が中心方向に向い
ているため、左右に逃げようとする永久磁石を中心部分
で安定させる効果がある。 (第3の実施形態)本発明の第3の実施の形態を図5〜
図6に示す。
【0037】本発明の電磁石装置は、図5〜図6に示す
ように、電機子コイル保護板21と、電機子コイル22
Bと、電機子コイル台23からなる。
【0038】電機子コイル22Bは、電機子コイル台2
3を介して軌道20に装着する。
【0039】電機子コイル保護板21は電機子コイル2
2Bの上に設置される。
【0040】電機子コイル保護板21とリニアモーター
カーの永久磁石12との距離dは、約5mm前後にす
る。
【0041】第3の実施形態では、第1コイル41と第
2コイル42の上面位置(軌道20からの高さ)を同じ
高さにするために、図5〜図6に示すように、第1コイ
ル41は左右の両端を上方に曲げたコイルとし、第2コ
イルは左右の両端を下方に曲げたコイルとする。
【0042】そして、第1コイル41と第2コイル42
は、前後方向に半分ずらして、第1コイル41の左右の
両端を上方に曲げた部分と、第2コイル41の左右の両
端を下方に曲げた部分とで、第1コイル41と第2コイ
ル42が重なる(嵌め込む)ようにする。
【0043】第3の実施形態は、 第1コイルと、第2コイルが共に曲がっているため、
図6のbの部分が少なくて済む。
【0044】第1コイルと、第2コイルは、同じ型枠
で製作することが出来る。
【0045】第2の実施形態に比べると、わずかでは
あるが、永久磁石12を中心部分に安定させる効果があ
る。
【0046】
【発明の効果】本発明は前述のように構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。 (1)本発明により、リニアモーターカー用電磁石装置
の電機子コイル22Bの第1コイルと第2コイルの上面
位置を同じ高さ(軌道20からの高さ)にし、リニアモ
ーターカーの車両側に取付けた永久磁石から前記第2コ
イルが離れすぎることを防止することが出来る。 (2)そのため、本発明により、従来のリニアモーター
カー用電磁石装置よりも強力な磁束を発生できるコイル
ユニットを有するリニアモーターカー用電磁石装置を製
作することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るリニアモータ
ーカー用電磁石装置(1)。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るリニアモータ
ーカー用電磁石装置(2)。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るリニアモータ
ーカー用電磁石装置(1)。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るリニアモータ
ーカー用電磁石装置(2)。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係るリニアモータ
ーカー用電磁石装置(1)。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るリニアモータ
ーカー用電磁石装置(2)。
【図7】リニアモーターカーの浮上・推進原理の説明
図。
【図8】従来のリニアモーターカー用電磁石装置のコイ
ルユニットの説明図(1)。
【図9】従来のリニアモーターカー用電磁石装置のコイ
ルユニットの説明図(2)。
【符号の説明】
10…車両 11…永久磁石用固定台 12…永久磁石 20…軌道 21…電機子コイル保護板 22…電機子コイル 22A…電機子コイル(従来) 22B…電機子コイル(本発明) 23…電機子コイル台 41…第1コイル 42…第2コイル 43…電機子コイル台ベース 44…ナックル線 45…口出線 46…ベース取付用穴 47…電機子コイル台支柱 51…上段側コイル 52…下段側コイル 100…リニアモーターカー F …永久磁石に作用する力 L …浮上力 T …推進力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 欣二郎 福岡県福岡市東区青葉5丁目26番14号 (56)参考文献 特開 平3−293958(JP,A) 特開 平4−165902(JP,A) 特開 平5−49230(JP,A) 特開 平5−217739(JP,A) 実公 昭63−34468(JP,Y2) 実公 平5−45103(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 7/20 H02K 41/00 B60L 13/03 E01B 25/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電機子コイル保護板と、電機子コイルと、
    電機子コイル台からなるリニアモーターカー用電磁石装
    置において、(A)前記電機子コイルは、平面コイルで
    構成された第1コイルと、左右の両端を下方に曲げた曲
    げコイルで構成された第2コイルからなり、前記電機子
    コイル台を介して軌道に装着され、(B)前記第1コイ
    ルと第2コイルは、前記軌道の前後方向に半分ずらし
    て、第2コイルの左右の両端を下方に曲げた部分で、第
    1コイルと第2コイルを重ねるとともに、第1コイルの
    上面位置と第2コイルの上面位置が同じ高さになるよう
    設置し、(C)前記電機子コイル保護板は、前記電機子
    コイルの上に設置されることを特徴とするリニアモータ
    ーカー用電磁石装置。
  2. 【請求項2】電機子コイル保護板と、電機子コイルと、
    電機子コイル台からなるリニアモーターカー用電磁石装
    置において、(A)前記電機子コイルは、左右の両端を
    上方に曲げた曲げコイルで構成された第1コイルと、平
    面コイルで構成された第2コイルとからなり、前記電機
    子コイル台を介して軌道に装着され、(B)前記第1コ
    イルと第2コイルは、前記軌道の前後方向に半分ずらし
    て、第コイルの左右の両端を上方に曲げた部分で、第1
    コイルと第2コイルを重ねるとともに、第1コイルの上
    面位置と第2コイルの上面位置が同じ高さになるよう設
    置し、(C)前記電機子コイル保護板は、前記電機子コ
    イルの上に設置されることを特徴とするリニアモーター
    カー用電磁石装置。
  3. 【請求項3】電機子コイル保護板と、電機子コイルと、
    電機子コイル台からなるリニアモーターカー用電磁石装
    置において、(A)前記電機子コイルは、左右の両端を
    上方に曲げた曲げコイルで構成された第1コイルと、左
    右の両端を下方に曲げた曲げコイルで構成された第2コ
    イルとからなり、前記電機子コイル台を介して軌道に装
    着され、(B)前記第1コイルと第2コイルは、前記軌
    道の前後方向に半分ずらして、第コイルの左右の両端を
    上方に曲げた部分と、第2コイルの左右の両端を下方に
    曲げた部分で、第1コイルと第2コイルを重ねるととも
    に、第1コイルの上面位置と第2コイルの上面位置が同
    じ高さになるよう設置し、(C)前記電機子コイル保護
    板は、前記電機子コイルの上に設置されることを特徴と
    するリニアモーターカー用電磁石装置。
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