JP3529308B2 - スパッタ装置及びスパッタ方法 - Google Patents

スパッタ装置及びスパッタ方法

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悟史 土居
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスパッタ装置及びス
パッタ方法に関し、特に直流放電を用いるスパッタ装置
及びスパッタ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置等の製造工程においては、
ガラス等の絶縁基板上に薄膜トランジスタ(TFT)が
形成される。このTFTの製造工程では、配線や画素電
極を構成するための金属膜の形成に、直流放電を用いる
スパッタ装置が用いられている。金属膜形成の際、金属
膜が基板の端部にまで付着すると後工程で剥離して異物
となり、配線ショート不良等の原因となる。そのため基
板の端部に金属膜が付着しないように基板の端部をスパ
ッタ源から見えないように遮蔽するような構造が必要と
なる。
【0003】TFT量産用のスパッタ装置において最も
一般的な遮蔽構造は、基板からわずか離れた位置(0.
5〜5mm)にマスクを設けるものである。このマスク
は、直流放電スパッタ法の場合には、アース経路の役割
も兼ねなくてはならない。直流放電スパッタ装置のアー
ス経路は、カソード電極から放電を介して、直流電流が
流れることができる領域(金属製のマスク領域や装置の
器壁領域)に限定される。
【0004】近年、TFT製造用基板の大型化にともな
い、カソード電極からの器壁領域はほとんど見えない構
造となっている。このため、マスク領域のアースとして
の役割は非常に重要となっており、金属製マスクが主に
用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の金属膜
形成用のスパッタ装置では、膜の低抵抗化や、基板と膜
との密着性の向上、エッチング性の向上等の目的で、基
板の加熱を伴った膜形成を行なうのが普通である。
【0006】しかしながら金属製マスクは熱膨張率が大
きいため、室温で位置を調整しても加熱時のマスクの熱
変形が著しくなり、非成膜領域を精度よく形成できない
という欠点があった。この問題を解決できる熱膨張率の
小さな材質は殆んどが絶縁物であるため、アース経路を
担うマスクには使用できなかった。
【0007】また金属製マスクは、マスク自体が接地さ
れているため、成膜時に基板がマスクと接触してしまう
と、帯電したガラス基板表面と、接地されたマスクとの
接触位置で過電流が流れ、異常放電の原因になる。この
問題に対しては、装置内に基板をクランプする機構を設
けたり、内部マスク部をフローティング構造とする等の
対策がとられているが、装置が複雑化するという問題点
があった。
【0008】本発明の目的は、マスクの位置精度を向上
させるとともに、装置を複雑化することなく、異常放電
が発生することのないスパッタ装置及びスパッタ方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明のスパッタ装
置は、スパッタ室内に設けられ基板を載置するための基
板ホルダーと、この基板ホルダーに対向して設けられた
カソード電極と、前記基板ホルダー上に載置された基板
の周辺部を前記カソード電極から覆い隠すために前記カ
ソード電極と前記基板ホルダーとの間に設けられたマス
クであって、基板ホルダー上の基板から所定の距離を開
けて配設され、アース電位を与えられて放電のアース経
路を兼ねるマスクとを有し、前記カソード電極と前記マ
スクとの間に放電を生じさせることで、前記基板ホルダ
ー上に載置した基板の表面の、マスクによって覆い隠さ
れていない領域に成膜する構造のスパッタ装置におい
て、前記マスクは絶縁物から構成され、且つ前記カソー
ド電極と対向する表面は金属膜で覆われており、その金
属膜が電気的にアースに接続されていることを特徴とす
るものであり、特にマスクはセラミックスかまたは石英
からなり、金属膜はAlまたはCuからなるものであ
る。
【0010】第2の発明のスパッタ方法は、請求項1乃
至請求項4記載のいづれかのスパッタ装置を用いて、前
記基板ホルダー上に載置された基板上に金属膜を形成す
ることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】次に本発明について図面を参照し
て説明する。図1及び図2は本発明の実施の形態を説明
する為のスパッタ装置内の構成図及びマスクの斜視図で
ある。
【0012】図1,2を参照すると本発明のスパッタ装
置は、スパッタ室内に設けられガラス基板3を載置する
ための基板ホルダー2と、この基板ホルダー2に対向し
て設けられターゲットを構成するカソード電極4と、基
板ホルダー2上に設けられガラス基板3と一定の間隔を
保ち、カソード電極4と対向する表面が金属膜6に覆わ
れたセラミック製マスク5とから主に構成されている。
【0013】セラミック製マスク5は、ガラス基板3と
接触しない程度の間隔H(0.5〜5mm)となるよう
に設ける。なお図1において7は直流電源、8はスパッ
タ膜である。
【0014】マスクとしては絶縁物で熱膨張率が小さい
ものであれば全て用いることができるが、セラミックス
や石英のように比較的安価で加工精度が確立されている
材質のものを用いる。
【0015】マスク上に形成する金属膜は、溶射、蒸
着、メッキ、スパッタ等の方法で形成するが、アース経
路の役割があるため安価で抵抗率の低いAlまたはCu
を用いる。具体的にはAl溶射により数μmのAl膜6
Aを堆積させ、図2に示したようにマスクを装置に固定
するネジ部8で接地した。
【0016】金属膜をセラミック製マスク5上に形成す
る方法として本発明のスパッタ装置を用いることができ
る。例えば図1において金属膜が形成されていないセラ
ミック製マスク5を取り付け、金属製の基板ホルダーを
用い、AlまたはCuまたはAuまたはCrをカソード
電極として直流放電を行えばよい。また直流電力とは別
系統に高周波電力を印加できる機構があれば、基板ホル
ダーは絶縁物であってもよく、セラミック製マスク上に
金属膜を形成できる。
【0017】図3に本発明のスパッタ室における等価回
路図を示す。金属膜の形成を行なわない場合はセラミッ
ク製マスク自体の静電容量C1 が存在するため、カソー
ド電極に直流電圧を印加しても直流電流は流れない。し
かしカソード電極から見えるマスク表面を金属膜で覆う
ことにより、アース経路が形成されて安定した直流放電
を維持できる。
【0018】また本発明では、カソード電極から見えな
い領域については、セラミック表面のままとする。すな
わち、基板と面するマスク表面は絶縁物となるため、成
膜中に基板とマスクが接触してC2 がなくても過電流が
流れず、異常放電を抑制できる。従来の金属製マスクで
は成膜中に基板と接触した場合点線で示したように異常
放電経路が形成され、異常放電が発生する。
【0019】次にこのスパッタ装置を用いてガラス基板
3上にCrからなるスパッタ膜8を形成する場合につい
て説明する。膜形成は1枚づつのガラス基板をスパッタ
室内で処理する枚葉搬送方式のスパッタ装置にて実施し
た。図4に枚葉搬送方式の装置の構成を示す。
【0020】ガラス基板3はトランスファー室10を中
心に各処理室に搬送される。まずロードロック室12で
真空排気処理されたガラス基板は、加熱室11において
約200℃まで昇温され、次いでスパッタ室1にて直流
放電スパッタ法によりCr膜が形成される。成膜された
ガラス基板はアンロードロック室12にて大気に開放さ
れ取り出される。
【0021】スパッタ条件としてはガラス基板を約20
0℃になるように基板ホルダーを温度調整し、直流放電
電力設定約5kW、圧力約0.3Pa(Ar流量100
SCCm)で成膜した。
【0022】マスクは放電プラズマ発生時における発熱
や、ホルダーからの輻射熱の影響により、温度制御なし
でも約200℃の高温にまで達する。金属製マスクは、
大きな熱膨張の影響により、数mmの反りや、取り付位
置からのずれが発生するが、セラミック製マスクは熱膨
張が小さいため、このような温度領域でも安定した位置
精度を得ることができ、非成膜領域を精度良く形成でき
る。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、表面に金
属膜が形成された絶縁物からなるマスクを用いることに
より次の効果が得られる。
【0024】第1に、熱膨張率が小さいセラミックスや
石英でマスクを形成できるため、マスクの位置精度を飛
躍的に向上させることができ、またカソード電極から見
えるマスク面については金属膜によるアース経路が形成
されるため、従来の金属製マスクと同様に安定した直流
放電を発生させることができる。
【0025】第2に、基板と対向するマスク面について
は金属膜がなく絶縁構造であるため、成膜時に基板の反
りによって基板とマスクが接触しても金属製マスクで見
られるような異状放電は発生することはない。従って従
来のように複雑な機構を採用する必要はない。
【0026】第3に、スパッタで形成される金属膜とマ
スク材のセラミックスや石英は、エッチング薬液に対し
ての選択性が非常に大きいため、マスクの再生洗浄が容
易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を説明するためのスパッタ
装置内の構成図。
【図2】実施の形態に用いるマスクの斜視図。
【図3】スパッタ室の等価回路図。
【図4】枚葉搬送方式スパッタ装置の概略図。
【符号の説明】
1 スパッタ室 2 基板ホルダー 3 ガラス基板 4 カソード電極 5 セラミック製マスク 6 金属膜 6A Al膜 7 直流電源 8 ネジ部 10 トランスファー室 11 加熱室 12 ロードロック・アンロードロック室

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スパッタ室内に設けられ基板を載置する
    ための基板ホルダーと、この基板ホルダーに対向して設
    けられたカソード電極と、前記基板ホルダー上に載置さ
    れた基板の周辺部を前記カソード電極から覆い隠すため
    に前記カソード電極と前記基板ホルダーとの間に設けら
    れたマスクであって、基板ホルダー上の基板から所定の
    距離を開けて配設され、アース電位を与えられて放電の
    アース経路を兼ねるマスクとを有し、前記カソード電極
    と前記マスクとの間に放電を生じさせることで、前記基
    板ホルダー上に載置した基板の表面の、マスクによって
    覆い隠されていない領域に成膜する構造のスパッタ装置
    において、 前記マスクは絶縁物から構成され、且つ前記カソード電
    極と対向する表面は金属膜で覆われており、その金属膜
    が電気的にアースに接続されていることを特徴とするス
    パッタ装置。
  2. 【請求項2】 前記マスクはセラミックスまたは石英か
    ら構成されている請求項1記載のスパッタ装置。
  3. 【請求項3】 前記マスクを覆う金属膜はAlまたはC
    uまたはAuまたはCrである請求項1または請求項2
    記載のスパッタ装置。
  4. 【請求項4】 前記金属膜は溶射,メッキ,蒸着,スパ
    ッタのいずれかの方法で形成されている請求項3記載の
    スパッタ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4記載のいずれかの
    スパッタ装置を用いて、前記基板ホルダー上に載置され
    絶縁性の基板上に金属膜を形成することを特徴とする
    スパッタ方法。
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