JP3528757B2 - バンドパスフィルタ - Google Patents

バンドパスフィルタ

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    • HELECTRICITY
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    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
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    • H01P1/201Filters for transverse electromagnetic waves
    • H01P1/203Strip line filters
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    • H01P7/08Strip line resonators
    • H01P7/082Microstripline resonators

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バンドパスフィル
タに関し、例えばマイクロ波〜ミリ波帯における通信機
器に用いられるバンドパスフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、バンドパスフィルタとして、
LCフィルタが広く用いられている。従来のLCフィル
タの等価回路を図17に示す。
【0003】LCフィルタは、第1,第2の共振器10
1,102を有し、各共振器101,102は、コンデ
ンサC及びインダクタンスLを並列に接続した構造を有
する。また、単一の電子部品として上記LCフィルタを
構成するために、従来、積層コンデンサ及び積層インダ
クタを一体化した構造が用いられている。すなわち、図
17に示す回路構成を実現するように、積層コンデンサ
部及び積層インダクタンス部からなる2個の共振器が、
1つの積層電子部品として構成されている。また、この
LCフィルタでは、2個の共振器101,102が、結
合コンデンサC1により結合されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図17に示した回路構
成を有するLCフィルタを単一の部品として構成する場
合、多くの導体パターンと、導体パターン間を接続する
ビアホール電極とを形成しなければならない。従って、
所望とする特性を得るには、これらの多数の導体パター
ン及びビアホール電極を高精度に形成しなければならな
かった。
【0005】また、上記のように多数の電子部品素子を
形成する必要があるため、構造が複雑であり、小型化に
限界があった。さらに、一般にLCフィルタの共振周波
数fは、f=1/2π(LC)1/2 で表される。ここで
Lは共振器のインダクタンスを、Cは容量を示す。従っ
て、より高い周波数で用いられるLCフィルタを得よう
とすると、共振器の容量CとインダクタンスLの積を小
さくする必要がある。すなわち、高周波化を図る場合、
共振器のインダクタンスL及び容量Cの製造誤差も小さ
くする必要がある。よって、高周波化を進めるにつれ
て、上記のような多数の導体パターンやビアホール電極
の精度をより一層高めねばならず、高周波化に限界があ
った。
【0006】本発明の目的は、上述した従来技術の欠点
を解消し、高周波化及び小型化を容易に図ることがで
き、さらに寸法精度の管理条件を緩和し得るバンドパス
フィルタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の広い局面によれ
ば、誘電体基板と、前記誘電体基板表面または誘電体基
板内部に形成された一枚の金属膜と、誘電体基板表面ま
たは内部に形成されておりかつ前記金属膜に誘電体基板
の少なくとも一部の層を介して対向されているグラウン
ド電極と、金属膜の外周縁の第1,第2の部分に結合さ
れた入出力結合回路とを備え、前記入出力結合回路の結
合点を結ぶ仮想直線に対して略平行な方向に伝搬する第
1の共振モードと、前記仮想直線に対して略直交する方
向に伝搬する、前記第1の共振モードとは共振周波数が
異なる第2の共振モードとが発生するように、前記金属
膜の形状及び入出力結合回路の結合点の位置が選択され
ており、前記第1,第2の共振モードを結合するよう
に、少なくとも一方の共振モードの共振電界が強くなる
位置において、前記金属膜に突出部または凹部が形成さ
れていることを特徴とするバンドパスフィルタが提供さ
れる。
【0008】本発明のバンドパスフィルタの特定の局面
では、前記金属膜が、長方形、菱形または三角形の平面
形状を有する。本発明のより限定的な局面では、前記金
属膜が長方形の平面形状を有し、該長方形の対向し合う
一対の辺に前記突出部または凹部が形成されている。
【0009】本発明の別の限定的な局面では、前記金属
膜が菱形の平面形状を有し、該菱形の1つの対角線の少
なくとも一方端側において前記突出部または凹部が形成
されている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
に係るバンドパスフィルタの具体的な実施例を説明する
ことにより、本発明を明らかにする。
【0011】本発明に係るバンドパスフィルタでは、誘
電体基板上または誘電体基板内部に一枚の金属膜が形成
されており、該金属膜の外周縁の第1,第2の部分に入
出力結合回路が結合されている。このような構造の共振
器では、金属膜の形状及び入出力結合回路の結合点の位
置により共振形態が定まる。これを図4〜図6を参照し
て説明する。
【0012】本願発明者は、上記のような構造の共振器
として、図4に示すマイクロストリップ構造の共振器を
作製した。図4に示す共振器1では、誘電体基板2の上
面に金属膜3が形成されている。誘電体基板2の下面に
は、グラウンド電極が金属膜3と対向するように形成さ
れている。金属膜3は長方形の形状を有し、一対の短辺
3a,3bとギャップを隔てて、入出力結合回路5,6
が結合されている。入出力結合回路5,6は、誘電体基
板2の上面に形成された入出力容量形成用パターン5
a,6aと、入出力容量形成用パターン5a,6aに接
続されたマイクロストリップライン5b,6bとを有す
る。
【0013】上記共振器1の周波数特性を図5に示す。
図5における実線は通過特性を、破線は反射特性を示
す。図5に示す通過特性から明らかなように、この共振
器1では、共振周波数が最も低い第1の共振Aと、次に
共振周波数が低い第2の共振Bとが存在する。しかしな
がら、上記第1,第2の共振は結合しておらず、従って
バンドパスフィルタを構成することはできない。
【0014】図6は、図4に示した共振器1における第
1の共振Aにおいて共振電界が強くなる部分を模式的に
示す。すなわち、矢印A1,A2で示す部分において、
共振電界が強くなる。言い換えれば、長方形の金属膜3
の一対の短辺3a,3b近傍において共振電界が強くな
る。
【0015】また、特に図示はしないが、第2の共振に
おいても、共振電界分布を調べたところ、金属膜3の一
対の長辺3c,3d近傍において共振電界が強くなるこ
とが確かめられた。
【0016】なお、本明細書及び図面における共振電界
分布は、ヒューレットパッカード社製、電磁界シュミレ
ータHFSSを用いて求めた結果である。本願発明者
は、上記のように、第1,第2の共振において、共振電
界が強くなる部分が異なることに鑑み、該共振電界の分
布を制御すれば、第1,第2の共振を結合し、バンドパ
スフィルタを実現し得るのではないかと考え、本発明を
なすに至った。
【0017】図1は、本発明の第1の実施例に係るバン
ドパスフィルタの模式的平面図であり、図2はその斜視
図である。バンドパスフィルタ11では、誘電体基板1
2の上面12a上に、金属膜13が形成されており、下
面12bにグラウンド電極14が形成されている。誘電
体基板12を構成する材料としては、特に限定されるわ
けではないが、例えばフッ素樹脂、エポキシなどの適宜
の合成樹脂、あるいは酸化物セラミックなどを用いるこ
とができる。本実施例では、誘電体基板12は、Mg,
Si,Alの酸化物により構成されている。
【0018】金属膜13及びグラウンド電極14は、適
宜の金属材料から構成することができ、本実施例では、
Cuにより構成されている。また、金属膜13では、図
4の場合とは異なり、金属膜13の一対の長辺13c,
13dから外側に突出した矩形の突出部13e,13f
が形成されている。
【0019】突出部13e,13fは、金属膜13と同
じ材料により構成されている。すなわち、金属膜13を
形成する工程において、パターニングあるいは印刷等に
より同時に金属膜13及び突出部13e,13fを形成
することができる。
【0020】誘電体基板12の上面には、金属膜13の
一対の短辺13a,13bとギャップを隔てて、入出力
結合回路15,16が構成されている。入出力結合回路
15,16は、短辺13a,13bとギャップを隔てて
誘電体基板12の上面12a上に形成された容量形成用
パターン15a,16aと、容量形成用パターン15
a,16aに接続される外部線路としてのマイクロスト
リップライン15b,16bとを有する。
【0021】本実施例のバンドパスフィルタ1では、上
記入出力結合回路15,16から電圧が金属膜13に入
出力される。この場合、金属膜13は、金属膜3(図
4)と同様の形状を有するため、第1,第2の共振が生
じるが、上記突出部13e,13fの存在により、第2
の共振に際しての共振電界の強い部分の共振電界分布が
緩和され、第2の共振の共振周波数が低周波数側に移動
される。そのため、第1,第2の共振が結合し、バンド
パスフィルタとしての特性が得られる。
【0022】これを、具体的な実験例を参照して説明す
る。上記誘電体基板12として、Mg,Si,Alを主
成分とする酸化物セラミック基板を用いた。金属膜13
として、Cuからなり、短辺13a,13bの長さが
1.3mm、長辺13c,13dの長さが1.5mm、
突出部13e,13fの長辺13c,13dに沿う寸法
の長さが1.0mm、該長さと直交する幅方向寸法すな
わち突出長が0.2mmであり、膜厚が4μmの寸法の
ものを形成した。入出力容量形成用パターン15a,1
6aは、短辺13a,13bから80μmの大きさのギ
ャップを隔てて、かつ短辺13a,13bと400μm
の長さの範囲にわたり対向されるように形成した。
【0023】なお、グラウンド電極14については、誘
電体基板12の下面の全面に形成した。上記バンドパス
フィルタ1の周波数特性を図3に示す。
【0024】図3において実線C及び破線Dは、それぞ
れ、本実施例のバンドパスフィルタの通過特性及び反射
特性を示す。比較のために、図6に示した共振器1の通
過特性及び反射特性を、細い実線A及び細い破線Bで示
す。なお、実線A及び破線Bで示す共振器1は、上記突
出部13e,13fが設けられなかったことを除いて
は、上記実施例と同様にして構成されている。
【0025】図3から明らかなように、本実施例のバン
ドパスフィルタ11では、第1,第2の共振が結合し、
バンドパスフィルタとしての特性の得られることがわか
る。すなわち、第2の共振において共振電界が強くなる
位置に突出部13e,13fを形成することにより、第
2の共振に際しての共振電界分布が変化し、その結果、
第2の共振の共振周波数が低周波数側に移動し、第1の
共振と結合したため、上記のような特性が得られたこと
がわかる。
【0026】(第1の実施例の変形例)第1の実施例の
バンドパスフィルタ1では、突出部13e,13fの形
成により、第2の共振の共振周波数を変化させて、第2
の共振が第1の共振と結合されていた。しかしながら、
本発明においては、突出部に代えて、凹部を設けること
により、第1,第2の共振を結合させてもよい。
【0027】図7は、第1の実施例のこのような変形例
のバンドパスフィルタを示す模式的平面図である。この
変形例のバンドパスフィルタ18では、金属膜13に、
突出部は設けられておらず、その代わりに、短辺13
a,13bに凹部13g,13hが形成されている。
【0028】本実施例では、短辺13a,13b側に凹
部13g,13hが形成されていることにより、第1の
共振モードの共振電界が強くなる部分において上記凹部
13g,13hの影響により第1の共振電界が強められ
る。そのため、第1の共振の共振周波数が高くなり、第
2の共振と第1の共振とが結合する。すなわち、上記凹
部13g,13hは、第1,第2の共振が結合してバン
ドパスフィルタとしての特性が得られるように、その寸
法が定められている。
【0029】本変形例のバンドパスフィルタ18の周波
数特性を図8に示す。図8の実線E及び破線Fが、本変
形例のバンドパスフィルタ18の通過特性及び反射特性
を示す。比較のために、図6に示した共振器1の通過特
性及び反射特性を実線A及び破線Bで示す。
【0030】図8から明らかなように、本変形例におい
ても、第1の実施例と同様に、第1,第2の共振が結合
し、バンドパスフィルタとしての特性の得られることが
わかる。なお、突出部や凹部は、対向し合う一対の辺の
一方のみに形成されてもよい。
【0031】(第2の実施例)第1の実施例及び図7に
示した変形例では、長方形の金属膜が用いられていた。
しかしながら、本発明では、金属膜の形状については特
に限定されず、長方形だけでなく、菱形、三角形、楕円
などを含む任意の形状とすることができる。第2の実施
例では、金属膜が菱形の平面形状を有する。
【0032】図9は、第2の実施例のバンドパスフィル
タ21の模式的平面図である。バンドパスフィルタ21
では、菱形の金属膜23が用いられている。そして、金
属膜23の短い方の対角線の一端側に突出部23aが形
成されている。突出部23aは、辺23b,23cとで
挟まれたコーナー部分を跨ぐように、辺23b,23c
の一部から菱形形状の外側に延ばされている。
【0033】上記金属膜23及び突出部23aは、同じ
金属材料から、パターニングにより、あるいは印刷等に
より同時にかつ連ねられて形成されている。金属膜23
の短い方の対角線の他方側端部近傍には、入出力容量形
成用パターン25a,26aが形成されている。入出力
容量形成用パターン25a,26aは、金属膜23が菱
形であるため、辺23d,23eと平行に延びる端縁2
5a1 ,26a1 を有する。その他の点については、第
1の実施例のバンドパスフィルタ1と同様に構成されて
いるので、同一部分については、同一の参照番号を付す
ることにより、その説明を省略する。
【0034】第2の実施例において、第1,第2の共振
が突出部23aの存在により結合されてバンドパスフィ
ルタの特性が得られることを、図10〜図14を参照し
て説明する。
【0035】図11は、上記突出部が設けられていない
ことを除いては、第2の実施例と同様にして構成された
共振器22を模式的に示す平面図である。この共振器2
2の周波数特性を図12に示す。なお、誘電体基板12
は、第1の実施例の場合と同様にMg,Si,Alの酸
化物を主成分とするセラミックスからなるものを用い
た。また、入出力容量形成用パターン及びグラウンド電
極並びに金属膜23を形成する材料についても第1の実
施例と同様とした。金属膜23の平面形状は、短い方の
対角線の寸法が2.0mm、長い方の対角線の寸法が
2.4mmとした。また、入出力容量形成用パターン2
5a,26aの辺25d,25eと対向されている部分
の長さは0.4mm、辺23d,23eと対向されてい
るギャップの幅は80μmとした。
【0036】上記共振器22の周波数特性を図12に示
す。実線A2が通過特性を、破線B2が反射特性を示
す。図12から明らかなように、第1の共振G及び第2
の共振Hが存在しているが、第1,第2の共振が結合し
ていないことがわかる。
【0037】上記第1の共振G及び第2の共振Hにおけ
る共振電界分布を調べたところ、第1の共振Gでは、図
13に示すように、菱形の金属膜23の長い方の対角線
の両側において共振電界が強く現れた。また、第2の共
振Hでは、図14に示すように、短い方の対角線の両端
近傍において、共振電界が強くなる部分Hが現れた。
【0038】従って、第1の実施例の場合と同様に、一
方の対角線の少なくとも一端側において、突出部または
凹部を設ければ、該突出部または凹部が設けられた側の
共振の共振電界を制御することができ、それによって第
1,第2の共振を結合し得ることがわかる。
【0039】第2の実施例では、このような知見の下
に、図9に示した突出部23aが形成されている。すな
わち、突出部23aは、短い方の対角線の一端側に設け
られており、それによって、短い側の対角線方向に伝搬
する共振、すなわち第2の共振Hの共振電界を弱めるよ
うに作用する。従って、第2の共振の共振周波数が低下
し、第1の共振と第2の共振とが結合する。言い換えれ
ば、突出部23aは、第2の共振の共振周波数を低下さ
せて第1の共振と結合するように、その寸法及び幅が狭
められている。
【0040】図10に、第2の実施例のバンドパスフィ
ルタ21の周波数特性を示す。図10において、実線I
が通過特性を、破線Jが反射特性を示す。比較のため
に、図12に示した共振器22の通過特性及び反射特性
を、それぞれ、実線A2及び破線B2で併せて示す。
【0041】図10から明らかなように、第2の実施例
によれば、菱形の金属膜23において生じていた第1,
第2の共振が結合されて、バンドパスフィルタとしての
特性の得られることがわかる。なお、突出部は短い方向
の対角線の両端部分に設けられていてもよい。
【0042】(第2の実施例の変形例)第2の実施例で
は、菱形の金属膜23の短い方の対角線の一端側に突出
部23aが設けられていたが、第2の実施例において
も、突出部に代えて凹部を形成してもよい。
【0043】図15は第2の実施例のこのような変形例
を示し、ここでは菱形の金属膜23の長い方の対角線の
両端に凹部23g,23hが形成されている。凹部23
g,23hとして、凹部23g,23hの高さが0.3
mm、底部の長さが0.6mmの矩形の凹部を形成し、
かつ上記突出部23aを設けなかったことを除いては、
第2の実施例と同様にしてバンドパスフィルタ25を作
製した。
【0044】このバンドパスフィルタ25の周波数特性
を図16に示す。図16の実線Kが通過特性を、破線L
が反射特性を示す。比較のために、凹部及び突出部が設
けられていない図11に示した共振器22の周波数特性
(図12に示されている周波数特性)を併せて図16に
示す。
【0045】図16から明らかなように、本変形例のバ
ンドパスフィルタにおいても、上記凹部23g,23h
の形成により、第1,第2の共振が結合されて、バンド
パスフィルタとしての特性の得られることがわかる。
【0046】なお、凹部23g,23hは一方のみが設
けられていてもよい。なお、第1,第2の実施例及び各
実施例の変形例では、誘電体基板の上面に金属膜が、下
面にグラウンド電極が形成されていたが、本発明におい
ては、金属膜は誘電体基板の内部に形成されていてもよ
く、グラウンド電極についても誘電体基板内部に形成さ
れていてもよい。要するに、金属膜とグラウンド電極と
が誘電体基板の少なくとも一部の層を介して対向されて
いる限り、金属膜及びグラウンド電極の形成位置は特に
限定されない。
【0047】また、本発明に係るバンドパスフィルタ
は、トリプレート構造など、適宜の構造とすることがで
きる。
【0048】
【発明の効果】本発明に係るバンドパスフィルタによれ
ば、一枚の金属膜の形状及び入出力結合回路の結合位置
を選択し、上記突出部または凹部を金属膜に設けるだけ
で、第1,第2の共振モードを結合させることができ、
所望とする周波数域で通過帯域を構成し得るバンドパス
フィルタを提供することができる。従って、高周波域で
使用し得るバンドパスフィルタの構造の簡略化を図るこ
とができ、かつ製造に際しての寸法精度管理を容易とす
ることができる。よって、高周波域で求められているバ
ンドパスフィルタを安価にかつ容易に提供することが可
能となる。
【0049】本発明においては、上記金属膜の形状は特
に限定されず、長方形、菱形または三角形などの任意の
形状とすることができ、従って、様々な形状の金属膜を
有するバンドパスフィルタを構成することができる。
【0050】本発明において、上記金属膜の平面形状が
長方形であり、該長方形の対向し合う一対の辺に突出部
または凹部を設ける場合、該一対の辺とは異なる対の辺
側に入出力結合回路を構成することができ、小型であ
り、バンドパスフィルタの小型化を容易に図ることがで
きる。
【0051】上記金属膜が菱形の平面形状を有し、該菱
形の一方の対角線の少なくとも一方側に突出部または凹
部が形成されている場合には、該突出部または凹部が形
成されている側とは反対側の対角線の一端側に入出力結
合回路を構成することができ、バンドパスフィルタの小
型化を容易に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るバンドパスフィル
タを模式的に示す平面図。
【図2】第1の実施例のバンドパスフィルタを示す斜視
図。
【図3】第1の実施例及び比較のために用意した共振器
の周波数特性を示す図。
【図4】比較のために用意した共振器の模式的平面図。
【図5】図4に示した共振器の周波数特性を示す図。
【図6】図4に示した共振器における第2の共振の際の
共振電界が強く現れる部分を説明するための模式的平面
図。
【図7】第1の実施例の変形例のバンドパスフィルタを
示す模式的平面図。
【図8】図7に示した変形例のバンドパスフィルタ及び
比較のために用意した共振器の周波数特性を示す図。
【図9】本発明の第2の実施例に係るバンドパスフィル
タの模式的平面図。
【図10】第2の実施例のバンドパスフィルタ及び比較
のために用意した共振器の周波数特性を示す図。
【図11】第2の実施例の比較のために用意した共振器
を示す模式的平面図。
【図12】図11に示した共振器の周波数特性を示す
図。
【図13】図11に示した共振器において、第1の共振
の際の共振電界が強く現れる部分を説明するための模式
的平面図。
【図14】図11に示した共振器において、第2の共振
の際の共振電界が強く現れる部分を説明するための模式
的平面図。
【図15】第2の実施例の変形例に係るバンドパスフィ
ルタを示す模式的平面図。
【図16】図15に示した変形例のバンドパスフィルタ
及び図11に示した共振器の周波数特性を示す図。
【図17】従来のLCフィルタの回路構成を示す図。
【符号の説明】
11…バンドパスフィルタ 12…誘電体基板 12a…上面 12b…下面 13…金属膜 13a,13b…端辺 13c,13d…長辺 13e,13f…突出部 13g,13h…凹部 14…グラウンド電極 15,16…入出力結合回路 18…バンドパスフィルタ 21…バンドパスフィルタ 23…金属膜 23a…突出部 23g,23h…凹部 25…バンドパスフィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 萬代 治文 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (56)参考文献 特開 平10−173405(JP,A) 特開 平2−130005(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 1/20 - 1/219 H01P 7/00 - 7/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板と、 前記誘電体基板表面または誘電体基板内部に形成された
    一枚の金属膜と、 前記誘電体基板表面または内部に形成されておりかつ前
    記金属膜に誘電体基板の少なくとも一部の層を介して対
    向されているグラウンド電極と、 前記金属膜の外周縁の第1,第2の部分に結合された入
    出力結合回路とを備え、 前記入出力結合回路の結合点を結ぶ仮想直線に対して略
    平行な方向に伝搬する第1の共振モードと、前記仮想直
    線に対して略直交する方向に伝搬する、前記第1の共振
    モードとは共振周波数が異なる第2の共振モードとが発
    生するように、前記金属膜の形状及び入出力結合回路の
    結合点の位置が選択されており、 前記第1,第2の共振モードを結合するように、少なく
    とも一方の共振モードの共振電界が強くなる位置におい
    て、前記金属膜に突出部または凹部が形成されているこ
    とを特徴とする、バンドパスフィルタ。
  2. 【請求項2】 前記金属膜が、長方形、菱形または三角
    形の平面形状を有する、請求項1に記載のバンドパスフ
    ィルタ。
  3. 【請求項3】 前記金属膜が長方形の平面形状を有し、
    該長方形の対向し合う一対の辺に前記突出部または凹部
    が形成されている、請求項2に記載のバンドパスフィル
    タ。
  4. 【請求項4】 前記金属膜が菱形の平面形状を有し、該
    菱形の1つの対角線の少なくとも一方端側において前記
    突出部または凹部が形成されている、請求項2に記載の
    バンドパスフィルタ。
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