JP2001284920A - デュアルモード・バンドパスフィルタ及びその減衰極の周波数調整方法 - Google Patents

デュアルモード・バンドパスフィルタ及びその減衰極の周波数調整方法

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JP2001284920A
JP2001284920A JP2000089459A JP2000089459A JP2001284920A JP 2001284920 A JP2001284920 A JP 2001284920A JP 2000089459 A JP2000089459 A JP 2000089459A JP 2000089459 A JP2000089459 A JP 2000089459A JP 2001284920 A JP2001284920 A JP 2001284920A
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metal film
dielectric substrate
bandpass filter
dual mode
capacitance forming
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JP2000089459A
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Seiji Kaminami
誠治 神波
Naoki Mizoguchi
直樹 溝口
Naotake Okamura
尚武 岡村
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 設計の自由度に優れ、小型化を図ることがで
き、減衰極の設計及び調整が容易なデュアルモード・バ
ンドパスフィルタを提供する。 【解決手段】 誘電体基板12の一方面または誘電体基
板内に金属膜13が形成されており、金属膜13に、2
つの共振を結合するための貫通孔13xが形成されてお
り、金属膜13と誘電体基板の少なくとも一部を介して
重なり合うようにグラウンド電極が形成されており、金
属膜13に対して、容量形成用パターン14,15が容
量結合されており、容量形成用パターン14,15が入
出力結合回路を構成しているデュアルモード・バンドパ
スフィルタ11。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばマイクロ波
〜ミリ波帯の通信機において帯域フィルタとして用いら
れるデュアルモード・バンドパスフィルタ及びその周波
数調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高周波領域で用いられるバンドパ
スフィルタとして、デュアルモード・バンドパスフィル
タが種々提案されている(MINIATURE DUAL MODE MICROS
TRIP FILTERS, J.A. Curtis and S.J. Fiedziuszko, 19
91 IEEE MTT-S Digestなど)。
【0003】図13及び図14は、従来のデュアルモー
ド・バンドパスフィルタを説明するための各模式的平面
図である。図13(a),(b)に示すバンドパスフィ
ルタ200では、誘電体基板201上に円形の導電膜2
02が形成されている。この導電膜202に、互いに9
0°の角度をなすように、入出力結合回路203及び入
出力結合回路204が結合されている。そして、上記入
出力結合回路204が配置されている部分に対して中心
角135°の角度をなす位置に、先端開放スタブ205
が形成されている。これによって共振周波数が異なる2
つの共振モードが結合され、バンドパスフィルタ200
は、デュアルモード・バンドパスフィルタとして動作す
るように構成されている。
【0004】また、図14(a),(b)に示すデュア
ルモード・バンドパスフィルタ210では、誘電体基板
211上に略正方形の導電膜212が形成されている。
この導電膜212に、互いに90°の角度をなすよう
に、入出力結合回路213,214が結合されている。
また、入出力結合回路214に対して135°の位置の
コーナー部が欠落されている。欠落部分212aを設け
ることにより、2つの共振モードの共振周波数が異なら
されており、該2つのモードの共振が結合されて、バン
ドパスフィルタ210は、デュアルモード・バンドパス
フィルタとして動作する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図13及び図14に示
した従来のデュアルモード・バンドパスフィルタでは、
1つの導電膜パターンを形成することにより2段のバン
ドパスフィルタを構成することができ、従ってバンドパ
スフィルタの小型化を図り得る。
【0006】しかしながら、円形や正方形の導電膜パタ
ーンにおいて、上記特定の角度を隔てて入出力結合回路
を結合する構成を有するため、結合度を大きくとること
ができず、広い通過帯域を得ることができなかった。
【0007】また、図13に示されているバンドパスフ
ィルタでは、導電膜202が円形であり、図14に示す
バンドパスフィルタでは導電膜212がほぼ正方形であ
り、これらのバンドパスフィルタでは導電膜の形状が限
定される。従って、設計の自由度が低いという問題もあ
った。
【0008】さらに、図13に示したデュアルモード・
バンドパスフィルタでは、先端開放スタブ205の大き
さを、図14に示したバンドパスフィルタ210では正
方形の導電膜212における欠落部分212aの大きさ
を変えることにより、2つの共振モードの結合度あるい
はバンドパスフィルタの帯域幅の調整が行われていた。
しかしながら、バンドパスフィルタにおいては、帯域幅
だけでなく、通過帯域外の周波数域における減衰特性の
設計が重要であり、上述した先行技術に記載のデュアル
モード・バンドパスフィルタでは、通過帯域外の減衰特
性を制御することができなかった。
【0009】本発明の目的は、上述した従来技術の欠点
を解消し、小型化を図り得るだけでなく、結合度を大き
くすることができ、従って、広い帯域を実現することが
でき、通過帯域外の周波数領域における減衰特性を改善
することができ、結合度や帯域の調整が容易であり、さ
らに設計の自由度に優れたデュアルモード・バンドパス
フィルタを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係るデュア
ルモード・バンドパスフィルタは、誘電体基板と、誘電
体基板の一方面または誘電体基板内に形成されており、
かつ2つの共振を結合させるために設けられた貫通孔を
有する金属膜と、前記金属膜と誘電体基板の少なくとも
一部を介して厚み方向に重なり合うように配置されたグ
ラウンド電極と、前記金属膜に結合された入出力結合回
路とを備え、前記入出力結合回路が、前記金属膜と同一
平面上においてギャップを隔てて形成された容量形成用
パターンを有し、該容量形成用パターンと金属膜とが容
量結合されていることを特徴とする。
【0011】第2の発明に係るデュアルモード・バンド
パスフィルタは、誘電体基板と、誘電体基板の一方面ま
たは誘電体基板内に形成されており、かつ2つの共振を
結合させるために設けられた貫通孔を有する金属膜と、
前記金属膜と誘電体基板の少なくとも一部を介して厚み
方向に重なり合うように配置されたグラウンド電極と、
前記金属膜に結合された入出力結合回路とを備え、前記
入出力結合回路が、前記金属膜と異なる平面上において
ギャップを隔てて形成された容量形成用パターンを有
し、該容量形成用パターンと金属膜とが容量結合されて
いることを特徴とする。
【0012】第1,第2の発明の特定の局面では、前記
容量形成用パターンに電気的に接続されており、かつ外
部と電気的に接続するための接続電極がさらに備えられ
る。本発明のさらに限定的な局面では、上記接続電極
は、誘電体基板内に形成されたビアホール電極または誘
電体基板側面に形成された側面電極を有する。
【0013】本発明に係るデュアルモード・バンドパス
フィルタの減衰極の調整方法は、所望とするフィルタ減
衰極の周波数域に応じて前記容量形成用パターンの形状
を変更することを特徴とする。
【0014】本発明に係るデュアルモード・バンドパス
フィルタの減衰極の周波数調整方法の特定の局面では、
上記容量形成用パターンに電気的に接続された接続電極
がさらに備えられ、所望とする周波数特性に応じて接続
電極の形状が変更される。この場合、上記接続電極の形
成位置は特に限定されないが、本発明の特定の局面で
は、誘電体基板内に形成されたビアホール電極または誘
電体基板側面に形成された側面電極が用いられる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施例を
説明することにより、本発明を明らかにする。
【0016】先ず、図15及び図1,図2を参照して、
先行技術に記載のデュアルモード・バンドパスフィルタ
と、本発明に係るデュアルモード・バンドパスフィルタ
の原理の差異を説明する。
【0017】図14に示した従来のデュアルモード・バ
ンドパスフィルタでは、図15に示すように、正方形の
導電膜212の2つの対角線方向に伝搬する共振A,B
が結合される。ここでは、2つの対角線の長さが同じで
あるため、欠落部分212aが設けられない場合には、
2つの共振モードが縮退し、バンドパスフィルタが構成
されない。そのために、上記欠落部分212aを設ける
ことにより、共振Bの共振周波数を高くし、共振A及び
共振Bが結合されている。
【0018】従って、上記欠落部分212aを設けるこ
とにより2つの共振モードを結合するものであるため、
導電膜212の形状が正方形に限定され、さらに前述し
た特定の位置に欠落部分212aを設けなければならな
かった。
【0019】これに対して、本発明に係るデュアルモー
ド・バンドパスフィルタでは、共振器を構成するための
金属膜の形状は任意である。例えば、図1に示すよう
に、金属膜1が長方形の形状を有するとする。この場
合、金属膜1の短辺1a,1bの外側に入出力結合回路
2,3を配置し、電圧を印加した場合、矢印C,Dで示
す共振が生じる。矢印Cは、長方形の金属膜1の短辺1
a,1bに平行な方向に伝搬する共振であり、共振D
は、長辺1c,1dに平行な方向に伝搬する共振モード
である。従って、共振Cと共振Dとは、その共振周波数
が異なることになる。
【0020】よって、上記共振C及び共振Dを結合する
ことができれば、バンドパスフィルタとして動作させる
ことができる。図13及び図14に示した従来のバンド
パスフィルタでは、円や正方形などの等方性の形状を有
する導電膜を用い、特定の部分に先端開放スタブ205
や上記欠落部分212aを設けることにより、2つの共
振モードの結合が図られていた。これに対して、本発明
では、図2に模式的平面図で示すように、金属膜1に貫
通孔1xが形成されており、該貫通孔1xにより2つの
共振モードが結合される。すなわち、図2に示すよう
に、金属膜1に、長方形の貫通孔1xを長辺1c,1d
と平行な方向に延びるように形成した場合、短辺1a,
1bとは平行に延びる共振C(図1)の共振電流あるい
は共振電界が制限されることになる。そのため、共振C
の共振周波数が貫通孔1xの形成により低められる。本
発明では、貫通孔1xの形状及び寸法を工夫することに
より、言い換えれば、共振Cの共振周波数を低下させ、
共振Cと共振Dとが結合するように貫通孔1xの形状及
び大きさが選択されている。
【0021】従って、貫通孔1xの形成により、2つの
共振が結合されて、デュアルモード・バンドパスフィル
タとして動作する。上記のように、貫通孔1xは、バン
ドパスフィルタを構成するのに用いられる共振周波数が
異なる2つの共振を結合するように、その位置及び大き
さが決定される。
【0022】もっとも、本発明において、上記貫通孔1
xは、2つの共振を結合するようにその位置及び大きさ
が決定されるものであり、他方、2つの共振は、金属膜
1の形状及び入出力結合回路2,3(図1)の結合位置
及び結合方法等によって様々な態様で発生する。従っ
て、貫通孔1xの位置及び大きさについては、一義的に
は定め得ないが、金属膜1の形状及び寸法並びに入出力
結合回路2,3の結合位置などに応じて、2つの共振モ
ードが結合するように貫通孔1xの位置及び大きさを設
定すればよい。
【0023】よって、本発明に係るデュアルモード・バ
ンドパスフィルタでは、金属膜1の形状が制限されな
い。また、金属膜1の形状や入出力結合回路2,3の結
合位置等に応じて、貫通孔1xを形成することにより、
デュアルモード・バンドパスフィルタを構成することが
できる。よって、デュアルモード・バンドパスフィルタ
の設計の自由度を大幅に高め得ることがわかる。
【0024】また、上記2つの共振を結合する態様につ
いても特に限定されず、例えば図1に示した長方形の金
属膜1を用いた場合を例にとると、図2に示したよう
に、長辺1c,1dに平行な方向に貫通孔1xを形成す
ればよい。この場合には、長辺1c,1dと平行な方向
に延びる共振D(図1)の共振電流は貫通孔1xの存在
によりあまり影響を受けないが、短辺1a,1bに平行
な方向の共振Cについては共振電流が大きく影響を受け
る。そのため、共振C及び共振Dが結合される。図2の
破線で示す円E,Fで囲まれている部分では、共振Cの
伝搬方向において金属膜1の幅が狭くなる部分が存在す
ることになる。それによって、共振Cの共振電流が強く
流れる部分が不連続化することになり、上記のように共
振Cの共振周波数が低下することになる。
【0025】なお、長方形の金属膜1を用い、長辺方向
に伝搬する共振Dの共振電流に影響を与えないように貫
通孔1xを形成したが、2つの共振のいずれにも影響を
与えるように貫通孔を形成してもよい。すなわち、2つ
の共振が結合され得る限り、貫通孔1xの位置、寸法及
び数は特に限定されるものではない。
【0026】図3(a)〜(c)は、上記原理に従っ
て、構成された本発明に係るデュアルモード・バンドパ
スフィルタの一実施例を説明するための平面図、底面図
及び左側面図であり、図4は、その断面図である。
【0027】図3に示すように、本実施例のデュアルモ
ード・バンドパスフィルタ11では、長方形の誘電体基
板12の上面に長方形の金属膜13が形成されている。
金属膜13は、例えばAlなどの適宜の金属材料により
構成され得る。金属膜13は、長方形の形状を有するの
で、短辺13a,13b及び長辺13c,13dを有す
る。また、金属膜13には、上記のように2つの共振を
結合するための貫通孔13xが形成されている。貫通孔
13xは、長辺13c,13dと平行に延び、長方形の
平面形状を有する。貫通孔13xは、図2に示した貫通
孔1xと同様に、短辺13a,13b方向に伝搬する共
振の共振周波数を低下させて、長辺13c,13d方向
に伝搬する共振と結合させるように設けられている。
【0028】誘電体基板12の上面12a上において、
金属膜13の短辺13a,13bと所定のギャップgを
隔てて、入出力結合回路を構成する容量形成用パターン
14,15が形成されている。容量形成用パターン1
4,15は、金属膜13と同じ金属材料により構成され
てもよく、他の導電性材料により構成されてもよい。
【0029】容量形成用パターン14,15は、金属膜
13で構成される共振器に対し、ギャップgを隔てて容
量結合されている。誘電体基板12の下面には、ほぼ全
面にわたり、グラウンド電極16が形成されている。グ
ラウンド電極16には、切欠16a,16bが形成され
ている。切欠16a,16b内には、グラウンド電極1
6と電気的に接続されないように端子電極17,18が
形成されている。端子電極17,18は、デュアルモー
ド・バンドパスフィルタ11をプリント回路基板などに
実装する際に外部と接続するために用いられる。
【0030】また、端子電極17,18と、誘電体基板
12の上面に形成された容量形成用パターン14,15
とが、誘電体基板12の側面に形成された側面電極1
9、20により電気的に接続されている。
【0031】本実施例のデュアルモード・バンドパスフ
ィルタ11では、入出力結合回路を構成している容量形
成用パターン14,15の一方とグラウンド電極16と
の間に入力電圧を印加した場合、容量形成用パターン1
4,15を結ぶ仮想線に沿う方向及び該仮想線に直交す
る方向に共振が生じる。本実施例では、上記仮想線が金
属膜13の長辺13c,13dと平行な方向に延びてい
る。
【0032】従って、金属膜13に、長辺13c,13
dと平行な方向に延びる共振及び金属膜13の短辺13
a,13bと平行な方向に延びる共振とが生じる。そし
て、この2つの共振を結合するように、上記貫通孔13
xが形成されている。
【0033】従って、本実施例のデュアルモード・バン
ドパスフィルタ11では、上記金属膜13の寸法に応じ
て、貫通孔13xを形成することにより、デュアルモー
ド・バンドパスフィルタを構成することができる。
【0034】加えて、入出力結合回路を構成している容
量形成用パターン14,15と金属膜13との間のギャ
ップgの幅を調整することにより、入出力容量が発生さ
れ、インピーダンス整合を図ることができると共に、あ
るいは直流に近い低周波数域において大きな減衰量を得
ることができる。
【0035】また、入出力容量形成用パターン14,1
5及び側面電極19,20の形状を調整することによ
り、フィルタ特性における減衰極を調整することができ
る。従って、帯域幅や通過帯域外減衰量を容易に制御す
ることができる。
【0036】なお、容量形成用パターン14,15と金
属膜13との間のギャップgについては、図示の形状に
限定されない。すなわち、図3(a)では、長方形の金
属膜13の短辺13a,13bと、容量形成用パターン
14,15の短辺13a,13bに対向している辺と
が、図5(a)に示すように、金属膜13の短辺13a
と平行に配置されていたが、図5(b)〜(e)に示す
ように、容量形成用パターン14A〜Dとして、様々な
形状のものを用いることができる。この場合、金属膜1
3の容量形成用パターン14A〜14Dと対向し合う辺
13bも、図示のように様々な形状とすることができ
る。
【0037】本実施例のデュアルモード・バンドパスフ
ィルタの周波数特性を図6に示す。図6の実線Fが実施
例のデュアルモード・バンドパスフィルタの反射特性
を、破線Gが通過特性を示す。なお、この周波数特性を
得たデュアルモード・バンドパスフィルタ11の仕様は
以下のとおりである。すなわち、16×12mmの金属
膜13に、14×0.2mmの貫通孔13xが形成され
ており、入出力結合回路を構成している容量形成用パタ
ーン14,15は、0.1mmのギャップを隔てて、長
さ0.4mmの範囲にわたり金属膜13の短辺13a,
13bと対向されている。
【0038】比較のために、同じ中心周波数となるよう
に構成された図14に示した従来のデュアルモード・バ
ンドパスフィルタの周波数特性を、図6に併せて示す。
すなわち、図6の実線Hが従来例のデュアルモード・バ
ンドパスフィルタの反射特性を、破線Iが通過特性を示
す。
【0039】図6から明らかなように、本実施例のデュ
アルモード・バンドパスフィルタでは、同じ中心周波数
を有するように構成された従来のデュアルモード・バン
ドパスフィルタに比べて、通過帯域が広げられることが
わかる。さらに、本実施例によれば、減衰極が得られて
いるのに対し、従来技術のデュアルモード・バンドパス
フィルタでは、減衰極の発生していないことがわかる。
【0040】図7は、図1に示した実施例のデュアルモ
ード・バンドパスフィルタの第1の変形例を説明するた
めの平面図である。本変形例に係るデュアルモード・バ
ンドパスフィルタ21では、容量形成用パターンの形状
が異ならされており、その他の点については、第1の実
施例と同様である。
【0041】すなわち、容量形成用パターン24,25
は、金属膜13の短辺13a,13bと対向している部
分は第1の実施例のデュアルモード・バンドパスフィル
タ11と同様とされているが、短辺13a,13bと対
向している側とは反対側において、幅が細くされてい
る。すなわち、容量形成用パターン24,25は、金属
膜13の短辺13a,13bに対向している相対的に幅
の広い対向部24a,25aと、対向部24a,25a
の背後に設けられた相対的に幅の細い細幅部24b,2
5bとを有する。本変形例のデュアルモード・バンドパ
スフィルタ21の周波数特性を図9に示す。図9におい
て、実線Jが通過特性を示す。
【0042】なお、図9に示した上記周波数特性を得た
デュアルモード・バンドパスフィルタ21では、対向部
24a,25aの幅は0.4mm、細幅部24b,25
bの幅は0.2mmとされており、かつ対向部24a,
25aの長辺13c,13d方向に延びる長さ寸法は
0.3mmとされている。
【0043】図8は、デュアルモード・バンドパスフィ
ルタ11の第2の変形例を説明するための部分切欠斜視
図である。本変形例では、接続電極19の幅が広げられ
ており、容量形成用パターン14と同じ幅とされてい
る。特に図示しないが、他方側の側面電極も同様に構成
されている。第2の変形例のデュアルモード・バンドパ
スフィルタの周波数特性を図9に併せて示す。すなわ
ち、図9の破線Kが第2の変形例の反射特性を示す。
【0044】図9から明らかなように、容量形成用パタ
ーンの形状を変更したり、側面電極の形状を変更するこ
とにより減衰極の位置が変化することがわかる。すなわ
ち、本発明のデュアルモード・バンドパスフィルタで
は、容量形成用パターンの形状、位置及び側面電極の形
状などを調整することにより、減衰極の位置を容易に調
整し得ることがわかる。
【0045】上記実施例及び第1,第2の変形例から明
らかなように、容量形成用パターンの構造及び側面電極
の構造を調整することにより、減衰極が変化すること、
すなわちインダクタンス値やグラウンド電極との間の容
量値が変わり、減衰極が変化することがわかる。従っ
て、本発明に係るデュアルモード・バンドパスフィルタ
では、上記第1,第2の変形例の他、共振器に装荷され
るインダクタンス値やグラウンド電極との間の容量値を
変化させ得る様々な変形を行うことができ、そのような
変形によって減衰極を調整し得ることがわかる。
【0046】図10(a),(b)は、デュアルモード
・バンドパスフィルタ11の第3の変形例を説明するた
めの平面図及び断面図である。本変形例に係るデュアル
モード・バンドパスフィルタ31では、誘電体基板12
の中間高さ位置に容量形成用パターン34,35が形成
されている。すなわち、容量形成用パターン34,35
は、誘電体基板12の一部の層を介して金属膜13と重
なり合うように配置されており、それによって金属膜1
3と容量結合されている。なお、容量形成用パターン3
4,35は、必ずしも金属膜13と誘電体基板層を介し
て厚み方向に重なり合う位置に配置されずともよい。す
なわち、金属膜13と容量結合され得る限り、容量形成
用パターン34,35は、誘電体基板12内の任意の位
置に形成され得る。容量形成用パターン34,35を、
下面の端子電極17,18と電気的に接続するために、
誘電体基板12内にビアホール電極36,37が形成さ
れている。従って、デュアルモード・バンドパスフィル
タ31では、側面電極は形成されていない。その他の点
については、第1の実施例のデュアルモード・バンドパ
スフィルタ11と同様に構成されている。
【0047】また、図11に示すように、デュアルモー
ド・バンドパスフィルタ31の容量形成用パターン3
4,35の平面形状を変形したデュアルモード・バンド
パスフィルタ41を作製した。このデュアルモード・バ
ンドパスフィルタ41の容量形成用パターン44,45
の平面形状は、図7に示したデュアルモード・バンドパ
スフィルタ21の容量形成用パターン24,25と同様
とされている。
【0048】上記のようにして用意されたデュアルモー
ド・バンドパスフィルタ31,41の周波数特性を図1
2に、それぞれ実線M及び破線Nで示す。図12から明
らかなように、誘電体基板12内に入出力結合回路を構
成する容量形成用パターン34,35,44,45を用
いた場合においても、容量形成用パターンの形状を調整
することにより、減衰極の位置を変更し得ることがわか
る。
【0049】なお、上述した実施例及び各変形例では、
金属膜13に結合される容量形成用パターンが、誘電体
基板の上面及び誘電体基板内に形成されていたが、この
容量形成用パターンの位置及び形状については図示の構
造に限定されない。すなわち、金属膜13に対して容量
結合され得る適宜の容量形成用パターンを用いて本発明
に係るデュアルモード・バンドパスフィルタを構成する
ことができる。
【0050】さらに、上記実施例及び各変形例では、誘
電体基板の上面に金属膜13が形成されていたが、金属
膜13は、誘電体基板内に内部電極の形態で形成されて
いてもよい。また、例えば誘電体基板12の上面にさら
に誘電体基板を積層し、トリプレート構造のデュアルモ
ード・バンドパスフィルタを構成してもよい。
【0051】
【発明の効果】第1の発明に係るデュアルモード・バン
ドパスフィルタでは、誘電体基板の一方面または誘電体
基板内に貫通孔を有する金属膜が形成されており、誘電
体基板の少なくとも一部を介して金属膜に厚み方向に重
なり合うようにグラウンド電極が形成されており、金属
膜に、容量形成用パターンを有する入出力結合回路が容
量結合されており、上記貫通孔が2つの共振を結合する
ように構成されている。従って、上記貫通孔の形成によ
り2つの共振が結合されて、バンドパスフィルタとして
の特性を得ることができる。
【0052】しかも、上記金属膜の形状は特に限定され
ないため、金属膜に2つの共振を結合するように貫通孔
を形成することにより、様々な形状のデュアルモード・
バンドパスフィルタを設計することができ、デュアルモ
ード・バンドパスフィルタの設計の自由度を大幅に高め
ることができる。
【0053】加えて、入出力結合回路を構成している容
量形成用パターンが金属膜に容量結合されているが、こ
の容量形成用パターンの形状や金属膜との間のギャップ
の距離などを調整することにより、減衰極の位置を調整
することができ、それによって通過帯域外の減衰特性に
優れ、かつ高帯域のバンドパスフィルタを容易に提供す
ることができる。
【0054】第2の発明に係るデュアルモード・バンド
パスフィルタでは、誘電体基板の一方面または誘電体基
板内に貫通孔を有する金属膜が形成されており、誘電体
基板の少なくとも一部を介して金属膜に厚み方向に重な
り合うようにグラウンド電極が形成されており、金属膜
に、容量形成用パターンを有する入出力結合回路が容量
結合されており、上記貫通孔が2つの共振を結合するよ
うに構成されている。従って、上記貫通孔の形成により
2つの共振が結合されて、バンドパスフィルタとしての
特性を得ることができる。
【0055】しかも、上記金属膜の形状は特に限定され
ないため、金属膜に2つの共振を結合するように貫通孔
を形成することにより、様々な形状のデュアルモード・
バンドパスフィルタを設計することができ、デュアルモ
ード・バンドパスフィルタの設計の自由度を大幅に高め
ることができる。
【0056】加えて、入出力結合回路を構成している容
量形成用パターンが金属膜に容量結合されているが、こ
の容量形成用パターンの形状や金属膜との間のギャップ
の距離などを調整することにより、減衰極の位置を調整
することができ、それによって通過帯域外の減衰特性に
優れ、かつ高帯域のバンドパスフィルタを容易に提供す
ることができる。
【0057】第1,第2の発明において、容量形成用パ
ターンに外部と電気的に接続するための接続電極が形成
されている場合には、接続電極の形状を変更することに
よっても、減衰極の位置を変更することができる。
【0058】また、上記接続電極が、誘電体基板内に形
成されたビアホール電極の場合には、誘電体基板の側面
に接続電極を形成する必要がないため、デュアルモード
・バンドパスフィルタの実装面積を低減することができ
ると共に、製造工程の簡略化を果たし得る。
【0059】本発明に係るデュアルモード・バンドパス
フィルタの周波数調整方法では、所望とするフィルタ減
衰極の周波数域に応じて容量形成用パターンの形状を変
更するだけでよいため、減衰極の周波数位置を容易に調
整することができる。
【0060】さらに、容量形成用パターンに接続電極が
電気的に接続されている場合には、所望とする周波数特
性に応じて接続電極の形状を変更することによっても、
減衰極の位置を容易に変更することができる。
【0061】接続電極として、誘電体基板内に形成され
たビアホール電極、あるいは誘電体基板側面に形成され
た側面電極など適宜の接続電極を用いることができ、そ
れによってデュアルモード・バンドパスフィルタの設計
の自由度を高めることができる。また、ビアホール電極
の位置や側面電極の形状などを変更することにより、減
衰極を容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための模式的平面図で
あり、長方形の金属膜からなる共振器において生じる2
つの共振を説明するための模式的平面図。
【図2】図1に示した長方形の金属膜に貫通孔を形成し
た場合の2つの共振の影響を説明するための模式的平面
図。
【図3】(a)〜(c)は、本発明の一実施例に係るデ
ュアルモード・バンドパスフィルタの平面図、底面図及
び左側面図。
【図4】図3に示した実施例のデュアルモード・バンド
パスフィルタの断面図。
【図5】(a)〜(e)は、容量形成用パターンと共振
電極との間のギャップ形状の例を説明するための各模式
的平面図。
【図6】実施例のデュアルモード・バンドパスフィルタ
及び比較のために用意した従来例のデュアルモード・バ
ンドパスフィルタの周波数特性を示す図。
【図7】第1の変形例に係るデュアルモード・バンドパ
スフィルタの模式的平面図。
【図8】第2の変形例に係るデュアルモード・バンドパ
スフィルタの部分切欠斜視図。
【図9】実施例及び第1,第2の変形例に係るデュアル
モード・バンドパスフィルタの周波数特性を示す図。
【図10】(a)及び(b)は、第3の変形例に係るデ
ュアルモード・バンドパスフィルタを説明するための平
面図及び断面図。
【図11】第4の変形例に係るデュアルモード・バンド
パスフィルタを示す平面図。
【図12】第3,第4の変形例に係るデュアルモード・
バンドパスフィルタの周波数特性を示す図。
【図13】(a)及び(b)は、従来のデュアルモード
・バンドパスフィルタの一例を示す平面図及び断面図。
【図14】(a)及び(b)は、従来のデュアルモード
・バンドパスフィルタの他の例を示す平面図及び断面
図。
【図15】従来のデュアルモード・バンドパスフィルタ
における2つの共振を結合させる際を説明するための模
式的平面図。
【符号の説明】
1…金属膜 1x…貫通孔 2,3…入出力結合回路 C,D…共振 11…デュアルモード・バンドパスフィルタ 12…誘電体基板 13…金属膜 13x…貫通孔 14,15…容量形成用パターン 14a〜14d…容量形成用パターン 16…グラウンド電極 17,18…端子電極 19,20…側面電極 g…ギャップ 21…デュアルモード・バンドパスフィルタ 24,25…容量形成用パターン 31…デュアルモード・バンドパスフィルタ 34,35…容量形成用パターン 36,37…ビアホール電極 41…デュアルモード・バンドパスフィルタ 44,45…容量形成用パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡村 尚武 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5J006 HB03 HB15 HB16 HC14 JA01 JA14 LA03 LA05 LA11 NA04 NC02 NE02 NE14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板と、 誘電体基板の一方面または誘電体基板内に形成されてお
    り、かつ2つの共振を結合させるために設けられた貫通
    孔を有する金属膜と、 前記金属膜と誘電体基板の少なくとも一部を介して厚み
    方向に重なり合うように配置されたグラウンド電極と、 前記金属膜に結合された入出力結合回路とを備え、 前記入出力結合回路が、前記金属膜と同一平面上におい
    てギャップを隔てて形成された容量形成用パターンを有
    し、該容量形成用パターンと金属膜とが容量結合されて
    いる、デュアルモード・バンドパスフィルタ。
  2. 【請求項2】 誘電体基板と、 誘電体基板の一方面または誘電体基板内に形成されてお
    り、かつ2つの共振を結合させるために設けられた貫通
    孔を有する金属膜と、 前記金属膜と誘電体基板の少なくとも一部を介して厚み
    方向に重なり合うように配置されたグラウンド電極と、 前記金属膜に結合された入出力結合回路とを備え、 前記入出力結合回路が、前記金属膜と異なる平面上にお
    いてギャップを隔てて形成された容量形成用パターンを
    有し、該容量形成用パターンと金属膜とが容量結合され
    ている、デュアルモード・バンドパスフィルタ。
  3. 【請求項3】 前記容量形成用パターンに電気的に接続
    されており、かつ外部と電気的に接続するための接続電
    極をさらに備える、請求項1または2に記載のデュアル
    モード・バンドパスフィルタ。
  4. 【請求項4】 前記接続電極が、誘電体基板内に形成さ
    れたビアホール電極または誘電体基板側面に形成された
    側面電極を有する、請求項3に記載のデュアルモード・
    バンドパスフィルタ。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のデュアルモード・バン
    ドパスフィルタのフィルタ減衰極の調整方法であって、
    所望とするフィルタ減衰極の周波数域に応じて前記容量
    形成用パターンの形状を変更することを特徴とする、デ
    ュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数調
    整方法。
  6. 【請求項6】 前記容量形成用パターンに電気的に接続
    された接続電極をさらに備え、所望とする周波数特性に
    応じて前記接続電極の形状を変更することを特徴とす
    る、請求項1に記載のデュアルモード・バンドパスフィ
    ルタの周波数調整方法。
  7. 【請求項7】 前記接続電極が、誘電体基板内に形成さ
    れたビアホール電極または誘電体基板側面に形成された
    側面電極である、請求項6に記載のデュアルモード・バ
    ンドパスフィルタの周波数調整方法。
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